« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »

農研機構、耕作放棄地の放牧の省力化を可能にする独立系太陽光発電システムを開発

 農業についてのさまざまな研究を行っている、農研機構(農業・生物系特定産業技術研究機構)は、耕作放棄地等で放牧において、省力化を推進する太陽光発電を利用した、電気牧柵と直流ポンプを利用した自動家畜飲水供給システムを開発し、その詳細を公開しました。
 耕作放棄地等の放牧では家畜の飲水確保が絶対条件とのことで、この技術を利用することで、放牧現場では、家畜の飲水供給を自動化でき省力化が可能ということです。放牧管理に有効な電気牧柵は、蓄電池を備えた既製品システムを利用し、これにバッテリーを備えた独立系のポンプシステムを組み合わせることで、放牧の現場の要求に応えるシステムとなっています。
 ポンプシステムは、直流ポンプ、太陽電池、充放電コントローラ、蓄電池、水位制御のためのフロートスイッチ、ポンプのON-OFF制御のためのポンプコントローラで構成されています。詳細なマニュアルが公開されていて、そのマニュアルに紹介されているシステムでは、太陽電池は20-30Wp、蓄電池容量は36-82Wh、そして直流ダイヤフラムポンプ(DC12V-Max.10A)を利用して、おおよその性能としては、「100m離れた高さ20mの場所に1時間あたり約400リットルの水を送ることができます。夏場の放牧牛の飲水量を45(L/日/頭)とすれば、放牧頭数4頭の放牧地では1日わずか30分間のポンプ稼働により、家畜の必要水量が供給できます。」とリリースで紹介されています。
 マニュアルによれば、非常に安価にシステムが組めることから、あちこちの放牧地で利用されるようになりそうです。


プレスリリース / 農研機構(農業・生物系特定産業技術研究機構)、2015年2月25日
太陽光発電を活用した放牧家畜飲水の自動供給システム

Nilgspress20150225_fig1_2
-----image : 上下とも同リリースより-----
Nilgspress20150225_fig2Nilgspress20150225_fig3

" 耕作放棄地等での放牧推進に貢献
ポイント
・既存の太陽光電気牧柵1)システムに揚水ポンプ2)システムを組み合わせた新たな家畜飲水供給システムを開発しました。棄地等での放牧推進に貢献
・本システムの導入に伴う既存の電気牧柵器電圧などへの影響はなく、家畜への必要水量が安定かつ自動で供給できます。
・開発した技術は、電気牧柵システムなどと同様に、耕作放棄地3)等での放牧推進における重要な技術として、今後広く活用されることが期待されます。

概要
 農研機構は、耕作放棄地等の放牧において、既存の太陽光電気牧柵システムに直流電源で駆動する揚水ポンプシステムを組み合わせた新たな家畜飲水供給システムを開発しました。耕作放棄地等の放牧では家畜の飲水確保が絶対条件の一つです。しかし、耕作放棄地等の放牧において近くに水源がない場合は、頻繁に水を運搬・供給する必要があります。水源がある場合でも、水源が放牧地より低い位置にあるときは人力か動力ポンプなどで水を汲み上げる必要があり、放牧現場では、家畜の飲水供給に多大な労力と時間を要してきました。

 本方法は、放牧地の多くに導入されている太陽光発電を利用した電気牧柵システムに揚水ポンプシステムを組み合わせることで、家畜に必要な量の飲水が自動で供給され、家畜飲水管理の省力・軽労化が実現できます。

 本システムは、電気牧柵システムなどと同様に、耕作放棄地等での放牧推進に大きく貢献します。

予算:
・運営費交付金
・攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)
..........
詳細情報
..........
研究の内容・意義
1.本システムは、耕作放棄地などの放牧現場において、直流電源で駆動する揚水ポンプシステムを導入し、自動的に家畜の飲水を供給するものです(図1)。本システムは、直流ポンプ、発電・蓄電制御のための充放電コントローラ、飲水槽などの水位制御のためのフロートスイッチ、ポンプのON-OFF制御のためのポンプコントローラで構成されており、耕作放棄地放牧などで一般的に導入されている太陽光電気牧柵と組み合わせて利用します(図2)。

2.本システムに用いた揚水ポンプはダイヤフラム式の直流ポンプであり、100m離れた高さ20mの場所に1時間あたり約400リットルの水を送ることができます。夏場の放牧牛の飲水量を45(L/日/頭)とすれば、放牧頭数4頭の放牧地では1日わずか30分間のポンプ稼働により、家畜の必要水量が供給できます。

3.放牧牛の飲水に必要な量の水が安定的に供給され、飲水不足による体重の低下もありません。また、本システムと電気牧柵システムの併用による電気牧柵器の電圧低下などの影響もなく、放牧牛の管理に十分な電圧が維持されます(図3)。

4.傾斜地等に複数の牧区が隣接しているような場合は、1台のシステムがあれば、最も高い位置に揚水し、高低差を利用して低部の牧区に飲水を供給することができます。また、いくつかの牧区で家畜を移動させて放牧を行う場合は、システム一式を移動して利用することも可能です。

5.本システムの導入コスト(飲水器、配管資材、電気牧柵システム、バッテリーに掛かる経費を除く)は、約6万円(2014年10月時点の価格)です。

今後の予定・期待
 本方法は、耕作放棄地等での放牧の推進に当たっての重要な技術の一つであり、電気牧柵システムなどと同様の基本要件のシステムとして、広く活用されることが期待されます。今後は、放牧技術を普及する者等を対象としてシステムの導入法などに関する講習会を開催し、技術の普及を図っていく予定です。なお、機器の接続、給・排水系統の概要、電力設計等を説明した「耕作放棄地放牧等における省力的家畜飲水供給システム導入マニュアル」を畜産草地研究所のホームページの以下のサイトからダウンロードできます。

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/055278.html

用語の解説

1) 電気牧柵
電線とそれを支える柱、高圧のパルス電流発生器等からなる防護柵の一種で、これに触れた時の電気ショックにより家畜が放牧地からの脱出することを防ぐ器材です。逆に野生動物の田畑などの農地への侵入防止にも広く用いられています。電源はバッテリーや家庭用交流電源ですが、商用電源から遠い耕作放棄地等の多くは、太陽光発電とバッテリーを組み合わせています。

2) 揚水ポンプ(ダイヤフラム式)
ダイヤフラムは膜という意味を持ち、ゴム、樹脂、金属などを素材とした膜の往復運動と逆止弁を組み合わせて、水を低い位置から高い位置へ汲み上げるポンプのことをいいます。小型ですが、比較的省エネ型で高い送水能力と耐久性があります。

