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JOGMECは、秋田県湯沢市の大規模地熱発電事業(42MW)に対し債務保証を実施。いよいよ建設へ

 経済産業省、所管のJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構略)は、秋田県湯沢市(山葵沢地域及び秋ノ宮地域)に於ける地熱発電事業を債務保証対象事業として採択しました。この地熱発電事業の債務保証対象事業は、その建設に必要な資金の融資を民間金融機関から受ける場合、当該融資の80%を上限にJOGMECが地熱開発事業者の民間金融機関への債務を保証するものです。
 この地熱発電所は、湯沢地熱[(株)、会社設立 平成22年4月12日。株主は、電源開発 (出資比率:50%)、三菱マテリアル(同:30%)、三菱瓦斯化学株式会社(同:20%)三社]による、42MW 山葵沢地熱発電所(仮称)として、計画が進められてきたものです。 設備容量は、42,000キロワットで発電方式は、ダブルフラッシュ方式です。ダブルフラッシュ方式とは、国内の地熱発電所では最も多く採用されているシングルフラッシュ方式の地熱流体を二相流輸送管により気水分離器に導き、蒸気と熱水とに分離する工程にプラスして、分離した熱水を、さらに減圧して低圧の蒸気を作り、発電に利用する発電方法です。ダブルフラッシュ方式は、シングルフラッシュに比べて設備費は増加するが、出力が15から20パーセント増加するということです。
 建設期間は、平成27年4月~平成31年5月です。運転開始予定は、平成31年5月ということですから、当初の平成32年(2020年)から若干前倒しされています。それでも、計画(平成23年11月)から8年かかる予定です。このプロジェクトは、環境影響評価を必要とする10,000キロワット以上の大規模地熱発電所としては、平成8年11月に運転を開始した滝上発電所(大分県)以来、おおよそ20年ぶりの事業となるということです。


プレスリリース / JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)、2015年1月30日
20年ぶりの大規模地熱発電事業に対し債務保証を実施

300203986
-----image(”6.完成予想図 提供:湯沢地熱株式会社”) : 同リリースより

" JOGMEC(本部:東京都港区、略)は、湯沢地熱株式会社による秋田県湯沢市(山葵沢地域及び秋ノ宮地域)に於ける地熱発電事業について、債務保証対象事業として採択しました。
 本事業は、発電規模(設備容量)として42,000キロワットを見込んでおり、環境影響評価を必要とする10,000キロワット以上の大規模地熱発電所としては、平成8年11月に運転を開始した滝上発電所(大分県)以来、おおよそ20年ぶりの事業となります。

 湯沢地熱株式会社は秋田県湯沢市で発電規模(設備容量)42,000キロワットのダブルフラッシュ方式*の地熱発電所の建設を決定しました。建設資金の一部(26,259百万円)を株式会社みずほ銀行(主幹事)、株式会社三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、株式会社秋田銀行及び株式会社北都銀行から長期借入で調達し、JOGMECはこの借入の80%に対する債務を保証するものです。

 JOGMECは平成24年9月から地熱資源に関する調査助成や技術開発等による支援事業を進めて参りましたが、本件は、環境影響評価法(平成9年6月13日法律第81号)に基づく環境影響評価**を必要とする大規模地熱発電案件に対する、初めての債務保証事業となります。


*生産井から得られた一次蒸気及び熱水を減圧することによって得られる二次蒸気により発電するシステム。国内では、八丁原発電所(大分県)、森発電所(北海道)で採用されている。

**地熱発電所建設においては、出力10,000キロワット以上の場合、環境影響評価を実施することが必要となっており、湯沢地熱株式会社は、以下のとおり当該評価を実施している。 平成23年11月 環境影響評価方法書届出 平成26年3月 環境影響評価準備書届出 平成26年9月 環境影響評価書届出、同評価に係る経済産業大臣確定通知受領 平成26年10月 環境影響評価書の公告・縦覧(環境影響評価終了)
..........
秋田県湯沢市に於ける地熱発電事業(山葵沢地熱発電所建設事業)の概要
1.事業概要
 本事業は、秋田県湯沢市に於いて、湯沢地熱株式会社(以下、「事業者」という。)が発電規模(設備容量)42,000キロワットの地熱発電事業を行うもの。

2.事業者概要
(1)事業者 湯沢地熱株式会社(取締役社長 中西 繁隆)
(2)株主 電源開発株式会社(出資比率:50%)、三菱マテリアル株式会社(同:30%)、三菱瓦斯化学株式会社(同:20%)
(3)会社設立日 平成22年4月12日
(4)会社所在地 秋田県湯沢市秋ノ宮字山岸99番地7
(5)建設予定地 秋田県湯沢市高松字高松沢・秋ノ宮字役内山国有林内
(山葵沢地域及び秋ノ宮地域)

3.発電事業概要
(1)発電規模・方式 設備容量42,000キロワット・ダブルフラッシュ方式
(発電端39,350キロワット、送電端36,050キロワット)
(2)建設期間 平成27年4月~平成31年5月
(3)運転開始 平成31年5月

4.債務保証の対象
(1)資金調達 株式会社みずほ銀行(主幹事)、株式会社三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、株式会社秋田銀行及び株式会社北都銀行から、長期借入26,259百万円を調達
(2)債務保証額 長期借入26,259百万円に対してJOGMECは80%の債務保証を実施

5.事業位置図
以下のとおり(秋田県湯沢市高松字高松沢・秋ノ宮字役内山国有林内)


300203985
-----image : 提供:湯沢地熱株式会社
.......... "

関連
20年ぶりの大規模地熱発電事業に対する債務保証案件を採択しました-----経済産業省、平成27年1月30日

"..........
2.採択事業の概要

湯沢地熱株式会社は、秋田県湯沢市で発電規模42,000キロワットのダブルフラッシュ方式の地熱発電所の建設を決定しました。建設資金の一部(26,259百万円)を株式会社みずほ銀行(主幹事)、株式会社三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、株式会社秋田銀行及び株式会社北都銀行から長期借入で調達し、JOGMECはこの借入の80%に対する債務を保証するものです。
.......... "

湯沢地熱株式会社 / プレスリリース / 資料

"プレスリリース
・「湯沢地熱株式会社 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画環境影響評価書」の縦覧終了について
・「湯沢地熱株式会社 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書」の届出・送付および縦覧・説明会について
 (添付資料)湯沢地熱株式会社 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書のあらまし

資料
・山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価書の閲覧は、平成26年10月31日をもって、終了しております。
 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価書のあらまし

・山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書の閲覧は、平成26年5月15日をもって、終了しております。
 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書のあらまし

・山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価方法書の閲覧は、平成23年12月21日をもって、終了しております。
 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価方法書のあらまし"

環境省、秋田県の42MW山葵沢地熱発電所の”環境アセス”に対する環境大臣意見を発表-----ソフトエネルギー、2014/07/29

電源開発、三菱マテリアル、三菱ガス化学の三社、秋田県湯沢市に「湯沢地熱株式会社」を設立。3社共同で地熱調査・事業化を推進-----ソフトエネルギー、2010/04/14


参考
・経済産業省 資源エネルギー庁 : ダブルフラッシュ
Psdf
-----image(”ダブルフラッシュ方式”) : 上記サイトより

Pssf
-----image(”シングルフラッシュ方式”) : 地熱発電の形式 シングルフラッシュより


参考
発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議 中間報告より 平成 24 年 11 月 27 日 より 風力・地熱関連情報-----自然エネルギー、2013/05/18

[ カテゴリー : 温泉、地熱、地中熱 ]

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栃木県、県央浄化センターに下水道由来の消化ガスによる315kW燃料電池発電施設を竣工

 これまで単純に焼却処分などされてきた下水処理後の下水汚泥。これをバイオマス燃料として活用する動きが広がっています。栃木県では、バイオマス燃料として燃焼させるのではなく、消化ガス、つまりバイオガスを利用した燃料電池による発電を積極的に進めてきました。
 今回、栃木県では、鬼怒川上流流域下水道 県央浄化センターの消化ガスによる315kW燃料電池発電施設が竣工し、1月23日に起電式が行われました。今後20年間、平成47年1月末まで発電、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用し、電力会社に売電されます。導入された燃料電池は105kWが3台で、下水汚泥より発生するバイオガスから水素を取り出し、空気中の酸素と電気化学的に反応させることで、発電します。反応の際に発生する90度前後の温水も汚泥消化槽の嫌気性発酵の加温に利用されているようです。発電だけでなく、熱も利用できることが魅力でもあります。建設費は、おおよそ4億円で、スマートジャパンの記事によると、「3台の燃料電池を使って700世帯分の電力を供給することができる。年間に約1億円の売電収入を得られる見込み」とのことなので、4年程度で元が取れることになる。県の発表によれば、年間のバイオガスの発生は、約130万立方メートル。これによる、燃料電池の年間計画発電量は、約250万kWh。この数字が、一般家庭の年間電力使用量約700世帯分に相当するとのこと。

 栃木県は、他の3か所の下水処理施設でも同様のバイオガス発電を計画、鬼怒川上流流域下水道鬼怒川上流浄化センター、巴波川流域下水道巴波川浄化センター、北那須流域下水道北那須浄化センターの発電電力の売電先の入札を行い、三か所とも丸紅が落札している。施設が完成次第、これらのバイオガス発電も開始される予定です。

 下水処理施設における燃料電池を使ったバイオガス発電が今後どのように評価されていくのか? いい評価が下ることに期待しています。


プレスリリース / 栃木県、2015年1月21日
鬼怒川上流流域下水道 県央浄化センター消化ガス発電開始について

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-----image : 「1月23日 県央浄化センターで消化ガス発電の起電式が行われました」より

" 県央浄化センターの処理工程で発生する消化ガス(メタン等:年間130万立方メートル)については、大部分が利用されずに燃焼処理されていました。この消化ガスを有効利用するため、平成24年度から消化ガス発電事業に着手し整備を進めてきました。

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用した下水処理場における新設の消化ガス発電としては、全国で初めて経済産業大臣の設備認定を取得したものです。

 今回、消化ガス発電設備が発電開始することにより、県央浄化センターの維持管理費の削減や下水処理における環境負荷の低減が図られます。

 なお、発電開始に先立ち、下記のとおり起電式を開催します。
..........
今後のスケジュール
発電開始 : 平成27年2月1日午前0時~(20年間)
事業終了 : 平成47年1月末
.......... "

関連
・栃木県 : 2013年4月1日 県央浄化センターにおけるバイオガス発電設備の経済産業大臣認定について

" 1概要
 鬼怒川上流流域下水道県央浄化センターにおけるバイオガス発電について、平成25年3月29日付けで「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく再生可能エネルギー発電設備の認定を受けましたのでお知らせします。

バイオマスガス(下水汚泥)を利用した発電機の新設としては、全国で初めての認定となるものです。

2バイオガス発電について
本事業は、鬼怒川上流流域下水道県央浄化センターの処理工程で発生するバイオガスを全量有効利用するため、バイオガス発電設備を導入するものです。

 発電した電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用し、電力事業者へ売電します。これにより、維持管理費の低減を図ります。

発電方式:燃料電池発電
発電能力:105kW/台×3台=315kW

3事業効果
 建設費:約4億円
 年間発生ガス量:約130万立方メートル
 年間計画発電量:約250万kWh (一般家庭の年間電力使用量約700世帯分に相当)

4今後のスケジュール
 平成25, 26年度:バイオガス発電設備建設工事
 平成26年度末:発電開始、電力事業者へ電力全量売却開始
..........
”..........
Tochigi_biogas_fuelcell
-----image : 同リリースより

4. 今後のスケジュール
 平成 25, 26 年度 バイオガス発電設備建設工事
 平成 26 年度末 発電開始、電力事業者へ電力全量売却開始

参考 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」
△再生可能エネルギー源 (太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、一定期間・一定価格で電気事業者が買い取ることを義務づけるもので、平成 24 年 7 月 1 日からスタート

△平成 24 年度バイオマスガス化(下水汚泥)の調達価格は 39.00 円 (税込 40.95 円)
買取期間は 20 年間
.......... ”-----関連資料 県央浄化センターにおけるバイオガス発電について(PDF)より
.......... "

/ 下水道管理事務所

"..........

1.件名及び数量
鬼怒川上流流域下水道鬼怒川上流浄化センター消化ガス発電における電力売却
予定発電電力売却量 1,473,000kWh

2.売却期間 平成 27 年 4 月 1 日午前 0 時から平成 28 年 3 月 31 日午後 12 時まで

3.落札決定日 平成 26 年 12 月 25 日

4.落札者の氏名及び住所
丸紅株式会社 国内電力プロジェクト部
.........
5.落札価格 43.40円(1kWh 単価) ※消費税及び地方消費税を除く。

6.契約方法 一般競争入札

7.入札公告日 平成 26 年 11 月 14 日

8.落札方法 最高価格


1.件名及び数量
巴波川流域下水道巴波川浄化センター消化ガス発電における電力売却
予定発電電力売却量 1,269,000kWh

2.売却期間 平成 27 年 4 月 1 日午前 0 時から平成 28 年 3 月 31 日午後 12 時まで
..........

1.件名及び数量
北那須流域下水道北那須浄化センター消化ガス発電における電力売却
予定発電電力売却量 1,348,000kWh

2.売却期間 平成 27 年 5 月 1 日午前 0 時から平成 28 年 3 月 31 日午後 12 時まで
.......... "-----1月9日 「消化ガス発電における電力売却に係る落札者等の公開について」(PDF)より

下水道資源の有効活用に貢献 県央浄化センター 消化ガス発電 起電式に参加~全国初の認定となる固定価格買取制度での下水処理場の消化ガス発電-----メタウォーター、2015.01.23
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-----image : 上記リリースより

下水処理場のバイオガスから水素を生成、燃料電池で700世帯分の電力-----スマートジャパン、2015年01月26日


追加情報



コメント続き

 写真から判断すると、利用されている燃料電池は富士電機製です。

・富士電機 : りん酸形燃料電池の仕様

".....りん酸形燃料電池は唯一実用化され、信頼性実績のある燃料電池
100kWの燃料電池....."


参考エントリー
岡山大学、畜産由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池を開発中-----ソフトエネルギー、2015/01/08

富士電機、山形市浄化センター向け、燃料電池による下水消化ガス発電で寒冷地冬季屋外運転実証に成功-----ソフトエネルギー、2011/05/25

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[ カテゴリー : 燃料電池 ]

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GSユアサ、リチウムイオン電池一体型の太陽光発電用4.5kWパワーコンディショナを販売開始

GSユアサは、リチウムイオン電池一体型の太陽光発電用パワーコンディショナ「パワーソーラーⅢ」を販売します。パワーソーラーⅢは、4.5kWのパワコンで、同社のLIM50シリーズリチウムイオン電池を含み、災害による大規模停電時にも安定した電力を供給することが可能な他、深夜電力や太陽光で発電した電力を蓄電池に充電しておくことで、曇天時など太陽光による発電電力が少なくなった時には、蓄電池から電力供給をサポートすることが可能です。 太陽電池、蓄電池、商用電力を組み合わせるにあたり、同社独自の特許技術により、蓄電池からの逆潮流を防止し、太陽光パネルからの逆潮流が可能となっています。
 LIM50シリーズは、小形、軽量なリチウムイオン電池です。蓄電池の容量は、3種類で、パワコン部を含んだ価格は、以下の通りです。

 4.2kWh ¥4,540,000
 8.4kWh ¥6,650,000
12.6kWh ¥8,870,000

 日頃から運用を工夫して利用でき、非常にも利用できる蓄電池付き太陽光発電システムが構築できます。
 4.5kWのパワコンの価格はがだいたい30万円なので上の価格のほとんどが蓄電池のコストとなります。一般的には、採用できないかもしれませんが、多彩なモードが選べるシステムのようなので、防災対応などの理由を加味すれば、採用する人も増えかもしれませんね。


プレスリリース / GSユアサ、2015/01/27
ニュースリリース 2015年 / リチウムイオン電池一体型 太陽光発電用パワーコンディショナ「パワーソーラーⅢ」を販売開始

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-----image(”上-パワーソーラーⅢとタッチパネルを採用したモニタ、下-産業用リチウムイオン電池 LIM50シリーズ 12セルモジュール
”) : 同リリースより-----
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" 株式会社 GSユアサ(略、本社:京都市南区。以下、GSユアサ)は、災害に強く環境負荷の小さい地域づくりや、エネルギーコスト削減に最適な、リチウムイオン電池一体型の太陽光発電用パワーコンディショナ「パワーソーラーⅢ」を発売いたしました。  2012年7月にスタートした、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を背景に、太陽光発電システムは住宅用、産業用ともに普及が進んでいますが、現在は防災拠点などにおける自立分散型エネルギー供給体制の構築や、電力需給のピークコントロールに対する社会的関心やニーズが高まっています。  今回発売した「パワーソーラーⅢ」は、出力容量4.5kWのパワーコンディショナにリチウムイオン電池LIM50シリーズを搭載しており、災害による大規模停電時にも安定した電力を供給することが可能です。また、深夜電力や太陽光で発電した電力を蓄電池に充電しておくことで、曇天時など太陽光による発電電力が少なくなった時には、蓄電池から電力供給をサポートすることも可能です。  GSユアサはこれからも、「パワーソーラーⅢ」をはじめ各種蓄電システムを普及させることにより、防災拠点機能の強化や再生可能エネルギーの有効活用など、多様なニーズに応えてまいります。

【特長】
1.パワーコンディショナ+リチウムイオン電池の一体構造
ご購入時にリチウムイオン電池の容量を4.2kWh、8.4kWh、12.6kWhの3種類から選択が可能。

2.屋外設置対応可
 防塵・防水に関する保護等級IP34注1)相当の自立キャビネットを使用しており、屋外への設置が可能。

3.蓄電池付システムに必要な逆流防止リレー不要
 当社独自の特許技術により、蓄電池からの逆潮流注2)を防止し、太陽光パネルからの逆潮流が可能。

4.モニタにタッチパネルを採用
 自立運転への手動/自動切換設定などの操作が容易。

5.選べる3つの運転モード
 防災用途に適した「停電対応運転モード」のほか、「夜間電力利用運転モード」「太陽電池電力充電運転モード」を搭載しており、タッチパネルを採用したモニタより設定が可能。

注1) 防塵・防水の保護等級を示す規格で、直径2.5mm以上の物体の侵入に対する保護と、あらゆる方向からの水の飛まつによっても有害な影響を及ぼさないレベルを示す。
注2) 太陽光発電をはじめとした各種分散電源から、商用電力系統に向かう有効電力の流れ。

Gsyuasa_powercon_sys

-----image : 同リリースより

【販売目標】
初年度100台

【メーカー希望小売価格】
リチウムイオン電池容量 価格
4.2kWh ¥4,540,000
8.4kWh ¥6,650,000
12.6kWh ¥8,870,000
.......... "

関連
・GSユアサ : 太陽光発電システム
 / パワーコンディショナ
 / パワーソーラーシステム

" 太陽光発電と夜間電力を組み合わせるパワーソーラーシステム

 パワーソーラーシステムは、通常の太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせることにより、自然エネルギーの利用と夜間電力を有効活用することで、環境に貢献できるシステムです。
 また、停電時や災害時は太陽光と蓄電池のエネルギーを使用して電気を使用することが可能になります。"


 / パワーソーラーシステム
" 電力会社と電気をやりとりする系統連系型太陽光発電システム

 最も一般的なシステム構成です。日中は無尽蔵の太陽光エネルギーを利用して発電します。太陽光がない夜間や、発電量が使用電力量を上回る余剰発電電力は電力会社に売電できます。"


- 小容量防災型太陽光発電システム
Gsyuasa_battery_pv
-----image : 上記サイトより
" 小容量防災型太陽光発電システムは蓄電池容量を火災予防条例の基準以下とすることにより設置が容易になります。小規模施設に適した4.5kWと9kWのシステム構成が可能となります。
また、停電時や災害時は太陽光と蓄電池のエネルギーを使用して電気を使用することが可能となります。
.......... "

- ピークカット(シフト)システム
Yuasa_peackcut_solar
-----image : 上記サイトより
" リチウムイオン蓄電池と組み合わせてピークカット(シフト)システム "

 / 産業用リチウムイオン蓄電池 - LIM50E
Main_lim50
-----image : 上記サイトより


参考エントリー
GSユアサ、2 - 4kWp太陽光発電システム、リチウムイオン蓄電池、そして電気自動車用充電システムなどをパッケージで販売へ-----ソフトエネルギー、2011/11/22

