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三菱電機、風力発電向けのレーザー光 風計測ライダシステムを開発

 三菱電機は、風力発電向けのレーザー光を利用した風計測用のドップラーライダシステムを開発したと発表しました。ライダー Lidarとは、Light Detection and Rangingの略で、訳すと”レーザー光による検知と測距”技術となります。ドップラー効果を利用した距離と方位の正確な測定が可能な技術です。原理は、レーザ光を空間に発射し、大気中のエアロゾルからの散乱光を受信、その信号周波数成分を解析により、移動する測定対象(この場合は風)の移動速度が、すなわち上空の風速を計測することができます。また同時に、レーザ光を繰返しパルス送信しながら、レーザビームをスキャンすることで、測定対象までの距離と方位を正確に得ることができます。
 今回同社が開発したのは、風力発電所設置時の発電量の予測精度を向上する風計測ライダ技術です。再生可能エネルギー技術の研究機関であるオランダエネルギー研究センター(以下、ECN)での第三者評価試験において、風力事業への導入基準をクリアすることが2014年4月に承認されました。

 用途としては、風車建設候補地の風況観測他、風車の予測制御、広範囲の風車の一括制御などが考えられます。風車の計画から運用、そして統計データーなどの解析用になくてはならない、風況観測の技術です。


プレスリリース / 三菱電機、2014年5月28日
オランダエネルギー研究センターが性能を承認 三菱電機 風力発電向けの風計測ライダを開発

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-----image(”上-図1:ライダ使用例、下-図2:風計測ライダ”) : 同リリースより-----
05282

" 三菱電機株式会社は、風力発電所設置時の発電量の予測精度を向上する風計測ライダ※1を開発しました。当ライダは、再生可能エネルギー技術の研究機関であるオランダエネルギー研究センター(以下、ECN)での第三者評価試験において、風力事業への導入基準をクリアすることが2014年4月に承認されました。本成果を活用し、世界中で広がる再生エネルギー分野に貢献します。 ※1:Lidar = Light Detection and Ranging .......... 開発の背景  風力発電所を設置する場合には事前に風況調査を行いますが、従来は風況観測マストを建設し、それに取り付けたカップ式風速計による調査を行っていました。しかし、カップ式風速計は一地点の風のみの計測に留まり、さらに風車の大型化に伴い風況観測マストの建設費用が増加するという課題がありました。  レーザー光により地上から上空風を遠隔観測するライダは、風車のローター面を含む全高度の風を計測できるため風車の発電量の予測精度が向上するほか、風況観測マストが不要となるため費用の大幅な削減が可能となります。国際エネルギー機関(IEA)ではライダの国際標準化に向けた動きも本格化するなか、今回の開発により、世界中で高まるライダ導入の期待にお応えします。 .......... 開発の特長  耐環境性能の向上などにより、洋上などへ運用範囲が拡大 ・耐水性IP67相当と耐温性マイナス20℃を実現し、耐環境性能を向上 ・ジャイロ搭載により耐動揺性を確保し、浮体式洋上風力発電への活用が可能

 省エネ・小型化により、運用負荷を低減
・定常時消費電力100W以下、重量60kg以下を実現し、運用負荷を低減

 ECNによる第三者評価試験で性能承認
・計測の基準となっているカップ式風速計との比較で誤差1%以下を承認
・欧州を代表する洋上風力研究開発プロジェクトNORSEWInD で要求されているライダの仕様条件をクリア
・ライダ稼働中のデータ取得率※2 95%以上をクリア
※2:データ取得率は三菱電機での解析結果となり、ECNは解析手法の妥当性を承認

今後の事業展開

 現在当社では、開発したライダの製品化を2014年6月に予定しています。本成果を活用して風計測ライダ事業のグローバル展開を図ると同時に再生エネルギー分野における風力発電の発展に寄与します。
.......... "

関連
・三菱電機 : ドップラーライダシステム
/ 風力発電分野
Mitsubishi_wind_keisoku_system
-----image : 上記サイトより

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東北電力、再エネ関連グループ企業を再編・統合。まずは水力・地熱

 東北電力は、再エネ関連グループ企業を再編・統合すると発表しました。日本経済新聞によると、グループ10社の再生エネ発電出力はで17万キロワット。東北電はグループで国内最多となる229の水力発電所を持ち、地熱発電でも国内最大規模の出力を保有しているとのことです。

東北電、再生エネ発電会社10社統合へ-----日本経済新聞、2014/5/28

 そして、手始めに東星興業と東北水力地熱を合併し新会社「再生可能エネルギー発電事業会社(仮称:東北自然エネルギー株式会社)」を設立すると発表しました。東北電力(100%)出資の東星興業は、水力発電が14ヵ所で7万200kW。出資比率65%の東北水力地熱は、完全子会社化します。同社は、水力発電が3ヵ所で3万8,700kW。地熱発電が、1ヵ所で、2万3,500kW。さらに発電出力10万8,800kWに相当する、地熱蒸気基地を保有しています。合併による新会社の設立は、平成27年7月となる予定です。

 今後、さらに太陽光発電や風力発電関連のグループ企業などを順次統合するとのことです。



プレスリリース / 東北電力、平成26年 5月27日
当社企業グループにおける再生可能エネルギー発電事業の再編・統合について~東星興業(株)と東北水力地熱(株)を合併し新会社を設立

" ..........このたび、再生可能エネルギー発電事業の一層の推進に向けて、企業グループにおける同事業の再編・統合を行い、体制の強化を図ることといたしました。
 この一環として、今般、当社の子会社である東星興業株式会社と東北水力地熱株式会社を合併し、グループ内に中核となる再生可能エネルギー発電事業会社(仮称:東北自然エネルギー株式会社)を設立することといたしました。なお、合併による新会社の設立は、平成27年7月を予定しております。

 これまで当社は、東北地方に豊富に賦存する再生可能エネルギーの有効活用に向けて、企業グループ内の複数の発電事業者がそれぞれ保有するノウハウ等を生かしながら、積極的に導入拡大に取り組んでまいりました。
 当社管内において、東星興業(株)は水力発電事業を、東北水力地熱(株)は水力および地熱発電事業を行っております。当社企業グループの再生可能エネルギー発電事業者の中で、両社は保有する発電所の出力など事業規模が大きいことから、両社の合併により事業基盤を強化し、設立する新会社を当社企業グループの再生可能エネルギー発電事業の中核とすることにしたものです。

 今後、新会社が担う水力・地熱発電事業に加え、企業グループ内の太陽光および風力発電事業も新会社に一元化する方向としており、多様な発電事業とノウハウを保有する再生可能エネルギー専門の会社という特徴を生かし、再生可能エネルギーの導入拡大に一層取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、東星興業(株)と東北水力地熱(株)の合併に先立ち、当社は東北水力地熱(株)を完全子会社とすることとしており、今後、両社の合併による新会社設立および円滑な事業開始に向けて鋭意準備を進めてまいります。

 東星興業(株)と東北水力地熱(株)の会社概要は別紙のとおりです。
”..........
東星興業株式会社
..........
株主構成 東北電力株式会社(100%)
..........
発電設備等 水力:14ヵ所(7万200kW)
..........
東北水力地熱株式会社
..........
東北電力株式会社(65%)
..........
水力:3ヵ所(3万8,700kW)
地熱:1ヵ所(2万3,500kW)

地熱蒸気基地:2ヵ所
(発電出力10万8,800kW)
..........”-----「(別紙)東星興業(株)および東北水力地熱(株)の概要」より
.......... "

関連
東北電力 企業グループ一覧 (発電)

・水力発電事業懇話会 : 東星興業

"発電所 (14プラント)
込発電所(青森県青森市)、大越発電所(山形県西川町)、玉川発電所(山形県小国町)、鮎川発電所(秋田県由利本荘市)、上先達発電所(秋田県仙北市)、平良発電所(秋田県東成瀬村)、新小滝発電所(秋田県にかほ市)、本郷発電所(福島県会津美里町)、真野発電所(福島県飯館村)、庭坂発電所(福島県福島市)、日中発電所(福島県喜多方市)、小谷発電所(福島県会津若松市)、新下平発電所(新潟県阿賀町)、新小荒発電所(新潟県阿賀町)
最大出力計:70,200kW "


・水力発電事業懇話会 : 東北水力地熱株式会社

"事業所
北上水力事業所:岩手県北上市(和賀川(発)15,500kW,石羽根(発)10,800kW)
長者原水力事業所:山形県小国町(長者原(発)12,400kW)
雫石地熱事業所:岩手県雫石町(松川(発)23,500kW,葛根田蒸気基地80,000kW)
湯沢地熱事業所:秋田県湯沢市(上の岱蒸気基地28,800kW)

※葛根田蒸気基地は東北電力㈱葛根田地熱発電所へ蒸気供給
上の岱蒸気基地は東北電力㈱上の岱地熱発電所へ蒸気供給"