3) 耕作放棄地
農林業センサス上の統計用語で「以前耕地であったもので、過去1年以上作物を栽培せず、しかもこの数年の間に再び耕作する考えのない土地」を指します。全国でおよそ40万ha程あり、滋賀県の面積にも匹敵します。食料生産や農地保全の視点からもその縮小や解消が急務といえます。
........... "

関連
・農研機構(農業・生物系特定産業技術研究機構) : 畜産草地研究所 / 耕作放棄地放牧等における省力的家畜飲水供給システム導入マニュアル(Ver.1.1)
Wsgmanual11
-----image : 上記サイトより

"..........
発行年月日
: 2014年11月28日
概要
: 本書は、畜産草地研究所が開発した「耕作放棄地等の放牧における太陽光発電を活用した家畜飲水自動供給技術」の現地導入マニュアルです。システム構成機器やその接続法、機器の維持管理、システムの導入事例などを解説しています。また、「システム設計シート」により、導入に必要なソーラーパネルの電力量やバッテリー容量などが計算できます。

ファイルダウンロード
耕作放棄地放牧等における省力的家畜飲水供給システム導入マニュアル(Ver.1.1)[PDF:2.1MB]
家畜飲水システム設計シート[XLSX:40.5KB]
......... "

続きを読む "農研機構、耕作放棄地の放牧の省力化を可能にする独立系太陽光発電システムを開発"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東芝ら、ケニアでオルカリア1号、4号地熱発電所各140MWの営業運転を開始

 東芝、豊田通商、そして現代エンジニアリングが、ケニア電力公社(KENGEN)から受注したオルカリア Olkaria1号および4号地熱発電所がこのたび完工し、2月19日に現地で開所式が行われました。今回完成したのは、2011年11月に東芝が、オルカリア1号地熱発電所への増設、そして、新設のオルカリア4号地熱発電所にそれぞれ、70MW(7万kW)の地熱蒸気タービン・発電機を2セットずつ納品し、豊田通商と現代エンジニアリングが発電設備と土木据付工事を実施したものです。実際の稼働は、2014年9月に4号機、そして2015年1月にに行われ、今回合同の開所式が行われました。増設のオルカリア1号は、今回の140MWプラスで合計185MWとなりました。
 すごいのは、オルカリア1号および4号地熱発電所は、現在の同国の総発電設備容量の約20%に相当する28万キロワットの電力を供給する規模となり、ケニア最大の地熱発電所となったことです。
 ちなみに、オルカリア2号は、105MW(KENGEN,2010)、オルカリア3号は、110MW(Ormat Technologies,2000)となっています。

 ケニアでは、高い経済成長率を背景に電力需要の拡大が見込み、国家ビジョンである”VISION 2030”のもと、国全体の発電容量を現在の166万キロワットから2030年までに1750万キロワットまで拡大する計画を掲げているということです。


プレスリリース / 東芝、2015年02月20日
ケニア最大の地熱発電所が営業運転を開始
Kenya_geothermal_olkaria
-----image : 同リリースより

" ..........豊田通商株式会社と現代エンジニアリングとともにケニア電力公社から受注したオルカリア1号および4号地熱発電所がこのたび完工し、2月19日に、同国大統領や現地政府関係者参加のもと、オルカリア地熱発電所全体の開所式が執り行われました。当社は2013年に主要機器である7万キロワット地熱蒸気タービンと発電機を4セット納入しています。機器の据付と試運転を経て、2014年9月に4号地熱発電所、また2015年1月に1号地熱発電所がそれぞれ営業運転を開始しています。

 同国では、高い経済成長率を背景に電力需要の拡大が見込まれ、国家ビジョンである”VISION 2030”のもと、国全体の発電容量を現在の166万キロワットから2030年までに1750万キロワットまで拡大する計画を掲げており、IPP事業を含め多数の新規地熱発電所建設の計画が進められています。今回営業運転を開始したオルカリア1号および4号地熱発電所はその一環として建設され、現在の同国の総発電設備容量の約20%に相当する28万キロワットの電力を供給するもので、ケニア最大の地熱発電所となります。
..........
注1 出典:Bloomberg New Energy Finance (2014年8月)
.......... "

関連
ケニア最大の地熱発電プロジェクト向け発電設備の受注について-----東芝、2011年11月07日

ケニアの地熱発電所建設に関して東芝、三菱重工、富士電機、そして仏アルストムの4社が応札予定-----ソフトエネルギー、2011/02/02

・Wikipedia : Geothermal power in Kenya

参考
駐日ケニア共和国大使館 / 経済概観

".....
ビジョン2030
2006年10月、ケニア政府は、国内開発の転換に焦点を当てたビジョン2030を発表..... "

Olkaria geothermal power project near completion

DNKenya,2014/02/18 )

参考エントリー
東芝、50MW級地熱発電所の建設に向けてコロンビアの電力会社と検討を開始-----ソフトエネルギー、2015/02/18

続きを読む "東芝ら、ケニアでオルカリア1号、4号地熱発電所各140MWの営業運転を開始"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東北電力、西仙台変電所の20MWhの世界最大規模のリチウムイオン蓄電設備を稼働

 東北電力は、2013年11月に着工した宮城県仙台市の西仙台変電所の2万kWh(20MWh)の世界最大規模のリチウムイオン蓄電設備の完成、営業運転の開始を発表しました。
 この実証事業は、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を目指し、気象条件で出力が変動する風力発電や太陽光発電の導入拡大に伴い発生する周波数変動への対策として新たに取り組まれるものです。中央給電指令所から蓄電池の充放電の自動制御を行い、これまで主に火力発電が担ってきた周波数調整機能と本システムを組み合わせることによる周波数調整力の拡大効果を平成29年度まで検証するものです。なお、電力系統にこの規模の大型蓄電池システムを設置するのは、国内で初めての取り組みとなるとのことです。
リチウムイオン蓄電池[ 蓄電池モジュール SCiB(TM)]、そして、系統連系用変圧器、昇圧用変圧器、蓄電池用パワーコンディショナー、蓄電池盤、などの主要機器は、すべて東芝製です。コンテナの数を写真で数えると80基見えます。数が合っていれば、1コンテナの容量が0.5MW(0.025MWh)となります。東芝のリリースによれば、「約1万回以上の充放電が可能な長寿命、高い安全性、低温動作などの優れた特性を持つ」とのことです。東芝のカタログをみると、大規模スマートバッテリ 500kW、型式ESS-500A24AIが掲載されています。
 この大規模な蓄電池が、再生可能エネルギーの大量導入時代に寄与するのか、コストに見合う貢献をしてくれるのか? それば判明するまでには、実証試験の平成26~29年度から考えると少なくとも数年かかることになります。


プレスリリース / 東北電力、平成27年 2月20日
西仙台変電所の大型蓄電池システムの営業運転開始について
150220_picturenishisendai_1
-----image(”設備外観”) : 同リリースより

