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2013年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本2.2%

 2013年度の総発電電力量に占める、再生可能エネルギーの割合は2.2%だったということです。2012年度が1.6%だったので、順当なのびを示しています。ちなみに、2011年度は1.4%でした。2012年7月から開始された再生可能エネルギーの固定価格買取制度の成果ですが、今のところ大部分が太陽光発電によるものですので、今後の制度の運用と”見直し”内容が今後の動向の大きな鍵となります。
 経済産業省は、平成26年6月17日に新エネルギー小委員会の第一回会合を開き、議論する上での論点整理を開始、年内にも見直しとしてまとめるようです。抜本的な解決と運用方法となることが期待されます。

経産省、新エネルギー小委員会第一回会合を開催。再エネ導入制度の抜本的見直しとは?-----ソフトエネルギー、2014/06/17


 この経産省、新エネルギー小委員会で公開される資料は必見です。第一回の公開資料からいくつか図をひろっておきます。
 ”2012年の発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合の国際比較”では、


 ドイツ   水力 3.5 % + 再生可能エネルギー(水力を除く) 18.9 % = 合計 22 %
 スペイン 水力 7.0 % + 再生可能エネルギー(水力を除く) 22.5 % = 合計 30 %
 イギリス 水力 1.5 % + 再生可能エネルギー(水力を除く) 4.5 % = 合計 11 %
 フランス 水力 10.2 % + 再生可能エネルギー(水力を除く) 18.9 % = 合計 15 %
 アメリカ 水力 6.5 % + 再生可能エネルギー(水力を除く) 5.6 % = 合計 12 %
 日本   水力 8.5 % + 再生可能エネルギー(水力を除く) 2.2 % = 合計 11 %

 という2012年の数字が示されていました。合計がおそろしく丸められているので根拠となる数字を、あとであたってみたいと思います。この数字に、各国の直近10年間の年度ごとの増加状況を加えると、再生可能エネルギーの各国での位置づけがよくわかりそうです。
 また、欧米は風力に大きな力を注いでいます。太陽光発電と風力の発電のタイミングがずれることで、気象予報と合わせて、発電側の調整、需給応答の整備などにより、再生可能エネルギーの発電の信頼性がより高くなります。日本の人口密度など(地域ごとの産業と生活にかかる電力消費量とパターンの分析)を考えた電源としての信頼性を確保するという視点から、さまざまな再生可能エネルギーを利用できる状況の確保が急がれます。2020年までに、日本型の再生可能エネルギーの有効なパターンを生み出すことができるか? 非常に大事な時期となってきました。
 

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-----image(”再生可能エネルギー等の導入状況”) : 経済産業省作成資料「再生可能エネルギーを巡る現状と課題[PDF、平成26年6月17日」(総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会(平成26年6月17日 第1回)‐配布資料)より


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-----image(”発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合の国際比較[2012]”) : 経済産業省作成資料「再生可能エネルギーを巡る現状と課題[PDF、平成26年6月17日」(総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会(平成26年6月17日 第1回)‐配布資料)より

*【出所】日本:「電源開発の概要」等より作成 ドイツ、スペイン、イギリス、フランス、イタリア、アメリカ:2012年推計値データ、IEA, Energy Balances of OECD Countries (2013 edition)


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-----image(”再生可能エネルギー等(大規模水力除く)による設備容量の推移”) : 経済産業省作成資料「再生可能エネルギーを巡る現状と課題[PDF、平成26年6月17日」(総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会(平成26年6月17日 第1回)‐配布資料)より

*【出所】日本:「電源開発の概要」等より作成 ドイツ、スペイン、イギリス、フランス、イタリア、アメリカ:2012年推計値データ、IEA, Energy Balances of OECD Countries (2013 edition)
(JPEA出荷統計、NEDOの風力発電設備実績統計、包蔵水力調査、地熱発電の現状と動向、RPS制度・固定価格買取制度認定実績等より資源エネルギー庁作成) 。※2013年度の設備容量は2014年3月末までの数字

関連エントリー
2012年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本1.6%-----ソフトエネルギー、2013/07/01

「平成25年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」が閣議決定されました-----自然エネルギー、2014/06/18


コメント続き
 2012年度の総発電電力量の記事のコメント欄でご指摘いただいているように、日本の再生可能エネルギーは、自家消費分がカウントされていないなど、過小評価されています。また、蓄電池など金のかかる安定化対策が必須とされていますが、最近のアメリカなどでの研究では、気象予報の確度をあげ、需給応答の精度を上げることで、電力の3割程度まで、電力網を不安定化させることなく再生可能エネルギーを導入できるとする研究があります。
 ただ、スペインやドイツの導入量でもさまざまな蓄電池などのストレージを導入する可能性が検討されています。15-20%の導入量からそれらが検討されはじめたという感じだと考えています。
 日本の電量網とそれに要求される質が、各国とは異なるという話も聞きますが、各発電ソースのリアルタイムでの把握とそのデーターの公開がなされている、スペインやドイツなどの例を見ると、開かれた電力システムの構築が、何にもまして必要だと思います。
 今後の電力供給システム、需給応答の分野での進化を日本にも期待しています。


追加情報


再生可能エネルギーの比率20%超へ、早くも2030年の目標に近づく-----スマートジャパン、2014年09月17日


参考エントリー
米国立再生可能エネルギー研究所 National Renewable Energy Laboratory、電力網は従来の研究よりも不安定化の恐れなく大量の再生可能エネルギーを受け入れることができるという研究成果を発表-----ソフトエネルギー、2010/07/09


おすすめエントリー

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第一実業、米アクセスエナジー社のバイナリー発電装置を国内製造で内外営業展開へ

 東京の総合機械商社の第一実業は、米Access Energy アクセスエナジーと小型バイナリー発電装置の販売代理店契約を締結し、2015年4月までに国内での製造を開始すると発表しました。
 第一実業は、2013年にアクセスエナジーのThermapower Organic Rankine Cycle (ORC) 125XLT、低温廃熱を利用した発電が可能なバイナリー発電装置を山梨県笛吹市の産業廃棄物処理施設に導入するなどの実績を積み、今回新たに地熱・温泉市場に向け、第一実業の技術管理の下で、外部委託により小型バイナリー発電装置の組立、出荷前試験体制を整え、営業を開始するということです。
 
 アクセスエナジー社のThermapower(TM)ORC 125XLT (Extra Low Temperature)モデルの125kW(グロス)、入力温度は95℃以上。モジュールのサイズは、295.1 * 124.7 * 216.7 cm。重さは、2,720 kgです。コンパクトに配置、施工が可能です。

 また、日本国内での独占的製造権、東南アジア地域での装置販売権を取得したことから、 海外でも展開、国内外の地熱・温泉、焼却廃熱、工場廃熱などの未利用熱エネルギーの分野で2020年までに年間生産数100基を目指すということです。


プレスリリース / 第一実業、2014年05月27日
米アクセスエナジー社と地熱・温泉業界向け小型バイナリー発電装置の独占販売代理店契約締結

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-----image : 同リリースより

" 国内での小型バイナリー発電装置の製造は2015年4月までに開始

 総合機械商社の第一実業株式会社(東京都千代田区、略)はバイナリー発電のリーディングメーカーであるAccess Energy(アクセスエナジー、米国カリフォルニア州セリトス市、略)と小型バイナリー発電装置の地熱・温泉業界向け販売代理店契約を締結いたしました。また、日本国内での独占的製造権、東南アジア地域での装置販売権を取得したことから、2015年4月までに国内での製造を開始することをお知らせいたします。

 第一実業はこれまでアクセスエナジーの小型バイナリー発電装置の国内における焼却設備市場向けの販売代理店として活動を行ってまいりましたが、新たに地熱・温泉市場に向けた販売を開始いたします。アクセスエナジーの小型バイナリー発電装置の国内製造については、第一実業の技術管理の下、組立、出荷前試験を外部委託する予定です。製造した装置は販売代理店や第一実業の海外ネットワークと連係し、国内および東南アジア地域にも供給され、国内外の地熱・温泉、焼却廃熱、工場廃熱などの未利用熱エネルギーの分野で2020年までには年間生産数100基を目指します。これまでの販売、サービス体制に加え、市場に機器を供給するメーカー機能を持つことでバイナリー発電業界での一貫体制を構築し、国内外の再生可能エネルギーの普及に取り組んでまいります。

●生産・供給体制イメージ
Daiichijitsugyo_binary_1
..........  "

関連
Access Energy(日本語サイト)
 - 2013 July 31 Access Energy国内産業廃熱市場向け発電システムの販売で西華産業と代理店契約を締結

Themapower_module_b
-----image : Thermapower™ (MT-中温タイプ)ORCモジュールより

"Access EnergyのThermapower™ (MT-中温タイプ)ORC モジュールは、回収された熱源から最大125kWの電力を生成する、フレームに載荷されたモジュール型のORCシステムです。
..........
モジュールには次のシステムコンポーネントが含まれています:
 Carefree™ Integrated Power Module (IPM)
 パワーエレクトロニクス
 磁気軸受コントローラ
 可変速度制御ポンプおよび付属配管
 有機作動流体
..........
パラメータ Thermapower™ MT ORC モジュール
出力 125kW(グロス)
電圧 3Ø、400 ~ 480 V
周波数 50/60 Hz
入口温度 121.11℃ (121℃) - 350°F (177°C)
有機作動流体 クローズドループ、オゾン層非破壊型冷媒
モジュール重量 6,500 lbs.(2,948 kg.)
モジュール寸法 287.02 cm. (287 cm.) x 127.00 cm. (127 cm.) x 203.20 cm. (203 cm.)
.......... "

E)- May 27, 2014 Access Energy Signs Exclusive Manufacturing, Marketing Agreement with Daiichi Jitsugyo for Japan’s Waste Heat Recovery Market

ORC Japanese V2

(Corporate Video,2013/12/09)

Access Energy、「Thermapower ORC 125XLT」が次世代型熱利用設備導入緊急対策事業として山梨県内の産業廃棄物処理施設に導入-----Access Energy (アクセスエナジー)、2013年11月27日[Digital PR Platform]

" Access Energy (アクセスエナジー)は本日、80度までの低温廃熱の回収が可能な廃熱発電システム「Thermapower Organic Rankine Cycle (ORC) 125XLT (以下125XLT)」が、資源エネルギー庁主管の次世代型熱利用設備導入緊急対策事業として、エルテックサービス株式会社(山梨県笛吹市、略)が運営する山梨県内の産業廃棄物処理施設に導入されたことを発表しました。
.......... "