東北電力 : 当社の新エネルギーに対する取り組み / 2.当社の取り組み


追加情報
東北電力関連、山形小国町に14.2MW玉川第二発電所を新設へ-----ソフトエネルギー、2014/08/05

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2013年実績世界第三位のオムロン、さらに太陽光発電用パワコンを2倍増産

 オムロンは、太陽光発電システムの需要拡大に伴い、太陽光発電システム用パワーコンディショナ KPシリーズの増産体制を構築し、現生産量の2倍の生産能力を実現すると発表しました。IHS Technologyの調査によると、オムロンは2013年度の市場ランキングにおいて世界第三位となっています。オムロンのラインナップは、住宅用や小容量の産業用に強く、増産されるKPシリーズには、多数台連系時に起きるパワーコンディショナの単独運転を防止する業界初の技術 AICOT(R)が搭載され、相互干渉の心配なく、多数をより集中的に、地域内で利用することが可能になります。

 パワーコンディショナーは、PCS(Power Conditioning System)と欧文では表記される、シンクロナス機能をもった直流-交流変換インバーターと連系保護機能を備えた太陽光発電などに必須の機器となります。2011年7月から開始された再生可能エネルギーの固定価格買取制度により、国内のパワコン市場を大きく飛躍したことになります。
 

プレスリリース / オムロン、2014年5月26日
太陽光発電システム用パワーコンディショナ KPシリーズの増産について

Omron_pcs_lineup
-----image : 同リリースより

" オムロン株式会社(本社:京都市下京区、略)は、太陽光発電システムの需要拡大に伴い、太陽光発電システム用パワーコンディショナ(以下パワコン):KPシリーズの増産体制を構築し、今年6月に現生産量の2倍の生産能力を実現します。

 太陽光発電は、地球温暖化対策や昨今の電力不足対策の代替電力の一つとして注目され、その市場は年々拡大傾向にあります。また、2012年7月にスタートした再生可能エネルギー固定価格買取制度(以下、買取制度)により、太陽光発電市場はますますの拡大を続けており、3年目に入った今年度においても、引き続き堅調な伸びを見せています。
 特に、低圧連系ができる50kW未満の小規模太陽光発電システムや、住宅用太陽光発電システムの普及が今後も進むものと思われます。

 当社におきましては、昨年度より市場の需要に対応できるよう、太陽光発電システム用パワーコンディショナの生産体制の強化を図ってまいりましたが、さらなる需要にも柔軟にお応えできるよう、6月に総生産能力を倍増させる体制を完了いたします。
特にご好評を得ている屋外向けタイプを中心に、安定的なご提供を実現することで、今後の太陽光発電システムのさらなる普及に貢献したいと考えています。
.......... "

関連
・オムロン : 太陽光発電用 パワーコンディショナ KPシリーズ


参考
・Wikipedia : Power conditioner - パワーコンディショナー


コメント続き
 パワコンの世界市場におけるメーカーシェアには、大きな変化が現れています。IHSの調査によると、

 2012年のランキングでは、
No.1 SMA(Europe)
No.2 Power-One (USA ,ABB Europe傘下へ)
No.3 Kako(Europe)
No.4 Advanced Energy(USA)
No.5 Fronius(Europe)
No.6 Enphase Energy(USA)
No.7 Danfoss Solar Inverters(Europe)
No.8 Omron(Japan)
No.9 RefuSol(Europe)
No.10 Schneider Electric(Europe)

 そして、2013年ランキングでは、日本勢が3社もランクイン。中国のSungrowも5位に入り、アジア勢の躍進が目立つ結果となりました。

No.1 SMA(Europe)
No.2 ABB (Europe)
No.3 Omron(Japan)
No.4 TMEIC(Japan)
No.5 Sungrow(China)
No.6 Advanced Energy(USA)
No.7 Tabuchi(Japan)
No.8 Schneider Electric(Europe)
No.9 Enphase Energy(USA)
No.10 Kako(Europe)

 なお、TMEICは、東芝三菱電機産業システム、Tabuchiは、田淵電機。

 
参考2
2013 PV Inverter Supplier Rankings: Asian Suppliers Tighten Grip as European Leadership Weakens-----IHS Technology,April 10, 2014
499057
-----image(”2013 PV Inverter Supplier Rankings”) : 上記リリースより

2013年の太陽光発電向けパワコンの世界シェア、日本市場の拡大受け、オムロンとTMEICが上位に-----TechOn!,2014/04/15

".....日本から上位10社に入ったのは、3位のオムロン、4位の東芝三菱電機産業システム(TMEIC)、7位の田淵電機である。住宅用や小容量の産業用に強いオムロンは2012年に比べて3ランク、田淵電気は1ランク、それぞれ順位を上げた。....."

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旭硝子、超軽量ソーラーパネル ライトジュール(TM)、225Wp-重さ9.5kgを販売開始

 旭硝子は、2012年に太陽電池や建築、照明分野に超軽量化学強化特殊ガラスLeoflex(TM)を発売開始しました。そして、自社の高砂工場に同強化ガラスを利用した太陽光発電システムを導入。従来型のソーラーパネル(約12kg/m2)が荷重制限のために設置できない箇所にも、重量を半分以下とした“Leoflex”の超軽量ソーラーパネル(6kg弱/m2)を採用することで設置でき、従来のパネルでは利用できなかったスペースも利用可能とアピール。
 そして、今回単結晶セルを利用した超軽量ソーラーパネルライトジュール(TM)、225Wp-重さ9.5kgを販売開始しました。従来のモジュール用のガラスの厚さは、3.2mmで、今回のLeoflexは、たったの0.8mmです。

ニュースリリース / 旭硝子、2014/5/23
・超軽量ソーラーパネル「ライトジュール(TM)」を販売開始 ~化学強化特殊ガラス"Leoflex(R)"でパネルの重量を約半分に~

Agc_light_module_pv_photo
-----image(”超軽量ソーラーパネル施工例(当社 関西工場高砂事業所)”) : 同リリースより

" AGC(旭硝子株式会社、本社:東京、略)は、5月から従来型の ソーラーパネルに比べて重量を約半分にした超軽量ソーラーパネル「ライトジュール(TM)」の販売を開始します。薄くて強い化学強化特殊ガス“Leoflex(R) ”をカバーガラス として使用することで、軽量化を実現しました。

 近年、ソーラーパネルの設置場所として、工場や倉庫、公共施設など広い面積を持つ屋根の有効活用が広がっています。しかし、荷重制限のため従来型のソーラーパネルの設置が難しい屋根の場合、設置するパネル数を減らす、もしくは設置するために補強 工事を施す必要がありました。
 「ライトジュール」は、パネル自体が軽量のため、そうした箇所にも補強工事をするとなくパネルを設置することができ、従来型と比べてコストをかけずにパネルの設置 面積を拡大することができます。また、軽量化により設置にかかる作業効率が改善し、設置コストの削減も期待できます。
..........

Agc_light_module_pv_spec_table_2

----image : 同リリースより
.......... "

関連
・AGC旭硝子 : おどろきの軽さ― Leoflex(レオフレックス)

旭硝子、太陽電池や建築、照明分野に超軽量化学強化特殊ガラスLeoflex(TM)を発売-----ソフトエネルギー、2012/05/30

旭硝子、超軽量化学強化特殊ガラス Leoflex を一部に利用した5MWpのメガソーラーを高砂工場に導入ソフトエネルギー、2012/10/03


コメント続き
 太陽電池モジュールが軽いということは、いろいろなメリットがあります。まずは長期にわたる屋根や下地への負担の軽減、また作業の効率化および労力の軽減にも貢献してくれます。
 この分野では、特殊な素材の張り合わせ技術を擁するフジプレミアムが先行しています。軽量な太陽電池の利用がどこまで評価され広がるのか? 今後に注目しましょう。


参考
フジプレアム、極薄強化ガラス採用の軽量太陽電池モジュールを開発。結晶系、215Wp-8.2kg !-----ソフトエネルギー、2011/12/07

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中部電力、岐阜木曽川水系揖斐川に22,400kW徳山水力発電所2号機を完成

 中部電力は、岐阜木曽川水系揖斐川(いびがわ)の最上流部にある徳山ダムに、22,400kWの徳山水力発電所2号機を完成、営業運転を開始しました。徳山ダムは、水資源機構が管理する多目的ダムで、洪水調整、流水の正常な機能の維持、新規利水、発電と複数の役目を担っています。その堤高は 161m、堤頂長 427.1mの中央遮水壁型ロックフィルダムです。今回完成した徳山水力発電所2号機と来年完成予定の1号機、こちらは131,000kWがあり、両者の合計出力は、153,400kWです。
 発電所の条件は、以下。

