東芝、インドネシアの330MWサルーラ地熱発電所向けに蒸気タービンと発電機3セットを受注
東芝は、インドネシア北スマトラ州で建設・運営される世界最大級の330MWインドネシア・サルーラ地熱発電所建設プロジェクト向けに発電設備を受注しました。受注したのは発電設備の主要機器である60MW地熱蒸気タービン・発電機3セットです。330MWサルーラ地熱発電所は、蒸気と熱媒によるバイナリー発電の複合利用による、地熱複合サイクル発電(GCCU: Geothermal Combined Cycle Units) です。この水蒸気利用部分に相当します。3セットとは、今年着工し、2016年 第1期操業開始 110MW、2017年 第2期操業開始 110MW、2018年 第3期操業開始 110MWの三期分ということになります。熱媒によるバイナリー発電側にも、別途50MW3セットが別途用意されます。
このプロジェクトは、北スマトラ州サルーラ地区に、3期合計330MWの地熱発電所を建設するもので、伊藤忠商事、九州電力、インドネシアのメドコ・パワー・インドネシア社、米国のオーマット・インターナショナル社(Ormat International ,Inc.)の共同出資会社であるサルーラ・オペレーションズ社(Sarulla Operations Ltd. : SOL)が開発事業者となっています。このSOLから、EPC契約を受注しているのが現代建設です。東芝は、この現代建設に、2015年7月から順次納入する予定です。
東芝のリリースによれば、インドネシアは約28,000MW相当の地熱資源量を有する、世界第2位の地熱資源国です。しかし、地熱発電の活用は約1,300MWに留まっているということです。インドネシア政府は、2025年までに約12,000MWまで地熱を拡大する計画を推進しています。今回の、330MWインドネシア・サルーラ地熱発電所建設プロジェクトは、この計画の中でも大きなものだということです。
肝心の地熱がカウントされていません(おそらく数字が小さい)が、power-technologyの関連記事によれば、2009年の電力構成は、石油が45.1%、ガスが26.7%、石炭が24%で、水力が2.3%ということです。この状況を変え、化石燃料への依存を下げるために、注目されたのが豊富な地熱ということになります。今回のプロジェクトは、現在の同国の総発電設備容量の約1%に相当する規模であるということです。
プレスリリース / 東芝、2014年07月16日
・インドネシア・サルーラ地熱発電所向けに発電設備を受注
-----image(”地熱発電用蒸気タービン(イメージ)”) : 同リリースより
" .....インドネシア北スマトラ州で建設・運営される世界最大級のインドネシア・サルーラ地熱IPPプロジェクトにおける発電所向けに発電設備を受注しました。今回受注したのは発電設備の主要機器である60メガワット地熱蒸気タービン・発電機3セットで、機器性能、信頼性が評価されたものです。本プロジェクトのEPC契約者である現代建設に2015年7月から順次納入する予定です。同プロジェクトは、北スマトラ州サルーラ地区に、現在の同国の総発電設備容量の約1%に相当する出力合計330メガワットの地熱発電所を建設するもので、伊藤忠商事株式会社、九州電力株式会社、インドネシアのメドコ・パワー・インドネシア社(PT Medco Power Indonesia)、米国のオーマット・インターナショナル社(Ormat International ,Inc.)の共同出資会社であるサルーラ・オペレーションズ社(Sarulla Operations Ltd.、以下SOL)が開発事業者となり、現代建設がSOLからEPC契約を受注しています。
インドネシアは約28,000メガワット相当の地熱資源量を有するといわれる世界第2位の地熱資源国である一方、地熱発電の活用は約1,300メガワット 注1 に留まっています。インドネシア政府は電力エネルギー源の分散化の一環として、IPP事業を含め、2025年までに約12,000メガワット注2まで地熱発電量を拡大することを計画、推進しており、インドネシア最大の援助国である日本政府による円借款事業を含む多数の地熱発電案件が計画されています。
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注1 出典;Geothermal Energy Association 2013 Geothermal Power: International Market Overview
注2 出典;NEDO再生可能エネルギー技術白書第2版
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関連
・インドネシアにおけるサルーラ地熱IPP案件の長期売電契約締結-----伊藤忠商事、2013年4月4日
"..........インドネシアは世界の地熱源の4割が集中する世界最大の地熱源保有国であり、同国は地熱を戦略的な電力源として位置付けています。2010年に策定した第2次10,000MW電源開発促進プログラムにおいてはその4割相当(4,000MW規模)を地熱発電で賄うという方針を打ち出しています。本件は単一開発契約としては世界最大規模の地熱発電IPP(独立発電事業)であり、本プログラムの中核をなすプロジェクトです。
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・Sarulla Consortium Reached Financial Closing under the $1.17 Billion Financing Agreements for 330 MW Sarulla Geothermal Project in Indonesia-----Ormat Technologies,May 23, 2014
・The 330 MW Sarulla Geothermal Power Project in Indonesia Signed Project Agreements-----Ormat Technologies,April 4, 2013
・Sarulla Geothermal Power Project, Indonesia-----power-technology.com
・Asian Development Bank : Sarulla Geothermal Power Generation Project
・Medco Power : Sarulla
・Ormat Technologies : Geothermal Power / Combined Cycle Units Geothermal Power Plants (GCCU : Geothermal Combined Cycle Units)
-----image : 上記サイトより
".....
How It Works
For high-pressure steam-dominated resources, a geothermal combined cycle plant uses both a steam turbine and a binary cycle ORMAT® ENERGY CONVERTER
The high-pressure steam from the separator drives a back pressure turbine, the most efficient use of steam at this stage in the cycle.
The low-pressure steam exits the turbine at a positive pressure and flows into the vaporizer of a bottoming ORMAT® ENERGY CONVERTER (OEC).
The heat of condensation of the low-pressure stream is used to vaporize the organic motive fluid and the expansion of these vapors drives the organic turbine.
The organic vapors are then condensed and pumped back into the pre-heater and the geothermal fluid is re-injected.
Since the steam pressure in the vaporizer remains positive, the non-condensable gases (NCG) can simply be vented without any loss of power.
The steam condensed in the OEC heat exchangers is re-injected as condensate to the reservoir.
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コメント続き
円借款もあり、日本の企業はインドネシアの地熱開発に数多く取り組んでいます。インドネシアのポテンシャルが世界第二位だとすれば、日本は三位です。以前は、インドネシア、アメリカ、日本の順でしたが、アメリカ、インドネシア、日本の順になったようです。
しかし、利用のほうは日本は世界第五位あたりにいます。今後の世界、そして日本の取り組みがどのようになるのか? もっと注目を集め、議論を深めたい分野です。
・日本は世界第三位の地熱エネルギー大国。経産省、地熱発電促進で国立公園からの利用も提案?-----ソフトエネルギー、2009/05/18
参考エントリー
・住友商事と富士電機ら、インドネシアの35MW カモジャン地熱発電所5号機 建設工事を受注-----ソフトエネルギー、2013/10/08
・住友商事、インドネシアで55MW2基のウルブル地熱発電所の工事を完工-----ソフトエネルギー、2012/11/08
・丸紅、東芝製システムによりインドネシアで約55MWのパトハ地熱発電所1号機を建設へ-----ソフトエネルギー、2011/12/16
・Twilog @greenpost : #renewindonesia
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