中部電力、岐阜県高山市に290kWの維持流量利用の秋神水力発電所を計画
中部電力は、岐阜県高山市の秋神ダムに290kWの維持流量利用の秋神水力発電所を新設する。事業を担当するのは中部電力グループのシーテック(名古屋市)。維持流量利用の小水力発電所は、ダムの落差と河川環境を維持するための放流水を有効利用する小規模な発電所です。手続きや工期も簡単で、2015年9月に着工し、2016年4月には完成する予定です。
維持流量を利用した水力発電施設の建設計画は昨年から件数ものびてきました。この動きが今後どこまで広がるのか注目しています。
プレスリリース / 中部電力、2014年4月21日
・秋神水力発電所の開発に向けた基本協定の締結について
-----image : 上下とも、同リリース「別紙PDF 概略位置図と発電所設置イメージ図」より-----
" 株式会社シーテック(愛知県名古屋市、以下「シーテック」)と中部電力株式会社(愛知県名古屋市、以下「中部電力」)は、本日、秋神ダム(岐阜県高山市)の設備を利用した水力発電事業に関する基本協定を締結しましたので、お知らせいたします。 シーテックは、中部電力の秋神ダム直下に、「秋神水力発電所」を開発します。 秋神水力発電所は、ダムの落差と河川環境を維持するための放流水を有効利用した維持流量発電所であることから、再生可能エネルギーの一層の推進につながります。また、小規模な設備建設で済むことから、早期の開発が可能です。 発電出力は290kWで、2016年度の運転開始を目指し、建設を進めます。 本日締結した基本協定は、シーテックが秋神水力発電所を開発・運営するにあたって、中部電力の設備を利用することから、設備の所有・管理区分や、発電に関する管理や運用の基本方針などを定めたものです。 シーテックが水力発電事業に参入するのは、今回が初めてとなります。開発にあたっては、地元の皆さまや関係各所にご理解とご協力をいただきながら進めてまいります。 水力発電は、再生可能エネルギーの中でも安定した発電電力量を期待できることから、今後も中部電力グループ一体となって、一般水力や維持流量発電の継続的な開発に努めてまいります。【計画概要】
発電所名 秋神水力発電所
所在地 岐阜県 高山市朝日町小瀬ケ洞地先
出力 290kW
想定年間発電量 約133万kWh
(一般家庭 約370世帯分の年間使用電力量に相当)
CO2削減量 年間700トン程度
着工予定 2015(平成27)年9月
営業運転開始 2016(平成28)年4月
.......... "
関連
・秋神水力発電所の開発に向けた基本協定の締結について-----シーテック、2014.04.21
・Twilog : @greenpost : 維持流量
コメント続き
中電の水力発電の施設リストによると、2000年に入ってから建設された水力発電所は、全183ヵ所合計出力5,225,180kW中、3ヶ所で合計2,220kWです。リストの中には、戦前からの施設も目立ちます。水力発電の開発が近年停滞していることがわかります。
----------
2013年3月末現在、の発電所で出力の発電
大井川水系(計13ヵ所 657,570kW)
大井川 東河内(ひがしごうち) ダム 170kW 2001年2月
天竜川水系(計31ヵ所 346,770kW)
易老沢 易老沢(いろうざわ) 水路 250kW 2003年6月
矢作川水系(計26ヵ所 1,272,520kW)
木曽川水系(計39ヵ所 2,778,030kW)
信濃川水系(計45ヵ所 98,630kW)
富士川水系(計4ヵ所 7,330kW)
安倍川水系(計2ヵ所 750kW)
豊川水系(計3ヵ所 2,380kW)
庄内川水系(計2ヵ所 2,300kW)
小里川 小里川(おりがわ) ダム 1,800kW 2003年6月
朝明川水系(1ヵ所 530kW)
淀川水系(1ヵ所 400kW)
雲出川水系(1ヵ所 700kW)
櫛田川水系(計3ヵ所 2,370kW)
銚子川水系(1ヵ所 1,000kW)
神通川水系(計6ヵ所 17,800kW)
姫川水系(計5ヵ所 36,100kW)
全水系合計 5,225,180kW(5.225180GW)
----------
しかし、ここにきて出力は小さいですが、維持流量や平成25年12月11日に河川法が改正になったことにより手続きが簡単となった従属発電による小水力発電が計画されるようになってきました。今後、砂防ダム、農業関連用水などの活用案件がどの程度生まれる状況になるのか注目されます。
・県営阿多岐ダムを活用した新たな発電事業 改正河川法に基づく本県初となる登録-----岐阜県、平成26年4月16日
"近年、小水力発電はクリーンかつ安定的な再生可能エネルギーとして注目されています。この小水力発電を促進するため、平成25年12月施行の改正河川法では、従属発電について許可制に代えて新たに登録制が導入され、手続の簡素化・円滑化が図られました。
このたび、治水ダムである県営阿多岐ダムにおける従属発電「阿多岐水力発電所」について、中部電力株式会社から河川管理者の県に対して改正河川法に基づく申請があり、4月11日(金)に本県初の登録を行いましたのでお知らせします。
なお、中部電力株式会社所有の発電ダムである矢作第二ダムの放流水を利用した従属発電「新串原水力発電所」についても登録申請があり、同11日付けで登録を行いました。
.......... "
・三重県企業庁水力発電事業に係る資産等(3発電所)の譲り受け-----中部電力、2014年4月1日
・阿多岐水力発電所および丹生川水力発電所の開発計画について----中部電力、2012年11月27日
・国土交通省 : 小水力発電と水利使用手続
・Twilog : #renewhydro(水力発電の関連情報)
・Twilog : #岐阜(岐阜県の再生可能エネルギーの関連情報)
[ カテゴリー : 水力発電 ]
ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。
greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2-----しなやかな技術研究会 まとめ
[PR]
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント