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ホンダ、ホンダソルテックの事業終了を決定。CIGS太陽電池の製造・販売から撤退

 ホンダは、ホンダソルテックの事業終了を決定し、CIGS太陽電池の製造・販売から撤退することを発表しました。ホンダソルテックは、2006年12月に設立され、CIGS薄膜太陽電池の製造および販売を行ってきました。30メガワットの生産能力をもつ熊本県菊池郡大津町の生産工場他、埼玉と大阪に営業拠点を構え、住宅用太陽光発電の分野で、事業展開を行ってきました。メガソーラーでは、2013年8月に埼玉県の寄居工場の建屋屋上に2.6MWpの規模のものを完成させています。

 以前からそれほど売れていないよな、とは感じて営業などを拝見してきました。朝日新聞によると、2010年度に年間12万6千枚だった販売は、12年度には9万枚に減少し、赤字が定着。事業改善の見込みなしと判断されることになった、とのことです。

 2013年9月末時点の従業員数は、91名で、退職が求められるということです(熊本日々新聞では、配置転換などを検討)。なお、これまで販売された太陽電池に関するサポートは、「ホンダ開発」を窓口とし、引き続き継続するということです。

 ホンダソルテックの最後となるであろう最新型のHEM140PSBのスペックは、

[ HEM140PSB 住宅用は HEM140PCB  ]

セル種類 CIGS
公称最大出力(W) 140
公称最大出力動作電圧(V) 75.3
公称最大出力動作電流(A) 1.86
公称開放電圧(V) 94.7
公称短絡電流(A) 2.10
積雪 99cm以下
静荷重(Pa) 2,400
外形寸法(mm)幅×奥行×高さ 1,417×791×37
質量(kg) 14.3

※表記の数値はAM1.5、日射強度1kW/m2、モジュール温度25℃でのHonda計測値です。
※実使用時の出力は、日射強度、設置条件(方位、角度、周辺環境)、地域差及び温度条件により異なります。
JET認証書番号:PV27-53207-1005

 セル変換効率は、12.5%で、希望小売価格 76,650円(消費税込)。


 この技術が継続されず、このタイミングで消えるのは、なんとも切ないです。ホンダさん。


プレスリリース / Honda,2013年10月30日
太陽電池事業子会社 ホンダソルテックの事業終了について
"

Hondaは、子会社で太陽電池事業を手がける(株)ホンダソルテック(略)の事業を終了し、太陽電池の製造・販売から撤退します。

Hondaが独自開発したCIGS薄膜太陽電池は、銅-インジウム-ガリウム-セレン(CIGS)の化合物を素材とした薄膜で形成されており、製造過程における使用エネルギーが少なく、また、幅広い太陽光に反応する性質により、影、熱、天候などの影響を受けにくい太陽電池として、会社設立当時は高い製品競争力を有していました。

その後、商品競争力の維持・向上に努めてまいりましたが、シリコン価格の下落に伴うシリコン結晶系太陽電池パネルの値下げなど、ソーラーパネル業界の著しい競争環境の変化の中で、当初の事業計画達成の見込みが立たず、これ以上の事業継続は困難と判断いたしました。

ホンダソルテックは2014年春に事業を終了し、会社を解散する予定です。なお、受注につきましては、来年2月中旬で終了とさせていただきます。また、これまで販売したHonda太陽電池システムのアフターサービスにつきましては、Hondaの関係会社であるホンダ開発(株)を窓口とし、引き続き同様のサービスをご提供いたします。

なお、再生可能エネルギーの普及に向け進めております発電および売電や、家産家消による循環型エネルギーマネージメントを目指したHondaスマートホームシステムの研究開発などは、今後も継続して行ってまいります。

【株式会社 ホンダソルテック 概要】
設立 2006年12月
本社所在地 熊本県菊池郡大津町大字平川2042番地
(本田技研工業株式会社 熊本製作所敷地内)
営業拠点所在地 埼玉県和光市、大阪府大阪市、熊本県菊池郡
資本金 40億円
出資形態 本田技研工業株式会社 100%出資
代表者 社長:今井 彰
従業員数 91名(2013年9月末時点)
事業内容 太陽電池、発電機、電気機械器具及び精密機械器具の研究開発、製造、販売及び修理

<工場概要>
敷地面積 25,000m2
工場床面積 11,080m2
累計投資金額 約70億円
生産能力 約30メガワット
.......... "

関連
ホンダソルテック
Honda_soltec_20131030_site
-----image : 上記サイト(なお、のサイトでは2013.10.30日付けで重要なお知らせ、として今回のリリースへのリンクが掲示されました)

Honda to Discontinue Operations of Honda Soltec, a Photovoltaic Subsidiary-----HONDA,October 30, 2013

ホンダ、太陽電池事業から撤退「事業計画がある意味甘かった」-----レスポンス、2013年10月30日(水) 22時09分

ホンダ、太陽電池から撤退 熊本の事業会社を解散へ-----朝日新聞、2013年10月30日(23時51分)

"ホンダは30日、太陽電池事業から撤退すると発表した。中国メーカーの参入などで価格が下がり、採算が合わなくなったためだ。太陽電池を製造・販売する子会社「ホンダソルテック」(熊本県大津町)を来春解散する。従業員91人には退職を求める。
.......... "


参考
・Honda 環境への取り組み : 太陽電池

・Honda : Direction : 里山の自然を創出する新・寄居工場の試み

"国内自動車工場最大の2.6MWメガソーラー発電"

ホンダソルテックが最大出力140Wの住宅用太陽電池モジュールを発売 「PVJapan 2012」に出展-----Honda,2012年12月04日
P121204
-----image(”住宅用太陽電池モジュール「HEM140PCB」”) : 上記サイトより

【EU PVSEC】ホンダ、CIGS型太陽電池のモジュール変換効率を15.2%に-----TechOn!,2013/10/04

"..........
モジュールの寸法は921mm×731mm。製品レベルの大きさのモジュール変換効率としては、2013年6月に台湾TSMC Solar社が15.7%(面積は1.09m2)の成果を発表している
..........
なお、15.2%を達成したモジュールの開放電圧は232.6V、短絡電流は0.601A、曲線因子は0.732、最大出力は102.3Wである。
.......... "


コメント続き

 従業員91名につていは、退職が求められるということですが、熊本日々新聞では、配置転換などを検討となっています。いずれにしろ、熊本の地元にとっては痛手です。

ホンダ、太陽光パネル撤退 ソルテックは閉鎖へ-----熊本日々新聞、2013年10月30日

".....従業員約90人についてはグループ内の配置転換などを検討する....."

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ニッケグループ(日本毛織)、兵庫に16.8MWpニッケまちなか発電所明石土山メガソーラーを一部運開

 ニッケグループ(日本毛織)、16.8MWpニッケまちなか発電所明石土山メガソーラーを一部運転開始しました。 兵庫県加古郡稲美町の元ゴルフ場などの敷地約6万7千坪(22万1千平方メートル)坪に、太陽電池54,852枚を設置して16.8MWpの大規模太陽光発電所を建設する計画です。今回は、この計画のうちおおよそ11MWp分が完成したということです。太陽電池メーカーなどの情報は公開されていません。

 このメガソーラーのユニークなところは、ニッケグループの本業である繊維関連事業を象徴するように、一部1万5千平方メートル分を区切り、羊を 3 頭放牧し、除草を行おうという計画です。リリースには、「ソーラーパネルが広がる無機質な空間に弊社のコア事業に関わりの深い羊による癒し効果を提供し、地域住民との交流や企業 PR を目的」とあり、プラスアルファの効果も期待されています。
 

プレスリリース / ニッケグループ(日本毛織)、2013/10/07
ニュースリリース / ニッケまちなか発電所明石土山開業のお知らせ(PDF)

Nikke_168mw_solar_hyogo
-----image : 同リリースより

" 2012年5月25日に発表いたしましたメガソーラーによる電気販売事業は、ニッケまちなか発電所明石土山が完成し、 電気販売事業を開始する運びとなりましたので、お知らせいたします。

【当該事業の概要】
正式名称:ニッケまちなか発電所明石土山
所 在 地:〒675-1112 兵庫県加古郡稲美町六分一 1181-3
敷地面積:221,685.06 ㎡(67,059.73 坪)
総出力(パネル):16,817Kw(うち 5,782Kw は来春に稼働予定)
パネ枚数:54,852 枚(うち 18,068 枚は来春に稼働予定)
環境貢献効果:①一般家庭換算 3,850世帯 ②CO2削減量 5,733t

【羊の飼育】
 なお、当該敷地のうち、15,000 平方メートルを区切り、羊を 3 頭放牧いたします。ソーラーパネルが広がる無機質な空間に弊社のコア事業に関わりの深い羊による癒し効果を提供し、地域住民との交流や企業 PR を目的としております。
 本年 5 月末日より 1 ヶ月間の試験期間を経て、発電所開業に合わせて飼育を開始いたしました。
.......... "


コメント続き
 
 現時点の設備容量が、おおよそ11MWpで、メガソーラーランキングのトップ10入りです。

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

"No.6
●ニッケまちなか発電所明石土山(ニッケグループ) 兵庫県加古郡稲美町 11MWp (来春 5,782Kwプラスで16.8MWp) 2013年10月一部完成"

参考エントリー
日本のメガソーラー トップ10の太陽光発電所は、すべて10MWp超えに-----ソフトエネルギー、2013/10/24

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オオブユニティ、愛知県大府市で生ごみや廃棄食品からバイオガス発電を計画。出力600kW

 愛知県の廃棄物関連事業などを行うオオブユニティは、大府市で生ごみや廃棄食品からバイオガス発電所を建設すると発表しました。出力は、600kWで、メタン発酵ガス化発電では中部地区最大級だということです。利用するバイオマス資源は、生ごみ、食品廃棄物、農業集落排水汚泥、し尿などで、総事業費は24億円。2014年1月に着工し、2015年10月稼動を予定しています。完成後は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度により、中部電力に売電、買取価格は1kWhあたり39円が見込まれています。さらに、発電に利用したあとの発酵残渣については、メタン発酵堆肥や乾燥汚泥燃料として、地域で利用する予定です。

 今回のプロジェクトは、農林水産省のバイオマス産業都市の第一次選定地域に採択されて実施されます。他地域についても、興味深いテーマが上がっています。折を見て、情報を集めてみたいです。


プレスリリース / オオブユニティ、13.10.18
バイオガス発電施設の建設決定について

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-----image : 同リリースより

"オオブユニティ株式会社(略)は、愛知県大府市にメタン発酵ガス化発電では中部地区最大級となる、バイオガス発電施設の建設を決定いたしました。

 本事業は、大府市が7府省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)の担当副大臣・政務官で構成するバイオマス活用推進会議において、2013年6月11日にバイオマス産業都市の第一次選定地域として認定されたことに伴い、大府市が策定した「大府市バイオマス産業都市構想」を具現化するものです。

 大府市や周辺地域から発生する生ごみや廃棄食品・廃飲料、有機泥状物等、多種多様なバイオマス資源を原料として受け入れ、微生物の働きで発酵分解させてバイオガスを回収し、ガス発電機の燃料として利用します。発電した電力は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用し売電する予定です。また、発酵後の残渣は堆肥に加工し利用します。

 本施設は、不適物の混入、塩分や油分の含有、高含水率等、飼料化や肥料化ではリサイクルが難しく、まだまだ焼却処理されている有機性廃棄物を幅広く受け入れることが可能であるため、分別・管理コストや収集コストの低減を図ることができ、食品リサイクル率の向上に大きく寄与する環境合理性の高いシステムです。
..........
※建設には農林水産省の「地域バイオマス産業化推進事業(地域バイオマス産業化整備事業)」の補助金交付を受けております。
..........
<事業概要>
建設場所:愛知県大府市横根町惣作236-1
(オオブユニティ(株)リサイクルプラント横根工場)
発電出力:600kW
年間発電量:約5,000MWh(一般家庭約1,300世帯の年間消費量に相当)
受入能力:70t/日
着工予定:2014年1月
稼働予定:2015年10月
総事業費:24億円
.......... "

