NEDO、伊豆大島で1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムの実証試験を実施

 日立製作所と新神戸電機は、平成23年度から実施されてきた(~平成27年度)NEDOの安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発プロジェクトに参加、「高入出力・長寿命鉛蓄電池」と「1.5MWハイブリッド大規模蓄電システム」を開発してきました。そして、これまでの成果として、「高入出力・長寿命鉛蓄電池」については、現行高入出力品と比べて1.7倍の高入出力を達成、1.2倍の長寿命化を実現する見通しを得ました。さらに、この鉛蓄電池とリチウムイオンキャパシタを組み合わせ、短時間で大電力の充放電が可能な「1.5MWハイブリッド大規模蓄電システム」を開発しました。

 そして今回、日立製作所と新神戸電機は、2015年度より東京電力管内の東京都伊豆大島の電力系統を利用し、この高入出力・長寿命鉛蓄電池とリチウムイオンキャパシタを組み合わせた1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムの実証試験を開始すると発表しました。東京電力との合意により、このシステムを電力系統に接続し、ピークシフトや短周期変動抑制の機能およびその寿命など、ハイブリッド大規模蓄電システムの有効性について検証・評価を行う予定です。


プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構、2014年12月24日
1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムを開発

100583090
-----image(”本実証事業のイメージ図”) : 同リリースより

" 伊豆大島で2015年度から実証試験開始

 NEDOプロジェクトにおいて、(株)日立製作所と新神戸電機(株)は、高入出力・長寿命鉛蓄電池とリチウムイオンキャパシタを組み合わせた1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムを開発、2015年度から実証試験を開始します。
 実証試験は、東京電力(株)管内にある東京都伊豆大島の電力系統で実施。1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムの有効性を検証・評価し、幅広いニーズに柔軟に対応できる蓄電システムの実現を図ります。
 日立製作所と新神戸電機は、東京電力と実証試験の開始について合意しました。
..........
1.概要
 気象に左右されやすい風力・太陽光発電などの再生可能エネルギーの大量導入時において、蓄電システムは余剰電力の再利用や電圧および周波数の変動を抑制し、電力の安定供給を実現する有望な手段のひとつとして注目されており、実用化に向けたさまざまな取り組みが行われています。なかでも、伊豆大島など独立した電力系統を持つ地域は、再生可能エネルギーの大量導入時に電力系統に与える影響が大きいため、電力系統の安定化が求められています。
 NEDOプロジェクト※1において、(株)日立製作所と新神戸電機(株)は、「高入出力・長寿命鉛蓄電池」と「1.5MWハイブリッド大規模蓄電システム」を開発しています。これまでに、「高入出力・長寿命鉛蓄電池」については、現行高入出力品と比べて1.7倍※2の高入出力を達成、1.2倍※2、3の長寿命化を実現する見通しを得ました。また、この鉛蓄電池とリチウムイオンキャパシタを組み合わせ、短時間で大電力の充放電が可能な「1.5MWハイブリッド大規模蓄電システム」を開発しました。
 この度、(株)日立製作所と新神戸電機(株)は、東京電力(株)と、鉛蓄電池とリチウムイオンキャパシタを組み合わせた1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムの実証試験を、東京電力(株)管内にある東京都伊豆大島の電力系統で2015年度から開始することに合意しました。
 2015年度から、このシステムを伊豆大島の電力系統に接続し、ピークシフトや短周期変動抑制の機能およびその寿命など、ハイブリッド大規模蓄電システムの有効性について検証・評価を行う予定です。

2.これまでの成果
 このプロジェクトで、(株)日立製作所と新神戸電機(株)が、2011年度から取り組んできた技術開発の主な成果は以下の通りです。
〔1〕高入出力・長寿命鉛蓄電池の開発
 電池の構造や材料の改良を行い、入出力特性を向上させるとともに、運用時に定期的に実施するリフレッシュ充電の最適化などを図ることで、更なる高入出力化(現行高入出力品比 1.7倍)を達成し、同時に更なる長寿命化(同1.2倍)を実現する見通しを得ました。

〔2〕1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムの開発
 ピークシフトやピークカットに対応するための電力貯蔵に有利な「高入出力・長寿命鉛蓄電池」と、電圧および周波数の短周期変動を抑制するのに有利な「リチウムイオンキャパシタ」を組み合わせ、最適な電流の入出力制御技術を適用することで、短時間で大電力の充放電が可能なハイブリッド大規模蓄電システムを開発しました。これにより、出力変動の緩和や余剰電力の再利用、周波数の安定化を実現します。

3.今後の予定
 2015年度から行う実証試験を通じて、より実用に近い制御技術を確立し、幅広いニーズに柔軟に対応できる蓄電システムの実現を図ります。

【用語解説】
※1 NEDOプロジェクト
名称:安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発/安全・低コスト大規模ハイブリッド型蓄電システム技術開発
期間:2011~2015年度
参加機関:(株)日立製作所、新神戸電機(株)
※2 新神戸電機(株)製LL1500-WS形比
※3 新神戸電機(株)指定充放電でのベンチ試験における寿命
.......... "

関連
伊豆大島の電力系統でハイブリッド大規模蓄電システムの実証試験開始に合意-----日立製作所、2014年12月24日

・新神戸電機 : ニュースリリース / 2014年12月24日 伊豆大島の電力系統でハイブリッド大規模蓄電システムの実証試験開始に合意(PDF)
/ 2013年01月07日 世界最大級の難燃化した大容量リチウムイオン蓄電池システムを開発(PDF)
 - 産業用鉛蓄電池(制御弁式据置鉛蓄電池)
 - リチウムイオンキャパシタ

「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」に係る実施体制の決定について-----NEDO、平成23年8月9日

"..........
2.事業概要
 本事業では、多用途展開や海外展開も見据えて徹底した低コスト化、長寿命化、安全性を追求した蓄電デバイス及び蓄電システムの開発促進によって国際競争力の向上を図ることを念頭に、系統安定化用蓄電システムを開発して、我が国の再生可能エネルギーの利用拡大に貢献する事を目的とします。具体的には以下の開発を実施いたします。

〔1〕系統安定化用蓄電システムの開発 (助成事業[(NEDO負担率:2/3以内])
 集中あるいは分散して送電系統に接続する総合効率80%以上、数十MWh~数GWh規模の「短周期の周波数変動に対する調整」又は「余剰電力貯蔵」を想定した、低コスト且つ安全性の高い系統安定化用蓄電システムと、その要素技術を開発します。
〔2〕共通基盤研究 (委託事業)
 系統安定化用途のような大型定置用蓄電システムに求められる“その場”で計測可能な劣化診断法の共通基盤技術について、電池の使用状況を想定した様々な劣化モードで評価し、その実用性を明らかにする研究開発を実施します。

3.採択先
〔1〕系統安定化用蓄電システムの開発

サンケン電気株式会社
日本電気株式会社、NECエナジーデバイス株式会社
株式会社日立製作所、新神戸電機株式会社
三菱重工業株式会社
〔2〕共通基盤研究
学校法人 同志社
学校法人 早稲田大学
.......... "

参考
・NEDO : 安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発

"..........
事業・プロジェクト概要
平成23年度~平成27年度、平成26年度予算:20.0億円
..........
2014年3月10日
古河電気工業株式会社
次世代フライホイール向け高温超電導マグネットの開発に成功~メガソーラー等との連携により、効率的な電力エネルギーの貯蔵が可能に~

公益財団法人鉄道総合技術研究所
次世代フライホイール向け高温超電導マグネットの開発に成功~メガソーラー等との連携により、効率的な電力エネルギーの貯蔵が可能に~

2012年11月22日
三菱重工業株式会社
英国SSEと共同でオークニー諸島の電力網を安定化
リチウムイオン二次電池搭載のコンテナ型大容量蓄電システムを導入
.......... "

・東京電力 : 内燃力発電所

".....大島.....最大出力 15,400(kW)....."


