IHIグループ関連、磁気軸受式100kW級バイナリー発電装置で米ベルデコープ VerdicorpとOEM契約
IHIとIHIプラント建設は、バイナリー発電装置(有機ランキンサイクルシステム : ORC)で多数実績のあるベルデコープ Verdicorp 社とOEM契約を締結しました。ORC(オーガニックランキンサイクル)は、低沸点媒体を熱循環させることで、タービンの作動媒体とする発電システムです。今回のベルデコープのシステムの熱媒は、HFC-245fa(不活性ガス)です。対応する熱源温度は、120~150℃です。最大出力は、100kWです。
バイナリー発電装置は、本年5月20日に施行された電気事業法施行規制の改正により、これまで100℃未満となっていた熱源温度条件が、撤廃されたことで、ディーゼル・ガスエンジンの排熱、ごみ焼却プラントや化学プラントのプロセス熱や排温水など、これまで活用できていなかった100℃以上の低温熱源を利用して発電することが可能となることから、今後、需要の増大が見込まれているということです。また、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギーの分野においても、今後、市場拡大が期待されます。
ベルデコープ社のORC100kW級バイナリー発電装置は、磁気軸受(Magnetic bearing)の採用により摺動部がなく、かつオイルフリーで、作動媒体の劣化や補充が必要ないとのことです。これにより発電ロスを押さえることができるということですから、興味深いパーツを採用していますね。
IHIは、これまでも当ブログでも紹介してきたように、20kWの自社開発の小型バイナリー発電装置を保有しています。こちらも、オーガニックランキンサイクル(ORC)を採用し、70~95℃の温水から発電が可能というものです。
IHIのラインナップの充実により、バイナリー発電はどこまで普及するのでしょうか? IHIは、この製品を2015年3月に販売を開始する予定です。そして、3年間で20台の販売を目指すとしています。
プレスリリース / IHI、2014年9月9日
・磁気軸受式100kW級バイナリー発電装置でVerdicorpとOEM契約 ~エンジン排熱や産業排熱を有効利用、地熱にも適用
-----image : 同リリースより
" IHIとIHIの100%子会社であるIHIプラント建設株式会社(以下、IPC)は、このたび、バイナリー発電装置(有機ランキンサイクルシステム)で多数実績のあるVerdicorp(以下、V社)とOEM契約を締結しました。
本契約により、IHIグループは、米国・欧州を中心に多くの販売実績がある信頼性の高いV社独自開発のバイナリー発電装置について、日本での独占販売および、東南アジアなどでの販売権利を得ました。
今後、実プラントの性能確認テストを行った後、2015年3月に販売を開始する予定で、3年間で20台の販売を目指します。バイナリー発電装置は、本年5月20日に施行された電気事業法施行規制の改正により、これまで100℃未満となっていた熱源温度条件が、撤廃されたことで、ディーゼル・ガスエンジンの排熱、ごみ焼却プラントや化学プラントのプロセス熱や排温水など、これまで活用できていなかった100℃以上の低温熱源を利用して発電することが可能となることから、今後、需要の増大が見込まれています。また、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギーの分野においても、今後、市場拡大が期待されます。
IHIグループでは、これまで数多くのエンジン発電プラント、焼却炉や各種プラントの設計エンジニアリング、建設、保守・メンテナンスを行ってきた実績を有していることから、これまでの経験を活用し、V社製のバイナリー発電装置を用いて、お客様にとって最適な排熱発電システムを提案し、排熱エネルギーを資源として有効利用できるシステムの提供を行っていきます。
また、IHIとV社では、さらに低温で作動可能なバイナリー発電装置の共同開発を進め、広いニーズに応える製品ラインナップを構築していきます。
<100kW級バイナリー発電装置の特長>
・発電機本体は、磁気軸受の採用により摺動部がなく、かつオイルフリーで、作動媒体の劣化や補充が必要ない
・作動媒体は有機不活性ガスを用いており、不燃、無毒で安全性が高い
・作動媒体温度が250℃未満で、ボイラ・タービン主任技士の選任が不要<主な仕様>
・最大出力:100kW以上(NET)
※出力値は、熱源、冷却源により変わります。
・作動媒体 : HFC-245fa(フルオロカーボン)
・熱源温度 : 120℃~150℃
・系統連系機能 : 有り(低圧連系)
.......... "
関連
・IHIプラント建設バイナリー発電装置
" パッケージ仕様項目 仕様
発電方法 ラジアルタービン/PM高速発電機
作動媒体 HFC-245fa(不活性ガス)
寸法 W:1,500×L:1,700×H:2,200mm
熱源温度 120~150°C
最大出力 113kW(Gross) "
・Verdicorp Organic Rankine Cycle Turbine
-----image(”Verdicorp VTA085 Air-cooled ORC Turbine”) : 上記サイトより
参考エントリー
・IHI、長野県七味温泉ホテル向け20kWの小型バイナリー発電装置を温泉利用向けに受注-----ソフトエネルギー、2014/01/23
・IHI、福島でバイオマスボイラーと併用の20kW小型バイナリー発電装置を受注。茨城でも焼却炉に1台-----ソフトエネルギー、2014/01/15
・地熱発電(廃棄熱発電等用)小型バイナリー発電ユニット カタログ
参考ツィート
・Twilog : #binary(世界のバイナリー発電の話題)
・Twilog : #binary #renewjapan(日本のバイナリー発電の話題)
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