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三井造船と三井不動産、大分市で約17MWpのメガソーラーを稼動

 三井造船と三井不動産は、大分市の臨海部、三井造船大分事業所(大分県大分市日吉原)内に建設していた約17MWのメガソーラーを12月1日から稼動させると発表しました。完成時点で、グリーン・ポストが集計中のトップ10ランキングの4位に入ります。

 大分市の臨海部工業地帯においては、5月に稼動した日揮の26.5MWp、さらに来年3月にも完成見込みの丸紅の81.5MWpなど、合計すると125MWにも達する大規模太陽光発電所が完成することになります。


日揮 26.5MWp 2013/5月稼動 (日産自動車保有の土地)
三井造船と三井不動産 17MWp 2013/12月1日 稼動  (三井造船、三井不動産の土地)

丸紅 81.5MWp 2014/3月稼動予定 (丸紅エネックス、昭和電工、日本触媒の土地)

大分臨海部メガソーラー、出力合計125MWpの全容を見る-----自然エネルギー、2013/5/13

 丸紅の81.5MWpが予定どおり来年の3月に稼動すると、2014年3月末の時点で、トップ、ランキング3、ランキング5と、トップファイブを大分県のこの臨海部メガソーラー群が占めることになりそうです。
 他県でも、臨海部の未利用な土地を利用したメガソーラーが多く建設されています。災害対応や、塩害の影響などがちょっと心配ですが、島国であるわが国における大規模太陽光発電所建設用地として、まだまだ利用の余地が残されています。今後、中型や小型までのより小さな規模の太陽光発電所が、順調に建設されていくのかが注目されるところです。


プレスリリース / 三井造船、三井不動産、2013年11月29日
三井造船・三井不動産 大分太陽光発電所が完成

20131129_ph01
-----image : 同リリースより

"-三井造船と三井不動産が共同で売電事業を開始-

 三井造船株式会社(略)と三井不動産株式会社(略)が共同で、三井造船大分事業所(大分県大分市日吉原)内に建設していた、約17MWのメガソーラー(大規模太陽光発電施設)が完成し、12月1日より発電した電力を全量九州電力へ売電を開始します。

 本事業は、2012年7月から施行された固定価格買取制度を活用した発電事業です。
 三井造船のメガソーラー発電事業としては、本年8月に稼働を開始した玉野事業所での約2MWに続く、2件目のメガソーラーの稼働になります。また、三井不動産のメガソーラー発電事業としては初めての稼働となります。

事業概要

事業名称 三井造船・三井不動産大分太陽光発電事業
事業形態 共同事業(三井造船51%、三井不動産49%)
発電能力 約17MW
設置場所 大分県大分市日吉原3 三井造船大分事業所内
事業期間 20年間
.......... "

関連
「三井不動産山陽小野田太陽光発電所」運転開始
~当社として初めての稼働
----三井不動産、平成25年11月29日(山陽小野田太陽光発電所は、この時点で、国内メガソーラーランキングで、6位タイ)

"..........
三井不動産山陽小野田太陽光発電所 山口県山陽小野田市 約13MW
..........
大分太陽光発電所 大分県大分市 約17MW 運転開始 2013年12月
..........
苫小牧太陽光発電所 北海道苫小牧市 約23MW 運転開始 2013年度(予定)
..........
八戸太陽光発電所 約8MW 運転開始 2014年度(予定)
..........
大牟田太陽光発電所 約6MW 運転開始 2014年度(予定)
.......... "


参考
大分市でメガソーラー発電事業を実施する件-----丸紅、2012年10月22日-----大分市でメガソーラー発電事業を実施

".....大分県大分市 大分臨海工業地帯6号地 81.5MWp 2014年3月に発電所を完成し操業を開始する予定....."

Ooita_17mwp_megasolar_gmap
-----image : Googleマップで、大分17MWpメガソーラー を表示-----
Ooita_17mwp_megasolar_gmap1


参考エントリー
日揮、大分市で26.5MWpの国内最大のメガソーラーを稼動-----ソフトエネルギー、2013/05/13

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

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東北電力、西仙台変電所に2万kWh(20MWh)の世界最大規模のリチウムイオン蓄電設備、着工

 東北電力は、西仙台変電所において、2万kWh(20MWh)の世界最大規模のリチウムイオン蓄電施設の建設に着手したと発表しました。蓄電池には、東芝製リチウムイオン二次電池「SCiB(TM)」が採用されています。容量は、20,000kW。つまり20MWhで、出力は短時間40,000kWに対応した、20,000kW。これにより、風力や太陽光発電の出力変動に対する周波数調整力としての性能を発揮することが期待されています。また、火力発電と協調運用しながら、当該蓄電システムの寿命への影響を抑えつつ、調整力として最大限活用する運用方法等につい ての実証試験が予定されています。そのために、電力系統の交流電力を、蓄電池に充放電するために直流に変換するための装置などが設置されます。このPCS(パワーコンディショナ)や、監視制御棟や変圧器棟、そして、蓄電池をコンテナ内に収納して設置する工事が実施される予定です。

 今回のプランは、国の大型蓄電池を変電所に導入し再生可能エネルギーの導入拡大に取り組む事業者として、すでに工事が開始されている北海道電力で導入された、住友電気工業の6万kWh(60MWh)レドックスフロー蓄電池とともに選定され実施されるものです。事業期間は、平成25年度から、29年度まで。平成27(2015)年2月を目途に設置工事を完了させ、その後3年間で実証試験を実施し、蓄電池システムと火力発電機を組み合わせた周波数制御ロジック、実機による周波数調整力拡大の効果・影響、再生可能エネルギー導入拡大への効果、蓄電池の充電レベル、充放電ロス、寿命などが、最大レベルの実証規模で実施される予定です。

 この事業の予算規模は、別に採択が決定された、北海道電力の南早来変電所(北海道勇払郡安平町)における、60MWhの蓄電池を採用した,システム実証事業と合わせて、296億円です。

 再生可能エネルギーがある程度普及してから、蓄電池の利用などの”現実的な研究”にとりかかった、ドイツやアメリカとはことなり、日本では再生可能エネルギーの変動が系統に与える悪影響ばかりば懸念されてきました。実際、地域の固定負荷と再エネの発電量の変動をリアルタイムに把握し、調整することができれば、かなりの割合で蓄電池なしで、再エネを導入できるという海外の研究などもあります。一方で、再エネが普及したドイツでは、数割というレベルに達したことで、蓄電池にも光が当たり始めています。いずれにしろ、日本が特異とする蓄電池の分野には、産業としての可能性はかなり大きなものがありそうです。

 コストの増大が懸念される蓄電池の系統への投入、そのあたりも含めてきっちりと検証していただきたいと思います。

プレスリリース / 東北電力、平成25年11月25日
西仙台変電所周波数変動対策蓄電池システム実証事業に係る機器据付工事の着工について

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-----image(上-蓄電池システムイメージ、下-完成イメージ図) : 同リリースより-----
Tohokuepco_20mwh_lithumion_battery_

".....西仙台変電所周波数変動対策蓄電池システム実証事業(以下、実証事業)を実施することとしておりますが、同変電所への大型蓄電池等の機器据付工事について、本日着工いたしました。  この実証事業は、一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会(略)が公募する「平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業」に採択されたものであり、再生可能エネルギーの更なる導入拡大を目指し、気象条件で出力が変動する風力発電や太陽光発電の普及拡大に伴う周波数変動対策の新たな取り組みとして、西仙台変電所に大型蓄電池を設置し、最適な制御および管理技術を開発・確立することを目的として実施するものです。  今後、西仙台変電所に新たに監視制御棟やPCS※(パワーコンディショナ)・変圧器棟を建設するほか、蓄電池をコンテナ内に収納して設置する工事を実施してまいります。また、これと並行して、大型蓄電池に出力調整指令を送信する機能を当社中央給電指令所システムに追加する工事を行い、平成27年2月を目途に全ての工事を完了させた上で、その後、平成29年度までの3年間で実証試験を行う予定としております。  当社といたしましては、安全を最優先に工事を進めていくとともに、本実証事業の検証結果を踏まえ、今後も東北地域に賦存量が豊富な再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでまいります。  なお、実証事業の概要については別紙のとおりです。 以 上

※PCS(パワーコンディショナ):電力系統の交流電力を、蓄電池に充放電するために直流に変換する装置

”..........
【事業の概要】
中央給電指令所から、変電所に設置した大型蓄電池システムに対して自動で出力調
整指令を送信して、蓄電池の充放電制御を行うことにより、周波数調整力の拡大効果
を検証する。

1.設置場所 西仙台変電所〔仙台市太白区秋保町〕
(設置面積:6,000m2程度)
2.実証設備 リチウムイオン電池
出力:20,000kW(短時間40,000kW)
容量:20,000kWh

3.事業期間 平成25年度~平成29年度
(平成27年2月を目途に設置工事を完了し、その後3年間で実証試験を実施予定)

4.検証項目
・蓄電池システムと火力発電機を組み合わせた周波数制御ロジック
・実機による周波数調整力拡大の効果・影響
・再生可能エネルギー導入拡大への効果
・蓄電池の充電レベル、充放電ロス、寿命 等
.......... ”-----(別紙)西仙台変電所周波数変動対策大型蓄電池システム実証事業について(PDF)より
.......... "

関連
世界最大出力、東北電力株式会社向け系統用蓄電池システムの受注について-----東芝、2013年11月26日

" ..........東北電力株式会社(以下、「東北電力」)が実施する「西仙台変電所周波数変動対策蓄電池システム実証事業」注1向けに、基幹系統の変電所に設置する世界最大注2となる出力40MW(メガワット)の蓄電池システムを受注しました。

 今回受注した蓄電池システムは、最大出力40MW、容量20MWh(メガワットアワー)で、約1万回以上の充放電が可能な長寿命、高い安全性、低温動作などの優れた特性を持つ当社製リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を搭載しています。東北電力西仙台変電所に設置され、気象条件により出力が変動する風力発電や太陽光発電の普及拡大に伴う周波数変動対策の新たな取り組みに用いられます。
..........
注1
一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募する「平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業」
注2
2013年11月26日時点 当社調べ
注3
周波数や電圧などの電力品質維持のための周波数制御などの系統運用サービス


受注した蓄電池システムの概要
1.定  格
40MW‐20MWh

2.主要機器
系統連系用変圧器、昇圧用変圧器、蓄電池用パワーコンディショナー、蓄電池盤、蓄電池モジュール(SCiBTM)

3.設置場所
東北電力 西仙台変電所

.......... "

大型蓄電池を変電所に導入し再生可能エネルギーの導入拡大に取り組む採択事業者を決定しました-----経済産業省、平成25年7月31日

" 経済産業省は、平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業の公募を実施し、今般、北海道電力と住友電気工業、東北電力を補助事業者として採択しました。
これを受け、本日、茂木経済産業大臣が北海道地域に導入予定の系統用大型蓄電池(レドックスフロー電池)の視察を行うとともに、採択事業者に対して本事業の成功に向け最大限取り組むよう要請しました。
.......... "

平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業の交付決定について-----新エネルギー導入促進協議会、平成25年7月31日

東芝 : SCIB / スマートバッテリ
S_battery_img_01
-----image : 上記サイトより

追加情報
東北電力、西仙台変電所の20MWhの世界最大規模のリチウムイオン蓄電設備を稼働-----ソフトエネルギー、2015/02/23

関連エントリー
北海道電力に、国の予算で6万kWh(60MWh)レドックスフロー蓄電池の導入決定-----ソフトエネルギー、2013/08/01


参考エントリー
新型二次電池「SCiB(TM)」の事業化について / プレスリリース 東芝-----しなやかな技術研究会、2007/12/27

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日立製作所、茨城県神栖市に5MWダウンウィンド洋上風力発電機 HTW5.0-126 の実証機を建設へ

 日立製作所は、2012年より開発を行ってきた、5MWダウンウィンド洋上風力発電機 HTW5.0-126 の実証機を、茨城県神栖市沿岸の陸上に建設すると発表しました。HTW5.0-126は、定格出力 5MW(5,000kW)で、三枚翼の直径は126mで、ハブまでの高さは約90mです。通常の風力発電機がノーズコーン側から風を受けるアップウィンド型であるのに対して、タワートップのナセル(発電機などを収納する部分)側から風を受けます。このダウンウィンド型は、暴風時にもローターが横風を受けない向きを保持し、風荷重を低減でき、洋上風車として展開した時には、風向追従性の高さを生かして風を効率的に捉えることができるといった効果が期待されています。

