産業技術総合研究所(産総研)は、「世界に開かれた再生可能エネルギーの研究開発の推進」と「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を旨とする福島再生可能エネルギー研究所を4月に開設する。
福島県郡山市西部第二工業団地では、平成24年12月よりに建設工事が開始されている。研究内容として予定されている、6つの課題は、
1)再生可能エネルギーネットワーク開発・実証-----再生可能エネルギーと系統の関連
2)水素キャリア製造・利用技術-----水素キャリア(有機ハイドライド、アンモニアなど)を製造することにより、変動する再生可能エネルギーを大量貯蔵・輸送し、高効率で利用するシステム技術
3)高効率風車技術およびアセスメント技術-----発電および風車寿命の向上のための研究
4)薄型結晶シリコン太陽電池モジュール技術-----高効率・低コスト・高信頼性を兼ね備えた薄型結晶シリコン太陽電池モジュールの量産化技術
5)地熱発電の適正利用のための技術-----持続的な運転や周辺温泉への影響監視・評価に必要なモニタリング技術、地熱発電可能地域を拡大する技術
6)地中熱ポテンシャル評価とシステム最適化技術
以上の6つの課題を中心に、国内外の多様な外部機関と共同研究なども予定されている。
プレスリリース / 産業技術総合研究所(産総研)、2013年9月25日
・「福島再生可能エネルギー研究所」の設立について
-----image[”福島再生可能エネルギー研究所の完成予想図(平成26年1月建物竣工予定)と主要な研究テーマ”] : 同リリースより
" 再生可能エネルギーの大量導入の早期実現を目指す
ポイント
・平成26年4月の開所に先行して福島再生可能エネルギー研究所を平成25年10月1日に設立
・ 「世界に開かれた再生可能エネルギーの研究開発の推進」と「新しい産業の集積を通した復興への貢献」をミッションとするオープンイノベーションのハブ(連携拠点)を目指す
・水素や蓄電池などによるエネルギー貯蔵と制御技術を駆使した再生可能エネルギーシステム統合技術、太陽光発電技術、先進的風力発電技術、地熱・地中熱の適正利用のためのデータベース構築など、世界最先端の研究を実施
概要
独立行政法人 産業技術総合研究所(略)は、福島再生可能エネルギー研究所の平成26年4月の開所に先行して、福島再生可能エネルギー研究所【略】を平成25年10月1日に設立する。
福島再生可能エネルギー研究所では、「世界に開かれた再生可能エネルギーの研究開発の推進」と「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を大きな使命とし、国内外から集うさまざまな人々と共に、再生可能エネルギーに関する新技術を生み出し発信する拠点を目指す。建物は、福島県郡山市西部第二工業団地に平成26年1月に竣工予定で、開所までの研究活動は産総研つくばセンターで実施する。
なお、福島再生可能エネルギー研究所では、研究推進組織として再生可能エネルギー研究センター【研究センター長 大和田野 芳郎】を、研究支援組織として福島連携調整室および福島研究業務推進室を設置し、同研究所内で研究活動を展開する独立行政法人 科学技術振興機構(JST)などの外部機関と連携する。
-----image(”福島再生可能エネルギー研究所の体制図”) : 同リリースより
設立の経緯
産総研は、政府の東日本大震災復興基本法第3条に基づき制定された「東日本大震災からの復興の基本方針」および「福島復興再生基本方針」などを受けて、「再生可能エネルギーさきがけの地、福島」に福島再生可能エネルギー研究所を設立することを決定した。
これまでに、福島県郡山市西部第二工業団地に土地を購入し、郡山市と平成24年11月に連携・協力協定を締結した。平成24年12月に建設工事を着工し、現在整備を進めている。
開所までの予定
平成26年1月に建物(研究本館および実験別棟)を竣工し、順次研究開発設備の搬入・設置を進める。平成26年4月に福島再生可能エネルギー研究所を開所し、本格的に研究活動を開始する。
研究内容
再生可能エネルギーの大量導入の早期実現に向けて、以下の6つの課題を中心に、国内外の多様な外部機関と共同で世界最先端の再生可能エネルギーの研究開発を実施する。
1)再生可能エネルギーネットワーク開発・実証
大きく変動する再生可能エネルギーの高密度の大量導入に必要な、さまざまなエネルギー貯蔵技術を活用したエネルギーネットワークを構築し、エネルギー需要とのマッチングや電力系統との円滑な連系を可能とする技術を開発・実証する。
2)水素キャリア製造・利用技術
太陽光・風力発電などの変動電源から水素キャリア(有機ハイドライド、アンモニアなど)を製造することにより、変動する再生可能エネルギーを大量貯蔵・輸送し、高効率で利用するシステム技術を開発・実証する。
3)高効率風車技術およびアセスメント技術
遠方の風向や風速などの計測による発電量向上などの技術を確立し、発電および風車寿命の向上のための研究を実施する。
4)薄型結晶シリコン太陽電池モジュール技術
結晶シリコン基板から太陽電池モジュールまでの一貫製造ラインを用いて、高効率・低コスト・高信頼性を兼ね備えた薄型結晶シリコン太陽電池モジュールの量産化技術の開発を実施する。
5)地熱発電の適正利用のための技術
地熱発電所の持続的な運転や周辺温泉への影響監視・評価に必要なモニタリング技術、地熱発電可能地域を拡大する技術などの開発を実施する。
6)地中熱ポテンシャル評価とシステム最適化技術
地下水流動・熱交換量予測シミュレーションに基づく地中熱ポテンシャルマップを作成し、それを活用して地中熱利用システムの最適化・高精度設計技術の開発を実施する。
.......... "
関連
・産総研 福島再生可能エネルギー研究所
"再生可能エネルギーの大量導入の早期実現を目指して
平成26年4月1日の開所まで、あと76日"
-----image :
施設・実験設備
"■主要施設
建物名称 用途 延床面積
パース図 研究本館(4階) 一般実験、会議・外部連携、事務管理 約6,900平方メートル
パース図 実証フィールド. 再生可能エネルギーネットワーク実証等 約25,000平方メートル
パース図 実験別棟(1階) 特殊実験 約4,600平方メートル"
・【産総研の研究所】新エネルギー世界へ-----福島民報、2013/10/01
・福島大学と産総研、再生可能エネルギー分野における協定を締結-----ソフトエネルギー、2012/02/20
追加情報
・福島県と産業技術総合研究所が連携・協力に関する協定を締結 -再生可能エネルギー関連産業の福島県内への集積に向けた取り組みを強化-----産総研、2014/03/25
"ポイント
・平成26年4月に開所する産総研福島再生可能エネルギー研究所を中核として、再生可能エネルギー分野の研究開発、地元企業への技術支援、人材育成などの取り組みを連携して推進
・福島県内外の教育・研究機関や企業などともネットワークを構築し、上述の取り組みの骨太化を図るとともに、情報発信・成果普及を効果的に実施
・これらの活動を通して福島県における再生可能エネルギー分野の産業集積を促進し、東日本大震災からの復興を加速
.......... "
・福島県と産総研が再エネ産業の集積でタッグ、拠点となる研究所を公開-----TechOn!,2014/03/26
" 福島県と産業技術総合研究所(産総研)は、再生可能エネルギー関連産業の福島県への集積に向けて連携する協定を2014年3月25日に締結した。産総研は同日、連携の拠点となる「福島再生可能エネルギー研究所」(福島県郡山市待池台)を、報道機関に公開した。同研究所は2014年4月に開所予定である。
.......... "
参考ツィート
・Twilog : #福島(福島県の再生可能エネルギーの情報)
・Twilog : #宮城(宮城県の再生可能エネルギーの情報)
・Twilog : #岩手(岩手県の再生可能エネルギーの情報)