NEC、100万台以上の蓄電池を制御しリアルタイム需給調整を実現する技術を開発
NECは、地域内に分散して設置された家庭用や設備用、そして電気自動車の蓄電池を、クラウドから充放電制御し、需要側の電力制御(デマンドレスポンス : DR、需給応答)を行うことを可能にし、リアルタイムな電力需給調整を実現する「仮想統合制御ソフトウェア」を開発したと発表しました。このソフトウェアで管理できる蓄電池の数は、100万台以上に及ぶとのことで、人口規模で数百万人が住む地域を対象とすることができます。
さらにこのソフトウェアは、自動デマンドレスポンス(ADR)の最新規格OpenADR2.0bに対応し、工場やビルなどの大口需要家だけでなく、複数の異なるアグリゲータ等が管理する蓄電池との連携による電力需給調整も可能になります。OpenADR2.0b規格は、企業や家庭等の電力需要を自動的に制御する「自動デマンドレスポンス」(ADR)についてOpenADRアライアンス(国際標準規格策定)が2013年7月に策定した最新のものです。これらの技術により、電力会社・企業・家庭などの多数の蓄電池が連携し、既存の電力系統と同等レベルの電力需給調整が可能な、次世代電力システムが実現するということです。
リアルタイムに需給応答(DR)を用いた電力需給調整が可能であることは、今まさに問題になている、導入が進み、再生可能エネルギーがある程度まとまってきたこのタイミングで発生している、接続保留問題や再生可能エネルギーの将来の導入量を計る議論の中で、その必要性が指摘されているものです。残念ながら、今の電力関連の制度や政治的な決定、そして運用は、再生可能エネルギーの大量導入社会を可能にするという方向性にはなっていません。そのための議論を正々堂々と行ってこなかった、安倍政権のこの2年では、先の見通しがたっていないのです。
今回、NECが実現したとしている技術が、実際の社会で使われ、その有効性が評価される機会が”的確に用意”されさえすれば、現在生じている規模の再生可能エネルギーの導入軋轢は数年で解決可能だと考えています。問題は、次代のエネルギーを我々が議論できるか、決定していけるのか? というそれ以前のプロセスです。
選挙を前に、文章が長くなってしまいました。
プレスリリース / NEC、2014年11月13日
・NEC、住宅やビルなどに設置した100万台以上の蓄電池を制御し電力系統と同等レベルのリアルタイム需給調整を実現する技術を開発
-----image(”提案する次世代電力システムの模式図”) : 同リリースより
" 多様な蓄電池を用いたデマンドレスポンスで、次世代電力システム実現へNECは、住宅やビル等に分散して設置された100万台以上に及ぶ多数の蓄電池や電気自動車(EV)の蓄電池をクラウドから充放電制御し、需要側の電力制御(デマンドレスポンス:以下、DR)を行うことで、電力事業者が、既存の電力系統と同等のリアルタイムな電力需給調整を実現する「仮想統合制御ソフトウェア」を開発しました。
今回開発した「仮想統合制御ソフトウェア」は、多数の蓄電池制御において、発電所が最短秒以下の単位で電力需給調整を行う「ガバナフリー制御」(注1)や「負荷周波数制御」(注1)といった、既存の電力系統と同等のリアルタイムな電力需給調整機能を実現します。また蓄電池の劣化特性を考慮しながら適切な配分で充放電が可能なため、約2倍となる蓄電池の長寿命化を実現します。 さらに本ソフトウェアは、自動デマンドレスポンス(ADR)の最新規格OpenADR2.0b(注2)に対応し、工場やビルなどの大口需要家だけでなく、複数の異なるアグリゲータ等が管理する蓄電池との連携による電力需給調整も可能になります。
これらの技術により、電力会社・企業・家庭などの多数の蓄電池が連携し、既存の電力系統と同等レベルの電力需給調整が可能な、次世代電力システムの実現に貢献します。
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背景
2012年7月に始まった「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(注3)を契機として、今後、太陽光や風力等の再生可能エネルギーの大幅な導入拡大が見込まれています。再生可能エネルギーによる発電は天候に依存して発電量が急激に変化するため、導入拡大には、発電所の電力需給バランス調整機能の補強が必要です。多数の需要家の蓄電池を制御し、電力需給調整を行うリアルタイムDRは、本調整機能を補強する有望な仕組みの一つといえます。
リアルタイムDRでは、再生可能エネルギーの活用時に求められる電力需給バランスの変動に合わせて、需要家の蓄電池の充放電をクラウド上のシステムから自動で制御します。このとき発電所の機能を補強するために、「ガバナフリー制御」や「負荷周波数制御」といった電力需給調整機能の実現が求められてきます。一方、蓄電池は頻繁な充放電を繰り返すと、蓄電池の劣化が早まる可能性が高まるため、蓄電池の劣化スピードを低減しながら、多数の需要家の蓄電池を最適なタイミングで制御する技術が求められます。