" ..........本日、西仙台変電所(所在地:宮城県仙台市太白区秋保町)に設置した大型蓄電池システム(リチウムイオン電池、容量20,000kWh)の営業運転を開始いたしました。
..........
 本実証事業は、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を目指し、気象条件で出力が変動する風力発電や太陽光発電の導入拡大に伴い発生する周波数変動への対策として新たに取り組むものです。具体的には、中央給電指令所から蓄電池の充放電の自動制御を行い、これまで主に火力発電が担ってきた周波数調整機能と本システムを組み合わせることによる周波数調整力の拡大効果を検証するもので、今後、平成29年度まで実証試験を予定しております。なお、電力系統にこの規模の大型蓄電池システムを設置するのは、国内で初めての取り組みとなります。
..........
”西仙台変電所の大型蓄電池システムの概要
【事業概要】
1. 設置場所 西仙台変電所(宮城県仙台市太白区秋保町)
・設置面積 ・6,000m2程度

2. 実証設備
リチウムイオン電池
出力:20,000kW(短時間 40,000kW)
容量:20,000kWh

3. 事業期間
設置工事:平成25~26年度(平成27年2月20日運転開始)
実証試験:平成26~29年度

4. 実証試験での検証項目
・蓄電池システムと火力発電機を組み合わせた周波数制御ロジックの構築
・実機による周波数調整力拡大の効果
・再生可能エネルギー導入拡大への効果
・蓄電池の充放電レベル、充放電ロス、寿命 等


Tohoku_epco_renewbattery
-----image(”システムイメージ”)”-----「(別紙)西仙台変電所の大型蓄電池システムの概要(PDF)」より
.......... "

関連
世界最大出力、東北電力株式会社向け系統用蓄電池システムの受注について-----東芝、2013年11月26日

・東芝 : SCiB(TM) 二次電池
/ スマートバッテリー

東北電力、西仙台変電所に2万kWh(20MWh)の世界最大規模のリチウムイオン蓄電設備、着工-----ソフトエネルギー、2013/11/28

追加情報
東北電力、再エネ導入のための南相馬変電所の40MWh大容量蓄電池システムを運用開始-----ソフトエネルギー、2016/03/02


参考エントリー
北海道電力に、国の予算で6万kWh(60MWh)レドックスフロー蓄電池の導入決定-----ソフトエネルギー、2013/08/01

新型二次電池「SCiB(TM)」の事業化について / プレスリリース 東芝-----しなやかな技術研究会、2007/12/27

[ カテゴリー : 電力変換/蓄電、蓄熱、水素など ]

続きを読む "東北電力、西仙台変電所の20MWhの世界最大規模のリチウムイオン蓄電設備を稼働"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

国は、エネルギーミックスの議論を開始。#meti #電源構成 #エネルギー政策

 国は、2014年4月に第4次エネルギー基本計画を閣議決定、そして12月、その方針に基づき、長期的なエネルギー需給の見通しについて検討を行うため、長期エネルギー需給見通し小委員会を設置しました。また、発電コストの試算を行うため、発電コスト検証ワーキンググループを同小委員会の下に設置しました。

 そして、早々と長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)に関する意見箱も設置し、国民、関心のある人間や事業者の考え方を拾い上げる動きもはじめました。

 この長期エネルギー需給見通し小委員会の第1回会合は、1月30日に、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の第16回会合と合同会合として開催され、今後の流れなどが確認されました。第二回は、2月13日で、いずれの動画も公開されています。(第一回と全体第二回の動画)
 さらに、2月18日には、発電コスト検証ワーキンググループの第一回(配布資料)が開催されました。

 本来ならば、前民主党がまとめた原発ゼロを受けて、我が国のエネルギー政策を決めるにあたって、相当の関心を集めるべき議論ですが、残念ながら、報道などで原発の割合が15%、20%超などの数字ありきの情報が伝えられても、まったく周囲にもりあがりが感じられないのが正直なところです。実際、安倍政権、経済産業省が実施したパブリックコメントにおいて、大多数が再度原発ゼロを主張したという経緯を、この政治がまったく無視して、単に選挙で選ばれたという点だけをたよりに、既成事実を積み上げ、慎重に失点をしないように”議論”を進行させていく様は、不気味ささえ感じさせるものです。

 とはいえ、それぞれの考え方を政治や国に伝える手段がこの意見箱だけだとしても、これだけは提出するつもりで、他の手段の模索とともに、今後の経緯を見守っていきます。


長期エネルギー需給見通し小委員会

" 平成27年2月13日 第2回
議事要旨(PDF形式:312KB)|配布資料
平成27年1月30日 第1回
議事要旨(PDF形式:283KB)|配布資料|動画1|動画2
........... "

-Ustream : 長期エネルギー需給見通し小委員会(第2回会合)

発電コスト検証ワーキンググループ

"..........
平成27年2月18日 第1回
議事要旨(PDF形式:256KB)|配布資料
.......... "


関連
・資源エネルギー庁 : エネルギー基本計画について

総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第16回会合)・長期エネルギー需給見通し小委員会(第1回会合)合同会合-開催通知-----経済産業省、2015年1月27日
""-----配布資料

"..........
配布資料配布資料一覧(PDF形式:55KB)
議事次第(PDF形式:54KB)
委員名簿(基本政策分科会)(PDF形式:71KB)
委員名簿(長期エネルギー需給見通し小委員会)(PDF形式:65KB)
座席表(PDF形式:116KB)

資料1「長期エネルギー需給見通し小委員会の設置について」(PDF形式:115KB)
資料2「会議の公開について(案)」(PDF形式:114KB)
資料3「エネルギー基本計画の要点とエネルギーを巡る情勢について」(PDF形式:4,988KB)|(ZIP形式:4,261KB)
資料4「発電コスト検証ワーキンググループの設置について」(PDF形式:92KB)
資料5「成長至上主義から持続可能な社会へ、一極集中から地方創生へ」(PDF形式:702KB)

参考資料1「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)に関する意見箱の設置について」(PDF形式:167KB)
参考資料2「参考資料(エネルギーの需給に関する長期的、総合的かつ計画的に講ずべき施策)」(PDF形式:7,974KB)|(ZIP形式:7,560KB)
参考資料3「エネルギー基本計画」(PDF形式:1,168KB)
参考資料4「省エネルギー小委員会におけるこれまでの議論の中間的整理」(PDF形式:515KB)
参考資料5「固定価格買取制度の運用見直し等について」(PDF形式:310KB)
参考資料6「原子力小委員会の中間整理」(PDF形式:375KB)
参考資料7「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)に関する意見箱に寄せられた国民からの御意見」(PDF形式:501KB)
.......... "

