日本は、16日に衆議院選挙ですが、南アフリカでも将来に影響を与える政治的な選択が実施されようとしているようです。アフリカの中では、経済が好調でだと伝えられていたものの、2010年のワールドカップの開催前には、貧富の格差の拡大や治安状況の悪化がその大会に与える影響なども明らかになっていました。
最近の南アフリカ情勢について知りたいと考えていたら、ちょうどいい記事が日経(FT)に掲載されました。
・[FT]マンデラ時代の輝きを失う南アフリカ-----日本経済新聞、2012/12/13
"(2012年12月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ネルソン・マンデラの独特の輝きが消えつつある――。先週末、94歳の元南アフリカ大統領が肺感染症を再発し、妻のグラサ・マシェルさんはインタビューで悲嘆の表情を見せた。同様に、アパルトヘイト(人種隔離政策)後の南アフリカの輝きが色あせつつあることを多くの国民が嘆いている
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そんな南アフリカが今進めようとしている再生可能エネルギーの導入政策は、いま始まったところです。今後次々と建設されるメガソーラー計画については、先日お伝えしました。
・伊藤忠商事、南アフリカ共和国における 75MWp メガソーラープロジェクトを発表-----ソフトエネルギー、2012/12/12
この記事の75MWp以外のも十以上のプロジェクトが今後推進される予定です。そんな中で、南アフリカの大規模太陽光発電の第一号についてのリリースが南アフリカ政府によって報じられていましたので、今日はこれについてお伝えします。
南アフリカ第一号となった大規模ソーラー発電施設は、ハウテン州のエクルレニ市 Ekurhuleni (Wikipedia : エクルレニ都市圏) のベノニ(Benoni)郊外のWattvilleに建設された、860枚の太陽電池から構成される200kWpの太陽光発電所です。政府の広報によれば、133戸のローコストハウスで消費される電力に相当するとされていましたので、一戸当たり1.5kWp見当の掲載です。設置された地域の日照条件がわかっていないのでいいかげんなことも書けませんが、先日しらべた日射条件によれば、日本の平均の倍近くあることがわかっていますし、設置されたのが2500mの高地であることを考えれば、かなり発電してくれるはずです。倍と考えれば、日本の3kWpのシステムに匹敵する電力を供給してくれるはずです。このLeeupan solar power plantは、独立系ではなく、系統連系システムで運用されていますが、バッテリーを備えた夜間照明施設なども設置されているということです。
アフリカの土地に適した日干し煉瓦やストローベイルや泥壁(コブハウス)、さらには草屋根やパッシブソーラーなどのエコハウスの建築方法を採用するすることで、ローコストで快適な暮らしの実現に寄与することが可能と記されています。これからメガソーラー計画が目白押しの南アフリカで、小規模分散型電源としてのメリットとエコなデザインの総合的な採用という文脈が記述された技術体系の中での太陽光発電の一つのあり方がしめされた意欲的なプランとなっています。
この総合プラン「Ekurhuleni's Energy Strategy」(ENERGY & CLIMATE CHANGE STRATEGY FOR EMM)によれば、200kWpの太陽光発電施設は、あと2ヶ所に合計3ヶ所建設され、エクルレニ市のエネルギーに関する総合プロジェクトの一翼を担う計画です。大規模ソーラー以外では、独立系太陽光発電の街灯、太陽熱温水器などとともに、地元の泥を活用したエコハウス作りによる、総合的なエコシティの建設まで言及された、エネルギーと自治を非常に強く打ち出しています。
プレスリリース / South African Government News Agency,12 Oct 2012
・SA's first solar plant unveiled in Ekurhuleni
-----image : 上下とも、South African Government News Agency資料「ENERGY & CLIMATE CHANGE STRATEGY FOR EMM Tshilidzi Thenga Director: Energy Services 2012」より-----
"Benoni - The City of Ekurhuleni showed its commitment to promote low carbon technologies when executive mayor, Mondli Gungubele officially unveiled the first and only solar plant in the country in Wattville, outside Benoni, on Friday.
The solar power plant, situated at the environmentally friendly OR Tambo Precinct, produces about 200 kW of electricity through 860 PV (photovoltaic) solar panels on 2,500 m of land generating enough energy to power about 133 low cost houses.
Gungubele said the solar power is a sign of human care by the City in terms of improving the living conditions of residents. "This solar plant is also signaling greater things to come in our City," he said.
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Thenga said as the City's energy Division, they are committed to proactively promote Green Energy as a key for creating a sustainable future for their Metropolitan municipality.
He said the energy to be produced from the solar pant will be connected into the grid using 18 inverters and one combiner unit.
”We are envisaging connecting a 300 m cable from the combiner unit, laid into a cable trench to an existing power grid via 380 V kiosk, he said, adding that a 25 metre high Mast Pole with 6 LED spot lights and separate PV panels will be used to serve as a security light to aluminate the site at night.
This he said will be done to reduce the level of theft during the night.
The solar PV plant is made up of solar panels mounted on a support steel structures and are connected together in strings.
An inverter located in the storage house converts direct electricity current generated by the solar generator into alternating current that are fed into the municipal power grid.
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関連
・資料 : Ekurhuleni's Energy Strategy
ENERGY & CLIMATE CHANGE STRATEGY FOR EMM
Director: Energy Services City of Ekurhuleni
Google検索 : south africa Energy Climate Change Strategy For EMM
[ http://www.energy.gov.za/files/
IEP/presentations/
EnergyClimateChangeStrategy
ForEMM_29MArch2012.pdf ]
・Ekurhuleni Metro paves the way with the OR Tambo solar plant-----infrastructurene.ws,25 October 2012.
・South African Government News Agency : South Africa to build world’s largest Solar Park
・South African PV market in position to promote local manufacturing growth-----PV Insider,Jun 1, 2012
・Developers fret over financial close delays in South Africa-----PV Insider,Aug 14, 2012
コメント続き
アフリカの土地に適した日干し煉瓦やストローベイルや泥壁(コブハウス)、さらには草屋根やパッシブソーラーなどのエコハウスの建築方法を採用するするというエクルレニ市の計画は、地元の暮らしの充実というだけでなく、アフリカの文化を世界に発信するという意欲的な都市計画にのっとていました。下の写真、ストローベイルや日干しレンガなどを使ったアフリカの大地の上に生きる暮らしの建設の象徴的な風景としてアップしておきます。
-----image : South African Government News Agency資料「ENERGY & CLIMATE CHANGE STRATEGY FOR EMM Tshilidzi Thenga Director: Energy Services 2012」より
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