最大使用水量
1号機:82.38m3/s、2号機:18.97m3/s
(注)ただし、1,2号機の合計最大使用水量は100.4m3/s

有効落差
1号機:181.96m、2号機:145.71m

 ともに2009年10月に着工し、当初の予定では2014年6月に両者とも完成予定でしたが、発電所の掘削工事において、事前の調査結果よりも岩盤位置が深かったことが判明、そのための追加の工事が発生し、さらに2011年の豪雪に伴う工事中断などにより工期に遅れが生じました。1号、2号ともに完成すると、年間の発電量は、15万3千kWに達し、約5万世帯分の消費電力に相当します。合計出力、153,400kWは、中部電力の水力発電所の中でも五番目の規模となる大きな水力発電施設となります。


プレスリリース / 中部電力、2014年5月15日
徳山水力発電所2号機の営業運転開始

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-----image : 上下とも、同リリース「別紙 徳山水力発電所の位置図・全景[PDF]」より-----
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" 当社は、本日、徳山水力発電所2号機の営業運転を開始しましたので、お知らせいたします。 徳山水力発電所2号機は、揖斐川の最上流部にある徳山ダム(独立行政法人水資源機構が管理する多目的ダム)を利用した、発電出力22,400kWのダム式発電所です。 当社は、2号機の安定運転に努めるとともに、引き続き、1号機建設工事について、地元の皆さまおよび関係各所にご理解とご協力をいただきながら、安全を最優先に進めてまいります。

【徳山水力発電所の概要】
所在地 岐阜県揖斐郡揖斐川町東杉原
水系 木曽川水系 揖斐川

最大出力
1号機:131,000kW、2号機:22,400kW
(合計:153,400kW)
発電形式
1号機:ダム水路式、2号機:ダム式
最大使用水量
1号機:82.38m3/s、2号機:18.97m3/s
(注)ただし、1,2号機の合計最大使用水量は100.4m3/s
有効落差
1号機:181.96m、2号機:145.71m
着工年月日
2009年10月26日
営業運転開始
1号機:2015年6月(予定)
2号機:2014年5月15日
......... "

関連
水資源機構 徳山ダム管理所 - 平成26年5月16日
徳山ダム直下の徳山水力発電所2号機の営業運転を開始しました。
/ 現在のダムの状況
/ 徳山ダムの役割 / 発電

"約5万世帯の電力を生み出します
徳山ダムでは、ダム直下流に徳山発電所が建設されます(平成26年度運転開始予定)。
生み出される電力は、何と15万3千kW。これは、約5万世帯の家庭で使用される電力に相当します。"

徳山水力発電所の営業運転開始時期の変更について-----中部電力、2011年11月28日

"...........
徳山水力発電所は、2009年10月に本体工事に着手して以来、2014年6月の営業運転開始を目指し工事を進めてまいりました。
しかしながら、これまでの発電所の掘削工事において、事前の調査結果よりも岩盤位置が深かったため、土留め工(注1)などの新たな対策工事が必要になったこと、さらに本年1月末の豪雪に伴う工事中断などが重なり、工期に遅れが生じております。
..........
1号機
2015年6月
2号機
2014年6月
.......... "

Googlemap_tokuyamadum
-----image : Googleマップで、徳山ダム を見る。-----
Googlemap_tokuyamadum2

中部電力の水力発電所 - 中部電力の水力発電所一覧


参考
・Twilog @greenpost : #岐阜 #renewhydro(岐阜県の水力発電関連の情報)

・Twilog @greenpost : #岐阜(岐阜県の再生可能エネルギー関連の情報)

続きを読む "中部電力、岐阜木曽川水系揖斐川に22,400kW徳山水力発電所2号機を完成"

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三井造船と北海道別海町、国内最大規模1.8MWのバイオガス発電事業を開始

 三井造船と北海道の別海町と共同で、特別目的会社「 別海バイオガス発電株式会社 」(三井造船70%・別海町30%出資)を設立し、国内最大規模1.8MWのバイオガス発電事業を開始した。
 別海町は乳牛11万頭を飼養する日本一酪農業が盛んな町です。人口は15,647人(6,355世帯)平成26年4月末です。
 今回のプラントのために集められる原料は、プラント建設予定地から半径約10㎞以内から1日当たり、乳牛4500頭分に相当する排せつ物280トンと、産業廃棄物(食品系及び水産系)5トンが予定されています。発電機は、600kWが3基で合計1.8MW。その発電量は、約9,600MWh/年が見込まれ、それは別海町全6360世帯の44.2%に当たる発電電力量となります。別海バイオガス発電所は、家畜排せつ物を使うガス発電施設としては国内最大規模となるそうです。

 今回の事業は、農林水産省をはじめ7府省共同で選定されたバイオマス産業都市構想に選定された、別海町バイオマス産業都市構想の中核となる事業です。商業運転開始は、平成27年7月の予定です。

 三井造船グループは、国内で10ヶ所のバイオガスプラントの施工実績、海外のデンマークでは本件と同規模のバイオガスプラント(1992年完成、設備能力は6500頭/日に相当)の実績をもちます。また、バイオガスプラントは、発電による電力のほか、発酵過程の副産物(消化液)由来の液肥、そして敷料を生み、これらは、牧草用肥料及び乳牛の敷料として酪農家に販売される計画です。バイオバスプラントが生む、大量の液肥の有効活用まで行えるということでも、注目の事業となります。

プレスリリース / 三井造船、2014年5月15日
国内最大規模のバイオガス発電事業を開始

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-----image : 同リリースより

" 三井造船株式会社(略)は、北海道の別海町(略)と共同で、特別目的会社「 別海バイオガス発電株式会社 」(三井造船70%・別海町30%出資)を設立し、地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型の再生可能エネルギーの強化を図り、地域の雇用創出や活性化につなげていくことを目的に農林水産省をはじめ7府省共同で選定された別海町バイオマス産業都市構想実現の中核的事業である国内最大規模のバイオガス発電事業を開始します。

 バイオガス発電事業は別海バイオガス発電株式会社が施設の建設から運営までを行います。
事業は酪農家から供給される家畜排せつ物を原料とし、発酵により発生させたメタンガスを燃料に発電。電力固定価格買取制度(FIT)に基づき20年間にわたり売電事業を行います。また同時に、発酵過程の副産物(消化液及び敷料)を牧草用肥料及び乳牛の敷料として酪農家に販売する計画です。

 発電量は、約9,600MWh/年を見込み(別海町全6360世帯の44.2%に当たる。)、家畜排せつ物を使うガス発電施設としては国内最大規模となります。

 別海町は乳牛11万頭を飼養する日本一酪農業が盛んな町です。
原料はプラント建設予定地から半径約10㎞以内から1日当たり、乳牛4500頭分に相当する排せつ物280トンと、産業廃棄物(食品系及び水産系)5トンを予定しています。

 三井造船グループは国内で10ヶ所のバイオガスプラントの施工実績があるほか、デンマークでは本件と同規模のバイオガスプラント(1992年完成、設備能力は6500頭/日に相当)を建設しています。

 今後も各地で活発化する電源確保のニーズに対して技術提案を積極的に進めていきます。

事業概要
事業名称 別海バイオガス発電事業
事業形態 特別目的会社(SPC)を設立した事業運営形態を採用
発電能力 1,800kWh(600kWh×3基)
発電方式 ガスエンジンによる発電
建設場所 北海道野付郡別海町別海2番地他
規模 メタン発酵槽4,089m3(17.5mφ×17mH)×2基
処理方式 メタン発酵発電方式
プロセス 高温発酵方式
商業運転開始 平成27年7月1日
事業期間 平成27年7月1日~平成47年6月30日

事業会社概要
社名 別海バイオガス発電株式会社
住所 北海道野付郡別海町別海2番地
代表者略
資本金 4.3億円
出資比 三井造船70%、別海町30%
.......... "

追加情報
三井造船、北海道別海町に国内最大規模、1.8MWのバイオガス発電を運開-----ソフトエネルギー、2015/08/07

関連
別海町バイオマス利活用計画等策定報告書

・農林水産省 : 第一次選定地域のバイオマス産業都市構想

Hokkaido_bekkai_biomassplant2
-----image : 上下とも、上記サイト「別海町バイオマス産業都市構想」より-----
Hokkaido_bekkai_biomass_plant

"別海町バイオマス産業都市構想(北海道)〔全体版(PDF:2,318KB)〕〔分割版1(PDF:1,391KB)〕〔分割版2(PDF:1,502KB)〕"

・三井造船 : バイオガスプラント


バイオガス発電の取り組み【別海】-----村-net.2013年 6月 11日

バイオガス発電 Now!【別海】-----村-net. 2013年 9月 4日

11万頭の牛がいる北海道の町に、排せつ物を利用したバイオガス発電-----スマートジャパン、2014年05月21日


参考
・Twilog @greenpost : #北海道(北海道の再生可能エネルギー関連の情報)

・Twilog @greenpost : #renewjapan #renewbiomass(国内のバイオマスエネルギー関連の情報)

続きを読む "三井造船と北海道別海町、国内最大規模1.8MWのバイオガス発電事業を開始"

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山口県、萩市にサイフォン式の小水力、82kW 相原発電所を建設

 山口県は、萩市川上に県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となるサイフォン式82kW相原発電所(小水力発電所)を建設、5月19日に竣工式が行われました。
 相原発電所は、1968年に建設された治水目的の相原ダムに建設された、水量3.20平方メートル/sと落差3.87mという条件で、最大82kWを発電する小水力発電所です。売電価格は、3万kW未満の条件にて、買取価格34円 / kWhです。
 すぐ上流の阿武川ダムには、19,500kWの新阿武川発電所があります。これに比べると、規模は小さい発電所ですが、サイフォンとすることで、既存の堰に手を入れることなく小水力発電所を追加できることから興味深いプロジェクトといえます。
 あの手動+サイフォンの原理を利用した便利な灯油ポンプでも利用されているこのしくみ、製造元は公開されている写真から石垣製とわかりました。ホームページで公開されているものもちょっと大型のものが納入されています。新型? 改良型でしょうか?


プレスリリース / 山口県、平成26年 (2014年) 5月 13日
県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となる 萩市相原発電所の稼働開始等について

Yamaguchi_aihara_microhydro
-----image : 同リリース「添付ファイル 相原発電所の概要及び会場位置図 (PDF)」より

" 山口県では、県営初の「再生可能エネルギー固定価格買取制度」適用施設となる萩市「相原発電所(小水力発電所)」の竣工式を、下記のとおり開催しますので、お知らせします。

本発電所は、平成22年から整備を進めてきたものであり、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策の推進に向けた「再生可能エネルギー」の導入促進のためのモデルとなるものです。

また、再生可能エネルギーについての県民の皆様や子どもたちの理解の促進に資するため、式典後、地元小学生を対象とした再生可能エネルギー学習会を開催するとともに、5月25日までの1週間、一般県民向けの施設見学会を開催しますので、併せてお知らせします。

※ 小水力発電:一般的には出力1,000kW以下の水力発電を指す。
(固定価格買取制度は、3万kW未満を対象(買取価格:34円/kWh)
..........
” 相原発電所の概要

計画の目的
近年、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策等の観点から、二酸化炭素を排出しない小水力発
電への期待が高まっており、県においては、既存の施設のなかで利用されていない落差の有効活用を検
討し、採算性の見込める地点については小水力発電のモデル施設として開発していくこととしており、その
第一弾として相原発電所を建設した。
..........


Yamaguchi_aihara_microhydro_map
-----image(”会場位置図”) : 同リリースより  ”-----同リリース「添付ファイル 相原発電所の概要及び会場位置図 (PDF)」より
.......... "

関連
・山口県 企業局総務課 : 小水力発電開発支援サイト・山口県内の取組状況
Yamaguchi_aihara_microhydro_image
-----image : 上記サイトより

"..........
◆相原発電所の概要

[基本諸元]
所在地       山口県萩市川上
出力(最大)    82kW
有効落差(最大)  4.13m
使用水量(最大)  2.71m3/s
年間可能発生電力量 328MWh(一般家庭約90戸相当)
営業運転開始予定  平成26年度

[特徴]
相原ダム(既設)の落差を活用
サイホン式取水
.......... "

Yamaguchi_aihara_microhydro_image2
-----image : 山口県 企業局総務課 : 小水力発電開発支援サイト・山口県内の取組状況より


参考
山口県のダム / 阿武川(あぶがわ)ダム

・石垣 : 小水力発電用 サイホン式立軸水車 IPOA-G

イベント7/10-11 中小水力発電技術に関する実務研修会-----新エネルギー財団案内より

" 河川維持放流を活用した
小水力発電所の建設について
〜祝子(ほうり)第二、相原発電所〜

宮崎県企業局 工務課
主査 栢木 良一
山口県企業局 厚東川工業用水道事務所
主任 内山 裕介

宮崎県祝子第二発電所(35 kW)は、祝子発電所の貯水池・祝子ダムからの河川維持放流量を活用した宮崎県企業局初の維持放流発電所である。ダムの変落差にも対応できる機器を採用し安定した放流量を確保している。
山口県相原発電所(82 kW)は、新阿武川発電所の逆調整池である相原ダムの下流放流時の未利用落差を活用し、サイホン式取水の採用や入口弁の省略によりコスト低減を図っている。
これら河川維持放流を活用した発電所の、計画、設計及び施工について紹介する。 "


コメント続き
 山口県の企業局によると、県が管理する水力発電所は10箇所で、その合計容量は、51,440kWで、発電量は179,910,000kWh/年で、一般家庭約5万世帯に相当します。

Yamaguchi_hydro_table
-----image : 山口県企業局、企業局の発電所一覧より

 この十箇所の中で最新のものは、1992年(平成4年)に建設された下松市の1,600kWの末武川発電所です。そして、その次が今回建設された、2014年(平成26年)の82kWの相原発電所となります。実にこの22年、県の水力発電所は建設されてこなかったことになります。今回の相原発電所は、2011年7月から開始された、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の賜物であるのです。
 数々のこの制度の欠陥、問題を指摘することは簡単ですが、その制度を正しく有効な方向で、迅速に”維持管理”、問題があれば”修理や部品交換”することができるかが、日本のしくみ作りとして求められているものです。私たちにそれができるかどうか? いまこそ問われるべき問題です。

 ところで、山具県では農業用水路を利用したさらに小さな水力発電所の建設も行われています。萩市福栄紫福地内の農業用水路では、電柵用の5Wのものが、田布施町小行司では、照明用の40Wのものが取り組みとして紹介されています。手作り水車のレベルのこうしたプロジェクトにも興味があります。簡単に設置できるもの、手軽に利用できるもの、そんな超小型水車の世界です。

参考
本県初の簡易型小水力発電施設が完成しました!-----山口県、平成26年 (2014年) 3月 19日

"1 概要

農業用水を活用した小水力発電は、農村地域の水資源を有効に利用し、農村地域を活性化する上で重要であることから、県では、売電を目的としない簡易型の小水力発電の効果検証に着手したところです。
このたび、萩市と田布施町で、水路の流量や落差など、現地の地形条件に応じてタイプの異なる2種類の簡易型小水力発電が完成し、土地改良区等が管理する電気柵や照明への電力供給を開始したのでお知らせします。
小規模な水路を活用した簡易型小水力発電は、本県で初めての取り組みです。

2 施設概要と記者対応日時
(1) 施設概要
丸1 福栄地区
 ・ 場所:萩市福栄紫福地内の農業用水路
 ・ 電力使途:電気柵(5ワット)
 ・ 水車:フロート式下掛水車(材質:ポリ塩化ビニル、重量:約9kg)
 ・ 事業主体:福栄土地改良区
丸2 小行司地区
 ・ 場所:田布施町小行司の水路
 ・ 電力使途:照明(40ワット)
 ・ 水車:上掛式クロスフロー水車(材質:ステンレス、重量:約300kg)
 ・ 事業主体:山口県農業用水小水力発電推進協議会
(県、市町、土地改良区など34の機関で構成)
.......... "


参考
・Twilog @greenpost : #山口(山口県の再生可能エネルギーの情報)

続きを読む "山口県、萩市にサイフォン式の小水力、82kW 相原発電所を建設"

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シャープ、5年ぶりにPVモジュールメーカー首位に。Solarbuzzリポート

 かつては、世界一だった太陽電池メーカーのシャープが、2014年の第一四半期の出荷量で、5年ぶりにNo.1PVモジュールメーカーの座に返り咲いたということです。
 当然、2011年7月から開始された固定価格買取制度の影響もあります。しかし、それだけでは世界一の座は得られないし、また高い出荷量を維持できるほど世界の太陽電池メーカーの競争は楽ではなりません。QCellsやサンテックの例にもあるように、好調を維持することは大変なことです。
 今回の結果をまとめたSolarbuzzによると、好調を支えたのは外部からのセルの調達や一部の製造をアウトソーシング化したことにより、需要への応答の迅速化を早めたことによるとのこと。自社生産と外部調達の割合などは記載されていない。知りたいところですね。

プレスリリース / Solarbuzz、2014年5月14日
Sharp Solar、5年ぶりにPVモジュールメーカー首位に返り咲き

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-----image(”図: Sharp Solarの出荷量とランキングの推移”) : 同リリースより

" アウトソーシング戦略へのシフトと日本市場の成長でSharpが再浮上

 Sharp SolarがQ1’14、5年ぶりにPVモジュールメーカー首位の座に返り咲いたことが、NPD Solarbuzzの最新刊Module Tracker Quarterlyで明らかになった。