関連
バイオマス産業都市の第一次選定地域として決定されました-----大府市、2013年6月12日

バイオマス産業都市の第一次選定結果及び認定証授与式の開催について-----農林水産省、平成25年6月12日
- 第一次選定地域のバイオマス産業都市構想
Aichi_oobu_biogas_gaiyou
-----image : 「大府市バイオマス産業都市構想(愛知県) PDF」より

生ごみや廃棄食品からバイオガスで発電、堆肥も生成して農業に生かす-----スマートジャパン、2013年10月28日


コメント続き

 農林水産省のバイオマス産業都市の第一次選定地域に採択された案件です。

・十勝地域バイオマス産業都市構想(北海道)-----十勝19市町村が共同で、十勝の豊富で多様なバイオマスを、十勝全域で多段階かつフルに活用し、食と農林漁業と一体となった「十勝の農・食・エネ自給社会」と「フードバレーとかち」の実現を目指す。

[豊富な家畜排せつ物のバイオガス熱利用・発電/消化液の肥料使用による地域循環型農業の構築/バイオエタノールプロジェクト-地産地消による地域循環型エネルギーシステム構築/BDFプロジェクト/木質バイオマスプロジェクト-熱利用・発電などエネルギー利用]

 
・下川町バイオマス産業都市構想(北海道)-----森林を中心とするバイオマス総合産業を軸に、環境にやさしく災害に強いエネルギー完全自給型の地域づくりを進め、雇用の創出と活性化につなげ、地域に富が還元・循環されるまちの実現を目指す。
[林業システム革新-未利用森林資源の効率的・低コスト収集・運搬システムの確立。国有林との協定による共同施業団地の拡大。地域外民有林等からの原料収集システム確立。森林・林業大学校の開校/森林生産・利用の一連工程のシステム化/小規模分散型再生可能エネルギー供給システム整備-木質バイオマス発電施設
。小学校周辺地域熱供給システム/ヤナギのエネルギー利用。ススキのペレット化]

・別海町バイオマス産業都市構想(北海道)-----全国一の酪農と一体となった大規模バイオガスプラント事業
を軸に、水産系、食品系を含む総合的なバイオマス利活用による持続可能な循環型「食」のまちづくりを目指す。

[酪農と一体となった大規模バイオガスプラント事業-家畜排せつ物、水産廃棄物、生ごみ、乳牛汚泥等のバイオガス化(売電、余熱による施設園芸)と消化液の農業利用/隣接する中標津町との広域連携モデルの構築(中長期)]

・東松島市バイオマス産業都市構想(宮城県)-----「東松島市復興まちづくり計画」の実現に向けて、地域のバイオマスを総動員し、農林水産業・新エネルギー・観光の融合による「防災自立都市」東松島市の実現を目指す。

[バイオガス発電事業-県内の事業系食品残渣・有機汚泥等のバイオガス化・堆肥化・発電。排ガス・熱・CO2を植物工場・農業6次化施設に活用。消化液の液肥利用・藻類培養。固形物残渣の堆肥販売/木質バイオマス発電事業/スマートグリッド整備]

・牛久市バイオマス産業都市構想(茨城県)-----9市町村による地域連合バイオディーゼル燃料化事業
と木質・食品系バイオマス利用事業を軸に、太陽光発電、蓄電池や次世代自動車導入促進の取組を組み合わせ、「災害に強く地球温暖化を防止する地域循環型社会スローシティ」の実現を目指す。

[地域連合バイオディーゼル燃料化事業-9市町村の地域連合による広域BDF燃料化事業(廃食用油約150万L /年。4市町とは協定締結済)。高品位BDF製造ライン設置とBDF生産施設の統合。遊休農地を利用したなたね、ひまわり等の栽培/木質バイオマス(剪定枝等)の利活用/食品廃棄物の堆肥化(生ごみの分別回収と堆肥化の拡大)/し尿汚泥利活用、野菜未利用部分の堆肥化・バイオガス化、稲わら・もみ殻の炭化利用/防災拠点となる公共施設に太陽光発電及び蓄電池を設置/次世代自動車導入促進のため、市内各所に充電器を設置]

・新潟市バイオマス産業都市構想(新潟県)-----下水処理施設を拠点とする多種バイオマスとの混合消化事業と植物由来廃棄物の徹底活用事業を軸に、「田園型環境都市新潟」の実現を目指す。

[下水処理施設を拠点とする多種バイオマスとの混合消化事業(刈草、コーヒー粕、集落排水汚泥等)/植物由来廃棄物等の徹底活用事業-木質バイオマス利活用。廃食用油からのBDF活用事業(公用車のほか下水処理場の動力源に活用)。木質ペレット利用拡大(市有林から民有林に拡大)。乾燥生ごみ拠点回収・堆肥化、学校給食残渣の飼料化・堆肥化。地域循環型バイオエタノール事業の促進]

大府市バイオマス産業都市構想(愛知県)-----知多地区(5市5町)において、生ごみバイオガス発電施設を拠点に、他の諸施設との有機的連携により、バイオマス資源とエネルギーを地産地消する「都市近郊型バイオマス・新エネルギー利活用ネットワーク」の構築を目指す。

[生ごみバイオガス発電施設の整備(処理量70t/日、発電量1.5万Kwh/日)-食品廃棄物、し尿等からのバイオガス発電(FITで売電)。メタン発酵堆肥の園芸肥料販売。乾燥汚泥は燃料利用/知多地区におけるバイオマス・新エネルギー利活用ネットワークの構築(愛知県、知多5市5町、名大、豊橋技大等)]

・三豊市バイオマス産業都市構想(香川県)-----国内初のトンネルコンポスト方式による食品残渣、木質等からの肥料・固形燃料製造事業(バイオマス資源化センター)と竹資源利活用事業を軸に、太陽光や小水力の導入促進の取組を組み合わせ、「廃棄物のないまち、環境にやさしいまち三豊市」の実現を目指す。

[食品廃棄物等資源利活用事業(バイオマス資源化センター)-国内初のトンネルコンポスト方式(発酵・乾燥・脱臭)による食品。残渣、木質原料、家庭系一般廃棄物からの肥料・固形燃料製造と減農薬有機農産物生産。/竹資源利活用事業-竹チップからの高機能パーティクルボードの製造/家畜排せつ物・家庭剪定枝等堆肥化、木質バイオマスのチップ・ペレット化、カキ殻の肥料・漁礁資材利用等/大規模太陽光発電、住宅用太陽光発電、小水力発電の導入]

 なかなか盛りだくさんです。各プロジェクトの今後の展開と成果に期待しております。

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九州電力、維持流量利用の330kW一ツ瀬維持流量発電所の営業運転を開始

九州電力は、維持流量利用の330kW一ツ瀬維持流量発電所の営業運転を開始したと発表しました。一ツ瀬維持流量発電所は、水力発電所規模ランキングでトップ10の規模を誇る、昭和38年開業の一ツ瀬(水力)発電所、最大出力180,000kW を擁する一ツ瀬ダムの維持流量を利用した小規模な水力発電施設です。
 河川維持流量とは、ダム下流の生態系の保護など河川環境の維持のために必要な用水をさし、これまで未利用な水力利用エネルギー源として、固定価格買取制度の施行以来、全国的に利用が進んでいる発電の形です。

 九州電力では、330kW一ツ瀬維持流量発電所により、一般家庭約600世帯が1年間に使用する電力量に相当する年間発電電力量、約220万kWhを想定しています。年220万kWhの電力を平均的な太陽光発電所で発電する場合の設備容量は、おおよそ2200万kWp(約2232kWpで、2.2MWpのメガソーラーに該当)ですので、単純に設備容量を比較した場合、約6.7倍の貢献度となります。
 独立系の太陽光発電:風力発電:水力発電の同じ設備容量における貢献度は、1 : 3 : 8程度といわれてきましたので、基本的には24時間稼動することも可能と考えられる水力発電の力の大きさがわかります。連系の場合、1 : 2.5 : 5~6 程度になる見当かなと思っています。

 10月26日の読売新聞によると、「維持流量発電所は九電管内では6か所目。いずれも宮崎県内にあり、合計出力は2190キロ・ワット」だということです。大型ダムでの水力発電に比較すると、まるで落穂ひろいみたいと表現される維持流量利用の小水力発電ですが、たった330kWの規模で、2.2MWpのメガソーラーに匹敵する発電量を期待できると考えれば、多くの人が見直すと思います。

 素晴らしい、小水力発電。今回の施工にかかった総額を調べて、コスト面でも太陽光発電などと比べて正当に評価し、世の中にアピールしていくことが必要です。
 

プレスリリース / 九州電力、平成25年10月25日
一ツ瀬維持流量発電所の営業運転開始について

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-----image : 同リリースより

"..........宮崎県西都市において一ツ瀬維持流量発電所の建設を進めてまいりましたが、電気事業法に基づく使用前自主検査を終了し、本日、営業運転を開始しましたので、お知らせします。

 本発電所は、水資源の有効活用を図るため、未利用エネルギーであるダムからの河川維持流量※1を利用した最大出力330kWの水力発電所です。なお、年間の発電電力量は約220万kWhを想定しており、これは一般家庭約600世帯が1年間に使用する電力量に相当します。

 当社は、今後も地球温暖化への対応及び国産エネルギー有効活用の観点から、 再生可能エネルギーの積極的な開発、導入に努めてまいります。

※1 河川維持流量・・・ダム下流の生態系の保護など河川環境の維持のために必要な用水

〔一ツ瀬維持流量発電所の概要〕
発電所所在地: 宮崎県みやざきけん西都市さいとし
水系及び河川名: 一ツ瀬川水系一ツ瀬川
最大使用水量: 0.90m3/s
有効落差: 50.42m
最大出力: 330kW
年間発電電力量: 約220万kWh
.......... "

関連
・九州電力 : 宮崎の電力 / 宮崎県の発電所(2)

"..........
一ツ瀬川水系
...........
一ツ瀬
河川名 一ツ瀬川
....
最大出力(kW) 180,000
.....
ダム名 一ツ瀬ダム
.....
型式 コンクリートアーチ式
.....
有効貯水量(m3) 155,500,000
.....
運転開始 S38.6
.......... "

- 一ツ瀬発電所

宮崎に小水力発電所、九電が運転開始-----読売新聞、2013年10月26日

参考
・Wikipedia : 一ツ瀬ダム


参考エントリー
電源開発(Jパワー)、北海道新得町に維持流量利用の最大470kWくったり水力発電所の建設開始-----ソフトエネルギー、2013/10/04

続きを読む "九州電力、維持流量利用の330kW一ツ瀬維持流量発電所の営業運転を開始"

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旭化成FDKエナジーデバイス、世界最小クラスの15V(500F)リチウムイオンキャパシタを開発

 旭化成FDKエナジーデバイスは、世界最小クラスの15V(500F)リチウムイオンキャパシタを開発し、2013年11月からサンプル供給を開始、2014年6月から200台/月で量産を開始すると発表しました。リチウムイオンキャパシタ(Lithium-Ion-Capacitor : LiC)の用途は、太陽光発電や風力等の負荷平準化、建設・工作機器、電気自動車、瞬低対策装置、システム検証用途等です。太陽光発電、風力の負荷平準化用途としては、沖縄電力で宮古島マイクログリッドシステムで同社のリチウムイオンキャパシタはすでに導入され、実証実験が行われています。

沖縄電力、宮古島マイクログリッドシステムの設置工事を完了。既設の多良間島、与那国島、北大東と合わせて実証実験を開始-----ソフトエネルギー、2010/10/20

 この沖縄の宮古島では、4MWpの太陽電池と4000kWのNAS電池と200kWhのリチウムイオンキャパシターが、既存の、風力発電900kW×4基、600kW×1基。火力発電 21,500kW、40,000kW。ガスタービン発電 15,000kWなどに2010年に追加され、離島マイクログリッドシステムとしての運用となっています。そこに導入されたのは、EneCapTen(ECM045シリーズ)でした。
 そして、今回開発されたECM015シリーズは、約2ℓの容積(W:50 X L:210 X H:200)に2000F LiCセル4直列接続して収納された、世界最小クラスの15V(500F)LiCモジュールとなっています。
 リチウムイオンキャパシタは、充放電サイクル寿命が長く、安全で信頼性が高く、高温環境下での使用が可能ということで、リチウムイオン蓄電池にない充電池としての特性と、高電流の充放電を行うことができるキャパシターの特長を備えている充電池となっているとのことです。

