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東京大学大学院の研究グループ、藻類の光合成の新しいエネルギー変換装置を解明

 東京大学大学院の研究グループ(東京大学大学院総合文化研究科広域科学)は、藻類の光合成の新しいエネルギー変換装置を解明したと発表しました。
 藻類や植物の光合成には、いずれも多数のタンパク質で構成される、「アンテナ装置」と「光化学系」が必要だということです。今回、光合成を行う藍藻類(シアノバクテリア)で、光化学系Ⅰとアンテナ装置の超複合体の単離に初めて成功し、超複合体の形成に必要なタンパク質を発見しました。
 今回発見した超複合体を応用することで、光合成反応を促進する新しい光合成生物や光合成生産システムが創出できる可能性や水素生産への利用などが期待できます。

 今回の研究は、科学技術振興機構(JST)の進める略的創造研究推進事業(CREST)にのっとって行われている研究です。

 
プレスリリース / 東京大学、科学技術振興機構(JST)、平成26年2月4日
藻類の光合成の新しいエネルギー変換装置を解明

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-----image(”参考図”) : 同リリースより "図1 アナベナの糸状性の細胞と単離したアンテナ装置のフィコビリソーム複合体と光化学系Ⅰ複合体から構成される超複合体の構造
 アナベナの細胞が連なった中央にひときわ大きな細胞が窒素固定を行うヘテロシスト細胞です。図の背景は、電子顕微鏡による構造解析で明らかになった超複合体の分子イメージです。右下の分子モデル図は、3個の団子様のタンパク質がつながったフィコビリソーム(紫色から青色で示す)と光化学系Ⅰ(緑色で示す)複合体とが結合した超複合体の構造モデルです。黄色い矢印は、光エネルギーの伝達の流れを示しています。"

"<発表のポイント> 藻類や植物の光合成には、いずれも多数のタンパク質で構成される、「アンテナ装置」と「光化学系」が必要です。 光合成を行う藍藻類(シアノバクテリア)で、光化学系Ⅰとアンテナ装置の超複合体の単離に初めて成功し、超複合体の形成に必要なタンパク質を発見しました。 今回発見した超複合体を応用することで、光合成反応を促進する新しい光合成生物や光合成生産システムが創出できる可能性や水素生産への利用などが期待できます。

<発表概要>
光合成は藻類や植物が太陽からの光エネルギーを使って空気中の二酸化炭素と水からエネルギーの元となる炭水化物を作る反応です。この自然界で用いられているエネルギー変換のしくみはクリーンで持続可能なエネルギーを生産できる技術であるため、そのしくみを明らかにすることは重要です。この光合成は、光を必要とする「明反応」と必要としない「暗反応」からなり、明反応は光化学系Ⅰと光化学系Ⅱ注1)の反応の組み合わせで進行します。また、光を集めるアンテナ装置がこれら2種類の光化学系に結合して、吸収した光エネルギーを効率的に2つの光化学系に伝えます。光合成は外からくる光エネルギーによって駆動されるので、複雑な光合成システムの反応を効率よく進めるには、システムを駆動するエンジンに相当するアンテナ装置や光化学系の設計が重要になります。
今回、東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻の渡辺 麻衣 特任研究員と池内 昌彦 教授らの研究グループは、光合成によって二酸化炭素だけではなく、空気中の窒素を窒素化合物に変換(窒素固定)できる藻類の一種アナベナから、明反応において光エネルギーを集める役割(アンテナ装置)を果たすタンパク質の複合体(フィコビリソーム注2))と集めた光エネルギーを化学エネルギーに変えるタンパク質の複合体(光化学系Ⅰ超複合体)が相まって形成する超複合体(図1)を単離し、これまで知られていなかったその役割と構造を解明しました。また、この超複合体の形成に必須のタンパク質性因子も発見しました。このタンパク質性因子の発現を人為的に強化することで、光合成の反応のうち、光化学系Ⅰよる駆動を必要とする光合成生物を創り出せる可能性が示唆されました。
微細藻類や植物の光合成による物質生産は、クリーンで持続可能な生産技術として非常に注目されていますが、本研究は微細藻類と植物に共通的な光合成強化の基盤として、重要な技術開発のポイントになる可能性を秘めています。
なお、本成果は、おもに東京大学とオランダのフローニンゲン大学との共同研究によるものです。
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関連
藻類の光合成の新しいエネルギー変換装置を解明------東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部、2014.02.04

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1.発表者:

渡辺麻衣(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 特任研究員)
池内昌彦(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 教授)
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・科学技術振興機構(JST) : 戦略的創造研究推進事業 CREST



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