 このダウンウィンド型の風力発電機は、2012年7月に富士重工業から譲渡を受けたもので、日立が開発から設計・製造・販売・保守までを一貫して対応できる体制を整えようとしています。日立は、富士重工業とこの国産風力発電機を開発する一方で、グループ会社がエネルコンの風力発電機を販売してきました。今後は、大型化する洋上風力発電機市場に、2MW機と5MW機を投入できる体制を整えつつあります。
 5MW実証機のスケジュールは、2013年度末までに建設を開始、2014年上期より実証運転開始が予定されています。また、この 5MW HTW5.0-126 の販売は、2015年度より計画されています。


プレスリリース / 日立製作所、2013年11月26日
5MWダウンウィンド洋上風力発電システムの実証機建設について

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-----image : 同リリースより

" 株式会社日立製作所(略)は、洋上風力発電システムの大型化ニーズに対応するため、2012年7月より開発に着手していた5MWダウンウィンド洋上風力発電システム「HTW5.0-126」について、茨城県神栖市沿岸の陸上に実証機を建設することを決定しました。2013年度末までに建設を開始し、2014年上期より実証運転開始を予定しています。今回実証機を建設する5MWダウンウィンド洋上風力発電システム「HTW5.0-126」は、ローターを風下側に配置する日立独自のダウンウィンド方式であり、基礎工事・浮体工事費用の低減*1やより高い安全性が期待できます。なお、「HTW5.0-126」の販売開始は、2015年度を計画しています。
..........
日立は、2012年7月に富士重工業株式会社から風力発電システム事業の譲渡を受け、開発から設計・製造・販売・保守までを一貫して対応できる体制を整え、事業拡大に注力してきました。これまで2MW風力発電システムHTW2.0-80を国内に多数納入しており、2012年には国内トップシェア*2となっています。また、将来の市場ニーズに対応するため、経済産業省や環境省が実施している浮体式洋上風力発電の実証事業へ参画しているほか、低風速域に対応した2MW風力発電システムの実証機の建設も開始しています。

今回実証機を建設する「HTW5.0-126」は、従来製品であるHTW2.0-80と比較して、定格出力が2.5倍の5MW、ローター直径が約1.5倍の126mとなる風力発電システムです。HTW2.0-80と同様に、ローターを風下側に配置する日立独自のダウンウィンド方式であり、暴風時にもローターが横風を受けない向きを保持し、風荷重を低減できるという特長があることに加え、新開発の永久磁石同期発電機と中速増速機を組み合わせることで、システム全体の軽量化、コンパクト化、信頼性の強化を図っています。これにより、着床式洋上風力発電や浮体式洋上風力発電における基礎工事や浮体工事費用の低減と安全性の高い風力発電システムの提供が期待できます。また、浮体式洋上風力においては、ダウンウィンド方式により、風を効率的に捉えることができるため、多くの発電量が期待できます。実証機では、出力や風荷重などの検証を行う予定です。

また、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「風車部品高度実用化開発」助成金の交付を受けて、洋上風力発電システムの更なる高度化を推進していきます。

日立は、今後も拡大が見込まれる風力発電システム市場で積極的に事業を展開するとともに、社会インフラを支える電力システムの提供を通じて、低炭素社会の実現に貢献していきます。
..........
HTW5.0-126実証機の主な仕様

型番 HTW5.0-126
定格出力 5MW(5,000kW)
ローター直径 126m
ハブ高さ 約90m
ブレード枚数 3枚
ローター位置 ダウンウィンド
ヨー制御 通常運転時 : アクティブ制御
暴風停電時 : フリーヨー
発電機種別 永久磁石同期発電機
カットイン風速 4m/s
カットアウト風速 25m/s
風速クラス IEC-Class S(年平均風速10m/s)

*1設置海域の水深、地盤の状況により、採用可能な工法は異なります。
*2出典 : 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「日本における風力発電設備・導入実績の一覧表」における2012年稼働開始実績(総出力ベース) の日立製作所/富士重工業の合計値
.......... "

関連
・日立製作所 : 風力発電システム - プロダクツ
/ HTW2.0-86 - ダウンウィンドロータ
Hitachi_downwind_roter
-----image : 上記サイトより

- 諸元

".....ロータ 直径 86m.....ロータ位置 ダウンウィンド.....発電機定格出力 2,000kW....."


/ HTW2.0-80 - 諸元

".....ロータ 直径 80m.....ロータ位置 ダウンウィンド.....発電機定格出力 2,000kW....."

/ 2000kW風力発電システム

・日立パワーソリューションズ : 風力発電システム(ENERCON社 OEM)

追加情報



参考
富士重工業の風力発電システム事業を日立に事業譲渡-----富士重工業、2012年3月30日

"..........
日立と富士重工業は、2003年に2,000kW級ダウンウィンド型風力発電システムを共同開発し、2005年12月に、茨城県神栖市波崎に試験機を設置して以降、国内の6箇所で累計25基の風力発電システムを納入しています。ダウンウィンド型風車は、ローターをタワーの風下に配置した風車で、丘陵や洋上において、効率的に風を受けて発電することができます。日立は発電機や電力制御部分の設計・製造、および風力システムの販売と据付を担当し、富士重工業は風車本体のナセル、ブレード、タワーの設計・製造を担当することで、これまで緊密に協業関係を構築し、事業展開してきました。

 今回、風力発電システムの市場拡大や、主流が現在の2,000kW級からさらに大型化することが予想される中で、日立は、富士重工業からの風力発電システム事業の譲渡により、両社のリソースを集約し、大型化に向けた設計・開発力を強化するとともに、製販一体化により、今後の市場ニーズに迅速に対応する「マーケットイン」の体制を強化します。今後、日立の電力制御技術や系統連系・安定化技術と、富士重工業のダウンウィンド型風車技術を融合し、製造・販売から保守サービス・系統連系・安定化を組み合わせたトータルソリューションの提供を推進していくことで、再生可能エネルギー市場におけるさらなる事業拡大を図ります。
 一方、富士重工業は、本事業譲渡により、自動車をはじめとした他事業への経営資源の集中を図ります。
.......... "

参考エントリー
長崎県五島沖に世界初の2MW Hybrid Spar型浮体式洋上風力発電機が登場!-----ソフトエネルギー、2013/11/06

".....姿を現した2MW機は、一番深いところから風車翼の先端までの全長が172m、三枚翼のダウンウィンド型風車の直径やおおよそ80mです。海面上に浮いて見える部分の高さは、96m。浮体の一番下部から海底までの距離は、おおよそ20mということです。この浮体式洋上風力発電機は、ハイブリットスパー Hybrid Spar型です。....."

福島県沖2MW浮体式洋上風力発電機、10月稼動に向けて準備が進んでいます-----ソフトエネルギー、2013/06/26

".....2MW浮体式洋上風力発電機.....ダウンウィンド型風力発電機と....."

京大、戸田建設ら、環境省の五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストを開始-----ソフトエネルギー、2012/06/14

".....ダウンウィンド..100kW....."

関西電力、2MW機6基構成の12MW淡路風力発電所の営業運転を開始-----ソフトエネルギー、2012/12/28

".....スバルブランドで納品される最後の風力発電機となりました。.....富士重工の2MW機のSUBARU 80/2.0....."

富士重工業と日立製作所、中部電力御前崎風力発電所で2MWのSUBARU80/2.0 11基を本格稼働-----ソフトエネルギー、2011/02/09

富士重工業と日立製作所、国内初の港湾外洋上風力発電施設「ウィンド・パワー・かみす風力発電所」で2MW風力発電機 SUBARU80/2.0、7基を稼働-----ソフトエネルギー、2010/07/22

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ファーストソーラーがやってくる! 北九州で2014年にCdTe薄膜採用、1.4MWpのメガソーラー建設へ

 ファーストソーラーの動きが早い。FITの買い取り価格の引き下げが予想される中で、早期の参入は必須だったから、当然といえば当然なのだが。

 ファーストソーラーは、北九州市で1.4MWpのお家芸のCdTe薄膜モジュール( CdTe thin-film PV modules )を利用したメガソーラーを2014年の春に建設すると発表しました。リリースによると、建設は大林組と安川電機が請け負って行われるということです。11月の住宅用などでの結晶系モジュールのサプライヤーとして、JX日鉱日石エネルギーと販売契約を締結し、今度は太陽光発電事業のデベロッパーとして、しかもCdTe カドミウムテルル 薄膜モジュールでの本格的な登場となりました。

ファーストソーラーがやってくる! JX日鉱日石エネルギーが販売する契約を締結-----ソフトエネルギー、2013/11/16

 ファーストソーラーは、欧米を中心に世界中で、太陽光発電事業を実施しています。最大規模の550MWpのカリフォルニアのTopaz Solar Farmは、2015年に運転を開始します。これほど巨大なプロジェクトがどのように建設されていくのか興味をもってながめてきました。()
 そして、今回国内で、どんなふうに建設されるのか、そしてアメリカでは早い段階でアナウンスされた、リサイクル体制がどんな形で整備され、どの段階でアナウンスされるのかなど興味のつきないプロジェクトです。

プレスリリース / First Solar,November 25, 2013
FIRST SOLAR STARTS CONSTRUCTION OF SOLAR POWER PLANT IN KITAKYUSHU-SHI, JAPAN

"First Solar, Inc. (Nasdaq: FSLR) today announced that it has started construction of a solar project in Kitakyushu-shi, Japan. Generation capacity of the project is 1.4MWDC, and it will start operating in Q1 2014. Using First Solar's advanced technology CdTe thin-film PV modules, the project will provide clean and safe solar power to Japan, mitigating idle nuclear and providing energy security.

"This project illustrates First Solar's capability to develop and build solar power plants in Japan," said Joseph Kishkill, First Solar's Chief Commercial Officer. "We are honored to begin our long-term strategic investment in Japan with the Kitakyushu-shi project."

Over 100 million First Solar modules — which integrate advanced Japanese technology — have been installed throughout the world. Nippon Sheet Glass Co., Ltd. (NSG Group), headquartered in Tokyo and one of the world's leading manufacturers of glass, supplies the advanced technology glass with a proprietary electrical film tuned to First Solar's CdTe thin-film modules.

First Solar holds 100 percent equity in the project. Obayashi Corporation, headquartered in Tokyo and Yaskawa Electric Corporation, headquartered in Kitakyushu — both major global construction contractors — will construct the project.
.......... "

関連
1億枚の実績がある「カドテル」を投入、ファーストソーラーが国内初の大規模太陽光-----スマートジャパン、 2013年11月26日

".....製造コストが低いことだ。発電層は20分の1mm以下の薄膜。少量の原料を使って短い時間で製品に仕上げることができる。2012年第3四半期時点の製造コストは0.67米ドル/Wを下回っている。....."

・First Solar : Projects

追加情報
First Solarプレスリリース / Mar 17, 2014 ファーストソーラー、北九州市で 1.3MWDCの太陽光発電所の建設工事を完了

" ファーストソーラー(Nasdaq:FSLR)は本日、北九州市において建設を行っていた 1.3MW DC の大規模太陽
光発電所(メガソーラー)の建設工事を完了したと発表しました。ファーストソーラーの FS Series 3 Black PV
モジュールを採用した同発電所は、年間約 1,400 MWh のクリーンで安全な太陽光電力を生み出します。発電
した電力は九州電力に買い取られる予定です。
.......... "

北九州のガラス工場内に1.3MWのメガソーラー、米ファーストソーラー社が建設を完了-----TechOn!,2014/03/17

".....設置した太陽光パネルは、化合物系の一つであるカドミウムテルル(CdTe)型である。.....日本板硝子の子会社である、西日本板硝子センターの建設用ガラスの加工工場内の地上と屋根に設置....."

参考動画
First Solar Overview

(firstsolar,2013/06/03)

Topaz Solar Farm - Economic Benefits to SLO County, California

(firstsolar,2011/02/11)


参考エントリー
2012年の太陽光発電のNo.1 EPC(設計·調達·建設)業者は、ファーストソーラー - IMS Research-----ソフトエネルギー、2013/03/29

ファーストソーラー First Solar、カリフォルニアで 550MWpの大規模太陽光発電所 Topaz Solar Farmの建設中-----ソフトエネルギー、2012/05/10

ファーストソーラー First Solar のリサイクルシステムと同社のCdTe太陽電池の展開。2009年度1GWp越えNo.1の実績-----ソフトエネルギー、2010/06/08

参考
東京大学大学院 マテリアル専攻 : 松野研究室 マテリアル・サステナビリティ研究室 / 2012.11.28
 「カドミウム・テルル(CdTe)太陽光発電システムのライフサイクルにおける環境と健康安全に関する科学的レビュー」の報告書を公開しました。

[ 文献 2012年5月 カドミウム・テルル(CdTe)太陽光発電システムのライフサイクルにおける 環境と健康安全に関する科学的レビュー 東京大学 准教授 松野泰也 横浜国立大学 教授 本藤祐樹 ]

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GSユアサの、九電の壱岐の風力発電等の系統連系量拡大実証試験に参加、1,600kWhリチウムイオン蓄電池。稼動中!