コメント続き
 気になる伊豆大島の電力事情ですが、ディーゼル発電所(大島内燃力発電所)があり、最大出力は、15,400 kW です。接続保留問題で検討された「大島における再生可能エネルギー 大島における再生可能エネルギー発電設備の接続に関する説明会 平成26年12月11日 東京電力」という文章によれば、年間を通してのH25年の電力需要は、月平均が最低5000kW、最大電力が7000kW(5月)から11000kW(8月)です。月の電力量は、4000MWh/月台(4、5、6、10、11月)から、8月の最大9000MWh/月台となっています。
 この資料で、大島での上限値(短周期)は、1150kWと計算。すでに、再エネ分で埋まっているので、接続保留を継続するということになっているようです。(要詳細調査)

 ということで、大島の電力のバランスの中での再生可能エネルギーは”限界”を迎えているので、今回の実証実験により、余剰電力貯蔵と短周期の周波数変動に対する調整の可能性を具体的にさぐることになります。
 これらの実証実験により、さらに大規模な電力需給の中での再生可能エネルギーの大量導入の可能性をさぐることができるのか? 注目の離島実験となります。

 大島の太陽光発電所、風力発電所については、すぐに調べられなかったので、後日わかったらデーターを追加したいと思います。

参考エントリー
東京都、波力発電検討会が報告書をまとめました。わが国は波力発電に本腰を入れるべき!-----ソフトエネルギー、2010/05/26

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新潟県、粟島沖で日大理工学部の小型プロトタイプ潮流発電機の実証実験を共同実施

 新潟県は、海洋再生可能エネルギー実証フィールドに選定された粟島の粟島浦村沖において、低流速でも発電可能な浮体式潮流発電装置の小型プロトタイプを同海域に設置し、発電性能、防水性や強度等を検証する実証試験を10月28日から~31日までの4日間実施しました。この潮流発電機の小型プロトタイプは、3m×3mのスチール製の浮体に据付られた、水中で回転する50cm×50cmの可変ピッチ式アルミ製水車と定格30W(最大100W)の発電機から構成された実海域でテストされる実証用第一号となるものです。

 新潟県粟島浦村沖は、国(内閣官房総合海洋政策本部事務局)が公募していた海洋再生可能エネルギー実証フィールドに7月に選定されました。小型プロトタイプ向け実証フィールドとしての選定で、浮体の上で、風力、海中で潮流、さらに浮体上に太陽光発電も行うというハイブリッドタイプの実証試験が計画されています。

浮体式洋上風力、海流、潮流発電、そしてOTECなど、今後のわが国の海洋エネルギー開発フィールドと案件が決まった-----ソフトエネルギー、2014/07/22


 新潟県は、昨年末に粟島浦村、粟島浦漁業協同組合及び新潟県海洋エネルギー研究会とともに、日本大学理工学部と、海洋再生可能エネルギーの利活用に向けた取組みに関する共同研究協定を結びました。海洋再生可能エネルギーの研究開発、漁業や地域産業への利活用、関連した産業・人材の育成を行うとしています。
 今後、平成28年までに、実機の十分の一スケールとなる、1m×1mの可変ピッチ式アルミ製水車(定格150W)による実証を行う予定です。


新潟県 / 2014年10月21日
海洋エネルギー導入実証試験が行われます
Niigata_tidal
-----image : 上下とも同リリース「海洋エネルギー導入実証試験(PDF)」より-----
Niigata_tidal_2

" 粟島浦村沖の「海洋再生可能エネルギー実証フィールド」(平成26年7月国選定)を活用して、初となる実海域における海洋エネルギー導入実証試験(浮体式小型潮流発電装置)が行われます。
 また、知事が10月31日(金)に実証試験を視察します。
1 実証試験(概要)
(1)実施主体 新潟県海洋エネルギー研究会、日本大学理工学部(共同実施者)
(2)協力機関 粟島浦村、粟島浦漁業協同組合
(3)期  間 平成26年10月28日(火)~31日(金) 4日間
  28日~29日:内浦漁港での曳航予備試験
  30日~31日:実証フィールドでの実証試験
(4)場  所 粟島浦村北方海域他
(5)試験内容 低流速でも発電可能な浮体式潮流発電装置の小型プロトタイプを実海域に設置し、発電性能、防水性や強度等を検証
(6)装置概要 水 車:50cm×50cm可変ピッチ式アルミ製
  発電機:定格30W(最大100W)
  浮 体:3m×3mスチール製
.......... "

関連
・日大理工学部 : ニュース: 2013年 / 2013年11月27日 海洋再生可能エネルギーの利活用に向けた取組みに関する共同研究協定を新潟県等と締結しました
Awashima_tidal_1
-----image : 上記リリースより

粟島浦村 / 粟島の概要 (粟島観光協会)

粟島沖で海洋エネ実証試験実施へ-----新潟日報、 2014/10/26

"..........
 同研究会アドバイザーの県産業振興課によると、実証試験は粟島の北側の沿岸や周辺で行う。発電機を載せた3メートル四方の浮体と、海中の潮の流れで回る水車を一体にした装置を、漁船で移動させながら試験をする。装置は流速が遅くても発電できる型という。

 経費は事前の準備や試験後の成果分析なども含めて約600万円と見込まれ、県が2分の1を補助する。技術開発や最適な海域の選定が進めば、安定的な発電ができる可能性があり、同課は「潮流発電の実用化につながるデータが得られると期待している」としている。
..........
 県海洋エネルギー研究会は電力関連会社や総合建設コンサルタント会社など産学の13社・団体が会員で、会長は谷本和明・新潟国際情報大学教授が務める。"

粟島における海洋エネルギー導入推進の一環として、日本大学理工学部等との協定を締結します。-----新潟県、2013年11月21日

"..........
今年度より、粟島にて潮流発電開発に向けた調査等を実施
   平成26年度は、調査結果を基に、実証機の開発、実証に取り組む
.......... "


参考
日本大学理工学部理工学研究所
 / 工作技術センター(潮流発電装置) - 資料番号⑧潮流発電装置(1983年8月愛媛県今治市来島海峡)
 / 理工学研究所講演会

"..........
 理工学部シンボリック・プロジェクト形成支援事業(学部長指定研究) キックオフ シンポジウム 平成23年3月23日
.........
海洋空間分野 海洋利用システム(基盤技術のイノベーション) 「海洋再生可能エネルギー利用のため複合浮体システムの研究」 居駒 知樹
.......... "


コメント続き
 ここのところ海洋エネルギーに関しては、積極的に情報を集める暇がありませんでした。しかし、国内での実証フィールドも決まり内容も見えてきたので、また集めて行きたいと思います。

参考
波力・潮流・潮汐・海洋温度差発電のカタログ 海洋エネルギーは次代を担う!
- 波力・潮流・潮汐・海洋温度差発電のカタログ Index / 資料 / MEMO

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中国電力の隠岐諸島における太陽光(3MWp)、風力(2MW)+蓄電池による実証事業の全貌

 中国電力は、隠岐諸島における”離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業”にかかわる、風力発電事業他の受付を開始するとともに、太陽光発電への対応を発表しました。
 昨年の4月に隠岐諸島・西ノ島に導入される二種類の蓄電池に関しての内容が発表されました。具体的には、短周期変動対策(出力変動抑制)及び長周期変動対策(余剰電力シフト)を行うため、高出力のリチウムイオン電池(2.0MW)で短周期変動を、大高容量のNAS電池(4.2MW)で長周期変動を協調制御するハイブリッド蓄電池システムということでした。

中国電力、隠岐・西ノ島にて再エネ+二種類の蓄電池による実証事業を開始する。ん、再エネはどこ?-----ソフトエネルギー、2014/04/15
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-----image :中国電力、平成26年4月1日リリース、添付資料「ハイブリッド蓄電池システムによる再エネの出力変動対策について[PDF]」より

