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環境省、秋田県の42MW山葵沢地熱発電所の”環境アセス”に対する環境大臣意見を発表

 環境省は、秋田県湯沢市で計画されている、42MW山葵沢地熱発電所(仮称)の”環境アセス”、環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出しました。
 本件は、「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議中間報告」(平成24年11月27日、環境省・経済産業省)に基づき、審査期間の短縮に取り組むこととした案件となり、環境影響評価法の改正後、初めての対象事業となります。環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の地熱発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書について、経済産業大臣からの照会に対して意見を述べることができます。
 これらを背景に、環境大臣意見の具体的な内容は、
 一般的には地熱発電は再生可能エネルギーの普及に資するものであるが、自然環境等の改変が最小限となるよう配慮されていなければならないとし、
(1)生産井や還元井をできる限り長期間維持し、補充井の掘削等が最小限とすること
(2)生産井や冷却塔等からの噴気等による人及び植物への影響を監視し、影響が確認された場合には適切な措置を講じること
(3)温泉への影響を監視し、その結果を関係者と共有するとともに、影響が確認された場合には適切な措置を講じること等を求めています。
 また、動植物への影響他、今後追加すべき情報が発生したときには、公表し検討に付すことが義務付けられています。

 今後、事業者(湯沢地熱株式会社)は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けて作成・提出される経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められることなります。
 今回の当初の計画は、工事開始が2015年(平成27年)の予定で、運転開始が2020年(平成32年)の予定です。手続きが短縮されたといえ計画(平成23年11月)から9年かかります。現在計画されている比較的大きな規模の地熱発電所建設計画の中で、今回の42MW山葵沢地熱発電所がもっとも早いものとなります。他の計画も進み、地熱発電が新たに数字として積みあがるには、2020年代の半ばまで待たねばなりません。
 太陽光発電とはことなり、時間のかかる地熱発電所建設計画。だからこそ、慎重に手続きを進める必要があるともいえます。確実に積み上げるために。


プレスリリース / 環境省、平成26年7月28日
山葵沢(わさびさわ)地熱発電所(仮称)設置計画に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について

" 環境省は、28日、秋田県で実施予定の「山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画」(湯沢地熱株式会社)に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、総出力42,000kWの地熱発電設備を秋田県湯沢市に新設するもので、地熱発電所として環境影響評価法の施行後、初めての対象事業である。
 このため、環境大臣意見では、一般的には、地熱発電は再生可能エネルギーの普及に資するものであるが、自然環境等の改変が最小限となるよう配慮されていなければならないとした上で、(1)生産井や還元井をできる限り長期間維持し、補充井の掘削等が最小限とすること、(2)生産井や冷却塔等からの噴気等による人及び植物への影響を監視し、影響が確認された場合には適切な措置を講じること、(3)温泉への影響を監視し、その結果を関係者と共有するとともに、影響が確認された場合には適切な措置を講じること等を求めている。

1.背景
 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の地熱発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を述べることができるとされている。

 本件は、湯沢地熱株式会社の「山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画」に係る環境影響評価準備書について、この手続に沿って意見を提出するものである。

 今後、事業者は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けて作成・提出される経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

※環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

2.事業の概要
 本事業は、秋田県湯沢市に、総出力42,000kWの地熱発電設備を新設するものである。

 本事業の事業実施区域の周辺には、ブナクラス域の自然植生やスギ等の植林地で覆われた森林地帯であり、トクホウサンショウウオ等の希少な両生類が生息している。また、周辺には秋ノ宮温泉郷や川原毛地獄などが存在する。

3.環境大臣意見の概要(詳細は別添1参照)
 環境大臣意見の概要は、以下のとおりである。なお、環境大臣意見のとりまとめに当たっては、神奈川県温泉地学研究所の板寺専門研究員から助言をいただいた。(別添2参照)

【1】総論
 本事業は、地熱発電所として環境影響評価法の施行後初めての対象事業であり、本事業により得られる知見は今後の地熱発電の普及に向けて極めて有用なものとなることが期待される。一方で、本事業による環境影響については、未だ解明されていない点もあることから、事業実施に当たっては、事業実施に当たっては、以下の取組を行うこと。
 ・環境監視を適切に実施し、必要に応じて、追加的な環境保全措置を講じること。           
 ・追加的な環境保全措置の具体化に当たっては、客観的かつ科学的に検討するとともに、その検討結果等を公開し、透明性及び客観性を確保すること。 
 ・追加的な環境保全措置を講じたときは、実施結果及び措置の効果等をとりまとめ、公表すること。