 中国の生産能力が拡大する以前である1963年から2008年の45年間、SharpはPV業界のリーダーの座を維持してきた。しかし、その後の2009年から2014年にはFirst Solarと中国ベースのPVメーカーが業界ランキングの上位を占めることになった。NPD SolarbuzzのアナリストRay Lianは「今年第1四半期は2009年第4四半期以来初めて中国系以外のモジュールメーカーが首位に立つこととなった。Sharp Solarは日本市場の堅調な季節需要に支えられ、また中国や台湾の企業から外部調達するフレキシブルな戦略で素早く出荷量を増やし需要に対応したことが好結果につながった」と分析している。
..........
 かつて業界リーダーとして君臨していた時期にSharpは垂直統合戦略を推進しており、自社でセルやモジュールを生産していた。しかしここ数年は、主に中国や台湾を拠点とするパートナー企業に生産を外部委託しており、Sharpはモジュール販売に重点を置くようになっている。

 Ray Lianは「Q1’14のSharpの成功はPV業界における同社のブランド力を改めて示すものである。と同時に、いわゆる”ファブライト”と呼ばれる、自社の生産能力と外部調達を効果的にコントロールして短期的な商機の変化に対応するビジネスモデルの有効性を証明することにもなった。このファブライトモデルは現在、業界大手の垂直統合企業数社に採用されている」と述べている。
.......... "

関連
NPD Solarbuzz Module Tracker Quarterly

" 世界のPVモジュール動向を地域別に追跡。確かなデータをお手元に
 NPD SolarbuzzのModule Tracker QuarterlyはPVモジュールメーカーの市場シェア動向を四半期ベースで、かつ地域別、技術別に定点観測する業界初のレポートです。セールスやマーケティングの現場で、PVモジュールの出荷や価格の動向分析に役立つ戦略的情報をご提供します。PV関連メーカーや川下企業の皆様に、PV業界の供給状況理解に役立つ情報をタイムリーにお届けします。

収録データ
大手PVモジュールメーカー20社リスト
四半期ベースの各メーカーの出荷量・価格・出荷額・市場シェアデータ(Q1’10以降)
四半期ベースの各メーカーのコスト(ワットあたり)・売上総利益・粗利益の分析
四半期ベースの各メーカーのモジュール技術別出荷量
このようなご要望にお答えするレポートです

自社の市場シェアと位置付けを知りたい
自社の価格競争力はどの程度なのか知りたい
サプライヤが販売先を増やすにはどうすればよいのか
自社の市場参入戦略を調整したい
発行周期

季刊"

シャープが5年ぶりに太陽電池出荷量で世界首位に-----日本経済新聞、2014/5/15

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明電舎、水力発電システム事業強化で各種水車をそろえるイームル工業と提携

 東芝とも提携し、国内外で中小水力発電所建設で豊富な事業を展開してきた明電舎が、各種水車をラインナップし、水力発電システム事業に強みをもつイームル工業と提携することを発表しました。同社は、再生可能エネルギーの一つである水力発電への対応強化を行い、特に中小水力を得意とするイームル工業との連携を強化するということです。イームル工業の水車のラインナップは豊富で、フランシス、ペルトン、水中タービン、クロスフローと国内で展開する主な仕様がそろっています。
 水力発電の歴史は古く、100年以上の歴史があり、水車および発電機とも世界の先端の製造、運用技術を有している。効率的には、すでに各水量-落差対比における技術的な効率を追求する上での革新は終わり、今後大きく発電効率を上げることはないという意味では、確立された技術です。しかし、運用面、制度の改革および充実によって水力発電の今後の利用量と形態は大きく貢献度に差が出るという意味では、今日的な技術ともいえます。
 今後、大規模なダムの建設が行われることはむずかしいので、従属発電や維持流量を利用した中小水力発電の利用による分散型電源の確保に焦点があたりはじめています。
 水力を落穂拾いのように掬い上げ、積み重ねることで、さらに数パーセントの積み上げが水力発電には可能です。大規模水力発電を合わせて、電力の十数パーセントまでをまかなうことが可能と考えられます。

 中小水力発電の今後に期待しています。

プレスリリース / 明電舎、2014年05月13日
水力発電システム事業の強化について

" .....再生可能エネルギーの一つである水力発電への対応強化を目的として、水力発電システム対応の専門組織を設置するとともに、特に小容量の領域に注力するためにイームル工業株式会社との連携を強化します。
詳細につきましては発表資料をご参照ください。

” 株式会社明電舎(略)は、再生可能エネルギーの一つである水力発電への対応強化を目的として、水力発電システム対応の専門の営業・技術・生産・開発を統括する組織を設置するとともに、特に小容量の領域に注力するためにこの分野を得意とするイームル工業株式会社(以下、イームル工業)との連携を強化します。

 当社は1900年代初頭頃より国内電力会社、企業局および自治体へ、更に海外においても数多くの水力発電設備を納入してきました。今後、これらの更新需要の増加が予想されます。
 また、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)により、特に小水力発電システムの需要の拡大も期待できます。

 また、このたび当社と連携強化するイームル工業は中小容量の水車メーカーとして中小水力発電技術に強みを持ち、これまで西日本を中心に事業を展開してきました。今後当社との技術面でのシナジー効果を発揮すべく連携を強化することで、東日本地域への業容の拡大を図ります。

 当社は、今後需要の拡大が期待できる小水力発電システムの性能向上を図るため、当社が得意とする可変速制御技術と組み合わせた自立運転可能な可変速型小水力発電機の開発を現在進めております。更にイームル工業の有する水車の効率向上、小型化、低コスト化、を目的とした製品開発を共同で行い、両社のシナジー効果を最大限に発揮することで、小水力発電システムの高効率な利用を実現してまいります。

 今後、当社は、現在保有するイームル工業の株式を追加取得するとともに、技術開発面を中心に、人的面、営業・サービス面での協力関係を更に強化し、この分野で2017年度60億円の受注を目指します。”-----「水力発電システム事業の強化について(PDF)」より
.......... "

関連
・明電舎 : 再生可能エネルギー

"大規模太陽光発電システム
太陽光発電用パワーコンディショナ
風力発電システム
水力発電用発電機
水力発電用電動サーボモータ
水力発電用全機能一体形制御保護装置"

・イームル工業 : 製品紹介

" 水車
フランシス水車
ペルトン水車
水中タービン発電機
クロスフロー水車

 水車付属機器
入口弁
調速機
圧油装置
水車制御盤
制圧機
軸受
水車封水装置
.......... "

東芝、明電舎:中小型水力発電システム分野強化で業務・技術提携-----日本経済新聞、2011/10/6

" 東芝と明電舎は6日、中小型の水力発電機器事業で提携すると発表した。東芝が明電舎に水車、明電舎が東芝に発電機を供給することが柱。一部の中小型水力設備で発電した電力は来年始まる再生可能エネルギーの全量買い取り制度の対象となり、発電機器市場は今後拡大する見通し。両社は機器を融通し合い、事業を強化する。
..........
国内では日立製作所と三菱電機、三菱重工業の水力機器事業の統合新会社、日立三菱水力(東京・港)が今月発足するなど再編が進んでいる。"


コメント続き
 2013年度版のエネルギー白書によると、2011年度の全国発電端電力量しめる水力発電は、8.7%です。全水力発電の設備容量は2011年度末で4,842万kW、年間発電電力量は917億kWhです。

2013meti_white_peper_hydro1
-----image(”【第213-2-18】日本の水力発電設備容量および発電電力量の推移”) : 資源エネルギー庁「平成24年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2013) HTML版 第2部 エネルギー動向 第1章 国内エネルギー動向 第3節 一次エネルギーの動向」より

 また、世界的には中国、アメリカ、カナダに次ぐ4位の規模を誇り、世界的には5%に相当します。

2013meti_white_paper_hydro2_213219

-----image(”【第213-2-19】水力発電導入量の国際比較”) : 資源エネルギー庁「平成24年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2013) HTML版 第2部 エネルギー動向 第1章 国内エネルギー動向 第3節 一次エネルギーの動向」より

 今後開発される余地としては、未開発の水力の平均発電能力(包蔵水力)は6,575kW程度と見積もられいます。ただし、これは既存の政策の上での余地で、小規模分散型エネルギーを少子高齢化社会の地域産業として奨励するなどの手当てが手厚くされることで、最大500万kWから800万kWの出力規模での開発も可能だと考えています。資金も嵩みますが、グローバリズム経済下での弊害を克服するための地域経済への投資と考える思考が機能すれば、話しが違ってくるのではないかと、考えています。ただ、そのためには山野への見方を大きく転換する必要があります。人口が減るばかりの地方の山野を、水と空気と大地を涵養しこの日本という風土を保つために必要な場所で、ある程度の積極投資が必要であるとの見方への転換です。できるかどうかは、私たち国民次第。

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神奈川県、太陽光+燃料電池を重点に、かながわスマートエネルギー計画を策定

 神奈川県は、次の3つの原則の下で、
 ○原子力に過度に依存しない
 ○環境に配慮する
 ○地産地消を推進する

 再生可能エネルギーや燃料電池といった分散型電源の導入目標を盛り込んだ、かながわスマートエネルギー計画を策定しました。
 かつて黒岩知事は、太陽光発電に積極的に取り組むことで、2020年度までに県内の電力使用量の20%以上を再生可能エネルギーで供給する計画を掲げていたが、太陽光発電に過度に頼った形での目標計画を改め、ガスコジェネ、燃料電池などを加えた分散型電源の県内の年間電力消費量に対する割合を、2020年度に25%、さらに2030年度に45%という表現に改めた計画となりました。(2010年の分散型電源の割合は、9.6%)
 また、省エネに関しても具体的な数字をあげ、県内の年間電力消費量を2010年度比で、2020年度に10%削減、2030年度に15%削減という形で盛り込まれました。
 スマートコミュニティや電気自動車の地域を上げての普及に取り組む、神奈川県の”スマート”さの成果に期待しています。

 再生可能エネルギーでは、太陽光発電への傾注が最大で、これまでの屋根貸し、業者との協力に加え、新たに薄膜太陽電池の開発にも力を入れるということです。

 2020年の太陽光発電のカウントは、以前の半分ほどの値となっています。それ以外の再生可能エネルギーとしては、バイオマス・廃棄物が大きく、それ以外には風力、水力などが入っています。


プレスリリース / 神奈川県、平成26年4月22日
かながわスマートエネルギー計画の策定について

Renewkanagawa_keikaku
-----image : 同リリース、「添付資料:かながわスマートエネルギー計画(概要版)」より

" 平成25(2013)年7月に制定した「神奈川県再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」に基づく計画として、2030年度を見通した目標や基本政策等を定めた「かながわスマートエネルギー計画」を策定しましたのでお知らせします。

1 策定の経緯
..........
(2) 基本政策
ア 再生可能エネルギー等の導入加速化

イ 安定した分散型電源の導入拡大

ウ 情報通信技術(ICT)を活用した省エネ・節電の取組促進

エ 地域の特性を活かしたスマートコミュニティの形成

オ エネルギー産業の育成と振興

(3) 数値目標
ア 県内の年間電力消費量
平成22(2010)年度比で、平成32(2020)年度は10%の削減、平成42(2030)年度は15%の削減を目指します。

イ 県内の年間電力消費量に対する分散型電源による発電量の割合
   平成32(2020)年度は25%、平成42(2030)年度は45%を目指します。

神奈川県内の電力消費量と分散型電源発電量(目標)


705290

(4) 主要施策

ア 再生可能エネルギー等の導入加速化
  (ア) 太陽光発電の普及
     ・ かながわソーラーセンターの運営
     ・ 「屋根貸し」ビジネスモデルの普及
     ・ 太陽光発電の用途の拡大(薄膜太陽電池の普及)
   (イ) その他の再生可能エネルギー等の導入
     ・ 水力発電、風力発電等の導入
   (ウ) 再生可能エネルギー熱の導入等

イ 安定した分散型電源の導入拡大
   (ア) ガスコージェネレーションの導入
   (イ) 水素エネルギーの導入
   (ウ) 蓄電池の導入

ウ 情報通信技術(ICT)を活用した省エネ・節電の取組促進
   (ア) 省エネ・節電意識の向上と取組の促進
   (イ) エネルギー・マネジメント・システム(EMS)の導入

エ 地域の特性を活かしたスマートコミュニティの形成
   (ア) スマートコミュニティの形成に向けたプロジェクトの推進
   (イ) 地域におけるエネルギーネットワークの構築

オ エネルギー産業の育成と振興
   (ア) エネルギー関連産業への参入促進

添付資料:かながわスマートエネルギー計画(概要版) [PDFファイル/1.19MB]
かながわスマートエネルギー計画 [PDFファイル/2.32MB]
.......... "

関連
かながわスマートエネルギー計画

かながわスマートエネルギー構想
- これまでに行った記者発表資料
- 懇話会・協議会等の概要(かながわスマートエネルギー計画検討会)

神奈川県がスマートエネルギーで新計画 分散型電源も対象に-----MSN産経ニュース、2014.4.23


参考
・Twilog @greenpost : #renewjapan #神奈川(神奈川県の再生可能エネルギーの情報)


コメント続き
 神奈川県は、2020年までに再生可能エネルギーが1割を超えるような状況になると、まずは成功ということです。しかし、原子力に頼れない中、化石燃料の依存の削減と再生可能エネルギーへの傾注は、さらに思い切った解決方法を見つける必要があると思います。2050年に2010年比で、40-50%の省エネを達成し、化石燃料への依存を大胆に削減する電力の確保が求められています。

 基本的なデーターとして、神奈川県の人口は、最新のデーターで907.2万人 (2012年10月1日)だそうです。東京都に次ぎ第2位の人口を誇る神奈川県ですが、下のニュースによると、県内の9市町村が「消滅」の危機に直面する自治体に入るという試算があります。

神奈川県内9市町村「消滅」危機 知事「人口減少しない社会に」-----MSN産経ニュース、2014.5.14

"..........
黒岩知事は14日の会見で、「人口減少を受け入れるのではなく、人口が減少しない社会になるよう考えないといけない」と語った上で、「地域ならではの魅力があればにぎわいが出る」と強調。消滅可能性がある9自治体のうち6自治体を抱える県西部について「(病気になる一歩手前の段階を指す)未病を治す戦略的拠点として盛り上げ、住みたい人を増やしたい」と力を込めた。"

 首都東京に隣接し、比較的人口の減少問題では深刻ではない神奈川県といえども、人口問題に対応する必要があります。暮らしやすさの中には、水、食料、住環境、職場、教育といった基本的な要件以外に、自治体の住民サービスの充実という側面もあります。財源が限られ、人口も減少傾向になり、少子高齢化が進み、失われる活力を補う施策が求められています。
 当然、エネルギーに関しても、暮らしの安全と安定のために積極的な施策が求められます。
 神奈川県のかながわスマートエネルギー計画がどんな未来を具体化できるのか、待ったなしの実効が求められる厳しい時代になったことをひしひしと感じます。

 となれば、さらに深刻な他の自治体に対する国のエネルギー政策には、より大きな期待がもたれる状況下で、よくて現状維持以上のエネルギー政策を描くことしかできない国の政策には不満です。増大する地殻変動リスクへの対応が求められる中で、安全確保をなおざりにして原発に回帰する政策は、希望とはなりえません。

参考
・神奈川県 : 神奈川県の主要指標推移(1)グラフ  2011年版

"人口の推移"

: 神奈川県人口統計調査報告(平成25年1月から12月)

・Wikipedia : 都道府県の人口一覧

倉阪環境研究所 倉阪環境研究室-nifty別館 / 都道府県別再生可能エネルギー導入可能性と地域経済効果 ver.1 千葉大学倉阪研究室 2013年3月8日(PDF)

・本「地図で読む日本の再生可能エネルギー」(永続地帯研究会 編、B5判並製/112頁
定価 本体1,300円+税
発行日 2013年8月26日
ISBN 9784845113279 C0036、旬報社

"..........
著者紹介

永続地帯研究会
千葉大学公共研究センターとNPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)による共同研究組織として2005年度末に発足。さまざまなエネルギー分野の専門家が参加し、エネルギーと食糧需要を地域でまかなうことのできる「永続地帯」の試算と公表をおこなっている。代表者は倉阪秀史千葉大学大学院教授、松原弘直環境エネルギー政策研究所理事・主席研究員。

永続地帯研究会ホームページ
http://sustainable-zone.org/

【執筆担当】
馬上丈司(千葉大学非常勤講師) 1章 (※P10-11は倉阪秀史)
倉阪秀史(千葉大学大学院教授) 2・3章
松原弘直(環境エネルギー政策研究所理事・主席研究員) 4章
.......... "

参考エントリー
「永続地帯2012年版報告書」の確報版が公表されました-----ソフトエネルギー、2013/01/10

環境省、平成23年度版再生可能エネルギー導入ポテンシャルマップを公開-----ソフトエネルギー、2012/07/17

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三井住友建設、自社ビルにパッシ&アクティブ、建材一体型太陽光発電システムを開発し採用