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三菱マテリアル、埼玉県で食品系廃棄物などのバイオガス化実証試験(1t/日)を計画

 三菱マテリアルは、埼玉県が管理する本庄市の下水処理施設・小山川水循環センターに、食品系廃棄物や下水汚泥などのバイオマスを原料としたメタン発酵によるバイオガス化実証試験施設を建設します。この事業は、環境省の補助事業「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(平成25年度)」の採択事業で、食品系廃棄物のバイオガス化システムの実証を行い、最適化と事業モデルの検討に供する情報の収集を行うものです。プラントの規模は、1トン/日で、10~30t/日の規模の稼働プラントの建設に目途を付けるための実証事業となります。2015年4月より実証事業は開始され、最大3年の期間実施(* 平成27年4月から平成28年9月まで)されます。そしてその後に、2018年度を目標とした事業化も検討されます。

 このプラントは、湿式中温メタン発酵方式プラントで、具体的には食品系廃棄物のバイオガス化システムの確立がテーマとなります。廃棄物の収集からメタン発酵、バイオガスの利用、及び発酵液、残渣の処理/利用までのシステム全体について、最適化の検討と実証試験が行われます。特に、排水、残渣類の処理について、排水処理における自治体のインフラ(下水処理場)の活用、及び残渣(廃プラ、汚泥等)処理におけるセメント工場の活用によるシステム最適化と必要な利用技術開発の実証が行れる予定です。
今回のリリースでは、ボイラーや発電部分のシステムの詳細は明らかにされていません。興味のある分野なので、引き続き情報を集めます。


プレスリリース / 三菱マテリアル、2015年1月26日
食品系廃棄物などのバイオガス化実証試験実施について

150126
-----image(”事業モデル”) : 同リリースより

" 三菱マテリアル株式会社(略、資本金:1,194億円)の資源・リサイクル事業本部は、食品系廃棄物や下水汚泥などのバイオマスを原料としたメタン発酵によるバイオガス化実証試験について、埼玉県が管理する下水処理施設内で、このたび実施することとしましたので、お知らせいたします。
 日本国内における廃棄物の最終処分場は、その残余年数が現時点で約15年程度といわれるなか、新設が難しいことから、最終処分量削減による延命対策が課題となっています。
 食品系廃棄物は日本国内で年間約1700万トン発生しており、現在その約2割が飼料や肥料としてリサイクルされているものの、大半が焼却処分されています。また、下水汚泥は年間約220万トン(乾量ベース)発生しており、そのうち約8割がセメント原材料などの建設資材としてリサイクルされています。これらバイオマスについて、今後さらに資源化を促進するには、エネルギー利用の拡大が重要とされています。
 バイオマスをメタン発酵させるバイオガス化は、得られたバイオガスを電気、熱などのエネルギーとして有効利用できる画期的なリサイクル技術であり、地球温暖化防止、エネルギーの地産地消、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)対象などの観点から、近年注目されています。
 当社は2013年6月に、環境省による「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の補助事業の採択を受けました。本補助事業では、バイオマス原料を対象としたバイオガス化システムの構築と、発電などのエネルギー利用まで含めた事業モデルの検討を行います。当社は、バイオガス化の事業化に必要な技術面・制度面に関する課題の解決策を検証するため、このたび埼玉県とフィールド提供型の共同研究協定を締結の上、2015年3月に実証プラント(1トン/日)を設置、2015年4月より実証試験を実施する予定です。
 本実証試験では、バイオマス原料について、自治体が所有する下水処理施設をはじめとしたインフラの活用、排出事業者や収集運搬業者間の連携に関する仕組構築、残渣(ざんさ)のセメント工場における利用技術確立などを目指します。本実証試験での環境面、経済性の評価と事業モデルの検討は、自治体および排出事業者、収集運搬業者の協力を得ながら、株式会社早稲田環境研究所と連携して実施します。また、産学官共同でバイオガス化システム研究会を設置し、各課題について協議、検討を進めます。
 当社は、このたびの産学官が連携した取り組みを通じ、全国普及が可能なバイオガス化事業モデルを構築するとともに、2018年度を目標とした事業化検討を進めてまいります。

【環境省補助事業の概要】
 環境省補助事業CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業採択事業名食品系廃棄物の中規模バイオガス化システムの実用化技術開発
 (平成25年度~27年度)技術開発者三菱マテリアル株式会社実施内容食品系廃棄物のバイオガス化システム実証試験(1t/日)
 バイオガス化システム最適化、事業モデル検討(10~30t/日の規模)

【実証試験の概要】
 プラント設置場所小山川水循環センター(所在地:埼玉県本庄市)プラントの方式湿式中温メタン発酵方式プラントの規模1トン/日試験実施者三菱マテリアル株式会社今後の予定2014年度内に実証プラントを設置、2015年度に試験を実施
.......... "

関連
平成25年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の公募について-----環境省、平成25年2月
 - 平成25年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の採択案件について(お知らせ)-----平成25年7月26日

"..........平成25年度に応募のあった課題のうち、14件を選定し、採択..........
1.事業の概要

 CO2排出削減技術の開発・実証は、CO2排出削減量の拡大及び削減コストの低減を促し、将来にわたる大きなCO2排出削減を実現するために必要な取組です。一方、民間に委ねるだけでは大幅なCO2排出削減に必要な技術の開発が必ずしも進まないことから、本事業により、将来的な地球温暖化対策の強化につながるCO2排出削減効果の優れた技術の開発・実証を主導し、CO2排出量の大幅な削減を目指します。
..........
食品系廃棄物の中規模バイオガス化システムの実用化技術開発
三菱マテリアル(株)

 食品系廃棄物のバイオガス化システムについて、収集からメタン発酵、バイオガスの利用、及び発酵液、残渣の処理/利用までのシステム全体について、最適化の検討と実証試験を行う。その結果を基に、経済性、CO2削減の観点から汎用性をもった中規模(10?30t/日)のバイオガスシステム構築と、事業モデル(パターン)を構築する。特に、排水、残渣類の処理について、排水処理における自治体のインフラ(下水処理場)の活用、及び残渣(廃プラ、汚泥等)処理におけるセメント工場の活用によるシステム最適化と必要な利用技術開発と実証を行う。
.......... "

平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の公募について-----環境省、平成26年1月
 - 平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の採択案件について(お知らせ)-----平成26年5月1日

平成27年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の公募について-----環境省、平成27年1月13日


参考
[ カテゴリー : バイオガス/メタン ]

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経済産業省、農地用用排水路に設置する水力発電設備に係る規制を緩和。水量1m3/s以上も”3点不要”

 経済産業省は、産業競争力強化法に基づく「企業実証特例制度」の申請を契機として、農地用用排水路に設置する水力発電設備において、導入規模の拡大とより自由な導入につながる規制緩和を実施すると発表しました。
 これまでの、電事法施行規則においては、小水力発電に関して、一般用電気工作物としての範囲を規定しています。小水力発電設備については、「出力20kW未満かつ最大使用水量1立方m/s未満のもの(ダム・堰を有さない。600V以下の電圧)」が一般用電気工作物となっていて、1.保安規程、2.主任技術者(電気、ダム水路)、3.工事計画届出の1~3のいずれも不要となっていいます。それを今回、土地改良事業施行者以外が土地改良事業に係る農業用用排水施設に設置する場合などに関して、最大使用水量が1立方m以上の場合であっても、一般用電気工作物として扱うことが適当であること等が確認されたため、規制の緩和措置がとられ、これら1~3の3点が不要となることになります。

 これにより、農地用用排水路などで、小水力発電設備の更なる有効活用、再生可能エネルギー利用の促進が期待されます。


プレスリリース / 経済産業省、平成27年1月20日
農地用用排水路に設置する水力発電設備に係る規制を緩和します~産業競争力強化法の「企業実証特例制度」の活用!~

" 本件の概要
 産業競争力強化法に基づく「企業実証特例制度」の申請を契機として、農地用用排水路に設置する水力発電設備において、一般用電気工作物としての最大使用水量(1m3/s未満)を緩和する規制改正に向けた手続が行われることになりました。
 農地用用排水路を用いた水力発電事業が活発化し、再生可能エネルギー利用の促進が進むことを期待します。

1.今回の措置の内容
 現行の電事法施行規則(平成7年通商産業省令第77号)においては、一般用電気工作物の範囲を規定しており、水力発電設備については、「出力20kW 未満及び 最大使用水量1m3/s未満のもの(ダムを伴うものを除く。)」とされています。

<電気工作物の保安規則について>
http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/setsubi_hoan.html

 今般、申請事業者から、土地改良区が管理する水路に小水力発電設備を設置す る場合に、電事法施行規則において規定されている最大使用水量(1m3/s 未満)を緩和する特例措置の要望がなされました。
 これを踏まえ、昨年12月22日に開催された第8回産業構造審議会保安分科会電力安全小委員会( URL:http://www.meti.go.jp/committee/gizi_1/27.html

1.平成24年経済産業省告示第100号第1条第4号に掲げている、他法令で土木的観点の管理がなされている水力発電設備(ダムを有さないものに限る。)であること(土地改良事業施行者以外が土地改良事業に係る農業用用排水施設に設置する場合も含む)

2.出力20kW 未満の水力発電設備であること

 の2つの要件を満たす水力発電設備については、最大使用水量が1m3/s以上の場合であっても、一般用電気工作物として扱うことが適当であること等が確認されたため、規制の緩和措置を行うこととなりました。
 今後は、電気事業法施行規則第48条第4項第3号の改正手続き等を行い、本年4月を目途に公布する予定です。
 この規制緩和措置により、全国的にも小水力発電設備の更なる有効活用、再生可能エネルギー利用の促進が期待されます。

(参考)
「企業実証特例制度」の概要
 産業競争力強化法に基づく「企業実証特例制度」は、企業単位で規制の特例措置を要望する制度です。
 民間企業が新事業活動を行うのに必要な規制の特例措置を政府に要望し、政府において、事業・規制所管両大臣による検討・協議を経て、特例措置の可否を判断するものです(本件の場合、これらの大臣はともに経済産業大臣です)。
 なお、今回は、本制度の申請を契機 として、特例措置ではなく、規制の緩和措置が講じられることが示されました。
<制度概要について>
 http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/
.......... "

関連
・経済産業省 : 電気工作物の保安
 : 電力安全小委員会 産業構造審議会保安分科会電力安全小委員会 - 平成26年12月22日 産業構造審議会 保安分科会 電力安全小委員会(第8回)‐配布資料

参考
小水力発電推進セミナー ~小水力発電の新たな展開に向けて~配布資料掲載しました!-----中国経済産業局、平成24年9月4日

"..........
配布資料(PDF形式)PDFファイル
資料1 再生可能エネルギー固定価格買取制度の概要について(1,565KB)
中国経済産業局 資源エネルギー環境部  エネルギー企画参事官室

資料2 再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る既設の取扱いについて(2,075KB)
資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課 

資料3 小水力発電導入に係る農林水産省補助事業について(3,219KB)
中国四国農政局 整備部 水利整備課 )

資料4 小水力発電の水利使用許可手続の簡素化・円滑化について(2,300KB)
中国地方整備局 河川部 水政課 

資料5 水力発電における保安規制について(2,400KB)
中国四国産業保安監督部 電力安全課 
.........."


