本「地球のためのデザイン」 (原題The green imperative.)ヴィクタ−・J.パパネック
パパネックが、「エコ」デザインに興味のある人達の間で知られるようになったのは、晶文社からでていた前邦訳2冊のおかげだ。そのうちの一冊「生きのびるためのデザイン」は、名著であったと思う。もう一冊の「人間のためのデザイン」は、読んでいないので、コメントできない。「生きのびるためのデザイン」は、最近手にとってみても、そのインパクトは変わらない。したがって、初めてパパネックを読む人は、そちらが手に入るならば、是非そちらをお勧めする。
amazon.comで検索したら、ヒットした。古本もありました。お値打ちです。(「生きのびるためのデザイン/ヴィクター・パパネック (著)」で検索してみてください。)
さて、今回紹介する「地球のためのデザイン」は、同じタイトルの形式をとってはいるが、読んだ印象がだいぶ違った。なぜか権威的な臭いをすら感じた。出版社や翻訳者の違いだけではないようだ。デザイン会の異端児と言われたパパネックのデビューが70年代だとすれば、30年もたって、権威がついてしまったのかしらん? また、現状のデザイン界に直接インパクトを与えるような内容が乏しかったような気がする。
また原題のタイトルは、"The green imperative"で、地球のためのデザインという弱いタイトルとは印象が違う。その強さ、 imperative = 要請、命令の語彙が伝わりつつ、平易なタイトルにしてほしかった、、、(蛇足 : t_t)
目次
はじめに デザインの力
第1章 今日あって、明日消える?
第2章 より安全な将来のためのデザイン
第3章 デザインにおける精神性にむかって
第4章 住居を感ずる
第5章 コミュニティの生物工学
第6章 ヴァナキュラー建築の教訓
第7章 形態は楽しさから生まれる
第8章 便利さは敵か?
第9章 買わずに使い合おう
第10章 きたるべき世代
第11章 世界で最高のデザイナー?
第12章 新しい美学―将来の作品を造ること
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boople.com日販で購入する(AP)-->地球のためのデザイン
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ヴィクター・パパネック Victor Papanek(1925−99)
検索していたら、こんなサイトがあった。
""It will be understood that no design stands on its own:
all design has social, ecological and environmental consequences
that need to be evaluated and discussed
in a common forum"- Victor Papanek
http://cat.middlebury.edu/~prc/VictorP.htmlより、学生が記したのだろうか。(コンテンツはこれだけ)
経歴は、以下にあり。
http://www.solutioneers.net/solutioneering/papanek.html
パパネックの、現在のデザイン界に与える影響については、イギリスやアメリカのデザインスクールや国内の学校でもあるそうだが、
デンマークのThe International Centre for Creativity, Innovation and Sustainability
のサイトがわかりやすい。このデザインスクールの標語は、「Everything is in constant change - nothing is permanent - even our point of view. 」。
http://iciscenter.org/
パパネックとこの本についての紹介は、
http://www.iciscenter.org/html/4_resources/inspiration01.htm
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