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産総研、福島再生可能エネルギー研究所とNRELのESIFとの国際連携を強化

 産業技術総合研究所(産総研)は、4月1日に郡山で開所した福島再生可能エネルギー研究所と米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)のエネルギーシステム統合施設(ESIF : Energy Systems Integration Facility)との再生可能エネルギーシステムに関する研究において、これまでの関係をより強化し連携する覚書に署名しました。これにより、福島が再生可能エネルギー研究の国際拠点になる可能性もあります。

 エネルギーシステム統合施設(ESIF)は、昨年7月にコロラドのゴールデンの他のNREL関連の施設に隣接した土地に建設されたばかりの、アメリカ初で最大となる再生可能エネルギーの研究の中心となる施設です。そこでは、太陽光発電、風力発電、ストレージシステムなどを接続し解析できる、スーパーコンピューターや接続および解析のためのさまざまなシステムが整備され、商用電源網、グリッドにおける統合、つまり合理的で整合性のある運用などが研究されています。
 一方、郡山の福島再生可能エネルギー研究所では、水素や蓄電池などによるエネルギー貯蔵と制御技術を駆使した再生可能エネルギーシステム統合技術、太陽光発電技術、先進的風力発電技術、地熱・地中熱の適正利用のためのデータベース構築など、世界最先端の研究を世界に開かれた形で整備することになっています。
 今回の関係強化では、これまでの太陽光発電やバイオ燃料などの基盤技術および国際標準化技術に関する研究連携に加えて、いよいよ太陽光発電、風力発電、電力貯蔵、水素エネルギー貯蔵から構成される再生可能エネルギーシステムの最適運用のための評価技術の開発を進めていくということです。

 ただ、エネルギーシステム統合施設 (ESIF)は、200名程度のスタッフを擁し、スパコンなどの分析環境と本格的な風力発電などの実証実験施設を備えたかなり本格的な造りです。一方、福島のほうは、地域を中心とした民間と大学などの研究機関との産学協同の体制作りもこれからで、具体的な成果でどこまで期待できるのか、よくわからりません。世界に開かれた研究所ということなので、情報発信にも期待しています。
 

プレスリリース / 産業技術総合研究所(産総研)、2014/04/18
米国国立再生可能エネルギー研究所と産業技術総合研究所が、再生可能エネルギーシステム統合での研究連携に関する覚書に署名-福島を再生可能エネルギー研究の国際拠点に-

Fukushima_sansouken_lab
----image : 再生可能エネルギー研究センター

" 再生可能エネルギーの大量導入の早期実現に向けた技術開発

再生可能エネルギーの大量普及のためには、時間的に大きく変動する、コストが高い、場所ごとに適切な技術の選択が必要、等の課題を解決する必要があります。このため、当研究センターでは、研究拠点に設置予定の実証フィールドを有効に活用し、以下の研究開発を中心に進めます。
・水素や蓄電池等のエネルギー貯蔵とパワーエレクトロニクスを駆使した統合システム技術を開発し、時間的に変動する大量の再生可能エネルギーを活用する技術モデルの実証研究
・軽量安価な太陽光発電モジュール等、大幅なコストダウンを実現する革新的技術の研究開発
・健全な技術普及と社会の受入れを目的とした、地熱、地中熱等の再生可能エネルギーデータベースの構築と提供

研究拠点
福島再生可能エネルギー研究所
(平成 25 年度中はつくばセンター(中央))
所在地
〒963-0215 福島県郡山市待池台2-2-9 "

" ポイント ・産業技術総合研究所(産総研)と米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が再生可能エネルギーシステム統合での研究協力で連携を一層強化 ・産総研福島再生可能エネルギー研究所と、NRELのエネルギーシステム統合施設(Energy Systems Integration Facility: ESIF)を中核として、太陽光発電や風力発電、電力貯蔵などからなる再生可能エネルギーシステムを最適化するための評価技術の開発を推進 ・日米両国の高い研究開発ポテンシャルを活用した共同研究の推進により、再生可能エネルギー技術の早期実用化を目指す

 概要

 米国国立再生可能エネルギー研究所【略】(以下「NREL」という)と独立行政法人 産業技術総合研究所【略】(以下「産総研」という)は、平成26年4月に福島県郡山市に開設した産総研福島再生可能エネルギー研究所及びNRELのエネルギーシステム統合施設(Energy Systems Integration Facility: ESIF)を中核として、再生可能エネルギーの研究開発に関する連携を推進することを目的とした研究協力覚書(以下「MOU」という)を平成26年4月18日に締結する。
 本MOUに基づいて、これまでの太陽光発電やバイオ燃料などの基盤技術および国際標準化技術に関する研究連携に加えて、太陽光発電、風力発電、電力貯蔵、水素エネルギー貯蔵から構成される再生可能エネルギーシステムの最適運用のための評価技術の開発をより一層推進する。世界的にもポテンシャルの高いNRELと協調し、双方の研究ポテンシャルを補完し合うことにより福島再生可能エネルギー研究所が世界的な研究拠点になることを目指す。
..........
具体的な連携・協力内容

(1)再生可能エネルギーシステム統合(Renewable Energy System Integration)
産総研福島再生可能エネルギー研究所とNRELの ESIFとが連携
太陽光発電、風力発電、電力貯蔵、水素エネルギー貯蔵などから構成される再生可能エネルギーシステムの最適利用のための評価技術の開発
(2)太陽光発電(Solar Photovoltaics)
太陽電池および太陽光発電の性能や信頼性を向上するための技術、および試験・評価するための技術開発
(3)バイオ燃料(Biofuels)
セルロース系エタノール生産のための糖化技術の改良と評価
.......... "

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Exterior01
-----image : 「産総研 福島再生可能エネルギー研究所 施設・実験設備」より

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