関連
エネルギーミックスを検討するため「長期エネルギー需給見通し小委員会」を設置します-----経済産業省、平成26年12月26日
 / 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会長期エネルギー需給見通し小委員会
- 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会 発電コスト検証ワーキンググループ

意見箱
・資源エネルギー庁 : 長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)に関する意見箱

関連エントリー
国は、夏までに自民党政権としてのエネルギー政策(エネルギーミックス)を明らかにする方針-----しなやかな技術研究会、2015/01/07

 時系列で事象がわかるように、クリッピングをしています。

・Twilog @greenppost : 電源構成(電力のベストミックス、電源構成についての情報)

・Twilog @greenppost : エネルギー政策(エネルギー政策についての情報)

続きを読む "国は、エネルギーミックスの議論を開始。#meti #電源構成 #エネルギー政策"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東芝、50MW級地熱発電所の建設に向けてコロンビアの電力会社と検討を開始

 東芝は、コロンビア共和国イサヘン電力(ISAGEN S.A. E.S.P)と、発電出力50MW級の地熱発電所(カルダス県ビジャ・マリア市)の開発における協業に向けて検討を開始することに合意しました。
 イサヘン電力はコロンビアの公的電力会社で、開発予定の地熱発電所は、同国・同社にとって初の地熱発電所となります。調べてみるとコロンビアは、電力の65%超を水力発電でまかなう自然エネルギー大国であることがわかりました。残りのほとんどは火力発電です。そしてここに地熱が加われば、エネルギーの独立はより強化されます。

 今回締結された覚書は、東芝とイサヘン電力のほか、西日本技術開発、シュルンベルジェ(Schlumberger)との4社間での締結となります。西日本技術開発が全体のエンジニアリングと実行可能性調査(FS)を請け負い、2年間にわたり行われる調査を経て、実現可能と判断されれば、2020年の運転開始を目指し、当社が発電所の建設と蒸気タービンや発電機などの主要機器の供給を行う予定です。蒸気を発生する井戸の掘削と蒸気輸送設備は、地元のシュルンベルジェが担当する予定です。


プレスリリース / 東芝、2015年02月18日
コロンビア イサヘン電力との地熱発電開発に向けた覚書締結について コロンビア初の地熱発電所建設へ

Temihi_d3x1506_2
-----image[”地熱発電用蒸気タービン(イメージ)”]: 同リリースより

" ..........コロンビア共和国イサヘン電力株式会社(ISAGEN S.A. E.S.P、以下「イサヘン電力」)と、発電出力50メガワット級の地熱発電所の開発における協業に向けて検討を開始することに合意し、このたび覚書を締結しました。覚書は当社とイサヘン電力のほか、西日本技術開発株式会社(以下「西日本技術開発」)、シュルンベルジェ株式会社(Schlumberger、以下「シュルンベルジェ」)との4社間での締結になります。今回の合意に基づき、イサヘン電力が同国カルダス県ビジャ・マリア市に開発する地熱発電所について、4社が共同で実現可能性調査(FS)と建設、運転に取り組む予定です。
..........
 コロンビアの主要な電源は水力発電であり、当社もこれまで同国に38台、6062メガボルトアンペア相当の水車発電機を供給してきました。
.......... "

関連
・東芝 : 電力システム社 火力・水力事業部
/ 地熱発電とは?
/ 東芝地熱発電の歴史と実績

参考
・Wikipedia : Electricity sector in Colombia


コメント続き

 今回のリリースによると東芝は、1966年に日本国内初となる岩手県松川地熱発電所に20MWの地熱蒸気タービン・発電機を納入して以来、北米、中南米、東南アジア、アイスランドなど世界各国に52台、約3400MWの発電設備を納入し、世界トップの24%のシェア(出典:Bloomberg New Energy Finance ,2014年8月)を占めているということです。
 東芝の関連サイトによると、その東芝の海外の納入国は、アイスランド、メキシコ、フィリッピン、アメリカ、コスタリカです。これ以外にもトルコに地熱発電所向けの発電機を受注しています。今後も有望な事業として世界展開を進めていただきたいものです。


参考エントリー
東芝、インドネシアの330MWサルーラ地熱発電所向けに蒸気タービンと発電機3セットを受注-----ソフトエネルギー、2014/07/17

東芝、トルコ西部のアラシェヒル地熱発電所向け40MW級発電設備一式を受注-----ソフトエネルギー、2014/01/08

丸紅、東芝製システムによりインドネシアで約55MWのパトハ地熱発電所1号機を建設へ-----ソフトエネルギー、2011/12/16

東芝、ニュージーランドのテミヒ地熱発電所向けタービン、発電機、復水器を受注-----ソフトエネルギー、2011/04/06

ケニアの地熱発電所建設に関して東芝、三菱重工、富士電機、そして仏アルストムの4社が応札予定-----ソフトエネルギー、2011/02/02

続きを読む "東芝、50MW級地熱発電所の建設に向けてコロンビアの電力会社と検討を開始"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

三菱重工業、イギリスで新型油圧ドライブトレイン搭載の7MW風力発電機の実証試験を開始

 三菱重工業は、英国ハンターストン Hunterston の大型風力発電装置の詳細な評価ができる施設において、新型油圧ドライブトレイン搭載の7MW風力発電機、MWT167H/7.0の実証試験を開始しました。MWT167H/7.0は、同社が2010年に買収した英国のベンチャー企業、アルテミス社のArtemis Digital Displacement Technology(DTT)をベースに開発された油圧デジタル制御技術を搭載している点が最大の特長です。従来のギア式の可変装置の欠点を補い、かつコスト的にも利点を発揮することが期待されています。発電特性として高度な同期性を風力発電機にもたせることが可能で、ギア式の可変速部とインバーターを不要とすることができます。
 このプロジェクトはNEDOと英国ビジネス・イノベーション・職業技能省(BIS)の大型洋上風力発電機開発プログラムとして進められます。英国電力大手 SSE(Scottish and Southern Energy)社が運営するハンターストンのこの実証施設は、同国最大にして随一、最新の風力発電専用の実証サイトで、恵まれた風況条件の中で、さまざまなテストを実施することができます。風力発電機は、同社の横浜製作所からナセルなどの主要機器を搬入して現地で組み立てられました。新開発のブレードの長さは81.6m(ローター径167m)。ハブの高さは約110m、全体の高さは200m近くにも達するということです。
 この三菱の7MWの洋上風力発電機機は、Mitsubishi Power Systems Europeが開発を続けてきた SeaAngelプロジェクトの最終段階で、この英国での陸上実証試験の結果を踏まえ、福島沖で実施される浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業に、2015年度に油圧ドライブ式大型風力発電設備を供給し、実証試験を行っていく計画となっています。
 また、商用化、量産化の目途が立った段階で、三菱重工とヴェスタスの合弁の洋上風力発電設備専業会社であるMHIヴェスタスへこの新型油圧ドライブトレインを供給することも検討するということです。

