住友林業、住友共同電力、共同出資で事業会社を設立。北海道紋別市に50MW規模のバイオマス発電所を建設へ
住友林業と住友共同電力は、北海道紋別市の所有する紋別港埠頭内の工業用地において、バイオマス発電事業を開始することになりました。この事業に合わせ、両社は未利用の林地残材や間伐材等を利用したバイオマス発電会社、および発電所に供給する燃料チップ製造会社を合弁にて設立します。バイオマス発電会社においては、未利用材、PKSおよび補助燃料として石炭を使用した発電事業を行い、燃料チップ製造会社においては、燃料チップの生産および販売を行います。
この燃料チップ製造会社は、オホーツクバイオエナジー(北海道紋別市)といい、林地残材や間伐材については、住友林業が100%出資している、住友林業フォレストサービスより、主に発電所の半径75km圏内から、社有林も含めた未利用材(国産材)として仕入れ、発電所に隣接して建設される燃料チップ製造にて加工しバイオマス燃料として利用します。
一方、輸入燃料となる、パーム油として使われない実の殻の部分に相当する燃料用ヤシ殻(輸入、Palm Kernel Shell : PKS)、そして、補助燃料として利用される石炭については、どの程度の混焼率となるのかの記載は、今回の発表には具体的な数字はみあたりませんでした。50MW規模となる、かなり大型の案件だけに気になるところです。バイオマス資源の持続可能性の評価という意味で、大型バイオマス発電所については、大いに関心のあるところです。
今後の予定は、2014年9月に発電所の建設に着手。2016年8月以降に発電所の試運転を行い、2016年12月に発電所の営業運転開始を目指すとのことです。
プレスリリース/ 住友林業、住友共同電力、2013年10月22日
・共同出資でバイオマス発電会社および木質燃料チップ製造会社を設立 ~北海道紋別市でバイオマス発電事業を開始
-----image(”(3)事業スキーム図-※点線が今回設立する会社
林地残材や間伐材については、社有林管理や国産材の仕入れ・販売等を行う住友林業フォレストサービス株式会社(住友林業100%出資)が集荷管理を担当し、主に発電所の半径75km圏内から調達します。チップ製造を担うオホーツクバイオエナジーは、発電所に隣接したコア工場のほか、集荷圏内に複数のサテライト工場を設置し、協力会社に委託して運営する予定です。 尚、今回の事業開始に伴う総投資金額は約150億円の見込みです。”) : 同リリースより
"住友林業株式会社(略)と住友共同電力株式会社(略)は、未利用の林地残材や間伐材等を利用したバイオマス発電会社、および発電所に供給する燃料チップ製造会社の2社を合弁にて設立し、北海道紋別市においてバイオマス発電事業を開始することを決定しましたので、お知らせいたします。 紋別市の所有する紋別港埠頭内の工業用地に、発電規模50MWのバイオマス発電施設を建設し、長期安定的に電力を供給してまいります。 燃料は、発電所に隣接して設置する燃料チップ製造会社からの供給のほか、地域の他社チップ工場から購入する木質チップや輸入PKS※1、補助燃料として一部石炭を利用する計画です。オホーツク周辺地域から集荷される林地残材や間伐材が主燃料となるため、地域の林産業関係者や自治体からの協力を得て、林業と発電事業が連係した仕組みの構築を図ってまいります。※1 PKS(Palm Kernel Shell)とは、ヤシの実のうち、パーム油として使われない実の殻の部分のことをいう。
1.背景
住友林業と住友共電は、国内初の都市型バイオマス発電所である川崎バイオマス発電所(神奈川県川崎市)を2008年4月に設立し、建築廃材等を利用した発電事業を行っており、エネルギーの地産地消を行うとともに、資源の有効活用に積極的に取り組んでいます。
エネルギー事業は社会基盤事業であり、特に木質バイオマス発電事業は木質資源の活用により森林の価値を高めることができ、雇用の創出によって地域の活性化が図れるなど、社会的な意義が大きい事業です。また2012年7月にFIT制度※2が導入されたことにより、これまで未利用だった林地残材を活用したバイオマス発電事業の事業化に道が開けました。これらを受け、住友林業の社有林が立地し、地元の行政や林産業関係者との間に幅広いネットワークを有する北海道紋別地区において、事業を行うことを決定しました。※2 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT:Feed-in Tariff)。再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けたもの。