Meti_hydro_hoankitei_2014
-----image : 上記サイトより「水力発電における保安規制について 平成24年8月原子力安全・保安院 中国四国産業保安監督部電力安全課 発行」p.10より

情報追加



コメント続き
 さらに経済産業省は、今後の拡大が期待される中小規模の水力発電(出力が3万kW未満)の導入を後押しするため、発電設備の保安管理面で規制を緩和する方針を固めました。発電設備の安全な運用に責任を持つ主任技術者の業務を外部委託できるようにするなど事業者の負担を減らし、新規参入しやすい環境を整えるとのことです。

参考
水力発電:中小規模の拡大図り 保安管理の規制緩和方針-----毎日新聞、2015年01月13日

"..........出力が3万キロワットに満たない規模のものを指す。これまでは、発電事業者が自社で雇った「ダム水路主任技術者」を選任するなどして発電設備の保守・管理に当たることが義務づけられていた。しかし、主任技術者の資格保有者の数が限られていることもあって、中小の事業者が増えるとともに「自ら技術者を見つけ出すのは困難」との声が高まっていた。

 経産省は早ければ5月にも省令を改正し、一定の条件を満たした中小水力発電については、保安・管理を専門に行う企業などに主任技術者の業務を委託できるようにするほか、1人の主任技術者が複数の発電所をまとめて管理できるよう制度を整える。外部委託によって、コストを軽減する効果も期待できそうだ。
.........."

参考
・Twilog @greenpost :#renewjapan #renewhydro(日本の水力発電に関する情報)

・Twilog @greenpost :2015年01月22日(木)

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接続保留問題を越えて。九州電力など5社受付再開にむけて

 昨年の9月末に突然のように発生した、再生可能エネルギーの接続保留問題は、九州電力からはじまり、北海道、東北、四国電力、(以前から対応の沖縄電力)と広がり、商用電源と再生可能エネルギーの導入に関する経済産業省の諮問委員会(新エネルギー小委員会系統ワーキンググループ)などでの議論により、昨年の12月に経済産業省は、「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」をまとめました。

 この間の経過を改めて眺めてみると、

・日本の電力網は、再生可能エネルギーの導入に対して、比較として大量導入に制度と具体的な機器の運用・整備において対応していない
・問題となった太陽光発電の本質的な影響は、実は軽微ながら、電力網の既存のシステムでは対応できない
・固定価格買い取り制度の内容および運用の見直しが必要

 ということがわかります。

経済産業省、10月30日に第二回系統ワーキンググループを開催。接続可能量の算定方法などを議論-----ソフトエネルギー、2014/10/28

経産省の有識者会議「新エネルギー小委員会 第6回(11/5)」が開催された。いろいろ不満-----ソフトエネルギー、2014/11/05

 そして、出力制御の新ルールがより細かい内容に変わるなどの対応策がとられる見込みとなり、接続保留問題は、今月の末までには、経済産業省の対応を待って一応の解決をみることになりそうです。

プレスリリース / 九州電力、平成26年12月22日
九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答再開について

プレスリリース / 九州電力、平成27年1月16日
九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答再開に関する事業者さま向けの説明会の開催時期について

" 当社が、平成26年12月22日に公表した「九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答再開について」におきまして、事業者さま向けの説明会を、省令改正後速やかに実施するようにご案内しておりました。

 説明会の開催は、改正省令が公布され次第、当社ホームページ上でお知らせし、その1週間後を目途に実施予定です。なお、この間に、当社ホームページからの事前受付を行ないますので、予めお知らせいたします。

 恐れ入りますが、改正省令の公布まで、今しばらくお待ちいただきますようお願いします。

 また、現在お問合せを多くいただいております平成26年度調達価格の適用について、「よくあるご質問」に掲載しておりますので、あわせてご覧ください。

「これまで回答保留とされていた接続検討(事前検討)申込み中の案件について、平成26年度単価の適用を受けるにはどうすればよいか。」
「回答保留中の10kW以上の申込みを10kW未満の余剰買取に変更する場合、平成26年度単価の適用を受けるにはいつまでに申請すればよいか。」
......... "

関連
「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」をとりまとめました-----経済産業省、平成26年12月18日

"..........
2.とりまとめの内容

○ 新たな出力制御システムの下での再生可能エネルギーの最大限導入
(1) 出力制御の対象の見直し
(2) 「30日ルール」の時間制への移行
(3) 遠隔出力制御システムの導入義務づけ
(4) 指定電気事業者制度の活用による接続拡大
○ バランスのとれた再生可能エネルギー導入に向けた対応
○ 接続保留問題を受けた電力会社ごとの対応
○ 福島に対する特別な対応
○ 今後の導入拡大策
○ 固定価格買取制度の運用見直し
(1) 太陽光発電に適用される調達価格の適正化
(2) 接続枠を確保したまま事業を開始しない「空押さえ」の防止
(3) 立地の円滑化(地域トラブルの防止)
.......... "

・Twilog @greenpost : #接続保留問題

・Twilog @greenpost :#系統WG

追加情報



コメント続き

 さて、今回の”接続保留問題”から我が国の送電線と再生可能エネルギーへの評価の向上のためには、まだまだ時間と努力が必要だということがわかりました。狭い国土を9電力で分割し、かつ地域での独占状態を構築してきた体制が今後の電力再編の動きを経て、今後どうなるのか? ということが最大関心事となりました。また、固定価格買い取り制度の問題点と運用上の問題も多少明らかになり、是正される方向で動くことにも期待しています。
 今年の夏に決めるとされる、エネルギーミックスの個々の割合についての議論も重要です。これらのエネルギー政策の結果として、再生可能エネルギーがより高く活用できることが、少子高齢化、地方の過疎や都市への人口集中問題、エネルギーの自給、そして、災害(気候変動、地殻変動)への対応において、大きな可能性をもつと考えています。
 ただ、無条件に評価できるエネルギーというものは存在していないので、社会の在り方と、この国の向かう方向という大きな議論の中で、評価できるエネルギー体制の確立こそが必要と思います。


参考エントリー
・Twilog @greenpost : 2015年01月21日(水)のクリッピング情報

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クラボウ、徳島県阿南市で6.2MWの木質バイオマス発電施設の建設を開始

 繊維事業などをてがけるクラボウは、徳島県阿南市の徳島工場内に、自社開発技術による流動層ボイラと蒸気タービンによるおおよそ6.2MWの規模の木質バイオマス発電所の建設を開始しました。燃料の間伐材等の木質チップは、阿南市の材木業者より調達し、発電電力は、再生可能エネルギー固定価格買取制度を利用して電力会社に売電する予定です。
 投資額は約30億円。今後の予定は、15日の地鎮祭の後、基礎土木工事を着工し、プラント建設工事を経て、平成28年4月の営業運転開始を目指すとのことです。
 

プレスリリース / クラボウ、2015年01月14日
徳島バイオマス発電所の建設工事着工について

" クラボウ(資本金 220億円、本社 大阪市中央区、略)は、徳島県阿南市の徳島工場(注1)敷地内建設予定地において、木質バイオマス発電所の建設工事に着手いたします。
 本発電所は、エンジニアリング部の保有技術である「流動層ボイラ(注2)」と蒸気タービンを組み合わせた間伐材等を燃料とする徳島県初の木質バイオマス発電所で、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し、発電・売電事業を行うものです。間伐材等の木質チップは、株式会社徳信(注3)から供給を受け、最大約6,200kWの発電を行い、発電所内で使用する電力を差し引いた年間約4,000万kWhの売電を行うもので、これは、一般家庭約11,000世帯分の年間使用電力量に相当します。
 建設工事は、15日の地鎮祭の後、基礎土木工事を着工し、4月からは、プラント機械設備工事を開始して、平成28年4月の営業運転開始を目指します。引き続き、徳島県、阿南市等関係各所のご指導をいただき、また、近隣各所のご理解を得ながら進めてまいります。

1.今後のスケジュール
 平成27年 1月 15日 :地鎮祭
 1月 16日 :基礎土木工事着工
 4月~ :プラント機械設備工事着工(予定)
 平成28年 1月~ :試運転・調整(予定)
 4月~ :売電開始(予定) 
..........
(注1)徳島工場 徳島工場は、繊維事業部の染色・加工における生産・開発の中核工場として平成8年に竣工した工場です。
所在地:徳島県阿南市
竣 工:平成8年
敷 地:約106,000㎡

(注2)流動層ボイラ
流動層ボイラは、自社開発の流動層焼却装置とボイラを一体構造としたもので、蒸気タービンと組み合わせることにより、効率的な発電を行うことができます。

(注3)株式会社徳信  
所 在 地:徳島県阿南市
資 本 金:1,000万円
代 表 者:森 泰章
事業内容:原木売買、木材市売業、燃料用チップの販売、
山林土地の売買及び造林保有 (社有林 約2,000ha)

(参考)「木質バイオマス発電事業」に関する過去のニュースリリース
 平成26年7月31日:木質バイオマス発電事業への進出について
.......... "

