タケエイ、岩手県花巻市に6.25MWの木質バイオマス発電所の建設を計画
タケエイは、東日本大震災発生後、東北地域(岩手県、宮城県、福島県)において災害廃棄物の処理・リサイクル事業に取り組んできました。そして今回、岩手県花巻市において森林間伐材等を原料とする木質バイオマス発電事業に参入することを目的に、花巻バイオマスエナジーを設立することを決定しました。この事業会社は、周辺の山林から切り出された木材を燃料用のチップに加工し、これを原料として発電を行い、固定価格買取制度等を活用し売電を行ないます。 事業規模は、出力が6,250kW(6.25MW)で、総事業費は、20~30億円。稼動目標は、平成28年度で、これをめざし事業環境を確立するとのことです。
興味深いのは、材料の長期的・安定的確保(森林間伐材と都市ごみ由来の廃木材) とともに、防災の観点から問題となっている周辺河川及びダム等で撤去される流木、公共施設等からの間伐材、また、現在森林事業において処理・対策に苦慮されている松くい虫の被害対策として伐倒された被害木も、バイオマス発電原料の一部として活用するという点です。国内材により行われる規模としては、6.25MWは十分に大きなものです。長期的な視点で持続可能な形で木質バイオマス資源を確保することができると見積もられた点は、同社が地域で廃棄物の処理・リサイクル事業に取り組んできた事業者であるだけに、説得力があるように思い、また成果期待する所以でもあります。
今回の事業は、青森県平川市で平成27年10月に事業開始が予定されている津軽バイオマスエナジーによる同じく6.25MWの木質バイオマス発電に次ぐ、同社2例目の事業となります。津軽バイオマスエナジーでは、タクマのバイオマスボイラーが採用されています。
プレスリリース / タケエイ、平成26年10月14日
・最新情報 / 岩手県花巻市におけるバイオマス発電事業参入に関するお知らせ
-----image : 同リリースより
" ..........来年度開業の青森県津軽地方での木質バイオマス発電事業に続き、新たに岩手県花巻市において、森林間伐材等を原料とする木質バイオマス発電事業に参入することを目的に、「株式会社花巻バイオマスエナジー」(以下「花巻バイオマス」)を設立することを決定いたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。
..........
今回のプロジェクト計画地である岩手県花巻市は、岩手県のほぼ中央に位置し、宮沢賢治生誕の地として広く知られています。また、青森県津軽地方と同様に林業の盛んな地域で、特にアカマツの産地として、岩手県は日本一を誇ります。
当社は平成23年の東日本大震災発生後、東北地域(岩手県、宮城県、福島県)において災害廃棄物の処理・リサイクル事業に取り組みましたが、同事業終了後も、東北地域の復興の一端を担うことができないか様々な観点から検討を進め、地元自治体・諸団体と協議を進めてまいりました。こうした過程で、潜在的成長が期待される林業の維持・再活性化と、新たな雇用創出のためには新規事業の拠点が不可欠との認識から、我が国の重要政策のひとつである新電源の拡充、とりわけ天候等気象条件に左右されない安定的なベース電源であるバイオマス発電の事業化の可能性について検討を進めてまいりました。
..........本事業の地元である花巻市ならびに岩手県さらには周辺自治体、原料供給を担う地元森林事業者、製材事業者の皆様からのバックアップをいただき、「株式会社花巻バイオマスエナジー」を設立し、花巻市での木質バイオマス発電事業に参入することといたしました。前述のとおり、本件は青森県の津軽バイオマスに続く2例目となります。2. バイオマス発電事業スキームについて
木質バイオマス発電において原料となる間伐材等の木材供給は、多くの地域森林事業者、製材事業者の皆様が担うことになります。切り出された木材は燃料用のチップに加工した後、これを原料として花巻バイオマスが発電を行い、固定価格買取制度(FIT)等を活用し売電を行ないます。
原料については、長期間に渡り、間伐材等の未利用木材及び一般木材の供給を受けます。あわせて、当事業では、防災の観点から問題となっている周辺河川及びダム等で撤去される流木、公共施設等からの間伐材、また、現在森林事業において処理・対策に苦慮されている松くい虫の被害対策として伐倒された被害木も、バイオマス発電原料の一部として活用する予定です。事業化にあたっては、地域の活性化及び雇用創出に関わる助成金等の申請も検討してまいります。
..........