 正直、日本での洋上風力発電の導入時代が訪れるのか? 訪れるとすればいつなのか? については、少々懐疑的です。しかし、すでに洋上風力発電においては、一時代を築いている欧州市場では、まだまだ開発計画が推進されています。この傾向は、2030年ころまでは続くと見られています。欧州での技術の確立とコストダウンの恩恵を日本やアジアが生かすことができるのか? そんな視点で洋上大型風力発電機の今後に関心をもっています。


プレスリリース / 三菱重工業、2015年2月5日
世界初 洋上風車用新型油圧ドライブトレインの実証試験を開始 英国ハンターストンで - E

150205no5617
-----image(”ハンターストンテストセンターのMWT167H/7.0”) : 同リリースより

" 三菱重工業は4日(現地時間)、英国ハンターストン(Hunterston)テストセンター※1において、油圧ドライブ式大型洋上風力発電設備(MWT167H/7.0、定格出力7000kW)の陸上実証試験を開始しました。独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と英国ビジネス・イノベーション・職業技能省(The Department for Business, Innovation and Skills : BIS)および同国技術戦略委員会(Innovate UK)の支援を得て開発している大型風力発電設備で、デジタル可変容量制御(Digital Displacement※2)を行う油圧ドライブトレインを持った風力発電設備の実証試験は世界で初めてです。
...........
 新型油圧ドライブトレインは、当社が2010年に買収した英国のベンチャー企業、アルテミス社(Artemis Intelligent Power, Ltd.)の持つ油圧デジタル制御技術をベースに、同社と共同開発したものです。この方式を採用した風力発電設備は、風のエネルギーを油圧に変換し一定の回転数で発電機を回すため、増速機やインバーターを必要としないのが特徴です。
..........
※1 Hunterston (onshore) test center :SSE社の運営する、英国初の政府公認の洋上風車専用実証試験場(Glasgowを拠点とするCentre of Excellence for Renewable Energy (CEERE)構想の一環)で、スコットランド北アイルシャー州に所在。敷地内ではSiemens社SWT6.0/154が先行して実証試験中。
※2 Digital Displacementは三菱重工の商標です。
.......... "

関連
世界初、油圧ドライブトレインを採用した大型風車を開発―世界最大級7MW大型風力発電を英国で実証-----NEDO、2015年2月5日
100586371
-----image[”図1 英国に設置された油圧ドライブトレインを採用した7MW大型風力発電設備
(ブレード長さ:81.6m、ナセル中心高さ:約110m、ブレード先端までの高さ:約200m)”)]: 上記リリースより

SSE(Scottish and Southern Energy) / Hunterston

"Construction is underway at the UK's first offshore wind turbine test facility at Hunterston in North Ayrshire.
...........
LATEST NEWS

The first assembled test turbine, a Siemens SWT-6.0-154, began generating clean wind powered energy in March 2014. It is a 6MW turbine and has a tip height of 177 metres with a 154 metre rotor diameter.

The second turbine, the 7MW Mitsubishi SeaAngel turbine will be assembled in October 2014 with a tip height of 193.5 metres and a 167 metre rotor diameter. Once assembled it will be commissioned and then begin long term operational testing and assessment while generating electricity to the local Network.
.......... "

UK: MHI Testing Digital Hydraulic Drive Train for OW Turbines-----offshoreWIND.biz,2015/02/05

関連エントリー
三菱重工、7MWkW級の最新型の風力発電機開発に向けて、世界初の油圧ドライブトレインを開発-----ソフトエネルギー、2013/01/29

三菱重工業、7MWの巨大洋上風力発電機開発のタイムテーブルを発表-----ソフトエネルギー、2011/12/02

三菱重工、英国のベンチャーアルテミス社を買収。活発化する超大型洋上風車開発 Round 3 Project への足がかり-----ソフトエネルギー、2011/01/07

参考エントリー
三菱重工とヴェスタス、洋上風力発電設備専業の新会社MHI Vestas Offshore Wind A/S の営業を開始-----ソフトエネルギー、2014/04/10

ヴェスタス Vestas、翼の直径164mの8MW風力発電機 V164-8.0 の運転を開始-----ソフトエネルギー、2014/02/14

三菱重工業とヴェスタス、洋上風力発電設備専業の新合弁会社を設立-----ソフトエネルギー、2013/10/01

ヴェスタス Vestas、翼の直径164mの7MW洋上風車 Vestas V164 offshore wind turbine を発表-----ソフトエネルギー、2011/05/10

参考
Energy Consortium Launch Offshore Wind Research and Development Programme-----Mitsubishi Hitachi Power Systems Europe,24 July 2012

・GOV.UK : UK Offshore Wind: opportunities for trade and investment,First published:12 November 2014

続きを読む "三菱重工業、イギリスで新型油圧ドライブトレイン搭載の7MW風力発電機の実証試験を開始"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

宮崎県都農町に約5MWのバイオマス発電所「グリーンバイオマスファクトリー」竣工

読売新聞によると、宮崎県児湯郡都農町で、間伐材などから作ったチップを燃料にする木質バイオマス発電所が稼働したとのこと。2から5MW規模で、主に国内のバイオマスを利用した発電所の情報を集めているので、調べてみました。
 運営会社として平成21年8月に設立されたグリーンバイオマスファクトリーは、宮崎県内を中心とした山林未利用材を原料とした木質チップを燃料として使用するバイオマス発電を行い、発電した電気を電気事業者に売電する事業を行なう企業で、施工は住友重機械工業と地元の企業が行っている。発電規模は、約5MW(送電出力5000kW、定格発電端出力5750kW)で、近接する日向市や美郷町で調達した1日200トンの間伐材などを燃料として利用する。年間約7200トンの燃料で、年間の予定送電量は40,000,000kWhを見込んでいる。
 読売などによると、総事業費は約35億円で、固定価格買取制度を利用し売電し、15年間で回収する計画だとのことです。送電開始は、平成26年6月を予定しているということです。

関連
グリーンバイオマスファクトリー / 会社概要


コメント続き
 最近のバイオマス発電は、5MWを超えるものもたくさん稼動する状況になってきました。それらが、国内のバイオマス資源を持続可能的に利用するしくみを構築できるのかが、最大の課題であり、関心事です。

