古河電工とビスキャス、福島沖2MW浮体式洋上風車と変電所の連結に新技術を開発
古河電工とビスキャスは、福島沖2MW浮体式洋上風車用に風車と洋上サブステーション(変電設備)を海中で接続する特高圧ライザーケーブルを開発し、清水建設は、実海域での同ケーブルの敷設に成功しました。リリースによると、
「特高圧ライザーケーブルは水中で浮遊し、浮体式設備の動きや波・潮流にダイナミックに追従する電力ケーブルで、こうしたケーブルの開発・製作、ならびに実海域での敷設は世界的にも例がありません。」
とのことです。
特高圧ライザーケーブルの製作し、一部接続工事も行ったビスキャスは、古河電気工業とフジクラが、各50%出資して作られた、高圧・超高圧電力ケーブルと関連機器の設計、製造、施工を行う企業。今回敷設された特高圧ライザーケーブルとしては、楢葉町から引いてきた海底ケーブルと変電設備を連結する電圧66kVのケーブル(0.9km×1本)と、変電設備と発電設備を連結する電圧22kVのケーブル(2.3km×1本)を作成。厳しい海洋の送電に長期に耐える仕様になっているということです。外径・重量は、22kV用が146㎜・約42㎏/m、66kV用が175mm・約52㎏/mだということです。
風力発電機と陸上の送電施設をつなぐ、洋上サブステーション(66KV/22KV変電所)は、8月27日に洋上のにおける係留作業が完了されたもので、喫水約50m、水面からの高さ60mでヘリポートなどを備えた巨大な浮体式の設備です。あまり、資料や写真などが見つからずに、ますます興味津々です。今後、詳しいリポートなどする通信・新聞社の動きに期待しています。
プレスリリース / 古河電工、2013年10月2日
・世界初!浮遊式海中ケーブルで浮体式の風力発電設備と変電所の連結に成功
-----image : 同リリースより。下-「..敷設状況」-----
"福島復興浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業経済産業省による「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」において、古河電気工業(株)、(株)ビスキャスが浮体式の2MW 洋上風力発電設備(発電設備)と洋上サブステーション(変電設備)等を海中で電気的に連結する特高圧ライザーケーブルの開発・製作、清水建設(株)が実海域での同ケーブルの敷設にそれぞれ成功しました。
特高圧ライザーケーブルは水中で浮遊し、浮体式設備の動きや波・潮流にダイナミックに追従する電力ケーブルで、こうしたケーブルの開発・製作、ならびに実海域での敷設は世界的にも例がありません。
古河電気工業(株)と清水建設(株)は、「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」を経済産業省から受託した、10企業・1大学からなる福島洋上風力コンソーシアムの構成企業です。実証研究事業では、古河電気工業(株)は浮体式洋上ウィンドファームにおける送電システム全般の開発を、ビスキャスが特高圧ライザーケーブルの製作、接続工事をそれぞれ担当。清水建設(株)は新日鉄住金エンジニアリング(株)とのJVにより、楢葉町から約20km離れた海域への浮体式洋上風力発電設備の曳航・係留、楢葉町と係留海域を結ぶ海底ケーブルの布設・埋設、ライザーケーブルによる発電設備と変電設備との連結等を担当しました。
今回、敷設した特高圧ライザーケーブルは、楢葉町から引いてきた海底ケーブルと変電設備を連結する電圧66kVのケーブル(0.9km×1本)と、変電設備と発電設備を連結する電圧22kVのケーブル(2.3km×1本)から構成されます。外径・重量は、22kV用が146㎜・約42㎏/m、66kV用が175mm・約52㎏/mです。長期にわたる使用においても、ケーブルの弱点である海水が内部に浸透しない優れた遮水性能と耐疲労特性を備えた構造になっています。両ライザーケーブルとも、浮体式設備から海底に至るまでの中間点にブイを取り付け、海中でS字を描くように設置します。S字の部分が浮体式設備の移動・浮き沈みに追随する調整シロとなります。ケーブル開発に当たっては、古河電気工業(株)の挙動解析技術が威力を発揮しました。
一方、実海域における特高圧ライザーケーブルの敷設は、潮流や波浪の影響を受ける非常に難易度の高い工事です。清水建設は海洋深層水取水施設の施工等で培った高度な海洋工事技術を駆使して、水中での形状(S字形)管理、形状を維持するためのケーブル長の調整、ケーブル端末と浮体式設備の連結等の作業に当たり、施工上の課題を克服しました。
現在、係留海域では、発電設備と変電設備を連結するライザーケーブル中央部の埋設工事が最終段階を迎えており、数日内にも竣工する見込みです。
参考
福島洋上風力コンソーシアムの構成
丸紅(株)、東京大学、三菱商事(株)、三菱重工業(株)、ジャパン マリンユナイ テッド(株)、三井造船(株)、新日鐵住金(株)、(株)日立製作所、古河電気工業(株)、 清水建設(株)、みずほ情報総研(株)正式事業名称
