長崎県五島沖に世界初の2MW Hybrid Spar型浮体式洋上風力発電機が登場!
10月28日に長崎県五島市椛島沖の船上で、環境省の浮体式洋上風力発電実証事業における、2MW実証機の開所式が行われました。姿を現した2MW機は、一番深いところから風車翼の先端までの全長が172m、三枚翼のダウンウィンド型風車の直径やおおよそ80mです。海面上に浮いて見える部分の高さは、96m。浮体の一番下部から海底までの距離は、おおよそ20mということです。この浮体式洋上風力発電機は、ハイブリットスパー Hybrid Spar型です。これは、鋼とPCコンクリートを用いたハイブリッド構造のスパー、つまり円柱浮体を利用するもので、釣りの浮きのように洋上に浮かびます。円筒部分の径は最大で7.8m、総重量は約3,400トンにも達し、海底に3点で係留されています。実際の発電中の波浪による挙動に、大いに興味があります。
2012年の春に富士重工業から日立製作所にわたったダウンウィンド型の風力発電機は、日本の風に向いていると言われています。
2009年に長崎県佐世保市で、京都大学、佐世保重工業などは、鋼とPCコンクリートを用いたハイブリッド構造による浮体を開発し、10kWモデルによる実海域実験により検証。そして、2012年に6月には、五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストを行っています。小さなモデルから、積み上げた実証実験の成果が、実際のスケールで試されることになります。コスト的にも、ハイブリッドスパー型には、福島沖と比べても歩がありそうです。日本独自の技術で造られたこの浮体式風力発電システムの今後に期待しています。
ニュース / 環境省 浮体式洋上風力発電実証事業、2013年10月28日
・開所式を開催しました
" 本日、長崎県五島市椛島沖の台船上で2,000kW実証機の開所式を開催しました。石原環境大臣、野口五島市長により「はえんかぜ」と命名され、
引き続き、石原環境大臣、石塚長崎県副知事、野口五島市長、荒尾五島市議会議長、川上伊福貴町郷長、榎田本窯町郷長、熊川五島ふくえ漁協組合長、今井戸田建設社長によりテープカットが行われました。
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-----image(”小規模試験機と実証機の大きさ比較”) : 仕様より
関連
ニュース / まるごとう(五島市公式サイト)、2013年10月28日
・日本初 海に浮かぶ発電所 - 洋上風力発電
-----image : 同ニュースより
"その5実証機、「はえんかぜ」に命名10月28日(月)、椛島沖の台船上で浮体式洋上風力発電実証事業実証機開所式典が行われました。
式には、石原環境大臣をはじめ..........式の中で石原環境大臣は、「今後、浮体式風力発電施設の本格的な運用について知見を深め、漁業協調型の浮体式洋上風力発電の確立に向けて取り組みたい。」と話されていました。
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- 五島市情報サイト まるごとう : 日本初海に浮かぶ発電所 浮体式洋上風力発電
・国内初!商用規模浮体式洋上風力発電施設による運転を開始-ハイブリッドスパー型としては世界初-----環境省浮体式洋上風力発電実証事業受託者グループ(日立製作所)、2013年10月28日
"(代表)戸田建設株式会社
株式会社日立製作所
芙蓉海洋開発株式会社
国立大学法人京都大学
独立行政法人海上技術安全研究所このたび、環境省浮体式洋上風力発電実証事業委託業務の受託者グループ(代表:戸田建設株式会社)は、長崎県五島市椛島周辺海域において、商用規模浮体式洋上風力発電施設としてわが国初、また、ハイブリッドスパー型としては世界初となる2MW風車を搭載した浮体式洋上風力発電施設による運転を開始しました。
石原環境大臣出席のもと10月28日に開所式を行い、設置した風車は、「はえんかぜ」と命名されました。引き続き、我が国における浮体式洋上風力発電の早期実用化に向けて、本事業に鋭意取り組んでいきます。
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洋上風力発電のうち、水深が浅い海域には着床式が適していますが、導入ポテンシャルのより大きな比較的深い水深の海域に対応するためには浮体式を採用する必要があります。しかしながら、浮体式洋上風力発電は世界的にも実証段階であり、国内での実用化事例もありません。
