« 2013年6月 | トップページ | 2013年8月 »

ソーラーフロンティア、厚さ6.5mmの薄型軽量型と、170Wpの大型CIS太陽電池を発売

 ソーラーフロンティアは、ガラス基板構造の CIS 薄膜太陽電池モジュールとしては世界最軽量となる製品「Solacis neo(ソラシス・ネオ)」と、同社製品ラインナップの中で過去最高出力となる CIS 薄膜太陽電池モジュールの「高出力モジュール SF170-S」の 2 製品を発売しました。

 Solacis neoの厚みは、6.5mmで、L 1231mm x W 638mmのサイズで、重さは8kg。出力は、95W (100W)。これまでの既存のソーラーフロンティアのSFシリーズが、16.3kg/平方mだったのに対して、約40%の軽量化を達成し、10.2kg/平方mという値となっています。屋根や建物への負担の軽減と施工の負担も軽減することができそうです。ワンタッチ取り付け(クロスワン工法)にも対応した架台と施工方法もサポートされます。
 軽量化とクロスワン工法を採用することで、約40%の施工時間の短縮も可能とのことです。

 さらに今回、国内住宅市場専用に、「高出力モジュール SF170-S」が販売されました。同社製CIS薄膜太陽電池として過去最高出力となる 170Wの太陽電池です。


プレスリリース / ソーラーフロンテイィア、2013-07-23
ソーラーフロンティア、独自のCIS技術で薄型軽量および過去最高出力となる太陽光パネルを発売

C022567C022566
-----image(”【製品写真】左-Solacis neo、高出力モジュールSF170-S”) : 同リリースより

"CIS技術の研究開始から20年の節目に、美しさと性能を追求した2モジュールを投入

 ソーラーフロンティア株式会社(略)は、ガラス基板構造の CIS 薄膜太陽電池モジュールとしては世界最軽量となる製品「Solacis neo(ソラシス・ネオ)」と、当社製品ラインナップの中で過去最高出力となる CIS 薄膜太陽電池モジュールの「高出力モジュール SF170-S」の 2 製品を新たに発売いたします。「Solacis neo(ソラシス・ネオ)」は国内住宅市場専用に、「高出力モジュール SF170-S」は国内住宅市場向けに先行発売します。

「Solacis neo(ソラシス・ネオ)」は、ソーラーフロンティアが開発した最先端 CIS 技術を駆使した薄型軽量モジュールで、スマートフォン並みの厚さ約 6.5mm という圧倒的な薄さや、約 8.0 kg という従来よりも 40% 減の軽さを実現しています。また、ねじれに強いCIS技術により可能となったフレームレスな形状のデザイン性の高さと屋根へのフィット感が特長です。同製品は、宮崎第 2 工場において 2013 年10 月から生産開始、11 月より出荷を予定しています。

一方、SFシリーズの最新型である「高出力モジュール SF170-S」は、当社製 CIS 薄膜太陽電池として過去最高出力となる 170W を誇り、最新生産技術を導入している日本最大の太陽電池工場である国富工場(宮崎県)で生産されています。当社は従来から、照度特性、温度特性、光照射効果、更に部分的な影への耐性などにより発電量の多さが特長である CIS 薄膜太陽電池モジュールの発電性能の向上に努めてきましたが、今回更にその性能を高めることに成功いたしました。同製品は2013年 7 月から出荷が開始されています。

それぞれの新モジュールの発売に合わせて、クロスワン工法という新たな工法を取り入れた住宅用架台も販売します。新工法では従来の安全性や信頼性を確保しながら、屋根に取り付ける金具やモジュールを固定する機構を工夫することで、住宅の屋根への負担が少なくなるとともに、設置時間も従来工法と比べて約40%短縮できます。

ソーラーフロンティアの CIS 技術は、1993 年に研究を開始してから今年で 20 年の節目を迎えました。ソーラーフロンティアが独自開発した CIS 技術は、次世代太陽電池技術として開発がスタートし、結晶シリコン系の太陽電池とエネルギー変換効率で比肩するまでになりました。CIS 薄膜太陽電池モジュールは、実際の環境下での発電能力に優れており、これまで各地の実証実験でその高い発電性能が証明されています。

CIS薄膜太陽電池モジュールは、そのデザイン性と性能の高さにより、住宅の外観や機能ニーズにフィットした太陽光発電を実現することが可能です。ソーラーフロンティアは今後もCIS技術の研究・開発および大量生産技術の向上に取り組んでいくことで、お客様に魅力的な太陽光エネルギーの供給を目指して参ります。

【製品概要】
Solacis neo
・製品型番: SFR95-A/SFR100-A(予定)
・重量: 8kg / 枚
・サイズ: L 1231mm x W 638mm
・厚さ: 6.5mm
・メイン出力帯: 95W -100W(予定)

C022568
-----image : 同リリースより

高出力モジュールSF170-S 
・製品型番: SF170-S
・重量: 20kg/枚
・サイズ: L 1,257mm x W 977mm
・厚さ: 35mm
・メイン出力帯: 170W
.......... "


コメント続き

 先週ビックサイトで開催されていたPVJapan 2013で実際に、ソーラーフロンティアの太陽電池と工法を見ることができました。ワンタッチ取り付けのクロスワン工法の簡単さには驚きました。太陽電池を収めるところから先は電動工具不要でフィニッシュできます。
 軽さも高齢化した現場には、大いに魅力です!

