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原発回帰。発表された「エネルギー基本計画」の政府原案を"まず"読もう

 政府は2月25日、「エネルギー基本計画」の政府の原案をとりまとめ発表しました。A4版73ページの内容を読み進んでいます。
 今後、3月中の閣議決定を目指すとのことです。

 また、 平成25年12月6日~平成26年1月6日の期間に募集された「エネルギー基本計画」策定に向けたパブリックコメントの結果もようやく発表されました。
 総数(到達件数)は、18,663件で、128件についてはコメント付きの”問答集”が発表されました。全体の傾向や、全体の意見の公開については何もふれられていません。

エネルギー基本計画について-----資源エネルギー庁(経済産業省)
2014_meti_dengenkousei
-----image : 「エネルギー基本計画(案) 平成26年2月25日 経済産業省」より

"..........
目次
はじめに

第1章 我が国のエネルギー需給構造が抱える課題
第1節 我が国が抱える構造的課題
1.海外の資源に大きく依存することによるエネルギー供給体制の根本的な脆弱性
2.人口減少、技術革新等による中長期的なエネルギー需要構造の変化
3.新興国のエネルギー需要拡大等による資源価格の不安定化
4.世界の温室効果ガス排出量の増大
第2節 東京電力福島第一原子力発電所事故及びその前後から顕在化してきた課題
1.東京電力福島第一原子力発電所事故による深刻な被害と原子力発電の安全性に対する懸念
2.化石燃料への依存の増大とそれによる国富流出、供給不安の拡大
3.電源構成の変化による電気料金上昇とエネルギーコストの国際的地域間格差によるマク
ロ経済・産業への影響
4.我が国の温室効果ガス排出量の急増
5.東西間の電力融通、緊急時供給など、供給体制に関する欠陥の露呈
6.エネルギーに関わる行政、事業者に対する信頼の低下
7.需要動向の変化-コージェネレーションの導入増や節電行動の変化
8.中東・北アフリカ地域の不安定化等資源供給地域の地政学的構造変化
9.北米におけるシェール革命の進展による国際エネルギー需給構造の変化の兆し
10.新興国を中心とした世界的な原子力の導入拡大

第2章 エネルギーの需給に関する施策についての基本的な方針
第1節 エネルギー政策の原則と改革の視点
1.エネルギー政策の基本的視点(3E+S)の確認
2.“多層化・多様化した柔軟なエネルギー需給構造”の構築と政策の方向
第2節 各エネルギー源の位置付けと政策の時間軸
1.一次エネルギー構造における各エネルギー源の位置付けと政策の基本的な方向
2.二次エネルギー構造の在り方
3.政策の時間軸とエネルギーミックスの関係

第3章 エネルギーの需給に関する長期的、総合的かつ計画的に講ずべき施策
第1節 安定的な資源確保のための総合的な政策の推進
1.北米・ロシア・アフリカ等新たな資源供給国との関係強化と上流進出の促進
2.現在の資源調達環境の基盤強化
3.エネルギーコスト低減のための資源調達条件の改善等
4.メタンハイドレート等国産資源の開発の促進
5.鉱物資源の安定供給確保に不可欠なリサイクルの推進及び備蓄体制の強化等
第2節 徹底した省エネルギー社会の実現と、スマートで柔軟な消費活動の実現
1.各部門における省エネルギーの強化
2.エネルギー供給の効率化を促進するディマンドリスポンスの活用
第3節 再生可能エネルギーの導入加速~中長期的な自立化を目指して~
1.風力・地熱の導入加速に向けた取組の強化
2.分散型エネルギーシステムにおける再生可能エネルギーの利用促進
3.固定価格買取制度の在り方
4.再生可能エネルギー熱を中心とした多様な導入形態の促進
5.福島の再生可能エネルギー産業の拠点化の推進
第4節 原子力政策の再構築
1.原子力政策の出発点-東京電力福島第一原子力発電所事故の真摯な反省
2.福島の再生・復興に向けた取組
3.原子力利用における不断の安全性向上と安定的な事業環境の確立
4.対策を将来へ先送りせず、着実に進める取組
5.国民、自治体、国際社会との信頼関係の構築
第5節 化石燃料の効率的・安定的な利用のための環境の整備
1.高効率石炭・LNG火力発電の有効活用の促進
2.石油産業・LPガス産業の事業基盤の再構築
第6節 市場の垣根を外していく供給構造改革等の推進
1.電力システム改革の断行
2.ガスシステム及び熱供給システム改革の推進
第7節 国内エネルギー供給網の強靭化
1.石油備蓄等による海外からの供給危機への対応の強化
2.「国内危機」(災害リスク等)への対応強化
3.平時における安定供給の確保
第8節 安定供給と地球温暖化対策に貢献する二次エネルギー構造への変革
1.電気をさらに効率的に利用するためのコージェネレーションの推進や蓄電池の導入促進
2.自動車等の様々な分野において需要家が多様なエネルギー源を選択できる環境整備の促進
3.“水素社会”の実現に向けた取組の加速
第9節 市場の統合を通じた総合エネルギー企業等の創出と、エネルギーを軸とした成長戦略の
実現
1.電力システム改革等の制度改革を起爆剤とするエネルギー産業構造の大転換
2.総合的なエネルギー供給サービスを行う企業等の創出
3.エネルギー分野における新市場の創出と、国際展開の強化による成長戦略の実現
第10節 総合的なエネルギー国際協力の展開
1.エネルギー国際協力体制の拡大・深化
2.地球温暖化の本質的解決に向けた我が国のエネルギー関連先端技術導入支援を中心とした
国際貢献

第4章 戦略的な技術開発の推進(エネルギーの需給に関する施策を長期的、総合的かつ計画
的に推進するために重点的に研究開発するための施策を講ずべきエネルギーに関する
技術及び施策)
1.エネルギー関係技術開発のロードマップの策定
2.取り組むべき技術課題

第5章 国民各層とのコミュニケーションとエネルギーに関する理解の深化(エネルギーの需給
に関する施策を長期的、総合的かつ計画的に推進するために必要な事項)
1.エネルギーに関する国民各層の理解の増進
2.双方向的なコミュニケーションの充実
........... "

関連
・経済産業省 : 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会

エネルギー基本計画案、「原発は重要電源」を維持=政府筋-----ロイター(朝日新聞)、2014年 02月20日

"国の中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の政府案の中で、原子力発電を「重要なベースロード電源」と位置づける方向で調整に入ったことがわかった。25日にも政府案として固め、3月中の閣議決定を目指す。
.......... "


コメント続き
 今回のエネルギー基本計画のとりまとめの行程は、都知事選により一月半あまりの空白がありました。その間まともな”議論”は一切行われませんでした。都知事選で原子力政策が議論されることを、不適としながら、その結果を得て、原子力依存への回帰方針が信任されたという、でたらめな見方も都知事選後には聞かれました。

首相、エネルギー計画先送り示唆 「しっかり議論」-----47News,2014/01/14

".....原発政策などの指針として1月中を目指していたエネルギー基本計画の閣議決定を来月以降に先送りする可能性を示唆した。「国民や与党内の意見も踏まえながら、しっかりと議論を進めていきたいと考えている」と述べた........... "

”エネルギー政策はですね、国民みんなの課題でありまして さまざまな機会をとらえて、 こうした議論が行われることは、私は望ましいことだと思います。”
-----都知事選の争点に原子力が大きく浮上していることを受けて、15日外遊中の安倍首相が発した言葉。


 安倍首相は、都知事選に先立つ1月14日に「エネルギー政策はですね、国民みんなの課題」だとおおしゃったそうです。しかし、空白のあとに示された今回のエネルギー基本計画の内容は、政府事故調による福島第一原子力発電所の苛酷事故に至る問題点には応えず、汚染水問題の深刻化にも言及していません。そもそものエネルギー基本計画の案は、たった13回、原子力発電に疑問をもつ委員を排除した形で、目立たない形で行われた総合エネルギー調査会 基本政策分科会の議論でまとめられたものです。民主党政権下で短期間で拙速とはいえ、自民党よりははるかにましなプロセスでまとめられた”原発ゼロ”から一転、原発は重要な電源であり、現体制のままで推進するとする今回の決定への転換、原発回帰の姿勢にいたる経過は、国民にまったく示されていません。
 今回のパブリックコメントも全体の傾向や全体の”コメント”は発表されず、単なる問答集の提示という、都合のいいところをつまみ食いする内容となっています。
 前政権の安倍政権よりも大分時間と金をかけてまとめられた、前政権の多数のパブリックコメントを含む意見を完全に無視し、議論の現場からそもそも脱原発派を排除してまとめられたものです。安倍政権の政治手法により、特定秘密、オリンピック、エネルギーと強引に進められてきた国民不在の政権運営は、これから戦える国家、原発や武器を輸出できる国家、内容よりも独自性を優先し憲法を修正するという、かなり危ういプロセスが目立ちます。このままでは、多くの国民はこの豊かな国の風土の中で自由に生きる権利を失ってしまいます。

 最大の問題は、危機、未曾有の危機は管理と独裁政治を許す土壌になりうることです。逆に風土に生かされ、極省エネでもそこそこ豊かな生活は、私たちが選択したゆまず育て造り続ける必要がある、より繊細で強靭な生き方を必要とします。

 今回の政府のエネルギー基本計画の案を読むと、よくて問題の先送りですが、先送りできる余裕があるかどうか、地震、そして世界の経済、日本の経済の状況がそれを許すことができるのか、大いに疑問です。このタイミング、2030年に向けての高く質の悪い化石燃料を使わざる負えない状況下で、地道に耐えて、2030年以降の日本の現実にそった暮らしをいかに作るという課題は、結局孤立した形で国民に残され、放置されています。市民レベルで、極省エネでそこそこ豊かな暮らしを具体化して、一人一人がよい例となり、生き抜くことが必要です。

 政治的というようりは、生き残りをかけた動きです。そのために、知恵をしぼりましょう。

参考
エネルギー基本計画に関するパブリックコメントは、約1万9千。大半は、、、-----ソフトエネルギー、2014/01/11
 



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