 そして今回、隠岐諸島・隠岐の島(町)への導入が進められているのは、太陽光が、1.5MWp×2案件で合計3MWp、風力が2MW機1基です。太陽光発電は、隠岐の島町が公募する「隠岐の島町メガソーラー発電事業」に採択された案件となります。運転開始時期は、平成27年9月末の予定です。風力は中国電力が今回「隠岐諸島におけるハイブリッド蓄電池システム技術実証事業に伴う風力発電事業」として募集するものです。こちはは、平成28年度末が運転開始の目処として示されています。

 整理すると西ノ島に、
・NAS(ナトリウム・硫黄)電池:出力 4.2MW(4,200kW)
・リチウムイオン電池:出力 2MW(2,000kW)
 
 そして、隠岐の島(町)に、
・太陽光発電 合計3MWp
・風力発電 2MW

 となります。システムが実際に構築されるまでは、まだ時間がかかります。離島におけるバッテリーと再生可能エネルギーの取り合い、そして需給応答などに関する実証の成果、他のエネルギーソースとの取り合いのなかで、その実証実験の結果に注目しています。


プレスリース / 中国電力、平成26年8月18日
隠岐諸島におけるハイブリッド蓄電池システム技術実証事業に伴う風力発電事業他の受付について

" ..........隠岐諸島における再エネ導入拡大を進めるにあたり,添付の受付要領に基づき,本実証事業にご協力頂ける風力発電事業者他の受け付けを行いますのでお知らせします。

受付内容につきましては,添付の受付要領をご覧ください。

”..........
1.受付の概要
 本受付は,環境省の補助事業として当社が実施する本実証事業にご協力頂ける事業者の受付を行うものです。
 隠岐諸島において,大きな出力変動を伴う太陽光・風力発電を新たに導入するためには,蓄電池を組み合わせるなどの出力変動対策を実施して頂く必要があります※2が,本実証事業にご協力頂ける事業者につきましては,当社が設置するハイブリッド蓄電池システム(以下,「蓄電池システム」という。)をご活用頂くことにより,事業者による蓄電池などの対策が不要となります。

※2:隠岐諸島は送電線が本土と連系しておらず,電力ネットワークの規模が小さいため,大きな出力変動を伴う太陽光・風力発電を新たに導入するためには,通常であれば,蓄電池を組み合わせるなどの出力変動対策を事業者に実施して頂く必要があります。

2.受付に関する事項
(1)受付対象事業
 隠岐の島町が公募する「隠岐の島町メガソーラー発電事業」に採択された太陽光発電事業
 島前における風力発電事業
 (複数の申込みがあった場合には(5)に定める審査方法に従い,受付事業を選定します。)

(2)受付量
 太陽光発電:合計3.0MW
 風力発電 :合計2.0MW

(3)受付期間
..........
(4)受付条件
(a) 対象発電設備
 本実証事業の対象となる発電設備は,環境省の補助要件を踏まえ,太陽光発電設備および風力発電設備とし,申込み1プロジェクトの総出力および運転開始時期はそれぞれ以下のとおりとします。ただし,運転開始時期については,蓄電池システムの試験工程にもよるため,個別に協議いたします。
・太陽光発電
申込み1プロジェクトの総出力:原則1.5MW
運転開始時期:平成27年9月末を目途に運転開始
・風力発電
申込み1プロジェクトの総出力:原則2MW
運転開始時期:平成28年度末を目途に運転開始
........... ”-----添付資料「隠岐諸島におけるハイブリッド蓄電池システム技術実証事業の協力申込み受付要領」より
.......... "

関連
隠岐の島町メガソーラー発電事業者の募集について-----隠岐の島町、 2014/08/1
Okinoshima_pv
-----image : 上記リリース「企画提案募集要領(PDF)」より

" 隠岐の島町では、旧隠岐空港滑走路跡地において、メガソーラー発電事業を行う事業者を募集します。

1.事業の概要
(1) 事業の名称・・・隠岐の島町メガソーラー発電事業
(2) 事業の場所
・所在地:隠岐の島町岬町田垣2144番3他309筆
・面  積:約21,000㎡×2箇所(A工区・B工区)
(3) 選定方法・・・・・公募型プロポーザル方式
.......... "

Okinoshima
-----image : Googleマップで隠岐諸島 を表示

追加情報
隠岐諸島におけるハイブリッド蓄電池システム実証事業に伴う再生可能エネルギー導入計画の決定について-----中国電力、平成26年10月15日
Energia_okiisland_hybrid_kettei
-----image : 上記リリースより-----
Energia_okiisland_hybrid_kettei_map

" ..........
 本実証事業では,当社がハイブリッド蓄電池システム(出力6,200kW)を設置するとともに,地元自治体や他事業者のご協力により,約8,000kWの再エネを新たに導入することとしていましたが,本日,この再エネ導入計画の具体的な内容が決まりましたので,お知らせします。
今回決定した導入量(約8,000kW)と既存の導入量(約3,000kW)により,隠岐諸島における再エネ導入量は合計約11,000kWとなります。
電力系統制御用のハイブリッド蓄電池システムの活用は,国内初の画期的な取り組みであり,今後,平成27年度~平成29年度の3年をかけ,再エネ導入拡大における技術的課題の解決に向け,本実証事業に取り組んでまいります。
.......... "

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仏 Akuo Energy、西インド諸島マルティニークに16MW浮体式海洋温度差発電所"NEMO"建設へ

 フランスのエネルギー分野のベンチャーAkuo Energy社は、DCNS社と共同で、カリブ海の西インド諸島にある仏領マルティニーク島沖で最大出力16MWの浮体式海洋温度差発電所を建設します。(Googleマップでマルティニーク Martinique 島を見る

 今回のプロジェクトは、NEMO (New Energy for Martinique and Overseas)プロジェクトと名づけられ、欧州連合の助成プログラム(NER 300)に選出され、実施されるものです。ちなみに助成額は、72.1 百万ユーロ(約97.3億円)です。

欧州連合 EU、再生可能エネルギーと二酸化炭素貯留技術 CCS に10億ユーロの助成-----ソフトエネルギー、2014/07/24
".......... フランス 海洋エネルギー 72.1 百万ユーロ(約97.3億円) France – NEMO – Ocean energy The project is a 16 MWe floating ocean thermal energy conversion system. It is expected to be mounted within a floating barge moored some 5 km off the west coast of Martinique, with export cable landfall by the Bellefontaine oil-fired, thermal power plant. It aims to deliver approximately 395 GWh in the first five years of operation. .......... "

 マルティニーク島の沖5kmの所に浮かぶ特殊は浮体は、海水表面の温度25℃以上と深さ1000mの海水の温度、約5℃の温度差を利用し発電します。稼動予定は2018年で、最初の5年間で395GWhの発電量が期待されています。欧州の技術開発プログラムであるのに、カリブ海まで出張れるというところが、なんとも欧州の強みなのかもしれませんね。


プレスリリース / Akuo Energy, DCNS ,9.07.2014
Press Releases / 9.07.2014 Akuo Energy and DCNS win EU funding under the NER 300 program

Otec_nemo_1
-----image : 上下ともすべて同リリースより-----
Otec_nemo2Otec_nemo3

" After a 12-month audit by the European Investment Bank, the NEMO ("New Energy for Martinique and Overseas") project to create a floating Ocean Thermal Energy Conversion (OTEC) facility has been awarded funding as part of the European Commission's NER 300 program. .......... "
Otec_nemo4 -----image : 上記リリースより

関連
Akuo Energy and DCNS awarded European NER 300* funding: a crucial step for the marine renewable energy sector-----DCNS、2014/07/09
- Ocean thermal energy conversion
- First OTEC project

".....Réunion Island’s geographic location in the tropics makes it an ideal site for a plant generating electricity on a 24/7 basis by exploiting natural temperature differences between deep and shallow waters......"

Funding NEMO: Offshore OTEC project awarded in NER 300 program-----OTEC News,July 9, 2014


参考エントリー
ジャパンマリンユナイテッドと佐賀大学、AIP認証を取得。浮体式没水型海洋温度差発電開発にはずみ-----ソフトエネルギー、2013/09/11

久米島の沖縄県海洋深層水研究所で、50kW海洋温度差発電プラントが稼動-----ソフトエネルギー、2013/05/01

ゼネシス、IHIプラント、横河電機、沖縄県で海洋温度差発電の実証事業を開始-----ソフトエネルギー、2012/07/11

ロッキード・マーティン Lockheed Martin、中国で10MW海洋温度差発電プラント建設へ-----ソフトエネルギー、2013/05/07

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エジソンパワー、鹿児島県徳之島に1MWh蓄電池システム付2MWpメガソーラー建設へ

 メガソーラーや蓄電池システムを手がける千葉のエジソンパワーは、御船ホールディングス(大阪市)が鹿児島県の徳之島(大島郡天城町)に建設する2MWpのメガソーラーとリチウムイオン電池蓄電システム(出力 2MW / 電池容量 1MWh)をEPC契約により一括受注したと発表しました。2015年3月に竣工する予定だということです。EPC契約とは、建設などに係わる、設計(engineering)、調達(procurement)、建設(construction)まで一括で受注する契約です。

 徳之島は九州電力管内となります。九州電力は7月に「離島の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答の保留」に関する情報を公開し、離島における再生可能エネルギーの接続が限界に近づいていると発表しました。徳之島に関しても昨年度末の接続契約申込みのかけ込み申請等もあり、既連系量と今後連系予定量の合計が、電力需給面の制約から設定される年間30日の出力抑制を踏まえた連系可能量(目安)を超過しているとのことです。これにより、これらの島に再生可能エネルギーを導入する際には、業者にも蓄電池による計画運転の実施が義務付けられるという話となっていました。蓄電池を使った調整と”捨電”システムなどが策として検討されています。
 蓄電池導入のデメリットとしては、コスト増があり、さらにマイクログリッドのシステムとしての完成度を高めるための他の可能性についての議論が不足のままで蓄電池に頼りすぎているのではという指摘があります。単純に捨電するシステムとの比較などの情報が欲しいところです。

離島の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答保留について----九州電力、平成26年7月25日
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-----image(”上-離島における再生可能エネルギーの導入状況、下-徳之島における電源設備”) : 上記リリース「説明会開催案内 徳之島 資料 PDF」より-----
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 徳之島には、上の資料のように10ヶ所合計30,500kWのディーゼル発電所と1基140kWの小水力発電所があります。ここに新たに導入される太陽光発電所ですが、発電は昼の日射量がある時だけです。さらに、曇天や荒天時には発電量は期待できないわけです。この変化にディーゼル発電の発電量の調整が即時にできればいいのですが、技術的な問題や機器への負担の問題も生じます。
 うまく既存のディーゼルを合理的に焚き減らすことができるシステムが必要とされています。そこで、全体のシステムの中で、合理的に導入できる太陽光発電の接続限界量の試算した値が発表されています。徳之島では、既存の太陽光が2MWpあまり、今後の予定が5MWpもあり、九州電力の試算では島内需要を供給が超過する状況が生まれます。そこで、蓄電池や捨電のシステムを導入事業者が用意する(負担)する場合には、個別に接続協議を行うとしているのです。
 今回のエジソンパワーのシステムは、2MWpのメガソーラーとリチウムイオン電池蓄電システム(出力 2MW / 電池容量 1MWh)。日経の記事よると、この蓄電池システムの価格は、1kWh当たり約10万円ということですから、 1MWhの容量では、1億円となります。太陽電池が仮に2MWpで7億円(離島なので高め?)とすると、約15%も割り高にる計算です。今後の離島での再生可能エネルギーの導入に関する量的なバランスを考える上で、九電管内の離島の今後に注目です。

 エジソンパワーは、2MWのリチウムイオン電池蓄電システムを韓国のサムスンSDIから調達しています。同社のホームページでは、1コンテナで84KWhのコンテナ型蓄電システム「EP-ESSシリーズ」が紹介されていました。今後エジソンパワーは、日本各地にサムスンSDIの大型リチウムイオン電池蓄電システムを併設したメガソーラーを建設する体制を整備、今後5年間に20か所建設する計画だということです。
 国内各社も蓄電池に力を入れる中で、コストとシステムの能力により、競争が進みそうです。

プレスリリース / エジソンパワー、2014/08/07
リチウムイオン電池を併設した商業用メガソーラーを徳之島に建設

" 日本で初めてリチウムイオン電池蓄電システム併設した事業用メガソーラーを徳之島に建設

 御船ホールディングス(大阪府大阪市)は、鹿児島県大島郡天城町(徳之島)に太陽光発電の出力変動を制御する蓄電システム(出力 2MW / 電池容量 1MWh)を併設したメガソーラー(2MW)の建設に着手します。2015年3月竣工予定で、EPC(設計・調達・建設)はエジソンパワー(千葉県木更津市)が請け負い、リチウムイオン電池蓄電システムはサムスンSDI(大韓民国 京畿道)が供給します。太陽光発電により発電した電力は固定価格買取制度に基づき九州電力に販売する予定であり、リチウムイオン電池蓄電システムを設置して事業用発電を行う日本で初めての事例となります。

 また、本プロジェクトに先立ちエジソンパワーとサムスンSDIは、日本市場において大型リチウムイオン電池蓄電システムを大規模に普及させる業務について合意書を交わしました。
 エジソンパワーは停電時のライフライン確保のための蓄電システムの販売だけでなく、再生可能エネルギーの普及のため、沖縄をはじめとする島嶼部や北海道など日本各地にサムスンSDIの大型リチウムイオン電池蓄電システムを併設したメガソーラーを、今後5年間に20か所建設する計画です。
.......... "

関連
・エジソンパワー : コンテナ型蓄電システム「EP-ESSシリーズ」

・Samsung SDI : ESS - Utility Solution

サムスン、日本で大型蓄電池販売 メガソーラー向け-----日本経済新聞、2014/8/1(2014/8/1 鹿児島県徳之島に太陽光発電所建設。 サムスンSDIの大型蓄電池を導入。→日本経済新聞 掲載記事はこちら-御船ホールディングス

".....今秋から1キロワット時当たり約10万円で、発電所の建設とあわせて販売していく。最初の大型案件として、鹿児島県徳之島に容量1000キロワット時のリチウムイオン電池の納入を決めた....."