参考エントリー
クラボウ、徳島県阿南市で6.2MWの木質バイオマス発電施設の建設を開始-----ソフトエネルギー、2015/01/19

高知県宿毛市で、全1万世帯分の電力をカバーする6.5MWのバイオマス発電プラント完成-----ソフトエネルギー、2014/12/11

岐阜県の岐阜バイオマスパワー、 6.25MW木質バイオマス発電プラントを竣工-----ソフトエネルギー、2014/12/08

三井物産ら、苫小牧バイオマス発電に出資。約5.8MWの木質バイオマス発電事業を計画-----ソフトエネルギー、2014/10/27

タケエイ、岩手県花巻市に6.25MWの木質バイオマス発電所の建設を計画-----ソフトエネルギー、2014/10/17

タクマ、熊本県で有明グリーンエネルギー向け6.25MWバイオマス発電設備を受注-----ソフトエネルギー、2014/09/16

日本製紙、熊本県八代工場において未利用材100%による5MWバイオマス発電事業を計画-----ソフトエネルギー、2013/04/17


[ カテゴリー : 木質、森林/バイオマス ]

続きを読む "宮崎県都農町に約5MWのバイオマス発電所「グリーンバイオマスファクトリー」竣工"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

日立造船ら、新潟県村上市沖に5MW機×44基、220MWの岩船沖洋上風力発電建設へ

 新潟県村上市は、岩船の沖合約1km先、水深10~30mの約2700ヘクタールの一般海域に、着床式の洋上風車を数十基設置する計画を策定、2014年11月から事業者を公募してきました。そして今回、村上市岩船沖洋上風力発電事業者を決定しました。選ばれたのは、日立造船を幹事会社とする10社によるコンソーシアムです。

 発表されたコンソーシアムにおける、10社の主な役割は下表のとおりです。

事業候補会社
 メンバー企業  役割および担当業務
日立造船株式会社(幹事会社) 全体設計、基礎構造の検討
株式会社ウェンティ・ジャパン 事業開発、事業運営に関する検討
住友電気工業株式会社 変電設備、送電ケーブルおよび架設の検討
日立キャピタル株式会社 ファイナンス、事業運営に関する検討
株式会社日立製作所 風車の性能および設置の検討
三菱商事株式会社 事業開発、事業運営に関する検討

協力会社
 メンバー企業  役割および担当業務
株式会社第四銀行 ファイナンスに関する検討
東亜建設工業株式会社 建設工事に関する検討
株式会社本間組 建設工事に関する検討
株式会社三菱東京UFJ銀行 ファイナンスに関する検討
(※)メンバー企業は、事業候補会社と協力会社の区分ごとに五十音順で記載

 この体制で、5MWの洋上風車×44基、合計220MWに達する着床式洋上風力発電所「岩船沖洋上風力発電」の実現に挑むことになります。総事業費は1千億円規模で、2024年度の稼働を目指します。

プレスリリース / 日立造船、2015年02月06日
新潟県村上市の岩船沖洋上風力発電事業者に採択

" 日立造船株式会社をはじめとする10社によるコンソーシアム(幹事会社:日立造船株式会社、以下、当コンソーシアム)は、村上市岩船沖洋上風力発電推進委員会(会長:大滝平正 村上市長、以下、推進委員会)が公募した「岩船沖洋上風力発電事業企画」に応募しておりましたが、このほど、「岩船沖洋上風力発電事業者」として採択されました。
 村上市は、洋上風力発電事業の実現が地球温暖化対策や地域経済の振興、観光などの地域活性化に貢献するものと捉えており、同市の岩船沖に洋上風力発電事業の円滑な導入を推進することを目的に推進委員会を2014(平成26)年11月に設立しています。
 本件は、推進委員会が村上市岩船沖約2km先の水深-10mから-35mの一般海域にあたる約2,700haを対象にした、洋上風力発電の事業企画を公募したもので、当コンソーシアムが採択されました。
 本採択により、当コンソーシアムは出力220,000kW(5,000kW×44基)規模の着床式洋上風力発電を想定した事業化検討を開始します。事業化検討の結果、本事業の実現可能性が確認できた場合、別途2015(平成27)年度に特別目的会社を設立し、2020(平成32)年度に機器の製作開始、2024(平成36)年度からの運転開始を目指します。

..........
 なお、本件の概要は以下のとおりです。
1.公募実施者 : 村上市岩船沖洋上風力発電推進委員会(会長:大滝平正 村上市長)

2.コンソーシアム構成企業
事業候補会社 : 日立造船株式会社、株式会社ウェンティ・ジャパン、住友電気工業株式会社、日立キャピタル株式会社、
株式会社日立製作所、三菱商事株式会社
協 力 会 社 : 株式会社第四銀行、東亜建設工業株式会社、株式会社本間組、株式会社三菱東京UFJ銀行

(注1)事業候補会社とは
該当海域での洋上風力発電事業の事業化検討により、事業性が認められた場合に特別目的会社(SPC)への出資を前提にコンソーシアムに参加する会社(SPC出資は事業化検討の結果を各社で評価して最終的な判断を行う)
(注2)協力会社とは
事業化検討や事業化プロセスに関して事業候補会社とともに検討・協議を行い、本件の事業化に協力する会社

3.設備規模 : 着床式洋上風力発電設備 発電出力220,000kW(5,000kW×44基)

4.施工予定地 : 新潟県村上市岩船沖約2km
.......... "

関連
・新潟県村上市 : 岩船沖洋上風力発電について

" 第2回村上市岩船沖洋上風力発電推進委員会を開催(2014年2月10日更新)

平成27年2月5日に第2回村上市岩船沖洋上風力発電推進委員会を開催しました。会議では、岩船沖洋上風力発電事業者の評価選定について審議され、発電事業予定者が決定されました。
.........."


コメント続き

 2020年代初頭の完成を目指し、我が国でも風力発電の大型発電所の建設計画が動き出します。トレンドの一つは、洋上風力発電所です。固定価格買い取り制度の見直しも始まり、太陽光発電に集中した現状の非自然な姿から、多様な風土の特性を生かした風力などの、その他の建設に注目と興味が向かいます。

参考
[ カテゴリー : 風力発電 ]

・Twilog @greenpost : #renewjapan #renewwind(国内の風力発電に関する情報)

・Twilog @greenpost : #renewjapan #renewwind #offshore(国内の洋上風力発電に関する情報)

続きを読む "日立造船ら、新潟県村上市沖に5MW機×44基、220MWの岩船沖洋上風力発電建設へ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

クボテック、次世代蓄電システム向け約100kWの大径CFRP製フライホイール蓄電ユニットを完成

 医療電子機器、各種産業機器の研究開発を行っている大阪のクボテックは、参加しているNEDOのプロジェクト「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」において、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製としては世界最大級となる直径2メートルのフライホィールを開発しました。フライホィールの蓄電装置は、電力をフライホィールの回転力(慣性力)におきかえることで、電力を”蓄電”することができる装置です。今回開発された、CFRP製フライホィールは、外形の直径が2m、内径が1.4m、厚み 10cm、そして重さがおおよそ2985kgです。
 この巨大な大きなフライホィールを回転させ蓄電装置として利用するためには、均質な材料を正確に仕上げ、精度の高い回転体として運用する技術が求められます。NEDOの「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」プロジェクトにおいて、平成24年度から27年度までの期間に次世代フライホイールシステムを開発し、今年度は実証機をくみ上げ、山梨県の10MWpの米倉山メガソーラーにおいて実証試験が予定されています。
 この実証試験における各パートの役割は、

-発電装置・・・鉄道総研
-フライホィール・・・クボテック
-真空容器・・・ミラプロ
-超伝導磁気軸受・・・鉄道総研、古河電工
-系統連系、実証試験・・・山梨県企業局

 となっています。世界では、20MW規模のフライホィール蓄電装置の実施例もあります。最大の課題は、技術よりもコストといわれる分野だけに、我が国の技術でそれがどこまで、実用へとつながるのか? それが最大課題となりそうです。


プレスリリース / クボテック、2015/2/2
IR情報 / 次世代フライホイール蓄電システム向け 大径CFRP製フライホイールの完成
Kubotech_flywheel_1-----image : 上下とも同リリースより-----
Kubotech_flywheel_2Kubotech_flywheel_3

" .......... 開発成果概要
・CFRP製としては世界最大級となる外径2mのフライホイールの開発に成功しました。
・炭素繊維の織り方を工夫することで高強度、高信頼性を実現しました。
・本フライホイールは、CFRP製ローター(外形Φ2000mm、内径Φ1400mm、厚み 100mm)を積層することにより実現しています。積層する枚数によりさまざまな蓄電容量のフライホイールが製作可能です。
.......... "

関連
・NEDO : 安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発

"..........
事業・プロジェクト概要
平成23年度~平成27年度、平成26年度予算:20.0億円
..........
2014年3月10日
古河電気工業株式会社 次世代フライホイール向け高温超電導マグネットの開発に成功~メガソーラー等との連携により、効率的な電力エネルギーの貯蔵が可能に~

公益財団法人鉄道総合技術研究所 次世代フライホイール向け高温超電導マグネットの開発に成功~メガソーラー等との連携により、効率的な電力エネルギーの貯蔵が可能に~

2012年11月22日
三菱重工業株式会社 英国SSEと共同でオークニー諸島の電力網を安定化
リチウムイオン二次電池搭載のコンテナ型大容量蓄電システムを導入

.......... "

・山梨県 : 米倉山太陽光発電所について

鉄道総合技術研究所と古河電工、次世代フライホイール蓄電装置向け高温超電導マグネットの開発に成功-----ソフトエネルギー、2014/03/13


参考エントリー
フライホィール”蓄電”のBeacon Power、復活ののろし。ペンシルバニアで20MWのプラント建設へ-----ソフトエネルギー、2013/08/05

三菱重工、英国で海洋再エネ率の高い電力ネットワークで蓄電システムを実証試験-----ソフトエネルギー、2012/11/28

Williams F1、KTSi、モータースポーツで培った蓄電・平滑用フライホィールを生かしエネルギー用を共同開発へ-----ソフトエネルギー、2011/09/07

NEDO、大型蓄電池、およびシステム。フライホイールなど大規模蓄電システム開発のプロジェクト開始。メガソーラーの導入手引書も配布開始-----ソフトエネルギー、2011/08/11

IEEE、スマートグリッドにおける二次電池やフライホィールなどのエネルギー貯蔵技術に関するガイドラインの検討を本格化-----ソフトエネルギー、2010/11/05

[ カテゴリー : 電力変換/蓄電、蓄熱、水素など ]

続きを読む "クボテック、次世代蓄電システム向け約100kWの大径CFRP製フライホイール蓄電ユニットを完成"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ユーラスエナジー、シーメンスの3MW機6基のユーラス秋田港ウインドファームを運開

 ユーラスエナジーは、同社グループが秋田市向浜に建設していた、ユーラス秋田港ウインドファーム(総出力1万8,000kW)が、2月2日より営業運転を開始したと発表しました。採用した風力発電機は、3MWのシーメンスのSWT-3.0-101機6基。Siemens SWT-3.0-101は、2010年にリリースされた3MWのダイレクトドライブモデルです。定格は、風速12.5m/sで3MW(3000kW)です。発電レンジは、3~25m/sで、年間平均風速8.5m/sの地点(タワートップ風速)で、12,814 MWh/年の発電が可能なモデルです。今回秋田港に設置されたモデルのタワーの高さは79.5m、回転翼の直径は101mで、この機種が日本に導入されたのは初めてということです。

 同社のグループは秋田県において既に2つの風力発電所を操業しており、本発電所の完成により、秋田県内で手掛ける風力発電の設備容量は5万5,650kWとなり、さらに今後、由利高原と東由利原においてもウインドファームの建設を進めていくということです。


プレスリリース / ユーラスエナジー、2015年02月03日
ニュースリリース / ユーラス秋田港ウインドファーム営業運転開始

Akita_wind
-----image : 上記リリースより

" ..........秋田市にて建設を進めていたユーラス秋田港ウインドファーム(総出力1万8,000kW)が完成し、2月2日より営業運転を開始しました。

この施設は、1基あたり3,000kWのシーメンス社製の風車を6基設置するもので、タワーの高さは79.5m、ブレードの回転部分の直径は101mと国内最大級の大きさです。この機種は日本で初めて導入した風車となります。

当社グループは秋田県において既に2つの風力発電所を操業しており、本発電所の完成により、当社グループが県内で手掛ける風力発電の設備容量は5万5,650kWとなります。さらに、県内の由利高原と東由利原においてもウインドファームのプロジェクトを推進しています。

【発電所概要】
発電所名: ユーラス秋田港ウインドファーム
所在地: 秋田県秋田市向浜
総出力: 18,000kW(3,000kWx6基/シーメンス社製
......... "

関連
Siemens wins wind power order from Japan-----Siemens, 2013-Mar-18
Ere20100406201_072dpi
-----image(”Siemens direct drive wind turbine in 3 MW-class”) : 上記リリースより
Soere2009120503_072dpi
-----image(”Smart and straightforward design”) : 上記リリースより
Soere2009120501e_300dpi_2
-----image(”2009-Dec-03 Drawing of the new SWT-3.0-101 DD”) : 上記リリースより

" Siemens Energy has been awarded an onshore wind power order for the Akita Port wind power project on the north west coast of the Japanese island Honshu. The customer is Eurus Energy Holdings Corporation, Japan's largest wind power developer. The scope of supply includes the delivery and installation of 6 direct-drive wind turbines of the type SWT-3.0-101, with an output of three Megawatts (MW) and a rotor diameter of 101 meter. The deal also includes a service agreement. Installation and commissioning of the wind turbines is scheduled for summer 2014.
........... "

