2030年までに、40%以上を再生可能エネルギーで賄う計画のハワイで、日米スマートグリッドが稼動
NEDOと日立製作所、みずほ銀行、サイバーディフェンス研究所が共同で取り組んでいる、ハワイ州マウイ島におけるスマートグリット実証事業の実証サイトが、現地時間の12月17日、実証運転を開始しました。これは、2010年に交換された、「日-米、沖縄-ハワイ間でクリーンエネルギー発展と実施のための覚書」にのっとて実施されるもので、プロジェクトは「ハワイ州マウイ島におけるスマートグリッド実証事業(正式名称:Japan U.S. Island Grid Project)」と命名されています。
ハワイ州は、2030年までに電力需要の40%以上を再生可能エネルギーで賄う計画をもち、再生可能エネルギーの導入が進む中で、問題とその解決に関する先進的な実証実験が行われる予定です。今回のプロジェクトは、2009年11月に日米首脳会議で合意した『日米クリーン・エネルギー技術協力』の一環として行われるもので、この他にはロスアラモス国立研究所 (LANL = Los Alamos National Laboratory)で実施されている日米スマートグリッドプロジェクトが進行中で、蓄電池の分野と分析制御の分野で世界の先進的な役割を果たせる可能性をもつ日本の企業が参加して実施されています。
プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2013年12月18日
・ハワイにおける日米スマートグリッド事業の実証サイトが始動-再生可能エネルギーの効率的利用システムを確立へ
-----image(”ハワイ州マウイ島におけるスマートグリット事業概要”) : 同リリースより
" NEDOと(株)日立製作所、(株)みずほ銀行、(株)サイバーディフェンス研究所が共同で取り組んでいる、ハワイ州マウイ島におけるスマートグリット実証事業の実証サイトが、12月17日(現地時間)、実証運転を開始しました。
本実証事業は、日米の政府間合意に基づいて実施されるもので、再生可能エネルギーの効率的な利用や同エネルギー特有の急激な需給変動への対応などを可能とするため、電気自動車(以下、EV)を活用し、島内の電力システムに適するスマートグリッド技術の検証を同日から2015年3月末まで実施。分析・評価結果を基に、マウイ島と同様の環境をもつ島々や亜熱帯地域に対し、低炭素社会を実現するシステムとしてビジネスモデルの構築・展開を図ります。1. 概要
米ハワイ州では、風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの導入が進んでおり、2030年までに電力需要の40%以上を再生可能エネルギーで賄う計画です。
こうした再生可能エネルギーの導入が進んでいる環境において、再生可能エネルギーの利用に伴い生じる課題を解決するため、NEDOは2011年より「ハワイ州マウイ島におけるスマートグリッド実証事業(正式名称:Japan U.S. Island Grid Project)※」を開始。日立製作所、みずほ銀行、サイバーディフェンス研究所、ハワイ州、マウイ郡、ハワイ電力、ハワイ大学、米国国立研究所などと共同で実証サイトの構築を進めてきました。
本実証事業においては、EVを活用したスマートグリッドを実現するため、EVエネルギーコントロールセンターを設置するとともに、マウイ島キヘイ地区の配電系統の制御システム(Distribution Management System/以下、DMS)や電力系統における需給バランスを制御し、再生可能エネルギーの効率的な運用を支援するためのエネルギーマネジメントシステム(Energy Management System–Plus /以下、EMS-Plus)を設置しました。また、再生可能エネルギーの変動影響を緩和するため、需要家側の機器を直接制御するダイレクトロードコントロール(Direct Load Control)の実施を進めています。
これまで、こうしたシステムを利用して頂けるマウイ島のEVユーザーや、電気温水器などの制御実験を行うキヘイ地区の一般需要家などから、ボランティアを募集する取り組みを推進してきました。また、ボランティアのために、EV用急速充電ステーションの設置や、実証サイト全体のシステム安全性を実現すべく米国におけるサイバーセキュリティ基準への適合を進めてきました。
現在、EVボランティアに関心を示す方が約150台相当、需要家ボランティアに関心を示す方が約40軒相当おります。今後さらなる実証の推進に向け、200台相当のEVボランティアと、40軒相当の需要家ボランティアの協力を頂くべく手続きを進めていく予定です。また、EV用急速充電ステーションは、現在5拠点に20台の充電スタンドを設置していますが、将来的には20拠点に拡大して設置していく予定です。
本実証サイトでは、マウイ島に設置されている総出力7.2万kWの風力発電システムと電力系統を用いて、IT(情報技術)を活用しながら、配電系統や需要家側負荷の制御、複数タイプの急速充電器を含めたEVの運用・充電制御システムなどの実証を行います。実証サイトの運転は、2015年3月までの予定で、実証試験の分析・評価結果をもとに、今後、ビジネスモデルの検討、議論を進めていきます。プロジェクト呼称=JUMPSmartMaui
2. 実証事業詳細
本実証事業は、2009年11月に日米首脳会議で合意した『日米クリーン・エネルギー技術協力』の一環として2010年6月に経済産業省、米エネルギー省、沖縄県、ハワイ州間で交わされた『沖縄・ハワイクリーン・エネルギー協力に関わる覚書』に基づき、NEDOが米国ハワイ州、マウイ郡と基本協定書を締結し実施しているものです。
再生可能エネルギーの有効利用率の向上を目的とするEVを活用したスマートグリッドの構築を実現するため、EVエネルギーコントロールセンターを設置、キヘイ地区に設置したDMSやマウイ電力の電力系統における需給バランスを制御するEMSと連携させることでEVの統合的なエネルギー管理の実現を目指します。
EVとEMSの連携により、EVに搭載されているカーナビゲーションやPC、スマートフォンなどを活用したEV充電状況のモニタリングや充電開始時間の自動調整が可能となることから、再生可能エネルギーの余剰電力を効率的にEVへ吸収させる仕組みについて検証します。
また、再生可能エネルギー比率の増加に伴う出力変動の影響を緩和し、配電系統の安定化を図ることを目的に、DMSによる周波数支援制御*1、蓄電池制御、μ(マイクロ)DMS制御*2および需要家機器を制御するDLCを実施し、これらの機能による配電系統の安定化への効果について検証を行います。
さらに低圧系統においてμDMSの自律制御によるトランス過負荷防止を目的とした緊急負荷制御、太陽光発電(Photovoltaics)の出力制御と電圧制御を行います。また、上位系統と協調した階層的な制御により、周波数の異常緩和やDLC等の系統全体の最適なエネルギーマネジメントの検証を行います。*1 周波数支援制御:風力発電など再生可能エネルギーの出力が急激に変動すると、電力系統周波数に変化が表れる。周波数が規定値を逸脱しそうになった時に、DMSは緊急性の低い負荷を遮断したり、バッテリーの充放電量を調整することで、周波数の変動を抑制する。
*2 μDMS:低圧変圧器に設置され、配電系統全体の制御を行うDMSの下層システムとして、DMSと低圧配電系統間の双方向通信機能により、家庭内機器制御を担う。
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関連エントリー
・日-米、沖縄-ハワイ間でクリーンエネルギー発展と実施のための覚書 Clean Islands Partnership を交換-----ソフトエネルギー、2010/07/08
・日米スマートグリッドプロジェクト、ロスアラモスで設備が完成し、本格的な実証運転を開始-----ソフトエネルギー、2012/09/24
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