日立化成、従来比1.5倍の高率放電が可能な電力貯蔵用新型鉛蓄電池を開発。低価格化を実現
日立化成は、より安価なシステムの運用を可能にする、従来比1.5倍の高率放電が可能な新型鉛蓄電池「LL1500-WS」を開発しました。
日立化成グループは、電力貯蔵用鉛蓄電池の技術をベースに、2009年に期待寿命17年という業界で最も長寿命な風力発電の出力変動緩和用サイクル長寿命鉛蓄電池「LL1500-W」を開発し、これまでに日本国内では風力発電所や事業所向けに8件の納入実績があります。そして今回開発した、「LL1500-WS」は、その導電部を改良し端子本数を3倍に増やすことで、期待寿命17年を保持しながら単電池の最大放電電流を従来品の600Aから、1.5倍の900Aに高めた製品となっています。
これにより、1MWで1時間放電するシステムの場合、従来品(LL1500-W)比で蓄電池価格は約12%、蓄電池の設置スペースは約16%、蓄電池質量は約15%の低減が可能。そして、1MWで0.5時間放電するシステムの場合、従来品(LL1500-W)比で蓄電池価格は約28%、蓄電池の設置スペースは約28%、蓄電池質量は約31%の低減が可能だということです。少ない単電池数で高い放電電流を得ることにより、従来の単電池数を増やして高い放電電流を得る方法に比べ、導入コストの低減が可能となりました。また、蓄電池設置スペース・質量においても従来比で低減することができます。
電力用の蓄電池の中で、より安価な鉛蓄電池が利用できることは、蓄電池の導入によりコストが上昇することをいくらか和らげることができます。期待寿命も25℃環境下で17年相当する、放電深度70%で4,500サイクルとまずますの値です。電力貯蔵用途向け蓄電池の開発の中で、まだまだな鉛蓄電池の活躍の場がありそうです。
プレスリリース / 日立化成、2014年9月2日
・従来比1.5倍の高率放電が可能な新型鉛蓄電池「LL1500-WS」を開発
-----image(”LL1500-WS(新製品)とLL1500-W(従来品)の比較”) : 同リリースより
" 出力変動緩和用途、電力貯蔵用途向け蓄電池の導入コストの低減が可能日立化成株式会社(本社:東京、略、以下、日立化成)は、このたび、再生可能エネルギー用蓄電システム向けの鉛蓄電池として、当社従来品に比べ放電電流を1.5倍高めた「LL1500-WS」を開発しました。2014年9月3日より販売を開始します。
日立化成グループでは電力貯蔵用鉛蓄電池の技術をベースに、2009年に期待寿命(*1)17年という業界で最も長寿命(*2)な風力発電の出力変動緩和用サイクル長寿命鉛蓄電池「LL1500-W」を開発し、これまでに日本国内では風力発電所や事業所向けに8件の納入実績があります。
風力発電など再生可能エネルギーの出力変動緩和用途の場合、蓄電池の放電容量のほか、瞬間的な大きな変動にも対応することが求められます。より高い放電電流を実現するためには、蓄電池容量を大きくする必要があり、導入コストが高くなる課題がありました。従来品LL1500-Wは、単電池の最大放電電流が600Aでした。このたび、その導電部を改良し端子本数を3倍に増やすことで、期待寿命17年を保持しながら単電池の最大放電電流を従来比1.5倍の900Aに高めた新製品LL1500-WSを開発しました。再生可能エネルギーの出力変動緩和や、負荷平準化(ピークカット等)と非常時バックアップ併用など、瞬間的に出力が変動する用途において少ない単電池数で高い放電電流を得ることができ、従来の単電池数を増やして高い放電電流を得る方法に比べ、導入コストの低減が可能となりました。また、蓄電池設置スペース・質量においても従来比で低減することができます。
【LL1500-WSの開発ポイント】
(1)端子本数を正極3本/負極3本の構造(従来は各1本)にすることで、端子部の断面積を約25%増加させました。
(2)蓄電池内部の極板を並列接続している鉛溶接部の電流密度を1/3としました。
(3)端子部の断面積増加と鉛溶接部の電流密度の減少により、放電時の当該部分の発熱や電圧降下を抑制し、従来比1.5倍の電流での放電が可能となりました。【新製品の効果(LL1500-WSの導入比較例)(*3)】
1MWで1時間放電するシステムの場合、従来品(LL1500-W)比で蓄電池価格(*4)は約12%、蓄電池の設置スペースは約16%、蓄電池質量は約15%の低減が可能。
1MWで0.5時間放電するシステムの場合、従来品(LL1500-W)比で蓄電池価格(*4)は約28%、蓄電池の設置スペースは約28%、蓄電池質量は約31%の低減が可能。
*1 期待寿命とは一定環境下、日立化成の指定充放電でのベンチ試験における寿命
*2 2014年8月末時点 自社調べ
*3 仕様や導入の条件等により、効果が異なる場合があります
*4 蓄電池のみの販売価格であり、設置工事費用は含んでおりません
........... "
関連
・日立化成 : 産業用鉛蓄電池 / 制御弁式据置鉛蓄電池 電力貯蔵用(風力発電向け) 「LL-Wシリーズ」
-----image : 上記サイトより
" LL1500-W-8
公称電圧 (2V*4直組電池) 8V
定格容量(0.1CA放電容量) 1500AH
公称容量 12000Wh
473 * 799 *506 mm
約477kg
最大放電電流 600A
最大充電電流 300A
期待寿命 17年 "
参考
・日立と新神戸電機、鉛電池とキャパシター一体化の蓄電システム開発-----日刊工業新聞、2011年8月30日
・新神戸電機 : 制御弁式据置鉛蓄電池 電力貯蔵用(風力発電向け) 《LL-Wシリーズ》
[ カテゴリー : 電力変換/蓄電、蓄熱、水素など ]
ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。
greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2-----しなやかな技術研究会 まとめ
[PR]
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント