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積水化学工業、産総研、室温プロセスでフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功。世界初!

 積水化学工業と産総研の共同研究グループは、室温プロセスでフィルム型色素増感太陽電池の試作に、世界で初めて成功したと発表しました。プレスリリースには、「世界初!」の文字が誇らしげにおどっています。変換効率は、有機フィルム上の色素増感太陽電池としては世界最高水準の8.0%を達成、かつて印刷機のように太陽電池を”印刷する技術”として注目された、ロール・ツー・ロール(RtoR)化の技術にも目処がついたとのことです。これが可能となれば、生産性向上によりプロセスコストの大幅な低減が期待されます。

 今回のエアロゾルデポジション法(セラミック材料の常温高速コーティングプロセス方法,以下「AD法」)では、従来の高温焼成が不要となり、世界で初めて室温プロセスでのフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功しました。これにより、このロール・ツー・ロール(RtoR)が可能となることで、太陽光発電の用途開発は、太陽光や光のエネルギーが存在する未利用な場所と用途がかつてない質と規模で広がる可能性があります。当然、コストの問題も解決できる技術ということで、今後数年、そして5年から10年後の新しいエネルギーの作り方に影響を与える技術です。
 積水化学は、同時に塗工プロセスによる大容量フィルム型リチウムイオン電池の開発もアナウンスしています。蓄電池も太陽電池も”印刷する”時代がやってくるかもしれませんね。
 
プレスリリース / 積水化学工業、2013年12月5日
世界初!室温プロセスでフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功

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----image : 同リリースより

" ~有機フィルム上で、変換効率8.0%。ロール・ツー・ロール生産に目途~
 ~「いつでもどこでも太陽電池」の実現へ~

 積水化学工業株式会社(略)のR&Dセンター(略)は、独立行政法人産業技術総合研究所(略)先進製造プロセス研究部門(略)先進コーティング技術プラットフォーム研究班の廣瀬伸吾主任研究員、明渡純首席研究員などと共同で、エアロゾルデポジション法(セラミック材料の常温高速コーティングプロセス方法,以下「AD法」)を活用し、従来の高温焼成を不要とし、世界で初めて室温プロセスでのフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功しました(当社調べ。2013年12月5日時点)。

 今回試作した太陽電池では、産総研の保有するAD法技術と、積水化学の保有する微粒子制御技術・多孔膜構造制御技術・フィルム界面制御技術を駆使し、光電変換層とフィルムの高い密着性と良好な電子輸送性能を実現することで、有機フィルム上の色素増感太陽電池としては世界最高水準の8.0%の変換効率を得ました。
 熱エネルギーの代わりに高速衝突エネルギーによる微粒子結着メカニズムを利用することで、従来の高温焼成セラミック形成プロセスが不要となり、室温でのフィルム化に成功しました。耐熱性の低い汎用フィルムや粘着テープのような材料にも成膜が可能で、さまざまなフィルム基板を用いた色素増感太陽電池が製造可能となり幅広い用途が期待されます。

 加えて高温工程が不要であり製造負荷が低減できます。また、ロール・ツー・ロール(RtoR)化が可能で、生産性向上によりプロセスコストの大幅な低減が期待されます。
 これらにより、低コスト、薄型、軽量、大面積、フレキシブル色素増感太陽電池の生産が実現できるようになります。
 今後、量産技術を確立し、自社製品への適用検討を進めるとともに、さまざまな用途展開に関し幅広く事業パートナーを募って連携を進め、2015年の太陽電池市場への参入を目指します。
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3.今回試作に成功した室温プロセスでのフィルム型色素増感太陽電池の特長
 色素増感太陽電池は、二酸化チタンなどの酸化物半導体層に色素を吸着し光電変換層として利用する有機太陽電池の一種です。一般的には、二酸化チタンを含むペーストを基板に塗布したものを500℃程度の高温で焼成し、色素増感太陽電池の半導体層として使用していますが、この温度は市販の有機フィルムの耐熱性を越えるため、フィルム太陽電池の実現の課題となっていました。
 これに対しAD法は、原料粒子に高い衝突エネルギーを与えて基板に衝突させ、その物理エネルギーをもって粒子間の結合を促進させ成膜する方法であり(図1)、加熱プロセス無しで形成されたにもかかわらず、高い強度を持つ膜を形成することができます。

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-----image : 同リリースより

 積水化学と産総研では、このAD法を用い、界面・膜構造の最適化などにより色素増感太陽電池用の半導体層に適した二酸化チタン多孔膜の成膜に成功し、色素増感太陽電池の発電性能を確認しました。その発電効率は、ガラス基板で9.2%,フィルム基板で8.0%(4mm角、AM1.5 100mW/cm2 自社測定)であり、フィルム基板を用いた色素増感太陽電池としては世界最高水準の発電効率が得られています。
 また、本成膜技術のRtoR化による連続成膜にも成功しており、これにより、大面積・長尺のフィルム型色素増感太陽電池の大量生産が可能で、大幅な低コスト化が実現できます。

4.今後の事業展開について
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-----image : 同リリースより
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関連
世界初!室温プロセスでフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功-----産業技術総合研究所、2013年12月6日


参考
塗工プロセスによる大容量フィルム型リチウムイオン電池開発-----積水化学工業、2013年12月3日



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投稿: Phyllis | 2021/08/30 20:54

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