西部ガス、北九州市で20.5MWpエネ・シードひびき太陽光発電所を運開。軽量モジュールとFRP架台を採用
西部ガスは、北九州市に建設中だった、20.5MWpエネ・シードひびき太陽光発電所を完成、全面運転を開始しました。本年3月に5.2MW分の運用を開始していたものです。この事業の投資額は、約60億円で、年2100万kWhの発電量を見込み、その年間売電額は、約8億円とのことです。(TechOn!) 予定通り、20年継続する事業とすると約160億円です。莫大な利益を生む事業であることがわかります。出資は、西部ガスが51%、旭硝子が49%で実施されます。
太陽電池は、三菱電機製で、薄くて強度がある旭硝子の特殊ガラス「Leoflex レオフレックス」を採用した軽量モジュールが約半分のおおよそ四万枚が採用されています。通常の太陽電池のカバーガラスの厚さは、3.2mmほどあり、背面には薄いアルミシートや金属が利用されています。今回の軽量モジュールでは、厚さ1.1mmの特殊ガラス Leoflex を表裏二枚使い、セルをサンドイッチしています。これにより、耐塩害性、耐湿性を確保、長期間にわたりパネルの劣化を抑え、信頼性を向上させることに成功しているということです。さらに、通常品と比べ約21%軽量化し、施工性も改善しているということです。既存品の重さは、施工面積あたり、約11.5kg/平方メートルであるのに、今回の軽量モジュールは、約9.1kg/平方メートルとなっています。
さらに、全ての架台にAGCマテックス社のガラス繊維強化プラスチック(FRP)素材「プラアロイ 」を使用し、軽量で耐久性をそなえた、施工性の高いメガソーラー施設を建設したということです。
モジュール、架台両面から長期にわたっての運転を担保できるということで、注目の施設となりました。
プレスリリース / 西部ガス、平成26年10月14日
・「エネ・シードひびき太陽光発電所」の全面運用開始について
-----image(”上-エネ・シードひびき太陽光発電所の建設地、下-エネ・シードひびき太陽光発電所の状況”) : 同リリースより-----
" 西部ガスグループのエネ・シードひびき株式会社<※1>は、本日、北九州市若松区向洋町において建設を進めていた「エネ・シードひびき太陽光発電所(20.5MW(注))」の全面運用を開始しました<※2>。 (注)MW:メガワット(1MW = 1,000kW)
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<※2>「エネ・シードひびき太陽光発電所(全体20.5MW)」のうち5.2MW分は、本年3月1日に一部運用を開始しています。
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1.エネ・シードひびき太陽光発電所の概要
施設名称 エネ・シードひびき太陽光発電所
所在地 北九州市若松区向洋町18-1
敷地面積 約25万6千m2
建設期間 平成25年4月 ~ 平成26年9月
全面運用開始 平成26年10月14日
発電規模 20.5MW ※MW=メガワット(1MW=1,000kW)
年間発電量 2,100万kWh/年(一般家庭約5,800戸の年間電力使用量に相当)
太陽光パネル 三菱電機(株)製 約81,000枚
投資額 約60億円
【ご参考】太陽光発電パネル(三菱電機(株)製)に使用されている軽量化学強化特殊ガラスは旭硝子(株)製、パネル用架台に使用されているFRP(ガラス繊維強化プラスチック)はAGCマテックス(株)製です。詳細については、別紙《参考資料2・3》をご参照願います。
-----image : 参考資料2・3より-----
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プレスリリース2 / AGC旭硝子、10月14日
・ニュースリリース / AGCの軽量ガラスとFRPを使用したメガソーラーが本格稼働~北九州市最大のメガソーラーの耐久性と施工性を向上~
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三菱電機株式会社が開発した両面ガラス軽量ソーラー
パネルには、軽くて強い「Leoflex」が両面に使用され、架台には軽くて錆びない 「プラアロイ」が使用されています。いずれも軽さと高い耐久性が特長であり、メガ ソーラーの長寿命化に貢献するだけでなく、施工時の作業負荷を大きく軽減しました。【両面ガラス軽量ソーラーパネル】
三菱電機株式会社が開発した両面ガラス軽量パネルは、耐湿性に優れるガラスを両面に使用することで、長期間にわたりパネルの劣化を抑え信頼性を高めています。さらに、ガラスを薄くて強い「Leoflex」にしたことで、通常の片面ガラスのパネルと比べて 約2割の軽量化を実現しました。【FRP架台】
架台は、軽くて錆びない「プラアロイ」を用い、厳しい環境条件においても高い 耐久性が期待されます。また、架台の一部には、株式会社NTTファシリティーズと 共同開発した施工性の高い新設計の架台を採用し、施工時の作業効率を大きく改善 しました。なお、この新設計の架台は2014年度グッドデザイン賞を受賞しました。
エネ・シードひびき太陽光発電所は、沿岸部に立地するため、塩害によるソーラー パネルの劣化や架台の腐食などが懸念されていました。このような環境下でも、軽量 ガラスやFRPの特長を活かした製品を採用することで、それらの課題を解決し、メガ ソーラーの耐久性と施工性が向上しています。
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関連
・北九州市に20.5MWのメガソーラー竣工、三菱電機製両面ガラス式パネル、TMEIC製パワコン、FRP製架台を採用-----TechOn!、2014/10/15
".....設置した三菱電機製の太陽光パネル約8万1000枚のうち、約半分は、新たに開発した両面ガラス式のパネルを採用した。従来の3.2mm厚のカバーガラスとバックシートの組み合わせではなく、1.1mm厚の旭硝子製の化学強化ガラス「Leoflex」2枚で、太陽電池を挟み込む構造とした。
裏面に樹脂製のバックシートではなく、ガラスを使うことで水分の侵入による劣化のリスクをより小さくし、長期信頼性がいっそう向上する。
また、両面に軽量ガラスを使うことで、パネルの重さは、従来品(普通ガラス+バックシート)の約11.5kg/m2から約9.1kg/m2に約21%も軽くなった。....."
参考
・旭硝子、超軽量ソーラーパネル ライトジュール(TM)、225Wp-重さ9.5kgを販売開始-----ソフトエネルギー、2014/05/26
・三菱電機、両面ガラスの太陽光パネル開発-21%軽く施工費用も軽減-----日刊工業新聞、2014年08月01日
".....量産化技術も確立済みで、旭硝子と西部ガスが北九州市に建設中のメガソーラー「エネ・シードひびき太陽光発電所」(北九州市)に採用された。出力2万キロワットのうち1万キロワット分を供給する。....."
コメント続き
もう廃番となってしまいましたが、表からも、裏からも発電できる日立の両面太陽電池というものがありました。単結晶の通常のセルを両面からガラスでサンドイッチにして、両側から受光できるようにしたものでした。ちゃんとデーターを取り、南北設置だけでなく、東西に垂直に設置した場合でも、発電量がそれほど変わらないということ売りにし、ビルの屋上の手すりなどでの採用を売りにしていました。今回の三菱電機のものも、同様に垂直で使った場合の両面発電も是非試してみたいですねぇ。
20.5MWpのエネ・シードひびき太陽光発電所のこの時点の規模ランキングは、国内12位。20MWp越えでも、メガソーラーのトップ10ランキング入りしないという状況です。
参考2
・垂直設置で発電量を稼ぐ、日立の”両面太陽電池”-----ソフトエネルギー、2005/02/04
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