電源開発(Jパワー)、北海道新得町に維持流量利用の最大470kWくったり水力発電所の建設開始
電源開発(Jパワー)は、北海道上川郡新得町に、屈足ダムの放流設備の一部を改造して水車発電機を設置することで、未利用の河川維持流量(夏季4.0m3/s、冬季2.0m3/s)を活用する、最大470kWのくったり(水力)発電所の建設を開始しました。平成27年4月の運転開始を目指して工事が進められます。
屈足ダムは、ダムマニアによると、電源開発が下流に配置された熊牛発電所により発電を、北海道開発局農水部がかんがい用水を取水する協同運用ダムで、美しい姿をしたロックフィルダムです。
この、熊牛発電所は、昭和62年(1987)に建設された1万5400kWのダム水路式の発電所です。このように、既存の水力発電設備の未利用の河川維持流量を活用する試みは全国に広がっています。
まるで、落穂拾いのような試みですが、470kW(0.47 MW)の水力発電設備の実力は、稼働効率を考えると、太陽光発電の5倍から7倍にのぼる発電能力を発揮します。仮に稼働率60%とすれば、年間の発電量は247万320kWh/年に達します。この発電量を太陽光発電でまかなうとすれば、2500kW(2.5 MWp)の設備容量になります。この計算でも同じ設備容量なら5倍以上稼げることになります。なかなかの実力だと思いませんか !?
プレスリリース / 電源開発、平成25年10月1日
・くったり発電所の着工について~河川維持流量を活用した水力発電所の建設工事を開始
" 電源開発株式会社(略、以下「Jパワー」)は、本日、「くったり発電所」の建設工事を開始しました。本発電所は、屈足ダム(所在地:北海道上川郡新得町)から放流している未利用の河川維持流量(夏季4.0m3/s、冬季2.0m3/s)を活用するもので、放流設備の一部を改造して水車発電機を設置し、最大470kWの発電を行うものです。
今後、平成27年4月の運転開始を目指し安全を最優先に工事を進めてまいります。
.......... "
関連
・Jパワー : 水力発電所一覧
" 発電所名|水系-河川名|所在地|発電所形式|最大出力(kW)|運転開始
熊牛 | 十勝川-十勝川 | 北海道上川郡清水町 | ダム水路式 | 15,400 |S62.11.01 "
参考
・1994グッドデザイン賞 - 熊牛発電所 [北海道上川郡清水町熊牛]
・日本ダム協会 ダム便覧 : 屈足ダム[北海道]
・ダムマニア - DAM MANIA - ダム一覧 北海道>屈足ダム
-----image : Googleマップより。屈足ダムを見る。
コメント続き
同じ十勝川の今回のダムのすぐ上流では、北海道電力の新岩松発電所が、岩松発電所の設備をできるかぎり利用する形で建設される計画が進んでいます。
・2016年完成予定の北海道電力新岩松発電所、水力-出力16,000kW。重要電源開発地点に指定-----ソフトエネルギー、2013/09/19
十勝川には、たくさんのダムや水力発電所が連なっています。これらをバージョンアップしたり、今回のように維持流量を利用すること、川の水の有効な活用への道が開けそうです。
水力・小水力の広がりに大きな希望を感じるこのごろです。
参考
・十勝の川をフィールドとした総合的学習の手引き 身近な暮らしから探る十勝の川 - 川とつながるわたしたち : 地図 十勝の主な発電・送電・変電施設
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