参考エントリー
地熱発電(廃棄熱発電等用)小型バイナリー発電ユニット カタログ
 - p.2

"アクセスエナジー Thermapower(TM)(MT-中温タイプ)ORCモジュール"

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国の中小水力発電開発事業の平成26年度交付先、「継続」8件を発表

 経済産業省が、中小水力発電開発事業を支援する目的で補助を実施している「平成26年度中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)」の交付先、継続8件が発表されました。内5事業は、水力発電所の運転開始時期が見通せないもので、あの群馬県の八場が入っています。
 運転開始時期が見通せるのは、2016年5月に運開予定の、津軽 つがる 発電所(東北電力 8,500kW 青森)、平成26年度(2014)でまもなくの、新甲佐 しんこうさ 発電所(九州電力 7,200kW 熊本)、そして2017年のサンル発電所(ほくでんエコエナジー 1,100kW 北海道)の三事業です。
 水力発電は、計画から運転開始まで長い時間と仕込みのいる事業です。環境に適切に配慮し、住民の合意を得て行われる事業であってほしいと思います。今回検索してみて、いろいろな経過があり、正直複雑な思いをもった事業もいくつかあります。費用対効果、環境への配慮などがその疑問の根拠です。
 また、作ったら作ったで、地方財政や少子高齢化、都市に偏る人口の動態を考えると、長期にわたる未来設備を維持するコストをどう負担していくのかなど、頭の痛い問題もあります。

成瀬 なるせ 発電所建設事業 秋田県 3,900kW
 参考 - 湯沢河川国道事務所 : 成瀬ダム建設事業及び利水事業の概要
 - 成瀬ダム工事事務所

"工期 昭和58年度から平成36年度までの予定 
 建設に要する費用の概算額  約1,530億円"

胎内 たいない 第四発電所建設事業 新潟県 2,600kW
 参考 - 新潟県企業局 : 胎内第四発電所

" 平成30年の運転開始を予定
図面
・奥胎内ダム・胎内第四発電所平面図
・胎内第四発電所平面図
・奥胎内ダム・胎内第四発電所水路構造図 "(予算情報見つからず、、、。MEMO : 新潟県企業局 胎内第一発電所

八場 やッんば 発電所建設事業 群馬県企業局 11,700kW
 参考- 平成26年度企業局当初予算について

"(1)水力発電所の新規開発・調査
 水力発電として田沢発電所や送水落差を利用した新田水道発電所の建設を進めるとともに、八ッ場発電所の建設準備にも取りかかります。

田沢発電所建設(桐生市(旧黒保根町)) 1,060,000千円
新田水道発電所建設(太田市(旧新田町)) 84,920千円
八ッ場発電所建設(長野原町) 193,778千円
新規開発地点の調査 50,000千円"
(「(3)建設事業の概要
 八ツ場発電所は八ツ場ダム本体の完成に合わせ、平成27年度、新利南発電所は平成23年度の運転開始を予定している。」-----群馬県 【公営企業の概要】第2章電気事業より )

平瀬 ひらせ 発電所建設事業 山口県企業局 1,100kWh
 参考 - 山口県サイト内検索 - ”平瀬発電所” - 事業評価 2007年 11月 13日

"総事業費 計画額 783,131(千)円
 着工 H22年以降"(ダム関連道路工事中)

- 平瀬ダム

新桂沢 しんかつらざわ 発電所建設事業 電源開発 16,800kW 北海道
 参考 - Wikipedia : 桂沢ダム

"国土交通省北海道開発局が管理する多目的ダム。北海道で初めて建設された多目的ダム..........
桂沢発電所(15,000kW)..........
新桂沢ダム
.....新桂沢ダムは桂沢ダムを12.4m嵩上げし、高さ76.0mのダムとして再開発する計画.....着工年/竣工年 1985年/未定.........."

 - 「国土交通省 3. 検証対象ダムの概要 - 札幌開発建設部 - 国土交通省」より(新桂沢ダムの予算)
".....3.1.6 建設に要する費用
建設に要する費用の概算額は、約 835 億円である。 ....."

津軽 つがる 発電所建設事業 東北電力 8,500kW 青森
 参考 - 津軽発電所の本格工事の開始について-----東北電力、平成23年12月 1日

".....平成23年7月より、津軽発電所(出力8,500kW、青森県中津軽郡西目屋村)建設のための建設所を開設し、建設準備を進めておりましたが、工事開始の準備が整ったことから、本日、本発電所の本格工事を開始.....平成28年5月の営業運転開始を目指し....."

 - 青森県 津軽ダムとは

新甲佐 しんこうさ 発電所建設事業 九州電力 7,200kW 熊本
 参考 - 「九州電力 平成 22 年度 経営計画の概要」より

"新甲佐発電所(熊本県)の開発※(出力 7,200kW、平成26年度運開予定) 着工H 24年6月-新甲佐発電所新設に関連して、既設甲佐発電所3,900kW)を廃止(H24 年6月)"

サンル発電所建設事業 ほくでんエコエナジー 1,100kW 北海道
 参考 - 国土交通省 : サンルダム - 目的 - 発電

"付替道路工事の進捗状況
サンルダム建設事業では、平成11年に道道下川雄武線の付け替え工事に着手し、平成24年10月31日に全線供用を開始しています。"

"・サンルダムの事業費
15)事業費530億円は守れるのか。増えた場合にどのように対応するのか。[PDF:12kb]
16)地元の負担金を示して頂きたい。[PDF:11kb]"-----Q&Aより

"下川町サンル地点 (1,100kW、2017 年度運開) "-----「経営計画の概要(2013年度) - 北海道電力」より

 今回補助の対象となった事業は、いずれも比較的大きな規模の水力発電所です。最近計画されるようになった1000kW以下のものや、さらに小さなものは、今後の主流とされています。今後は、こうした比較的大きな規模の水力発電所事業の推進は、ますます難しくなります。とはいえ、「水力発電を巡る状況について 電力・ガス事業部 電力基盤整備課 平成20年1月21日(経済産業省、資料)」という資料によると、1,000~3,000kWが最もの開発ポテンシャルが高いとされています。今後は、この規模の水力発電所の開発が進むのかどうか? いかに進められるのかについて、注目していきたいと思います。


プレスリリース / 新エネルギー導入促進協議会、平成26年6月20日
平成26年度中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)に係る交付先決定について

"一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(以下、「NEPC」という)では、平成26年度事業として「中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)」に係る公募を実施し、下記のとおり補助金交付先を決定いたしました。
件名
 平成26年度「中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)」に係る交付先決定について

事業の概要
 安定的かつ適切なエネルギーの需給構造の構築を図るため、環境負荷の小さい純国産エネルギーである水力の開発を積極的に推進していく必要がありますが、中小水力発電は開発地点の小規模化・奥地化に伴い建 設単価が増大し、発電原価が割高になる等の課題があります。
このため、経済性の劣る中小水力発電施設の設置等に要する建設費の一部を補助することにより初期発電原価を引き下げることで開発の促進を図り、再生可能エネルギーの開発及び導入に資することを目的として、建設費の一部を補助するものです。 その対象は「水力発電施設の設置等事業」と「水力発電施設の設置等に係る新技術の導入事業」の2事業に区分されます。補助率は、前者の場合は中小水力発電施設の設置等に要する費用の10~20%(特例で10%割増有)、後者の場合は最大で新技術導入補助対象部分の50%となっています。
 また、近年、台風等による異常出水により、水力発電施設の損壊が生じていますが、こういった事業者等の責に帰することができない損壊の復旧に伴って水車・発電機等の改造を行い、出力が増加する場合についても、本補助金交付の対象としています。

補助金交付先
 平成26年4月14日から5月22日の公募期間中に申請があった事業8件を対象として、外部の有識者からなる採択審査委員会(委員長:日本大学 教授 野村 卓史)及びNEPCの厳正な審査を経て、全件を補助金交付先とすることに決定しました。

補助先は交付先一覧(別紙)のとおりです。
交付先一覧(中小水力)【添付資料(PDF 119KB)】の通りです。
.......... "

関連
中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業及び地熱発電開発事業)に係る補助事業者の公募について-----経済産業省、平成26年2月14日

平成26年度中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業及び地熱発電開発事業)に係る補助事業者の公募結果について-----経済産業省、平成26年3月24日

MEMO
Suiryoku_hougansuiryou
-----image(”包蔵水力調査結果。出所:資源エネルギー庁調べ(平成19年3月31日現在)”) : 「水力発電を巡る状況について 電力・ガス事業部 電力基盤整備課 平成20年1月21日(経済産業省、資料)」より
[ www.meti.go.jp/committee/materials/
downloadfiles/g80121a04j.pdf ]

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東芝、英国シェフィールド大学の系統周波数調整実証試験向けにコンテナ型SCiB蓄電池を受注

 東芝は、英国シェフィールド大学が企業と連携して行う系統周波数調整実証試験向けにコンテナ型SCiB蓄電池を受注しました。納品される蓄電池は、チタン酸リチウムを用いた1MWh相当のリチウムイオン二次電池「SCiBTM」です。正確には、定格 968kWh で2MW蓄電池システムに組み込んで使用されます。イギリス初となるリチウムイオン大型蓄電池による再エネ由来電力運用システムとなります。
 蓄電池は9月に納入され、実証は11月から開始される予定です。実証試験では、周波数や電圧などの電力品質維持のための周波数制御などの系統運用サービスにおける蓄電池蓄電池システムの役割の確認などが行われます。
 同蓄電池は、約1万回以上の充放電が可能な長寿命、高い安全性、高入出力などの優れた特性を持ち、英国ウェスト・ミッドランズ州ウォルヴァーハンプトンのウィレンホール変電所に設置され、気象条件により出力が変動する風力発電や太陽光発電の導入拡大に伴う系統周波数調整に用いられ、電力の安定供給の維持に貢献する予定です。


プレスリリース / 東芝、2014年06月24日
英国シェフィールド大学の系統周波数調整実証試験向けに蓄電池を受注

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-----image[”納入する蓄電池コンテナ(イメージ)”] : 同リリースより

" .....英国シェフィールド大学が英国政府系研究機関である工学・物理化学研究委員会(Engineering and Physical Sciences Research Council (EPSRC))の助成を受け、配電会社のウェスタン・パワー・ディストリビューション社と連携して実施する系統周波数調整用蓄電池システムの実証試験向けに蓄電池を受注しました。蓄電池を9月に納入し、実証は11月から開始される予定です。

