秋田県、県営萩形ダムの直下に維持流量利用の450kW萩形小水力発電所を建設
秋田県は、北秋田郡上小阿仁村の県営萩形ダムの直下に、新たに維持流量利用の450kW萩形発電所を建設しました。維持流とは、河川機能の維持のため、一定量を河川に放流しているもので、これは維持放流を有効活用しています。萩形(はぎなり)発電所は、最大水量が1.2 m3/s 、有効落差47.3 mの水を生かし、横軸フランシスにより最大出力450kWの秋田県で16箇所となる水力発電所です。
秋田県で、新たに水力発電所が設置されるのは、1999年以来で、発表資料によると、16発電所の合計した最大出力は、110,650kWで、その発電電力量は、県内の一般家庭が一年間に使用する電力量の2割近くを占めているということです。
450kW萩形発電所は、これまで建設されてきた水力発電所の規模の十分の一の小さな規模ですが、維持流量という、これまで未利用だった水のエネルギー資源としての活用を図るということで、今後の普及が期待されています。中規模の発電所を1個作るのと比べ、こうした小規模な発電所を十箇所作るのがいいのか、そのメリットが、今後どう評価されるのか? についても、興味がつきないことろです。
プレスリリース / 秋田県、2014年3月31日
・発電所の新設について
-----image( 下-施設概要 ) : 同リリース「萩形発電所の概要(PDF)」より-----
" 秋田県の公営企業では、新たに上小阿仁村にある県営萩形ダムの直下に、萩形発電所を建設しました。萩形ダムからは、河川機能の維持のため、一定量を河川に放流しています。萩形発電所は、この維持放流を有効活用した小水力発電所です。環境にやさしい 萩形発電所
”..........
●施設概要
所 在 地:北秋田郡上小阿仁村沖田面カゴ山1番
発 電 形 式:ダム式
最 大 出 力:450kW
最大使用水量:1.2m3/s
有 効 落 差:47.3m
水 車:横軸フランシス
発 電 機:同期発電機●発電所の仕組み
萩形ダムから管路により流れてきた水は、渦巻き状のケーシングからランナ(羽根車)に向かって流入し水車を回転させて発電します。
萩形発電所の水車発電機は、1 分間に1,000回転します。発生する電気の電圧は、6,000ボルトです。発電した電気は、配電線などにより各家庭に供給されます。
【萩形発電所の特徴】 Q1:どのくらいの発電ができるの? A1:年間約1,928,000kWhの発電がで きます。これは、一年間に一般家庭が使用する 電力量の約550世帯分にあたります。Q2:発電所の発電量で年間にどのくらいの二酸化
炭素が削減できるの?
A2:石油火力発電所の二酸化炭素排出量に比べ
1,340トン削減できます。
原油に換算すると498kLでドラム缶に
すると2,490本分になります。Q3:萩形発電所で発電できる出力の計算方法は?
A3:9.8×水の量(m3/s)×落差(m)×効率=出力(kW)
9.8×1.2(m3/s)×47.3(m)×80%=450kW
1.2m3 の水が、1秒間に47.3m落ちると450kWの電気が発生します。●工事経過(概要)
平成14年 開発可能性調査
平成23年 小阿仁川筋ダム対策連絡協議会にて発電所建設計画説明
平成24年 3月 北秋田市及び上小阿仁村から建設同意
平成25年 3月 水利権許可
平成25年 7月 発電所基礎工事開始
平成25年12月 水車・発電機等搬入
平成26年 1月 水車・発電機等据え付け完了
平成26年 2月 既設放流管に導水管接続及び各種試験実施
平成26年 3月 自主検査及び河川管理者(北秋田地域振興局)検査終了
竣工●秋田県の電気事業施設一覧
◆大館発電事務所
発電所名称 所在地 最大出力
柴平発電 鹿角市 2,800kW
八幡平発電所 鹿角市 5,400kW
八幡平第二発電所 鹿角市 1,500kW
素波里発電所 藤里町 6,300kW
早口発電所 大館市 7,500kW
山瀬発電所 大館市 2,100kW◆玉川発電事務所
発電所名称 所在地 最大出力
鎧畑発電所 仙北市 15,700kW
田沢湖発電所 仙北市 7,300kW
小和瀬発電所 仙北市 8,800kW
玉川発電所 仙北市 23,600kW◆秋田発電・工業用水道事務所
発電所名称 所在地 最大出力
杉沢発電所 五城目町 15,500kW
岩見発電所 秋田市 5,400kW
皆瀬発電所 湯沢市 5,300kW
板戸発電所 湯沢市 2,000kW
大松川発電所 横手市 1,000kW
萩形発電所 上小阿仁村 450kW
●秋田県の電気事業について 秋田県は、環境に優しい水力発電で、県内に電気を供給しています。水力発電は資源の少ない日本において、環境性、安定性を兼ね備えた純国産エネルギー。温暖化の原因のひとつと考えられている二酸化炭素をほとんど排出せず、かつ枯渇の心配のない水を媒体としているため、クリーンで再生可能というメリットがあります。 秋田県の電気事業は、昭和 31 年の鎧畑発電所の運転開始にはじまり、現在は3つの発電事務所で、発電所を管理し発電を行っており、このたび竣工した萩形発電所を加え計16発電所となりました。最大出力の合計は 110,650kW。供給電力量は、県内の一般家庭が一年間に使用する電力量の2割近くを占めています。 .......... ”-----ダウンロード「萩形発電所の概要(1030KB)(PDF文書)」より.......... "
関連
・秋田県 河川砂防課 : 県が管理しているダム - 萩形ダム(管理ダム、小阿仁川総合開発事業)
・萩形ダムで水力発電、県が新設きょう稼働 秋田・上小阿仁----河北新報、2014年04月01日
".....県内では1999年以来となる16カ所目の水力発電所として発電設備を新設....."
参考
・ダム便覧 : 萩形ダム[秋田県]
・DamMaps : 萩形ダム(はぎなり)
・Twilog : @greenpost #秋田(秋田県の再生可能エネルギーの情報)
・Twilog : @greenpost #renewjapan #renewhydro(日本の水力発電の情報)
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