【2】各論
(1)生産井及び還元井の維持管理について
..........
(2)冷却塔等から排出される硫化水素による影響対策について
..........
(3)温泉への影響対策について
 ・温泉への影響が確認された場合には、温泉への影響を回避する適切な措置を講じること。
 ・環境監視の結果を、地元温泉関係者等に情報提供するとともに、影響が確認された場合の対応について地元関係者と協議し認識共有を図ること。

(4)冷却塔から排出される水蒸気による樹木への着氷影響対策について
..........
(5)植物の移植について
..........
(6)夜間の坑井掘削工事の照明による野生動物への影響対策について
..........
(7)工事用車両の通行に伴う騒音・振動による生活環境への影響対策について
..........

4.その他
 本件は、「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議中間報告」(平成24年11月27日、環境省・経済産業省)に基づき、審査期間の短縮に取り組むこととした案件である。

[参考]
○事業概要
・名 称 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画
・事 業 者 湯沢地熱株式会社
・計画位置 秋田県湯沢市高松宇高松沢及び秋ノ宮字役内山国有林内 
・出  力  42,000 kW

○環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)

【方法書の手続】
・縦覧 平成23年11月8日~平成23年12月7日(住民意見0件)
・経済産業大臣勧告  平成24年3月30日

【準備書の手続】
・縦覧 平成26年4月1日~平成26年5月1日(住民意見11件)
・環境大臣意見提出  平成26年7月28日

付資料
別添1 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画環境影響評価準備書に対する環境大臣意見[PDF 19.9 KB]
別添2 個別助言委員意見聴取記録簿[PDF 18.8 KB]
.......... "

関連
湯沢地熱株式会社 / プレスリリース

Akita_wasabisawa_42mw
-----image(”山葵沢地熱発電所(仮称)の設備概要、山葵沢地熱発電所(仮称)完成予想図、山葵沢地熱発電所(仮称)設備の概念図”) :上記サイトより、 「山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書のあらまし」から

"・「湯沢地熱株式会社 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書」の届出・送付および縦覧・説明会について
 (添付資料)湯沢地熱株式会社 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書のあらまし

資料
・山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書の閲覧は、平成26年5月15日をもって、終了しております。
 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価準備書のあらまし

・山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価方法書の閲覧は、平成23年12月21日をもって、終了しております。
 山葵沢地熱発電所(仮称)設置計画 環境影響評価方法書のあらまし"

秋田県湯沢市山葵沢・秋ノ宮地域での地熱発電所新設計画に係る環境影響評価手続きの開始について-----電源開発、(三菱マテリアル、三菱ガス化学)、平成23年11月07日

"..........
2. 地熱発電所計画の概要

位置図

名称 : 山葵沢地熱発電所(仮称)
事業主体 : 湯沢地熱株式会社
資本金 : 389百万円
出資比率 :
電源開発(株) 50%
三菱マテリアル(株) 30%
三菱ガス化学(株) 20%
発電出力 : 42,000kW級
計画地点 : 秋田県湯沢市高松字高松沢及び
役内字役内山国有林内
工事開始 : 2015年(平成27年)予定
運転開始 : 2020年(平成32年)予定
.......... "

経済産業省 : 発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議

追加情報
JOGMECは、秋田県湯沢市の大規模地熱発電事業(42MW)に対し債務保証を実施。いよいよ建設へ-----ソフトエネルギー、2015/01/30


関連エントリー
電源開発、三菱マテリアル、三菱ガス化学の三社、秋田県湯沢市に「湯沢地熱株式会社」を設立。3社共同で地熱調査・事業化を推進-----ソフトエネルギー、2010/04/14

発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議 中間報告より 平成 24 年 11 月 27 日 より 風力・地熱関連情報-----自然エネルギー、2013/05/18


参考エントリー
石油資源開発ら3社、北海道標津町において地熱構造試錐井の掘削作業を開始-----ソフトエネルギー、2013/08/26

環境省、風力発電等に関する、環境アセスメント環境基礎情報データベースシステムを仮公開-----ソフトエネルギー、2013/12/29

日本は世界第三位の地熱エネルギー大国。経産省、地熱発電促進で国立公園からの利用も提案?-----ソフトエネルギー、2009/05/18



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投稿: Walker | 2021/10/07 02:38

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