Solarfrontier_solacis_neo
-----image : PVJapan 2013で配布されたソーラーフロンティアのカタログから

参考
ソーラーフロンティア,新型CIS薄膜太陽電池モジュールを発表

optronicsshow,2013/07/23)

続きを読む "ソーラーフロンティア、厚さ6.5mmの薄型軽量型と、170Wpの大型CIS太陽電池を発売"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

IHI、最大送電端発電出力20kWのパッケージタイプ小型バイナリー発電装置を発売

 IHIは予定通り、最大送電端発電出力20kWのパッケージタイプ小型バイナリー発電装置を発売しました。昨年発表した“HRシリーズ”のプロトタイプモデルの商品化にあたって、従来バイナリー発電に適さないとされ捨てられていた、少量の温水の利用実現を目的に開発したもの位置づけ、70℃~95℃の温水で発電が可能、冷却水の温度が30℃(一般的な工場の冷却水の平均的な水温)でも、温水が95℃あれば最大発電出力を得ることができるとパッケージタイプ小型バイナリー発電装置のメリットをアピール。
 8月8日から発売開始で、市場価格として1000万円前後の予定で、今年度末までに、20台以上の受注を目標に営業活動を展開するとのことです。

 高効率で独自の技術を盛り込んだ、導入しやすい仕様となっている模様です。国内での温泉発電や、廃熱利用による発電などで、活躍することが期待されます。


プレスリリース /  IHI、2013年7月17日
高効率で系統連系可能な最大送電端発電出力20kWのパッケージタイプ小型バイナリー発電装置を発売

_1_1_2
-----image(”左-小型ハ゛イナリー発電装置外観、右-小型ハ゛イナリー発電装置ターヒ゛ン発電機外観”) : 同リリースより

"IHIは、発電した電力を商用電源に接続可能な系統連系機能を有する最大送電端発電出力20kWのパッケージタイプの小型バイナリー発電装置『ヒートリカバリー“HRシリーズ”』を、8月8日(木)に販売開始します。

 『ヒートリカバリー“HRシリーズ”』は、従来、バイナリー発電に適さないとされ捨てられていた、少量の温水の利用実現を目的に開発したものです。
最大送電端発電出力20kWの小型・軽量タイプで、これまで熱エネルギーの回収が難しいとされてきた、工場などで分散して排出されている100℃未満の温水を集約せずに利用できる機会が増えます。さらに、少ない熱エネルギーで高出力を得ることが可能な、非常に高効率な画期的装置です。

 本装置は、使用する温水・冷却水の温度・量により、数kW~20kWの発電が可能です。
作動媒体には、電気事業法の小型バイナリー発電の規制緩和に適合したフッ素系の不活性ガスを使用し、70℃~95℃の温水で発電が可能で、冷却水の温度が30℃(一般的な工場の冷却水の平均的な水温)でも、温水が95℃あれば最大発電出力を得ることができる、高効率で導入しやすい仕様となっています。
 まとまった温水が排出される工場や温泉では、本装置を複数台設置し、温水を各装置に分散させて発電することも可能で、メンテナンス時には一台ずつ停止して他の装置で発電することにより、発電装置の稼働ロスを最小限に抑えることができ、効率の良い運用を可能とします。
 また、商用電源に接続可能な系統連系機能を標準装備することで、発電した電力の品質を上げるとともに電力の用途を広げ、温泉での再生可能エネルギーの固定買取制度の適用や工場での省エネにも貢献します。

 バイナリー発電には必須となる、本装置の心臓部であるタービン発電機には、当社の自動車用・舶用ターボチャージャや産業用コンプレッサ事業を通じて培ったターボ機械技術と、増速機等を使用せず直接動力を伝達するダイレクトドライブ技術を融合し、高効率化の実現による発電性能の向上を図っています。

 当社では、8月8日(木)から、本装置を様々な業種の工場や、温泉地、自治体などに向けて販売していきます。本装置は市場価格として1000万円前後の予定で、今年度末までに、20台以上の受注を目標に営業活動を展開するとともに、今後、更なるラインナップの拡充を図り、お客様の様々な省エネ・発電のニーズに対応していきます。

バイナリー発電装置: 100℃未満の工場排水や温泉などの熱エネルギーを利用し、沸点の低い媒体を蒸発させてタービン発電機を作動させるもの。これまで未利用であったエネルギーを活用し、低位熱からのエネルギー回収および有効利用による“省エネ”、または再生可能エネルギーから発電することによる“創エネ”への適用が期待されている。

<ヒートリカバリー“HRシリーズ”の概略構成>
1. 発電方式:オーガニックランキンサイクル(*1)により70℃~95℃の温水からの発電が可能
2. 作動媒体:HFC-245fa/電気事業法の小型バイナリー発電の規制緩和に適合した不活性ガス
3. タービン発電機:ラジアルタービンと高速発電機を直結したダイレクトドライブ構造
4. パッケージ:オーガニックランキンサイクルを構成する機器を小型パッケージに収めるだけでなく、さらに商用電源への接続を可能にする系統連系機能を標準装備

<ヒートリカバリー“HRシリーズ”の特長>
1. 小規模・小型:幅:約2m、奥行き:約1.4m、高さ:約1.6m、重量:約1,900kgとコンパクト
2. 容易な取付け:温水出入口と冷却水出入口配管、電源系統の接続だけで非常に簡単
3. 静粛・低振動:タービン発電機は直結構造であるため騒音も少なく、装置の振動もほとんど無い
4. 操作性、起動性:タッチパネルですべての操作と内部状態の確認が可能。温水と冷却水を流して起動するだけで、自動で発電開始

*1 オーガニックランキンサイクル:沸点の低い有機媒体を作動媒体として用い、蒸発/液化のサイクルを繰り返し、蒸発した作動媒体でタービン発電機を作動させるもので、低位熱からのエネルギー回収に有効な手法。
.......... "

関連
・IHI : 小型バイナリー発電装置“HRシリーズ”
Ihi_20kw_binary_88hatubai
-----image : 上記サイトより

IHI、工場排水や地熱由来の温水に対応した出力20kWの小型バイナリー発電装置を開発、2013年商品化-----ソフトエネルギー、2012/09/21


コメント続き
 温泉発電や廃熱回収で注目される小型バイナリーシステムの導入例、計画も増えています。カタログのまとめサイトを作ってみました。参考までに、是非ご覧ください。