New Siemens Direct Drive wind turbine ready for sale SWT-3.0-101: increased performance with 50 percent fewer parts-----Siemens,2010-Apr-20-----Wind Turbine SWT-3.0-101 / SWT-3.2-101 - Technical Specification Table

Siemens_3mw_110d
-----image : 上下とも、Siemens D3 Platform (English/PDF)より-----
Siemens_3mw_110d_spec

続きを読む "ユーラスエナジー、シーメンスの3MW機6基のユーラス秋田港ウインドファームを運開"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

大和ハウス、1MW×2基の DTS飛騨水力発電所建設へ。再エネへの取り組みを強化

大和ハウス工業は、東芝の子会社のシグマパワーホールディングスと坂本土木との合弁で、水力発電事業会社、DTS飛騨水力発電を2014年12月22日に設立し、同社初となる水力発電事業に参入すると発表しました。今回取り組む水力発電事業は、岐阜県飛騨市宮川町に、東芝製の発電機を利用した、第一発電所 970kW と 第二発電所 999.5kW、合計発電出力 1,969.5kW、おおよそ2MWの水力発電所を建設するものです。総事業費は、約28億円で、2015年4月に建設を開始し、2017年11月の完成を目指すものです。発電した電力は、年間予定発電量は12,060MWhで、再生可能エネルギーの固定買取制度を活用し、発電した全電力を20年間、大和ハウス工業が新電力(PPS)として全量買取し、電力小売事業の電力として法人企業に電力販売する予定です。年間の売上予想は、約3.8億円です。
 
 大和ハウスは、電力自由化を視野に太陽光発電、そして今回の水力発電などに積極的に参入する事業を継続するとのことです。


プレスリリース / 大和ハウス工業、2015/02/04
ニュースリリース / 再生可能エネルギーの電源開発の拡大電力小売全面自由化に向けて水力発電の開発に着手します

Daiwahouse_hydro
-----image : 同リリースより

" 大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市北区、略)は、株式会社東芝(本社:東京都港区、略)の子会社であるシグマパワーホールディングス合同会社と坂本土木株式会社(本社:岐阜県飛騨市、略)との合弁で、水力発電事業会社であるDTS飛騨水力発電株式会社を2014年12月22日に設立し、水力発電事業に参入します。なお、当社が水力発電事業に参入するのは初めてとなります。

 本事業は、岐阜県飛騨市宮川町において発電出力約2MWの水力発電所を、2015年4月(予定)より建設し、2017年11月(予定)から売電を開始するものです。
 年間予定発電量は12,060MWhで、再生可能エネルギーの固定買取制度を活用し、発電した全電力を20年間、大和ハウス工業が新電力(PPS※1)として全量買取し、電力小売事業の電力として法人企業に電力販売します。発電機は株式会社東芝製を使用し、土木工事および「(仮称)DTS飛騨水力発電所」の運営管理については坂本土木が行います。開発にあたっては、地元の皆さまや関係各所にご協力とご理解をいただきながら進めていきます。
大和ハウス工業は、水力発電を再生可能エネルギーの中でも安定した発電電力量を期待できるものと考え、今回、当社初の水力発電事業に取り組むこととなりました。今後も創業以来培ってきた技術力を活かし、「風」「太陽」「水」の再生可能エネルギーの電源開発に積極的に取り組み、電力小売事業の拡大を目指します。

※1.Power Producer Supplier(特定規模電気事業者)の略。契約電力が50kW以上の需要家に対して、電力会社の電線を介して電力供給を行うことができる事業者のこと。

■水力発電所の概要
名  称:「(仮称)DTS(ディーティーエス)飛騨水力発電所」
所 在 地:岐阜県飛騨市宮川町
発電出力:1,969.5kW
 第一発電所(970kW)、第二発電所(999.5kW)
年間予定発電量:約12,060MWh/年(約2,600世帯分※2の電力量に相当)
CO2削減量:年間約7,000t(予定)
着工予定:2015年4月
竣工予定:2017年10月
売電開始予定:2017年11月
事業期間:2017年11月~
(再生可能エネルギーの固定買取制度後も事業を継続する予定です)
発電機:株式会社東芝製の水力用発電機
対象河川:一級河川神通川水系 宮川の支流
鉄管路長さ:全長1,772m
発電事業者:DTS飛騨水力発電株式会社
設計・施工:株式会社東芝、坂本土木株式会社
総事業費:約28億円
年間売電売上:約3.8億円

※2.経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ」掲載の数値(家庭の一世帯あたりの全消費電力量を4,734kWh/年とした場合)から算出。

■会社概要
会 社 名:DTS飛騨水力発電株式会社
代表取締役社長:六反田 則幸(大和ハウス工業株式会社環境エネルギー事業部長)
本店所在地:岐阜県飛騨市古川町宮城町443‐1
出資会社:
 大和ハウス工業株式会社(39.9%)
 シグマパワーホールディングス合同会社(33%)
 坂本土木株式会社(27.1%)
資 本 金:426百万円

Release_20150204_04

-----image : 同リリースより
.......... "

関連
岐阜県飛騨市小水力発電プロジェクトへの出資および発電機器一式の供給について-----東芝、2015年2月4日

"..........
 今回参画するプロジェクトは、2017年11月までに岐阜県飛騨市に約1MWの小水力発電所2基を建設するもので、発電出力の合計は約2MW、年間発電電力量は約12,060MWhで、一般家庭の約2,600世帯(※)分の電力に相当します。当社は、2017年春頃から1MWの水車および発電機2セットを供給する予定です。大和ハウス工業は特定規模電気事業者として法人企業向けに電力の販売を担当し、現地工事は坂本土木が担当します。
..........
発電プロジェクト概要
プロジェクト名 (仮称)DTS飛騨水力発電所
所在地 岐阜県飛騨市宮川町菅沼地区
発電出力 1,969.5キロワット (第一発電所:970キロワット、第二発電所:999.5キロワット)
営業運転開始 2017年11月(予定)
.......... "


参考
・東芝 : 製品と技術紹介 - 発電機

太陽光発電事業の展開について 2013年度内に6.5MW供給で、再生可能エネルギーの普及に貢献-----東芝、2013年03月28日

"..........
太陽光発電事業に参入します。当社グループ会社でコージェネレーションシステムにより発電事業を展開してきた株式会社シグマパワー土浦を「株式会社 シグマパワー太陽光」に改称し、同社を事業運営会社として、4月1日から太陽光発電事業を展開します。
.........."

続きを読む "大和ハウス、1MW×2基の DTS飛騨水力発電所建設へ。再エネへの取り組みを強化"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »