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山口県、萩市にサイフォン式の小水力、82kW 相原発電所を建設

 山口県は、萩市川上に県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となるサイフォン式82kW相原発電所(小水力発電所)を建設、5月19日に竣工式が行われました。
 相原発電所は、1968年に建設された治水目的の相原ダムに建設された、水量3.20平方メートル/sと落差3.87mという条件で、最大82kWを発電する小水力発電所です。売電価格は、3万kW未満の条件にて、買取価格34円 / kWhです。
 すぐ上流の阿武川ダムには、19,500kWの新阿武川発電所があります。これに比べると、規模は小さい発電所ですが、サイフォンとすることで、既存の堰に手を入れることなく小水力発電所を追加できることから興味深いプロジェクトといえます。
 あの手動+サイフォンの原理を利用した便利な灯油ポンプでも利用されているこのしくみ、製造元は公開されている写真から石垣製とわかりました。ホームページで公開されているものもちょっと大型のものが納入されています。新型? 改良型でしょうか?


プレスリリース / 山口県、平成26年 (2014年) 5月 13日
県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となる 萩市相原発電所の稼働開始等について

Yamaguchi_aihara_microhydro
-----image : 同リリース「添付ファイル 相原発電所の概要及び会場位置図 (PDF)」より

" 山口県では、県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となる萩市「相原発電所(小水力発電所)」の竣工式を、下記のとおり開催しますので、お知らせします。

本発電所は、平成22年から整備を進めてきたものであり、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策の推進に向けた「再生可能エネルギー」の導入促進のためのモデルとなるものです。

また、再生可能エネルギーについての県民の皆様や子どもたちの理解の促進に資するため、式典後、地元小学生を対象とした再生可能エネルギー学習会を開催するとともに、5月25日までの1週間、一般県民向けの施設見学会を開催しますので、併せてお知らせします。

※ 小水力発電:一般的には出力1,000kW以下の水力発電を指す。
(固定価格買取制度は、3万kW未満を対象(買取価格:34円/kWh)
..........
” 相原発電所の概要

計画の目的
近年、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策等の観点から、二酸化炭素を排出しない小水力発
電への期待が高まっており、県においては、既存の施設のなかで利用されていない落差の有効活用を検
討し、採算性の見込める地点については小水力発電のモデル施設として開発していくこととしており、その
第一弾として相原発電所を建設した。
..........


Yamaguchi_aihara_microhydro_map
-----image(”会場位置図”) : 同リリースより  ”-----同リリース「添付ファイル 相原発電所の概要及び会場位置図 (PDF)」より
.......... "

関連
・山口県 企業局総務課 : 小水力発電開発支援サイト・山口県内の取組状況
Yamaguchi_aihara_microhydro_image
-----image : 上記サイトより

"..........
◆相原発電所の概要

[基本諸元]
所在地       山口県萩市川上
出力(最大)    82kW
有効落差(最大)  4.13m
使用水量(最大)  2.71m3/s
年間可能発生電力量 328MWh(一般家庭約90戸相当)
営業運転開始予定  平成26年度

[特徴]
相原ダム(既設)の落差を活用
サイホン式取水
.......... "

Yamaguchi_aihara_microhydro_image2
-----image : 山口県 企業局総務課 : 小水力発電開発支援サイト・山口県内の取組状況より


参考
山口県のダム / 阿武川(あぶがわ)ダム

・石垣 : 小水力発電用 サイホン式立軸水車 IPOA-G

イベント7/10-11 中小水力発電技術に関する実務研修会-----新エネルギー財団案内より

" 河川維持放流を活用した
小水力発電所の建設について
〜祝子(ほうり)第二、相原発電所〜

宮崎県企業局 工務課
主査 栢木 良一
山口県企業局 厚東川工業用水道事務所
主任 内山 裕介

宮崎県祝子第二発電所(35 kW)は、祝子発電所の貯水池・祝子ダムからの河川維持放流量を活用した宮崎県企業局初の維持放流発電所である。ダムの変落差にも対応できる機器を採用し安定した放流量を確保している。
山口県相原発電所(82 kW)は、新阿武川発電所の逆調整池である相原ダムの下流放流時の未利用落差を活用し、サイホン式取水の採用や入口弁の省略によりコスト低減を図っている。
これら河川維持放流を活用した発電所の、計画、設計及び施工について紹介する。 "


コメント続き
 山口県の企業局によると、県が管理する水力発電所は10箇所で、その合計容量は、51,440kWで、発電量は179,910,000kWh/年で、一般家庭約5万世帯に相当します。

Yamaguchi_hydro_table
-----image : 山口県企業局、企業局の発電所一覧より

 この十箇所の中で最新のものは、1992年(平成4年)に建設された下松市の1,600kWの末武川発電所です。そして、その次が今回建設された、2014年(平成26年)の82kWの相原発電所となります。実にこの22年、県の水力発電所は建設されてこなかったことになります。今回の相原発電所は、2011年7月から開始された、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の賜物であるのです。
 数々のこの制度の欠陥、問題を指摘することは簡単ですが、その制度を正しく有効な方向で、迅速に”維持管理”、問題があれば”修理や部品交換”することができるかが、日本のしくみ作りとして求められているものです。私たちにそれができるかどうか? いまこそ問われるべき問題です。

 ところで、山具県では農業用水路を利用したさらに小さな水力発電所の建設も行われています。萩市福栄紫福地内の農業用水路では、電柵用の5Wのものが、田布施町小行司では、照明用の40Wのものが取り組みとして紹介されています。手作り水車のレベルのこうしたプロジェクトにも興味があります。簡単に設置できるもの、手軽に利用できるもの、そんな超小型水車の世界です。

参考
本県初の簡易型小水力発電施設が完成しました!-----山口県、平成26年 (2014年) 3月 19日

"1 概要

農業用水を活用した小水力発電は、農村地域の水資源を有効に利用し、農村地域を活性化する上で重要であることから、県では、売電を目的としない簡易型の小水力発電の効果検証に着手したところです。
このたび、萩市と田布施町で、水路の流量や落差など、現地の地形条件に応じてタイプの異なる2種類の簡易型小水力発電が完成し、土地改良区等が管理する電気柵や照明への電力供給を開始したのでお知らせします。
小規模な水路を活用した簡易型小水力発電は、本県で初めての取り組みです。

2 施設概要と記者対応日時
(1) 施設概要
丸1 福栄地区
 ・ 場所:萩市福栄紫福地内の農業用水路
 ・ 電力使途:電気柵(5ワット)
 ・ 水車:フロート式下掛水車(材質:ポリ塩化ビニル、重量:約9kg)
 ・ 事業主体:福栄土地改良区
丸2 小行司地区
 ・ 場所:田布施町小行司の水路
 ・ 電力使途:照明(40ワット)
 ・ 水車:上掛式クロスフロー水車(材質:ステンレス、重量:約300kg)
 ・ 事業主体:山口県農業用水小水力発電推進協議会
(県、市町、土地改良区など34の機関で構成)
.......... "


参考
・Twilog @greenpost : #山口(山口県の再生可能エネルギーの情報)



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