 今回受注した蓄電池は、チタン酸リチウムを用いた1MWh(メガワットアワー)相当の容量の当社製リチウムイオン二次電池「SCiBTM」で、約1万回以上の充放電が可能な長寿命、高い安全性、高入出力などの優れた特性が評価されました。英国ウェスト・ミッドランズ州ウォルヴァーハンプトンのウィレンホール変電所に設置され、気象条件により出力が変動する風力発電や太陽光発電の導入拡大に伴う系統周波数調整に用いられ、電力の安定供給の維持に貢献します。

 英国では、2008年に施行された気候変動法により、温室効果ガスを2050年には1990年比80%削減する目標が掲げられ、この実現に向けて洋上風力発電を中心とした再生可能エネルギーの導入が拡大しており、電力の安定供給に向けた周波数変動抑制や送配電網の拡充・整備などが課題となっています。
..........
注1 周波数や電圧などの電力品質維持のための周波数制御などの系統運用サービス
.........
受注した蓄電池の概要
1.定格 968kWh (2MW蓄電池システムに組み込んで使用)
2.主要機器 蓄電池コンテナ、蓄電池盤、蓄電池モジュール(SCiBTM)
.......... "

関連
Giant battery to help tackle energy storage challenges-----University of Sheffield, 24 June 2014

東芝の二次電池 SCiB
Img_productoutline_01
-----image : 上記サイトより

" SCiB(TM)は、高い安全性を確保しながら、10000回を超えるサイクル寿命、 急速充電性能、高出力性能、低温動作等の優れた諸特性を有する二次電池です。"


関連エントリー
九州電力、長崎県の対馬、鹿児島県の種子島と奄美大島に再エネ+のリチウムイオン蓄電池等実証試験設備を設置-----ソフトエネルギー、2014/03/24

新型二次電池「SCiB(TM)」の事業化について / プレスリリース 東芝-----しなやかな技術研究会、2007/12/27

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北電、上川郡東川町で、690kWユコマンベツ水力発電所を運開

 北海道電力は、6月20日、2012年5月より建設を進めてきた上川郡東川町の水力発電所、690kWユコマンベツ発電所が営業運転を開始したと発表しました。全国的に、法流水や維持流量などの未利用な水資源を活用した中小水力発電の建設がすすんでいます。今回のユコマンベツ発電所は、1945年8月に運転を開始した13,800kWの江卸(えおろし - 水力)発電所の取水設備を利用し、一部を改良し、水槽、水圧管路、放水路を新設し、横軸フランシス水車を設備した新設の小水力発電所です。河川水(最大使用水量 1.3m3/s)と導水路の落差(66.10m)により最大出力 690kW を発電、年間発電電力量としては約420万kWhが期待されます。


プレスリリース / 北海道電力、2014年6月20日
ユコマンベツ発電所の営業運転開始について

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-----image : 同リリース「【添付資料】「ユコマンベツ発電所の概要 [PDF]」より-----
Hepco_yukomanbetsu_hydro_map_imageHepco_yukomanbetsu_hydro_image

" ..........これまで利用されてこなかった河川水の水力エネルギーを有効活用する中小水力開発に取り組んでおります。2012年5月より建設を進めていたユコマンベツ発電所(所在地:上川郡東川町、発電所認可出力:690kW)が、本日、営業運転を開始しましたのでお知らせいたします。

 ユコマンベツ発電所における年間の発電電力量は、約420万kWh(一般家庭約1,400軒分の電気使用量に相当)となる見込みであり、これにより、年間約1,500トンのCO2排出削減が可能となる見通しです。

 当社は引き続き、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みなどを通じて、低炭素社会の実現に貢献してまいります。

”ユコマンベツ発電所の概要

 ユコマンベツ発電所は、既設江卸発電所※の取水設備を一部改良(水槽、水圧管路、発電所、放水路を新設)し、既設ユコマンベツ取水堰から取水している河川水(最大使用水量 1.3m3/s)と導水路の落差(66.10m)により最大出力 690kW を発電することで、これまで利用されてこなかった河川水の水力エネルギーを有効活用するものです。
※ 昭和 20 年に運転開始した最大出力 13,800kW の流れ込み式・水路式の発電所。
 忠別川、湧駒別川およびピウケナイ川から取水をしている。

所在地 北海道上川郡東川町
河川の名称 石狩川水系 忠別川支流湧駒別川
発電方式 流れ込み式・水路式
最大使用水量 1.30m3/s
有効落差 66.10m
認可出力 690kW
年間発電電力量 約420万kWh
年間CO2排出削減量 約1,500t
水車型式・台数 横軸フランシス水車・1台
.......... ”-----【添付資料】「ユコマンベツ発電所の概要 [PDF]」より
.......... "

関連
・北海道電力 : 発電・送配電設備

"水力発電所 54カ所 1,239,105kW(2013年3月15日現在)
主な発電所
(1) 水力(出力3万kW以上)"

/ 北海道電力 水力発電について
/ 旭川支店のご紹介 > 支店管内の電力設備一覧
"江卸(えおろし) 石狩川 認可出力(kW)13,800 運転開始年月1945.8"

/ 設備写真ライブラリ 水力発電設備

Hokkaido_hydro_eoroshi_gmap
-----image : Google マップで「江卸発電所付近」を見る


参考
・Twilog @greenpost : 北海道(北海道の再生可能エネルギー関連の情報。2011年08月23日より、203件)

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タクマ、真庭バイオマス発電向け10MW発電設備を受注

 タクマは、岡山県真庭市における真庭バイオマス発電向け10MW発電設備を受注しました。真庭バイオマス発電は、集成材メーカー最大手である銘建工業・真庭市・真庭木材事業協同組合など9団体の官民共同出資により設立された木質バイオマス発電事業会社です。真庭市は、官民をあげて、産業および観光においてバイオマス産業の育成に取り組んでいます。これまで成果をあげてきた、ペレットストーブの普及とペレット工場などの循環型の地域おこしの取り組みに、新たにバイオマス発電所が加わることになります。完成は、2015年4月の予定です。

プレスリリース / タクマ、平成25年5月28日
真庭バイオマス発電(株)向けバイオマス発電設備の受注について

"株式会社タクマ(本社:兵庫県尼崎市、略)はこのたび、真庭バイオマス発電株式会社(本社:岡山県真庭市、略)よりバイオマス発電設備を受注いたしました。

 真庭バイオマス発電は、集成材メーカー最大手である銘建工業・真庭市・真庭木材事業協同組合など9団体の官民共同出資により設立された国内でも数少ない木質バイオマス発電事業会社です。

 真庭市では、バイオマス事業という産業の輪で繋がる、持続可能な資源循環型の産業と暮らしを実現していく「バイオマスタウン真庭」を目指しており、従前よりバイオマスの利活用を推進するとともに、地域内の資源循環を視察する、産業と観光を融合した「真庭バイオマスツアー」を実施する等、バイオマスの利活用を通じた地域の活性化に積極的に取り組んでこられました。本発電所では、真庭市域の未利用木材を主燃料としており、本事業を通じて、地域の林業・木材加工業の発展や雇用創出が期待されています。

 本発電所の発電規模は、10,000kWで、発電した電気は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を活用して電気事業者に売電されます。
..........
【設備の概要】
設置場所 : 岡山県真庭市
発電規模 : 10,000kW
ボイラ蒸発量 : 48.4t/h
稼動予定 : 2015年4月
.......... "

関連
バイオマスツアー 真庭
- 2014.01.15 真庭バイオマス発電所は 来月2月に着工されます

・真庭市 : 産業観光部バイオマス政策課 - 真庭市木質バイオマスエネルギー利活用指針を策定しました

追加情報
エネルギー列島2014年版(33)岡山:酪農の街に木質バイオマス、塩田やゴルフ場には巨大メガソーラー-----スマートジャパン、 2014年12月02日

"..木質100%のバイオマス発電所は2015年4月に運転を開始する予定だ(図2)。発電能力は10MW(メガワット).."

参考
平成26年度木質バイオマス利用開発推進事業補助金の受付を開始します-----真庭市、 2014年5月30日

真庭市木質バイオマスエネルギー利活用指針を策定しました-----真庭市、 2013年5月20日

農林水産省、7府省、バイオマス産業を軸とする災害にも強いバイオマス産業都市を募集-----ソフトエネルギー、2013/03/27

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早稲田環境研究所ら、秩父市で2MWの木質バイオマス発電事業プロジェクトを計画

 早稲田大学発環境系ベンチャー企業、早稲田環境研究所らは、埼玉県秩父市において秩父市木質バイオマス発電事業プロジェクトを実施すると発表しました。
 この木質系バイオマス資源を利用した発電事業は、間伐材、剪定枝、建廃チップ等からなる木質チップ、60t/日(約20,000t/年)を原料とし、発電規模は約2MWを計画しています。

 また、このプロジェクトグループは、

 地域の木材の供給量に適合した中規模での発電事業のパッケージ化を実現
 ソーシャルインパクト・ボンド(SIB)型の社会的価値、環境価値を含めた資金調達手法を適用
 発電事業のみならず、周辺の企業誘致等を一体的に行い、熱融通等エネルギー面での新たな取り組みを行う
 6次産業化等への展開に向けた事業拠点を創出
 地域PPS(新電力)のスキームを活用した地産地消型のエネルギーシステムを構築

 といった幅広い視点からの利用を計画していくということです。

 秩父市は、2011年から、ちちぶバイオマス元気村発電所100kWを運転しています。この発電所は、木質系バイオマスガス化・ガスエンジンコージェネレーションシステムで、電力ほほか、15万キロカロリーの熱を利用して、約600世帯にお湯を供給する能力を備えています。ちちぶバイオマス元気村発電所は、平成24年8月22日には、総発電量が100万kWhを達成しています。
 
プレスリリース / 早稲田環境研究所、2014年06月11日
秩父市木質バイオマス発電事業プロジェクト開始決定

" 早稲田大学発環境系ベンチャー企業 株式会社早稲田環境研究所 http://e-wei.co.jp (東京都新宿区、略)は、秩父市における木質バイオマス発電事業プロジェクトを、かぶちゃん電力株式会社(東京都千代田区、略)、株式会社サイサン(埼玉県さいたま市、略)、株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ(東京都新宿区、略)と共同で開始することを決定した。本プロジェクトに限らず地域連携型未利用バイオマス(木質系、食品系、畜産系、廃棄物系等)の有効利用に向けたプロジェクトの実現の支援を強化する。

