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日立エナジー、オーステッドと包括提携 洋上風力の「電気系統」を標準化へ


日立エナジー、オーステッドと包括提携 洋上風力の「電気系統」を標準化へ

 

 洋上風力発電をめぐる世界の競争が、新しい段階に入りつつあります。これまでの洋上風力発電は、「巨大な風車を海に建てる技術」が注目されてきました。しかし近年は、それだけでは事業が成立しにくくなっています。大型化する設備、長期化する工期、サプライチェーンの混乱、そして建設コストや金利上昇などによって、欧米では計画の延期や見直しも相次いでいます。
 そうした中で重要性を増しているのが、「電気をどうまとめ、どう陸へ送るか」という電気系統システムです。特に洋上風力は、海上で発電した大量の電力を、安定して長距離送電する必要があり、そのためには変電設備や高圧送電システム、制御装置などを含めた統合的な設計が不可欠となります。
 今回、送配電技術を手がける日立エナジーと、世界最大級の洋上風力事業者であるデンマークのオーステッドが包括提携を結んだ背景には、こうした「電気インフラ部分の最適化」が、洋上風力の将来を左右するという認識があります。単なる機器供給ではなく、設計段階から運用・保守までを含めた長期協業によって、リードタイム短縮と発電コスト低減を目指すという内容です。

 

プレスリリース概要

 日立エナジーは、デンマークの再生可能エネルギー大手オーステッド(Ørsted)と、大規模洋上風力発電プロジェクト向け電気系統システムに関する戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。
 本提携では、洋上設備と陸上設備を含む電気システムを包括的に提供し、標準化、モジュール化、効率的な入札プロセス、長期保守サービスを通じて、設備ライフサイクル全体の信頼性向上を目指します。
 また、両社はプロジェクト初期段階から共同で設計やコスト計画を行うことで、投資判断前の段階から効率化を進め、建設コストや工期の削減を図る方針です。
 オーステッドのチーフ・コンストラクション・オフィサーであるパトリック・ハーネット氏は、「洋上風力は安全で経済的なエネルギー供給において重要性を増している」とし、長期的協業によって供給の安定性とコスト低減を進める考えを示しました。
 一方、日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニットCEOであるニクラス・パーソン氏は、電力需要拡大と電化の進展に伴い、「計画力と実行力」がこれまで以上に重要になっていると説明しています。
 本協業は、洋上風力業界が直面するリードタイム長期化、サプライチェーン制約、コスト上昇などへの対応策として位置づけられており、今後は地域や市場を超えて展開可能な「再現性のある実行モデル」の構築を目指すとしています。
 日立エナジーは、スイスを本拠とする送配電技術企業で、高電圧機器、変圧器、自動化、パワーエレクトロニクスなどを展開しています。世界140カ国以上に導入実績を持ち、約5万人の従業員を抱える大手エネルギー技術企業です。

 

 

 


プレスリリース / 日立エナジー、2026年4月 #ymd20260426 発表
日立エナジー、デンマークのオーステッドと洋上風力発電所における電気系統システムで包括提携

 

 

 

コメント

 

 今回の発表で興味深いのは、「風車そのもの」ではなく、「電気系統全体」を包括的に扱う点です。洋上風力は、巨大な発電設備を海上に建設するだけでなく、その電力を安定して陸上へ送り届ける送配電技術が極めて重要です。
 実際、欧州では洋上風力の大型案件で、建設コスト上昇や送電設備の遅延が事業性を圧迫しています。つまり、風車を作る能力だけではなく、電力系統を含めた「統合設計能力」が競争力になりつつあります。
 日立エナジーはHVDC(高圧直流送電)などの分野で強みを持っており、今回の協業は、単なる部品供給を超えて、「洋上風力発電のインフラ化」を進める動きとも見ることができます。
 一方で、洋上風力全体を見れば、欧米でもコスト問題は依然として大きく、再エネの大量導入が簡単ではない現実も見えています。今回の提携は、そうした課題に対して、「標準化」と「長期協業」で対抗しようとする試みとも言えるでしょう。
 洋上風力は、発電設備単体の時代から、電力システム全体をどう構築するかという時代へ移行し始めているのかもしれません。

 

 

 

関連情報

 

日立エナジー

 

Ørsted(オーステッド)

 

 

 

参考エントリー

 

GreenPost X投稿

 

 

 

しなやかな技術研究会  Alternative Technology Research Group for the world of resilient communities /GreenPostの視点から言えば、

大型洋上風車は、国内でももっと普及できる可能性のある分野です。可能性を見つめたいです。

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