 ワオッ! ひさしぶりのパッシブソーラーの話題です。

 三井住友建設は、自社ビルにパッシブソーラーとアクティブソーラー、この場合は太陽光発電機能を備えた、建材一体型システムを開発し採用しました。リリースによれば、ビルの正面の顔としてふさわしい、ファサードデザインとなっているとのことです。
 構造は、汎用的な太陽電池モジュールとデザインパネルで構成される外装ユニット、設置角度が可変できる太陽電池の可変ユニットで構成され、ビルの正面に空気の通り道を作り出すことで、四季を通じてこの空気の流れにより省エネ効果をもたらすことができます。また太陽電池もこの対流により面の温度上昇を抑制することで発電効率を約4%向上する効果も得られるということです。夏季には、外壁からの伝熱による冷房負荷のピーク値を約55%削減。冬季には、外気取り入れにともなう暖房負荷を約48%削減できるとのことです。大きな数字ですね。
 今回の事例で利用されている太陽電池は、可動ユニットに95Wが6枚,外装ユニットに95Wが42枚の合計48枚。これにより総発電出力は、4.56kWpです。また、稼動ユニット上の太陽電池の設置角度も調節することで、可変ユニット上の太陽電池の最大出力も若干ですが追及する効果もあるとのことです。
 電力の利用方法は書かれていませんが、売電用途以外に、ビルで消費されるライトなどに利用することで、建築物のゼロ・エネルギー(ZEB)化にも寄与できます。
 ビルの顔が、こうしたハイブリッドソーラーに切り替わり、自然対流を生かした多彩なデザインの採用につながれば、大きなデザインと機能の改革につながりそうです。

 国内で、もっとパッシブソーラーの話題が増えるといいなと考えています。これからも、探していきます。

プレスリリース / 三井住友建設、2014年05月09日
創エネと省エネを両立する建材一体型太陽光発電システムを開発

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-----image(”写真1.本システムの外観”) : 同リリースより

" “アクティブとパッシブの融合”による新たなファサードデザインを自社施設に採用

 三井住友建設株式会社(略)は、創エネルギー技術の更なる普及期に備え、太陽光発電による創エネルギー(アクティブソーラー(※1))技術と、自然通風と採暖による省エネルギー(パッシブソーラー(※2))技術とを融合させた独自の建材一体型太陽光発電システムを開発し、自社施設に導入しました。

(※1) 機械的な装置を使用して積極的(アクティブ)に太陽エネルギーを活用する方法。太陽電池を用いた発電のほか、太陽熱を集熱して給湯や暖冷房などに利用する太陽熱利用システムなどがある。
(※2) 機械的な装置を用いずに、建物の構造や建材などを工夫し能動的(パッシブ)に太陽エネルギーを利用する方法。昼間に太陽熱を床や壁に蓄熱し、夜間に放熱することで採暖する方法や、太陽熱により温められた空気を自然対流にて室内に導入する方法などがある。
..........
■ “アクティブとパッシブの融合”による新たなファサードデザイン
本システムは、「汎用的な太陽電池モジュールとデザインパネルで構成される外装(以下、外装ユニット)」と、「設置角度が可変できる太陽電池ユニット(以下、可変ユニット)」で構成されています。夏季には上下の可変ユニットを解放し、自然対流による通風により外装ユニット裏面の温度上昇を抑制することで発電効率を約4%向上させるとともに、外壁からの伝熱による冷房負荷のピーク値を約55%削減します。さらに冬季には、下段の可変ユニットのみを開放し、外装太陽電池裏面にて暖められた空気を室内に導入することで、外気取り入れにともなう暖房負荷を約48%削減します。また可変ユニットは外壁の最下段と最上段に設置し、太陽高度に合わせて発電量が最大になる角度に調整することができます。

140509_02

-----image[”図1.本システムの構成
(可動ユニット:95W×3×2段,外装ユニット:95W×42枚,総発電出力:4.56kW)”] : 同リリースより

■“創エネとファサードデザインとの調和”への取り組み
当社では昨年、曲面加工が可能なアモルファスシリコン薄膜太陽電池を用いたファサードデザインによる建材一体型太陽光発電システムを開発し、自社施設に設置しました(写真2 奥)。
このたび当社が開発したシステムは、“創エネとファサードデザインとの調和”という基本コンセプトを継承しながら、“アクティブソーラーとパッシブソーラーの融合”という新たなコンセプトを加えた、創エネと省エネを両立する機能を付加した建材一体型太陽光発電システムを開発しました(写真2手前)。

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-----image(”写真2.本システムの外観”) : 同リリースより
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参考
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日立製作所、丸紅より受注の82MWpの大分ソーラーパワーを竣工

 大分ソーラーパワー(丸紅) 82.02MWpが、竣工しました。これにより、メガソーラーランキングの一番が入れ替わりました。それまで一番だった、2013年11月稼動の鹿児島七ツ島メガソーラー発電所(京セラ、鹿児島メガソーラー発電)70MWp が2番となりました。
 敷地面積は105ヘクタール、発電出力は82MW、年間予想発電電力量は一般家庭約3万世帯分に相当する8,700万kWhです。

 大分の臨海工業地帯のメガソーラー事業は、合計125MWpに達します。

大分臨海部メガソーラー、出力合計125MWpの全容を見る-----自然エネルギー、2013/05/13

 空から全体を眺めたら、どんな景色なんでしょうか。

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-----googleマップで、
大分臨海部メガソーラー 丸紅 82MWp
を見る。

 大分ソーラーパワーに利用されている太陽電池は、ハンファQセルズ製。事業者は丸紅で、一括受注が煮日立製作所となっています。ハンファQセルズのモジュールの情報を調べたのですが、詳細がまだわかりません。早めにデーターを公開していただきたいです。ランキングNo.1が海外製という状況です。大型案件にしめる、海外勢の割合は増えていきそうですので、より詳しい情報を知りたいのです。
 

プレスリリース / 日立製作所、2014年4月23日
日立が一括受注した国内最大規模のメガソーラー発電所が竣工

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-----image(”大分ソーラーパワー概観”) : 同リリースより

" 株式会社日立製作所(略/以下、日立)が、丸紅株式会社(略/以下、丸紅)の子会社である大分ソーラーパワー株式会社(略)より、2012年11月に受注した国内最大規模のメガソーラー発電所「大分ソーラーパワー」が、このたび竣工し、本日、丸紅・大分ソーラーパワー株式会社主催による竣工式が行われました。

今回竣工した「大分ソーラーパワー」は、大分ソーラーパワー株式会社が大分県大分市に新設したもので、発電所の敷地面積は105ヘクタール、発電出力は82MW、年間予想発電電力量は一般家庭約3万世帯分に相当する8,700万kWhです。日立は、本システムの設計・調達・製造・据付・調整を一括して担当しました。発電出力が82MWのメガソーラー発電システムは、国内最大規模となります。

日立は、今後、大分ソーラーパワー株式会社と20年間の長期保守契約を締結しています。保守サービスでは日立のデータセンターを活用した24時間遠隔監視サービスにより、運転情報レポートなどを提供するほか、障害発生時には迅速に対応します。また、通常の監視技術では警報が発生しないレベルの劣化や故障についても、日立の中央研究所が開発した太陽光モジュール故障監視アルゴリズムにより故障検出感度・確度を高めることで検出することが可能となります。

本システムの建設においては、工期遅延を防ぐため、これまで培ってきた大型プラント建設ノウハウを結集した現地工事管理システムを活用しました。本管理システムを用いることで建設に使用する資材や作業工程の管理を厳密に行いました。また、太陽光発電所の基礎工事においては日立として初めて、型枠を設置しないコンクリート連続打設工法(スリップフォーム工法)を採用しました。これにより、少人数で、かつ工期の短縮を実現しました。

本システムには、晴れの日から曇りの日まで幅広い日射状況で高い発電効率を実現する日立の高効率パワーコンディショナー(容量500kW、直流入力最大電圧660V、最大効率98.0%)を使用しています。さらに、待機電力を抑えた効率の高いアモルファス変圧器を組み合わせることで、快晴の日が少ない日本の天候にも対応し、さらなる発電量増加を図っています。

日立はメガソーラー発電システムを構成する重要な機器である、パワーコンディショナー、変圧器、遮断器などから、運転監視・計測システムまで、さまざまな機器・システムを幅広く手掛けています。これらの機器・システム、これまでに蓄積したノウハウから、国内最高水準の効率で信頼性の高いメガソーラー発電システム全体を一括で取り纏めることができます。
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関連
丸紅 ニュース / 2014年4月23日 大分市でのメガソーラー稼動・竣工式開催の件

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

関連エントリー
日揮、大分市で26.5MWpの国内最大のメガソーラーを稼動-----ソフトエネルギー、2013/05/13

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中部電力、岐阜県で維持流量利用の190kW阿多岐水力発電所の工事に着手

 中部電力は、岐阜県が所有する郡上市白鳥町にある治水ダムである、阿多岐(あたぎ)ダムの維持流量を利用した水力発電所の建設に着手しました。同ダムは、ダム地点の計画高水流量270m3/sのうち、145m3/sの洪水調節を行うことで、牛道川沿川流域を水害から守るために1988(昭和63)年に建設されました。発電利用は行われていないダムです。計画は、岐阜県から中部電力から2011年10月に、県が所有するダムにおける発電所建設の可能性についての提案を受けて建設されるものです。今回、河川法に基づく着手届が岐阜県に提出され、工事が実施されることになりました。完成は、2015(平成27)年6月が予定されています。