参考
地熱発電(廃棄熱発電等用)小型バイナリー発電ユニット カタログ

地熱発電(廃棄熱発電等用)小型バイナリー発電ユニット カタログ 発行!-----自然エネルギー、2013/05/29


神戸製鋼所、125kWのバイナリー発電システム、マイクロバイナリー MB-125Sの販売を開始-----ソフトエネルギー、2013/07/25

続きを読む "IHI、最大送電端発電出力20kWのパッケージタイプ小型バイナリー発電装置を発売"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

出光興産、国際石油開発帝石、三井石油開発、北海道および秋田県での地熱発電に向けた構造試錐井の掘削を開始

 出光興産、国際石油開発帝石、そして三井石油開発は、2011年に地熱発電に向け地表調査を実施済みの、北海道赤井川村の阿女鱒岳(あめますだけ)地域および秋田県湯沢市の小安(おやす)地域において、第二段階の調査として、構造試錐井の掘削を開始しました。
 2015年度までに、両地域において構造試錐井を数坑掘削し、その結果をもとに第三段階の調査移行を判断するとのことです。

 秋田県湯沢市の小安(おやす)地域での調査は、再生エネルギーの開発を進めるために実施された、国の規制緩和を受け栗駒国定公園で実施されるもので、規制緩和後の調査掘削は全国で初めてという表現で報道がなされました。栗駒国定公園の中の「特別地域」の2か所で、掘削深度1800メートルと、1700メートルの2本の構造試錐井が掘削されます。

 また、本年2月には今回の出光興産、国際石油開発帝石、そして三井石油開発を含む地熱関連33社が、日本地熱協会を設立しています。今後の国内での地熱開発における研究、情報収集の他、普及拡大にむけた環境整備のための活動を開始しています。わが国の再生可能エネルギーの中でも、その活用が期待される地熱ですが、環境整備と開発に時間がかかります。しかし、2020年代に確実に進めるための、官民あげての取り組みが今こそ必要です。

 いろいろと期待しております!


プレスリリース / 出光興産、2013年7月26日
ニュースリリース / 北海道および秋田県での地熱発電に向けた構造試錐井の掘削開始について(PDF:256 KB)

Idemitsu_geothermal_akita_hokkaido
-----image : 同リリースより

" 出光興産株式会社(略)、国際石油開発帝石株式会社(略)、三井石油開発株式会社(略)は、2011年に地熱発電に向け地表調査を実施した北海道阿女鱒岳[あめますだけ]地域(赤井川村)および秋田県小安[おやす]地域(湯沢市)において、第二段階の調査として、構造試錐井の掘削を開始しましたので、下記の通りお知らせ致します。


1.今回の調査内容
構造試錐井の掘削により、地質構造、地下の温度、透水性などを調査します。

2.掘削概要
(1)北海道阿女鱒岳地域
①スケジュール 2013年7月16日~10月上旬
②掘削深度 2,000メートル(AME-1号)

(2)秋田県小安地域(栗駒国定公園内)
①スケジュール 2013年7月25日~11月上旬
②掘削深度 1,800メートル(OYE-1号)、1,700メートル(OYE-2号)
..........
3.今後のスケジュール
2015年度までに、両地域において構造試錐井を数坑掘削し、その結果をもとに第三段階の調査(試験井掘削、生産・還元試験、貯留層能力評価、環境調査)移行を判断します。
.......... "


関連
国際石油開発帝石 / 2013/07/26
北海道および秋田県での地熱発電に向けた構造試錐井の掘削開始について (PDF 223KB)

北海道および秋田県での地熱発電に向けた構造試錐井の掘削開始について-----三井石油開発、2013年7月26日


参考
『日本地熱協会』の設立について-----日本地熱協会、2013.02.06

"..........
日本地熱協会【英文名;Japan Geothermal Association(JGA)】
..........
(2)主たる事業内容
・地熱発電全般に関する調査研究
・政府その他関係機関に対する提言と陳情
・地熱発電全般に係る会員相互の情報交換
・地熱発電に対する理解の促進と広報
.........
(5)会 員(五十音順)
・㈱明間ボーリング
・出光興産㈱
・伊藤忠商事㈱
・エスケイエンジニアリング㈱
・SBエナジー㈱
・㈱大林組
・川崎重工業㈱
・㈱極東製作所
・国際石油開発帝石㈱
・JFE エンジニアリング㈱
・JX 日鉱日石金属㈱
・清水建設㈱
・㈱神鋼エンジニアリング&メンテナンス
・新日鉄住金エンジニアリング㈱
・住友商事㈱
・石油資源開発㈱
・地熱技術開発㈱
・㈱ティクスTSK
・帝石削井工業㈱
・電源開発㈱
・㈱東芝
・日鉄鉱業㈱
・日本海洋掘削㈱
・富士電機㈱
・㈱物理計測コンサルタント
・㈱三井住友銀行
・三井石油開発㈱
・三井物産㈱
・三菱ガス化学㈱
・三菱重工業㈱
・三菱商事㈱
・三菱マテリアル㈱
・三菱マテリアルテクノ㈱
合計 33 社(平成 25 年 2 月 1 日現在)
.......... "

出光など33社、日本地熱協会を設立 地熱発電所建設を促進-----日本経済新聞、2013/2/6

".....出光興産や石油資源開発など.....業界団体、日本地熱協会(東京・千代田、田中進会長)を設立.....日鉄鉱業や三菱マテリアルなど地熱発電所の開発や関連事業を手掛ける企業が参加し、会員は合計33社....."


