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オオブユニティ、愛知県大府市で生ごみや廃棄食品からバイオガス発電を計画。出力600kW

 愛知県の廃棄物関連事業などを行うオオブユニティは、大府市で生ごみや廃棄食品からバイオガス発電所を建設すると発表しました。出力は、600kWで、メタン発酵ガス化発電では中部地区最大級だということです。利用するバイオマス資源は、生ごみ、食品廃棄物、農業集落排水汚泥、し尿などで、総事業費は24億円。2014年1月に着工し、2015年10月稼動を予定しています。完成後は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度により、中部電力に売電、買取価格は1kWhあたり39円が見込まれています。さらに、発電に利用したあとの発酵残渣については、メタン発酵堆肥や乾燥汚泥燃料として、地域で利用する予定です。

 今回のプロジェクトは、農林水産省のバイオマス産業都市の第一次選定地域に採択されて実施されます。他地域についても、興味深いテーマが上がっています。折を見て、情報を集めてみたいです。


プレスリリース / オオブユニティ、13.10.18
バイオガス発電施設の建設決定について

Oobu_waste_biomass
-----image : 同リリースより

"オオブユニティ株式会社(略)は、愛知県大府市にメタン発酵ガス化発電では中部地区最大級となる、バイオガス発電施設の建設を決定いたしました。

 本事業は、大府市が7府省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)の担当副大臣・政務官で構成するバイオマス活用推進会議において、2013年6月11日にバイオマス産業都市の第一次選定地域として認定されたことに伴い、大府市が策定した「大府市バイオマス産業都市構想」を具現化するものです。

 大府市や周辺地域から発生する生ごみや廃棄食品・廃飲料、有機泥状物等、多種多様なバイオマス資源を原料として受け入れ、微生物の働きで発酵分解させてバイオガスを回収し、ガス発電機の燃料として利用します。発電した電力は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用し売電する予定です。また、発酵後の残渣は堆肥に加工し利用します。

 本施設は、不適物の混入、塩分や油分の含有、高含水率等、飼料化や肥料化ではリサイクルが難しく、まだまだ焼却処理されている有機性廃棄物を幅広く受け入れることが可能であるため、分別・管理コストや収集コストの低減を図ることができ、食品リサイクル率の向上に大きく寄与する環境合理性の高いシステムです。
..........
※建設には農林水産省の「地域バイオマス産業化推進事業(地域バイオマス産業化整備事業)」の補助金交付を受けております。
..........
<事業概要>
建設場所:愛知県大府市横根町惣作236-1
(オオブユニティ(株)リサイクルプラント横根工場)
発電出力:600kW
年間発電量:約5,000MWh(一般家庭約1,300世帯の年間消費量に相当)
受入能力:70t/日
着工予定:2014年1月
稼働予定:2015年10月
総事業費:24億円
.......... "

関連
バイオマス産業都市の第一次選定地域として決定されました-----大府市、2013年6月12日

バイオマス産業都市の第一次選定結果及び認定証授与式の開催について-----農林水産省、平成25年6月12日
- 第一次選定地域のバイオマス産業都市構想
Aichi_oobu_biogas_gaiyou
-----image : 「大府市バイオマス産業都市構想(愛知県) PDF」より

生ごみや廃棄食品からバイオガスで発電、堆肥も生成して農業に生かす-----スマートジャパン、2013年10月28日


コメント続き

 農林水産省のバイオマス産業都市の第一次選定地域に採択された案件です。

・十勝地域バイオマス産業都市構想(北海道)-----十勝19市町村が共同で、十勝の豊富で多様なバイオマスを、十勝全域で多段階かつフルに活用し、食と農林漁業と一体となった「十勝の農・食・エネ自給社会」と「フードバレーとかち」の実現を目指す。

[豊富な家畜排せつ物のバイオガス熱利用・発電/消化液の肥料使用による地域循環型農業の構築/バイオエタノールプロジェクト-地産地消による地域循環型エネルギーシステム構築/BDFプロジェクト/木質バイオマスプロジェクト-熱利用・発電などエネルギー利用]

 
・下川町バイオマス産業都市構想(北海道)-----森林を中心とするバイオマス総合産業を軸に、環境にやさしく災害に強いエネルギー完全自給型の地域づくりを進め、雇用の創出と活性化につなげ、地域に富が還元・循環されるまちの実現を目指す。
[林業システム革新-未利用森林資源の効率的・低コスト収集・運搬システムの確立。国有林との協定による共同施業団地の拡大。地域外民有林等からの原料収集システム確立。森林・林業大学校の開校/森林生産・利用の一連工程のシステム化/小規模分散型再生可能エネルギー供給システム整備-木質バイオマス発電施設
。小学校周辺地域熱供給システム/ヤナギのエネルギー利用。ススキのペレット化]

・別海町バイオマス産業都市構想(北海道)-----全国一の酪農と一体となった大規模バイオガスプラント事業
を軸に、水産系、食品系を含む総合的なバイオマス利活用による持続可能な循環型「食」のまちづくりを目指す。

[酪農と一体となった大規模バイオガスプラント事業-家畜排せつ物、水産廃棄物、生ごみ、乳牛汚泥等のバイオガス化(売電、余熱による施設園芸)と消化液の農業利用/隣接する中標津町との広域連携モデルの構築(中長期)]

・東松島市バイオマス産業都市構想(宮城県)-----「東松島市復興まちづくり計画」の実現に向けて、地域のバイオマスを総動員し、農林水産業・新エネルギー・観光の融合による「防災自立都市」東松島市の実現を目指す。

[バイオガス発電事業-県内の事業系食品残渣・有機汚泥等のバイオガス化・堆肥化・発電。排ガス・熱・CO2を植物工場・農業6次化施設に活用。消化液の液肥利用・藻類培養。固形物残渣の堆肥販売/木質バイオマス発電事業/スマートグリッド整備]

・牛久市バイオマス産業都市構想(茨城県)-----9市町村による地域連合バイオディーゼル燃料化事業
と木質・食品系バイオマス利用事業を軸に、太陽光発電、蓄電池や次世代自動車導入促進の取組を組み合わせ、「災害に強く地球温暖化を防止する地域循環型社会スローシティ」の実現を目指す。

[地域連合バイオディーゼル燃料化事業-9市町村の地域連合による広域BDF燃料化事業(廃食用油約150万L /年。4市町とは協定締結済)。高品位BDF製造ライン設置とBDF生産施設の統合。遊休農地を利用したなたね、ひまわり等の栽培/木質バイオマス(剪定枝等)の利活用/食品廃棄物の堆肥化(生ごみの分別回収と堆肥化の拡大)/し尿汚泥利活用、野菜未利用部分の堆肥化・バイオガス化、稲わら・もみ殻の炭化利用/防災拠点となる公共施設に太陽光発電及び蓄電池を設置/次世代自動車導入促進のため、市内各所に充電器を設置]

・新潟市バイオマス産業都市構想(新潟県)-----下水処理施設を拠点とする多種バイオマスとの混合消化事業と植物由来廃棄物の徹底活用事業を軸に、「田園型環境都市新潟」の実現を目指す。

[下水処理施設を拠点とする多種バイオマスとの混合消化事業(刈草、コーヒー粕、集落排水汚泥等)/植物由来廃棄物等の徹底活用事業-木質バイオマス利活用。廃食用油からのBDF活用事業(公用車のほか下水処理場の動力源に活用)。木質ペレット利用拡大(市有林から民有林に拡大)。乾燥生ごみ拠点回収・堆肥化、学校給食残渣の飼料化・堆肥化。地域循環型バイオエタノール事業の促進]

大府市バイオマス産業都市構想(愛知県)-----知多地区(5市5町)において、生ごみバイオガス発電施設を拠点に、他の諸施設との有機的連携により、バイオマス資源とエネルギーを地産地消する「都市近郊型バイオマス・新エネルギー利活用ネットワーク」の構築を目指す。

[生ごみバイオガス発電施設の整備(処理量70t/日、発電量1.5万Kwh/日)-食品廃棄物、し尿等からのバイオガス発電(FITで売電)。メタン発酵堆肥の園芸肥料販売。乾燥汚泥は燃料利用/知多地区におけるバイオマス・新エネルギー利活用ネットワークの構築(愛知県、知多5市5町、名大、豊橋技大等)]

・三豊市バイオマス産業都市構想(香川県)-----国内初のトンネルコンポスト方式による食品残渣、木質等からの肥料・固形燃料製造事業(バイオマス資源化センター)と竹資源利活用事業を軸に、太陽光や小水力の導入促進の取組を組み合わせ、「廃棄物のないまち、環境にやさしいまち三豊市」の実現を目指す。

[食品廃棄物等資源利活用事業(バイオマス資源化センター)-国内初のトンネルコンポスト方式(発酵・乾燥・脱臭)による食品。残渣、木質原料、家庭系一般廃棄物からの肥料・固形燃料製造と減農薬有機農産物生産。/竹資源利活用事業-竹チップからの高機能パーティクルボードの製造/家畜排せつ物・家庭剪定枝等堆肥化、木質バイオマスのチップ・ペレット化、カキ殻の肥料・漁礁資材利用等/大規模太陽光発電、住宅用太陽光発電、小水力発電の導入]

 なかなか盛りだくさんです。各プロジェクトの今後の展開と成果に期待しております。



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