関連
木質バイオマス発電事業への進出について-----クラボウ、2014年07月31日

"..........エンジニアリング部が長年培った流動層焼却技術を発展させた「流動層ボイラ」(注1)と蒸気タービンを組み合わせた間伐材等を燃料とするバイオマス発電所を当社徳島工場(注2)敷地内に建設し、発電・売電事業を行います。
..........
1.クラボウ徳島バイオマス発電所(仮称)の概要
(1)事業者:クラボウ エンジニアリング部
(2)事業場所:クラボウ徳島工場敷地内 遊休地(約8,500㎡)
(3)発電規模:6,200kW
(4)年間発電量:4,000万kWh/年(一般家庭 約11,000世帯分の年間使用電力量に相当)
(5)燃料種別:木質チップ(間伐材等)
(6)燃料供給者:株式会社徳信(注3)
(7)投資額:約30億円
(8)着工予定:平成26年12月
(9)営業運転開始予定:平成28年4月
.......... "


参考
・徳島県 : 「自然エネルギー立県とくしま推進戦略」の改訂について-----徳島県、2014年4月4日

" 徳島県では、地域に豊富に存在する自然エネルギー資源を最大限に活用し、「エネルギーの地産地消」や「災害に強いまちづくり」に向け、県民、事業者、行政等が一体となって取り組んでいく「自然エネルギー立県とくしま推進戦略」を平成24年3月に策定しました。
 このたび、進捗状況などの把握や評価を実施し、内容の見直しを行いましたので、次のとおり公表します。

○ 戦略の目標
環境の世紀をリードする 「自然エネルギー立県とくしま」の実現

○ 戦略の期間
 「平成24年度から平成26年度まで」の3年間

○ 戦略プロジェクト
 地域に豊富に存在する自然エネルギー資源を最大限活用して、「メガソーラーなどの誘致」、「家庭や事業所への普及・促進」、「自然エネルギーを活かした地域活性化」、「災害に強いまちづくり」の4つの戦略プロジェクトに盛り込んだ各種施策を積極的に展開し、「自然エネルギー立県とくしま」の実現を目指します。

詳しくは、下記の添付ファイルをご覧ください。 

自然エネルギー立県とくしま推進戦略.pdf(3MB)
.......... "

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東京ガス、田町駅東口で太陽熱集熱器や太陽光発電パネル、地下トンネル水を活用したエネルギー利用計画を推進

 東京ガスは、田町駅東口北地区Ⅰ街区で進められている開発プロジェクトにおいて、港区の公共公益施設、愛育病院、児童福祉施設の3施設に、熱と電気を効率的に供給する「スマートエネルギーネットワーク」を構築し、昨年11月1日から熱と電気の供給を開始しました。都市再開発エリアで「スマートエネルギーネットワーク」を構築するのは、日本で初めてとなるということです。
 具体的には、太陽熱集熱器や太陽光発電パネル、地下トンネル水などを利用、さらに万が一の災害時にも該当地域の重要な業務運営を担保するために、停電対応タイプのコージェネレーションシステムを導入、電力がストップした場合にも電気と熱の供給を継続できるシステムとなっています(BCP対応 : Business Continuity Plan)。
 情報通信技術(ICT)を活用し、エリア全体の需要情報を収集し各建物のエネルギー需給を最適に制御するシステム「スマートエネルギーネットワーク・エネルギーマネジメントシステム SENEMS」を導入することで、リアルタイムでの空調制御やエネルギーの見える化しています。
 太陽熱集熱器により地域に熱を供給する事業は、夏は冷房、冬は暖房に活用。この大規模な太陽熱集熱パネルは、歩行者デッキの屋根面に設置する事で、来訪者が見ることができ、エネルギーの「見える化」が図られています。
 地中熱の利用としては、年間を通して温度変化の少ない地下トンネル水の温度特性を活かし、夏は冷房、冬は暖房に活用します。
 地域内に設置された太陽光発電システムの発電電力が天候等による変動は、ガスエンジンコージェネレーションシステムで補完され、商用電力系統への影響を最小限に留めることができます。

 地域の拠点に対して熱と電力を系統とは共存しながらも、依存を減らすことでマイクログリッドのより統合されたモデルとなる可能性を感じさせるプランです。
 将来的には、隣接地域にも第二スマートエネルギーセンターを設置し、先行する本センターと連携することで、田町駅東口北地区全体で、約45%のCO2削減を目指すとしています。


プレスリリース / 東京ガス、平成26年11月4日
田町駅東口北地区 Ⅰ街区において、スマートエネルギーネットワークを構築し熱と電気の供給を開始

2014110401_01
-----image(”上-本センター外観 、下左-太陽熱集熱パネル、下右-地下トンネル水配管”) : 同リリースより-----
2014110401_022014110401_03

" 日本初 都市再開発エリアにおけるスマートエネルギーネットワークの構築

 東京ガス株式会社(略、以下「東京ガス」)と東京ガスの100%出資子会社である株式会社エネルギーアドバンス(略、以下「エネルギーアドバンス」)は、このたび、環境性に優れ、防災に強いまちづくりに貢献するため、田町駅東口北地区のⅠ街区(東側エリア)に設置した第一スマートエネルギーセンター※1(以下、「本センター」)を中心に、港区の公共公益施設、愛育病院、児童福祉施設の3施設に、熱と電気を効率的に供給する「スマートエネルギーネットワーク」※2を構築し、11月1日から熱と電気の供給を開始しました。都市再開発エリアで「スマートエネルギーネットワーク」を構築するのは、日本で初めてとなります。
 今回構築した「スマートエネルギーネットワーク」では、太陽熱集熱器や太陽光発電パネル、地下トンネル水などの再生可能エネルギー、未利用エネルギーを積極的に活用することで、省エネ、省CO2を実現します。また、BCP対応として、停電対応タイプのコージェネレーションシステムを活用し、系統電力がストップした場合にも電気と熱の供給を継続します。さらに、情報通信技術(ICT)を活用し、エリア全体の需要情報を収集し各建物のエネルギー需給を最適に制御するシステム「SENEMS」※3を導入することで、リアルタイムでの空調制御やエネルギーの見える化を可能にします。
 これらにより、1990年基準と比べてCO2排出量を約45%削減※4することを目指すとともに、防災に強いまちづくりに貢献します。
 将来的には、田町駅東口北地区のⅡ街区(西側エリア)の開発に合わせて、Ⅱ街区に第二スマートエネルギーセンターを設置し、先行する本センターと連携することを予定しており、田町駅東口北地区全体で、約45%のCO2削減を目指します。
 なお、本スマートエネルギーネットワークの運営は、エネルギーアドバンスが実施します。

 東京ガスとエネルギーアドバンスは「チャレンジ2020ビジョン」で掲げた、地域全体でエネルギーを賢く使う「地域のスマート化」を本地区で具現化し、他の地域への展開を積極的に行ってまいります。

今回構築するスマートエネルギーネットワークの特長
 (1)再生可能・未利用エネルギーの積極的な活用
 地域に熱を供給する事業として初めて、太陽熱を夏は冷房、冬は暖房に活用します。大規模な太陽熱集熱パネルを歩行者デッキの屋根面に設置する事で、来訪者への「見える化」も行います。
 地域内に設置された太陽光発電システムの発電電力が天候等で変動するのをガスエンジンコージェネレーションシステムで補完し、商用電力系統への影響を最小限に留めます。
 年間を通して温度変化の少ない地下トンネル水の温度特性を活用し、夏は冷房、冬は暖房に活用します。
..........
(2)コージェネレーションシステムの活用等によるエネルギーセキュリティ向上
 停電対応タイプのガスエンジンコージェネレーション、業務用燃料電池等を活用することで、停電等の非常時にも中圧ガス供給が継続する限り、熱・電気の供給を部分的に継続し、防災拠点となる公共公益施設や病院におけるエネルギーセキュリティの向上を図ります。
 非常時には、熱は愛育病院に供給し、病院の最大熱需要が継続しても、72時間は確実に供給することができます。電気は、公共公益施設で非常時に必要となる空調・照明用電力に対して供給することができます。
将来的には、田町駅東口北地区のⅡ街区に設置予定の第二スマートエネルギーセンターと、本センターを連携することで、相互補完機能の強化を図ります。

(3)情報通信技術(ICT)を活用した建物利用者と本センターとの連携、最適制御
 建物の需要情報や本センターの供給情報、気象状況といった膨大な外部情報等を瞬時に収集・分析し、人には難しい最適なコントロールをリアルタイムで実施することで、地域全体のエネルギー需給を一括管理・制御するシステム「SENEMS」を活用します。地域全体の省エネ・省CO2を実現するため、本センターから需要側の建物の空調設備の設定温度を変更したり、供給側の設備の供給温度・圧力や運転状態を変更したりする等、常時最適な需給調整を実施します。

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 田町駅東口北地区におけるスマートエネルギーネットワークのイメージ
2014110401_04
※1:公共公益施設内に設置。 ※2:ガスコージェネレーションと再生可能エネルギーや未利用エネルギーを組み合わせ、これを情報通信技術(ICT)により最適に制御し、効率よく熱や電気を供給することで、省エネルギーとCO2削減を実現するシステム。 ※3:スマートエネルギーネットワーク・エネルギーマネジメントシステム。 ※4:1990年当時に同様の施設整備を行い、エネルギー供給は集中プラント方式を採用し、再生可能エネルギー等は利用しない場合のCO2排出量との比較。CO2排出係数はコージェネレーションにより削減される系統電力の係数として0.69kg-CO2/kWhを使用。 ........... "

関連
・東京ガス : 事例から探す 4.田町駅東口北地区
Case_case04_img02
-----image : 上記サイトより

・エネルギーアドバンス : スマートエネルギーネットワーク
 - 事例:田町駅東口北地区
Senams
-----image : 上記サイトより

"..........
田町駅東口北地区では、港区の「田町駅東口北地区街づくりビジョン」(平成19年10月)に基づき、エネルギーの面的利用や未利用エネルギー等の活用を行ったスマートエネルギーネットワークを構築し、 1990年比で45%のCO2削減を目指し、官民が連携し環境性・防災性に優れた複合市街地を形成します。
第一段階として、平成26年度から港区の公共公益施設などに順次エネルギー供給を開始する予定です。 なお、本プロジェクトは取組の先進性が評価され、国土交通省の「住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されました。

建物とスマートエネルギーセンターの連携
.......... "

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東京ガス、停電時でも自立起動して発電可能な「エネファーム」を品川のマンションへ