参考エントリー
東芝、英国シェフィールド大学の系統周波数調整実証試験向けにコンテナ型SCiB蓄電池を受注-----ソフトエネルギー、2014/06/24

NEC、イタリア大手電力会社に欧州最大クラスの大容量 2MWhリチウムイオン蓄電システムを納入-----ソフトエネルギー、2014/04/24

東北電力、西仙台変電所に2万kWh(20MWh)の世界最大規模のリチウムイオン蓄電設備、着工-----ソフトエネルギー、2013/11/28

北海道電力に、国の予算で6万kWh(60MWh)レドックスフロー蓄電池の導入決定-----ソフトエネルギー、2013/08/01

GEの蓄電池付き最新型2.5MW風力発電機の例で考えるグリッドの再エネ受け入れ可能バランスとは?-----ソフトエネルギー、2013/05/09

NTTファシリティーズ、青森県でコンテナ型データセンターの風力発電所由来の電力利用と接外気冷房の実証実験を開始-----ソフトエネルギー、2011/12/01

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沖縄電力、粟国島で仏ベルニエ社の可倒式245kW風力発電機の運転を開始

 沖縄電力は、離島発電所の燃料コスト低減策として粟国島に建設していた、仏ベルニエ社の可倒式245kW風力発電機1基の運転を開始しました。この粟国可倒式風力発電所は、台風などの強風時に風力発電機を倒すことで、被害を避けることができる設計となっています。粟国島は、那覇市の北西約 60km に位置し、台風の常襲地域でもあり、被害を避けることができる点は大きなメリットです。また、大型クレーンなしに設置、倒すことができることで、メンテナンスも容易という、このフランス製のベルニエ社の直径30mの2枚翼の風力発電機は、まさに沖縄の離島向けの風車と言えるようです。
 粟国島の人口は455世帯759人。最大500kWを筆頭に、6基最大出力合計1150kWのディーゼル発電所により電力を供給してきました。燃料の焚き減らし効果がどれくらいになるのか知りたいです。

 沖縄電力は、仏ベルニエ社の可倒式245kW風力発電機を平成21年に波照間島に2台、平成23年に南大東島に2台導入済みです。


プレスリリース / 沖縄電力、H26.06.30
・粟国可倒式風力発電設備の営業運転開始について(PDF)

Okiden_awakuni_katousiki_wind_turbi
-----image : 上下とも同リリースより-----
Okiden_awakuni_wind_map

" ..........低炭素社会実現に向けた二酸化炭素排出量抑制策および離島発電所の燃料コスト低減策として可倒式風力発電設備を粟国島に 1 基建設しておりましたが、6月 30 日、電気事業用風力発電設備として営業運転を開始しましたのでお知らせいたします。  可倒式風力発電設備の導入は、波照間島、南大東島に次いで 3 地点目となります。 (下表参照)  当該設備は台風などの強風を避けることができる設計となっており、強風対策としての強度レベルの向上、強風による被害の復旧費用増大及び島嶼地域ゆえの復旧期間長期化などの課題を解決することが期待されております。

○当社の可倒式風力発電設備導入状況
     設備容量(kW) 運転開始日
波照間
1号機 245  平成 21 年 12 月 18 日
2号機 245  平成 21 年 12 月 18 日

南大東
1号機 245 平成 23 年 2 月 28 日
2号機 245 平成 23 年 2 月 28 日

粟国
1号機 245 平成 26 年 6 月 30 日

〔可倒式風力の特徴〕
・風力発電機を 90度近く倒すことができ、台風時に風力発電機を倒すことで強風による被害を避けることができる。
・建設の際に大型クレーンを使用する必要がないため、丘陵地にも設置可能である。

<粟国島の概要>
1.概 要:那覇市の北西約 60km に位置する。台風の常襲地域でもある。
2.面 積:7.64km2

3.人 口:759 人(平成 26 年 5 月 31 日現在)
4.世 帯 数:455 世帯(平成 26 年 5 月 31日現在)
5.最大電力:850kW(平成 24 年度)
6.発電設備: (ディーゼル )
100kW×2 基
200kW×1 基
350kW×2 基
500kW×1 基
..........
<可倒式風力発電設備の概要>
1.製 造 メ ー カ ー: ナセル・ブレード/Vergnet SA (仏)
タワー他/㈱プログレッシブエナジー
2.定 格 出 力: 245kW
3.設 置 台 数: 1 基
4.定格・起動・停止風速 : 13.5m/s・4m/s・22m/s
5.ブ レ ー ド 枚 数 / 直 径: 2枚/30m
6.ハ ブ 高 さ: 38m
.......... "

関連


Vergnet : GEV MP C - 200/250/275 kW
- downloads
Japon01
-----image : 上下2枚とも上記サイトより(波照間島)-----
Japon02

Okinawa_awakuni_island_wind
-----image : Googleマップで粟国可倒式風力発電所 を見る。

沖縄電力、波照間島に続き南大東島にて、仏ベルニエ社の可倒式245kW2基の運転を開始-----ソフトエネルギー、2011/03/04

沖縄電力が、台風対策として日本初の可倒式245kW風力発電機二基を波照間島に導入-----ソフトエネルギー、2009/05/07

追加情報


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山口県、萩市にサイフォン式の小水力、82kW 相原発電所を建設

 山口県は、萩市川上に県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となるサイフォン式82kW相原発電所(小水力発電所)を建設、5月19日に竣工式が行われました。
 相原発電所は、1968年に建設された治水目的の相原ダムに建設された、水量3.20平方メートル/sと落差3.87mという条件で、最大82kWを発電する小水力発電所です。売電価格は、3万kW未満の条件にて、買取価格34円 / kWhです。
 すぐ上流の阿武川ダムには、19,500kWの新阿武川発電所があります。これに比べると、規模は小さい発電所ですが、サイフォンとすることで、既存の堰に手を入れることなく小水力発電所を追加できることから興味深いプロジェクトといえます。
 あの手動+サイフォンの原理を利用した便利な灯油ポンプでも利用されているこのしくみ、製造元は公開されている写真から石垣製とわかりました。ホームページで公開されているものもちょっと大型のものが納入されています。新型? 改良型でしょうか?


プレスリリース / 山口県、平成26年 (2014年) 5月 13日
県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となる 萩市相原発電所の稼働開始等について

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-----image : 同リリース「添付ファイル 相原発電所の概要及び会場位置図 (PDF)」より

" 山口県では、県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となる萩市「相原発電所(小水力発電所)」の竣工式を、下記のとおり開催しますので、お知らせします。

本発電所は、平成22年から整備を進めてきたものであり、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策の推進に向けた「再生可能エネルギー」の導入促進のためのモデルとなるものです。

また、再生可能エネルギーについての県民の皆様や子どもたちの理解の促進に資するため、式典後、地元小学生を対象とした再生可能エネルギー学習会を開催するとともに、5月25日までの1週間、一般県民向けの施設見学会を開催しますので、併せてお知らせします。

※ 小水力発電:一般的には出力1,000kW以下の水力発電を指す。
(固定価格買取制度は、3万kW未満を対象(買取価格:34円/kWh)
..........
” 相原発電所の概要

計画の目的
近年、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策等の観点から、二酸化炭素を排出しない小水力発
電への期待が高まっており、県においては、既存の施設のなかで利用されていない落差の有効活用を検
討し、採算性の見込める地点については小水力発電のモデル施設として開発していくこととしており、その
第一弾として相原発電所を建設した。
..........


Yamaguchi_aihara_microhydro_map
-----image(”会場位置図”) : 同リリースより  ”-----同リリース「添付ファイル 相原発電所の概要及び会場位置図 (PDF)」より
.......... "

関連
・山口県 企業局総務課 : 小水力発電開発支援サイト・山口県内の取組状況
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-----image : 上記サイトより

"..........
◆相原発電所の概要

[基本諸元]
所在地       山口県萩市川上
出力(最大)    82kW
有効落差(最大)  4.13m
使用水量(最大)  2.71m3/s
年間可能発生電力量 328MWh(一般家庭約90戸相当)
営業運転開始予定  平成26年度

[特徴]
相原ダム(既設)の落差を活用
サイホン式取水
.......... "

Yamaguchi_aihara_microhydro_image2
-----image : 山口県 企業局総務課 : 小水力発電開発支援サイト・山口県内の取組状況より


参考
山口県のダム / 阿武川(あぶがわ)ダム

・石垣 : 小水力発電用 サイホン式立軸水車 IPOA-G

イベント7/10-11 中小水力発電技術に関する実務研修会-----新エネルギー財団案内より

" 河川維持放流を活用した
小水力発電所の建設について
〜祝子(ほうり)第二、相原発電所〜

宮崎県企業局 工務課
主査 栢木 良一
山口県企業局 厚東川工業用水道事務所
主任 内山 裕介

宮崎県祝子第二発電所(35 kW)は、祝子発電所の貯水池・祝子ダムからの河川維持放流量を活用した宮崎県企業局初の維持放流発電所である。ダムの変落差にも対応できる機器を採用し安定した放流量を確保している。
山口県相原発電所(82 kW)は、新阿武川発電所の逆調整池である相原ダムの下流放流時の未利用落差を活用し、サイホン式取水の採用や入口弁の省略によりコスト低減を図っている。
これら河川維持放流を活用した発電所の、計画、設計及び施工について紹介する。 "