追加情報
石油資源開発ら3社、北海道標津町において地熱構造試錐井の掘削作業を開始-----ソフトエネルギー、2013/08/26

続きを読む "出光興産、国際石油開発帝石、三井石油開発、北海道および秋田県での地熱発電に向けた構造試錐井の掘削を開始"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

NTTファシリティーズ、佐賀に12MWpの吉野ヶ里メガソーラー発電所(てるてるの森)」を竣工

 NTTファシリティーズは、佐賀県神埼市に同社最大となる12MWpの吉野ヶ里メガソーラー発電所を竣工。この事業は、佐賀県所有の土地を賃借し太陽光発電事業を実施するという内容で、県の公募案件でした。周辺地域の方々に愛着を持たれるように、周辺の小中学校の生徒から、発電所の愛称を応募し「てるてるの森」と命名されました。
 この吉野ヶ里メガソーラーに関しては、遺跡や記念施設との景観などの問題から反対運動があったとも報じられていましたが、それほど遅滞なく竣工できたようです。実際の地元での印象や、景観が気になる案件です。太陽電池は、国産の240Wpを50,320枚使用され、スチール製V型架台を採用するとともに、太陽電池の設置高を1.3mに抑えることで、文化財保護にも配慮しています。
 さらに、非常時の蓄電池なども備え、子供たちの環境教室や技術者研修・研究等にも利用できるような配慮がなされた施設の運用を目指すということです。


プレスリリース / NTTファシリティーズ、2013年7月25日
「吉野ヶ里メガソーラー発電所(てるてるの森)」の竣工式を実施

News_image1
-----image(”完成写真”) : 同リリースより

" NTTファシリティーズ最大規模の発電事業用サイト

 株式会社NTTファシリティーズ(略)が出資する佐嘉吉野ヶ里ソーラー合同会社(略)は、国が推進する自然エネルギー普及・拡大や社会全体の環境負荷低減への貢献、及び太陽光発電に関する更なるノウハウ獲得・蓄積のため、太陽光発電事業用サイトとなる「吉野ヶ里メガソーラー発電所(愛称:てるてるの森)」を竣工させ、その竣工式を7月25日に実施しました。
 本事業は、佐賀県所有の土地を賃借し太陽光発電事業を実施するという内容での佐賀県の公募において、当社及び株式会社戸上電機製作所(略)、株式会社佐賀銀行(略)、国立大学法人佐賀大学(略)、西日本電信電話株式会社(略)による連合体が選定されたことで、開始されました。
 本発電所の特長は、「再生可能エネルギー普及と地域発展のシンボル」として、クリーンな電力を発電するだけでなく、見学者のための施設、停電時に発電した電気を直接使うための設備、EV充電器などを備えていることです。また、吉野ヶ里地域と共生するため設置方法にも工夫がなされています。
..........
1.吉野ヶ里メガソーラー設置運営事業の概要

施設名称:吉野ヶ里メガソーラー発電所 (愛称:てるてるの森)
設置場所:佐賀県神埼市神埼町大字志波屋
事業主体:佐嘉吉野ヶ里ソーラー合同会社
(NTTファシリティーズ100%出資)
太陽電池容量:12MW
想定年間発電量:12,850MWh (一般家庭消費電力 約3,600世帯分)

2.吉野ヶ里メガソーラー設置運営事業の特長
(1)発電所の愛称公募
発電所を周辺地域の方々に愛着を持って頂けるよう、神埼市、吉野ヶ里町の小中学校の生徒・児童から、発電所の愛称を応募しました。応募総数1800件の中から、佐賀県、神埼市、吉野ヶ里町、当社にて、発電所に相応しい愛称として「てるてるの森」を選定しました。

(2)見学者への配慮
環境教室等を行う見学者施設「てるてるの森情報館」、車専用の見学用道路「未来の道」、見学用の丘「見晴らしの丘」を設置しています。

(3)吉野ヶ里地域との共生
吉野ヶ里地域の景観を保護するため、太陽電池の設置高を1.3mに抑え、文化財保護(記録保存区域)に配慮し置き式の基礎を採用しています。

(4)架台・パネル
架台は当社開発のスチール製V型架台を採用しています(当社従来比で約30%の構築費削減)。パネルは日本国内製(240W/枚)を50,320枚使用しています。

(5)停電対応型設備の導入
停電対応型のPCS(パワーコンディショナ)*1、リチウムイオン電池により、災害等における停電時も発電所から地域への電力を供給が可能となり、地域のセーフティーネットとして活用できます。

(6)EV充電器の導入
発電所駐車場にはEV充電器を2台設置しています。内、1台は停電対応型設備との連携により停電時にも活用可能です。

(7)発電診断システム
当社独自の発電診断システムの導入により、気づきにくい故障や不具合等の発見や発電量を診断できます。具体的には、診断レポートによる発電性能の見える化が可能であること、遠隔自動診断により維持管理稼働が削減できることがあげられます。さらに、ストリング*2、接続箱、PCS単位等、システムに応じてきめ細やかな発電診断の比較評価します。

(8)環境教室・技術者研修・研究等の実施
今後、地域と連携しながら、本施設を活用した子供達への環境教室、技術者育成のための研修、太陽光発電を中心とした研究を行います。

3.今後の予定
本発電所は、平成25年8月6日(火)より一般公開を開始し、発電所の見学が可能になります。
 また、当社は、太陽光発電システムインテグレーションのリーディングカンパニーとして、引き続き自然エネルギー普及・拡大や社会全体の環境負荷低減に貢献してまいります。

用語説明
*1 PCS 太陽電池から発電された直流の電気を、電力系統と同じ交流の電気に変換する装置
*2 ストリング 太陽電池の1直列回路
.......... "

関連
「吉野ヶ里メガソーラー発電所」の竣工式が行われます-----佐賀県、平成25年7月24日
[ 吉野ヶ里メガソーラー設置事業の概要 - 佐賀県http://www.pref.saga.lg.jp
/web/var/rev0/0098/6092/gaiyou.pdf (平成24年4月 佐賀県新エネルギー課) ]

Yosinogari_megasolar-----image : Googleマップで、吉野ヶ里メガソーラー を見る


コメント続き

 グリーン・ポストでは、国内のメガソーラーのトップ10ランキングを作ってみています。今回の12MWpの吉野ヶ里メガソーラーは、現時点で国内5番目の規模となります。10MWp越えのメガソーラーは、国内7箇所となりました。

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

続きを読む "NTTファシリティーズ、佐賀に12MWpの吉野ヶ里メガソーラー発電所(てるてるの森)」を竣工"

| | コメント (1) | トラックバック (1)

神戸製鋼所、125kWのバイナリー発電システム、マイクロバイナリー MB-125Sの販売を開始

 神戸製鋼所は、マイクロバイナリーシリーズの新型、125kWのバイナリー発電システム、マイクロバイナリー MB-125Sの販売を開始しました。2011年10月に発売された「MB-70H」は、70~95℃程度の温水を熱源として利用し発電する「温水熱源仕様機」で最大発電端出力は72kWでした。今回の、「MB-125S」では110~130℃程度の低圧蒸気の凝縮熱を回収することで、最大発電端出力は125kWとなっています。工場排熱や地熱等を利用して発電することができる、高効率・小型バイナリー発電システムの新型で、本体ユニット価格は、3,800万円です。
 温泉発電や廃熱回収で注目される小型バイナリーシステムの導入例、計画も増えています。カタログと記事のまとめサイトを作ってみました。参考までに、是非ご覧ください。


プレスリリース / 神戸製鋼所、2013年7月24日
高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー MB-125S」の販売開始について

01_1
-----image(”「MB-125S」の外観図 ”) : 同リリースより

" 有効活用が進んでいない110℃~130℃程度の低圧・余剰蒸気に対応した『国産初』の小型バイナリー発電

..........工場排熱や地熱等を利用して発電する、高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー」シリーズの新機種「MB-125S」を開発し、本年8月より販売を開始します。
 今回の新機種は従来、有効活用が進んでいない110~130℃程度の低圧・余剰蒸気を利用する「蒸気熱源仕様機」となり、同温度帯に対応する小型バイナリー発電機としては、国産初の商品です。当社独自技術であるスクリュタービンの採用により高効率化を実現し、当社冷凍機・ヒートポンプ等の量産技術の活用や部品の共通化を図る事で、本体ユニット価格3,800万円という低価格を実現しました。
 2011年10月から発売を開始している「MB-70H」は、70~95℃程度の温水を熱源として利用し発電する「温水熱源仕様機」で最大発電端出力は72kWでしたが、「MB-125S」では110~130℃程度の低圧蒸気の凝縮熱※1を回収することで、最大発電端出力は125kWと向上しています。
地熱などの再生可能エネルギーを活用した発電に加えて今回、工場等の排温水・排蒸気を活用した発電への需要を更に開拓する事で、既に販売中の「MB-70H」と合わせて2015年度に年間売上高約30億円を目指します。
..........
 今回の追加新機種の販売開始により、110~130℃の低圧・余剰蒸気等も利用可能となり、これにより130℃以下の工場等の排温水、排蒸気に加え、温泉水や地熱資源、バイオマス由来の熱源、太陽熱といった、未利用となっている多くの再生可能エネルギーを活用した、小規模・分散型のグリーン電力発電システムの構築が可能です。特に当社のスクリュ式小型蒸気発電機「スチームスター MSEG」等から排出される蒸気を復水させる工程に、復水器の代わりにマイクロバイナリーを設置し発電させる事で(ボトミングサイクル※3)、未利用エネルギーの究極的な有効活用が可能となります。また、温水熱源仕様機のMB-70H、蒸気熱源仕様機のMB-125Sを基本モジュールとして、熱源条件や設置環境に応じて、複数台を組み合わせる最適なシステム設計が可能で、メンテナンス時の稼動ロスも最小限に留める事ができます。
 既に商品化している高効率蒸気供給システム「スチームグローヒートポンプ SGH」、小型蒸気圧縮機「スチームスター MSRC」、及び蒸気駆動空気圧縮機「Kobelion-SD」と合せ、様々な排熱の回収、及び再生可能エネルギーのソリューションメニューをご提供する事が可能となり、当社は今後も省エネ・環境・発電をキーワードに様々なお客様へのエネルギーソリューションをご提供して参ります。
..........   "

関連
・神戸製鋼所 : バイナリー発電システム マイクロバイナリー

関連エントリー
神戸製鋼所-高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー」の開発・販売について-----自然エネルギー、2012/01/17

地熱発電(廃棄熱発電等用)小型バイナリー発電ユニット カタログ

長崎県の小浜温泉で神戸製鋼所の地熱発電、マイクロバイナリー60kW 3台が稼動開始-----ソフトエネルギー、2013/04/12

神戸製鋼所の小型バイナリー発電システム、別府と湯布院の温泉に導入へ-----ソフトエネルギー、2012/07/13


参考エントリー
川崎重工と九州電力、250KW小規模地熱バイナリー発電設備実証試験を開始-----ソフトエネルギー、2011/09/01

続きを読む "神戸製鋼所、125kWのバイナリー発電システム、マイクロバイナリー MB-125Sの販売を開始"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

桶川市の後谷調整池に、浮体式1.18 MWpメガソーラーが姿を現した

 桶川市の後谷調整池に、浮体式1.18 MWpメガソーラーが姿を現しました。桶川市は、「平成25年7月19日午後2時に竣工され売電が開始されました。」と発表しました。桶川市の東部工業団地の後谷調整池に完成した、日本初の水上式メガソーラー発電施設「ソーラーオンザウォーター桶川」は、設置面積にして約12,400平方メートルの池面に浮かび、おおよそ4500枚の太陽電池で構成されています。設置事業者は、ウエストエネルギーソリューションで、この浮体式メガソーラーは、フランスのシエル・エ・テール・アンテルナショナル社が開発したものであるようです。

 シエル・エ・テール・アンテルナショナルのサイトでは、フランスで建設された12MWpの巨大なメガソーラーが紹介されています。波のない静水面を探せば、国内でもまだまだ適地はありそうです。


プレスリリース / 桶川市、2013年7月19日
水上太陽光発電施設「ソーラーオンザウォーター桶川」が竣工しました

Okegawa_floating_pv
-----image[”ソーラーオンザウォーター桶川(写真提供:株式会社ウエストエネルギーソリューション)”)]: より

"内容
 平成25年7月19日、東部工業団地の後谷調整池に日本で初の水上式メガソーラー発電施設「ソーラーオンザウォーター桶川」が完成しました。

施設の特長
 風速40メートル、水位差9メートルの変動環境に対応した完全浮体構造
 自立運転機能と移動式蓄電池の採用により、災害時・停電時の非常用電源が確保できる
 再生エネルギーの実際を学べる環境教室の併設

事業概要
 発電出力 1,180キロワット(4人暮らしの一般家庭約400世帯分の消費電力に相当します)
 年間総発電量 1,249,000キロワットアワー(見込み)
 設置面積 約12,400平方メートル
 事業期間 20年
 事業者 株式会社ウエストエネルギーソリューション(株式会社ウエストホールディングスグループ企業)

地図情報
.......... "

関連
全国発の水上メガソーラー、埼玉県桶川市で運用開始-----ウエストエネルギーソリューション、2013年07月23日
- ウエストエネルギーソリューション / メガソーラー実績

"国内初!水上メガソーラー建設をスタートしています。
 ウエストエネルギーソリューションは埼玉県桶川市より市内の工業団地内にある調整池に1.36MWのフロート式水上メガソーラーを設置する事業者として指名されました。
水上への設置は太陽電池モジュールの温度上昇も少なく、発電量の低下を抑えることができます。ウエストグループでは今後1年間で全国に10カ所、総出力20MWの設置を目指しています。"

埼玉県桶川市の「水上メガソーラー」 フランス製太陽光発電システムを採用-----環境ビジネスオンライン、2013年7月11日

"本事業で採用されたのは、シエル・エ・テール・アンテルナショナル社が開発した、同社の特許技術であるHydrelio©(ハイドレリオ)テクノロジーを用いたフローティング太陽光発電システム。"

関連
・Ciel et Terre : Floating solar system Hydrelio
France_floating_pv_system
-----image : 上記サイトより

A NEW PHOTOVOLTAIC CONCEPT, THE LARGEST FLOATING SOLAR PLANT IN THE WORLD, A FRENCH PROJECT CIEL & TERRE TURNS ON THE LARGEST FLOATING SOLAR PLANT IN THE WORLD: 1.2 MW IN JAPAN-----Green Planet Architects, 04-Sep-13


追加情報
京セラ関連、兵庫県加東市に2箇所合計2.9MWpの仏技術導入の浮体式メガソーラーを建設へ-----ソフトエネルギー、2014/09/10


コメント続き

 以前に、カリフォルニアのワイナリーに導入された、400kWpのフローティングソーラーを紹介したことがあります。このときの報道などが確かだとすると、世界初の本格的な浮体式ソーラー発電所でした。それから5年。世界では、浮体式の技術が発展してきているようです。

フローティング・ソーラーファームがカリフォルニアのワイナリーに登場-----ソフトエネルギー、2008/06/02

参考エントリー
Solar Island ソーラーアイランド、3っつの直径25mの発電する島、スイスで建設へ-----ソフトエネルギー、2013/02/13

続きを読む "桶川市の後谷調整池に、浮体式1.18 MWpメガソーラーが姿を現した"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

千代田化工、伊Archimede Solar Energyと共同で、溶融塩トラフ型太陽熱発電デモンストレーションプラントを建設

千代田化工は、イタリアのArchimede Solar Energyと共同で、溶融塩トラフ型太陽熱発電デモンストレーションプラントを建設していました。それがこのほど完成したとのことです。7月3日に、現地イタリアのマッサマルタナで、デモプラントの開所式が行われ、実証運転が開始されました。

 これまでの一般的な溶融塩を使って熱の管理や蓄熱を行う発電所の場合には、いったん太陽熱で油を熱し、それを熱交換し、溶融塩の熱ループを稼動させるものでした。しかし、今回は直接溶融塩を熱することで、全システムを溶融塩のみで動かすことにより熱交換器が不要となり、プラントをよりシンプルに構成でき、より高い温度で蒸気発生器を加温することが可能になります。

 出力規模が千代田化工、Archimede Solar Energyのリリースに記載されていないのですが、見つけしだい詳細を追加したいと思います。
 日本では、見込みのない太陽熱利用の発電方式ですが、赤道付近の国にとっては、とてもおおきな潜在力をもった発電方法です。イタリアやスペイン、北西アフリカなどが適地とされています。今後は、アジア、南北アメリカ大陸でも発展しそうです。

 パラボラミックトラフ式の太陽熱発電と集熱チューブについては、過去の記事をご覧ください。

 パラボラミックトラフ式の太陽熱発電は、レンズ集光型の太陽熱発電などと同じ、集光型太陽熱発電(CSP : Concentrating Solar Power)に分類されます。今回のでもプラントは、溶融塩を利用した熱循環および蓄熱システムを擁する、溶融塩トラフ型太陽熱発電(MSPT-CSP : Molten Salt Parabolic Trough – Concentrated Solar Power)と表現されています。


プレスリリース / 千代田化工、2013年7月4日
溶融塩トラフ型太陽熱発電デモンストレーションプラント完成

Chiyodacorp_csp
-----image : 同リリースより

" 当社が、イタリアのアルキメデ・ソーラー・エナジー(ASE)社と共同で進めてきました溶融塩トラフ型太陽熱発電(MSPT-CSP*)のデモンストレーションプラント(デモプラント:実証装置)が完成、7月3日イタリアのマッサ・マルタナにて盛大に開所式が執り行われ、実証運転を開始することになりましたのでお知らせいたします。

 本デモプラントは、イタリアの集熱管製造技術と日本のエンジニアリング技術の融合により生まれた、太陽熱発電における新システムを世界に紹介する場であると共に、更なる技術革新に向けた技術開発の拠点ともなります。

当社とASE社は、実証運転を通じ、溶融塩のハンドリング技術の確立とともに、技術的・経済的に最適化されたプラントシステムの構築により、夜間も含めた安定的なグリーン電力の供給を目指します。
.......... "

関連
・ Archimede Solar Energy : On July the 3rd 2013 Archimede Solar Energy (ASE) and Chiyoda Corporation ground break the most advanced concentrated solar power installation with thermal energy storage

・千代田化工 : 太陽熱発電所

"..........
溶融塩・トラフ型太陽熱発電

千代田が技術開発を進める「溶融塩・トラフ型太陽熱発電」は、熱媒を合成オイルから溶融塩に変えることにより、運転温度を550℃まで上げることができるようになります。溶融塩を熱媒として使用する主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

熱媒を合成オイルから溶融塩に変更することで、従来型より高温のスチームを供給することができる。これによって、発電効率の上昇と発電コストの削減が期待できる。
従来型と比べ、溶融塩を熱媒として使用したシステムでは蓄熱タンクの容量をより小さくすることができる。
従来型(熱媒:合成オイル)は、蓄熱媒体として溶融塩を使用しているため、合成オイルと溶融塩の熱交換が必要であったが、全システムを溶融塩のみで動かすことにより熱交換器が不要となり、プラントをよりシンプルに構成することができるようになる。
.......... "


Technology_solarenergy_img1
-----image : 上記サイトより

再生可能エネルギーの問題を解決する「溶融塩太陽熱発電」が稼働開始!-----Wired,2013.7.17

"..コストは非常に優れていて、kWhあたり8〜10セント.."

ENEA WebTV - Archimede Solar Energy celebra il primo impianto a sali fusi

(ENEANEWS,2013/07/11)

関連エントリー
千代田化工建設、イタリアの太陽熱受容チューブメーカーのArchimede Solar Energyに15%出資-----ソフトエネルギー、2012/10/19

イタリアのEnel エネル、太陽熱発電施設とガス-コンバインドサイクルの複合発電所、アルキメデス ARCHIMEDE をシチリアに完成-----ソフトエネルギー、2010/07/27


コメント続き

IEA、太陽電池(PV)と集光型太陽光発電システム(CSP)により、2050年には世界の20-25%の電力を得ることができるという試算を公開-----ソフトエネルギー、2010/06/23

 集光型太陽光発電システム(CSP)については、大きな潜在力が指摘され、赤道付近の国にとっては、大きな希望になっています。とはいえ、大きな投資が必要ということで、その普及にはクエスチョンがついた時期もありました。とはいえ、最近また注目されるようになっている印象もあります。


参考
集光型太陽熱発電 Concentrating Solar Power(CSP) / 自然エネルギーの世界-----自然エネルギー、2011/01/29

太陽熱発電 / 自然エネルギーの世界-----自然エネルギー、2010/12/15

-----Google GreenPost関連サイト内検索 : CSP-----

[ カテゴリー : 太陽熱利用 ]

・Wikipedia : Parabolic trough

続きを読む "千代田化工、伊Archimede Solar Energyと共同で、溶融塩トラフ型太陽熱発電デモンストレーションプラントを建設"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

NEDO、有機系太陽電池の実証試験を開始

  新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、有機系太陽電池実用化先導技術開発プロジェクトのテーマとして、日本写真印刷、シャープとフジクラ、三菱化学らと有機系太陽電池の実証試験をスタートさせました。NEDOは、有機系太陽電池について、2010年代後半の実用化を目指した実証研究へをこれまでも続けてきました。

NEDO、有機系太陽電池の実証5プロジェクトを採択。2010年代後半の実用化を目指した実証研究へ-----ソフトエネルギー、2012/07/10

 具体的には、日本写真印刷(株)が開発した色素増感太陽電池と蓄電池・LEDライトを組み合わせた「独立電源型広告掲示板」「デザインソーラーランタン」の発電量や耐久性を検証。シャープとフジクラの色素増感太陽電池の壁面設置型太陽電池の少ない光でも発電する色素増感太陽電池の特長を活かし、日射量の少ない場所での利用を想定した発電量検証。
 さらに、三菱化学が開発したシースルーの有機薄膜太陽電池を利用した「発電するサンシェード」について、軽量・フレキシブルという特長を生かし、太陽光発電と日射熱のカットによる省エネ効果の検証などが、実施、または予定されています。この「発電するサンシェード」は、仙台市震災復興計画に定める「持続的なエネルギー供給を可能にする省エネ・新エネプロジェクト」と連携し、今年度スリーエム仙台市科学館において屋内実証実験が行われる予定だということです。


プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2013年7月16日
有機系太陽電池の実証試験がスタート

100531622
-----image(”写真 左:日本写真印刷(株)が開発した色素増感太陽電池と蓄電池・LEDライトを組み合わせた「デザインソーラーランタン」(京都市国際交流会館に設置)、写真 右:三菱化学(株)が開発したシースルー性がある「発電するサンシェード」(再生可能エネルギー展にも出展)”) : 同リリースより