秩父市木質バイオマス発電事業プロジェクトの概要
 秩父市における発電事業プロジェクトでは原料となる木質チップは、60t/日(約20,000t/年)とし、間伐材、剪定枝、建廃チップ等を原料とし、発電規模は約2MWを計画している。また、

①地域の木材の供給量に適合した中規模での発電事業のパッケージ化を実現すること。
②ソーシャルインパクト・ボンド(SIB)型の社会的価値、環境価値を含めた資金調達手法を適用すること。
③発電事業のみならず、周辺の企業誘致等を一体的に行い、熱融通等エネルギー面での新たな取り組みを行うとともに、6次産業化等への展開に向けた事業拠点を創出すること。
④地域PPS(新電力)のスキームを活用した地産地消型のエネルギーシステムを構築すること。

 を含めた事業設計を行う。
..........
 なお、秩父市おける事業化においては、以下の事業成果に基づき検討を行うものである。
‹◇平成23〜25年度環境省地球温暖化対策技術開発・実証事業「未利用木質バイオマスの高効率エネルギー利用システムの開発と実証」
‹◇平成25年度新エネルギー等共通基盤整備促進事業・再生可能エネルギー発電事業を通じた地域活性化モデル開発化援調査事業「木質バイオマスガス化発電を核とした次世代型産業集積拠点の創出事業」
‹◇埼玉県環境部 早稲田大学環境総合研究センタ 「埼玉県分散型エネルギ システム研究会 バイオマスWG」
◇公益財団法人本庄早稲田国際リサーチパーク「本庄スマートエネルギータウンプロジェクト」
.......... "

関連
秩父市
/ 木質バイオマス発電事業の取り組み
/ 次世代型環境学習施設 吉田元気村の利用について

ちちぶバイオマス元気村発電所の運転時間が、1万時間を達成しました!!-----秩父市、2011年(平成23年)5月


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経産省、新エネルギー小委員会第一回会合を開催。再エネ導入制度の抜本的見直しとは?

 経済産業省は、平成26年6月17日に新エネルギー小委員会の第一回会合を開きました。今年の4月11日に閣議決定された、第4次「エネルギー基本計画」の内容を踏まえ、再生可能エネルギー施策の総点検と必要な追加施策の検証を実施する必要があるとして、新たに総合資源エネルギー調査会総会 - 省エネルギー・新エネルギー分科会の下に新たに設置された委員会「新エネルギー小委員会」です。この会合に合わせて、以下のような資料が公開されました。今回の第一回会合では、再生可能エネルギーを巡る現状と課題(公開資料同名)が話合われたようです。検討項目例としてあげられたのは、

<検討項目例>
①風力や太陽光など電源毎の導入拡大の在り方
②導入に必要な施策と追加的コストの分析
③固定価格買取制度の在り方

 などです。年内とりまとめの予定で委員会は開催される模様です。2012年7月から施行されてきた再生可能エネルギーの固定価格買取制度の今後の方向性は、ここでのみ話合われるようですので、議論の詳細な内容の公開が必要だと思います。現時点で議事録などの、詳しい内容は、公開されていません。動画の公開を希望します。


総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会(第1回)‐配布資料-----経済産業省

2030meti_renewjapan_w800
-----image : 配布資料「資料3 再生可能エネルギーを巡る現状と課題」より

"議事次第(PDF形式:131KB)PDFファイル 委員名簿(PDF形式:195KB)PDFファイル 配布資料一覧(PDF形式:130KB)PDFファイル 資料1 新エネルギー小委員会の設置について(PDF形式:323KB)PDFファイル 資料2 議事の取扱い等について(案)(PDF形式:166KB)PDFファイル 資料3 再生可能エネルギーを巡る現状と課題(PDF形式:6,978KB)PDFファイル (ZIP形式:6,431KB)ダウンロードファイル 資料4 再生可能エネルギーを巡る現状と課題~参考資料集~(PDF形式:871KB) ........... "


関連
再生エネルギー 買い取り制度見直しへ-----NHK、6月17日

"経済産業省は、太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電力の買い取り制度について、利用者の負担を抑えながら一段の普及を進める具体策を検討する初めての会合を開きました。
..........
 17日開かれた初会合では、産業界から今の制度を続けた場合に利用者の負担がどの程度増えるのか、今後の見通しを明確に示すべきだという意見が出ました。
一方、再生可能エネルギーの発電事業者からは、設備の投資を続けていくには今の制度を続けてほしいといった意見が出されました。
 経済産業省は年内をめどに議論の成果を取りまとめ、再生可能エネルギーの一段の普及と、利用者の負担を抑える方策について方向性を出したいとしています。
.......... "

再生エネ、固定買い取り見直しへ 消費者の負担抑制、上限検討-----47News、2014/06/17

"..........
消費者負担の抑制と導入拡大が両立する仕組みを目指し法改正を視野に議論、年内をめどに最終報告をとりまとめる。

 安倍政権は再生エネルギーの導入を進める方針だが、拡大する買い取り費用への対応が課題となっている。小委員会は先行する海外の事例を参考に、料金の上乗せ総額に一定の上限を設けることなどを検討する。
.......... "

・経済産業省 : 総合資源エネルギー調査会総会
- 省エネルギー・新エネルギー分科会 - 新エネルギー小委員会

"買取制度運用ワーキンググループ

平成26年2月18日 第1回 第1回議事要旨 第1回議事録PDFファイル 第1回配布資料
平成26年2月28日 第2回 第2回議事要旨 第2回議事録PDFファイル 第2回配布資料
平成26年3月12日 第3回 第3回議事要旨 第3回議事録PDFファイル 第3回配布資料
平成26年3月25日 検討結果
......... "

参考
総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会 審議会組織見直し(平成25年6月30日)以前の情報

"新エネルギー部会 平成13年1月31日-平成24年3月19日

買取制度小委員会 平成21年7月9日-平成23年2月18日
......... "

・資源エネルギー庁 新エネルギーについて(なっとく!再生可能エネルギー) : 固定価格買取制度

追加情報
2013年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本2.2%-----ソフトエネルギー、2014/06/30


コメント続き
 配布資料「資料3 再生可能エネルギーを巡る現状と課題」によると、再生可能エネルギー等の導入状況は、

「 ■2013年度の発電電力量のうち、再生可能エネルギーが占める割合は約1割。その大半は水力発電。
■水力を除く再生可能エネルギーの発電量に占める割合は、1.4%(2011年度)から、固定価格買取制度導入後2年間で、2.2%(2013年度)に。 」
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-----image : 同資料より

 この資料100ページあります。国が発表した現在の再生可能エネルギーの姿として必読です。


参考エントリー
2012年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本1.6%-----ソフトエネルギー、2013/07/01

「平成25年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」が閣議決定されました-----自然エネルギー、2014/06/18

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リコー、室内用完全固体型色素増感太陽電池の開発に成功。小型電子機器駆動用

 リコーは、室内光に適した高性能の完全固体型色素増感太陽電池の開発しました。色素増感太陽電池の電解質を固体材料のみで構成することに成功したもので、安全性・耐久性の確保と、従来比2倍以上の発電能力を実現しました。これまで利用されてきた液体の電解質では、ヨウ素や有機溶媒の揮発や電解液漏れなどの安全面、そして電解液による酸化チタンに吸着した有機色素剥がれによる耐久性に問題があったとされ、今回の固体電解質の利用により、それらの問題が回避できるということです。

 小さな各種センサーやスイッチ、記憶および制御機器、さらにはウェアラブルデバイスにおいても、室内の環境で、散乱光や照明などの微弱光でも効率よく発電できる次世代型太陽電池への期待は高く、小型電子機器駆動用としての太陽電池の需要は今後増加すると思われます。

 さらに、発電効率では、標準的な白色LED(200ルクス)において、市場でトップレベルの性能とされているアモルファスシリコン太陽電池(6.5μW/cm2)と比べ、新開発の固体型色素増感太陽電池は、13.6μW/cm2と2倍以上、またこれまでに発表されているもっとも高性能な電解液型色素増感太陽電池(8.4μW/cm2)と比べても1.6倍以上の優れた発電性能が確認されました。


プレスリリース / リコー、2014年6月11日
室内光に適した高性能の完全固体型色素増感太陽電池の開発に成功~ 安全性・耐久性の確保と、従来比2倍以上の発電能力を実現

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-----image(”リコーが開発に成功した完全固体型色素増感太陽電池のデバイス構造”) : 同リリースより

" 安全性・耐久性の確保と、従来比2倍以上の発電能力を実現

 株式会社リコー(略)は、このほど、室内の微弱な光源における発電性能を大幅に向上させた色素増感太陽電池の電解質を固体材料のみで構成することに成功しました。それにより、安全性および耐久性の面で大幅な優位性を確保しています。さらに、現在市場において高性能と評価されているアモルファスシリコン太陽電池(*1)に対して2倍以上の高出力を達成しました。高い発電効率と安全性・耐久性の確保で、今後ますます需要が高まると予想されるセンシング用途などの自立型電源(外部電源を必要とせずに発電可能)として実用化が期待されます。

 色素増感太陽電池は、散乱光や屋内照明等の微弱光でも効率よく発電できる次世代型太陽電池として注目されています。色素の可視光吸収を利用して発電するもので、表面に有機色素を吸着したナノ(10億分の1)メートルサイズの酸化チタン粒子からなる多孔質の膜を形成した透明導電性基板と、金属薄膜を形成したガラス基板の間にヨウ素系電解液を封入したものが一般的です。さらなる発電効率の向上に加えて、液体の電解質を用いているため安全性(ヨウ素や有機溶媒の揮発や電解液漏れ)や耐久性(電解液による酸化チタンに吸着した有機色素剥がれ)に課題があり、実用化が困難とされてきました。
..........
■安全性の確保
 リコーが開発した色素増感太陽電池は、有機P型半導体(*2)と固体添加剤で構成されたホール輸送性材料を用いていることが特長です。これらの材料を利用する際、リコー独自の製膜技術(超臨界流体二酸化炭素:SCF-CO2(*3)下での製膜)により、従来では困難であったナノレベルの酸化チタン粒子の多孔質膜内部に上記ホール輸送性材料を高密度に充填することに成功しました。これにより、液漏れやヨウ素による腐食や人的有害性のリスクがなくなり、一般的な液体型の色素増感太陽電池のもつ技術課題を解決しました。
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-----image(”従来工法に比べてはるかに高密度に固体電解質の充填を可能にした超臨界充填法(電子顕微鏡写真) ※電子顕微鏡写真は、デバイス構造の模式図を反時計回りに90度回転させた向きになっています。”) : 同リリースより