 下の先日の記事でも紹介したように岐阜県でも、維持流量を利用した水力発電所が建設されるようになってきました。当初発電目的でないダムや、発電目的で建設されたものであっても、未利用の放流水をもつダムの利用は、全国的にも活性化する傾向にあります。

中部電力、岐阜県高山市に290kWの維持流量利用の秋神水力発電所を計画-----ソフトエネルギー、2014/04/22

 上の記事では、岐阜県下の水力についてもデーターを上げてあります。よろしければ、ご覧ください。

 さてさらに、全国の未利用なダムで、水力発電に利用できる水源の開発のポテンシャルについて、今後どれだけの開発余地があるのか? 全体像をより正確に把握したいところです。阿多岐(あたぎ)ダムの場合、計画から約1年半で着手で完成は2015年の6月で、4年あまりかかっています。しかし、秋神ダムの場合には、河川法の改正などの手続きの簡素化により、その290kWの秋神水力発電所は、計画から2年で、2016年4月に完成する予定です。ダムの所有が中部電力、当初からの発電設備への追加であることを考えても、時短につながっている気がします。それぞれのダムの状況により、驚くほど早く建設することが可能なダムもありそうです。さらなる、状況の把握に努めたいと思います。


プレスリリース / 中部電力、2014年5月1日
「阿多岐水力発電所」の工事着手
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-----image : 同リリース「別紙 発電所設置イメージ図と概略位置図[PDF]」より

" ..........「阿多岐水力発電所」新設工事に関して、河川法に基づく着手届を岐阜県に提出し、本日、工事に着手いたしましたのでお知らせいたします。
 阿多岐水力発電所は、岐阜県の所有する阿多岐ダムの直下に建設を予定する、ダムの落差と河川環境を維持するための放流水を有効利用した維持流量発電所です。(2012年11月27日お知らせ済み)最大出力は190kWで、2015年6月の運転開始を予定しております。当社は引き続き、岐阜県をはじめ地元の皆さまや関係各所にご理解とご協力をいただきながら、安全を最優先に工事を進めてまいります。

【計画概要】
発電所名 阿多岐水力発電所
所在地 岐阜県 郡上市白鳥町
ダム 阿多岐ダム(岐阜県所有)
出力 190kW
想定年間発電量 約130万kWh
(一般家庭 約360世帯分の年間使用電力に相当)
CO2削減量 年間700トン程度
営業運転開始 2015(平成27)年6月予定
.......... "

関連
阿多岐水力発電所および丹生川水力発電所の開発計画について-----中部電力、2012年11月27日

"..........
当社は、2011年10月に岐阜県から、県が所有するダムにおける発電所建設の可能性についてご提案をいただき、検討を進めてきました。その結果、阿多岐ダムに2015年度の運転開始を目指し、発電出力190kWの阿多岐水力発電所を、丹生川ダムに2016年度の運転開始を目指し、発電出力350kWの丹生川水力発電所を建設することといたしました。
.......... "

・岐阜県 : 阿多岐ダム

" 阿多岐(あたぎ)ダムは、岐阜県郡上市白鳥町中西地内に建設を行った治水ダムで、昭和63年から管理を開始しています。
.......... "

ダムの水流を利用した従属発電、河川法の改正後に初めて岐阜県内で着工-----スマートジャパン、2014年05月07日

"2013年12月の河川法の改正によって、ダムから放流する小水力を活用した「従属発電」の導入手続きが簡素化された。それを受けて岐阜県内で初めての工事が5月1日から始まった。中部電力が県営ダムの直下に建設する「阿多岐水力発電所」で、2015年6月に運転を開始する予定だ。"

・ダム便覧 - 日本ダム協会 : 阿多岐ダム


参考
・中部電力 でんきのあした : 発電電力量は年間22億kWh 大井川水系の恵みを継続して利用するために欠かせないダム工事

中部電力の水力発電所 水力発電所一覧

・国土交通省 : 小水力発電と水利使用手続


・Twilog : #renewhydro(水力発電の関連情報)

・Twilog : #岐阜(岐阜県の再生可能エネルギーの関連情報)

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神鋼環境ソリューション、福井県大野市で6MW木質バイオマス発電事業を実施へ

神鋼環境ソリューションは、福井県大野市において6MW木質バイオマス発電事業を実施します。同社は、事業開始に向け、大野市、福井グリーンパワーとの3者間で「木質バイオマス発電所及び付随施設の立地に関する協定書」を締結しました。
 同事業は、県内で発生する間伐材や一般木材などを燃料として発電を行い、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT制度)に基づき売電を行う事業です。神鋼環境ソリューションは、発電施設の建設を行うと共に、福井グリーンパワー(SPC = 特別目的会社)へ出資し、同SPCが事業を運営致します。注目されるのは、国内における木質バイオマス利用において最適とされる5MWの発電事業(売電規模)における、燃料の安定供給体制の確立にあります。そのため、県内において燃料となる間伐材、一般木材等の安定的供給を目的とした「福井県木質バイオマス燃料安定供給協議会」が3月26日に立ち上げられ、SPC、県内森林組合、チップ加工業者等により構成されたプロジェクトにより、安定供給のためのしくみづくりと、燃料調達の調整や管理が行われることになりあす。福井県、大野市、国有林管理機関にもオブザーバーとして参画します。地域の森林組合、その他民間業者より、約7~8万トン/年の燃料が購入、調達されることになります。
 稼動予定は、平成28年の春が予定されています。

プレスリリース / 神鋼環境ソリューション、2014年4月23日
福井県大野市において木質バイオマス発電事業を開始します

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-----image(”調印式の様子”) : 同リリースより

"~大野市と立地に関する協定書を締結

 株式会社神鋼環境ソリューション(略)は、福井県大野市において木質バイオマス発電事業を開始することになりましたので、お知らせいたします。事業開始に向け、本日、大野市、株式会社福井グリーンパワー、当社の3者間で「木質バイオマス発電所及び付随施設の立地に関する協定書」を締結しました。

1.事業について
 本事業は林野庁、福井県、大野市からのご支援、県内の森林組合他林業関係者のご協力のもと、福井県内で発生する間伐材や一般木材などを燃料として発電を行い、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT制度)に基づき売電を行う事業です。また福井県内の林業、並びに地域の振興に貢献するとともに、未利用エネルギーの有効活用による循環型社会へ貢献するものであり、極めて意義の高い事業です。
 当社は発電施設の建設を行うと共に、株式会社福井グリーンパワー(SPC = 特別目的会社)へ出資し、同SPCが事業を運営致します。

2.本事業の特性
①売電価格の20年間保証
・電気事業者に購入義務があり、購入価格が20年間保証されるFIT制度を活用の予定。
②燃料の安定供給体制
・県内において燃料となる間伐材、一般木材等の安定的供給を目的とした「福井県木質バイオマス燃料安定供給協議会」を3月26日に立ち上げました。SPC、県内森林組合、チップ加工業者等により構成され、木質バイオマス燃料の安定供給のためのしくみづくりと、燃料調達の調整や管理を行います。福井県、大野市、国有林管理機関にもオブザーバーとして参画頂き、安定供給のための支援を頂きます。
・燃料調達先である県内の森林組合、その他民間業者より、約7~8万トン/年の燃料を購入する予定です。

3.本施設の特徴
 一般廃棄物処理分野において流動床式ガス化燃焼技術のトップメーカーとしての実績を持つ当社技術を採用し、安定した高効率な発電を実現します。

4.当社の今後の取り組み
・本事業において高効率発電を実現し、その経験を廃棄物処理事業での発電効率の一層の向上につなげ参ります。
・今後も良好な立地条件が得られる場合には、バイオマス発電事業をさらに展開していくことも視野に入れて参ります。


「木質バイオマス発電事業」の概要
1.発電規模  6,000kW級
2.売電規模 5,000kW級(一般家庭約1万世帯分)
3.発電施設 流動床式ガス化燃焼炉
4.建設場所 福井県大野市
5.事業開始 2016年度
6.総事業費 約40億円
7.原料収集量 間伐材、一般木材等 約7~8万トン/年
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関連
式会社神鋼環境ソリューション 重河社長が知事表敬します-----福井県、平成26年4月21日

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事業概要
   建設予定地 大野市 七板
   敷地面積 31,000m2   
   発電規模 6,000kW級
   燃  料 間伐材等  約12万m3/年
   事 業 費 全体事業費 40億円(うち福井グリーンパワー分35億円)
   実施主体 株式会社  福井グリーンパワー
   (出資者:神鋼環境ソリューション他)
   新規雇用 56名(うち福井グリーンパワー分23名)
   着  手 平成26年4月
   稼  働 平成28年春予定   
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・神鋼環境ソリューション : 廃棄物処理 - 流動床式ガス化溶融炉 - 流動床式ガス化溶融炉

大野市 : 大野市バイオマスタウン構想


追加情報



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