 東京ガスは、住友不動産が東京都品川区にて建設中の分譲マンション[品川ベイサイド大規模プロジェクト(仮称)]の一部51戸に停電時発電機能付き家庭用燃料電池 エネファームが採用されたと発表しました。
 東京ガスとパナソニックが共同開発、昨年8月に発表された、家庭用燃料電池 エネファーム向け停電時発電機能オプションユニットは、停電時に自立起動して発電可能なシステムです。この停電時発電機能オプション付きのエネファームがが同時にマンションに採用されるのは、日本で初めてとのことです。
 停電時には、停電時発電機能オプション機能により、都市ガスにより燃料電池が自立起動して発電し、停電時使用可能コンセントを通じて電力を供給することができます。

 余談ですが、プロパンガス対応のシステムで、停電時発電機能オプションが利用できるならば、田舎でも防災対応の燃料電池システムを利用できますね。詳細を知りたいので、後日調べることにします。


プレスリリース / 東京ガス、平成27年1月8日
住友不動産の分譲マンション「(仮称)品川ベイサイド大規模プロジェクト」における停電時でも自立起動※1して発電可能な「エネファーム」※2の採用について

2015010801_01
-----image(”停電時の電力の流れ”) : 同リリースより

" 日本初 マンションにおいて停電時でも自立起動して発電可能な「エネファーム」を採用

 東京ガス株式会社(略、以下「東京ガス」)が販売するマンション向け家庭用燃料電池「エネファーム」(以下「エネファーム」)と「停電時発電機能」オプション品が、住友不動産株式会社(略、以下「住友不動産」)が東京都品川区のベイエリア「天王洲」にて建設中の「(仮称)品川ベイサイド大規模プロジェクト」(地上14階建、総戸数254戸、以下「本プロジェクト」)において、採用されます。マンションに「エネファーム」と「停電時発電機能」オプション品が同時に採用されるのは、日本で初めてとなります。

 「エネファーム」は省エネ・省CO2といった地球環境への配慮に加え、防災の観点からも社会的ニーズの高まっている分散型エネルギーシステムです。「エネファーム」の「停電時発電機能」オプション品を導入することで、停電時に「エネファーム」が発電停止中でも、自立起動して発電し、停電時使用可能コンセント※3を通じて電力を家庭内に供給することができます。

 住友不動産は、これまでも防災や省エネをコンセプトとした商品企画に注力してまいりましたが、東日本大震災以降のお客さまの防災や省エネに対する意識の高まりを受け、「エネファーム」と「停電時発電機能」オプション品を南北両端に位置する住戸(51戸)※4に採用することになりました。
 さらに、本プロジェクトでは、停電時の電力供給システムとしてマンション内に非常用発電機※5を設置し、エレベーター、共用部の給水ポンプ、照明などに電力を供給することで、災害時の安心・安全を一層高めています。
..........

※1:停電時に「エネファーム」が発電停止中でも「エネファーム」が自立起動すること。
※2:マンション向け家庭用燃料電池「エネファーム」と「停電時発電機能」オプション品。
※3:通常時も電力を使用でき、停電時には「エネファーム」で発電した電力や蓄電池からの電力を使用可能なコンセント。
※4:51戸には停電時でも自立起動して発電可能な「エネファーム」が設置されます。それ以外の住戸に設置は出来ません。
※5:重油を燃料とする非常用の発電機。
.......... "

関連
家庭用燃料電池「エネファーム」向け停電時に自立起動して発電可能な「停電時発電機能」オプション品の開発について-----東京ガス、パナソニック、平成26年8月7日


おすすめエントリー
広がる水道関連施設への小水力発電の導入。山形県で新たに運開!-----しなやかな技術研究会、2015/01/14

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山形県、35kW天童量水所小水力発電所を運開。田中水力のリンクレス・フランシス水車を利用

 山形県企業局は、天童市で35kWの天童量水所小水力発電所を平成27年1月1日から営業運転を開始しました。量水所とは、配水池に供給する水道用水の量を測る施設のことです。天童量水所小水力発電所は、村山広域水道西川浄水場と、天童市への供給地点である天童量水所の落差(最大22m)を利用し、最大0.226 m3/sの水量を生かした、最大出力34kWの小水力発電所です。
 水車は、田中水力のインライン リンクレス フランシス水車です。この水車は、上下水道や工場内の用水、放流水などの未利用な水資源を生かし、大規模な工事なしに、インラインで設置できるように2007年に開発された小型水車です。メンテナンスも楽ということで、今後の導入も増えそうです。導入レンジは、落差が10-80m、流量が0.15-1.0 m3/sで、出力はおおよそ最大で500kW程度です。

 山形県企業局は、昨年11月に、199kWの鶴岡量水所小水力発電所の運用を開始していますので、今回で2例目となります。気になる導入コストは、199kWの鶴岡量水所小水力発電所の概算事業費が約3億円、35kWの天童量水所小水力発電所の概算事業費が約1.5億円となっています。
 発電電力は、固定価格買取制度により全量売電します。天童量水所小水力発電所の場合で、年間850万円程度の収入を見込んでおり、固定価格買取期間の20年間で投資額を回収する見込みとのことです。(34円/kWh : 税抜き)

 上下水での小水力という事例も増えるなかで、インラインで簡単に設置できるということで、この田中水力のインライン リンクレス フランシス水車も注目を集めそうですね。


プレスリリース / 山形県、2014年12月26日
天童量水所小水力発電所の完成及び営業運転開始

" 企業局が水道施設に導入する発電所として天童市で建設を進めてきた天童量水所小水力発電所が完成し、平成27年1月1日から営業運転を開始することになりましたのでお知らせします。

 なお、現地での運転開始式等は行わない予定です。

【概 要】
企業局村山広域水道の天童量水所において、西川浄水場から天童市八幡山配水池までの送水管の落差を活用して発電を行うものです。
(1)最大出力 35キロワット
(2)落差、水 量 有効落差22m、最大使用水量0.226㎥/秒
(3)年間発電電力量 約25万キロワットアワー(一般世帯80戸分の年間消費電力量)
(4)設置場所 天童市貫津(天童市上下水道事業所の八幡山配水池敷地内)
(5)水車 インライン リンクレス フランシス水車(田中水力㈱製造)
(6)発電機 誘導発電機 3相400ボルト(八幡電機精工㈱製造)
(7)詳細設計 ㈱ニュージェック(H24.12~H25.3)
(8)工事 ㈱シスモ(H25.10~H26.11)
(9)概算事業費 約1.5億円
(10)用途
・固定価格買取制度により東北電力に全量売電します。
・年間850万円程度の収入を見込んでおり、固定価格買取期間の20年間で投資額を回収する見込みです。(34円/キロワットアワー:税抜き)
.......... "

関連
・山形県 : 再生可能エネルギー導入の取り組み
Yamgata_tendo_hydro
-----image : 上記サイトより

田中水力 : リンクレスフランシス水車(3社共同開発 ; 田中水力、東京電力、東京発電)

" リンクレスフランシス水車は田中水力㈱、東京電力㈱ 及び東京発電㈱が共同で開発しました。フランシス水車のサブセットとして落差と流量の適用範囲は通常のフランシス 水車より狭いですが、通常のフランシス 水車と比べますと多くな利点を持っています。

適用範囲 落差:10-80m 流量:0.15-1.0m3/s

円筒型ケーシングを採用することにより、省スペース化を計ると共に、既設配管途中(浄水場、配水場、揚水場等)に容易に設置できるインライン式水車。
ガイドベーン及びピンを全て排除し、代わりにギア機構を採用する事により、ガイドベーン操作機構部を簡素化し、通常のフランシス水車より大幅に低コスト化
消耗部品が少ないため、保守がより容易。
反動水車の一種として、吸出管によって全水頭が利用できる。

リンクレス・ハイドロパワー資料
日本初のインラインタイプ・フランシス水車の開発について (田中水力・プレスリリース)
リンクレスフランシス水車・通常フランシス水車比較表
.......... "

鶴岡量水所小水力発電所開所式の開催-----山形県、2014年11月4日

"..........
「鶴岡量水所小水力発電所」を 11 月 13 日に開所することとなりました。
2 概 要
(1)最大出力 199キロワット
(2)年間発電電力量 約170万キロワットアワー(一般世帯500戸分の年間消費電力量)
(3)設置場所 鶴岡市高坂(鶴岡市上下水道部の高坂配水池敷地内)
(4)水車 インライン リンクレス フランシス水車(田中水力㈱製造)
(5)発電機 誘導発電機 3相440ボルト(富士電機㈱製造)
(6)詳細設計 ㈱東北開発コンサルタント(H24.6~H25.2)
(7)土木建築工事 ㈱山本組(H25.8~H26.9)
(8)電気機械工事 三和メイテック㈱(H25.11~H26.10)
(9)概算事業費約3億円
(10)用 途 固定価格買取制度により売電(34円/キロワットアワー:税抜き)

3 設備の信頼性、安全性
 使用する水車は、世界で最も多く使用されているフランシス水車を、既設配管に容易に設置できるよう改良されたものです。
 材質はステンレス製で、水道施設で一般的に用いられているポンプと同様に、水に接する箇所に潤滑油等は使用していないため、水質に影響を及ぼすことはありません。

4 水道施設への今後の再生可能エネルギー導入予定
・天童量水所小水力発電所 天童市 34kW 平成 26 年度
・金山浄水場太陽光発電設備 金山町 11kW 壁面設置 平成 26 年度
・朝日浄水場太陽光発電設備 鶴岡市 13kW 壁面設置 平成 26 年度

○ 施設概要
 庄内広域水道の朝日浄水場から鶴岡量水所までの、送水管の落差を活用して発電します。“量水所”とは、市や町の配水池に供給する水道用水の量を測る施設です。

Yamagata_tsuruoka_hydro
-----image : 上記リリースより-----
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<発電機室と水車・発電機の設置工事>  量水所の隣の地下に、新たに発電機室を設け、水道用水の供給を継続しながら、既設の計量設備から配管を分岐し、水車と発電機を設置しました。

<水車、発電機>
・水車はインライン式フランシス水車と呼ばれるものです。水力発電所で用いられるフランシス水車は、流量の調整設備(ガイドベーン)などの可動部分が多く、操作機構の構造が複雑で、保守が容易ではありませんが、導入した水車は、構造が簡略化され、消耗部品も少なく、保守が容易となっています。
 また、省スペース化が計られ、既設配管途中(浄水場、配水場等)に容易に設置できるインライン式と呼ばれるものです。
・発電機は、誘導発電機です。発電所で一般的に使用される同期発電機より構造が単純なため、保守点検が容易で、小容量の発電機に適しています。
.......... "


コメント続き

 上下水道関連、用水利用の水力発電の話題をまとめてみました。
 

参考エントリー
ダイキン工業、富山県南砺市で管水路用マイクロ水力発電(最大15.3kW)を実証実験-----ソフトエネルギー、2014/11/13

群馬県、水道用水を用いた水力発電所、60kW新田水道発電所を運開-----ソフトエネルギー、2014/10/03

東京都水道局、340kW小水力発電設備を葛西給水所内に完成。売電開始!-----ソフトエネルギー、2013/10/02

富山県、二上浄化センターに放流水利用の10kW小水力発電設備が完成-----ソフトエネルギー、2013/02/21

東京発電、さいたま市水道局大宮配水場に水の余剰圧力を利用した50kW水力発電所を設置-----ソフトエネルギー、2011/05/20

奈良県生駒市、自治体初となるFIT適用の40kW山崎浄水場小水力発電施設をお披露目-----ソフトエネルギー、2013/03/14

安城市が上水道で水力発電 / クリッピング 中日新聞-----ソフトエネルギー、2006/03/29


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経産省、福島における再生可能エネルギーの導入拡大を特別に支援

 経済産業省は、再生可能エネルギーの推進は、福島復興の柱の一つであるとし、福島に対する特別な対応を示し、その実現に向け検討を進めてきたということです。また、福島県は昨年11月にいわゆる接続保留問題に端を発した、固定価格買い取り制度にかかわる運用の見直しが進む中で、国に対して福島県に特段の配慮を行うように申し入れを行いました。
 そして、今回経済産業省は、昨年12月18日に発表した「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」で検討された対応に対して、福島県に関しては再生可能エネルギーの導入に特別の支援を行うことを発表しました。
 具体的には、その1として、福島県内にある東京電力の送変電設備の活用を実施します。再生可能エネルギー発電事業の接続のために、新福島変電所の必要な改修工事を実施するとともに、現在使用していない送電線を活用できるようにすることについて、その具体化を東京電力に要請。これにより、東京電力の系統に接続し、また発電設備、蓄電池や送電線等の導入にあたり下記支援措置と併せて活用することを通じ、再生可能エネルギー発電事業の推進が図れるとしています。
 そして、その2。再生可能エネルギー発電設備、送電線や蓄電池等の導入・実証のために必要な資金を支援する。自治体と連携し地域の復興に寄与する再生可能エネルギー発電事業について、発電設備、蓄電池・送電線等の導入を発電設備は補助率1/10、蓄電池・送電線等は補助率1/3を支援。(岩手県及び宮城県の津波浸水地域においても同様に措置)
 また、避難解除区域等における、発電事業の収益の一部を復興活動に活用する再生可能エネルギー発電事業について、発電設備は補助率1/10、蓄電池・送電線等の補助率は2/3(福島県内に本社を有する中小企業等については1/5)
 さらに、基幹系統に大規模蓄電池を設置して行う、再生可能エネルギーの受入可能量を拡大するための実証を支援します。

 そして、避難解除区域等における優先的な接続枠の確保により、再生可能エネルギー発電事業の推進を図るということです。


プレスリリース / 経済産業省、平成27年1月9日
福島における再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取組を促進します

" 本件の概要
 再生可能エネルギーの推進は、福島復興の柱の一つであり、資源エネルギー庁においても、昨年12月18日に発表した「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」において福島に対する特別な対応を示し、その実現に向け検討を進めてきたところです。
 本日、平成26年度補正予算案が閣議決定されたことを受け、福島復興のための再生可能エネルギー導入拡大に向けた支援など、再生可能エネルギーの最大限導入に向けた福島に対する特別な対応を進めていきます。

1.福島県内にある東京電力の送変電設備の活用
 本日、東京電力に福島の復興に寄与する再生可能エネルギー発電事業の接続のために、新福島変電所の必要な改修工事を実施するとともに、現在使用していない送電線を活用できるようにすることについて、その具体化を要請しました。
 東京電力の系統に接続し、また発電設備、蓄電池や送電線等の導入にあたり下記支援措置と併せて活用することを通じ、再生可能エネルギー発電事業の推進を図ります。

2.再生可能エネルギー発電設備、送電線や蓄電池等の導入・実証の支援
 本日閣議決定された平成26年度補正予算案により、下記の支援を措置します。
(1)福島県全域(下記(2)の地域を除く)における、自治体と連携し地域の復興に寄与する再生可能エネルギー発電事業について、発電設備、蓄電池・送電線等の導入を支援。
補助率:発電設備1/10、蓄電池・送電線等1/3
(注)岩手県及び宮城県の津波浸水地域においても同様に措置
(2)福島県の避難解除区域等における、発電事業の収益の一部を復興活動に活用する再生可能エネルギー発電事業について、発電設備、蓄電池・送電線等の導入を支援。
補助率:発電設備1/10*、蓄電池・送電線等2/3
*福島県内に本社を有する中小企業等については1/5
(3)基幹系統に大規模蓄電池を設置して行う、再生可能エネルギーの受入可能量を拡大するための実証を支援。

3.避難解除区域等における優先的な接続枠の確保
 本日、東北電力に避難解除区域等の復興に寄与する再生可能エネルギー発電事業に対し、蓄電池の活用や接続枠を確保しているにも関わらず事業開始に向けた取組が進まない案件の接続枠の解除等により、系統における優先的な接続枠の確保を図ることを要請しました。
 東北電力の系統への接続を可能とし、上記支援措置と併せて活用することで、避難解除区域等のうち新福島変電所への接続が困難な地域における、再生可能エネルギー発電事業の推進を図ります。
.......... "

関連
「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」をとりまとめました-----経済産業省、平成26年12月18日

" 本件の概要
資源エネルギー庁は、再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について、別添のとおりとりまとめましたのでお知らせいたします。

1.とりまとめの趣旨
 資源エネルギー庁は、再エネ特措法に基づく再生可能エネルギー発電設備の接続申込に対し、複数の一般電気事業者(以下「電力会社」)で回答保留が生じている状況を踏まえ、総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会新エネルギー小委員会及び同小委員会系統ワーキンググループ(以下「系統WG」)において、問題点の整理及び当面講ずべき対応策の検討を行ってきました。
 新エネルギー小委員会及び系統WGにおけるこれまでの検討結果を踏まえ、新たな出力制御システムの下での再生可能エネルギー導入システムへの移行及び固定価格買取制度の運用見直しについて、別添のとおりとりまとめ、関連する省令・告示改正案についてパブリックコメントを実施します。

2.とりまとめの内容
○ 新たな出力制御システムの下での再生可能エネルギーの最大限導入
(1) 出力制御の対象の見直し
(2) 「30日ルール」の時間制への移行
(3) 遠隔出力制御システムの導入義務づけ
(4) 指定電気事業者制度の活用による接続拡大
○ バランスのとれた再生可能エネルギー導入に向けた対応
○ 接続保留問題を受けた電力会社ごとの対応
○ 福島に対する特別な対応
○ 今後の導入拡大策
○ 固定価格買取制度の運用見直し
(1) 太陽光発電に適用される調達価格の適正化
(2) 接続枠を確保したまま事業を開始しない「空押さえ」の防止
(3) 立地の円滑化(地域トラブルの防止)
.......... "

再生可能エネルギーの接続回答保留に関する提言について-----福島県、平成26年11月27日


参考
・Twilog @greenpost : #接続保留問題(接続保留問題に関する情報のタイムライン)
: #福島 #renewjapan(福島県の再生可能エネルギーの情報)


おすすめエントリー
協和機電工業ら、福岡県に100kW規模の浸透圧発電所を建設へ-----しなやかな技術研究会、2015/01/09

資料2014 「未利用材の供給不足が懸念される木質バイオマス発電」 農林中金総合研究所-----自然エネルギー、2015/01/08

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岡山大学、畜産由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池を開発中

 岡山大学大学院環境生命科学研究科の三宅通博教授、岡山県農林水産総合センター畜産研究所の白石誠専門研究員らの共同研究グループは、バイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池(SOFC)の開発において、バイオガスからの炭素析出が大きな障害となる課題を克服し、バイオマス資源を物燃料電池(SOFC)の燃料として活用する道を拓く研究において成果をあげました。
 バイオマス資源を有効活用する固体酸化物燃料電池(SOFC)は、太陽光発電や風力発電で新たに水素燃料を製造するのとは異なり、人間の必ず営みから生まれでている資源を活用するということができる点で、その活用が期待される分野です。
 具体的には今回の研究には、豚糞尿由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池(SOFC)において、バイオガスからの炭素析出を抑制できる触媒の組成を決定し、作動温度600℃でLED電球の点灯に成功したものです。炭素析出を抑制できる触媒の組成を決定し、バイオガスを効率よく利用するための改質装置およびSOFC発電性能評価装置で評価を行ったものです。本研究成果によって、バイオガスを燃料とする中温作動型SOFCが実現されれば、分散型電源の充実によって、再生可能エネルギー源の高効率利用が期待されます。


プレスリリース / 岡山大学、2014.12.18
畜産由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池の開発

Press1412184img1
-----image(”図1 作動温度600℃でLED電球点灯”) : 同リリースより

" 本学大学院環境生命科学研究科の三宅通博教授、岡山県農林水産総合センター畜産研究所の白石誠専門研究員らの共同研究グループは、豚糞尿由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池(SOFC)において、バイオガスからの炭素析出を抑制できる触媒の組成を決定し、作動温度600℃でLED電球の点灯に成功しました。
 バイオマス資源を利用するSOFCは、二酸化炭素の排出を削減することができます。本研究成果によって、バイオガスを燃料とする中温作動型SOFCが実現されれば、分散型電源の充実によって、再生可能エネルギー源の高効率利用が期待されます。

 中温作動型SOFC(作動温度800℃以下)の構成部材やメタン改質触媒の開発で実績のある岡山大学の研究グループ(3名および大学院生のべ7名)とメタン発酵によるバイオガス製造で実績のある畜産研究所の研究グループ(2名)は、5年前から豚糞尿由来のバイオガスの高効率利用(利用効率50 %以上)を目指して、バイオガスを燃料とする中温作動型SOFCの開発研究を行っています。
 SOFCの作動温度の低温化は望まれますが、バイオガスを燃料とするSOFCの開発においては、バイオガスからの炭素析出が大きな障害となります。本開発研究では、炭素析出を抑制できる触媒の組成を決定し、バイオガスを効率よく利用するための改質装置およびSOFC発電性能評価装置で評価しました。
 改質バイオガスを燃料として単セルの発電試験を行ったところ、バイオガスを直接燃料として利用している先行研究の作動温度より約200℃低い600℃で、図1に示すようにLED電球を点灯することができました。4時間程度の発電でしたが、炭素析出は殆ど見られませんでした。
 本研究成果は、炭素析出を抑制することで、バイオガスを燃料とする中温作動型SOFCの実現が可能であることを示唆します。長時間運転による触媒性能や発電性能の経時変化に基づき、触媒や燃料極を改良することで、バイオガスを燃料とする中温作動型SOFCの実現に更に近づくものと期待されます。この様な電源の実現は、分散型電源の構築に寄与します。
 日本セラミックス協会2015年年会および国際誌で本研究成果を発表する予定です。
..........