コメント続き
 山口県の企業局によると、県が管理する水力発電所は10箇所で、その合計容量は、51,440kWで、発電量は179,910,000kWh/年で、一般家庭約5万世帯に相当します。

Yamaguchi_hydro_table
-----image : 山口県企業局、企業局の発電所一覧より

 この十箇所の中で最新のものは、1992年(平成4年)に建設された下松市の1,600kWの末武川発電所です。そして、その次が今回建設された、2014年(平成26年)の82kWの相原発電所となります。実にこの22年、県の水力発電所は建設されてこなかったことになります。今回の相原発電所は、2011年7月から開始された、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の賜物であるのです。
 数々のこの制度の欠陥、問題を指摘することは簡単ですが、その制度を正しく有効な方向で、迅速に”維持管理”、問題があれば”修理や部品交換”することができるかが、日本のしくみ作りとして求められているものです。私たちにそれができるかどうか? いまこそ問われるべき問題です。

 ところで、山具県では農業用水路を利用したさらに小さな水力発電所の建設も行われています。萩市福栄紫福地内の農業用水路では、電柵用の5Wのものが、田布施町小行司では、照明用の40Wのものが取り組みとして紹介されています。手作り水車のレベルのこうしたプロジェクトにも興味があります。簡単に設置できるもの、手軽に利用できるもの、そんな超小型水車の世界です。

参考
本県初の簡易型小水力発電施設が完成しました!-----山口県、平成26年 (2014年) 3月 19日

"1 概要

農業用水を活用した小水力発電は、農村地域の水資源を有効に利用し、農村地域を活性化する上で重要であることから、県では、売電を目的としない簡易型の小水力発電の効果検証に着手したところです。
このたび、萩市と田布施町で、水路の流量や落差など、現地の地形条件に応じてタイプの異なる2種類の簡易型小水力発電が完成し、土地改良区等が管理する電気柵や照明への電力供給を開始したのでお知らせします。
小規模な水路を活用した簡易型小水力発電は、本県で初めての取り組みです。

2 施設概要と記者対応日時
(1) 施設概要
丸1 福栄地区
 ・ 場所:萩市福栄紫福地内の農業用水路
 ・ 電力使途:電気柵(5ワット)
 ・ 水車:フロート式下掛水車(材質:ポリ塩化ビニル、重量:約9kg)
 ・ 事業主体:福栄土地改良区
丸2 小行司地区
 ・ 場所:田布施町小行司の水路
 ・ 電力使途:照明(40ワット)
 ・ 水車:上掛式クロスフロー水車(材質:ステンレス、重量:約300kg)
 ・ 事業主体:山口県農業用水小水力発電推進協議会
(県、市町、土地改良区など34の機関で構成)
.......... "


参考
・Twilog @greenpost : #山口(山口県の再生可能エネルギーの情報)

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中国電力、隠岐・西ノ島にて再エネ+二種類の蓄電池による実証事業を開始する。ん、再エネはどこ?

 中国電力は、環境省の平成26年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業、採択の案件として、隠岐諸島・西ノ島にて二種類の蓄電池による再生可能エネルギーの導入に関する実証事業を開始する。とはいえ、再生可能エネルギーの導入は今後検討される模様。
 西ノ島の人口は、H22年の国政調査では1477世帯、3136人。面積は、面積55.97平方キロメートル。この島全体が西ノ島町に属する。
 この西ノ島町に導入される2種類の蓄電池は、

・NAS(ナトリウム・硫黄)電池:出力 4,200kW
・リチウムイオン電池:出力 2,000kW

 それぞれの特長を生かし、今後設置される再生可能エネルギーとの組み合わせにより3年間の実証実験が行われる(?)。ただ、現状は西ノ島町には再生可能エネルギーの電源がないようです。太陽電池なら1年以内に設置できそうだが、風力発電となると、3年くらい準備にかかるので、期間に間に合いそうにない。具体的な組み合わせについては、どのような形で実証実験が実施されるのかが、発表されていません。
 ちなみに西ノ島には、中国電力のディーゼル発電、黒木発電所 7,380kW があります。今後の具体的な実験の方法などが気になるところです。

Oki_nishinosima_map
-----image : Googleマップで隠岐諸島 西ノ島を表示

 隠岐諸島全体の再生可能エネルギーの導入状況は、東の隠岐の島に隠岐大峯山風力発電所があります。H16年より600kW機が3基設置され運転されています。また、同じく隠岐の島には、中国電力の水力発電所があります。

・油井発電所(隠岐の島町油井)200kW
・南谷発電所(隠岐の島町布施)100kW

 いずれも小型の水力発電施設です。隠岐諸島全体でもこの規模の再生可能エネルギーの現状を考えると、先に再生可能エネルギーの導入を具体化させることのほうが、蓄電池の設備以前に必要な気がします。


プレスリリース / 中国電力、平成26年4月1日
環境省公募「平成26年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業」に係る当社提案の採択について

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-----image :添付資料「ハイブリッド蓄電池システムによる再エネの出力変動対策について[PDF]」より

" ..........太陽光発電,風力発電等の再生可能エネルギー(以下,「再エネ」という。)について,エネルギー自給率の改善や地球環境負荷低減の観点から貴重な国産エネルギーと認識しており,更なる導入拡大に向け積極的に取り組んでいます。  このたび,その取り組みの一環として,環境省から公募されておりました標記事業に応募し,当社の提案(隠岐諸島における蓄電池実証事業)が採択されましたので,お知らせします。  本事業で実施する,異なる種類の蓄電池を組み合わせた電力系統制御用のハイブリッド蓄電池システムによる技術実証は,国内初の取り組みとなります。  今後,事業開始に向け,諸準備を進めてまいります。

1.実証事業の概要
 再エネは天候等により発電出力が大きく変動するため,この出力変動分を調整して電気の品質を保つことが必要になります。特に,送電線が本土と連系していない離島においては,電力ネットワークの規模が本土に比べて小さく,発電出力の変動による影響が大きいことから,再エネの大幅な導入拡大のためには,出力変動分を調整する対策が必要となります。
 本実証事業では,隠岐諸島(島根県)において,再エネ導入量の最大化を図るための対策として,特性の異なる2種類の蓄電池を組み合わせ,それぞれの特長を活かしたハイブリッド蓄電池システムを構築し,蓄電池の効率的な充放電管理・制御手法などに関する技術実証を,地元自治体等と連携して行います。

2.設置予定のハイブリッド蓄電池システム
・NAS(ナトリウム・硫黄)電池:出力 4,200kW
・リチウムイオン電池:出力 2,000kW

3.ハイブリッド蓄電池システムの設置予定場所
島根県 隠岐諸島(隠岐郡西ノ島町)

なお,本実証事業を進めるにあたり,隠岐諸島における再エネ導入拡大を図りたいと考えており,詳細については,決まり次第,別途お知らせいたします。

” ハイブリッド蓄電池システムによる再エネの出力変動対策について
【短周期および長周期変動対策について】
 太陽光発電や風力発電は,自然条件などにより発電出力が大きく変動するという課題があります。この出力変動には,雲の通過などによる日照量の変化や風速の変化に伴う「はやく小さな変動」(短周期変動)と,太陽の位置の変化などに伴う「おそく大きな変動」(長周期変動,余剰電力)があります。安定した品質の電気をお届けするためには,これらの変動対策を行い,電気の品質(周波数)を一定に維持する必要があります。