2.設立新会社の概要
(1)バイオマス発電会社
名称 紋別バイオマス発電株式会社
所在地 北海道紋別市新港町4丁目 紋別第3埠頭地区 ※発電所建設予定地
本社 北海道紋別市渚滑町9-11 住友林業紋別山林事業所内
資本金 4.9億円(住友林業249.9百万円 住友共電240.1百万円)
出資比率 住友林業51% 住友共電49%
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事業内容 未利用材、PKSおよび補助燃料として石炭を使用したバイオマス発電事業
発電規模 50MW(2)燃料チップ製造会社
名称 オホーツクバイオエナジー株式会社
所在地 北海道紋別市新港町4丁目 紋別第3埠頭地区 ※チップ工場建設予定地
本社 北海道紋別市渚滑町9-11 住友林業紋別山林事業所内
資本金 1億円(住友林業51百万円 住友共電49百万円)
出資比率 住友林業51% 住友共電49%
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事業内容 燃料チップの生産および販売
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3.スケジュール
本件実施までのスケジュール(予定)
2014年 9月 発電所着工
2016年 12月 発電所営業運転開始。試運転稼動は2016年8月以降
.......... "
参考
・住友林業ら三社出資の川崎バイオマス発電所が営業運転を開始-----ソフトエネルギー、2011/02/07
関連
・木質バイオマス発電所建設決定のお知らせ-----紋別市、木質バイオマス火力発電所推進室、2013年10月22日
"..........
10月22日、住友林業株式会社と住友共同電力株式会社は札幌市で記者会見を開き、紋別市に木質バイオマス発電所を建設することを発表しました。両社は共同出資で紋別バイオマス発電株式会社およびオホーツクバイオエナジー株式会社を設立し、それぞれ未利用の林地残材や間伐材等を利用した発電所と発電所に供給する燃料チップ製造工場を建設します。発電規模は50MWでバイオマス発電所としては国内最大規模となります。発電所は平成28年12月の運転開始を予定しています。発電所の概要
出 力:50MW(約60,000世帯分)
燃 料:木質バイオマス(林地残材、間伐材など)約21.8万トン/年
ヤシガラ(輸入)約5万トン/年
石炭(輸入)約5万トン/年
建 設 地:紋別市新港町4丁目(紋別港第3埠頭埋立地)PDFファイル
総事業費:150億円
予定工期:約3年間
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・住友共同電力 : プレスリリース / 2013年10月22日 北海道紋別市でバイオマス発電事業を開始(PDF)
・住友林業と住友共電、北海道紋別市でバイオマス発電事業-----Tech On!,2013/10/23
追加情報
住友林業、国内最大級バイオマス発電所の建設現場公開---日本経済新聞 http://t.co/MTlPB6i8HR "..国内最大級の出力5万kW..半分を国産材..年22万tの燃料用木材チップ.." #renewjapan #renewbiomass #北海道 #輸入バイオマス
— greenpost (@greenpost) June 18, 2015
・紋別バイオマス発電所工事着手のお知らせ-----紋別市、2014年11月10日
参考エントリー
・JFEエンジニアリング、川崎に国内最大級49MWバイオマス発電プラントを建設へ-----ソフトエネルギー、2013/11/08
・リポート ”木質バイオマスエネルギー利用の現状と課題(富士通総研)” を読む-----ソフトエネルギー、2013/10/23
[ カテゴリー : 木質、森林/バイオマス ]
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