■発電効率の向上
 電解質を固体材料のみで構成するにあたって、固体添加剤とデバイス構造を最適化することで、発電効率も大幅に向上させています。さらに室内光源波長に適した有機色素を設計することで、室内光における高い発電性能を得ることに成功しました。標準的な白色LED(200ルクス)において、市場でトップレベルの性能とされているアモルファスシリコン太陽電池(6.5μW/cm2)と比べ、新開発の固体型色素増感太陽電池は、13.6μW/cm2と2倍以上、またこれまでに発表されているもっとも高性能な電解液型色素増感太陽電池(8.4μW/cm2)と比べても1.6倍以上の優れた発電性能を確認しました。

■耐久性の確保
 すでにさまざまな耐久性試験も実施しており、85℃の環境下で2,000時間後においても最大出力値の低下はありません。

私たちは、期待が高まるモノのインターネット(Internet of Things:IoT)社会(*4)に向けて、自然環境から発電する自立型電源(環境発電素子)の実現が非常に重要になってくると考えています。センシングするものの数が膨大に増え、あるいは通常の方法では電源確保が難しい場所においては、環境から電源を得る手段が必須となります。リコーは環境発電(エネルギーハーベスト)用光環境発電素子として固体型色素増感太陽電池の応用を積極的に目指します。

本件技術の詳細は、「Imaging Conference Japan 2014」(日本画像学会年次大会: 6月11日~13日)で発表いたします。また、本技術を利用した固体型色素増感太陽電池直列モジュールを設計・製造ソリューション展(6月25日~27日、東京ビッグサイト)のリコーブースにおいて展示予定です。

(*1) アモルファスシリコン太陽電池
 シランガスを基板上に化学気相成長させた非晶質(アモルファス)で薄いシリコン層を有する太陽電池。アモルファスシリコン太陽電池は約1.8eVのエネルギーギャップを有し、700nm以下の短波長光を吸収して発電する。結晶シリコン太陽電池に比較して微弱光における出力が高いため、室内光で利用する太陽電池にはアモルファスシリコンが主に使用されている。
(*2) 有機P型半導体
 広いπ共役(分子内の隣り合った原子同士の電子軌道の重なり)結合を有し、電子軌道上をホール(プラス電荷)が動いていくことで、電気を流すことができる有機材料。
(*3) 超臨界流体二酸化炭素
 二酸化炭素が超臨界流体(臨界点以上の温度・圧力下における物質の状態であり、気体の拡散性と液体の溶解性の両方の性質を有する)状態であること。臨界温度は、31.1℃、臨界圧力は、7.37MPa。
(*4) IoT社会
 あらゆるものにセンサーと通信機能が装備され、センサーが発する大量情報をビッグデータ解析し利用する近未来社会。

※なお、本研究の一部は、 (独)日本学術振興会・最先端研究開発支援プログラム(FIRST)「低炭素社会における有機系太陽電池の開発」(プロジェクトリーダー:東京大学先端科学技術研究所・瀬川浩司教授)の支援を受けて、実施されました。
.......... "

関連
・リコー : 技術紹介: 完全固体型色素増感太陽電池
066_05
-----image(”上-図4:白色LED200ルクスにおける太陽電池発電特性、下-表1:白色LED200ルクスにおける太陽電池発電性能値”) : 上記サイトより-----
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ドイツ、エネルギーシフトは曲折あるも、確実に進行中。課題はエネルギーの効率化

 ドイツ連邦政府は、2010年に策定したエネルギーシフト政策の進行状況を提起的にチェックし、国民に確認を促し、意見を求める報告書の第二弾を発表しました。第一弾は2012年でした。発表された2014年度版となる「第二回モニタリング報告書 未来のエネルギー」 Second Monitoring Report "Energy of the future"は、市民に公開され意見などが募集されました。

 今回の報告書でも、連邦政府が掲げている野心的な目標(エネルギー消費における再生可能エネルギーの割合を2020年までに18%に上昇させること)を前提とし、その進捗状況が4人の著名な専門家によって解説されています。2010年の電源構成では、再生可能エネルギーが総発電量の16.6%だったドイツにとっても、脱原子力を実現し、化石燃料への依存を低減させることは、ドイツにとっても並大抵の目標ではありません。特に脱原発を実現し、2050年に大部分を再生可能エネルギーにシフトさせることは、現在の世界情勢を考えるとさらに困難な道のりです。ただ、肝心の国民の意思としての脱原発、エネルギーシフトは高い支持を得ています。
 他の先進国においても、エネルギーはさらにむずかしい問題となっている現在、ドイツが明確な姿勢を打ち出すことができれば、それだけで大きなチャンスだと考えることもできます。

Experts' comments on the monitoring report on the status of the energy reforms handed over to Minister Gabriel - Gabriel nimmt Experten-Stellungnahme zum Monitoring-Bericht zum Stand der Energiewende entgegen-----BMWi(連邦経済・エネルギー省),8.4.2014

Renewgermany_2014_check_report
-----image : Second Monitoring Report "Energy of the future Summaryカバー

Renewgermany_turget
-----image(”Table 1: Status quo and quantitative Energiewende targets”) : Second Monitoring Report "Energy of the future Summaryより

"..........
2. Energy policy targets
The triangle of energy policy targets with its equal targets of security of supply, affordability and environmental soundness remains the basis and benchmark for all energy policy instruments. The German government is continu -ing the development towards an energy supply free from nuclear power with a constantly growing proportion of renewables and increasing energy efficiency systematically and methodically.
In addition to the phase-out of nuclear energy by 2022, the energy policy targets contained in table 1 continue to apply.
.........."

関連
ドイツ エネルギーシフトの状況を報告 目的達成への道のりは順調-----EICネット、2014.04.08


参考
冊子「ドイツにおけるエネルギーシフト-しっかり見てみよう」-----ドイツ大使館、2013/4

"このパンフレットではエネルギーシフトに関してよく口にされる不安や批判をとりあげて、しっかりした土台に基づいた議論ができるよう、再生可能エネルギーに関するデータとともに、ドイツのエネルギーシフトについて詳しく説明しています。"


参考エントリー
ドイツの自然エネルギー 再生可能エネルギー豆知識

・Twilog @greenpost : #renewgermany(ドイツの再生可能エネルギー関連の情報)

[ カテゴリー : ドイツ ]

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東京電力、40万kW揚水水力発電所、葛野川発電所4号機を運転開始

 東京電力は、山梨県大月市の最大出力80万kWの葛野川発電所(かずのがわ)に、新たに40万kWの出力の4号機を追加、運転を開始しました。葛野川発電所は、これにより各40万kW3基、合計最大出力120万kWの揚水水力発電所として運用されることになります。
 葛野川発電所の1号機は、平成11年に営業運転開始を開始しました。続き、2号機は、平成12年に営業運転開始しました。そして、今回営業運転を開始した4号機は、東日本大震災後に供給力を確保する観点から、平成32年度に営業運転を開始する計画を前倒しして建設が進められてきました。さらに、平成36年には残りの3号機が完成し、合計最大出力160万kW、つまり160MWの揚水式水力発電所となる予定です。
 葛野川発電所は、上部ダムと下部ダムとの714メートルの有効落差を利用して、最大出力120万kW(単機40万kW×3台)で発電を行う揚水式水力発電所です。超高落差ポンプ水車を採用しており、1つのポンプ水車で発電と汲み上げを行う揚水式水力発電所としては714mという世界最大級の有効落差を実現しているということです。

 今回完成した4号機は、発電機に可変速機を採用。これにより、発電時や揚水運転時にポンプ水車の回転速度を変化させることができます。下部ダムへ水を落とす発電時の電力に加え、上部ダムへ水を汲み上げる揚水運転時に使用する電力も調整することができるため、電力系統を安定させる周波数維持機能が大幅に向上、さらに振動が低減するなど発電効率の向上にも寄与しています。
 揚水発電所の役割としては、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの大量導入時における、”蓄電・平準化”ができることから、電力系統を安定させる効果も期待されています。
 揚水水力が、停止できない原子力発電の電力への対応から、変動する再生可能エネルギーへの対応へとシフトできるか注目されるところです。


プレスリリース / 東京電力、平成26年6月9日
葛野川発電所4号機の営業運転開始について

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-----image : 同リリース「別紙 葛野川発電所の概要 PDF」より-----
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" ..........本日、揚水式水力発電所である葛野川発電所4号機(最大出力40万kW)の営業運転を開始いたしました。

 葛野川発電所は、上部ダムと下部ダムとの714メートルの有効落差*1を利用して、最大出力160万kW(単機40万kW×4台)で発電を行う揚水式水力発電所であり、平成5年1月から建設工事を開始しました。
このたび営業運転を開始した4号機は、東日本大震災後に供給力を確保する観点から、平成32年度に営業運転を開始する計画を前倒しして建設を進めてきたもので、平成12年6月に営業運転を開始した2号機に続く3番目の号機となります。

 葛野川発電所4号機では、発電機に可変速機*2を採用いたしました。これにより、下部ダムへ水を落とす発電時の電力に加え、上部ダムへ水を汲み上げる揚水運転時に使用する電力も調整することができるため、電力系統を安定させる周波数維持機能が大幅に向上いたしました。
 また、ポンプ水車の効率が最も良くなる回転速度での運転が可能となり、発電時に流水によるポンプ水車の振動が低減するなど発電効率が向上いたしました。

 当社は、すでに営業運転を開始している1号機ならびに2号機も含めた葛野川発電所の安全・安定運転を行うとともに、引き続き、安全を最優先に、安定的に電力をお届けする事業者としての責任を持続的に果たしてまいります。

以 上

*1 有効落差
 葛野川発電所では、「超高落差ポンプ水車」の開発・採用しており、1つのポンプ水車で発電と汲み上げを行う揚水式水力発電所としては714mという世界最大級の有効落差を実現した。

*2 可変速機
 発電時や揚水運転時にポンプ水車の回転速度を変化させることができる発電機。発電時に加え、揚水運転時にも周波数調整運転が可能となるため、太陽光発電や風力発電など不安定な電源を導入した際の電力系統を安定させる周波数維持に有効である。

”1.葛野川発電所の概要
(1)所在地:山梨県大月市・甲州市
(2)河川名:富士川水系日川 (上部ダム)
相模川水系土室川 (下部ダム)
(3)出 力:1号機 40 万 kW(平成 11 年 12 月3日営業運転開始)
2号機 40 万 kW(平成 12 年 6月8日営業運転開始)
3号機 40 万 kW(平成 36 年度以降営業運転開始予定)
4号機 40 万 kW(平成 26 年 6月9日営業運転開始)
合 計 160 万 kW
(4)有効落差:714m
(5)使用水量:280 ㎥/秒(1~4号機全号機完成時)
(6)ダ ム


Tepco_yousui_katsuno_dam_table

(7)発 電 所 ・型 式:地下式発電所 ・主要機器:ポンプ水車:立軸フランシス形ポンプ水車(41.2 万 kW×4台) 発電電動機:三相交流同期発電電動機(47.5 万 kVA×4台) .......... Katsunogawa_dam_map -----image : 部分 ..........”-----「別紙 葛野川発電所の概要 PDF」より .......... "

関連
Tepco_kuzunogawa_gmap
-----image : Googleマップで葛野川発電所を表示する


参考
・東京電力 : 東京電力の水力発電所一覧(山梨県)(平成19年7月現在)
- 水力発電について
"水力発電所 一覧表(平成 25年 4月 1日現在,190KB-PDF)"


コメント続き
 今回のリリースでまとめられていた、平成 26 年6月9日現在の揚水式発電所一覧表は、以下の通りです。9箇所で、合計の発電出力は、767.8万kW。7,678,000kWつまり 767.8MWとなります。

”発電所名 出力(万kW) 所在地 運転開始年 揚水型式

矢木沢 やぎさわ 24万kW 群馬県 S.40 混合揚水

安曇 あづみ 62.3万kW 長野県 S.44 混合揚水

水殿 みどの 24.5万kW 長野県 S.44 混合揚水

新高瀬川 しんたかせがわ 128万kW 長野県 S.54 混合揚水

玉原 たんばら 120万kW 群馬県 S.57 純揚水

今市 いまいち 105万kW 栃木県 S.63 純揚水

塩原 しおばら 90万kW 栃木県 H.6 純揚水

葛野川 かずのがわ 120(160)万kW 山梨県 H.11 純揚水

神流川 かんながわ 94(282)万kW 群馬県・長野県 H.17 純揚水

合計 767.8(995.8)万kW *( )内は完成時出力”

Tepco_yousui_hydro_itiran
-----image : 東京電力リリース、「別紙 葛野川発電所の概要 PDF」より


参考エントリー
独RWE Innogy社、揚水発電所に風力発電所を併設する複合発電施設の開発検討を開始-----ソフトエネルギー、2010/11/29

続きを読む "東京電力、40万kW揚水水力発電所、葛野川発電所4号機を運転開始"

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大成建設、稲わらからバイオエタノールを製造技術を開発。製造コスト 70.7円/L

 大成建設は、平成20年7月から5年間サッポロビールと共同で進めてきた、農林水産省補助事業「ソフトセルロース利活用技術確立事業」を継続し、稲わらを材料にした高効率バイオエタノール製造技術を開発しました。今回開発された技術では、稲わらに含まれるセルロースとデンプンから同時にエタノールを製造することで、効率を追求、石油代替の燃料として評価できる数値を実現しました。
 リリースによると、バイオエタノールが石油代替の燃料となり得るための目標値である製造コストは、100円/L以下であり、今回開発された技術では、70.7円/Lを実現したということです。

 とはいえ、稲わら。バイオ燃料の材料としての将来性はどのくらいあるのでしょうか? そのあたり、これから調べるつもりですが、基本的な見方について、コメント続きのほうに、メモを書きました。


プレスリリース / 大成建設、2014年5月30日
稲わらを材料にした高効率バイオエタノール製造技術の開発

Taoseo_biofuel_from_straw
-----image : 同リリースより

" 大成建設株式会社(略)は、稲わらに含まれるセルロースとデンプンから同時にエタノールを製造することで、コスト低減およびCO2削減を可能とした新しい技術を開発しました。
 当社は、サッポロビール株式会社(略)と共同で、平成20年7月から5か年にわたり農林水産省補助事業「ソフトセルロース利活用技術確立事業」を実施、その後もバイオエタノールが石油代替の燃料となり得るための自主研究を継続した結果、今回の技術を確立したものです。

 地球温暖化防止対策のCO2排出量削減を目的とした再生可能エネルギーであるバイオエタノールは、主に米国やブラジルでトウモロコシや砂糖キビなどを原料に製造されていましたが、現在では食糧問題と相まって、食糧と競合しないセルロース系バイオマス(注1)からの製造が注目されており、当社では稲わらを原料に、研究を進めてきました。
 稲わらに含まれる成分のセルロースやデンプンは、糖化・発酵させることでエタノールを製造できます。糖化には複数の方法がありますが、少ないエネルギー投入量で糖化できるものとして酵素糖化があります。ただし、この酵素糖化を効率的に行うためにはそれぞれの成分に応じた前処理が必要です。(注2)

 今回当社は、稲わら中に含まれるセルロースからエタノールを製造するための前処理として開発した「アルカリ処理」(注3)が、同じく稲わらに含まれるデンプンにも作用し、デンプンからエタノールを製造するための処理として有効に利用できることを見出しました。
 この作用を活用し、セルロースからエタノールを製造する工程に、デンプンからエタノールを製造する工程を組み合わせ、稲わらを原料としてセルロースとデンプンから同時にエタノールを製造する高効率な技術を開発しました。

 本技術により原料の稲わら単位重量当たりのエタノール製造効率を高めた結果、エタノール製造コストは70.7円/L、CO2排出量削減率も52%を実現しました。(注4)この値はバイオエタノールが石油代替の燃料となり得るための目標値である製造コスト100円/L以下、CO2排出量削減率50%以上という基準を満たしています。

 本研究の成果を基に、未利用バイオマスである稲わらをバイオエタノールの原料として利用することで、温暖化ガス排出量の削減のみならず、再生可能な国産エネルギーとして大いに貢献が見込まれます

.......... 
(注1) セルロース系バイオマスとは樹木や草本類等の葉や茎、幹を示し、バイオエタノールの原料には本事業で検討した稲わらの他に廃木材やコーンストーバなどが使われている。
   
(注2) 稲わらにはセルロース以外にもエタノールの原料とできるデンプンが含まれているが、デンプンをエタノールの原料となる糖に変換するには通常セルロースとは別のプロセスが必要である。デンプン糖化酵素であるアミラーゼによって糖化するためには、加熱等による糊化という前処理が必要である。
   
(注3) アルカリ処理は、セルロース系バイオマスの酵素糖化を促進するための前処理方法であり、低コストで省エネルギーな手法である。当社では、このアルカリ処理を組み込んだ稲わらからのエタノール製造技術を開発し、農林水産省「ソフトセルロース利活用技術確立事業」において当該開発技術を組み込んだ実証プラントをサッポロビール北海道工場の敷地内に建設した。なお、当該事業の製造システムではセルロースをエタノール原料としており、デンプンは利用していない。
   
(注4) 「ソフトセルロース利活用技術確立事業」では、サッポロビールと共同で稲わらからのエタノール製造の高効率化を検討し、原料の収集運搬実験とエタノール製造実験の結果を元に、北海道における稲わらからのエタノール製造工場のケーススタディを行った。エタノール製造規模を1万KL/年とした工場において、工場で使用するエネルギーは地域で発生する廃棄物の焼却熱から得るものとし、製造設備の減価償却費をコストに見込まない場合、エタノール製造コスト85.2円/L、CO2排出量削減率45%という結果を得た。
 上記エタノール製造システムに今回開発したデンプンのエタノール化プロセスを付与することで、「ソフトセルロース利活用技術確立事業」と同条件のケースにて試算した結果、エタノール製造コストは70.7円/L、CO2排出量削減率は52%となった。
.......... "


参考エントリー
農林水産省、バイオ燃料生産拠点確立事業(北海道、新潟)3案件、平成26年度限りで廃止-----ソフトエネルギー、2014/07/10


コメント続き

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REN21、Renewables 2014 Global Status Report 自然エネルギー世界白書 2014 年版 をリリース

 REN21(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century : 21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク)は、Renewables 2014 Global Status Report ; 自然エネルギー世界白書 2014 年版 を発表しました。環境エネルギー政策研究所が翻訳を担当した日本語梗概によりますと、

「新興国での支援政策によって世界の自然エネルギー発電容量は記録的な水準へと急増  いまや自然エネルギーの成長を促す支援政策を採用する新興国は 95 か国に達し、 2005 年のわずか 15 か国から 6 倍に達している。  2013 年の自然エネルギーの発電容量は 8.3%急増という新たな記録的水準に達した。  これは世界の発電容量の正味の増加量の 56%以上を占め、 世界のエネルギー消費量の約 5 分の 1 に達している。  自然エネルギーの拡大を支援するための政策を導入している新興国の数は 2005 年の 15か国から 2014 年初めの 95 か国にまで、8 年間で 6 倍以上に増加した。」

 とのことです。さらに、

「 世界の自然エネルギー発電容量は、2012 年から8.3%増加して 2013 年末には 1,560GW(15 億 6 千万 kW)に達するという記録的な水準を実現し、自然エネルギーは、現在、世界の発電電力量の 22%以上に達した。  雇用においても、2013 年には世界中で約 650 万人が直接あるいは間接的に自然エネルギー分野で働いていると推計されている。 」

 もっとも重要なことは、将来化石燃料を代替するエネルギー源として中心的な投資、存在感を占めていた原子力発電が、2014年のこのリポートですでに、再生可能エネルギーよりも存在感を薄めていることです。日本よりも地殻変動リスクがはるかに低い世界の国々で、できれば使いたくないエネルギー源として、原子力が認識されてきた証左かもしれません。
 

プレスリリース / REN21(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century : 21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク)、6 June 2014
Global Status Report - GSR 2014 Launch Press Conference

Renewables_2014_ren21-----image : 「GSR 2014」カバー

" The Renewables 2014 Global Status Report is now available

The newly released Renewables 2014 Global Status Report is now available.
Find out what made 2013 another record year for renewables. Read about:
> expansion of supporting policies in developing economies

> additions to electricity generating capacity

> progress made in renewables heating and cooling

> shifts in investments

> leaders in renewable energy deployment

> evolution of the renewable energy field in the last decade

First released in 2005, REN21's Renewables Global Status Report (GSR) provides a comprehensive and timely overview of renewable energy market, industry, investment and policy developments worldwide. It enables policymakers, industry, investors and civil society to make informed decisions. The report covers recent developments, current status, and key trends; by design, it does not provide analysis or forecast.