【ハイブリッド蓄電池システム構築の考え方について】
 隠岐諸島のような離島においては,再エネの出力変動の調整をディーゼル発電機で行いますが,再エネ導入量が大幅に増加すると調整力が不足するため,更なる導入拡大には蓄電池を活用した出力変動調整が不可欠になります。そのため,本実証事業では,高出力のリチウムイオン電池で「はやく小さな変動」を吸収するとともに,大容量のNAS電池で「おそく大きな変動」を吸収するハイブリッド蓄電池システムを構築し,この2種類の蓄電池の協調制御について,同システムによる国内初の技術実証を行う予定です。
.......... ”-----添付資料「ハイブリッド蓄電池システムによる再エネの出力変動対策について[PDF:145KB]」より
.......... "

関連
平成26年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(離島の再生可能エネルギー導入のための蓄電池実証事業)の採択案件について-----環境省、平成26年4月1日

" 先般補助事業者の公募を行った二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(離島の再生可能エネルギー導入のための蓄電池実証事業)について、この度、補助事業者を決定しましたので、お知らせします。

1.概要
 環境省において、離島の短周期及び長周期変動の両方の特性に対応する新たな蓄電池の効率的管理・制御手法を開発し再生可能エネルギー導入量の最大化と蓄電池容量の削減による経済性の向上を同時に実現するため、「離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業」の公募を行ったところ、2件の応募がありました。応募のあった提案について、審査委員会において厳正な審査を行った結果、以下のとおり補助事業者を採択しました。

2.審査方法
 審査は、外部専門家を含めた審査委員会において書面審査を行い、公募要領に記載した採点基準をもとに採択の可否について審査を実施し、最も点数の高い案件を採択しました。

3.審査の結果
・審査件数:2件
・採択件数:1件
・採択事業者:中国電力株式会社
・実証事業実施場所:島根県隠岐郡西ノ島町他
・事業期間:平成26 年度(その後3年間実証試験を行う。)
・概要:重・軽負荷期の電力需要差が大きい等の特性がある隠岐諸島において、再生可能エネルギー導入量の大幅増加のために必要な短周期変動対策(出力変動抑制)及び長周期変動対策(余剰電力シフト)を行うため、高出力のリチウムイオン電池(2.0MW)で短周期変動を,大高容量のNAS電池(4.2MW)で長周期変動を協調制御するハイブリッド蓄電池システムを構築し、更に、これらの蓄電池と内燃力発電機の協調制御を実証する。
.......... "

- 平成26年2月21日 平成26年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証 事業の公募について - 二酸化炭素排出抑制事業費等補助金(離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業)の公募について-----環境省、平成26年2月

西ノ島町

2種類の蓄電池が太陽光と風力に対応、離島で電力の安定供給を図る-----スマートジャパン、 2014年04月03日

中国電力、隠岐諸島で「ハイブリッド蓄電池システム」を実証、太陽光と風力の変動を調整-----TechOn!,2014/04/05

追加情報
中国電力の隠岐諸島における太陽光(3MWp)、風力(2MW)+蓄電池による実証事業の全貌-----ソフトエネルギー、2014/09/02


参考
・島根県 : 隠岐支庁 - 隠岐島の概要
"島後 241.64 平方キロメートル 15,930 人
島前(3 島) 241.64 平方キロメートル 6,299 人"

・火力
 火力発電.com : 島根県

"中国電力 西郷発電所(隠岐の島町) 25,320kW 重油
 中国電力 黒木発電所(西ノ島町) 7,380kW 重油"

・水力( 資源エネルギー庁 : RPS法) - 情報ファイルダウンロードより「水力発電設備 PDF」)

"油井発電所(中国電力 水力発電所、隠岐の島町油井)200kW
南谷発電所(中国電力 水力発電所、隠岐の島町布施)100kW "

・源流・ダム・水力発電所めぐり - 水のプログラム
- 油井発電所
- 南谷(みなみたに)発電所


参考エントリー
島根県企業局が江津で国内最大級の風力発電事業化へ / クリッピング 山陰中央新報------ソフトエネルギー、2005/05/13


コメント続き
 さて、隠岐諸島だけでなく、島根県全体ではどれくらいの再生可能エネルギーの導入が進んでいるのか調べてみました。平成23年度の島根県における再生可能エネルギーの導入割合は、県のまとめたデーターによると、 約2.6%だとのことです。平成23年度の県の電力の消費量が141億kWhで、主として風力と水力をまとめた再生可能エネルギーの発電量は、3.6億kWhだったとのことです。(平成23年度 島根県における再生可能エネルギーの導入割合。 www.pref.shimane.lg.jp/environment/
energy/energy/chiiki_taisaku/energy_jyourei.data/
zenkyoushiryou.pdf )

 こうした状況で、島根県では今後、県内全域で自立を目指すとすれば、約40倍の再生可能エネルギーが必要とし、なんらかの施策の必要性を検討している段階のようです。ただ、この3月には、市民団体が8万3323人分の署名を添えて直接請求したことを受けて、県が提出した「再生可能エネルギー条例案」が、県議会において、「現実そぐわぬ」として否決(2014年03月06日読売新聞)。島根県の再生可能エネルギーは、暗中模索状態です。

参考
・島根県 : 島根県再生可能エネルギー導入促進協議会について

"開催状況
第1回  平成24年6月11日(月)開催
第2回  平成24年10月22日(月)開催
第3回  平成25年2月18日(月)開催

”配付資料
 次第[PDF/89KB]
 講演資料 「島根県内の木質バイオマス発電の事業化について」[PDF/1,377KB]
 資料1 小水力発電導入調査について[PDF/615KB]
 資料2 小規模地熱発電導入調査について[PDF/1,385KB]
 資料3 島根県再生可能エネルギー利活用総合推進事業について[PDF/76KB]
 資料4 地域貢献型再生可能エネルギー創出モデル事業について(1/2)[PDF/157KB]、(2/2)[PDF/121KB]
 資料5 島根県再生可能エネルギー等導入推進基金事業について(1/3)[PDF/97KB]、(2/3)[PDF/110KB]、(3/3)[PDF/164KB]
 資料6 再生可能エネルギー事業化促進事業について[PDF/162KB]
 資料7 企業局 施策説明[PDF/136KB]
 資料8 メタンハイドレートの取組状況について[PDF/96KB]
 資料9 平成25年度国の予算(案)概要について[PDF/326KB]
.......... ”-----平成24年度 第3回「島根県再生可能エネルギー導入促進協議会」の開催について(H25.2.18開催)より
........... "

・島根県 : 再生可能エネルギーの導入促進

・島根県 : 再生可能エネルギー利活用総合推進事業 - 事務事業評価シート

・島根県 : 電気事業
/ 水力発電所のご紹介

"しまねの県営発電所
三成発電所(三成ダム)
飯梨川第一発電所
飯梨川第二発電所
飯梨川第三発電所
志津見発電所
八戸川第一発電所
八戸川第二発電所
八戸川第三発電所
三隅川発電所
矢原川発電所
御部発電所
浜田川発電所
勝地発電所"

/ 風力発電所のご紹介
"隠岐大峯山風力発電所
江津高野山風力発電所"

/ 供給実績
"平成25年度供給電力量
水力発電所実績
風力発電所実績"

・Twilog : @greenpost #島根(島根県の再生可能エネルギー関連の情報)

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パナソニック、約3kWpのコンテナ型独立系太陽光発電システムを開発。インドネシアの小学校へ