 GSユアサから、九州電力の壱岐における風力発電等の系統連系量拡大実証試験に参加の容量1,600kWh(出力4,000kW)のリチウムイオン蓄電池が元気に稼動中との発表がありました。
 この九電の実証試験は、壱岐の芦辺変電所構内に大容量蓄電池を設置し、風力発電(と太陽光発電?)の大きな出力変動による、系統周波数の変動増大に対応し、離島という閉ざされた系統の中で再生可能エネルギーを導入し、かつ電力の安定供給を実現するために行われているもので、平成24年度から平成26年度まで実施されます。
 具体的には、系統周波数変動を蓄電池により抑制する最適制御手法、蓄電池の最適な容量に関する検討
、実系統での制御結果の検証などが行われています。九州電力発表の200kWhの、リチウムイオン蓄電池ユニットの大きさは、横幅4.8m×奥行0.85m×高さ4mです。このユニットが8ユニットで1600kWhとなっています。
 利用されている、モジュールは、GSユアサの産業用リチウムイオン蓄電池は12セルとのことです。公開されている、LIM50E-12Gで、1モジュールの大きさは、617mm×220mm×135mm(26kg)で、容量は2109Wh(44.4V,47.5Ah)となっています。壱岐に採用されているものの型番は、LIM50E-12G2-C2です。それほど、公開のものとスペックは変わっていないと思います。この1モジュールが、1枚あたり約2kWhですから、全体で800モジュール導入されている計算になります。

 さて、肝心の風力と太陽光ですが、今回のリリースなどには、細かいデーターは発表されていません。大段セクターの壱岐クリーンエネルギーの運用している風力発電機は、芦辺町箱崎諸津地区に750kW機が2基、関連ホームページには、”(2台で)年間予想発電量 4,181,000kWh”と記載されていました。太陽光発電のデーターは見つからず、探しています。
 ディーセル発電は、芦辺に16,500kWと、新壱岐に24,000kWの火力発電所があります。(*

 離島という閉ざされてた電力線網での、再エネと蓄電池のバランスということで、興味のある実証実験です。電源構成をもう少し詳しく調べてみたいと思っています。

プレスリリース / GSユアサ、2013/11/14
ニュースリリース / GSユアサのリチウムイオン電池システムを採用した実証試験設備が順調に稼働中
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-----image : 上記リリースより

関連
壱岐における風力発電等の系統連系量拡大実証試験の開始について-----九州電力、平成25年3月18日

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-----image : 同リリースより

" ..........国の補助事業※1の採択を受け、風力発電等の系統連系量拡大を図るため、長崎県壱岐市で蓄電池等実証試験設備の設置工事を進めてまいりました※2が、本日社内検査を終了し、実証試験を開始しましたのでお知らせします。
 今後、平成26年度までの2年間、系統周波数変動を蓄電池により抑制する最適制御手法の検討等の実証試験を実施します。

1 工事概要
(1)設置設備 リチウムイオン電池(出力4,000kW、容量1,600kWh)
(2)実施場所 当社芦辺変電所構内(長崎県壱岐市)

2 実証試験の概要
 離島では、系統規模が九州本土と比べて小さいため、出力変動が大きい風力・太陽光が連系されると、系統周波数変動が大きくなり、系統の安定性に影響を与えやすくなるという特徴があります。
 当社は、離島においても、風力・太陽光の導入拡大を図りつつ、電力の安定供給を維持するため、離島の系統へ蓄電池を設置し、風力等による周波数変動を抑制する実証試験を実施するものです。

(1) 実証試験の期間
・平成24年度~平成26年度まで

(2) 主な試験内容
・系統周波数変動を蓄電池により抑制する最適制御手法の検討
・蓄電池の最適な容量に関する検討
・実系統での制御結果の検証 など

※1 平成24年度 風力系統連系量拡大実証事業
※2 平成24年10月19日「離島における風力発電等の系統連系量拡大実証事業の実施について」お知らせ済
.......... "

関連
平成24年度「風力系統連系量拡大実証事業補助金」に係る補助事業者の公募結果について-----資源エネルギー庁、平成24年10月19日(平成24年9月27日 公募要項)

"平成24年度「風力系統連系量拡大実証事業補助金」について、平成24年9月27日(木)から10月17日(水)の期間で公募を行ったところ、1件の応募がありました。

 応募内容について、厳正なる審査を行った結果、下記の応募者を採択事業者として決定しましたので、お知らせいたします。



【採択事業者】
九州電力株式会社
.......... "

・GSユアサ : 産業用リチウムイオン蓄電池 LIM50E

壱岐芦辺風力発電所


参考エントリー
経済産業省、10離島で太陽光発電のための次世代送配電ネットワーク、マイクログリッドの実証事業を開始-----ソフトエネルギー、2009/07/06

".....黒島、竹島、中之島、諏訪之瀬島、宝島、小宝島(鹿児島県、以上九州電力)と宮古島、多良間島、北大東島、与那国島(沖縄県、以上沖縄電力)....."

続きを読む "GSユアサの、九電の壱岐の風力発電等の系統連系量拡大実証試験に参加、1,600kWhリチウムイオン蓄電池。稼動中!"

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タクマ、滋賀県、三重県、そして島根県でバイオマス発電設備を受注

 廃棄物処理プラントやボイラなどの設備関連の事業を行っている兵庫県のタクマは、滋賀県米原市で3,550kW、三重県松阪市で5,800kW、そして島根県松江市で6,250kWのバイオガス発電設備を3件受注したと発表しました。
 滋賀県米原市の3,550kWのいぶきグリーンエナジー社向けバイオマス発電は、主な燃料として、リサイクル木材を利用し、平成26年12月に完成予定です。
 三重県松阪市の5,800kWの三重エネウッド社向けバイオマス発電は、主な燃料として、山林に放置されている未利用材を燃料とし、平成26年11月に完成予定です。
 そして島根県松江市の6,250kWの松江バイオマス発電社向けバイオマス発電は、同じく山林に放置されている未利用材を燃料とし、平成27年3月に完成予定です。

 いずれも、日本のバイオマス発電における適正規模ともいわれる、5MW、つまり5,000kW前後です。バイオマス発電の持続可能性が問われる場面では、ちょうどいい大きさといえるかもしれません。
 この規模の普及にも大きな期待をもっています。日本の森林資源の発電事業における成功例となることを!
 

プレスリリース / タクマ、平成25年11月5日
バイオマス発電設備(3件)の受注について

" 株式会社タクマ(略)は、いぶきグリーンエナジー株式会社(略)、三重エネウッド株式会社(略)、松江バイオマス発電株式会社(略)から、相次いでバイオマス発電設備を受注いたしました。

 バイオマス燃料を活用した発電設備や蒸気供給設備の需要は、製材会社や製紙会社を中心に以前からありましたが、再生可能エネルギーの活用によるCO2削減や地産地消型のエネルギー事業を推進する気運の高まりに加え、昨年7月の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の開始により、安定的に売電収入を見込めるようになったことを理由に異業種分野からの参入も増加し、バイオマス資源を燃料とした発電事業の取組みがますます活発化しております。

 このような市場環境の中、1950年代から木質チップやバガス(さとうきびの搾りかす)等を燃料としたボイラプラントを国内外に合わせて580缶以上納入してきた実績とそれに裏付けられた技術・ノウハウがお客様に評価され、昨年7月の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が開始されて以降、同制度の適用を受けるバイオマス発電設備の当社受注件数は11件となり、この11件の発電出力合計は9万kWを超える規模となっております。

 バイオマス資源を活用した発電事業は今後も増加することが見込まれ、当社はこれまで培ってきた技術とノウハウをもとに多種多様なバイオマスの特性に応じた最適システムを提案し、顧客ニーズに応えてまいります。

【受注の概要】
1.いぶきグリーンエナジー株式会社向け
 会社概要 :木材加工と木材リサイクルを手掛けるヤマムログループの発電事業会社
 設置場所 :滋賀県米原市
 発電規模 :3,550kW
 主な燃料 :リサイクル木材
 完成予定 :平成26年12月

2.三重エネウッド株式会社向け
 会社概要 :三重県初の木質バイオマス発電事業を推進する目的で、県内の林業関係者等により設立された「三重エネウッド協同組合」を母体として設立された木質バイオマス発電事業会社
 設置場所 :三重県松阪市
 発電規模 :5,800kW
 主な燃料 :山林に放置されている未利用材
 完成予定 :平成26年11月

3.松江バイオマス発電株式会社向け
 会社概要 :ナカバヤシ株式会社、日本紙パルプ商事株式会社、三光株式会社の3社共同で設立された木質バイオマス発電事業会社
 設置場所 :島根県松江市
 発電規模 :6,250kW
 主な燃料 :山林に放置されている未利用材
 完成予定 :平成27年3月
.......... "

関連
・タクマ : バイオマス関連商品 / バイオマス発電


参考
[ カテゴリー : 木質、森林/バイオマス ]

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三井物産とSBエナジー、熊本県荒尾市に約22.4MWと福岡県大牟田市に約19.6MWのメガソーラーを建設。稼動は、2014年度末

 三井物産とSBエナジーは、熊本県荒尾市に約22.4MWの熊本荒尾ソーラーパークと福岡県大牟田市に約19.6MWの大牟田三池港ソーラーパークを建設します。
 この二つのメガソーラー発電所は、数キロしか離れていません。両者とも有明海に面し、三池炭鉱が盛んだった時の港湾施設跡地に建設されます。用地は日本コークス工業からの賃借となり、稼動予定は2014年度末とのことです。Googleマップでみてみると、まだ一度も訪れたことのない有明海での位置関係がよくわかりました。

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-----image : Googleマップで、現地を表示。

 それぞれ20MWp前後の大規模太陽光発電所です。最近稼動した、京セラとIHIによる、鹿児島七ツ島メガソーラー発電所の70MWpにはおよびませんが、合計40MWpで、一般家庭1万2千軒分弱の発電量が予想される、巨大発電所となります。いずれも海浜部に建設される太陽光所というところで、架台やフレームの腐食など、発電が期待される20年間の経年変化などが気になるところです。


プレスリリース / 三井物産、SBエナジー、2013年11月19日
熊本県荒尾市と福岡県大牟田市でのメガソーラー発電所の建設について

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-----image(”完成予想図”) : 同リリースより

" 三井物産株式会社(略)とソフトバンクグループで自然エネルギー事業などを行うSBエナジー株式会社(略)は、熊本県荒尾市において大規模太陽光発電所(メガソーラー)「ソフトバンク熊本荒尾ソーラーパーク」を、福岡県大牟田市において「ソフトバンク大牟田三池港ソーラーパーク」を設置し、共同で発電事業を推進することを合意しました。両発電所ともに2014年1月からの着工を予定しており、2014年度末ごろの運転開始を目指します。
 「ソフトバンク熊本荒尾ソーラーパーク」は、日本コークス工業株式会社(略)が所有する熊本県荒尾市大島の約27.8万m2(約27.8ha)の土地に設置される、最大出力規模が約2万2,400kW(約22.4MW)、年間予想発電量が約2,189万6,000kWh/年(一般家庭約6,000世帯分の年間電力消費量に相当する規模)のメガソーラー発電所で、三井物産とSBエナジーが共同で設立する「熊本荒尾ソーラーパーク株式会社」が運営を行います。
 「ソフトバンク大牟田三池港ソーラーパーク」は、日本コークス工業株式会社が所有する福岡県大牟田市四山町の約22万m2(約22ha)の土地に設置される、最大出力規模が約1万9,600kW(約19.6MW)、年間予想発電量が約2,005万kWh/年(一般家庭約5,570世帯分の年間電力消費量に相当する規模)のメガソーラー発電所で、三井物産とSBエナジーが共同で設立する「大牟田三池港ソーラーパーク株式会社」が運営を行います。
三井物産、およびSBエナジーの各社は、今後も自然エネルギーの普及・拡大を目指し、メガソーラーをはじめとする自然エネルギー発電所の建設と運営を推進します。

ソフトバンク熊本荒尾ソーラーパークの概要

所在地 熊本県荒尾市大島
敷地面積 約27.8万m2(約27.8ha)
出力規模(太陽電池容量) 約2万2,400kW(約22.4MW)
年間予想発電量(初年度) 約2,189万6,000Wh/年
一般家庭約6,000世帯分の年間電力消費量に相当
※1世帯当たり3,600kWh/年で算出
運転開始 2014年度末(予定)
.........
ソフトバンク大牟田三池港ソーラーパークの概要

所在地 福岡県大牟田市四山町
敷地面積 約22万m2(約22ha)
出力規模(太陽電池容量) 約1万9,600kW(約19.6MW)
年間予想発電量(初年度) 約2,005万kWh/年
一般家庭約5,570世帯分の年間電力消費量に相当
※1世帯当たり3,600kWh/年で算出
運転開始 2014年度末(予定)
..........  "

関連
熊本県荒尾市と福岡県大牟田市でのメガソーラー発電所の建設について-----SBエナジー、2013年11月19日


参考エントリー
国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

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東芝とオリックス、岐阜県奥飛騨温泉郷中尾地区で2MWのコンパクトユニット導入の地熱発電事業を計画

東芝とオリックスは、岐阜県奥飛騨温泉郷中尾地区で2MWのコンパクト地熱発電事業を計画し、そのための地熱発電事業会社「中尾地熱発電」を共同で設立しました。東芝が55%、オリックスが45%出資、蒸気量が豊富で高温であり、地熱発電に適していると評価されている、中尾地区の源泉を利用し、2015年の発電開始を目標に発電出力2,000kW(2MW)規模の地熱発電所の建設を進めたいとのことです。
 今後、中尾地区内で源泉の調査や噴気試験、周辺環境の調査を通して事業性の検証を行います。

 興味深いのは、東芝の” Geoportable ジオポータブル”(TM )と名づけられた、このコンパクトな地熱発電用のシステムです。1~2MW対応で、狭い敷地面積に設置でき、地熱井戸1、2本単位で未利用の地熱エネルギーの有効活用に寄与すると同社のサイトに記載されていました。幅2.4m、全長11mのユニットで、このスペースに蒸気タービン、ギア、発電機がパッケージ化されているようです。調べた限りでは、いまだ導入例はないようですので、実現すれば、岐阜県奥飛騨温泉郷中尾地区が初の(?) Geoportable ジオポータブル(TM )導入案件となります。
 

プレスリリース / 東芝、オリックス、2013年11月19日
岐阜県奥飛騨温泉郷中尾地区での地熱発電事業の推進について

Geoportable
-----image(”地熱発電設備「GeoportableTM」”) : 同リリースより

"株式会社東芝(略)とオリックス株式会社(略)は、地熱発電事業会社を共同で本日設立し、新会社を通じて岐阜県奥飛騨温泉郷中尾地区において地熱発電事業を推進します。

新会社の名称は「中尾地熱発電株式会社」(以下、「中尾地熱発電」)で、東芝が55%、オリックスが45%を出資します。中尾地区の源泉は蒸気量が豊富で高温であり、地熱発電に適していると評価されています。中尾地熱発電は今後、中尾地区内で源泉の調査や噴気試験、周辺環境の調査を通して事業性を検証します。事業性が実証された場合、2015年の発電開始を目標に発電出力2,000kW(2MW)規模の地熱発電所の建設を進める計画です。今後、有限会社中尾温泉と協力し、温泉地域と共生した地熱エネルギーの活用を目指して事業を推進します。

設置予定の地熱発電設備は、出力1,000~2,000kW(1~2MW)のコンパクトな東芝製発電設備「GeoportableTM(ジオポータブル)」で、据付工期が短いことなどが特長です。

東芝は、グローバルで地熱発電設備の約半世紀にわたる納入実績があり、世界トップシェア注を確立しています。今回、地熱発電事業に参入することで、再生可能エネルギーの普及に貢献するとともに、水力、太陽光、風力発電システムなど再生可能エネルギー事業の拡大を図っていきます。

オリックスは、太陽光発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーを活用した発電事業を積極的に推進しています。また、温泉旅館の再生事業としてグループで運営している「杉乃井ホテル」(大分県別府市)では、自家用では国内最大規模となる最大出力1,900kW(1.9MW)の地熱発電所を保有・運営しています。オリックスは、発電事業と温泉旅館の運営ノウハウを生かして地熱発電事業に参入し、全国複数ヵ所で事業化を目指すとともに地域の発展に貢献してまいります。


発電設備容量ベース(東芝調べ)

「中尾地熱発電」概要
社名:中尾地熱発電株式会社
設立:2013年11月19日
資本金:1億9,800万円
出資比率:東芝 55% オリックス 45%
所在地:岐阜県高山市
代表者:略
事業内容:地熱発電による電気供給業
......... "

関連
岐阜県奥飛騨温泉郷中尾地区での地熱発電事業の推進について-----オリックス、2013年11月19日

・東芝 : エネルギー技術による地球温暖化防止: 環境活動(リンク切れ、URL削除)
Earthe_img_07
-----image(”小型地熱発電設備”) : 上記より

"地熱発電
「小型地熱発電設備」のイメージ

小型地熱発電設備
 東芝では、全世界の地熱発電容量の23%相当の設備を納入しています。地熱源温度特性に応じて、フラッシュ方式、バイナリー方式、またこれらを組み合わせたフラッシュ・バイナリー方式の中から、最適な地熱発電システムを提供します。また、新たに、2MW級小型地熱発電設備Geoportable™の普及も進めています。狭い敷地面積に設置でき、地熱井戸1、2本単位で未利用の地熱エネルギーの有効活用に寄与することができます。"

Toshiba_geoportable
-----image : 東芝 : 当社グループの経営方針 2013年6月25日より [ www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/stock/pdf/
tsm174_assign.pdf ]

・東芝 : 再生可能エネルギー

"地熱発電
「小型地熱タービン発電機」のイメージ
小型地熱タービン発電機
東芝では、全世界の地熱発電容量の23%相当の設備を納入しています。地熱源温度特性に応じて、フラッシュ方式、バイナリー方式、またこれらを組み合わせたフラッシュ・バイナリー方式の中から、最適な地熱発電システムを提供します。また、新たに、2MW級小型地熱発電設備Geoportable™の普及も進めています。狭い敷地面積に設置でき、地熱井戸1、2本単位で未利用の地熱エネルギーの有効活用に寄与することができます。現在、ケニア、インドネシア、トルコに大容量地熱発電所を建設中です。"

追加情報
オリックス、北海道函館市と青森県風間浦村で2MW級の地熱発電の事業化調査を開始-----ソフトエネルギー、2014/07/23

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NEDO。壁面、農地、水上! 太陽光発電の新たな未利用用地開拓に動く

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、壁面、農地、水上! 太陽光発電の新たな未利用用地開拓への取り組みを選定し、未導入分野における太陽光発電システムの実証プロジェクトとして助成を行う12の案件を発表しました。

 12の案件をざっとひろってみると、

1.カネカ : 壁面太陽光発電

-----周辺住宅への太陽光反射を抑制したビルにおける、低反射防眩型太陽電池モジュール。同社は、以前住宅用では、低反射瓦一体型太陽電池モジュールというのを開発しています。特殊な取り付け方が問題となった話とは聞いていますが、反射による光害が訴訟にまで発展した例があります。低反射防眩性、住宅やビルが密集しているわが国では大事なポイントかもしれませんね。

2.ダイキン工業 : 農地での低コスト太陽光追尾システム

-----太陽光発電の新たな未利用な土地活用の分野としての農地の潜在力はいかほどのものなのでしょうか? 確かに日当たりのいい土地で作物の生育を阻害しないならば、太陽光発電からの収益は魅力的です。
 農地やビニールハウスなどで、空気圧駆動式太陽光追尾装置により、発電量が低コストで実現できるのであれば、別に農地だけでなく、一般にも魅力的な製品のような気もします。追尾システムの具体的な情報は、みつかっていません。強風を自動で受け流す機能を付加するとのこと。興味あります。

 以下、特に追加の情報がみつからなければ、そのことに触れません。

3.オルテナジー/旭硝子 : 畜舎向け軽量発電システム

-----強度の弱い畜舎(屋根)向けに開発した、耐アンモニアガスを有する軽量部材による屋根面を加工なしで取付可能な架台と、軽量太陽電池モジュールとのこと。

 
4.太陽電池屋根設置型ビニールハウス植物工場 : ユニバーサリー電工
-----ビニールの撤去・被覆作業時に太陽電池の移設が必要ない、また風雨にも強く発電効率のよいシステム。さらに、内湿度制御装置の開発。
 同社は、熊本県のさまざまなビニールハウス用のシステムを開発している会社なんですね。これも表記の内容を詳しく知りたいです。

5.農地での簡易的太陽追尾型太陽光発電システム : 伊藤電工

-----営農型発電における、発電量向上と低コスト化を兼ね備えた太陽2軸追尾方式のシステムを開発し、実証試験。
 長野の会社。NEDO 平成25年度「太陽光発電 多用途化実証プロジェクト」の研究開発企業として採択されました、と唯一リリースを発表していました。

6.傾斜地用太陽光発電システム : NTTファシリティーズ、アドテック富士

-----多様な形状を有する傾斜地に対し、重機を使わず軽作業で可能な基礎架台技術や、太陽電池の自動取り付けを可能とする自動施工装置といった施工技術を開発。

7.傾斜地における太陽光発電設置のための小径鋼管杭工法 : 奥地建産

-----多様な形状を有する傾斜地に対し、架台をユニット化し、半完成品状態で工場出荷、現場にて取付施工する低コスト化を目的とする施工技術の開発。小径鋼管杭工法とは、欧州のメガソーラーなどににられる、杭打ち工法と類似のものなのでしょうか。大阪本社の奥地建産。

8.水上(淡水)用の浮体モジュールの開発 : コアテック

-----耐候性の高い浮体一体型太陽電池モジュール化技術、運搬・設置・撤去等のメンテナンス性を考慮した構造設計技術等を開発。

9.海上・離島沿岸部太陽光発電システム : シリコンプラス

-----水上(海水)用の耐塩水に優れた太陽電池モジュール技術、及び電力安定化のためのシステム設計技術などの開発。

10.鉄道線路内太陽光発電 : フルーク

-----鉄道線路内に太陽電池パネルを配置した発電システムの可能性。どの”フルーク”社? 詳細不明ながら、鉄道線路内って、鉄道関連施設内ではなく、文字通り鉄路内側なんでしょうか?

11.河川敷の耐洪水対策の特種架台 : Aースタイル

-----河川敷。湿地特有の足場の悪い場所での施工技術、耐洪水対策の特種架台。確かに、氾濫原にまで太陽電池を配置できるような施工方法があれば、、、。いやー、洪水時の漂流物や、防災上の問題などを考えると無理筋かなぁ。

12.集合住宅のベランダにおける太陽光発電 : みんな電力

-----コミュニティ型ベランダソーラー。建物のベランダに太陽電池を配置し、まとめて連系というプランでしょうか?


 壁面、水面、海面、農地、農業用ハウス、傾斜地、鉄道、河川敷、ベランダなど、さまざまなところに太陽光発電。今後買い取り価格の引き下げが実施されますが、100kW以下の価格は維持し、未利用の土地や未活用分野の開拓により、全体でどれだけの利用が可能なのか? 総合的な分析の数字がほしいところです。有望ならば、特待扱いというのも検討することも考慮すべきかもしれません。


プレスリリース / NEDO、2013年11月18日
未導入分野における太陽光発電システムの実証プロジェクトを開始

100542331
-----image : 同リリースより

" 新たな導入場所、用途の開拓で市場拡大へ

 NEDOは、太陽光発電の更なる導入を実現するために、導入先となる設置場所及び用途を拡大していくことを目的とした「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」を開始。この度、実証事業を行う共同研究先として14法人(12件)を採択しました。
 このプロジェクトでは、導入ポテンシャルが大きいことが判明しているにもかかわらず導入が進んでいない分野(建物の壁面、農地やビニールハウス、傾斜地、ため池や湖畔などの水上など)に対して、導入を阻害する要因を解消するため、新たな太陽電池モジュールや施工技術、低コスト化・発電量向上化技術の開発、実証を行います。
..........
1. 背景

NEDOは、これまで太陽光発電の普及拡大に向けて、発電コスト低減を目的に高効率な太陽電池セルの開発や、太陽電池モジュールの低コスト化の事業を行っております。現在、住宅の屋根面やメガソーラーといった領域では普及段階に入っておりますが、今後、更なる導入を実現する上では、太陽電池セル・モジュールの高性能化・低コスト化だけではなく、導入先となる新たな設置場所及び用途を拡大していくことが重要となります。

2. 実証事業の概要

本事業では、導入ポテンシャルが大きいものの導入が進んでいない分野(建物の壁面、農地、ビニールハウス等の農業関係建物、傾斜地、ため池や湖畔等の水上、等)について、導入を阻害している要因を解消するため、新たな太陽電池モジュール、施工技術の開発、低コスト化・発電量向上化技術の開発と実証を行います。

研究期間:2013年度~2015年度
総事業費:約22.5億円(NEDOの負担率は2/3)

3. 採択した共同研究先

〔1〕 「低反射環境配慮型壁面太陽光発電システムの開発」 (株式会社カネカ)
【内容】導入分野はビルの壁面。問題となる周辺住宅への太陽光反射を抑制した低反射防眩型太陽電池モジュールと設置技術を開発し、実証試験を行う。
〔2〕 「低コスト太陽光追尾システムの農地での有効性実証」 (ダイキン工業株式会社)
【内容】導入分野は農地やビニールハウス等。空気圧駆動式太陽光追尾装置による発電量向上化を低コストで実現する。また、空気圧アクチュエータのダンパー機構により、強風を自動で受け流す機能を付加する。これらの開発、実証試験を行う。
〔3〕 「強度の弱い畜舎向け軽量発電システム開発」 (株式会社オルテナジー/旭硝子株式会社)
【内容】導入分野は畜舎(屋根)。耐アンモニアガスを有する軽量部材による屋根面を加工なしで取付可能な架台と、軽量太陽電池モジュールの開発を行い、畜舎屋根設置の実証試験を行う。
〔4〕 「太陽電池屋根設置型ビニールハウス植物工場化プロジェクト」 (ユニバーサリー電工株式会社)
【内容】導入分野はビニールハウス。ビニールの撤去・被覆作業時に太陽電池の移設が必要なく、風雨にも強く発電効率のよい太陽電池の設置方法を開発し、実証試験を行う。
また、付加機能としてビニールハウス内湿度制御装置の開発を行う。
〔5〕 「簡易的太陽追尾型太陽光発電システムの営農型発電設備※1への応用開発」 (伊藤電工株式会社)
【内容】導入分野は農地。営農型発電設備において、発電量向上と低コスト化を兼ね備えた太陽2軸追尾方式のシステムを開発し、実証試験を行う。
〔6〕 「傾斜地用太陽光発電システムの実証」 (株式会社NTTファシリティーズ/株式会社アドテック富士)
【内容】導入分野は傾斜地。多様な形状を有する傾斜地に対し、重機を使わず軽作業で可能な基礎架台技術や、太陽電池の自動取り付けを可能とする自動施工装置といった施工技術を開発し、実証試験を行う。
〔7〕 「傾斜地における太陽光発電設置のための小径鋼管杭工法の開発・実証」 (奥地建産株式会社)
【内容】導入分野は傾斜地。多様な形状を有する傾斜地に対し、架台をユニット化し、半完成品状態で工場出荷、現場にて取付施工する低コスト化を目的とする施工技術を開発し、実証試験を行う。
〔8〕 「未利用水面を活用した浮体モジュールの開発及び導入実証」 (コアテック株式会社)
【内容】導入分野は水上(淡水)。耐候性の高い浮体一体型太陽電池モジュール化技術、運搬・設置・撤去等のメンテナンス性を考慮した構造設計技術等を開発し、実証試験を行う。
〔9〕 「海上・離島沿岸部太陽光発電プロジェクト」 (株式会社シリコンプラス)
【内容】導入分野は水上(海水)。耐塩水に優れた太陽電池モジュール技術、及び電力安定化のためのシステム設計技術等を開発し、実証試験を行う。
〔10〕 「鉄道線路内太陽光発電」 (株式会社フルーク)
【内容】導入分野は鉄道路線。鉄道線路内に太陽電池パネルを配置した発電システムの検討。導入先としての可能性を調査する。
〔11〕 「耐洪水対策の特種架台の設計及び施工方法の検討」 (株式会社Aースタイル)
【内容】導入分野は河川敷。湿地特有の足場の悪い場所での施工技術の検討、課題抽出などを行い、導入先としての可能性を調査する。
〔12〕 「コミュニティ型ベランダソーラーの研究開発」 (みんな電力株式会社)
【内容】導入分野は集合住宅のベランダ。集合住宅ユーザー開拓を目的としたベランダ設置を想定し、発電した電力の利用形態や系統連系時の課題等を調査し、ベランダ設置型システムの仕様を検討する。
.......... "

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ファーストソーラーがやってくる! JX日鉱日石エネルギーが販売する契約を締結

 世界第二位の太陽電池サプライヤーであるアメリカのファーストソーラーがいよいよ日本上陸です。本来ファーストソーラーは、薄膜系太陽電池であるテルル化カドミウム (CdTe) で名を成した太陽電池メーカーですが、最近は結晶系も含んだ太陽電池サプライヤーとして、世界第二位の地位をまもっています。今回の日本上陸も、薄膜ではなく結晶系の太陽電池での日本上陸となるようです。

2012 太陽電池メーカーシェア / 自然エネルギーの世界-----自然エネルギーの記事を参考にご覧ください。

 日本での販売は、 JX日鉱日石エネルギーが行い、同社のマンション向け戸別太陽光発電システムを含む住宅向けのシステム販売や、公共・産業用システムの提供などで展開するとのことです。これに先立ち、知らない間にファーストソーラーの日本語のサイトがアップされていました。まだ、具体的な太陽電池モジュールなどの情報のアナウンスはありません。
 気になるのは、日経などの報道で、JX日鉱日石エネルギーとの話とは別に、100億円を投資して複数のメガソーラーを建設し、完成後に投資家に譲渡する、デベロッパービジネス。これに、CdTe薄膜が投入されるという話が流れています。具体的な文言をネットでは確認できていませんが、コストで決定的なアドバンテージをもつCdTe薄膜が日本に投入されるのか? 投入されるとすればそれはいつか? 気になります。


プレスリリース / JX日鉱日石エネルギー、2013年11月15日
ファーストソーラー社との売買契約の締結について

"  当社(社長:一色 誠一)と米国太陽光発電メーカー・ファーストソーラー社(CEO:ジム・ヒューズ 以下:FS社)は、FS社が新たに製造する太陽電池モジュールの日本市場での販売事業に関する売買契約を締結しましたので、お知らせいたします。

 FS社は、薄膜太陽電池モジュールの製造・販売、並びに太陽光発電事業を全世界で展開しており、包括的な太陽光発電ソリューションを提供する世界有数のプロバイダーです。
 今般、FS社が独自の技術を活用し、高効率な結晶シリコン系モジュールを量産化する目途が立ったことから、当社は同社と売買契約を締結し、日本国内における独占販売権を取得いたしました。

 当社は、今後とも太陽光発電の販売・発電事業を新エネルギー事業の重点分野と位置付け、当社独自のマンション向け戸別太陽光発電システムを含む住宅向けのシステム販売や、公共・産業用システムの提供などに積極的に取り組んでまいります。


1.売買契約の内容
(1)締結日 : 2013年10月18日
(2)契約期間 :  2015年4月まで(2015年5月以降については、両社で継続協議中)
(3)仕入商品 : 高効率結晶シリコン系太陽電池モジュール
(4)独占販売権の範囲  : 日本国内

2.ファーストソーラー社の概要
(1)社名 : First Solar, Inc.(米国NASDAQ市場上場)
(2)設立年 : 1999年
(3)本社所在地 : 米国アリゾナ州テンピ
(4)代表者 : ジム・ヒューズ(Jim Hughes) CEO
(5)事業内容 : 太陽電池モジュールの製造・販売、太陽光発電事業(北米・欧州・オーストラリア・インド)
.......... "

関連
ファーストソーラー / November 15, 2013
 FIRST SOLAR AND JX NIPPON PARTNER TO DELIVER NEXT GENERATION SOLAR POWER IN JAPAN

米ファーストソーラー、太陽光発電所で日本参入 年内にも-----日本経済新聞、2013/11/15

".....ファーストソーラーはこれとは別に日本で100億円を投資して複数の大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設し、完成後に投資家に譲渡する。売却で得た資金を再投資して、メガソーラーの建設を続ける。....."

追加情報
ファーストソーラーがやってくる! 北九州で2014年にCdTe薄膜採用、1.4MWpのメガソーラー建設へ-----ソフトエネルギー、2013/11/26


参考
米ファーストソーラー、太陽光電力を米4都市に供給-----日本経済新聞、2013/11/16

ファースト・ソーラー、テトラサン買収で太陽光発電新規事業展開へ。JX日鉱日石エネルギーとの提携も、、-----ソフトエネルギー、2013/04/11


ファーストソーラー First Solar のリサイクルシステムと同社のCdTe太陽電池の展開。2009年度1GWp越えNo.1の実績-----ソフトエネルギー、2010/06/08

続きを読む "ファーストソーラーがやってくる! JX日鉱日石エネルギーが販売する契約を締結"

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太陽光発電システム鑑定協会、来年1月より使用済み太陽電池の回収・再資源化サービスを開始

 太陽光発電システムのメンテナンス支援などを実施している、太陽光発電システム鑑定協会は、来年1月より使用済み太陽電池の回収・再資源化サービスを開始すると発表しました。
 同団体では、使用済みの太陽光パネルの廃棄についての問題点として、5点の課題あげ、

(1)太陽光パネルは鉛などの有害物質が含まれている場合もあること
(2)個々の太陽光パネルについて鉛など有害物質の含有情報の一元管理がされていないこと
(3)全国で統一した廃棄ルールがなく一部地域では一般廃棄物として粉砕・埋立処理されていること
(4)太陽光パネルからはアルミニウム、ガラスや銀などの有価物の回収が可能であり、埋立処理ではなく再資源化すべきであること
(5)戸建住宅の再資源化には10万円以上の費用が掛かること

 などとし、これらの課題を解決するため、ガラス再資源化協議会や大手精錬会社と連携し、回収から再資源化までを一貫して受託する「使用済み太陽光パネルの回収・再資源化サービス」を開始するとしています。価格も発表になっています。18kg以下の結晶系太陽電池モジュールの場合、価格は税別1枚あたり1200円。一般家庭の場合200Wpが25枚の場合で、合計5kWpのシステムで処理費用は3万円。プラス解体および輸送費となると、10万以下でできそうですが、それでも結構な金額です。
 今後、大量廃棄時代を迎えるまでには各メーカーも対応してくると思いますが、回収・廃棄の一連のワークフローを確立する上で、参考になるプランがまず登場したということで、興味深い事業です。産業用などの、モジュール数の多い場合は、より低価格での回収が可能になるようです。

 自分が捨てる場合の価格の希望としては、すべてこみで高くても5kWpで5万円(家庭用の場合)というのが値ごろ感かなと思います。実際に設置しているみなさんは、どう思いますか?
 それから、回収したパネルでまだ利用できるものは、中古パネルとして販売することも考えておられるようですね。そのあたり、事業が始まるとまた気になるので、また詳しい内容を知りたいと考えています。

 
プレスリリース / 太陽光発電システム鑑定協会、2013.11.12(@press版)
使用済み太陽光パネルの回収・再資源化サービスの提供開始 ~回収から資源化まで1ストップで受託

Photo
-----image(”上-処理フロー、下-廃棄量予測”) : 同リリースより
2_2

" 一般財団法人太陽光発電システム鑑定協会(本社:東京都千代田区、代表理事:円谷 智彦)は、使用済みの太陽光パネルを回収し、再資源化するサービスを、2014年1月末からの開始を目途に体制を整えます。 .......... 【提供の背景】 太陽光発電システムはFITを背景に急速に普及が進んでいますが、使用済みの太陽光パネルの廃棄方法は定まっておらず、更には大量廃棄を目前に控えながらも幾つもの課題が解決されていないのが現状です。

▼使用済みの太陽光パネルの廃棄については、下記5点の課題があります。
(1)太陽光パネルは鉛などの有害物質が含まれている場合もあること
(2)個々の太陽光パネルについて鉛など有害物質の含有情報の一元管理がされていないこと
(3)全国で統一した廃棄ルールがなく一部地域では一般廃棄物として粉砕・埋立処理されていること
(4)太陽光パネルからはアルミニウム、ガラスや銀などの有価物の回収が可能であり、埋立処理ではなく再資源化すべきであること
(5)戸建住宅の再資源化には10万円以上の費用が掛かること

これらの課題を解決するため、太陽光発電システム鑑定協会では、ガラス再資源化協議会や大手精錬会社と連携し、回収から再資源化までを一貫して受託する「使用済み太陽光パネルの回収・再資源化サービス」を開始します。

【「使用済み太陽光パネルの回収・再資源化サービス」概要】
<特長>
太陽光発電システム鑑定協会では、関連団体・企業と連携し、パネルメーカー、型式を問わず使用済み太陽光パネルを回収し、再資源化まで一貫して受託できる体制を整えます。この一貫したサービスは国内初の試みであり、関係者からは大きな期待が寄せられています。
また、回収した太陽光パネルの内品質が良い場合はリユースし、売上益はお客様に返還するなど、幅広く、丁寧なサービスを実現いたします。

<価格(税別)>
1,200円/枚
(指定収集場所への持ち込み、18kg/パネル以下の結晶系太陽光パネルの場合)
※:パネル枚数の多い発電所の場合は、より低価格での回収が可能です。

■協会概要
商号  : 太陽光発電システム鑑定協会
代表者 : 略
所在地 : 〒102-0083 東京都千代田区麹町1-3
設立  : 2012年7月
事業内容: 太陽光発電システムのメンテナンス支援
.......... "

関連
太陽光発電システム鑑定協会(一般財団法人)
- 2012年10月25日 一般財団法人 太陽光発電システム鑑定協会、太陽光発電システムの検査サービスを本格的に活動開始!

"..........今まで発見が比較的に困難だった太陽光パネルの不具合を自動検出する装置を使用する事で、「短時間」「低料金」で検査サービスをご提供します。
..........
太陽電池アレイの不具合を検出する装置「SOKODES」
当協会の提供する検査サービスには、太陽電池アレイの不具合を自動検出する装置「SOKODES(ソコデス)」を使用しています。
今までは、太陽光パネル単位での障害個所の特定は難しく、メンテナンス上の課題となっていましたが、「SOKODES」は、複数の太陽光パネルの電気抵抗を同時計測し、配線の接続不良などを即座に検知、障害個所を特定する事が出来、検査時間の短縮にもなり低価格での検査サービスを可能にしました。

■検査費用
基本的には会員様向けのサービスとなっておりますが、一般の方でも検査をお受けしています。

キャンペーン期間 :2012年10月25日~2010年2月25日まで特別価格
一般住宅/会員様 :通常20,000円⇒特別価格15,000円、
非会員様:通常30,000円⇒特別価格20,000円
メガソーラー/会員様、非会員様とも期間中は通常お見積金額から30%OFFの特別価格

■検査データ保管
.......... "


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パナソニック、無電化地域の生活照明として活躍する「ソーラーランタン」を発売

 パナソニックは、無電化地域の生活照明として活躍する「ソーラーランタン」を発売すると発表しました。当初の販売予定地域は、アフリカでは、ケニア。アジアでは、ミャンマー、カンボジア、インドネシア、バングラデシュ、マレーシア。そして、販売地域を順次拡大していくということです。
 また、パナソニックは、同社創業100周年を迎える2018年に向け「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を実施中です。海外の無電化地域で社会課題解決に取り組むNPO/NGO等に対してソーラーを活用した照明の寄贈を行っています。

パナソニック、世界の未電化地域へのソーラーランタン10万台寄贈プロジェクトを開始-----ソフトエネルギー、2013/04/22


プレスリリース / パナソニック、2013年10月29日
約6時間※1で充電でき、360度照らせる 無電化地域の生活照明として活躍する「ソーラーランタン」を発売

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-----image(”【デザイン賞について】 本商品は、公益財団法人日本デザイン振興会の「2013年度 グッドデザイン賞」、国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)の「IAUDアウォード2013」を受賞しています。左-ソーラーランタン、右-ソーラーランタン(本体のみ)”) : 同リリースより

"パナソニック株式会社は、無電化地域の生活照明として使用できる「ソーラーランタン」を、2013年12月よりアジア、アフリカなど海外の無電化地域で順次発売を開始します。これは、日中に太陽電池で発電したエネルギーを充電池に蓄電し、夜間の灯りや携帯電話など小型機器充電用の電源として活用できるランタンです。広範囲を照らせる360度照射、約6時間※1での満充電など、無電化地域の毎日の暮らしに必要な機能を搭載しています。

 世界の無電化地域の人口は約13億人※2、無電化率は全世界人口の約20%(5人に1人)※2と言われています。無電化地域の多くでは照明として灯油ランプが使われていますが、明るさが不十分なだけではなく、煙による健康被害や火事の危険にさらされているのが実情です。また、通信手段として携帯電話の普及が進んでいますが、十分な充電インフラが整っていないという課題もあります。パナソニックでは、クリーンで安心な“灯り”と“電源”を安定して供給したいという思いから、無電化地域の生活照明として使用できる「ソーラーランタン」を発売します。自宅だけでなく、病院、学校、店舗、屋外での灯りなど、様々な場所で活躍します。当社では、「ソーラーランタン」をきっかけに、無電化地域に暮らす人々の生活向上に向けてBOP※3市場の開拓を進め、商品開発をグローバルで推進してまいります。

 なお、パナソニックでは、企業市民活動の一環として、創業100周年を迎える2018年に向け「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を開始し、新興国・途上国の無電化地域で社会課題解決に取り組むNPO/NGO等に対してソーラーを活用した照明※4の寄贈も行っています。

【特長】
灯りが360度方向に広がり、無電化地域の生活照明として活躍
出力3.5W のソーラーパネル搭載で、約6時間で満充電でき、約6時間※5使える
USB出力端子付で、携帯電話の充電が可能
※1屋外・晴天時。上記の充電時間は、使い切った電池を満充電する場合の目安です。電池の残量や周囲の温度等によって、充電時間は変化します。

※2出展:国際エネルギー機関“World Energy Outlook 2012”
※3BOPとは「Base of the Pyramid」の略で、途上国の低所得者層を意味します。BOP市場でビジネスを展開することにより、企業が経営的価値を向上できるとともに、現地の社会的課題を解決できるという特徴を持っています。
※4プロジェクト初年度の2012年度には、「ソーラーランタン」ではなく「コンパクトソーラーライト」を寄贈しています。今年度からは、「ソーラーランタン」を寄贈します。「コンパクトソーラーライト」は、一体型の小型ソーラーパネルおよびUSBでの充電が可能なLEDライトです(日本展開のみ)。
※5使用時間は満充電時の室温での目安です。周囲の温度によって、ライトの使用時間は変化します。

Panasonic_solar_lantern_1311

-----image : 同リリースより

【仕様】
商品名 ソーラーランタン
品番 BG-BL03
LEDモード 強 中 弱
明るさ 100lx 40lx 6lx
駆動時間 約6時間 約15時間 約90時間
充電時間 約6時間(ソーラーパネル充電のみ)
電源 ニッケル水素電池
ソーラーパネル出力 3.5W
サイズ 本体:約138(L)×133(W)×60mm(H)
ソーラーパネル:約206(L)×186(W)×39(H)mm
質量 本体 約400g、ソーラーパネル 約630g
【発売予定国※8】

アフリカ:ケニア
アジア:ミャンマー、カンボジア、インドネシア、バングラデシュ、マレーシア

※8この他の地域に向けても随時販売拡大予定です
......... "

関連
ソーラーランタン10万台プロジェクト」について / 【リリース】約6時間充電でき、360度照らせる「ソーラーランタン」を発売 2013.10.29
Panasonic_solar_lantern_1311_site
-----image : 上記サイト

/ ミャンマー:寺子屋で、新型ソーラーランタンのテストを行ないました 2013.11.07

関連エントリー
パナソニック、無電化地域向けLEDソーラーランタンを開発-----ソフトエネルギー、2013/05/14

追加情報


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住友林業、住友共同電力、共同出資で事業会社を設立。北海道紋別市に50MW規模のバイオマス発電所を建設へ

 住友林業と住友共同電力は、北海道紋別市の所有する紋別港埠頭内の工業用地において、バイオマス発電事業を開始することになりました。この事業に合わせ、両社は未利用の林地残材や間伐材等を利用したバイオマス発電会社、および発電所に供給する燃料チップ製造会社を合弁にて設立します。バイオマス発電会社においては、未利用材、PKSおよび補助燃料として石炭を使用した発電事業を行い、燃料チップ製造会社においては、燃料チップの生産および販売を行います。
 この燃料チップ製造会社は、オホーツクバイオエナジー(北海道紋別市)といい、林地残材や間伐材については、住友林業が100%出資している、住友林業フォレストサービスより、主に発電所の半径75km圏内から、社有林も含めた未利用材(国産材)として仕入れ、発電所に隣接して建設される燃料チップ製造にて加工しバイオマス燃料として利用します。
 一方、輸入燃料となる、パーム油として使われない実の殻の部分に相当する燃料用ヤシ殻(輸入、Palm Kernel Shell : PKS)、そして、補助燃料として利用される石炭については、どの程度の混焼率となるのかの記載は、今回の発表には具体的な数字はみあたりませんでした。50MW規模となる、かなり大型の案件だけに気になるところです。バイオマス資源の持続可能性の評価という意味で、大型バイオマス発電所については、大いに関心のあるところです。

 今後の予定は、2014年9月に発電所の建設に着手。2016年8月以降に発電所の試運転を行い、2016年12月に発電所の営業運転開始を目指すとのことです。


プレスリリース/ 住友林業、住友共同電力、2013年10月22日
共同出資でバイオマス発電会社および木質燃料チップ製造会社を設立 ~北海道紋別市でバイオマス発電事業を開始

2013102201
-----image(”(3)事業スキーム図-※点線が今回設立する会社
 林地残材や間伐材については、社有林管理や国産材の仕入れ・販売等を行う住友林業フォレストサービス株式会社(住友林業100%出資)が集荷管理を担当し、主に発電所の半径75km圏内から調達します。チップ製造を担うオホーツクバイオエナジーは、発電所に隣接したコア工場のほか、集荷圏内に複数のサテライト工場を設置し、協力会社に委託して運営する予定です。 尚、今回の事業開始に伴う総投資金額は約150億円の見込みです。”) : 同リリースより

"住友林業株式会社(略)と住友共同電力株式会社(略)は、未利用の林地残材や間伐材等を利用したバイオマス発電会社、および発電所に供給する燃料チップ製造会社の2社を合弁にて設立し、北海道紋別市においてバイオマス発電事業を開始することを決定しましたので、お知らせいたします。 紋別市の所有する紋別港埠頭内の工業用地に、発電規模50MWのバイオマス発電施設を建設し、長期安定的に電力を供給してまいります。 燃料は、発電所に隣接して設置する燃料チップ製造会社からの供給のほか、地域の他社チップ工場から購入する木質チップや輸入PKS※1、補助燃料として一部石炭を利用する計画です。オホーツク周辺地域から集荷される林地残材や間伐材が主燃料となるため、地域の林産業関係者や自治体からの協力を得て、林業と発電事業が連係した仕組みの構築を図ってまいります。

※1 PKS(Palm Kernel Shell)とは、ヤシの実のうち、パーム油として使われない実の殻の部分のことをいう。

1.背景
住友林業と住友共電は、国内初の都市型バイオマス発電所である川崎バイオマス発電所(神奈川県川崎市)を2008年4月に設立し、建築廃材等を利用した発電事業を行っており、エネルギーの地産地消を行うとともに、資源の有効活用に積極的に取り組んでいます。
エネルギー事業は社会基盤事業であり、特に木質バイオマス発電事業は木質資源の活用により森林の価値を高めることができ、雇用の創出によって地域の活性化が図れるなど、社会的な意義が大きい事業です。また2012年7月にFIT制度※2が導入されたことにより、これまで未利用だった林地残材を活用したバイオマス発電事業の事業化に道が開けました。これらを受け、住友林業の社有林が立地し、地元の行政や林産業関係者との間に幅広いネットワークを有する北海道紋別地区において、事業を行うことを決定しました。

※2 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT:Feed-in Tariff)。再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けたもの。

2.設立新会社の概要
(1)バイオマス発電会社
名称 紋別バイオマス発電株式会社
所在地 北海道紋別市新港町4丁目 紋別第3埠頭地区 ※発電所建設予定地
本社 北海道紋別市渚滑町9-11 住友林業紋別山林事業所内
資本金 4.9億円(住友林業249.9百万円 住友共電240.1百万円)
出資比率 住友林業51% 住友共電49%
..........
事業内容 未利用材、PKSおよび補助燃料として石炭を使用したバイオマス発電事業
発電規模 50MW

(2)燃料チップ製造会社
名称 オホーツクバイオエナジー株式会社
所在地 北海道紋別市新港町4丁目 紋別第3埠頭地区  ※チップ工場建設予定地
本社 北海道紋別市渚滑町9-11 住友林業紋別山林事業所内
資本金 1億円(住友林業51百万円 住友共電49百万円)
出資比率 住友林業51% 住友共電49%
..........
事業内容 燃料チップの生産および販売
..........
3.スケジュール
本件実施までのスケジュール(予定)
2014年 9月 発電所着工
2016年 12月 発電所営業運転開始。試運転稼動は2016年8月以降
.......... "

