国の中小水力発電開発事業の平成26年度交付先、「継続」8件を発表
経済産業省が、中小水力発電開発事業を支援する目的で補助を実施している「平成26年度中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)」の交付先、継続8件が発表されました。内5事業は、水力発電所の運転開始時期が見通せないもので、あの群馬県の八場が入っています。
運転開始時期が見通せるのは、2016年5月に運開予定の、津軽 つがる 発電所(東北電力 8,500kW 青森)、平成26年度(2014)でまもなくの、新甲佐 しんこうさ 発電所(九州電力 7,200kW 熊本)、そして2017年のサンル発電所(ほくでんエコエナジー 1,100kW 北海道)の三事業です。
水力発電は、計画から運転開始まで長い時間と仕込みのいる事業です。環境に適切に配慮し、住民の合意を得て行われる事業であってほしいと思います。今回検索してみて、いろいろな経過があり、正直複雑な思いをもった事業もいくつかあります。費用対効果、環境への配慮などがその疑問の根拠です。
また、作ったら作ったで、地方財政や少子高齢化、都市に偏る人口の動態を考えると、長期にわたる未来設備を維持するコストをどう負担していくのかなど、頭の痛い問題もあります。
・成瀬 なるせ 発電所建設事業 秋田県 3,900kW
参考 - 湯沢河川国道事務所 : 成瀬ダム建設事業及び利水事業の概要
- 成瀬ダム工事事務所
"工期 昭和58年度から平成36年度までの予定
建設に要する費用の概算額 約1,530億円"
・胎内 たいない 第四発電所建設事業 新潟県 2,600kW
参考 - 新潟県企業局 : 胎内第四発電所
" 平成30年の運転開始を予定
図面
・奥胎内ダム・胎内第四発電所平面図
・胎内第四発電所平面図
・奥胎内ダム・胎内第四発電所水路構造図 "(予算情報見つからず、、、。MEMO : 新潟県企業局 胎内第一発電所)
・八場 やッんば 発電所建設事業 群馬県企業局 11,700kW
参考- 平成26年度企業局当初予算について
"(1)水力発電所の新規開発・調査
水力発電として田沢発電所や送水落差を利用した新田水道発電所の建設を進めるとともに、八ッ場発電所の建設準備にも取りかかります。田沢発電所建設(桐生市(旧黒保根町)) 1,060,000千円
新田水道発電所建設(太田市(旧新田町)) 84,920千円
八ッ場発電所建設(長野原町) 193,778千円
新規開発地点の調査 50,000千円"
(「(3)建設事業の概要
八ツ場発電所は八ツ場ダム本体の完成に合わせ、平成27年度、新利南発電所は平成23年度の運転開始を予定している。」-----群馬県 【公営企業の概要】第2章電気事業より )
・平瀬 ひらせ 発電所建設事業 山口県企業局 1,100kWh
参考 - 山口県サイト内検索 - ”平瀬発電所” - 事業評価 2007年 11月 13日
"総事業費 計画額 783,131(千)円
着工 H22年以降"(ダム関連道路工事中)
- 平瀬ダム
・新桂沢 しんかつらざわ 発電所建設事業 電源開発 16,800kW 北海道
参考 - Wikipedia : 桂沢ダム
"国土交通省北海道開発局が管理する多目的ダム。北海道で初めて建設された多目的ダム..........
桂沢発電所(15,000kW)..........
新桂沢ダム
.....新桂沢ダムは桂沢ダムを12.4m嵩上げし、高さ76.0mのダムとして再開発する計画.....着工年/竣工年 1985年/未定.........."
- 「国土交通省 3. 検証対象ダムの概要 - 札幌開発建設部 - 国土交通省」より(新桂沢ダムの予算)
".....3.1.6 建設に要する費用
建設に要する費用の概算額は、約 835 億円である。 ....."
・津軽 つがる 発電所建設事業 東北電力 8,500kW 青森
参考 - 津軽発電所の本格工事の開始について-----東北電力、平成23年12月 1日
".....平成23年7月より、津軽発電所(出力8,500kW、青森県中津軽郡西目屋村)建設のための建設所を開設し、建設準備を進めておりましたが、工事開始の準備が整ったことから、本日、本発電所の本格工事を開始.....平成28年5月の営業運転開始を目指し....."