 当初の量産が200台/月とのことですから、実証用途からの導入でしょうが、コストが下がり導入例が増えることで、数がでてくればいろいろ面白いことに利用できそうです。まずは、産業用、電気自動車関連、そしてやがては一般ユーザーまで手にできる製品になると”電気のハンドリングの形”に革命を起こすかもしれません。


プレスリリース / 旭化成FDKエナジーデバイス、2013年10月23日
Lithium-Ion-Capacitor新製品の発売について

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-----image(”左-単体 15V、右-4直列接続 60V”) : 同リリースより

"旭化成FDKエナジーデバイス株式会社(略、以下「AFEC」)は、このたびLithium-Ion-Capacitor※(以下「LiC」)の新製品を開発しましたので、お知らせします。

1.AFECのLiCビジネス
 AFECは、FDK(株)のLiCビジネスを承継しつつFDK(株)と旭化成(株)の共同出資(50:50)により2011年10月3日に設立された合弁会社であります。FDK(株)の持つ卓越した蓄電デバイス設計、製造技術と旭化成(株)の持つ革新的な材料技術を融合し、新たなLiC市場を創造すべくスタートいたしました。これまで負荷平準化市場、電源バックアップ市場および電力回生市場向けにEneCapTen(ECM045シリーズ)を展開してまいりましたが、このたびその融合化への第一歩として開発いたしました多様な用途向けのECM015シリーズで市場拡大を目指してまいります。2013年11月からサンプル供給を開始、2014年6月から200台/月で量産を開始いたします。また、市況に合わせて漸次増産を計画いたしております。
 さらに、2014年にはより広い用途に対応すべく、通信機能を有し放熱性や耐振性を高めた上位機種、並びに同サイズで約2倍の容量を持つ高容量タイプなどをラインアップしてまいります。

2.本製品の特長
 経済性(長いサイクル寿命)、高安全性、さらに環境にも配慮した(RoHS対応)以下の特徴を持つ製品となっております。
(1)世界最小クラスの15V(500F)LiCモジュール
約2ℓの容積(W:50 X L:210 X H:200)に2000F LiCセル4直列接続して収納

(2)多彩な組み合わせが可能
水平/縦置き/重ね置きの柔軟な接続/配置が可能。また、直並列を行うことでより多様な用途へ展開可能。(4直列接続[60V]まで各モジュール制御機能の連携が可能)

(3)ECM045シリーズの性能を継承
LiCの特長である低抵抗、高容量に加え、市場実績を反映させた高い信頼性、安全性に加えて以下の各種監視機能を内蔵・強化
セル電圧バランス機能
セル電圧監視機能
セル温度監視機能

3.主な用途
太陽光発電等の負荷平準化、建設/工作機器、AGV、瞬低対策装置、システム検証用途等

Asahikasei_capacitor_spec

-----image(”ECM015 製品(単体)の主な諸元”) : 同リリースより

【用語解説】
※:電気2重層キャパシタの正極と、Liイオン2次電池の負極を組み合わせたハイブリッド構造の蓄電部品。
.......... "

関連
旭化成FDKエナジーデバイス
/ リチウムイオンキャパシタとは
/ リチウムイオンキャパシタの 動作原理
/ リチウムイオンキャパシタの 安全性
/ リチウムイオンキャパシタの用途
/ リチウムイオンキャパシタの材料開発

/ 45Vモジュール
Asahikasei_capacitor_45v_image
-----image : 上記サイトより
"ECM045SRシリーズスタンバイ用途向けモジュール(定格:45V)
ECM045PRシリーズサイクル用途向けモジュール(定格:45V)"

/ 沖縄電力株式会社様マイクログリッドシステムに採用
Microgrid_2
-----image : 上記サイトより

リチウムイオンキャパシタ事業合弁会社設立について-----旭化成、2011年10月3日

"..........
旭化成FDKエナジーデバイス株式会社
..........
出資比率:FDK 51%、旭化成 49%
......... "

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日本のメガソーラー トップ10の太陽光発電所は、すべて10MWp超えに

 大阪の夢洲メガソーラー(10MWp)が、正式には確認できないのだが、どうやら運転開始しているようです。そして、11月1日から、鹿児島七ツ島メガソーラー発電所(70MWp)が稼動します。

 ということで、ついに日本のメガソーラーは、10MWpの大台を超えます。

 ランキング外になるのは、中部電力の愛知県のメガソーラーたけとよ(7.5MWp) です。上の二つのどちらかがランキング入りした段階で、選外になります。

 大きければいいとは思いませんが、世界的に太陽光発電所が大型化する中で、日本も一つの通過点としての太陽光発電の利用形態の一つとしての一つの、”ある” 道標を超えました。

現時点での国内メガソーラーランキング

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識より

No.1 大分市臨海工業地帯(大在地区6号地)メガソーラー 日揮 26.5MWp 2013 5月完成

No.2 九州ソーラーファーム7「みやま合同発電所」福岡県 21.8MWp 2013 3月完成

No.3 大村メガソーラー発電所(キューデン・エコソル)長崎県大村市寿古町 13.5MWp 2013 5月完成

No.4 扇島太陽光発電所(東京電力) 神奈川県川崎市川崎区扇島 13MWp

No.5 吉野ヶ里メガソーラー発電所(てるてるの森、佐嘉吉野ヶ里ソーラー合同会社-NTTファシリティーズ100%出資) 佐賀県神埼市神埼町大字志波屋 12MWp 2013年 7月完成

No.6 米倉山太陽光発電所(東京電力) 山梨県甲府市下向山町 10MWp

No.7 堺太陽光発電所(関西電力) 大阪府堺市西区 10MWp

No.8 岬太陽光発電所(ユーラスエナジー) 大阪府泉南郡岬町(多奈川地区多目的公園内/いきいきパークみさき) 10MWp 2013年 9月完成

No.9 カネカ鹿島工場西地区 メガソーラー(カネカ) 茨城県神栖市 10MWp(直流ベース12.7MWp) 2013年 10月完成

No.10 メガソーラーたけとよ(中部電力) 愛知県知多郡武豊町 7.5MWp


 まもなく(確認)できるランクイン予定案件

・夢洲メガソーラー「大阪ひかりの森」プロジェクト(大阪市) 10MWp 工事は2012年11月に開始。10月1日に運転開始とのことだが、現状未確認

・鹿児島七ツ島メガソーラー発電所(京セラ、鹿児島メガソーラー発電) 70MWp 11月1日稼動予定

追加情報
京セラ、IHI、70MWpの鹿児島七ツ島メガソーラー発電所を稼動-----ソフトエネルギー、2013/11/05


参考エントリー
メガソーラー世界ランキング(100MWp以上) 再生可能エネルギー豆知識

メガソーラー タイ Lopburi 太陽光発電所 73MWp

おすすめエントリー
ヤマハ発動機、三輪電動アシスト自転車とリヤカーをセットにした配送業務専用モデル PAS GEAR Cargo 発売-----しなやかな技術研究会、2013/10/24

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リポート ”木質バイオマスエネルギー利用の現状と課題(富士通総研)”  を読む

 富士通総研から、「木質バイオマスエネルギー利用の現状と課題 - FITを中心とした日独比較分析」というリポートが発表されました。森林バイオマス利用の基本的なルールが定められない中で、なしくずしに進むことへの懸念が多く指摘されている昨今、固定価格買取制度下で進む森林バイオマス利用という喫緊の課題について、先進国ドイツから学べることは多いです。貴重なリポートを是非お読みください。

リポート / 富士通総研、2013年10月
木質バイオマスエネルギー利用の現状と課題

"FITを中心とした日独比較分析 上席主任研究員 梶山 恵司

要旨
・戦後植林した木が成熟し、日本は世界でも有数の森林蓄積を有するまでになった。化石燃料の高騰や気候変動問題などから、木質バイオマス利用の優位性が高く、バイオマスは地域にとってまたとないビジネスチャンスを提供している。

・バイオマス利用で先行するドイツをみると、2000年のFIT導入を契機に、電力・熱利用ともに大幅に拡大するとともに、化石燃料を木質バイオマスに代替したことによって、地域資金の循環が生まれ、農山村に新しい富をもたらしている。

・日本でも2012年にFITが導入されて以降、多くのバイオマス発電計画がでてきている。しかしながら、そのほとんどは、①林業の現状からかけ離れた大型であること、②熱電併給ではなく発電のみで、エネルギーの無駄遣いとなること、③副産物利用が不十分でバイオマス燃料に適正価格をつけにくいことなど、多くの問題をかかえている。

・これは、現在のFIT制度、バイオマス発電の技術および規制に起因するところが大きい。このままでは、せっかくのバイオマス利用も、林業資本(森林所有者、森林組合、林業会社など)や木材産業にとってほとんどメリットを感じられないばかりか、発電事業者にとっても、将来の燃料価格上昇のリスクに無防備となり、経営的に不安定になりかねない。

・次回のFIT改正においては、バイオマス発電の規模の適正化、熱電併給の推進、残材利用の徹底をはかる制度とすること、および中小規模の発電をやり易くするような規制改革が不可欠である。これはまた、バイオマス発電のイノベーションを促し、健全な市場を構築するための前提でもある。

・バイオマスという新しいチャンスを活かすためには、林業資本が自らチップ生産・多様な販売先の確保を行うことが重要である。これによってはじめて、森林資源の最適利用と林業資本の価格交渉力発揮が可能となる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

”..........
目次
1. はじめに 巨大なビジネスチャンスをどう活かすか-----1

2. 日本のバイオマス発電の課題-----2
 2-1 林業の現状とかけはなれた大型発電-----2
 2-2 発電だけでは膨大なエネルギーロス4 -----4
 2-3 発電と熱とで燃料価格が一物二価となる問題-----5
 2-4 不十分な残材利用-----6

3. バイオマス利用の最適化-----8
 3-1 残材のカスケード利用の徹底 -----8
 3-2 資源の最適利用を促す制度 -----9
 3-3 林業資本がチップ生産を行う必要性-----10

4.ドイツの木質バイオマス発電市場の発展と評価-----12
 4-1 農山村に新しい富をもたらしたバイオマス利用-----12
 4-2 FIT による政策誘導の実際-----13
 4-3 バイオマス発電を支える技術とエンジニアリング-----15

5.バイオマス発電の経営分析-----18
 5-1 経営の安定に不可欠のカスケード利用-----18
 5-2 熱電併給の事業性と熱利用の実際-----20
 5-3 バイオマス発電の経営主体-----22

6. おわりに バイオマスの健全な発展に向けて-----24
.......... ”-----「木質バイオマスエネルギー利用の現状と課題- FITを中心とした日独比較分析 - [2,565 KB] PDF」より
.......... "

関連
・イベント11/5 【東京開催】日独バイオマスデー「木質バイオマスのエネルギー利用」-----富士通総研

2013年10月21日 研究レポート「木質バイオマスエネルギー利用の現状と課題- FITを中心とした日独比較分析 -」 -----イーズ未来共創フォーラム、2013.10.20


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経産省、風力発電のための送電網整備実証事業の補助事業者、北海道で2特別目的会社を採択

 経済産業省は、公募していた北海道内の風力発電のための送電網整備実証事業を担う補助事業者に関して、北海道内で2つの特別目的会社(SPC : Specific Purpose Company)を採択し発表しました。採択されたのは、以下の2グループによる事業体。

・日本送電株式会社 - 三井物産株式会社、丸紅株式会社、SBエナジー株式会社の出資による特定目的会社で、道北の日本海側のルート、増毛町から天塩川以南に至る地域において風力発電のための送電網整備実証事業を実施する。同地域の風力発電の導入ポテンシャルは、第一段階として300MW~600MW程度。
・北海道北部風力送電株式会社 - 株式会社ユーラスエナジーホールディングスの出資による特定目的会社で、道北の稚内・宗谷エリア、天塩エリア及び猿払・浜頓別エリアに至るいわば、オホーツク海ルート。おなじく、風力発電のための送電網整備実証事業を実施する。同地域の風力発電の導入ポテンシャルは、最大で1400MW程度。

 両社合計最大2000MW規模の送電網の整備が実施される予定です。北海道新聞によると、

「送電線のルートや用地を選定し、両地域とも10年以内の完成を目指す。その後、自ら風力発電を行い、費用を回収する計画。風力が安定している日本海側では、普及が進む洋上風力発電も計画する。

 投資総額は明らかになっていないが、経産省は必要経費の半額をSPCに補助する。2013年度予算で250億円を計上しており、14年度予算でも250億円を要求している。」

 とのことです。これで、道内の風力発電に関した送電網の整備は進みそうですが、日経にはこんな記事が掲載されていました。

北海道の風力発電、拡大には課題 本州との接続増強急務-----日本経済新聞、2013/9/18
"..........最終的には北海道電力の送電設備につなぐ。北電の受け入れ能力を増やす対策が必要。運用開始までの約10年で、本州とつなぐ送電線増強が急務.........."

 北海道と本州の間を結ぶ送電線である北本連系の現在の状況、そして予定されている増強でも不十分だという指摘です。風が吹いても、道内の需要が少ない地域では当然送電網も脆弱という現状から、海を渡り本州へ送電する、発電地域としての役割が期待される地域への改革には時間がかかりそうです。

 さらに、発電植民地化ではなく、需給地両者にメリットがでるかしこい施策が期待されるだけに、重要な問題をいくつも解決する必要があります。

 
プレスリリース / 経済産業省、平成25年10月21日
風力発電のための送電網整備実証事業の補助事業者を採択しました

" 本件の概要
 風力発電の適地であるものの送電網が脆弱なためその導入拡大に課題を有する地域における送電網の整備及び技術的課題の実証を行うため、経済産業省資源エネルギー庁は、平成25年度風力発電のための送電網整備実証事業の補助事業者として、日本送電株式会社及び北海道北部風力送電株式会社を採択しました。
..........
”1.事業概要
風力発電の適地であるものの、送電網が脆弱なため風力発電の導入拡大に課題を有する北海道及び東北地域の一部において、域内送電網の整備及び技術的課題の実証を行います。今年度は、北海道地域における事業を開始します。

2.採択決定
平成25年9月18日から10月9日までの期間において公募を行い、外部有識者からなる第三者委員会での厳正なる審査を踏まえ、補助事業者として以下の 2 者を採択しました。
今後、各補助事業者は開発可能性調査を実施し中間審査を行った上で、送電網の整備及び技術的課題の実証を行うこととなります。
日本送電株式会社(三井物産株式会社、丸紅株式会社、SBエナジー株式会社の出資による特定目的会社)
北海道北部風力送電株式会社(株式会社ユーラスエナジーホールディングスの出資による特定目的会社)

(別紙) 補助事業者及び事業内容について

① 日本送電株式会社
日本送電株式会社は、三井物産株式会社、丸紅株式会社、SBエナジー株式会社の出資による特定目的会社です。
本事業では、増毛町から天塩川以南に至る日本海側ルートを想定し、開発可能性調査を実施した上、中間審査でその継続実施が認められた場合、送電網の整備及びその技術的課題の実証を行います。
同地域の風力発電の導入ポテンシャルは、第一段階として300MW~600MW程度と見積もられておりますが、今後の事業の進捗に応じて精査・検証がなされることになります。

② 北海道北部風力送電株式会社
北海道北部風力送電株式会社は、株式会社ユーラスエナジーホールディングスの出資による特定目的会社です。
本事業では、稚内・宗谷エリア、天塩エリア及び猿払・浜頓別エリアに至るルートを想定し、開発可能性調査を実施した上、中間審査でその継続実施が認められた場合、送電網の整備及びその技術的課題の実証を行います。
同地域の風力発電の導入ポテンシャルは、最大で1400MW程度と見積もられておりますが、今後の事業の進捗に応じて精査・検証がなされることになります。
.......... ”-----「発表資料名 風力発電のための送電網整備実証事業の補助事業者を採択しました(PDF)」より
......... "

関連
北海道北部の送電網 丸紅など5社参入 風力200万キロワット分-----北海道新聞、10/19

"..........
SPCは送電線のルートや用地を選定し、両地域とも10年以内の完成を目指す。その後、自ら風力発電を行い、費用を回収する計画。風力が安定している日本海側では、普及が進む洋上風力発電も計画する。

 投資総額は明らかになっていないが、経産省は必要経費の半額をSPCに補助する。2013年度予算で250億円を計上しており、14年度予算でも250億円を要求している。"


関連エントリー
・Twilog greenpost : 北海道

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福島、浮体式ウィンドファーム実証研究事業(第1期)の今後の予定。順調なら11月運転開始

 各方面から注目されている、福島、浮体式ウィンドファーム実証研究事業(第1期)の今後の予定が発表されています。発表したのは、福島洋上風力コンソーシアムで、ここに名を連ねているのは、オールジャパンとも言える企業や研究機関などです。

<福島洋上風力コンソーシアム>

丸紅株式会社
国立大学法人 東京大学
三菱商事株式会社
三菱重工業株式会社
ジャパン マリンユナイテッド株式会社
三井造船株式会社
新日鐵住金株式会社
株式会社日立製作所
古河電気工業株式会社
清水建設株式会社
みずほ情報総研株式会社

 第一期の浮体式ウィンドファーム実証研究事業は、2MW浮体式洋上風力発電機の設置と海底ケーブルと陸上部送電網との連結、これを担う66kV浮体式洋上サブステーション(変電設備)の設置ですでに完了しています。
 今後の予定は、10月中旬に66kV浮体式洋上サブステーションの設定と試験、10月下旬にこのサブステーションおよび2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備の陸上部への接続・連系。そして、天候などが順調であれば、11月に運転開始となるということです。

 2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電については、以下に

福島県沖2MW浮体式洋上風力発電機、10月稼動に向けて準備が進んでいます-----ソフトエネルギー、2013/06/26
福島県沖の浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業の2015年までの内容と実施体制が発表されました-----ソフトエネルギー、2012/03/07

 66kV浮体式洋上サブステーション(変電設備)については、以下のエントリーに情報が若干あります。よろしければご覧ください。

古河電工とビスキャス、福島沖2MW浮体式洋上風車と変電所の連結に新技術を開発-----ソフトエネルギー、2013/10/07


プレスリリース / 福島洋上風力コンソーシアム、2013.10.11
福島復興・浮体式ウィンドファーム実証研究事業(第1期)の進捗について

News131011_ph001
-----image : 同リリースより-----
News131011_ph002

"丸紅株式会社(プロジェクトインテグレータ)、東京大学(テクニカルアドバイザー)、三菱商事株式会社、三菱重工業株式会社、ジャパン マリンユナイテッド株式会社、三井造船株式会社、新日鐵住金株式会社、株式会社日立製作所、古河電気工業株式会社、清水建設株式会社および、みずほ情報総研株式会社からなるコンソーシアム(「福島洋上風力コンソーシアム」)が2012年3月に経済産業省より受託しました「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」に関し、このたび第1期実証研究事業のうち実証研究実施海域における特別高圧ライザーケーブルの敷設が完了しました。ついては現時点での本事業の進捗状況並びに今後のスケジュールにつきお知らせします。

1.第1期工事概要
2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備1基、66kV浮体式洋上サブステーションおよび海底ケーブルの設置

2.現時点までの工事進捗状況
<2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備ならびに66kV浮体式洋上サブステーション>
実証研究実施海域に係留済み。
風力発電設備およびサブステーションの調整作業中。
<海底ケーブル>
陸上部と66kV浮体式洋上サブステーション間の特別高圧ライザーケーブル敷設・埋設済み。
66kV浮体式洋上サブステーションと2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備間の特別高圧ライザーケーブル敷設・埋設済み。
3.今後のスケジュール
本年11月からの運転開始に向けた今後のスケジュールは下記の通りですが、気象・海象条件により、スケジュール変更が生じる可能性があります。
.......... "

関連
丸紅 プレスリリース / 2013年10月11日
福島復興・浮体式ウィンドファーム実証研究事業(第1期)の進捗について[193KB]

追加情報
福島復興・浮体式ウィンドファーム実証研究事業 2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備および浮体式洋上サブステーションの設置完了・運転開始について-----福島洋上風力コンソーシアム、2013.11.11

ふくしまから 洋上風力発電 はじめよう。~浮体式洋上ウインドファーム実証研究事業~

(PrefFukushima,2013/10/28)


参考エントリー
浮体式洋上風力発電 Floating Wind Turbine 再生可能エネルギーまめ知識

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大和ハウス工業、甲府市に太陽熱と地中熱利用給湯システムを導入した次世代環境配慮型介護施設

 大和ハウス工業は、甲府市で太陽熱と地中熱利用給湯システムを導入した次世代環境配慮型介護施設「ディーズ スマート シルバー D’s SMART SILVER」の実証実験を開始すると発表しました。具体的には、山梨県甲府市の「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」において、晴天時は、太陽熱で温水を作り、給湯に利用。そして、日射量が少ない雨天・曇天時や夜間は、「地中熱ヒートポンプ」に切り替えることで、年間約70%の給湯に必要なエネルギーを削減することができるシステムだということです。 建物としては、全館LED照明や人感センサーの採用により、大幅なランニングコストを削減。さまざまな省エネ技術を駆使することで、1990年当時当社建築物と比較して約30%のCO2排出量を削減が可能です。

 同センターは、ネット情報によると、最大定員 68名の介護施設で、延べ床面積は、497.29㎡。150坪となっています。地域に展開しやすそうな規模です。大和ハウスでは、これらの実証を経て、環境配慮技術を、介護施設(有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅等)に採用していくとのことです。


プレスリリース / 大和ハウス工業、2013/09/30
当社初「太陽熱・地中熱利用給湯システム」を導入した次世代環境配慮型介護施設 「D’s SMART SILVER(ディーズ スマート シルバー)」の実証実験を開始

Release_20130930_02
-----image : 同リリースより
Release_20130930_01

" 大和ハウス工業株式会社(略)は、2013年10月1日より、施設で利用する給湯に太陽熱と地中熱を効率的に利用することで、給湯におけるCO2排出量を約70%(※1)削減する次世代環境配慮型介護施設「D’s SMART SILVER(ディーズ スマート シルバー)」の実証実験を、株式会社シダー様(略)が運営する山梨県甲府市の「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」で開始します。  今後、実証実験で採用・効果検証した環境配慮技術を、当社が設計・施工する介護施設(有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅等)に採用していきます。

 当社は、法人のお客さま向けの建築物について、2020年までに環境負荷「0(ゼロ)」(運用時のCO2排出量をゼロ)を目指す「Smart-Eco Project(スマートエコプロジェクト)」をスタートさせ、その第八弾として、「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」において当社初の独自技術を取り入れた「太陽熱・地中熱利用給湯システム」や、再生可能エネルギーを効率的に利用できる「エネルギーマネジメントシステム」を採用し、実証実験を開始することになりました。
※1.1990年当時の当社建築物と比較した場合(当社試算による)。

●ポイント
1.「太陽熱・地中熱利用給湯システム」により、再生可能エネルギーを最大限利用
2.パッシブ・アクティブコントロールとスマートマネジメントを駆使した次世代環境配慮型介護施設

1.「太陽熱・地中熱利用給湯システム」により、再生可能エネルギーを最大限利用
一般的なデイサービスでは利用者の入浴が毎日あり、施設全体に占める給湯エネルギーの使用割合が非常に高くなっています。 
「あおぞらの里 甲府南デイサービスセンター」では、「太陽熱・地中熱利用給湯システム」(※2)」を導入することで、夏季など日射量の多い日においては、施設で利用するほぼ全ての給湯を賄うことができるため、年間約70%(※1)の給湯エネルギーを削減することができます。
当システムは、晴天時は、太陽熱で温水を作り、給湯に利用します。また、日射量が少ない雨天・曇天時や夜間は、「地中熱ヒートポンプ」に切り替えることで、異なる種類の再生可能エネルギーを効率的に利用することができます。
※2.平成25年度再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策事業補助事業に選出。
.......... "

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佐賀の浮体式潮流・風力ハイブリッド発電装置 skwíd スクウィッド、運搬中に事故。水車部分が水中に落下

 10月17日に予定されていた三井海洋開発の”浮体式潮流・風力ハイブリッド発電 skwíd(スクウィッド)の落成式は、事故により延期されました。このユニークな発電機は、浮体式で上部が垂直軸の風力発電機、そして海中にも垂直軸の潮流発電機を擁する複合型の発電装置です。
 事故については、報道によると、10月10日に香川県を出発し、目的地の唐津市に向かっていた運搬船から、海中に沈めた状態で運搬されていた、水中で回転する水車部分、高さ約15mの固定索がなんらかの理由ではずれ、福岡県門司港沖北西約25キロ地点で海中に没したとのことです。

