« 世界最大のミラー集光式392MW太陽熱発電所 Ivanpah Solar を見てみよう ! | トップページ | 昭和シェル石油、川崎市に49MWの国内最大級のバイオマス発電所を建設へ  »

東京発電、神奈川県箱根町で須雲川発電所を29年ぶりに190kWの規模で復活

 東京発電は、神奈川県箱根町の旅館が、昭和29(1954)年3月に出力120kWの自家消費用小水力発電施設として開発され、その後設備の老朽化等により昭和59(1984)年8月に廃止された、須雲川発電所を29年ぶりに190kWの規模で復活させました。須雲川発電所は本流より毎秒 0.58立方mを取水し、約40mの落差を利用し、年間約110万kWhの発電電力量が期待されています。
 詳細はリリースにも記載されていませんが、掲載されている写真をみると、老朽化して廃止された水力発電設備を可能な限りそのまま残すことで復活させた様がみてとれます。機会があれば、実際に見学させていただきたい興味深い小水力発電設備です。

プレスリリース / 東京発電、平成 25 年8月7日
ホームページ / 8/7 小水力発電「須雲川発電所」の運転開始のお知らせ(PDF)

Sukumogawa_190kw_hydro_setsubi
-----image : 同リリースより

"このたび、東京発電株式会社(略)は、神奈川県足柄下郡箱根町畑宿に、出力 190kW の水力発電所『須雲川発電所』を建設し、平成 25年8月7日に営業運転を開始いたしました。
これにより当社は、関東甲信越に 69 箇所、総出力約 18万4千kWの水力発電所を保有します。

 当発電所は、昭和29年3月に神奈川県箱根町の旅館が自家消費用として開発されましたが、設備の老朽化等により昭和59年8月に発電所を廃止し、設備は箱根町様の所有となっておりました。今回、切迫している電力供給事情への寄与並びに再生可能エネルギー利用拡大を図るべく、箱根町様を始めとする関係者様のご理解を頂き、平成 25 年2月より再生工事を開始し今日に至りました。
 須雲川は、大観山(たいかんざん、標高 1012m、かつての箱根外輪山のひとつ)を水源とする本流と、二子山(上二子山,標高 1099m,下二子山,標高 1065m)をを源流とする支流などからなっており、須雲川発電所は本流より毎秒 0.58m3を取水し、約 40mの落差を利用して、年間約110万kWhの電力量を発生させる見通しです。発生した電気は再生可能エネルギー固定価格買取制度を利用して全量東京電力㈱に売電いたします。
 東京発電(株)は、今後とも水力エネルギーを有効活用し、地球温暖化防止対策を積極的に推進してまいります。

【発電所概要】
(1)最大出 力:190キロワット
(2)水 車:横軸フランシス水車 1 台
(3)発電電力量:年間約110万キロワットアワー
(一般家庭約300軒分の年間使用電力量に相当)
..........
Sukumogawa_190kw_hydro_map1
-----image[”(4)発電所位置”] : 同リリースより
.......... "

関連
東京発電 / 平成24年8月29日 小水力発電『須雲川発電所』の再開発計画のお知らせ

"..........
1 須雲川発電所概要
(1)最 大 出 力:190キロワット
(2)水 車:横軸フランシス水車 1 台
(3)使 用 水 量:0.58m3/s
(4)有 効 落 差:41.84m
(5)発電電力量:年間約110万キロワットアワー
(一般家庭約250軒分の年間使用電力量に相当)......... "

/ 水力発電事業
/ マイクロ水力発電事業 - Aqua μ アクアミュー - 事例紹介

東京発電、小水力発電の「須雲川発電所」を再開発-----Tech-On!、2012/08/29

".....同発電所は1954年、箱根町の旅館が建設。自家用発電所(出力120kW)として運転した後、設備の老朽化などから1984年に廃止した。廃止後は、箱根町が設備を譲り受け、水槽設備の一部を箱根町への水道水供給に利用していた。東京発電は今回、水路・水圧鉄管などの健全な既設設備を最大限活用しながら新たな水車を導入し、小水力発電所として再開発する。....."


コメント続き
 
 今回、この記事を掲載するにあたって、検索すると須雲川発電所には、さらに古い別のストーリーがあるようです。発祥地コレクションの日本水力発電発祥地跡によると、付近に製糸工場をつくった男爵が、須雲川から水を引いて水力発電設備を明治25(1892)年に完成させたというのです。このサイトには、「水車は“中島工場製”, 発電機は“三吉電気工場製”で いずれも国産第一号。 発電された電力は 箱根湯本から塔之沢方面に電灯用として供給された。」と紹介され、これが関東地方における営業用発電所の第一号でそれらを記念して「日本水力発電発祥地跡」という石碑も立てられているようです。その後、須雲川上流に大型の発電所ができたために明治33(1900)年に発電所は機能を停止したということです。それから、今回の記事の冒頭の”ストーリー”までの、くわしい水力発電所の歴史はわかりませんでしたが、なかなか興味深い話です。

参考
Sukumogawa_190kw_hydro_google_map
-----image : Googleマップで、須雲川発電所付近 を見る

・発祥地コレクション : 日本水力発電発祥地跡

箱根湯元ぶら



ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。





greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2-----しなやかな技術研究会 まとめ

[PR]

|

« 世界最大のミラー集光式392MW太陽熱発電所 Ivanpah Solar を見てみよう ! | トップページ | 昭和シェル石油、川崎市に49MWの国内最大級のバイオマス発電所を建設へ  »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東京発電、神奈川県箱根町で須雲川発電所を29年ぶりに190kWの規模で復活:

« 世界最大のミラー集光式392MW太陽熱発電所 Ivanpah Solar を見てみよう ! | トップページ | 昭和シェル石油、川崎市に49MWの国内最大級のバイオマス発電所を建設へ  »