3. 売電開始時期 及び 事業規模について
(1) 運転時間 24時間/日
(2) 年間運転日数 340日/年
(3) 発電量 6,250kW(一般家庭 約14,000世帯の年間消費電力量に相当)
※一般家庭 300kWh/月 として試算した場合
(4) 売電方法 固定価格買取制度(FIT)による電力会社との直接契約、もしくは特定規模
電気事業者(PPS)との買取契約を予定しています。
(5) 売電開始 2年後(平成28年度中)を予定
(6) 総事業費 20~30億円
(地域の活性化及び雇用創出に関わる各種助成制度を活用する予定です。)
(7) その他 ・本事業スタートにより、雇用の創出による地元の活性化・エネルギーの補
完、林業の活性化等、地域への波及効果が見込まれます。
・年間1.7万トンのCO2削減効果が見込まれ、地球温暖化の一因とされるCO2削減にも寄与します。4. 株式会社花巻バイオマスエナジーの概要
(1) 名称 株式会社花巻バイオマスエナジー
(2) 本社所在地 未定(検討中)
(3) 事業予定地 岩手県花巻市大畑地内(予定)
(4) 代表者 未定(検討中)
(5) 事業内容 木質バイオマス発電事業
(6) 資本金 100万円 (株式会社タケエイ 100%)
(今後出資体制を構築し、3億円を目途に増資してまいります。ただし、事業の主体を担う当社は常時50%超を確保いたします。)
(7) 設立 平成26年10月中5.本事業の位置付けならびに発電事業に関する当社の考え方
本事業は、当社グループにとりまして、これまでの中心事業である廃棄物処理・リサイクル事業から、さらにその領域を拡げ、資源エネルギー分野に向けた戦略的事業の一翼を担うことになります。同時に、地域の課題解決・活性化、雇用の創出、地域エネルギーの補完(地産地消型エネルギー)や、再生可能エネルギーへの対応ならびに CO2 削減など、地域・自然環境全般に貢献のできる事業と認識しています。
今後は、復興事業を加速化している東北の地で、先行する津軽バイオマスとあわせ、同様のバイオマス発電事業を具体化させ、森林事業活性化と自然エネルギー創出の役割を担ってまいりたいと存じます。さらにその先には、当社主要事業である廃棄物の回収・処理・リサイクルの一貫した工程で蓄積されたノウハウを結集させ、廃棄物を原燃料とした発電分野へ参入するなど、発電事業における実績を積み上げていきたいと考えております。
地域事業の活性化と自然エネルギー化の推進、加えて廃棄物のエネルギー転換、公共事業の民間委託化への参入など、これまで以上にこうした事業化のスピードを上げ、廃棄物事業の多角化と付加価値化、収益化、社会貢献化を進めていきたいと考えております。さらに、以下の経営課題に、より積極的に取り組んでいくための戦略的スキームを早期に構築してまいります。
①必要な原燃料の長期的・安定的確保(森林間伐材と都市ごみ由来の廃木材)
②発電プラントの安定稼働のための運転管理体制の構築
③地元との協調体制の構築
④財務の安定性確保
⑤売電手法の多様化
⑥山林保全・山林創出のための新規技術の取り込み(「バイオマス資源作物」生産技術等の検討)
等
これらの具体案につきましては、詳細を詰め、早急に開示する予定です。
6. 今後の見通し
本事業は平成28年度の稼働を予定しており、開業2年目には年間13億円程度の売上を見込んでおります。
.......... "
関連
・TAKEEI TO INVEST UP TO 3 BILLION YEN FOR BIOMASS PLANT IN JAPAN-----Bloomberg NEF,OCT 14, 2014
・タケエイプレス・リリース / 平成25年3月13日付リリース 『バイオマス発電事業参入に関するお知らせ』を
/ [2014.04.02] 木質バイオマス発電事業(子会社「株式会社津軽バイオマスエナジー」)における再生可能エネルギー発電設備認定及び建設工事開始のお知らせ
・(株)津軽バイオマスエナジー向けバイオマス発電設備の受注について-----タクマ、平成26年4月1日
追加情報
2015.02.27 バイオマス発電用燃料の製造・供給会社「花巻バイオチップ株式会社」設立のお知らせ-----タケエイ http://t.co/hWsc7pGPiO #renewjapan #renewbiomass #岩手 参考 http://t.co/LU6V4rOGAx
— greenpost (@greenpost) March 3, 2015
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