このため、環境省では、国内初となる2MW級の浮体式洋上風力発電実証機1基を実海域に設置・運転することを目指して平成22年度から実証事業を開始しており、受託者グループは、これまでに候補海域の選定(長崎県五島市椛島周辺)、環境影響調査、100kW風車を搭載した小規模試験機の実海域設置・運転、及び過去最大級の台風に耐えた小規模試験機の実績を反映させた2MW風車を搭載した実証機の設計・建造・設置に係る検討を実施してきました。
今回の2MW風車を搭載する実証機設置の目的は、環境影響や安全性に関する情報を収集し、運転・保守を含めた、浮体式洋上風力発電施設の本格的な運用について知見を深めるとともに、漁業協調型の浮体式洋上風力発電の確立に向けた検討を行うことにあります。
なお、実証海域として選定した五島市椛島周辺海域は、気象・海象観測を通じて年平均風速約7.5m/s(海上60m)が見込める一方、有義波高1m以下の出現頻度が年間約89%と穏やかであることを確認しており、洋上風力発電に好適な自然環境条件を有しています。【特徴及び形状寸法】
実証機は、スパー型と呼ばれる、細長い円筒形状の浮体構造の上に、風車及びタワーが海上に突出して固定されている構造を基本としており、細長い円筒形は風や波が当たっても揺れにくいという利点を活かしています。この実証機は、3本のチェーンで海底に係留されています。
浮体構造としては、浮体上部には鋼、下部にはコンクリートを使用する、京都大学・戸田建設グループによって開発された「ハイブリッドスパー型」と呼ばれる形式を採用しています。コンクリートは水圧や錆にも強いため、これを浮体下部に用いることでコストダウンを図るとともに、重心を下げ安定性も向上させています。なお、ハイブリッドスパー型の商用規模浮体式洋上風力発電施設としては、今回の実証機が世界初となります。
実証機の形状・寸法は、一番深いところから風車翼(ブレード)の先端までの全長が172mで、海面上に浮いて見える部分の高さは96mとなります。また、円筒径は最大で7.8m、総重量は約3,400トンです。
風車は、日立製作所が開発した、風車ローター面がタワーの風下側となるダウンウィンド型と呼ばれる形式を採用しています。ダウンウィンド型風車は、台風や雷などが多い日本の自然環境に適合した風車で、浮体式洋上風力においては、アップウィンド型と比較して発電効率の向上が期待できるほか、風見鶏効果によりローターが自然に風を受け流すため、風荷重を低減でき、スパー型浮体との組み合わせでは特に動揺安定性に優れています。【設置までの経緯及び今後のスケジュール】
平成24年度に小規模試験機が遭遇した台風は、過去最大級のものであったため、その観測結果を反映させるべく、実証機の詳細設計の見直しを行いました。その後、実証機設置に当たり必要となる許認可等を取得して製造を開始、岸壁にて鋼製部とコンクリート部を連結させた浮体部を五島市椛島周辺海域まで運搬して建起し、風車の組立、その後所定位置への曳航、係留及び海底ケーブルの接続作業を行いました。また、本事業の当初より環境への影響調査を実施しており、鳥類や魚類、海棲ほ乳類などへの影響も確認されていないことから、本事業の浮体式洋上風力発電施設が自然環境に与える影響は小さいと考えられています。
なお、この実証機は、今後環境への影響や施設の動揺・発電状況等を観測していきます。
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・戸田建設 : Vol.1 浮体式洋上風力発電 戸田建設の挑戦編
関連エントリー
京都大学、佐世保重工業など、浮体式洋上風力発電プラットフォームの10分の1モデルの実海域実験を実施-----ソフトエネルギー、2009/09/09
・京大、戸田建設ら、環境省の五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストを開始----ソフトエネルギー、2012/06/14
参考エントリー
・福島、浮体式ウィンドファーム実証研究事業(第1期)の今後の予定。順調なら11月運転開始-----ソフトエネルギー、2013/10/21
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