The Renewables Global Status Report relies on up-to-date renewable energy data, provided by an international network of more than 500 contributors, researchers, and authors.

Don’t forget to consult REN21’s Renewables Interactive Map for country specific analysis of the various trends highlighted in the GSR.

[The Renewables 2014 Global Status Report has been launched in New York, during the first UN Sustainable Energy for All Forum (SE4ALL), by the Chair of REN21, Arthouros Zervos and the Executive Secretary, Christine Lins.]

>Download (PDF - 10.5 MB)

Additional download options
GSR2014 - Renewables 2014 Global Status Report - Full Report
GSR2014 - Renewables 2014 Global Status Report - Key Findings
GSR2014 - Renewables 2014 Global Status Report - Figures
GSR2014 - Renewables 2014 Global Status Report - Press Release (日本語版あり)
.......... "

関連
REN21 Renewables Interactive Map

REN21『自然エネルギー世界白書2014年版』を発表-----環境エネルギー政策研究所、2014年6月3日


コメント続き
 今回のGSR2014(Renewables 2014 Global Status Report) レポートは、国連がニューヨークで主催する「すべての人に持続可能なエネルギーを」イベントで公表すネルギーを」というイベントで公表されたものです。日本では、ほとんど報道されませんが、世界という規模でエネルギーを考える上での南北問題、そして東西問題を意識する時に、暮らしという視点を加えるならば、避けて通れない問題に国連が取り組む貴重な機会となるイベントで、2014年から2024年までが強化の10年として位置づけられることに決まっています。
 一昨年が国連のすべての人の持続可能なエネルギー年であったことすら、ほとんど知らない国内向けにこれらの取り組みを紹介し、意識することが、2050年に6割り方の自治体が存続の危機に立つとされるわが国にとっての、自治と自律を地方自治に付け加える最後の可能性のあるタイミングとしても重要な10年の始まりです。

参考
すべての人のための持続可能エネルギー------Ourworld 2.0 日本語、2012年01月09日-----[ E ]

‘The future starts now,’ Ban says at launch of UN Decade of Sustainable Energy for All-----UN News Centre,5 June 2014

・Twitter : #se4all

・Twilog @greenpost: #se4all

2012年は、国連持続可能エネルギー年 Sustainable Energy for All-----自然エネルギー、2012/01/26

2012年は、すべての人のための持続可能エネルギーの国際年。世界で2030年に消費半分、再生可能エネルギー倍へ!-----ソフトエネルギー、2012/01/16

・Naverまとめ : 2012年は、国連持続可能エネルギー年 Sustainable Energy for All

・Twilog @greenpost: #energy4all

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丸紅ら出資の英Seajacks、保有4隻目となる洋上風力据付特殊船 Seajacks Hydra を竣工

 丸紅と産業革新機構が共同出資している、英国の洋上風力据付会社 Seajacks International Limited(シージャックス)の据付特殊船 Seajacks Hydra がこのほど完成しました。同船は、シージャクス社の4隻目の保有船となります。この船は、以前の記事で自己推進式ジャッキアップ船として紹介したものの新型で、クレーン容量は400トン、最大作業深度48mで大型の洋上風力発電機2台を搭載可能な積載スペースをもっています。この船の作業現場となる北海の条件は、平均41mの深度で、海底に4本の支柱を建て、クレーンで建柱工事、そして風力発電機の据付を1基あたり、数日のペースで建設する能力があります。
 以前の発表によると、シージャックス社は欧州において830MW以上の洋上風力発電タービン機器等の据付実績を誇り、現在もドイツにおいて大型洋上風力発電所(Meerwind洋上風力発電所 288MW)の建設を行っています。

 日本近海の”深い海”では使えない船ですが、アジアでも活躍することはできます。ただ、今の隣国たちとの政治的な状況では、無理ですね。


プレスリリース / 丸紅、2014年6月3日
ニュース /
英国シージャックス社 洋上風力据付特殊船竣工の件

Seajacks_hidra
-----image : 同リリースより

" 丸紅株式会社(以下「丸紅」)が株式会社産業革新機構(以下「産業革新機構」)と共同出資する、英国の洋上風力据付会社 Seajacks International Limited(以下「シージャックス社」)の据付特殊船が2014年6月2日に竣工しました。

 本船は、2012年5月のシージャックス社買収後に建造を開始したもので、シージャクス社として4隻目の保有船となります。
........... "

関連
Seajacks Hydra delivered ahead of schedule-----Seajacks International,June 3rd 2014
Seajackshydra1024x768
-----image(”New vessel said to be ‘finest yet’ in terms of quality”) : 上記より

"Seajacks International, a world leading offshore installation and maintenance contractor in the offshore wind and oil and gas sectors, has taken successful delivery of its fourth self-propelled jack-up vessel, the ‘Seajacks Hydra’.
.......... "

・産業革新機構 : 投資先情報 投資案件 Seajacks International Ltd.

・Seajacks International : Seajacks Hydra
Seajacks_hydra
-----image : 「Seajacks Hydra Technical Sheet(PDF)」より

"..........
Main Dimensions
Hull
Length waterline: 61.0m
Length overall: 75.0m
Width overall: 36.0m
Hull depth: 6.0m
Distance between legs:
Longitudinal 36.5m
Transverse 28.5m
Draft: 3.75m to hull
(6.75m incl. thrusters)
Main deck area: 900m²
Main deck load capacity: 5T/m
(Option 1) Blade Rack 49m x 6m x 9m
(Option 2) Helideck
Helicopter type: Sikorsky S92 (12.8t)
or equivalent
Diameter: 22.2m
.........."

・Twilog : seajacks(seajacksに関する情報)

追加情報


関連エントリー
丸紅と産業革新機構、洋上風力据付事業会社シージャックス Seajacks の国内&アジア向け新会社設立-----ソフトエネルギー、2013/06/04

丸紅と産業革新機構、英洋上風力発電設備据付の大手であるSeajacks Internationalを買収-----ソフトエネルギー、2012/03/21

洋上風力発電所で活躍する自己推進式ジャッキアップ船Seajacks Zaratanの姿-----ソフトエネルギー、2012/09/18

洋上風力発電所の作り方 Seajacks社自己推進式ジャッキアップ船 Leviathan篇-----自然エネルギー、2012/09/18


参考
Seajacks work at Meerwind Offshore Wind Park

( Seajacks UK Ltd,2014/05/16)

"Seajacks Zaratan and Seajacks Leviathan worked in tandem on the Meerwind Offshore Wind Park in the German Bight, installing all 80 WTGs."

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ソニー、カナダのハイドロ・ケベックと合弁で電力系統用大規模蓄電システムの新会社を設立

 ソニーは、カナダ最大の電力会社であるハイドロ・ケベックと合弁で電力系統用大規模蓄電システムの新会社『エスタリオン・テクノロジーズ株式会社』を設立します。具体的には、ソニーが有する安全性・信頼性の高いオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池と、拡張性の高い蓄電モジュール・システムの制御技術と、ハイドロ・ケベック社が有する電力系統の運用・制御技術をもって、電力系統用大規模蓄電システムと電力系統の使用に適した電池材料技術の開発を行うということです。ハイドロ・ケベックは、カナダ、合衆国はもちろん、海外での発電および系統網の確立・運用に積極的です。
 新会社の名前、エスタリオン・テクノロジーズは、「ESS(Energy Storage System:蓄電システム)」と「Station(エネルギーマネジメントの場所の意)」と「Lithium ion(リチウムイオン)」を組み合わせた造語で、リチウムイオン電池の技術を使用した電力系統用蓄電システムという、文字通りの意味がこめられたものだということです。

プレスリリース / ソニー、2014年06月03日
ソニーとハイドロ・ケベック社との合弁会社 エスタリオン・テクノロジーズ株式会社を設立

" ソニー株式会社(以下、ソニー)とカナダ最大の電力会社であるハイドロ・ケベック社は、電力系統用大規模蓄電システムに関する研究・開発の合弁会社として、『エスタリオン・テクノロジーズ株式会社』を設立しましたのでお知らせいたします。

 『エスタリオン・テクノロジーズ株式会社』は、ソニーが有する安全性・信頼性の高いオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池と、拡張性の高い蓄電モジュール・システムの制御技術、及びハイドロ・ケベック社が有する電力系統の運用・制御技術とリチウムイオン電池材料技術を活用します。
 両社が、これらの技術を組み合わせて同じ場所で研究・開発を行うことで、大規模な用途でも高い安全性と信頼性を実現するシステムに加えて、電力系統用に適した電池材料技術の研究・開発を行い、変電所におけるピーク対策や再生可能エネルギーの系統連系など、拡大するさまざまな用途への有効性の検証を行います。

 新会社名『Esstalion Technologies Inc.』の「Esstalion」は、研究・開発の対象となる、「リチウムイオン電池の技術を使用した電力系統用蓄電システム」という意味を込めており、「ESS(Energy Storage System:蓄電システム)」と「Station(エネルギーマネジメントの場所の意)」と「Lithium ion(リチウムイオン)」を組み合わせた造語です。
..........
エスタリオン・テクノロジーズ株式会社の概要
設立 2014年5月14日(※合弁会社としては6月2日に発足)
本社所在地 カナダ国ケベック州ヴァレンヌ市
代表者 エリー サヒブ / Élie Saheb
(現 ハイドロ・ケベック社 テクノロジー部門 EVP)
事業内容 電力系統用蓄電システムと電池材料技術の研究・開発
.......... "

関連
Establishment of Esstalion Technologies, Inc., a joint venture between Hydro-Québec and Sony-----Hydro-Quebec, June 2, 2014

Hydro-Québec and Sony Announce the Establishment of a Joint Venture to Start Development of a Large-Scale Energy Storage System for Power Grids-----Hydro-Quebec,April 16, 2014

・Wikipedia : ハイドロ・ケベック電力公社


コメント続き
 カナダは、水力発電大国として名をはせています。これだけ広大な国土に、三千万人強の人口しかいません。資源は豊富で、実に多くの、広大な自然環境を有しています。電力の60%が水力ということは知っていましたが、ケベック州に関しては、なんとその96%が水力だということは知りませんでした。今回、ハイドロ・ケベックのサイトで始めて知りました。