参考
住友林業ら三社出資の川崎バイオマス発電所が営業運転を開始-----ソフトエネルギー、2011/02/07


関連
木質バイオマス発電所建設決定のお知らせ-----紋別市、木質バイオマス火力発電所推進室、2013年10月22日

"..........
10月22日、住友林業株式会社と住友共同電力株式会社は札幌市で記者会見を開き、紋別市に木質バイオマス発電所を建設することを発表しました。両社は共同出資で紋別バイオマス発電株式会社およびオホーツクバイオエナジー株式会社を設立し、それぞれ未利用の林地残材や間伐材等を利用した発電所と発電所に供給する燃料チップ製造工場を建設します。発電規模は50MWでバイオマス発電所としては国内最大規模となります。発電所は平成28年12月の運転開始を予定しています。

発電所の概要
出 力:50MW(約60,000世帯分)
燃 料:木質バイオマス(林地残材、間伐材など)約21.8万トン/年
 ヤシガラ(輸入)約5万トン/年
 石炭(輸入)約5万トン/年
建 設 地:紋別市新港町4丁目(紋別港第3埠頭埋立地)PDFファイル
総事業費:150億円
予定工期:約3年間
.......... "

住友共同電力 : プレスリリース / 2013年10月22日 北海道紋別市でバイオマス発電事業を開始(PDF)

住友林業と住友共電、北海道紋別市でバイオマス発電事業-----Tech On!,2013/10/23

追加情報


紋別バイオマス発電所工事着手のお知らせ-----紋別市、2014年11月10日


参考エントリー
JFEエンジニアリング、川崎に国内最大級49MWバイオマス発電プラントを建設へ-----ソフトエネルギー、2013/11/08

リポート ”木質バイオマスエネルギー利用の現状と課題(富士通総研)”  を読む-----ソフトエネルギー、2013/10/23


[ カテゴリー : 木質、森林/バイオマス ]

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JFEエンジニアリング、川崎に国内最大級49MWバイオマス発電プラントを建設へ

JFEエンジニアリングは、昭和シェル石油が川崎市川崎区扇町の製油所跡地で新たに計画している、国内最大級の49MWのバイオマス発電プラントのEPC(設計・調達・建設)業務を一括受注しました。このプラントは木質ペレットやパームヤシ殻(Palm Kernel Shell, PKS)を燃料として発電を行うもので、燃料と流動媒体を高速の燃焼空気によって混合、流動化させながら燃焼を行なう循環流動層ボイラ+蒸気発電システムです。年間の発電量は、一般家庭の約83,000世帯の年間消費量に相当する、約300,000MWh/年だということです。
完成予定は、2015年12月です。

プレスリリース / JFEエンジニアリング、2013年10月7日
川崎で国内最大級バイオマス発電プラントを受注~昭和シェル石油製油所跡地に循環流動層ボイラを建設

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-----image(”循環流動層ボイラ概要図”) : 同リリースより

"JFEエンジニアリング株式会社(略)は、昭和シェル石油株式会社(略)より、国内最大級のバイオマス発電プラントのEPC(設計・調達・建設)業務を受注しましたので、お知らせします。

 当社が受注したのは、昭和シェル石油が川崎市川崎区扇町の製油所跡地で新たに計画しているバイオマス発電プラントです。このプラントは木質ペレット※1やパームヤシ殻(Palm Kernel Shell, PKS)※2を燃料として発電を行うもので、発電規模は49MW、年間発電量は約300,000MWh(一般家庭の約83,000世帯の年間消費量に相当)で国内最大級のバイオマス発電となります。発電した電力は再生可能エネルギー買取制度により全量売電される予定です。
 昭和シェル石油では、当地における新たな発電事業を計画し、これに対し当社は、循環流動層(Circulating Fluidized Bed:CFB)ボイラ発電システムによるバイオマス発電を提案してまいりました。今回、昭和シェル石油のバイオマス発電の事業化決定にあたり、当社プラントが、同規模の発電システムの中で最も高効率で経済的であることや川崎市の厳しい環境規制に対応できる点などが評価され、今回の受注に至りました。

 循環流動層ボイラは、燃料と流動媒体を高速の燃焼空気によって混合、流動化させながら燃焼を行なうシステムです。当社はこれまでに、国内で初めて木質チップやPKS専焼のCFBボイラを建設しており、また建設廃材、廃プラスチック、タイヤチップなど多様な燃料を混焼するCFBボイラの建設実績も数多く有しています。当社はこうした実績に基づく技術・ノウハウを活かし、2015年12月の稼動開始を目指して建設を進めてまいります。
 
 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の施行から1年が経過し、全国各地でバイオマス発電プラントのニーズが高まりをみせております。当社はこれらのニーズに応えるべく、今後も最先端の技術を提案してまいります。

※1 木質ペレット:丸太、樹皮、枝葉など木質バイオマスを顆粒状に砕き、それを圧縮して棒状に固めて整形したもの

※2 パームヤシ殻(PKS):マレーシアやインドネシアなど東南アジアで栽培される油やしの搾油時に発生する種殻

Nws_20131007113555_1

-----image(”発電プラント概要”) : 同リリースより
.......... "

関連エントリー
昭和シェル石油、川崎市に49MWの国内最大級のバイオマス発電所を建設へ-----ソフトエネルギー、2013/08/08


コメント続き

このプラントは木質ペレットやパームヤシ殻を燃料として発電を行います。パームヤシ殻は、海外からの調達となります。発表には、国内と海外調達の割合までは、記載されていません。バイオマス利用の"再生可能エネルギー"として成立するための、開発における持続可能性の評価が問われます。国内では、大型のバイオマス発電所がいくつか計画され、やはり輸入バイオマスの利用が計画されています。

再生可能エネルギーとしての、バイオマス発電の真価がやがて問われます。早い段階で、情報公開と適正な規模についての議論を進めたいところです。

参考


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エナリス、群馬で食品残渣等を利用する420kWバイオガス発電プロジェクトを実施へ

 卸電力取引・仲介、新電力(PPS)業務、デマンドコントロールなどを行うエネルギー流通情報事業を行うエナリスは、群馬県にある食品工場の食品残渣を原料として利用する420kWバイオガス発電プロジェクトを実施するとのことです。具体的には、専業会社のエナリス DE バイオガスプラントが設立され、大手飲料メーカーの受託製造会社である株式会社日本キャンパックの群馬工場内にプラントを設置、プラント保有と発電を行います。
発電された電力は、固定価格買取制度によりエナリスに販売され、同社が電力需給管理する群馬コミュニティー電力を通じて、群馬県の地元施設へ電力を供給するしくみです。
 
 このプロジェクトには、昨年10月に施行された地球温暖化対策税の税収を活用して作られたグリーンファンドが活用され、バイオガス発電プロジェクトとして、1 億円の出資が決定されています。

 今のところ、システムの詳細は発表されていないようです。発電までのスケジュールと合わせて、システムの詳細もわかりしだい、フォローしたいと考えています。


プレスリリース / エナリス、2013年10月4日
バイオガス発電事業への参入決定について

"当社グループは、食品残渣をガス化して発電するバイオガス発電事業に参入することを決定しましたのでお知らせ致します。また、本事業の主体で当社子会社となるエナリスDEバイオガスプラント株式会社が、一般社団法人グリーンファイナンス推進機構(略)より1億円の出資を受けることが決定しましたので、あわせてお知らせ致します。

■ 詳細について

詳細につきましては、一般社団法人グリーンファイナンス推進機構の出資事例をご参照下さい。
http://greenfinance.jp/case/index.html
.......... "

関連
・グリーンファイナンス推進機構 : 出資事例

"グリーンファンドの出資決定案件について事例をご覧いただけます。

平成25年10月4日
「地域貢献型ソーラー発電事業への出資決定について」[PDF:178KB]
 株式会社PLUS SOCIAL(太陽光発電事業)
..........
”..........
 一般社団法人グリーンファイナンス推進機構(略)は、独立系エネルギー事業者である株式会社エナリスの計画するバイオガス発電プロジェクトに1 億円の出資を決定致しましたのでお知らせします。
 本事業は、食品工場の食品残渣を原料としてバイオガス発電を行うものです。これは安定供給が見込まれる食品工場内の食品廃棄物の処理に当たってこれまでの焼却処理から CO2排出抑制効果を持つバイオガス発電をすることで、全国にある食品残渣処理問題の解決を達成しつつ、バイオガス発電分野の普及を進める点において、1 つの事業モデルとなり得ると考えられます。
 具体的には、プラント保有と発電を行うエナリス DE バイオガスプラント株式会社(略、以下 SPC)が、大手飲料メーカーの受託製造会社である株式会社日本キャンパックの群馬工場内にプラントを設置することで、原料の安定供給を確保しています。更に、株式会社エナリスが電力需給管理する群馬コミュニティー電力株式会社を通じて、地元の施設へ割安価格で電力供給し地域の資源循環を構築する点で、地域活性化に資することが期待されます。

(説明)
① 本プロジェクト SPC に、エナリスが最大出資者となりその子会社フォレストキャピタルが GP となり組成する LPS が、350 百万円、機構が 100 百万円、昭和リースが 350 百万円を提供します(融資はプロジェクトファイナンスを予定)。

② SPC は上記資金を利用し、ドライ・イーにプラント設計・建設を委託し、完成したプラント(出力420kW)を保有します。また、日本キャンパック群馬工場から、土地、運転人員、原材料(食品残渣等)の供給を受け、バイオガス発電を行います。

③ 電力は固定価格買取制度によりエナリスに販売され、同社が電力需給管理する群馬コミュニティー電力を通じて、群馬県地元施設へ電力を供給します。
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.......... ”-----平成25年10月4日「バイオガス発電プロジェクト事業への出資決定について」[PDF:383KB] 株式会社エナリス(バイオガス発電事業)より
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エナリス プレスリリース / 2013.10.29 バイオガスファンド事業の出資契約等締結に伴う特定子会社の異動のお知らせ(PDF)

続きを読む "エナリス、群馬で食品残渣等を利用する420kWバイオガス発電プロジェクトを実施へ"

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長崎県五島沖に世界初の2MW Hybrid Spar型浮体式洋上風力発電機が登場!

 10月28日に長崎県五島市椛島沖の船上で、環境省の浮体式洋上風力発電実証事業における、2MW実証機の開所式が行われました。姿を現した2MW機は、一番深いところから風車翼の先端までの全長が172m、三枚翼のダウンウィンド型風車の直径やおおよそ80mです。海面上に浮いて見える部分の高さは、96m。浮体の一番下部から海底までの距離は、おおよそ20mということです。この浮体式洋上風力発電機は、ハイブリットスパー Hybrid Spar型です。これは、鋼とPCコンクリートを用いたハイブリッド構造のスパー、つまり円柱浮体を利用するもので、釣りの浮きのように洋上に浮かびます。円筒部分の径は最大で7.8m、総重量は約3,400トンにも達し、海底に3点で係留されています。実際の発電中の波浪による挙動に、大いに興味があります。
 2012年の春に富士重工業から日立製作所にわたったダウンウィンド型の風力発電機は、日本の風に向いていると言われています。
 2009年に長崎県佐世保市で、京都大学、佐世保重工業などは、鋼とPCコンクリートを用いたハイブリッド構造による浮体を開発し、10kWモデルによる実海域実験により検証。そして、2012年に6月には、五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストを行っています。小さなモデルから、積み上げた実証実験の成果が、実際のスケールで試されることになります。コスト的にも、ハイブリッドスパー型には、福島沖と比べても歩がありそうです。日本独自の技術で造られたこの浮体式風力発電システムの今後に期待しています。


ニュース / 環境省 浮体式洋上風力発電実証事業、2013年10月28日
開所式を開催しました

Gotou_floatinge_wind_20131028
-----image : 同発表より

" 本日、長崎県五島市椛島沖の台船上で2,000kW実証機の開所式を開催しました。

石原環境大臣、野口五島市長により「はえんかぜ」と命名され、
引き続き、石原環境大臣、石塚長崎県副知事、野口五島市長、荒尾五島市議会議長、川上伊福貴町郷長、榎田本窯町郷長、熊川五島ふくえ漁協組合長、今井戸田建設社長によりテープカットが行われました。
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Gotou_floatinge_wind_size
-----image(”小規模試験機と実証機の大きさ比較”) : 仕様より

関連
ニュース / まるごとう(五島市公式サイト)、2013年10月28日
日本初 海に浮かぶ発電所 - 洋上風力発電
-----image : 同ニュースより

"その5実証機、「はえんかぜ」に命名

10月28日(月)、椛島沖の台船上で浮体式洋上風力発電実証事業実証機開所式典が行われました。
 式には、石原環境大臣をはじめ..........