 これにより、実証実験の今後について、実施も危ぶまれる状況も伝えられています。
 なお、装置は全長約63メートル、円盤状の浮体は、幅29メートルで、上部の風車の高さ47メートル、今回海中に没した部分が、高さ約15mということです。かなり大きな実証機です。世界にも例をみないユニークな姿をした海洋エネルギー装置に、海洋開発に実績のある企業が取り組んでいるだけに、残念です。
 遅延や計画の変更などの影響が最小限度ですみますように。こころから、今後に期待しています。

三井海洋開発の浮体式潮流・風力ハイブリッド発電-----ソフトエネルギー、2013/03/04

 なお、SKWID(スクイッド)は、「2013年度 グッドデザイン・ベスト100」を受賞したということです。


プレスリリース / 三井海洋開発、2013年10月13日
プレスリリース / “世界初”浮体式潮流・風力ハイブリッド発電 [skwid] の落成式を延期します (PDF)

"10月17日13時から開催を予定しておりました「“世界初”浮体式潮流・風力ハイブリッド発電 [skwíd]落成式」は、[skwíd]輸送中のトラブルにより、佐賀県海域への到着が困難となったため、開催を延期させていただくこととなりましたのでお知らせします。
ご出席をご予定いただいておりました皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
........... "

/ 2013年10月13日
浮体式潮流・風力ハイブリッド発電[skwid]について

"現在当社が研究開発工事を進めている浮体式潮流・風力ハイブリッド発電[skwíd]は香川県多度津での建造を終え、設置海域である佐賀県唐津へ回航中でしたが、10 月 12 日 20 時ごろ、門司港沖北西約25Km の地点で、運搬台船の揺れを受け、下部の水車部分が脱落しました。乗員の怪我や海洋汚染の事実はありませんでした。
現在、台風の襲来に備え、大分に回航中です。 原因及び状況の詳細については、現在調査、確認中です
.......... "

関連
“世界初”浮体式潮流・風力ハイブリッド発電 [skwíd] の落成式を延期します-----佐賀県、平成25年10月13日

三井海洋開発 プレスリリース :
/ 2013年10月9日 “世界初”浮体式潮流・風力ハイブリッド発電[skwid]落成式について
/ 2013年10月1日 浮体式潮流・風力ハイブリッド発電 SKWID(スクイッド)「2013年度 グッドデザイン・ベスト100」を受賞

複合発電の水車部が海に脱落 計画に影響か-----佐賀新聞、2013年10月14日

"同社総務部は「まったく予期せぬ事態」としており、唐津市沖での発電計画については「継続するかどうか、判断できない」とした。県新エネルギー課は「実証フィールドのアピールにつなげるため、2月までには稼働してもらいたい。ただ、企業の判断になるので、要望しかできない」としている。"

追加情報
・三井海洋開発 : 2015プレスリリース / 2015年2月3日 特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ

"..........
2. 特別損失の計上
浮体式潮流・風力ハイブリッド発電システム skwid(スクイッド)につきましては、仮設置工事中に水没したことに伴い平成
26 年 12 月期第 4 四半期において約 10 億円の固定資産の除却損を計上することといたしました。
.......... "

洋上発電装置、海底に沈む…実証実験中あえなく-----読売新聞、2015年01月07日

・三井海洋開発 : 2014プレスリリース / 2014年2月13日 特別損失の計上及び業績予想の修正に関するお知らせ

"..........
特別損失の計上
(1)固定資産の減損処理
当社が建造中の浮体式潮力・風力ハイブリッド発電システム skwid につきましては、現時点では電力の買取価
格の見通しが不透明であることなどにより、保守的に算出した将来キャッシュフローが帳簿価額を下回るため、
「固定資産の減損に係る会計基準」に従って約 23 億円の減損損失を計上することといたしました。
.......... "

追加情報2
海洋温度差発電の沖縄・久米島など6地域、国の実証フィールドに-----スマートジャパン、2014年07月17日

" 内閣官房の総合海洋政策本部が日本近海で再生可能エネルギーの開発を促進する。海洋エネルギーの導入可能性が大きい6つの地域を選定して、技術開発や環境整備を支援する方針だ。沖縄・久米島の温度差発電のほか、佐賀・加部島の潮流+洋上風力、新潟・粟島の波力発電などが対象になる。
..........
このほかで準備が進んでいるのは、加部島沖の潮流+洋上風力発電プロジェクトである。対馬海流による海中の潮流エネルギーを利用して発電しながら、海上を吹く風力でも発電するハイブリッド型の設備を導入する(図4)。当初の計画では2013年10月に運転を開始する予定だったが、設備の輸送中にトラブルが発生して中断した状態になっている。国の支援を受けて早期に計画を再開する見込みだ。
.......... "

関連エントリー
三井海洋開発の浮体式潮流・風力ハイブリッド発電-----ソフトエネルギー、2013/03/04 より
三井海洋開発 : 洋上発電への取り組み
Show_image
-----image : 国際風力発電展 出展概要より

Skwid1
-----image : 製品資料より-----
Skwid2


佐賀県、三井海洋開発、“世界初” 浮体式潮流・風力ハイブリッド発電[skwíd](スクウィッド)発表-----自然エネルギー、2013/05/16


参考
波力・潮流・潮汐・海洋温度差発電のカタログ 海洋エネルギーは次代を担う!

続きを読む "佐賀の浮体式潮流・風力ハイブリッド発電装置 skwíd スクウィッド、運搬中に事故。水車部分が水中に落下"

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カネカ、鹿島工場に薄膜10MWpメガソーラーを完成。メガソーラーランキングNo.6タイ!

 カネカは、茨城県神栖市の鹿島工場内に同社の薄膜シリコン太陽電池を使用した、10MWpのメガソーラーを完成させ運用を開始しました。太陽電池の設備容量は、12.7MWpだがパワコンが10MW対応のものが採用されている。こうした組み合わせで、発電量を稼ぐのは最近のトレンドのようです。実際の売電量を知りたいところです。
 なお、同社は同施設の環境教育などを目的とした見学などを、実施する方針だということです。


プレスリリース / カネカ、2013/10/10
当社鹿島工場西地区におけるメガソーラーの設置

Img_0438
-----image : 同リリースより

" 株式会社カネカ(略)は、当社鹿島工場西地区においてメガソーラーの運転を開始致しました。今回稼動したメガソーラーの概要は下記のとおりです。

場所:株式会社カネカ 鹿島工場西地区(茨城県神栖市東深芝15)
出力規模:太陽電池モジュール容量12.7MW、パワコンディショナー容量10MW
太陽電池パネル:カネカ製薄膜シリコン太陽電池
年間予想発電量:約11,000MWh・一般家庭の約3,000世帯分(3,600kWh/世帯として試算)
運転開始日:2013年10月1日

 薄膜シリコン太陽電池を使用したメガソーラーとしては国内最大級です。発電した電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき、全量を売電致します。
.......... "

関連
公共産業用カネカ太陽光発電 / 薄膜シリコン太陽電池
Kaneka_sanngyou_pv
-----image : 上記サイトより

・カネカ : 薄膜系太陽電池

・Googleマップで、カネカ 鹿島工場西地区のメガソーラーを見る


参考
薄膜三層型太陽電池モジュール商用生産開始-----カネカ、2013/07/24

"大幅に出力を向上させた薄膜三層型太陽電池モジュールの新商品を7 月より本格販売する。当社は現在アモルファスシリコン層と薄膜多結晶シリコン層の2層を重ねた薄膜シリコンハイブリッド太陽電池を製造販売している。今般の新商品は、2層の間に新たにアモルファス系シリコンからなる層を追加した3層構造を有し、当社が保有する透明中間層技術と合わせて吸収できる太陽光量を増やすことで従来と比べて大幅な出力向上を実現し、当社1420mm×1100mm サイズ量産品比で初期出力を10W 以上引き上げることに成功した。同基板サイズでの商用薄膜太陽電池モジュール製品の3層構造化は世界初となる。3層構造化により単位電池当たりの開放電圧は2.0V(当社製品従来比1.5倍)まで向上するので、パネル当たりの開放電圧も280V 程度まで向上させる事が可能となる。今後、パネルの高電圧化により、配線方法の簡略化、配線ミス低減も期待できる。
今般の新商品は、瓦一体型モジュール(当社品名:ヴィソラ)、スレート瓦専用モジュール(当社品名:ソルティレックス)、及び据置型(当社品名:グランソーラ)に展開され、屋根と街並みに調和する当社太陽電池の特徴はそのままに、当社ソーラーエネルギー事業の更なる拡大を図る。
.......... "

次世代ヘテロ接合太陽電池の開発-----カネカ、2012/06/13

80MW増強し年産150MWへ-----カネカ、2010/06/07

"株式会社カネカ(略)は、当社100%出資子会社であるカネカソーラーテック株式会社(略)にて、薄膜系太陽電池の生産能力増強工事を進めてきましたが、このたび新設備が竣工し、今月より順次稼働を開始する予定です。薄膜系で世界最高水準の変換効率である12%のハイブリッド技術を使った太陽電池を80メガワット(以下MW)増強し、トータルで年産150MWとなります。
.......... "


コメント続き

 カネカ鹿島工場西地区メガソーラーは、10MWpということで、現在の国内メガソーラートップ10ランキングで、山梨県甲府市の東京電力の米倉山太陽光発電所、大阪府堺市西区の関西電力の堺太陽光発電所、そして、大阪府泉南郡岬町のユーラスエナジーの岬太陽光発電所と同じNo.6の規模です。

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識


 これまで情報に触れることが多かった、神奈川県川崎市の東京電力 浮島太陽光発電所が、7MWpでついにトップ10から脱落しました。なんとなく、さびしいです。

続きを読む "カネカ、鹿島工場に薄膜10MWpメガソーラーを完成。メガソーラーランキングNo.6タイ!"

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JOGMEC、くじゅう地域と霧島地域において、ヘリコプターによる物探による調査を開始

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC : Japan Oil, Gas and Metals National Corporation)は、大分県のくじゅう地域と、鹿児島県の霧島地域において、ヘリコプターによる空中物理探査手法により、地熱資源ポテンシャル調査を開始します。
 具体的には、広域な地質構造を把握できる空中重量偏差法探査、地下500m程度までの岩石の電気抵抗の分布を計測することで、高温の熱水や蒸気の存在する地層や、じすべり地帯の把握が可能な空中電磁探査、岩石の時期的な性質を測定することで、地熱や熱水と関係のある火山岩(地熱変性帯)の分布が把握できる空中磁気探査などの空中物理探査手法をもちいて、既存のデーターと合わせて総合的に、ポテンシャルの把握を目指すということです。調査は、くじゅう地域が10月初旬 ~10月中旬。霧島地域が10月中旬 ~ 10月下旬に予定されています。
 また、得られた調査結果は防災(地すべり、火山活動等)や温泉保全等の用途にも有用とのことで、関係省庁や関係自治体等に提供されるということです。

プレスリリース / JOGMEC、2013年10月8日
「地熱資源ポテンシャル調査」の開始~地熱資源調査を効率的に実施して地熱資源開発を促進するため、最新の空中物理探査手法による広域調査を開始

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-----image(”上-空中物理探査の模式図、下左-空中重力偏差法探査用機器、下右-空中電磁探査による測定風景”) : 同リリースより-----
300117644300117645

"JOGMEC(略)は、地熱資源調査を効率的に実施して地熱資源開発を促進するため、10月初旬から九州の「くじゅう」地域及び「霧島」地域において、ヘリコプターを用いた最新の手法による空中物理探査を開始します。  わが国に賦存する世界第3位の地熱資源を有効に活用するためには、個別地域における地熱資源調査が必要不可欠であるため、こうした地域の調査を効率的に行うことが必要となっています。

 このため、JOGMECでは、国による地熱資源調査支援事業の一環として、広域において地熱資源のポテンシャル評価(地熱資源量評価)を効率的に行うべく、九州の「くじゅう」地域及び「霧島」地域においてヘリコプターを用いた空中物理探査「地熱資源ポテンシャル調査」を開始します。