 カナダ全体の電力に関する各発電ソースの2011年の割合は、
・水力 60%
・風力 2%
・バイオマス 1%
・石炭 12%
・天然ガス 9%
・石油 1%
・原子力 14%
・その他 1%

 となっています。将来的には、風力とバイオマスを増やし2035年には、2011年に両者合計3%のところを2035年には、この風力とバイオマスに加え、太陽光と地熱も増やし、水力をのぞく再生可能エネルギーの割合を12%まで増やす政府の見積もりもあります。豊かな自然を生かし、化石燃料と原子力への依存をどこまで減らすことができるのか? 日本の条件とはかなり隔たりがありますが、両国の協力には多くの可能性が存在しています。カナダを通して、エネルギー技術の市場としての中国を見ると大きな可能性を感じます。


参考
・Hydro-QuebecHydropower - A CLEAN AND RENEWABLE ENERGY SOURCE
Electricity_map_usa_canada_0_w640
-----image(”Map - Electricity Generation in Canada and the United States”) : 上記サイトより-----
2011_electricity_usa_canada_w800

"Map of the different sources of electricity generation in Canada and the U.S. and the impact on greenhouse gases emissions"

・Canada National Energy Board : Canada’s Energy Future: Energy Supply and Demand Projections to 2035 - Emerging Fuels and Energy Efficiency Highlights
Fg7_3eng
-----image(”Canadian Generation Mix in 2010 and 2035, Reference Case”) : 上記サイトより

Natural Resources Canada : About Renewable Energy

"Key Descriptors
・Canada, with its large landmass and diversified geography, has substantial renewable resources that can be used to produce energy; these resources include moving water, wind, biomass, solar, geothermal, and ocean energy.
・Canada is a world leader in the production and use of energy from renewable resources. Renewable energy sources currently provide about 16.9% of Canada’s total primary energy supply.
・Moving water is the most important renewable energy source in Canada, providing 59% of Canada’s electricity generation. In fact, Canada is the third largest producer of hydroelectricity in the world.
Wind is the second most important renewable energy source in Canada. It accounts for 1.6% of electricity generation in Canada.
・Biomass is the third largest source of Canada’s electricity generation. Its share in Canada’s electricity generation is 1.4%.
・Wind and solar photovoltaic energy are the fastest growing sources of electricity in Canada."

・GENI : Canada Energy Issues

・Twilog : renewcanada(カナダの再生可能エネルギー関連の情報)

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関西電力グループ、中部電力管内(愛知)に12000kW田原4区風力発電所(2MW6基)を完成

 関西電力グループの関電エネルギーソリューションが、平成25年6月から愛知県田原市で進めてきた田原4区風力発電所がこのほど完成しました。1月に風車の組立てを完了、試験運転を行いながら電気事業法に基づく手続きを経て、2014年5月27日に営業運転を開始しました。回転翼の直径80mのヴェスタスの2MW機3基、合計12,000kWにより、一般家庭約3900世帯分に相当する約1,400万kWh/年の発電電力量が期待されています。発電電力は、管内となる中部電力に売電されます。電力会社が自社管内ではなく、他社管内において発電事業を運営する事例は増加するとみられ、電力市場の活性化にも一石を投じることになることが期待されています。

 関電エネルギーソリューションは、この他に平成24年12月に運転を開始した12,000kW 淡路風力発電所(兵庫県淡路市、2,000kW×6基)を運転中です。この2箇所が関西電力グループが保有する風力発電所となります。さらに同社は、太陽光発電や水力発電も運用しています。再生可能エネルギーの利用は今後も拡大するとみられています。実効ある発電ソースとしての再生可能エネルギーの存在感の拡大につながるか、大いに期待をもっています。


プレスリリース / 関西電力、2014年5月27日
田原4区風力発電所の営業運転開始について

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-----image(”左-発電所の位置図、右-発電所の写真”) : 別紙より

" 関西電力株式会社のグループ会社である株式会社関電エネルギーソリューション(以下、Kenes)は、平成25年6月から愛知県田原市で風力発電所の建設工事を進めてきました。

 Kenesは、本年1月に風車の組立てを完了し、その後、試験運転を行いながら電気事業法に基づく使用前自主検査※1を行い、本日「田原4区風力発電所」として営業運転を開始しました。

※1:使用前自主検査・・・電気事業法に基づき、事業用電気工作物(風車等)が工事計画の内容どおりであること、および技術基準に適合していることを事業者自らが確認する検査。

 本発電所は、当社グループでは2箇所目※2の風力発電所となり、定格出力6,000kW(2,000kW×3基)で、年間約1,400万kWhの発電電力量を見込んでいます。これは、一般家庭約3,900世帯の年間電気使用量に相当し、CO2の削減量は年間約4,900トンとなる見込みです。なお、発電した電力は全量を中部電力に売電します。

※2:1箇所目は、淡路風力発電所
(出力12,000kW(2,000kW×6基)、平成24年12月営業運転開始)

”田原4区風力発電所の概要について

<発電所の概要>
事業者 株式会社関電エネルギーソリューション
発電所名 田原4区風力発電所
所在地 愛知県田原市白浜2号1番3
発電出力 6,000kW(2,000kW×3基)
発電電力量 約1,400万kWh/年
(一般家庭約3,900世帯※1の年間電気使用量に相当)
CO2削減量 約4,900t/年※2
風車外形 (1基あたり) タワー高さ 約80m
ロータ直径 約80m

※1:中部電力のご家庭の平均的なモデルの電気使用量(300kWh)を用いて算出。
※2:中部電力のCO2排出係数の5ヵ年平均値(H20~24年度:0.405kg-CO2/kWh)から風車のライフサイクルCO2(H22.7電力中央研究所資料:0.025kg-CO2/kWh)を差引いて算出。
.......... ”----- 別紙よりより
.......... "

関連
田原4区風力発電所の営業運転開始について-----関電エネルギーソリューション、2014年5月27日
- 発電事業の受注実績

" けいはんな太陽光発電所(京都府精華町) 1,980kW 運転開始 平成25年12月
淡路風力発電所(兵庫県淡路市) 12,000kW(2,000kW×6基) 運転開始 平成24年12月
田原4区風力発電所(愛知県田原市) 6,000kW(2,000kW × 3基) 営業運転開始 平成26年5月

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-----image : 上記サイトより

寺内配水場小水力発電所(大阪府豊中市) 129kW 運転開始 平成19年2月"


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丸紅、三峰川(みぶがわ)電力、長野県茅野市に141kW蓼科第二発電所を完成

 丸紅は、100%子会社の三峰川(みぶがわ)電力により長野県茅野市に建設中だった、141kW 蓼科第二発電所が完成し、竣工式を開催しました。商業運転は本年1月15日より開始されていて、おおよそ一般家庭約270世帯分に相当する電力を固定価格買取制度の下、中部電力に売電しています。
 2010年に丸紅は、三峰川電力を通じ、蓼科開発農業協同組合が所有する水力発電所「蓼科発電所」の営業権及び発電設備一式を買収しました。蓼科発電所は、2007年5月より、設備の老朽化のため運転を休止でした。
 買収後、2011年6月に260kW蓼科発電所が運転を再開、そして同一水系の利用となる141kW蓼科第二発電所が今回新設されました。

 これにより丸紅は、三峰川(長野県伊那市・2か所)、蓼科(長野県茅野市・1か所)、北杜(山梨県北杜市・3か所)、そして7か所目となる本件、蓼科第二(長野県茅野市)を加えました。

プレスリリース / 丸紅、2014年5月26日
長野県茅野市における小水力発電所稼動・竣工式開催の件

"丸紅株式会社(以下「丸紅」)は、100%子会社の三峰川(みぶがわ)電力株式会社(以下「三峰川電力」)による蓼科第二発電所(長野県茅野市)の建設が2013年12月に完工し、本年1月15日より商業運転を開始したことを受け、本日竣工式を開催致しました。事業主は三峰川電力100%となります。

 本事業は、長野県茅野市糸萱区の渋川大橋脇にある滝之湯堰土地改良区農業用水路に小水力発電所を設置したもので、すでに運転中の三峰川電力が所有する蓼科発電所(2011年6月運転開始)と同一水系にあることから、メンテナンスの効率化などのシナジー効果が期待されます。
本事業から得られる年間発電量は、一般家庭約270世帯の年間電力消費量を見込んでおり、発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用し売電しております。
..........
 三峰川電力は蓼科発電所運営により、経験を培うと共に、地元茅野市及び滝之湯堰土地改良区との友好関係を築いてきました。今後も茅野市において、小水力発電を始め、潜在する資源を利活用し事業化を進めて行く事で、同市が目指す自然エネルギーを活用する未来のまちづくりに協力・貢献したいと考えています。

 丸紅は2006年から小水力発電の運営を行い、本件は三峰川(長野県伊那市・2か所)、蓼科(長野県茅野市・1か所)、北杜(山梨県北杜市・3か所)に続く国内7か所目の案件になります。今後、丸紅は2020年までに国内30か所程度の中・小水力発電所の開発を目指し、全国で環境に優しい再生可能エネルギーの創出に積極的に取り組んでいきます。
.........
三峰川電力株式会社 長野県茅野市小水力発電所
施設名 所在地 認可出力
蓼科発電所 茅野市北山地内(蓼科区) 260kW
蓼科第二発電所 茅野市北山地内(糸萱区) 141kW
.......... "

関連
三峰川電力 / 設備紹介
- 三峰川流域外の小水力発電所
蓼科発電所
20110223135432
-----image(”蓼科発電所水車発電機”) : 上記サイトより
- 蓼科発電所 諸元

小水力発電所「蓼科発電所」の買収・再生について-----丸紅、2010年6月21日
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-----image(”上左-蓼科発電所外観、上右-発電所取水口、 下左-水車発電機、下右-送水管”) : 上記リリースより-----
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蓼科発電所
所 在 地 長野県茅野市北山4035-983
最大出力 260kW  RPS電源(予定)
最大使用水量 0.53m3/sec 
有効落差 64.55m
年間発電電力量 1,830,000kWh  
建設コスト 約3億円
節約石油換算量※ 476,268L/年 (ドラム缶約2,380本)
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参考
北杜市、丸紅グループの三峰川電力と官民パートナーシップによる同一水系新設3ヶ所の小水力発電導入事業を推進-----ソフトエネルギー、2011/06/28

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