 式の中で石原環境大臣は、「今後、浮体式風力発電施設の本格的な運用について知見を深め、漁業協調型の浮体式洋上風力発電の確立に向けて取り組みたい。」と話されていました。
.......... "


- 五島市情報サイト まるごとう : 日本初海に浮かぶ発電所 浮体式洋上風力発電

国内初!商用規模浮体式洋上風力発電施設による運転を開始-ハイブリッドスパー型としては世界初-----環境省浮体式洋上風力発電実証事業受託者グループ(日立製作所)、2013年10月28日

"(代表)戸田建設株式会社
株式会社日立製作所
芙蓉海洋開発株式会社
国立大学法人京都大学
独立行政法人海上技術安全研究所

このたび、環境省浮体式洋上風力発電実証事業委託業務の受託者グループ(代表:戸田建設株式会社)は、長崎県五島市椛島周辺海域において、商用規模浮体式洋上風力発電施設としてわが国初、また、ハイブリッドスパー型としては世界初となる2MW風車を搭載した浮体式洋上風力発電施設による運転を開始しました。
石原環境大臣出席のもと10月28日に開所式を行い、設置した風車は、「はえんかぜ」と命名されました。引き続き、我が国における浮体式洋上風力発電の早期実用化に向けて、本事業に鋭意取り組んでいきます。
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洋上風力発電のうち、水深が浅い海域には着床式が適していますが、導入ポテンシャルのより大きな比較的深い水深の海域に対応するためには浮体式を採用する必要があります。しかしながら、浮体式洋上風力発電は世界的にも実証段階であり、国内での実用化事例もありません。
このため、環境省では、国内初となる2MW級の浮体式洋上風力発電実証機1基を実海域に設置・運転することを目指して平成22年度から実証事業を開始しており、受託者グループは、これまでに候補海域の選定(長崎県五島市椛島周辺)、環境影響調査、100kW風車を搭載した小規模試験機の実海域設置・運転、及び過去最大級の台風に耐えた小規模試験機の実績を反映させた2MW風車を搭載した実証機の設計・建造・設置に係る検討を実施してきました。
今回の2MW風車を搭載する実証機設置の目的は、環境影響や安全性に関する情報を収集し、運転・保守を含めた、浮体式洋上風力発電施設の本格的な運用について知見を深めるとともに、漁業協調型の浮体式洋上風力発電の確立に向けた検討を行うことにあります。
なお、実証海域として選定した五島市椛島周辺海域は、気象・海象観測を通じて年平均風速約7.5m/s(海上60m)が見込める一方、有義波高1m以下の出現頻度が年間約89%と穏やかであることを確認しており、洋上風力発電に好適な自然環境条件を有しています。

【特徴及び形状寸法】
実証機は、スパー型と呼ばれる、細長い円筒形状の浮体構造の上に、風車及びタワーが海上に突出して固定されている構造を基本としており、細長い円筒形は風や波が当たっても揺れにくいという利点を活かしています。この実証機は、3本のチェーンで海底に係留されています。
浮体構造としては、浮体上部には鋼、下部にはコンクリートを使用する、京都大学・戸田建設グループによって開発された「ハイブリッドスパー型」と呼ばれる形式を採用しています。コンクリートは水圧や錆にも強いため、これを浮体下部に用いることでコストダウンを図るとともに、重心を下げ安定性も向上させています。なお、ハイブリッドスパー型の商用規模浮体式洋上風力発電施設としては、今回の実証機が世界初となります。
実証機の形状・寸法は、一番深いところから風車翼(ブレード)の先端までの全長が172mで、海面上に浮いて見える部分の高さは96mとなります。また、円筒径は最大で7.8m、総重量は約3,400トンです。
風車は、日立製作所が開発した、風車ローター面がタワーの風下側となるダウンウィンド型と呼ばれる形式を採用しています。ダウンウィンド型風車は、台風や雷などが多い日本の自然環境に適合した風車で、浮体式洋上風力においては、アップウィンド型と比較して発電効率の向上が期待できるほか、風見鶏効果によりローターが自然に風を受け流すため、風荷重を低減でき、スパー型浮体との組み合わせでは特に動揺安定性に優れています。

【設置までの経緯及び今後のスケジュール】

平成24年度に小規模試験機が遭遇した台風は、過去最大級のものであったため、その観測結果を反映させるべく、実証機の詳細設計の見直しを行いました。その後、実証機設置に当たり必要となる許認可等を取得して製造を開始、岸壁にて鋼製部とコンクリート部を連結させた浮体部を五島市椛島周辺海域まで運搬して建起し、風車の組立、その後所定位置への曳航、係留及び海底ケーブルの接続作業を行いました。また、本事業の当初より環境への影響調査を実施しており、鳥類や魚類、海棲ほ乳類などへの影響も確認されていないことから、本事業の浮体式洋上風力発電施設が自然環境に与える影響は小さいと考えられています。
なお、この実証機は、今後環境への影響や施設の動揺・発電状況等を観測していきます。
.......... "

・戸田建設 : Vol.1 浮体式洋上風力発電 戸田建設の挑戦編

関連エントリー
京都大学、佐世保重工業など、浮体式洋上風力発電プラットフォームの10分の1モデルの実海域実験を実施-----ソフトエネルギー、2009/09/09

京大、戸田建設ら、環境省の五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストを開始----ソフトエネルギー、2012/06/14


参考エントリー
福島、浮体式ウィンドファーム実証研究事業(第1期)の今後の予定。順調なら11月運転開始-----ソフトエネルギー、2013/10/21

浮体式洋上風力発電 Floating Wind Turbine 再生可能エネルギーまめ知識

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京セラ、IHI、70MWpの鹿児島七ツ島メガソーラー発電所を稼動

 京セラ、IHIらが出資して造っている共同出資会社である、鹿児島メガソーラー発電は、日本最大の規模となる70MWpの鹿児島七ツ島メガソーラー発電所を11月1日に稼動させました。総投資額は約250億円で、土地面積はなんと約127万平方メートルです。この鹿児島七ツ島は、ウィキペディアによると鹿児島臨海工業地帯の用地として1972年(昭和47年)から1976年(昭和51年)にかけて埋め立てられ造成された人工の埋立地です。
 期待される年間発電電力量は、約78,800MWhで、一般家庭の約22,000世帯分に相当するということです。鹿児島七ツ島メガソーラー発電所には、見学施設鹿児島七ツ島メガソーラー科学館が建設され、11月6日(水)から一般公開も開始されます。

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-----image : 京セラ : KYOCERA THINKING ENERGYのサイト

- 鹿児島七ツ島メガソーラー科学館パンフレット

「KYOCERA THINKING ENERGY」歴史を変えるメガソーラー篇(30秒)

(京セラ 広報室,2013/11/04)

関連
国内最大 「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の稼動開始----鹿児島メガソーラー発電(IHI)、2013年11月04日
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-----image(”鹿児島七ツ島メガソーラー発電所 上-南東側より、下-南西側より 写真奥は桜島”) : 上記リリースより-----
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国内最大70MWのメガソーラー発電所の事業運営会社-----京セラ、2012年07月31日

"..........
資本金
約43億円
出資会社
京セラ(株)、KDDI(株)、(株)IHI、(株)九電工、(株)京都銀行、
(株)鹿児島銀行、(株)竹中工務店 計7社
.......... "



-----image : Googleマップで、鹿児島七ツ島メガソーラー発電所 を表示

関連エントリー
京セラの太陽光発電、タジキスタン共和国の病院に160kWp設置。鹿児島七ツ島メガソーラー発電所 70MWpの工事を開始-----ソフトエネルギー、2012/10/15

京セラ、IHI、みずほCB、鹿児島で国内最大70MWpの太陽光発電事業を7月着工予定で進めると発表-----ソフトエネルギー、2012/04/11


参考
・Wikipedia : 七ツ島 (鹿児島市)


コメント続き

 この70MWpの鹿児島七ツ島メガソーラー発電所が開所したことで、メガソーラーランキング(トップテンをリスト中)に並ぶ顔ぶれは、すべて、10MWpを超えました。これまで1位だったのは、2013 5月完成の大分市臨海工業地帯 メガソーラー(日揮) 大分市臨海工業地帯(大在地区6号地) の26.5MWp でしたから、トップは三倍以上も大型化したことになります。

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

参考
日本のメガソーラー トップ10の太陽光発電所は、すべて10MWp超えに-----ソフトエネルギー、2013/10/24

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ローソン、秋田県由利本荘市に寒冷地特化型の環境配慮店舗をオープン

 ローソンは、秋田県由利本荘市に寒冷地特化型の環境配慮店舗を11月1日にオープンすると発表しました。
 その内容は、盛りだくさん!
 冬季に雪をコンテナ貯蔵し、夏季に冷却運転する雪貯蔵空調連携システム。
 カウンター内を太陽熱温水器で床暖房する太陽熱利用暖房システム。
 地下水を予備熱源として利用する地中熱利用ヒートポンプ空調。

 そして、太陽光発電とさまざまな省エネ機器を利用し、店舗全体の電気使用量を約50%削減する能力をもったコンビニエンスストアとなっているということです。


プレスリリース / ローソン、2013年10月30日
《コンビニエンスストア業界初》雪を冷房に利用する過去最大の店舗電気使用量約50%を削減 寒冷地特化型環境配慮店舗オープン

Yurihonjo
-----image : 同リリースより

" 株式会社ローソン(略)は、2013年11月1日(金)にコンビニエンスストア業界で初めて雪を冷房に利用する寒冷地特化型の環境配慮店舗を秋田県由利本荘市に オープンいたします。今回オープンする店舗は、店舗全体の電気使用量を2010年度対比で約50%削減できます。これはこれまでの環境配慮店舗で最大の電気量削減となります。

ローソンは毎年最新設備を導入した環境配慮型の実験店舗をオープンし、省エネ効果の高かった設備を既存店舗にも導入しています。今回の店舗はローソン初の寒冷地特化型です。コンビニエンスストア業界初の「雪貯蔵空調連携システム」「太陽熱利用暖房システム」を導入していて、夏には雪を冷房に、冬には太陽熱で出来た温水を床暖房に使用します。

今後は実験データを、既存店舗への導入や新規設備の開発に活かし、様々な気象状況に対応できる更なる省エネを目指してまいります。

【主な環境配慮設備】
[1] 「雪貯蔵空調連携システム」<業界初> 冬季に雪をコンテナ貯蔵し、夏季に冷却運転実施
[2] 「太陽熱利用暖房システム」<業界初> 太陽熱で出来た温水でカウンター内を床暖房
[3] 「地中熱利用ヒートポンプ空調」 冷暖房運転効率向上の為、地下水を予備熱源として利用
[4] 「太陽光発電パネル」 発電だけでなく蓄電も行い、災害時の停電の際にも電力使用可能
[5] 「ガラス高断熱化」 正面にLow-Eガラスを使用し断熱性能アップ
[6] 「屋根・外壁の高断熱化」 断熱性の高い屋根材や外壁材で建物全体の断熱性能アップ
[7] 「LED照明及び調光制御」 照明は全てLED。調光制御で消費電力低減し内部発熱抑制
[8] 「省エネ設計の冷蔵ケース」 冷蔵ケースの断熱性能を向上。冷凍冷蔵ケースの結露防止 ヒーターを制御し発熱を抑制
[9] 「冷蔵ケース自然外気冷房」 ウォークイン冷蔵ケースは冬季の外気を取込み冷却に貢献
[10]「冷凍ケース室外機の散水」 雪熱空調時に発生する余剰水を冷凍ケース室外機に噴霧し、夏季の運転過多を解消
[11]「冷蔵ケースのCO2冷媒利用」 CO2冷媒でエネルギーの効率化とノンフロン化
[12]「人口知能導入によるエネルギー監視」 センサーで内外環境に合わせた自動制御を行い、店舗全体のエネルギーを効率的に使用

.......... "


参考エントリー
ローソン、今後2年で2000店舗に売電事業用太陽光発電システムを導入。コンビニ発電所計画を発表-----ソフトエネルギー、2012/07/05

追加情報



コメント続き

 今回のローソンの”スーパーエココンビニ”ともいうべき盛りだくさんの仕様は、「平成25年度 住宅・ビルの革新的省エネ技術導入促進事業(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業)1次公募交付案件」に採択されています。このZEB導入実証事業は、国土交通省と経済産業省の肝いりで1/3補助が与えられています。ZEBは、ゼブと読み、ゼロ・エネルギー・ビルのことだそうです。
 

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