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京都大学とシャープ、超長寿命2次電池開発に光。25000サイクル寿命実現へ!!

 京都大学の田中功 工学研究科教授、田中勝久 同教授、藤田晃司 同准教授らのグループは、西島主明 シャープ研究開発本部主任研究員らのグループとの産学共同研究により、新規の材料設計手法により従来のリチウムイオン電池の寿命を6倍以上に達成できる材料開発に成功したと発表しました。具体的には、リチウムイオン二次電池の正極材料の開発手法と合成方法により、毎日1回の充放電で70年に相当する、従来品の約6倍となる25000サイクルを実現できる材料を開発したものです。

 今回の開発手法は、実験によってあらかじめ得られた構造などの知見に頼ることなく、量子力学の原理のみに基づいて原子構造や特性を予測する「第一原理計算」というもので、近年の計算機の進歩により、膨大な計算をより手軽に実施できるようになったことにより可能になりました。この最適な化学組成を効率的に見つけ出す手法が確立されれば、今回の成果だけでなく、あらゆる材料の予測・発見、そして開発へと時間と労力を削減できる可能性があるということです。
 そして、合成方法は、環状エーテルを使ったゾル-ゲル法というもので、これまでの原料粉末を混合して合成する固相法に比べよりダイナミックな合成が可能になります。今回は、環状エーテルの一種であるプロピレンオキシドを用い、ゾル(溶液)の pH を調整してゲル化(固体化)することで,各元素が原子レベルで均一に分散された状態の前駆体を得て、それを熱処理するだけで所望の材料を合成することに成功しました。この手法は汎用性が高く。今後,様々な系での物質合成に応用できると期待されるということです。
 そして得られたリチウムイオン二次電池の正極材料を分析した結果、25000サイクル寿命という超長寿命2次電池開発に光をもたらす材料の合成が確認されました。今後は、超長寿命リチウムイオン電池を大型蓄電池に応用するための要素技術の開発が進められます。商品として、25000サイクル寿命という大容量蓄電池が電力用に開発されれば、それは再生可能エネルギーの未来に大きな福音になります。今後の研究成果に期待したいです。

 なお、今回の成果は英国科学誌「Nature Communications」に Accelerated discovery of cathode materials with prolonged cycle life for lithium-ion battery(和訳 長寿命リチウムイオン電池正極材料の加速された発見)
というタイトルで掲載されました。

プレスリリース / 京都大学、2014年7月30日
革新的材料設計手法により超長寿命2次電池開発に成功 -多数の高精度計算データを活用して材料開発を大幅に加速

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-----image(”図:LiFePO4の原子の一部を他の元素で置換した場合の体積変化の計算結果の一例。上部の長方体の各面に記載されている原子は、Liの置換元素(赤)、Feの置換元素(緑)、Pの置換元素(水色)を示しています。”) : 同リリースより

" 田中功 工学研究科教授、田中勝久 同教授、藤田晃司 同准教授らのグループは、西島主明 株式会社シャープ研究開発本部主任研究員らのグループとの産学共同研究により、新規の材料設計手法により従来のリチウムイオン電池の寿命を6倍以上に達成できる材料開発に成功しました。この成果は蓄電池の寿命を大幅に延長するにとどまらず、多数の高精度な計算データを活用したマテリアルズ・インフォマティクス手法により、実際の材料開発が大幅に加速できることを実証したもので、この分野の先駆けとなる成果と位置付けることができます。

 本研究成果は、英国の科学誌「Nature Communications」誌に8月1日に出版されました。
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ポイント
・多数の高精度計算データを活用して材料のハイスループット・スクリーニングに成功
・計算による的確な物質設計に基づき、新合成手法でリチウム2次電池正極材料の精密な合成に成功
・電池特性実験の結果、超長寿命を実証。予測される電池寿命は、従来品の約6倍となる25000サイクルであり、これは毎日1回の充放電で70年に相当
・計算と実験を組み合わせた革新的手法は、効率的な材料探索に極めて有用と強い期待

概要
 本研究の対象は、リチウムイオン二次電池の正極材料です。リチウムイオン二次電池は、携帯電話をはじめとするポータブル機器の電源として広く利用されており、電気自動車や再生可能エネルギーの蓄電など大型機器への応用研究も精力的に進められています。携帯電話の電池が数年程度のサイクル寿命で設計されているのに対し、大型機器では、毎日の充放電で少なくとも数十年というサイクル寿命が求められます。この要求に応えるためには新しい技術要素の開拓が必要であり、各国で研究開発にしのぎが削られています。

 しかし、従来型の材料開発では、研究者の勘と経験に基づき試行錯誤的に多くの合成と評価の実験を繰り返して行なわざるを得なかったため、最適な化学組成の探索がボトルネックとなっていました。今回の研究では、量子力学の原理のみに基づいて原子構造や特性を予測することが可能な「第一原理計算」を数千種類という、多数かつ高精度に実施し、そのデータを活用してハイスループット・スクリーニングすることで、最適な化学組成を効率的に見つけ出す手法が開発されました。その結果、材料開発の効率が大幅に向上できました。
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3)電池のサイクル特性
 このようにして得られた新材料を正極とし,負極と電解質は通常材料を用い,アルミ・ラミネート中に封入することでリチウムイオン電池を作成し,電池のサイクル特性を評価しました.比較のために,固溶元素を無添加のリチウム鉄リン酸塩を正極とした電池も作成し,同じ条件にて充放電サイクル特性を評価しました.(図4)
 今回開発した新材料を正極として使用した電池(Cell A)は,無添加正極の電池(Cell B)に比べ,サイクル寿命が約 6 倍になることがわかりました.容量が 70%に減少する充放電サイクル回数は約 25000 回と予測できます.これは,毎日1回の充放電で,約 70 年間繰り返し使用できることに相当します.
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Sharp_kyouto_univ_renewbattery_cycl
.......... ”-----同リリース添付書類、「詳しい研究内容について(PDF) 革新的材料設計手法により超長寿命2次電池開発に成功 -多数の高精度計算データを活用して材料開発を大幅に加速-」より
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関連
Accelerated discovery of cathode materials with prolonged cycle life for lithium-ion battery-----Nature,Published 01 August 2014

京大とシャープ、リチウム電池の寿命を6倍以上に延ばす新材料を開発-----日刊工業新聞、 2014年08月04日

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物質の原子構造をコンピューターで網羅的に計算することで新材料を探索する研究手法を確立し、実証した。電池以外の材料開発も100倍以上に効率化できる。
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