- 青森県 津軽ダムとは
・新甲佐 しんこうさ 発電所建設事業 九州電力 7,200kW 熊本
参考 - 「九州電力 平成 22 年度 経営計画の概要」より
"新甲佐発電所(熊本県)の開発※(出力 7,200kW、平成26年度運開予定) 着工H 24年6月-新甲佐発電所新設に関連して、既設甲佐発電所3,900kW)を廃止(H24 年6月)"
・サンル発電所建設事業 ほくでんエコエナジー 1,100kW 北海道
参考 - 国土交通省 : サンルダム - 目的 - 発電
"付替道路工事の進捗状況
サンルダム建設事業では、平成11年に道道下川雄武線の付け替え工事に着手し、平成24年10月31日に全線供用を開始しています。"
"・サンルダムの事業費
15)事業費530億円は守れるのか。増えた場合にどのように対応するのか。[PDF:12kb]
16)地元の負担金を示して頂きたい。[PDF:11kb]"-----Q&Aより
"下川町サンル地点 (1,100kW、2017 年度運開) "-----「経営計画の概要(2013年度) - 北海道電力」より
今回補助の対象となった事業は、いずれも比較的大きな規模の水力発電所です。最近計画されるようになった1000kW以下のものや、さらに小さなものは、今後の主流とされています。今後は、こうした比較的大きな規模の水力発電所事業の推進は、ますます難しくなります。とはいえ、「水力発電を巡る状況について 電力・ガス事業部 電力基盤整備課 平成20年1月21日(経済産業省、資料)」という資料によると、1,000~3,000kWが最もの開発ポテンシャルが高いとされています。今後は、この規模の水力発電所の開発が進むのかどうか? いかに進められるのかについて、注目していきたいと思います。
プレスリリース / 新エネルギー導入促進協議会、平成26年6月20日
・平成26年度中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)に係る交付先決定について
"一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(以下、「NEPC」という)では、平成26年度事業として「中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)」に係る公募を実施し、下記のとおり補助金交付先を決定いたしました。
件名
平成26年度「中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)」に係る交付先決定について事業の概要
安定的かつ適切なエネルギーの需給構造の構築を図るため、環境負荷の小さい純国産エネルギーである水力の開発を積極的に推進していく必要がありますが、中小水力発電は開発地点の小規模化・奥地化に伴い建 設単価が増大し、発電原価が割高になる等の課題があります。
このため、経済性の劣る中小水力発電施設の設置等に要する建設費の一部を補助することにより初期発電原価を引き下げることで開発の促進を図り、再生可能エネルギーの開発及び導入に資することを目的として、建設費の一部を補助するものです。 その対象は「水力発電施設の設置等事業」と「水力発電施設の設置等に係る新技術の導入事業」の2事業に区分されます。補助率は、前者の場合は中小水力発電施設の設置等に要する費用の10~20%(特例で10%割増有)、後者の場合は最大で新技術導入補助対象部分の50%となっています。
また、近年、台風等による異常出水により、水力発電施設の損壊が生じていますが、こういった事業者等の責に帰することができない損壊の復旧に伴って水車・発電機等の改造を行い、出力が増加する場合についても、本補助金交付の対象としています。補助金交付先
平成26年4月14日から5月22日の公募期間中に申請があった事業8件を対象として、外部の有識者からなる採択審査委員会(委員長:日本大学 教授 野村 卓史)及びNEPCの厳正な審査を経て、全件を補助金交付先とすることに決定しました。補助先は交付先一覧(別紙)のとおりです。
交付先一覧(中小水力)【添付資料(PDF 119KB)】の通りです。
.......... "
関連
・中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業及び地熱発電開発事業)に係る補助事業者の公募について-----経済産業省、平成26年2月14日
・平成26年度中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業及び地熱発電開発事業)に係る補助事業者の公募結果について-----経済産業省、平成26年3月24日
MEMO
-----image(”包蔵水力調査結果。出所:資源エネルギー庁調べ(平成19年3月31日現在)”) : 「水力発電を巡る状況について 電力・ガス事業部 電力基盤整備課 平成20年1月21日(経済産業省、資料)」より
[ www.meti.go.jp/committee/materials/
downloadfiles/g80121a04j.pdf ]
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