平成23年度 浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業
委託者: 経済産業省資源エネルギー庁
風力発電設備と変電設備の据付位置
風車-北緯37度18分37.9秒、東経141度15分45. 秒
変電設備-北緯37度18分38.9秒、東経141度14分24.3秒
株式会社ビスキャスの概要
所在地: 品川区東品川4丁目12番2号 品川シーサイドウエストタワー
社長: 佐久間 進
設立: 2001年9月26日
資本金: 121億円
株主: 古河電気工業株式会社、株式会社フジクラ(各50%)
業容: 高圧・超高圧電力ケーブル、送電・配電用電線及 び関連機器・システムの設計、製造、施工
関連
・世界初!浮遊式海中ケーブルで浮体式の風力発電設備と変電所の連結に成功-----ビスキャス、2013年10月2日
・世界初!浮遊式海中ケーブルで浮体式の風力発電設備と変電所の連結に成功-----清水建設、2013.10.02
・福島洋上風力コンソーシアム / 海上工事 - 洋上サブステーション 洋上サブステーションの係留作業のお知らせ(作業完了)【福島県沖合】(2013.10.05,PDF)
-----image : 上下とも、上記リリースより-----
追加情報
・福島復興・浮体式ウィンドファーム実証研究事業 2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備および浮体式洋上サブステーションの設置完了・運転開始について-----福島洋上風力コンソーシアム、2013.11.11
参考
・丸紅 リリース / 2013年6月28日 福島復興・浮体式ウィンドファーム実証研究事業の進捗について(PDF)
-----image : 上記リリースより
"..........
3. 今後のスケジュール
本年10月からの運転開始に向けた今後のスケジュールは下記の通りです。
※気象・海象条件により、スケジュール変更が生じる可能性があります。
<2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備>
6月28日 三井造船千葉事業所より福島県小名浜港への曳航開始
7月上旬 小名浜港到着
7月上旬-中旬 電気工事ならびに電気系試験実施
7月下旬-8月初旬 実証研究実施海域への浮体曳航ならびに係留作業実施
<66kV浮体式洋上サブステーション>
7月上旬 ジャパンマリンユナイテッドにて、南本牧埠頭より実証研究実施
海域への曳航開始
7月中旬 実証研究実施海域での浮体係留作業実施
<海底ケーブル>
7月下旬-8月下旬 ライザーケーブル積込、実証研究実施海域において敷設・埋設
8月 ケーブル接続
9月上旬 試運転開始
.......... "
・福島県沖2MW浮体式洋上風力発電機、10月稼動に向けて準備が進んでいます-----ソフトエネルギー、2013/06/26
・福島県沖の浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業の2015年までの内容と実施体制が発表されました-----ソフトエネルギー、2012/03/07
コメント続き
できる前は、思ったより風が吹きそうにない場所なのではないかとか、コストが高そうだから競争力の点で、海外と比べて不利だとかいろいろ、勝手に心配してましたが。できてくると、さらに勝手なことに、期待が膨らんできました。
洋上風力の技術や運用では、海外とは相当な開きがあります。しかし、浮体式はすでにリードを稼いでいる点も多々あります。是非、成功させていただきたい! 関係者のみなさん! よろしくお願いいたします。
参考
・浮体式洋上風力発電 Floating Wind Turbine 再生可能エネルギーまめ知識
福島沖、浮体式洋上風力発電施設の風車が完成
(asahicom,2013/10/04)
"変電設備も洋上に浮かぶ"---asahicom https://t.co/gCBr4B0ugZ #renewjapan #renewwind #offshore #floating コメ-行って見たい。のりてぇー pic.twitter.com/KYr13JNIhP
— greenpost (@greenpost) October 6, 2013
ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。
greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2-----しなやかな技術研究会 まとめ
[PR]
| 固定リンク
« 電源開発(Jパワー)、北海道新得町に維持流量利用の最大470kWくったり水力発電所の建設開始 | トップページ | 住友商事と富士電機ら、インドネシアの35MW カモジャン地熱発電所5号機 建設工事を受注 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント