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経産省、福島県と大分県の地熱バイナリー発電2案件にJOGMEC経由の初の債務保証を決定

 経済産業省は、福島県と大分県の2案件にJOGME (独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)経由の地熱資源開発債務保証事業を対象に採択しました。これにより、開発までに長い時間がかかり、地熱温度が高くても透水性が低く、蒸気が噴出しないなどの開発上のリスクも存在します。そこで、この債務保証に採択されることにより、開発段階において必要となる資金需要のうち、金融機関からの借入金による資金の調達の円滑化が可能になります。

土湯温泉バイナリー地熱発電事業
 福島県の案件は、福島市土湯温泉における、つちゆ温泉エナジーの400kWの水冷式バイナリー方式の地熱発電所で、発電電力を固定価格買取制度を活用し東北電力に売電します。これは、湯遊つちゆ温泉協同組合が中心に推進している事業で、建設資金の一部(557百万円)を福島信用金庫から長期借入で調達し、JOGMECはこの借入の80%に対する債務を保証します。建設期間は、平成26年7月~平成27年6月。運転開始は、平成27年7月の予定です。

菅原バイナリー地熱発電事業
 大分県の案件は、大分県玖珠郡九重町における、西日本環境エネルギーの5,000キロワ ットの空冷式バイナリー方式の地熱発電所で、発電電力を固定価格買取制度を活用し九州電力に売電します。この設備の建設資金の一部(4,000百万円)をみずほ銀行および日本生命保険相互会社から長期借入で調達し、JOGMECはこの借入の80%に対する債務を保証します。建設期間は、平成26年3月~平成27年3月。運転開始は、平成27年3月の予定です。

 いずれのプロジェクトも現在の開発スタートから、具体化して1年から1年半で形になります。バイナリー発電は、地熱利用としては、実現可能までの時間がかなり短いです。現状の日本の地熱の利用形態としては、大きなメリットです。今後どこまで開発が進むのか注目の分野です。


プレスリリース / 経済産業省、平成26年3月27日
JOGMECによる地熱資源開発債務保証案件が初めて採択されました

20140327008a
-----image : 同リリースより

" 本件の概要
 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、「JOGMEC」)が、つちゆ温泉エナジー株式会社による福島県福島市土湯温泉での事業および西日本環境エネルギー株式会社による大分県玖珠郡九重町での事業の2案件を地熱発電として初めての債務保証対象事業として採択しました。

1.JOGMEC債務保証事業の概要
 本事業は、地熱発電所の建設に必要な資金の融資を民間金融機関から受ける場合、当該融資の80%を上限JOGMECが地熱開発事業者の民間金融機関への債務を保証※ するものです。

※JOGMEC債務保証 民間金融機関だけでは評価できない地熱資源開発のリスクを評価し、民間金融機関による地熱資源開発への資金供給を円滑にするため、地熱資源開発を行う地熱開発事業者が地熱発電所の建設に必要な資金の融資 を民間金融機関から受ける場合、当該融資の80%を上限にJOGMECが地熱開発事業者の民間金融機関へ
の債務を保証するもの(債務保証手数料基準料率:0.4%/年)。

2.採択事業の概要
.......... "


関連
地熱発電事業2案件に対し初めての債務保証を実施-----JOGMEC、2014年3月27日

300173349
-----image[”上-土湯温泉バイナリー地熱発電事業、下-菅原バイナリー地熱発電事業(国土地理院 電子国土Web)”] : 上記リリースより-----
300173343

" JOGMEC(略)は、つちゆ温泉エナジー株式会社による福島県福島市土湯温泉での「土湯温泉バイナリー地熱発電事業」および西日本環境エネルギー株式会社による大分県玖珠郡九重町での「菅原バイナリー地熱発電事業」の2案件について、初めての地熱発電の債務保証対象事業として採択しました。

 つちゆ温泉エナジー株式会社は、福島県福島市土湯温泉で発電規模400キロワットの水冷式バイナリー方式の地熱発電所の建設を決定しました。建設資金の一部(557百万円)を福島信用金庫から長期借入で調達し、JOGMECはこの借入の80%に対する債務を保証するものです。

 西日本環境エネルギー株式会社は大分県玖珠郡九重町で発電規模5,000キロワットの空冷式バイナリー方式の地熱発電所の建設を決定しました。建設資金の一部(4,000百万円)を株式会社みずほ銀行および日本生命保険相互会社から長期借入で調達し、JOGMECはこの借入の80%に対する債務を保証するものです。

 JOGMECは平成24年9月から地熱資源に関する調査助成や技術開発等による支援事業を進めてきましたが、この2案件は初めての債務保証対象事業となります。

「土湯温泉バイナリー地熱発電事業」の概要
1.事業概要
 本事業は、福島県福島市土湯温泉の湯遊つちゆ温泉協同組合が中心に推進している事業であり、孫会社のつちゆ温泉エナジー株式会社(地熱発電事業用特定目的会社。以下、「事業者」という。)が既存温泉井を用いて発電規模400キロワットの地熱発電事業を行うもの。

2.事業者概要
..........
3.発電事業概要
(1)発電規模・方式 発電端400キロワット、送電端350キロワット
水冷式バイナリー方式(使用媒体:ペンタン)
(2)売電先 固定価格買取制度を活用し東北電力株式会社に売電予定
(3)建設期間 平成26年7月~平成27年6月
(4)運転開始 平成27年7月

4.債務保証の対象
..........
「菅原バイナリー地熱発電事業」の概要

1. 事業概要
 本事業は、大分県玖珠郡九重町菅原地区にて、西日本環境エネルギー株式会社(以下、「事業者」という。)が、九重町の所有する既存地熱井を活用して発電規模5,000キロワットの地熱発電事業を行うもの。
2. 事業者概要
..........
3. 発電事業概要
(1)発電規模・方式 発電端5,000キロワット、送電端4,000キロワット
空冷式バイナリー方式(使用媒体:ペンタン)
(2)売電先 固定価格買取制度を活用し九州電力株式会社に売電予定
(3)建設期間 平成26年3月~平成27年3月
(4)運転開始 平成27年3月
4. 債務保証の対象
.......... "

・石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) : 地熱資源開発 / 出資・債務保証(地熱資源)
/ 地熱資源情報

関連エントリー
JFEエンジニアリング、福島県土湯温泉における温泉バイナリー発電の事業化調査に着手-----ソフトエネルギー、2012/02/07

西日本環境エネルギー、九州電力、大分県玖珠郡九重町で5MWの菅原バイナリー発電所の建設へ-----ソフトエネルギー、2013/12/04


参考
九州電力、大分県で地熱発電の可能性を探る調査を開始。地熱センターも設立-----ソフトエネルギー、2013/05/20

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