 この空中物理探査で取得したデータと、既存のデータや文献と合わせて総合的に解釈することで、地熱ポテンシャルの評価が可能となります。今回は、地熱資源ポテンシャルが高く、かつ既往調査が多く行われている「くじゅう」地域及び「霧島」地域で調査を行い、その後は順次、各地で実施していく方針です。

 また、得られた調査結果は防災(地すべり、火山活動等)や温泉保全等の用途にも有用と考えられ、関係省庁や関係自治体等に提供していく方針です。

以上

調査詳細
(1) 調査地域
 くじゅう地域
 調査時期:10月初旬 ~10月中旬
 調査地域の面積:約550㎢

 霧島地域
 調査時期:10月中旬 ~ 10月下旬
 調査地域の面積:約280㎢

(2) 作業主体
 株式会社フグロジャパン

300117642

-----image(”調査地域位置図”) : 同リリースより

参考


300117646
-----image(”本調査で用いる調査手法と期待される効果”) : 同リリースより
.......... "


コメント続き

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長野県の1村1自然エネルギープロジェクト、第二回登録は21件。累計43件となりました

 長野県は、昨年10月に開始された「1村1自然エネルギープロジェクト」の第二回となる登録を行い発表しました。同プロジェクトは、市町村などの行政機関や民間団体(NPO、住民団体、民間団体、民間企業、自治会、金融機関、その他の民間団体)、そして研究教育機関が単独や複数が連携した取り組みを県が登録する企画です。長野県の、豊かな自然エネルギー資源を活用した自然エネルギー事業の創出や地域づくりを推進する取組みとして進められています。
 今回の第二回は、新たに21件が登録され、第一回の分と合わせて43件となりました。第二回21件の内訳は、自然エネルギーを活用した地域づくりに資するプロジェクトが、12件。社会問題の解決を目的に自然エネルギーを活用した収益事業を行うプロジェクトが、4件。自然エネルギーの技術開発や研究などのプロジェクトが、1件。そして、その他の4件です。
 累計43件の、自然エネルギーのカテゴリー的には、小水力とバイオマスがそれぞれ12件。太陽光が9件。あと、氷雪、地中熱、太陽熱などが加わり、多彩な内容となっています。

 取組事例のサイトで、詳しい内容が公開されています。


プレスリリース / 長野県、平成25年(2013年)10月7日
「1村1自然エネルギープロジェクト」の登録を行いました!

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-----image(”3 登録状況 ”) : 同リリースより

" 自然エネルギーの普及拡大に向けた取組として、昨年10 月より募集を開始した「1村1自然エネルギープロジェクトの登録制度」について、第2回目の登録を行いましたので、お知らせします。

1 登録件数 21件 (累計43件)
※内訳につきましては、別紙一覧表をご覧ください。

2 登録プロジェクト
≪自然エネルギーを活用した地域づくりに資するプロジェクト≫ 12件(累計21件)
 「木質バイオマスを活用したエネルギー自給プロジェクト」(自然エネルギー東御地域協議会)
 「山ノ内町雪氷熱利用パイロット事業」(山ノ内町)
 「町全域にわたる小水力発電群の事業化」(飯島町自然エネルギー推進協議会)
 「地域防災拠点自然エネルギー整備事業」(高森町)
 「佐久市立国保浅間総合病院託児所薪ストーブ設置事業」(佐久市)
 「公共施設防災強化事業」(売木村)
 「木質ペレットを活用したバイオマスボイラの導入」(坂城町)
 「小水力発電導入事業」(栄村)
 「マイクロ水力発電事業」(泰阜村)
 「「エネルギー地産地消の村」プロジェクト」(王滝村)
 「小水力発電導入事業」(天龍村)
 「「カラマツまきっこエコ作戦」薪ストーブ導入事業」(朝日村)

≪社会問題の解決を目的に自然エネルギーを活用した収益事業を行うプロジェクト≫ 4件(累計15件)
 「環境省メガワットソーラー共同利用モデル事業」(有限責任事業組合(LLP)佐久咲くひまわり)
 「木質バイオマス資源活用プロジェクト」(栄村)
 「駒ヶ根市自然エネルギー水力発電第2号プロジェクト」(合同会社下平銭亀洞小水力発電所)
 「木質バイオマス燃料の利活用」(阿智村 山づくりの会)

≪自然エネルギーの技術開発や研究などのプロジェクト≫ 1件(累計2件)
 「温泉熱・地下熱利用システム普及促進プロジェクト」(諏訪市)

≪制度の趣旨に合致する上記以外のプロジェクト≫ 4件(累計5件)
 「自然エネルギー導入事業」(木曽町)
 「ペレットストーブ設置事業」(中川村)
 「奥裾花自然園再生可能エネルギー活用事業」(長野市)
 「地域の被害木等活用プロジェクト」(東御市)
..........
【1村1自然エネルギープロジェクトとは】

  市町村や特定のコミュニティのエリアにおいて1種類以上の自然エネルギーを活用して、特産品開発などの地域おこしや自然エネルギービジネスの創出などの地域社会経済の活性化に資する取組をいいます。

 本プロジェクトは、県内で実施される様々な取組を登録・公表することにより、取組を通じて得られた知見等を県内全体の自然エネルギーの普及拡大に向けた取組に役立てていただくことを目的としています。

Nagano_sizenene_issonippin_2013_map

-----image : 同リリース「関連資料 PDF」より
.......... "

関連
・長野県 : 1村1自然エネルギープロジェクトの募集登録
- 「1村1自然エネルギープロジェクト」取組事例
Nagano_sizenene_issonippin_2013_m_2
-----image : 上記サイトより

続きを読む "長野県の1村1自然エネルギープロジェクト、第二回登録は21件。累計43件となりました"

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住友商事と富士電機ら、インドネシアの35MW カモジャン地熱発電所5号機 建設工事を受注

 住友商事と富士電機らは、インドネシア国営石油ガス会社 Pertamina社の地熱発電子会社であるPertamina Geothermal Energyより、インドネシアの35MW カモジャン地熱発電所5号機の土木据付込み一括請負工事契約建設工事を受注しました。
 建設場所はインドネシア西ジャワ州バンドゥンから約40kmに位置するガルット市です。地熱蒸気タービンや発電機は、富士電機が製造し、納入。そして、発電所および集蒸気配管の土木・据付は、インドネシア大手エンジニアリング会社レカヤサが担当するということです。工期は23カ月で、2015年7月の完成を目指します。
 

プレスリリース / 住友商事、2013年10月07日
インドネシアPT. Pertamina Geothermal Energy向けカモジャン地熱発電所5号機 建設工事を受注

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----image(”参考資料:発電所位置図”) : 同リリースより

"住友商事株式会社(略)は、インドネシア国営石油ガス会社PT. Pertamina社の地熱発電子会社であるPT. Pertamina Geothermal Energy(以下「PGE」)より発電容量35MWのカモジャン地熱発電所5号機の土木据付込み一括請負工事契約を受注しました。

 本契約は、住友商事とインドネシア大手エンジニアリング会社Rekayasa Industri(以下「レカヤサ」)とのコンソーシアムによるものであり、建設場所はインドネシア西ジャワ州バンドゥンから約40kmに位置するガルット市です。主要機器である地熱蒸気タービンや発電機は、地熱発電設備分野で高度な技術力と多くの経験を誇る富士電機株式会社(以下「富士電機」)が製造・納入し、発電所および集蒸気配管の土木・据付はレカヤサが担当します。工期は23カ月で、2015年7月の完工予定です。

 住友商事はパートナーの富士電機やレカヤサと組み、インドネシアの地熱発電プロジェクトに注力しています。住友商事にとって本件は同国における9件目の地熱発電プロジェクトの受注であり、ここ最近では、ワヤンウインド2号機 117MW (ジャワ島・2009年完工)、ラヘンドン4号機20MW(スラウェシ島・2011年完工)、ウルブル1・2号機55MW x 2(スマトラ島・2012年完工)の実績があります。いずれのプロジェクトも客先との契約期限内に完工しており、高い評価を得ています。

 インドネシアは世界最大の地熱エネルギー保有国であり、そのポテンシャルは29,000MWとも推定されています。現在地熱エネルギーの発電への利用率は約5パーセント、発電設備容量にして約1,340MWに留まっていますが、インドネシア政府は2010年に発表した第2次電源開発計画において4,000MW規模の新規地熱発電プロジェクトを計画しております。PGEが運営主体となる本件も、その電源開発計画の一つに位置付けられています。
.......... "

関連
インドネシアで地熱発電受注 住商と富士電機、設計・建設まで一括-----SankeiBiz,2013.10.8


参考
・富士電機 事業紹介 > 野口健のアタックレポート : 地熱発電編
/ 地熱発電プラン


コメント続き

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古河電工とビスキャス、福島沖2MW浮体式洋上風車と変電所の連結に新技術を開発

 古河電工とビスキャスは、福島沖2MW浮体式洋上風車用に風車と洋上サブステーション(変電設備)を海中で接続する特高圧ライザーケーブルを開発し、清水建設は、実海域での同ケーブルの敷設に成功しました。リリースによると、

「特高圧ライザーケーブルは水中で浮遊し、浮体式設備の動きや波・潮流にダイナミックに追従する電力ケーブルで、こうしたケーブルの開発・製作、ならびに実海域での敷設は世界的にも例がありません。」

 とのことです。
 特高圧ライザーケーブルの製作し、一部接続工事も行ったビスキャスは、古河電気工業とフジクラが、各50%出資して作られた、高圧・超高圧電力ケーブルと関連機器の設計、製造、施工を行う企業。今回敷設された特高圧ライザーケーブルとしては、楢葉町から引いてきた海底ケーブルと変電設備を連結する電圧66kVのケーブル(0.9km×1本)と、変電設備と発電設備を連結する電圧22kVのケーブル(2.3km×1本)を作成。厳しい海洋の送電に長期に耐える仕様になっているということです。外径・重量は、22kV用が146㎜・約42㎏/m、66kV用が175mm・約52㎏/mだということです。

 風力発電機と陸上の送電施設をつなぐ、洋上サブステーション(66KV/22KV変電所)は、8月27日に洋上のにおける係留作業が完了されたもので、喫水約50m、水面からの高さ60mでヘリポートなどを備えた巨大な浮体式の設備です。あまり、資料や写真などが見つからずに、ますます興味津々です。今後、詳しいリポートなどする通信・新聞社の動きに期待しています。


プレスリリース / 古河電工、2013年10月2日
世界初!浮遊式海中ケーブルで浮体式の風力発電設備と変電所の連結に成功

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-----image : 同リリースより。下-「..敷設状況」-----
Ene_131002_fig02

"福島復興浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業

 経済産業省による「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」において、古河電気工業(株)、(株)ビスキャスが浮体式の2MW 洋上風力発電設備(発電設備)と洋上サブステーション(変電設備)等を海中で電気的に連結する特高圧ライザーケーブルの開発・製作、清水建設(株)が実海域での同ケーブルの敷設にそれぞれ成功しました。

 特高圧ライザーケーブルは水中で浮遊し、浮体式設備の動きや波・潮流にダイナミックに追従する電力ケーブルで、こうしたケーブルの開発・製作、ならびに実海域での敷設は世界的にも例がありません。

 古河電気工業(株)と清水建設(株)は、「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」を経済産業省から受託した、10企業・1大学からなる福島洋上風力コンソーシアムの構成企業です。実証研究事業では、古河電気工業(株)は浮体式洋上ウィンドファームにおける送電システム全般の開発を、ビスキャスが特高圧ライザーケーブルの製作、接続工事をそれぞれ担当。清水建設(株)は新日鉄住金エンジニアリング(株)とのJVにより、楢葉町から約20km離れた海域への浮体式洋上風力発電設備の曳航・係留、楢葉町と係留海域を結ぶ海底ケーブルの布設・埋設、ライザーケーブルによる発電設備と変電設備との連結等を担当しました。

 今回、敷設した特高圧ライザーケーブルは、楢葉町から引いてきた海底ケーブルと変電設備を連結する電圧66kVのケーブル(0.9km×1本)と、変電設備と発電設備を連結する電圧22kVのケーブル(2.3km×1本)から構成されます。外径・重量は、22kV用が146㎜・約42㎏/m、66kV用が175mm・約52㎏/mです。長期にわたる使用においても、ケーブルの弱点である海水が内部に浸透しない優れた遮水性能と耐疲労特性を備えた構造になっています。両ライザーケーブルとも、浮体式設備から海底に至るまでの中間点にブイを取り付け、海中でS字を描くように設置します。S字の部分が浮体式設備の移動・浮き沈みに追随する調整シロとなります。ケーブル開発に当たっては、古河電気工業(株)の挙動解析技術が威力を発揮しました。

 一方、実海域における特高圧ライザーケーブルの敷設は、潮流や波浪の影響を受ける非常に難易度の高い工事です。清水建設は海洋深層水取水施設の施工等で培った高度な海洋工事技術を駆使して、水中での形状(S字形)管理、形状を維持するためのケーブル長の調整、ケーブル端末と浮体式設備の連結等の作業に当たり、施工上の課題を克服しました。

 現在、係留海域では、発電設備と変電設備を連結するライザーケーブル中央部の埋設工事が最終段階を迎えており、数日内にも竣工する見込みです。

参考
福島洋上風力コンソーシアムの構成
 丸紅(株)、東京大学、三菱商事(株)、三菱重工業(株)、ジャパン マリンユナイ テッド(株)、三井造船(株)、新日鐵住金(株)、(株)日立製作所、古河電気工業(株)、 清水建設(株)、みずほ情報総研(株)

正式事業名称
 平成23年度 浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業
 委託者: 経済産業省資源エネルギー庁
 風力発電設備と変電設備の据付位置
 風車-北緯37度18分37.9秒、東経141度15分45. 秒
 変電設備-北緯37度18分38.9秒、東経141度14分24.3秒
 
株式会社ビスキャスの概要
所在地: 品川区東品川4丁目12番2号 品川シーサイドウエストタワー
社長: 佐久間 進
設立: 2001年9月26日
資本金: 121億円
株主: 古河電気工業株式会社、株式会社フジクラ(各50%)
業容: 高圧・超高圧電力ケーブル、送電・配電用電線及 び関連機器・システムの設計、製造、施工

特高圧ライザーケーブルの構造と敷設状況
Ene_131002_fig01
-----image : 同リリースより
.......... "

関連
世界初!浮遊式海中ケーブルで浮体式の風力発電設備と変電所の連結に成功-----ビスキャス、2013年10月2日

世界初!浮遊式海中ケーブルで浮体式の風力発電設備と変電所の連結に成功-----清水建設、2013.10.02

福島洋上風力コンソーシアム / 海上工事 - 洋上サブステーション 洋上サブステーションの係留作業のお知らせ(作業完了)【福島県沖合】(2013.10.05,PDF)
Fuku_floating_wind_map
-----image : 上下とも、上記リリースより-----
Fukushima_offshore_wind_sub

追加情報
福島復興・浮体式ウィンドファーム実証研究事業 2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備および浮体式洋上サブステーションの設置完了・運転開始について-----福島洋上風力コンソーシアム、2013.11.11


参考
丸紅 リリース / 2013年6月28日 福島復興・浮体式ウィンドファーム実証研究事業の進捗について(PDF)
Fukushima_offshore_wind_sub_jun
-----image : 上記リリースより

"..........
3. 今後のスケジュール
本年10月からの運転開始に向けた今後のスケジュールは下記の通りです。
※気象・海象条件により、スケジュール変更が生じる可能性があります。

<2MWダウンウィンド型浮体式洋上風力発電設備>
6月28日 三井造船千葉事業所より福島県小名浜港への曳航開始
7月上旬 小名浜港到着
7月上旬-中旬 電気工事ならびに電気系試験実施
7月下旬-8月初旬 実証研究実施海域への浮体曳航ならびに係留作業実施

<66kV浮体式洋上サブステーション>
7月上旬 ジャパンマリンユナイテッドにて、南本牧埠頭より実証研究実施
海域への曳航開始
7月中旬 実証研究実施海域での浮体係留作業実施

<海底ケーブル>
7月下旬-8月下旬 ライザーケーブル積込、実証研究実施海域において敷設・埋設
8月 ケーブル接続
9月上旬 試運転開始
.......... "

福島県沖2MW浮体式洋上風力発電機、10月稼動に向けて準備が進んでいます-----ソフトエネルギー、2013/06/26

福島県沖の浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業の2015年までの内容と実施体制が発表されました-----ソフトエネルギー、2012/03/07


コメント続き
 できる前は、思ったより風が吹きそうにない場所なのではないかとか、コストが高そうだから競争力の点で、海外と比べて不利だとかいろいろ、勝手に心配してましたが。できてくると、さらに勝手なことに、期待が膨らんできました。
 洋上風力の技術や運用では、海外とは相当な開きがあります。しかし、浮体式はすでにリードを稼いでいる点も多々あります。是非、成功させていただきたい! 関係者のみなさん! よろしくお願いいたします。

参考

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電源開発(Jパワー)、北海道新得町に維持流量利用の最大470kWくったり水力発電所の建設開始

 電源開発(Jパワー)は、北海道上川郡新得町に、屈足ダムの放流設備の一部を改造して水車発電機を設置することで、未利用の河川維持流量(夏季4.0m3/s、冬季2.0m3/s)を活用する、最大470kWのくったり(水力)発電所の建設を開始しました。平成27年4月の運転開始を目指して工事が進められます。

 屈足ダムは、ダムマニアによると、電源開発が下流に配置された熊牛発電所により発電を、北海道開発局農水部がかんがい用水を取水する協同運用ダムで、美しい姿をしたロックフィルダムです。
 この、熊牛発電所は、昭和62年(1987)に建設された1万5400kWのダム水路式の発電所です。このように、既存の水力発電設備の未利用の河川維持流量を活用する試みは全国に広がっています。

 まるで、落穂拾いのような試みですが、470kW(0.47 MW)の水力発電設備の実力は、稼働効率を考えると、太陽光発電の5倍から7倍にのぼる発電能力を発揮します。仮に稼働率60%とすれば、年間の発電量は247万320kWh/年に達します。この発電量を太陽光発電でまかなうとすれば、2500kW(2.5 MWp)の設備容量になります。この計算でも同じ設備容量なら5倍以上稼げることになります。なかなかの実力だと思いませんか !?


プレスリリース / 電源開発、平成25年10月1日
くったり発電所の着工について~河川維持流量を活用した水力発電所の建設工事を開始

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-----image : 同リリースより

" 電源開発株式会社(略、以下「Jパワー」)は、本日、「くったり発電所」の建設工事を開始しました。

 本発電所は、屈足ダム(所在地:北海道上川郡新得町)から放流している未利用の河川維持流量(夏季4.0m3/s、冬季2.0m3/s)を活用するもので、放流設備の一部を改造して水車発電機を設置し、最大470kWの発電を行うものです。

 今後、平成27年4月の運転開始を目指し安全を最優先に工事を進めてまいります。
.......... "

関連
・Jパワー : 水力発電所一覧

" 発電所名|水系-河川名|所在地|発電所形式|最大出力(kW)|運転開始
熊牛 | 十勝川-十勝川 | 北海道上川郡清水町 | ダム水路式 | 15,400 |S62.11.01 "

参考
1994グッドデザイン賞 - 熊牛発電所 [北海道上川郡清水町熊牛]

・日本ダム協会 ダム便覧 : 屈足ダム[北海道]

・ダムマニア - DAM MANIA - ダム一覧 北海道>屈足ダム

Jpower_hokkaido_hydro_kuttari_gmap
-----image : Googleマップより。屈足ダムを見る


コメント続き

 同じ十勝川の今回のダムのすぐ上流では、北海道電力の新岩松発電所が、岩松発電所の設備をできるかぎり利用する形で建設される計画が進んでいます。

2016年完成予定の北海道電力新岩松発電所、水力-出力16,000kW。重要電源開発地点に指定-----ソフトエネルギー、2013/09/19

 十勝川には、たくさんのダムや水力発電所が連なっています。これらをバージョンアップしたり、今回のように維持流量を利用すること、川の水の有効な活用への道が開けそうです。
 水力・小水力の広がりに大きな希望を感じるこのごろです。

参考
・十勝の川をフィールドとした総合的学習の手引き 身近な暮らしから探る十勝の川 - 川とつながるわたしたち : 地図 十勝の主な発電・送電・変電施設

続きを読む "電源開発(Jパワー)、北海道新得町に維持流量利用の最大470kWくったり水力発電所の建設開始"

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JFEエンジニアリング、倉敷市で7MWpのメガソーラー発電所、鶴の浦ソーラーパワーを稼動開始

 JFEエンジニアリングは、倉敷市で7MWpのメガソーラー発電所である、鶴の浦ソーラーパワーを稼動させました。10月2日に竣工式が行われ、年間の発電量は650万kWhを予定しています。
 この鶴の浦ソーラーパワーには、JFEエンジニアリンググループ各社の設計から施工、監理までの技術が投入されています。
 
 風洞実験などの各種検討によって極限までの軽量化をすすめ、新たに開発した超軽量鋼製架台システムJFEソーラーアレイ(TM)は、構造合理化と部材の最適化により大幅な低コストダウンと40 kg/kWあたり(参考)、を下回る軽さを実現しているということです。まさに”元祖鉄屋”である、JFEエンジニアリンググループのメンツの総合力を集めた成果でしょうか。

 今回の7MWpは、2012年の末に太陽光発電に本格参入したJFEエンジニアリングのメガソーラーの中では、これまでで最大の規模です。この時点で、ランキング10位の浮島太陽光発電所(東京電力) 神奈川県川崎市川崎区浮島 7MWpと同じ規模としてぎりぎり、トップ10入りとなりました。

プレスリリース / JFEエンジニアリング、2013年10月2日
岡山県倉敷市でメガソーラー発電所の稼動開始~JFEグループの技術力を結集し施工

Nws_20131002120905_3
-----image : 同リリースより

" JFEエンジニアリング株式会社(略)は、このたび岡山県倉敷市に、自ら発電事業を行う大規模太陽光発電所(メガソーラー)「鶴の浦ソーラーパワー」を完成し、10月2日に竣工式を執り行いましたので、お知らせします。

 鶴の浦ソーラーパワーは、当社の100%出資により設立された特定目的会社のJFEソーラーパワー倉敷株式会社(略)」が、JFEスチール株式会社(略)が同地区に保有する旧社宅跡地に設置したものです。発電所の設備容量は7MWであり、年間発電量は650万kWhを想定しております。

 このメガソーラーは、JFEスチールの西日本製鉄所内で数多くの電気工事を手掛けているJFE電制株式会社(略)が請負い、JFEグループの技術を結集して建設されました。
 架台には、JFEスチールグループでメガソーラー向けに新たに開発した超軽量鋼製架台システム「JFEソーラーアレイ™」を採用しています。この架台は、風洞実験など各種検討によって極限までの軽量化をすすめたほか、素材にJFE鋼板株式会社(所在地:東京都品川区、社長:今村晴幸)の高耐食性溶融めっき鋼板「エコガル®」を使用して長期耐久性を確保するとともに、基礎には鉄鋼スラグ水和物固化体「フェロフォーム®」を使用してプレファブ化し、施工合理化、環境負荷低減も実現したものです。
.......... "

関連
「JFEソーラーアレイTM」の開発-----JFEスチール、 No.32 環境・エネルギー特集号 (2013年8月)p. 54-60

参考エントリー
JFEエンジニアリング、6ヶ所合計40MWpのメガソーラーをもって、太陽光発電事業に本格参入----ソフトエネルギー、2012/11/09

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国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

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東京都水道局、340kW小水力発電設備を葛西給水所内に完成。売電開始!