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1. 既存の電力系統と同等の電力需給調整を実現
1. NEC独自の階層協調制御システム(注4)上で動作する「仮想統合制御ソフトウェア」を開発。クラウド側から、蓄電池の状態を集中管理。需給変動の不規則性を需給調整機能毎に把握し、充放電の最適分配処理を行う技術により、発電所の機能である「ガバナフリー制御」と「負荷周波数制御」の電力需給調整機能を、同時に実現する独自のソフトウェア(アルゴリズム)を開発。
本アルゴリズムをクラウド側、及び需要家の蓄電池側に搭載することで、分散する多数の蓄電池を活用でき、より大容量のリアルタイムDRを用いた電力需給調整を実現。2. 新たに蓄電池の状態に依存する劣化特性に応じた充放電制御を実現。これにより、約2倍の蓄電池長寿命化を実現しながら電力需給調整が可能。
2. OpenADR2.0bに対応し、様々なアグリゲータが管理する機器に対応
自動デマンドレスポンス(ADR)の最新規格である、OpenADR2.0bに対応。本規格に対応した多様なエネルギーマネジメントシステムとの連携が可能になり、従来からの大口需要家に加え、複数の異なるアグリゲータ等が管理する小口需要家、及び蓄電池や多様な機器を対象にしたリアルタイムDRが可能。
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(注1) ガバナ・フリー制御や負荷周波数制御とは、電力系統の周波数の安定維持に必要な発電所の機能であり、ガバナ・フリーは、秒以下程度の極短周期の変動の調整を、負荷周波数制御は、数秒から分程度の短周期変動の調整を、分担する。(注2) 企業や家庭等の電力需要を自動的に制御する「自動デマンドレスポンス」(ADR)についてOpenADRアライアンス(国際標準規格策定)が2013年7月に最新版「OpenADR2.0bを発表。クライアントのVEN(Virtual End Node)は、サーバーの役割であるVT(Virtual Top Node)からの節電要請を受けて、節電応答(デマンドレスポンス)を実行する。OpenADRの2.0bはVTN-VEN間のメッセージ処理、及び各種管理機能を標準化したものである。NECエンジニアリングは、2013年12月に2.0bVEN、2014年3月に2.0bVTNのフルスペック対応のソフトウェア認定を取得。
(注3) 再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電力を、国が定める固定価格で一定の期間電気事業者に調達を義務づけるもの。調達された再生可能エネルギーの電力は、送電網を通じて需要家が普段使う電力として供給される。そのため、電気事業者が再生可能エネルギー電力の買取りに要した費用は、電気料金の一部として、使用電力に比例した賦課金という形で需要家が負担することになっている。
(注4) クラウド側の制御と蓄電池側の制御の2階層で構成される制御システム。クラウド側の制御では、電力需給調整に必要な電力量と各蓄電池の情報に応じて、十数分間隔で各蓄電池に充放電の分担を割り当てる。蓄電池側では、収集・計測できるリアルタイム情報を用い、充放電分担に応じて、秒程度以下で充放電を制御する。
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参考
・NEC、住宅内のエネルギー計測機能と家電制御機能を一体化した「エネルギーマネジメントユニット」を発売-----NEC、2014年11月5日
- エネルギーマネジメントユニット
コメント続き
GEのリアルタイムに電線内を流れる電力の量と”内容”を測定し把握するシステムを参考にあげておきます。今後日本でも、同様なシステムの開発が進むか、GEやシーメンスのシステムを導入し、電線の中身をリアルタイムに把握し、需給調整を行うことができるシステムを私たち消費者が有利な形で手に入れる必要があります。
すべての技術には顔があるということです。顔を選ぶ必要があります。
参考2
・GE : Digital Energy Communications : Industrial hardened communications - Pressroom
・Siemens : Integrated Smart Grid Solutions for the digital era
・Twitter : digitalgrid
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投稿: Maria | 2021/09/25 20:45