 パナソニック、エコソリューションズ社は、約3kWpのコンテナ型独立系太陽光発電パッケージ「パワーサプライコンテナ」を開発しました。サイズは、太陽電池をコンテナから出して展開したサイズで4780(W)×3452(L)×3486(H)、重さはおおよそ3トン。コンテナは、海上輸送用コンテナでサイズが3029(W)×2438(L)×2591(H)です。工場で組み立てて海外に運ぶことも、そして現地でのくみ上げなどにも対応しています。
 そして、今回「パワーサプライコンテナ」は、ト「中部ジャワ州カリムンジャワ島における電化促進による初等教育環境改善と貧困削減計画」として、在インドネシア日本大使館の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を活用した官民連携案件に採用され、カリムンジャワ国立第一小学校に納入されることが決まりました。
 インドネシアは、多数の島からなる島国で、特に発電設備や配電網整備がしにくい島嶼部における電化は十分ではなく、同小学校のあるカリムンジャワ地域は、夜間はディーゼル発電機による電化、日中は無電化という半電化の環境だというとです。ここで、独立系の太陽光発電システムとなっている「パワーサプライコンテナ」は、日中電気がないことによって、教育環境が十分に整わないという課題の解消に取り組むことに供されることになります。

 詳しくシステムの詳細を見てみましょう。
-太陽電池-----240Wp単結晶系ハイブリッド型太陽電池「HIT(R)240」 12枚。合計約3kWp
-充放電コントローラー-----詳細不明
-DC-ACインバーター-----最大出力3kW
-蓄電池-----ディープサイクル鉛蓄電池 12V/60Ah 24台。合計17.2kWh

 日本より日射条件は若干いいようですので、日射日平均4kWh/平方メートル・日程度はいけそうな地域ですので、日本の一般住宅用のシステム相当の比較的大きな、しかし、小学校という施設に対しては、コンパクトな太陽光発電による電源となっています。用途としてリリースに記載されているのは、照明、扇風機の学校電気設備、そしてパソコン、プロジェクター、テレビ等の視聴覚・情報用の教育ツールです。授業のある時間帯にはそれらに電力を供給し、授業の無い時間帯に発生する余剰電力は近隣のコミュニティへの供給も行い、地域の電力としての利用も行われるそうです。カリムンジャワ国立第一小学校には、今年の7月に納入される予定です。事後の報告、リリースを楽しみにしています。
 
 さらに、最も興味深かった点は、このは、量産型の製品として開発・企画されている点です。インドネシア現地法人のパナソニック・ゴーベルES製造にて製造および品質管理をおこない、日本の評価技術のノウハウをインドネシアへ技術移転されることです。今後、量産化による更なるローコストの実現も可能ということで、未電化地域の教育および生活の向上に広く、安価に普及していく可能性がある事業である点です。


プレスリリース / パナソニック、2014年3月25日
在インドネシア日本国大使館のODAを活用した官民連携案件での採用が決定 新興国無電化地域に向けた太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライコンテナ」を開発

Panasonic_pv_power_supply_1
-----image : 同リリースより-----
Panasonic_pv_power_supply_spec

" 新興諸国を中心に展開し、グローバルでの電力インフラ課題の解決を目指す

 パナソニック株式会社 エコソリューションズ社は、新興諸国などに多く存在する無電化地域向けの太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライコンテナ」を開発しました。「パワーサプライコンテナ」は、太陽電池(※1)と鉛蓄電池(※2)に加え、新開発のエネルギーマネジメントシステム「パワーサプライコントロールユニット」を搭載しています。また、このたび、この「パワーサプライコンテナ」を電源とするプロジェクト「中部ジャワ州カリムンジャワ島における電化促進による初等教育環境改善と貧困削減計画」が、在インドネシア日本大使館の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を活用した官民連携案件(※3)に採用され、3月24日にインドネシア(ジャカルタ)にて署名式をおこないました。本プロジェクトでは、離島地域の教育環境改善を目的に、電源システムをカリムンジャワ国立第一小学校へ納入します。

 インドネシアは、約13,000島からなる島国であり、特に発電設備や配電網整備がしにくい島嶼部における電化は十分ではありません。このたび、太陽光独立電源パッケージを導入するカリムンジャワ地域では、夜間はディーゼル発電機による電化、日中は無電化という半電化の環境であり、日中電気がないことによって、教育環境が十分に整わないことが課題となっています。

 当社は、これらの課題を解決するために「パワーサプライコンテナ」をカリムンジャワ国立第一小学校に導入し、照明、扇風機の学校電気設備やパソコン、プロジェクター、テレビ等の教育ツールに対する電源を供給することで、施設環境、教育環境の改善を図ります。2014年7月頃からの運用を目指し、導入を進めます。
..........


Panasonic_pv_power_supply_2
-----image : 同リリースより
.......... "

関連
・パナソニック エコソリューションズ社 : ニュース


参考
-----Googleで関連サイトを検索 : パナソニック-----

・Twilog : @greenpost - #panasonic(パナソニックに関するツィート)

続きを読む "パナソニック、約3kWpのコンテナ型独立系太陽光発電システムを開発。インドネシアの小学校へ"

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沖縄電力、本島大宜味村に 2MW2基による蓄電池併設型風力発電所を完成

 沖縄電力は、沖縄本島大宜味村で計画していた、沖縄本島初となる2MW風力発電機2基による蓄電池併設型のた大宜味風力発電実証研究設備を日竣工させ、運転を開始しました。

沖縄電力、沖縄本島大宜味村で、2MW2基による蓄電池併設型風力発電の実証実験を開始すると発表しました-----ソフトエネルギー、2011/05/18

 これは、政府、沖縄県が進める沖縄スマートエネルギーアイランド基盤構築事業(2011年度の内閣府沖縄担当部局予算)を利用し、風力発電設備が沖縄本島電力系統に大量導入した場合の実系統へ与える影響を把握するとともに、蓄電池併設型風力発電設備の出力安定化技術に関する実証研究を行うものです。設置された風車の直径は82mで定格は風力13m/sの時に出力2MW(2,000kW)となっています。設置される鉛蓄電池の容量は、4.5MWh(4,500kWh)となっています。システムの詳細は、これから実証実験が行われるということでおいおい把握していきたいと思います。


プレスリリース / 沖縄電力、H26.03.24
プレスリリース / 大宜味風力発電実証研究設備の運転開始について(PDF)

Okiden_oogimison_wind_turbines
-----image : 同リリース「別紙:大宜味風力発電実証研究設備の設備外観・位置図 」より-----
Okiden_oogimison_wind_turbines_map

" 低炭素社会の実現に向けた取り組みとして建設を進めておりました大宜味風力発電実証研究設備が本日竣工し、運転を開始しましたのでお知らせいたします。  同設備は、沖縄県の沖縄スマートエネルギーアイランド基盤構築事業を活用し、建設しております。  同設備を用いて、風力発電設備が沖縄本島電力系統に大量導入した場合の実系統へ与える影響を把握するとともに、蓄電池併設型風力発電設備の出力安定化技術に関する実証研究に取り組んでいきます。

【設備概要】
・設備名称: 大宜味風力発電実証研究設備
・所在地: 沖縄県国頭郡大宜味村字根路銘2268-1
・発電出力: 4,000kW (2,000kW×2基)
・蓄電池の容量: 4,500kWh(鉛蓄電池)
・年間想定発電電力量: 約800万kWh
(一般家庭約2,200世帯分の電力使用量に相当)
・CО2排出削減量: 約7,000t-CО2/年
・運転開始: 平成26年3月24日
・風力発電設備の高さ:
タワーの高さ 70m
ブレードの最高到達点を含めた風車の高さ 111m
.......... "

関連
Okinawa_oogimi_wind_turbins
-----image : Googleマップで大宜味風力発電実証研究設備(付近)を見る


参考
・Twilog : #沖縄(沖縄の再生可能エネルギーの話題)

・Twilog : #renewwind #renewjapan(日本の風力発電に関する話題)

続きを読む "沖縄電力、本島大宜味村に 2MW2基による蓄電池併設型風力発電所を完成"

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