 東京都は、江戸川区にある、葛西給水所内に都の施設として初めてとなる、再生可能エネルギー固定価格買取制度を活用して発電事業を行う、340kWの小水力発電設備を完成し、10月1日より運転を開始したということです。葛西給水所は、金町浄水場(葛飾区、利根川・荒川水系)から送られてくる水道水を配水池に引入れ、需要量に応じて 配水ポンプで江戸川区南部地域へ給水しています。今回の小水力発電は、この葛西給水所における引入余剰圧力を利用してのものです。

 この最大出力340kWの小水力発電設備の予定発電電力量は、約140万kWh/年で、一般家庭約420戸分の年間使用電力量に相当するということです。固定価格買取制度における、売電価格は、33.18円/kWhですので、売電収入は、おおよそ4千645万2000円となります。売電先は、特定規模電気事業者のサミットエナジー(PPS)です。
 報道によると、整備費用約2億5000万円は、5年9か月で償還する予定だということです。売電の期間は、20年が固定価格買取制度の水力の調達期間が20年なので、十分に利益がでる計算です。あとあとのデーターとして、メンテナンス費用、稼働率などが数字として残ると参考になります。

 東京都では、さらに利用の検討を行うようです。


プレスリリース / 東京都水道局、平成25 年10月1日
固定価格買取制度を活用した小水力発電設備の完成

" 都の施設として初めて全発電電力を再生可能エネルギー固定価格買取制度※を活用して売電する小水力発電設備が葛西給水所内に完成し、平成25年10月1日より運転を開始しましたのでお知らせします。
再生可能エネルギーについては、今後も費用対効果を図りつつ導入を拡大し環境負荷低減や社会全体の電力供給に貢献していきます。

1 設置施設・場所
 東京都水道局葛西給水所(東京都江戸川区北葛西三丁目9番)
 配水池の引入管部(引入余剰圧力を利用)

2 発電規模
 最大出力 340キロワット
 予定発電電力量 約140万キロワット時/年
(一般家庭約420戸分の年間使用電力量に相当)

3 発電電力の売却
 売電先 サミットエナジー株式会社(特定規模電気事業者(PPS))
 売電単価 33.18円/キロワット時

4 効果
 再生可能エネルギーの有効活用と環境負荷低減に貢献し、年間約530トンのCO2削減が見込まれる。

※ 再生可能エネルギー固定価格買取制度:
再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力など)を用いて発電された電気を、国が定める価格以上で一定期間電気事業者が買い取る制度。
.......... "

関連
固定価格買取制度を活用した小水力発電設備の完成-----東京都、平成25年10月1日
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-----image : 上記リリース「別紙 葛西給水所小水力発電設備(PDF形式:291KB)」より
Tokyo_microhydro_kasai_jyousui2

葛西給水所で水力発電-----読売新聞、2013年10月2日

"都水道局 年4600万円売電収入見込む
..........
発電設備などの整備費用約2億5000万円は、5年9か月で償還する予定.......... "


コメント続き

 上水関連施設での小水力発電への取り組みが、すこしづつひろがっています。今回の東京都の取り組みは、340kWでも大きな規模です。今後他の自治体にもどのように普及していくのか? 今回の皮算用から考えると大きな収入につながる可能性を秘めているプランです。

 多くの自治体が検討することを期待しています。

 
参考エントリー
東京発電、さいたま市水道局大宮配水場に水の余剰圧力を利用した50kW水力発電所を設置-----ソフトエネルギー、2011/05/20

奈良県生駒市、自治体初となるFIT適用の40kW山崎浄水場小水力発電施設をお披露目-----ソフトエネルギー、2013/03/14

安城市が上水道で水力発電 / クリッピング 中日新聞-----ソフトエネルギー、2006/03/29


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三菱重工業とヴェスタス、洋上風力発電設備専業の新合弁会社を設立

 三菱重工業は、デンマークのヴェスタス(Vestas Wind Systems)と、洋上風力発電設備専業の新しい合弁会社を、2014年3月末までに設立すると発表しました。
 
 一時、経営危機が伝えられ、中国企業による買収や三菱重工との戦略提携の可能性(”自然エネルギー”の記事参照)などが伝えられたヴェスタス。現在は、最大の経営危機を脱し、リストラ効果もあがり、多少株価も安定しています。今回、欧州ステージでの開発・設計・調達・製造から販売・アフターサービスまでを手掛ける事業を合弁で行うことで、両社がその後のアジア、日本での展開にどのような地歩を固めることができるのか興味のあるところです。7MWを超える大型風車の開発や浮体式にも、なんらかの動きも予想されます。

 リリースでは、本合弁には、Vestas社の商用機である3MW機はもちろん、同社が現在鋭意開発中のギヤ式 8MW機(V164)の名があがり、さらに三菱重工が英国のベンチャーアルテミス社の買収より得た制御油圧ドライブトレイン(Digital Displacement(R) Transmission : DDT、”ソフトエネルギー”の記事参照)をV164(”ソフトエネルギー”の記事参照)に搭載し、早期に市場投入を図る計画だと記載されています。


プレスリリース / 三菱重工、2013年9月27日
洋上風力発電設備専業の新合弁会社を設立 三菱重工業とヴェスタス社

111128
-----image(”三菱重工の洋上風力発電設備イメージ図”) : 2011年11月28日リリースより

" 三菱重工業は、世界的な風力発電機メーカーであるデンマークのヴェスタス社(Vestas Wind Systems A/S)と、洋上風力発電設備専業の新しい合弁会社を設立することで合意しました。2014年3月末までに設立する予定です。総合的な技術力に基づく高い信頼性を有する三菱重工と、この分野ですでに多くの実績を持つヴェスタス社がそれぞれの強みを活かし、シナジー効果を発揮することで、急成長が期待される洋上風力発電設備市場でグローバルリーダーとなるのが狙いです。

 新合弁会社は両社の洋上風力発電設備事業を分割・集約して発足し、その開発・設計・調達・製造から販売・アフターサービスまでを手掛けます。本社は デンマークのオーフス市。両社は同数の株式を保有し、初代の会長には和仁正文 当社取締役常務執行役員原動機事業本部長が、また、CEOにはイェンス・トムラップ(Jens Tommerup)ヴェスタス社アジア・パシフィック&中国地域代表が就任します。発足時の従業員数は300~400人の予定。

 新合弁会社設立に当たり両社は、洋上風力発電設備に関する豊富な技術・ノウハウを新合弁会社に提供します。また、当社は、新合弁会社に1億ユーロを投入、さらに発足後の実績に基づいて2億ユーロを追加投入する計画で、2016年にはコールオプションを行使し、出資比率を当社51%、ヴェスタス社49%とする予定です。

 新合弁会社は、ヴェスタス社のギヤ式風力発電設備である3,000kW機(V112)と8,000 kW機(V164)をもって事業を開始します。さらに当社の新型油圧ドライブトレイン(DDT)を搭載した風力発電設備も、V164のプラットフォームを活かして早期に市場投入をはかる予定です。当社の重電プラントで培った総合的な技術力・信用力とヴェスタス社の持つ豊富な経験・技術を新合弁会社に結集することで、世界の洋上風力発電市場でトッププレイヤーを目指します。

 ヴェスタス社は、陸上風力発電設備で世界第1位、洋上風力発電設備で第2位の有力メーカーで、同社の風力発電設備は73ヵ国において導入されています。従業員数は約1万7,000人。
 そのうち、洋上風力発電設備は1990年にデンマークで初号機を建設して以降、現在までに581基(約141万kW)に及ぶ建設実績を誇っています。
..........

”..........
1.合弁会社設立の目的
 洋上風力発電は英国、ドイツをはじめとする欧州各国を中心に、老朽石炭火力や原子力の代替エネルギーとして長期的な成長が見込まれており、日本においても今後導入拡大が予想されております。当社は、洋上風力発電設備では世界初となるデジタル制御油圧ドライブトレイン(Digital Displacement® Transmission、以下「DDT」といいます。)を採用した大型風力発電設備の開発を通じ、英国での陸上実証機や福島沖浮体式洋上ウインドファーム実証研究事業を行っております。今般、洋上風力発電分野ですでに多くの実績を持つ Vestas 社と、洋上風力発電設備の開発・設計・調達・製造・販売・アフターサービスを手掛ける合弁会社を設立することで合意いたしました。本合弁会社は、Vestas社の商用機である3,000kW機はもちろん、同社が現在鋭意開発中のギヤ式 8,000kW機(V164)も市場投入いたします。さらに当社DDTを搭載した風力発電設備もV164 のプラットフォームを活かして、早期に市場投入を図る予定です。当社の総合的な技術力・重電プラントで培った信用力と Vestas 社の持つ豊富な経験・技術を兼ね備えることで、世界の洋上風力発電市場でトッププレイヤーを目指すことが可能となります。
.......... ”-----ご参考:適時開示資料(PDF/216KB)より
..........  "

関連
Vestas and Mitsubishi Heavy Industries form a joint venture dedicated to offshore wind energy-----Vestas,27 Sep. 2013
V112offshoresweden_image
-----image : 上記リリースより

"Vestas Wind Systems A/S (Vestas) and Mitsubishi Heavy Industries Ltd. (MHI) have agreed to form a joint venture (JV) dedicated to offshore wind energy (ref. company announcement No. 33/2012 of 27 August 2012).

The JV will combine Vestas’ and MHI’s current capabilities within offshore wind turbines. Vestas will transfer the development of the V164-8.0 MW, the V112 offshore order book, existing offshore service contracts and approx 300 employees to the JV. MHI will inject EUR 100m in cash into the JV and will inject another EUR 200m based on certain milestone achievements reflecting the natural early product life cycle of the V164 turbine. As part of the JV it has been agreed between the parties that Vestas is contracted by the JV to finalise the planned development of the V164-8.0 MW on behalf of the JV. In addition, Vestas and MHI will provide various services to the JV. The JV will start its business with the current V112 offshore and the V164-8.0 MW turbines. At a later stage, the JV will explore the possibilities of integrating the MHI hydraulic DDT technology into the 8 MW platform which would make the JV positioned to offer a product line-up variety that best suits customer demands.
.......... "

Vestas Gains on Mitsubish Heavy Venture for Offshore Wind-----Bloomberg,Sep 27, 2013

追加情報
三菱重工とヴェスタス、洋上風力発電設備専業の新会社MHI Vestas Offshore Wind A/S の営業を開始-----ソフトエネルギー、2014/04/10

洋上風力発電設備専業の新会社が営業を開始 MHI Vestas Offshore Wind A/S-----三菱重工、2014年4月1日
140401_no212_hp
-----image : 上記リリースより

・Vestas : Offshore - announcements -27 Sep 2013, Vestas and Mitsubishi Heavy Industries form a joint venture dedicated to offshore wind energy

".....Vestas is bringing the development of the V164-8.0 MW®, the V112 offshore order book, existing offshore service contracts and approximately 300 employees into the JV. MHI will inject EUR 100m in cash into the JV and another EUR 200m based on certain milestone achievements reflecting the natural early product life cycle of the V164 turbine......"

- V164-8.0 MW(R)
V16480mw
-----image(”164-8.0 MW(R)”) : 上記サイトより

MHI Vestas Offshore Wind now operational-----euroinvestor,01/04/2014

Vestas-MHI Joint Venture Approved-----Offshore Wind,Feb 7th, 2014


参考
風力タービンメーカーVestas社、経営の最悪期を脱する-----2013/8月、日本エネルギー経済研究所

外国企業が日本の再生可能エネルギー市場に照準-----2013/9月、日本エネルギー経済研究所

ブルームバーグNEF 発表資料 / 2013年4月25日 プレスリリース 昨年の風力発電導入量は過去最高を記録、VestasとGEが首位を争う

"– 2012年の世界風力発電市場は48.4
ギガワットという史上最大の導入量を記録し、タービンメーカーとしては米国 General Electric
とデンマーク Vestas がトップに立った。"

[FT]三菱重工は風力発電大手を救えるか-----日本経済新聞、2012/9/4


参考エントリー
世界一の風力発電機メーカー、ヴェスタスが中国企業に買収! ???-----自然エネルギー、2012/04/16

三菱重工業、7MWの巨大洋上風力発電機開発のタイムテーブルを発表-----ソフトエネルギー、2011/12/02

ヴェスタス Vestas、翼の直径164mの7MW洋上風車 Vestas V164 offshore wind turbine を発表-----ソフトエネルギー、2011/05/10

三菱重工、英国のベンチャーアルテミス社を買収。活発化する超大型洋上風車開発 Round 3 Project への足がかり-----ソフトエネルギー、2011/01/07


[ 関連サイト内検索 : ヴェスタス ]

関連エントリー
三菱重工、7MWkW級の最新型の風力発電機開発に向けて、世界初の油圧ドライブトレインを開発-----ソフトエネルギー、2013/01/29

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