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-----image : 上下とも同リリース、添付資料より-----

Okayama_univ_biogas_fuelcell2
.......... "


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コロナ、地中熱ヒートポンプの新工法「パイルファイブシステム」を発表

 コロナは、地中熱と空気熱の2種類の熱源を活用したハイブリッドヒートポンプ温水暖房システム 「GeoSIS HYBRID(ジオシス ハイブリッド)」を2014年9月に発売を開始しました。そして今回、この地中熱利用システムの効率とコストを大幅に削減する新工法「パイルファイブシステム」を発表しました。
 世界では、地中熱を利用した冷暖房システムの活用が進んでいる国々もありますが、国内においては、普及がいまひとつという状況です。なによりも、地中熱の採熱チューブの工事コストが大きな課題でした。今回、コロナが開発したパイルファイブシステムは、地中熱ヒートポンプの工事費用を4分の1に低減することを可能にするということです。

 今後日本で地中熱利用システムが普及するのか注目しています。情報を収集していきます。

プレスリリース / コロナ、2014/1/6
ニュースリリース / 地中熱ヒートポンプの工事費用を4分の1にする新工法を開発(PDF)
Colona_pile_system_geoheat
-----image : 同リリースより

" 株式会社コロナ(本社:新潟県三条市、略)は、地中熱を利用したヒートポンプを導入する際に必要な工事費用を従来の約4分の1※1 に低減する、業界初※2 の新工法「パイルファイブシステム」※3 を開発しました。

 地中熱とは浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーです。再生可能エネルギーの1つとされており、石油などに代わるクリーンなエネルギーとして近年注目されています。地中の温度は年間を通して一定であることから、冬場は外気温度よりも地中温度が高くなり、この温度差をヒートポンプに利用して効率的な暖房を行うことができます。
 ただし、従来の地中熱を利用したヒートポンプ※4で6キロワットの暖房出力を得るためには、地中を約100メートル掘削して採熱管(地中と熱をやり取りする熱媒体)を埋設する必要があり、初期導入費用の高さが大きな課題とされてきました。
 「パイルファイブシステム」は、地中熱と空気熱を組み合わせた当社商品「GeoSIS HYBRID(ジオシス ハイブリッド)」(2014年9月販売開始)を使用するとともに、一般的な地盤改良工事用の鋼管杭を地中 10メートルの深さに5本打ち込んで採熱管を埋設する新しい工法です。

 「GeoSIS HYBRID」により従来の約半分(合計50メートル)の掘削で8キロワットの暖房出力が得られます。また、
一般的な地盤改良工事では4メートルから10メートルの鋼管杭を20本から50本打ち込みますが(当社調べ)、採熱管の埋設用として5本追加するだけなので、工事費用は従来の約4分の1※1に低減されます。なお、採熱管は自動車1台分よりも小さなスペース(1.8メートル×3.5メートル)に設置することができます。
 新工法により初期導入費用が大幅に低減され、今後、地中熱ヒートポンプが身近な存在になることが期待されます。当社は今後も地中熱利用に対する認知度の向上を図るとともに、設備のさらなる高性能化等を進めることで普及に努めてまいります。

※1:当社地中熱ヒートポンプ温水暖房 GeoSIS(ジオシス)と GeoSIS HYBRID(ジオシス ハイブリッド)「パイルファイブシステム」工法の比較
※2:2015 年 1 月 6 日現在
※3:GeoSIS HYBRID(HYS-AG08X)との組み合わせにおいて。次世代省エネ基準Ⅲ地域以南で用いることのできる工法です。
※4:当社地中熱ヒートポンプ温水暖房 GeoSIS(ジオシス)
..........  "

関連
・コロナ : ニュースリリース 2014 / 3月10日 業界初!“地中熱”と“空気熱”を融合させた家庭用ヒートポンプ式温水暖房システム「GeoSIS HYBRID(ジオシスハイブリッド)」を新発売!掘削深さが半分、初期導入費用が大幅に低減できます。(PDF)
/ GeoSIS HYBRID
Kv2
-----image : 上下とも上記サイトより-----
Img_top_01
Img_top_02Img_top_03


参考
・Twilog @greenpost : #geo_heat 地中熱(地中熱関連の情報)

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再生可能エネルギー技術入門講座(資源エネルギー庁関連 E-ラーニング)が始まりました

 資源エネルギー庁委託事業(平成26年度新エネルギー等共通基盤整備促進事業)である、再生可能エネルギー技術入門講座(モデル講座)がE-ラーニングで開始されました。実施機関は、当初の予定では2015年の2月末で、受講料は無料。以下のURLに案内と申し込み方法(フォーム)が公開されています。

再生可能エネルギー技術入門講座(モデル講座)
T1
-----image(”受講画面サンプル”) : 上下とも上記サイトより-----
T2300x156

" 資源エネルギー庁委託事業 平成26年度新エネルギー等共通基盤整備促進事業 再生可能エネルギー技術入門講座(モデル講座) .......... 本講座のねらい  本講座は、再生可能エネルギー分野における人材育成の基盤整備を目的とし、経済産業省資源エネルギー庁からの委託事業の一環として開催するものです。

 1.対象者
  再生可能エネルギー分野の事業に新規に参入を検討している産業界の方々を主な対象としてます。
 2.講義レベル
  新規参入を目指す方々にとって必須となる基礎的な知識を紹介する等の入門レベルの講座としてます。
 3.講座形式
  講座形式としては、首都圏から離れた地域でも受講が可能なよう「E-ラーニング方式」(WEBによる講義)を採用してます。
 4.モデル講座
  本講座はモデル講座として位置付け、今後の再生可能エネルギー分野に関する人材育成の基盤整備に向けての知見を得ることをねらいとしてます。
本講座の概要について
  本講座は、再生可能エネルギーに関連する全体動向やそれぞれの分野における基礎的知識等を含めて10回の講座より構成されております。
 1.再生可能エネルギーを取巻く政策動向の紹介 【第1回及び2回講座】
  エネルギー政策の全般や再生可能エネルギー分野における政策動向等について紹介。
 2.再生可能エネルギー分野毎の基礎知識の紹介 【第3回~7回講座】
  太陽光発電、風力発電、木質バイオマス発電、小水力発電、地熱発電のそれぞれの分野における基礎的知識等について紹介。
 3.系統連系、ファイナンス、導入事例の紹介 【第8回~10回講座】
  再生可能エネルギーに通的な知識として、系統連系やファイナンス及び再生可能エネルギー分野における代表的な導入事例について紹介。
  登録に際して、現在の再生エネルギー事業などとのかかわり方についてアンケートを取らせていただきます。
  ご記入いただきました個人情報は、厳重に管理し本講座の目的以外で使用は行いません。

開講講座一覧
【イントロダクション】本講座の紹介
【第1回】エネルギー総論
【第2回】再生可能エネルギー政策
【第3回】太陽光発電の基礎知識と事業
【第4回】風力発電の基礎知識と事業
【第5回】木質系バイオマス発電の基礎知識と事業
【第6回】小水力発電の基礎知識と事業
【第7回】地熱発電の基礎知識と事業
【第8回】再生可能エネルギーと系統連系地熱発電の基礎知識と事業
【第9回】再生可能エネルギー事業とファイナンス
【第10回】導入事例の紹介

*講義毎に簡単なアンケートがございます。
.......... "


コメント続き
 この再生可能エネルギーの入門講座は、昨年末に参加したグリーンパワー大学の告知で知りました。まだ最初の総論しかみてませんが、経済産業省が考えるエネルギー、そして再生可能エネルギーへの考え方がよくわかります。それは、よくも悪くも、この数十年間日本のエネルギー安全保障を支えてきた考え方の焼き直しです。3.11、福島原子力発電所の苛酷事故の経験が安全保障という考え方に生かされていないことに、いまさらながらに驚かせられるものでした。
 各講義については、再度受講後に書きたいと思います。

参考エントリー
経産省、再エネ分野の人材育成の指標「再生可能エネルギースキル標準(GPSS)」を策定-----ソフトエネルギー、2014/12/23


おすすめエントリー
国は、夏までに自民党政権としてのエネルギー政策(エネルギーミックス)を明らかにする方針-----しなやかな技術研究会、2015/01/07

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2015年。本年もよろしくお願いいたします

 下は、2014年末の当ブログの人気記事ランキングでした。本年はどんな話題が登場するでしょうか。
 
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1位:2013年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本2.2%

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7位:岐阜県の岐阜バイオマスパワー、 6.25MW木質バイオマス発電プラントを竣工

8位:日立製作所、丸紅より受注の82MWpの大分ソーラーパワーを竣工

9位:宇宙産業のコスモテック、大分県別府市で400kWのバイナリー発電事業へ参入

10位:高知県宿毛市で、全1万世帯分の電力をカバーする6.5MWのバイオマス発電プラント完成


 2015年の頭から気になるのは、政府がエネルギー政策の見通しの検討を具体化させる動きを開始するということです。前民主党は閣議決定は行えなかったものの、原発ゼロを打ち出しました。そして、安倍政権では、地味に、まるで隠すように”議論”が進められてきました。さらに、再生可能エネルギーに関しては、接続保留問題により顕在化した、現在の日本の系統が再生可能エネルギーを大量に導入できる状態ではないという課題に、必要ならば時間をかけ、すぐにとるかかれるならば、すぐに対応を進めるなどの方策を電力、政策、国民の理解のそれぞれの側面で現実的に処置できるのかが大きな関心事となります。

 ということで、本年もよろしくお願いいたします。
 
 しなやかな技術研究会 2t

 
 

 

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