"NEDOは次世代太陽光発電システムの本命の一つとされる、有機系太陽電池※1の早期実用化を目的とした実証試験を開始します。  有機系太陽電池は、大幅な低コスト化が期待されるだけでなく、少ない光でも発電※2する等、従来の太陽電池に比べ様々な利点があることから、国内外で開発競争が行われており、実使用環境下における課題の抽出と解決を進め、実用化を急ぐ必要があります。  NEDOでは、色素増感太陽電池※3を用いた「デザインソーラーランタン」を京都市内に設置し、発電量や耐久性の検証を開始。また、有機薄膜太陽電池※4を用いた「発電するサンシェード」を仙台市科学館に設置し、太陽光発電と日射熱のカットによる省エネ効果の検証を年度内に開始する予定である等、日本各地で新しい設置スタイルに繋がる、様々な実証試験を展開いたします。 .......... 1. 背景  NEDOは、太陽光発電システムの普及拡大を目指した研究開発を行っていますが、その中の取り組みの一つとして、製造原価が安く、軽量に作製することができ、かつ、設置場所の制約の少ない有機系太陽電池の研究開発があります。  これまでの開発により、実用化に必要な成果が得られつつありますが、有機系太陽電池を開発する海外メーカーは、近年相次いで生産投資に踏み切っており、国内メーカーにおいても、市場参入を急ぐべき状況にあります。このような背景の下、有機系太陽電池を実際の使用環境下で実証し、実用化に向けた課題の解決を図る必要があります。  そのため、本事業では、有機系太陽電池を使用した太陽光発電システムを設計・試作し、実証システムとしての最適化を図った上で、実使用環境に設置し、発電量や耐久性等を実証・評価しています。

2. 実証試験の概要
 NEDOの有機系太陽電池実用化先導技術開発プロジェクトにおいて、以下の実証試験をそれぞれ開始します。

内容 助成先 電池の種類 実施概要

デザインソーラーランタン 日本写真印刷(株) 色素増感太陽電池※3 絵柄をデザインした色素増感太陽電池と蓄電池・LEDライトを組み合わせ、発電量や耐久性を検証(京都市内)

独立電源型広告掲示板 日本写真印刷(株) 色素増感太陽電池※3 シースルー性がありカラフルな色素増感太陽電池と蓄電池・LEDライトを組み合わせ、発電量や耐久性を検証(島根県内)

壁面設置型太陽電池 シャープ(株)(株)フジクラ 色素増感太陽電池※3 少ない光でも発電する色素増感太陽電池の特長を活かし、日射量の少ない場所での利用を想定した発電量検証を実施(奈良県・千葉県内)

発電するサンシェード 三菱化学(株) 有機薄膜太陽電池※4 軽量・フレキシブルという特長をもつ有機薄膜太陽電池を用い、太陽光発電と日射熱のカットによる省エネ効果の検証を年度内に開始予定(仙台市内)


1〕色素増感太陽電池の意匠性を活用した「デザインソーラーランタン」「独立電源型広告掲示板」(日本写真印刷(株))
100531641
-----image : 同リリースより 写真2 テクノアークしまねに設置した色素増感太陽電池を内部に取り付けた「独立電源型広告掲示板」(赤枠部がシースルータイプの色素増感太陽電池)
【内容】
 色素増感太陽電池は、太陽電池そのものに絵を描いたり、半透明にできるなど、既存の太陽電池に比べてデザイン性に優れ、また、曇りの日や垂直に設置した場合でも性能を発揮します。この特長を利用し、助成先である日本写真印刷(株)は、京都市内2か所(京都市国際交流会館、京都市美術館)で「デザインソーラーランタン」の実証試験を開始したほか、共同研究先の島根県産業技術センターとともに、色素増感太陽電池を内部に取り付けた「独立電源型広告掲示板」を製作・設置し、島根県内2か所(テクノアークしまね、くにびきメッセ)で実証実験を開始しました。
 「独立電源型広告掲示板」は、上部にポスター掲示部、下部にシースルー性がありカラフルな色素増感太陽電池を配置しています。日中に色素増感太陽電池が発電し、蓄えた電力を使って夜間に内蔵されたLEDライトがポスター掲示部を照らします。

100531673
-----image[”上-壁面設置を想定した既存太陽電池との比較検証試験 (シャープ(株)葛城工場・南壁面設置。下側に設置しているものが色素増感太陽電池で、上側に設置しているものは比較用の既存太陽電池)、下-壁面設置を想定した既存太陽電池との比較検証試験((株)フジクラ佐倉事業所・北壁面設置。右四列に設置しているものが色素増感太陽電池で、左側に設置しているものは比較用の既存太陽電池)”] : 同リリースより-----
100531718

〔2〕従来太陽光発電の設置が進んでいなかった日射量の少ない場所での利用を想定した発電量検証 (シャープ(株)・(株)フジクラ)
【内容】
色素増感太陽電池は、太陽光の入射角依存性や光量依存性が少ないことから、既存の太陽電池と比較し、住宅や工場等の壁面や北面のような日射量の少ない場所に設置した場合であっても、発電が期待できると考えられています。この特長を利用し、助成先であるシャープ(株)は高電圧型色素増感太陽電池を、(株)フジクラは高電流型色素増感太陽電池を製作・設置し、それぞれ奈良県(シャープ(株)葛城工場)、千葉県((株)フジクラ佐倉事業所)で実証試験を開始しました。今後両社は、壁面や北面に設置した場合の既存の太陽電池との発電量比較検証を行います。

〔3〕有機薄膜太陽電池の実証試験に向け、三菱化学(株)と仙台市が覚書を締結 (三菱化学(株))
【内容】
助成先の三菱化学(株)は、軽量・フレキシブルといった特長を有する有機薄膜太陽電池を用いて、窓材や建材一体型、車載型といった利用形態を想定した実証試験を行うこととしています。この度、三菱化学(株)は、仙台市と実証試験に関する覚書を締結し、仙台市震災復興計画に定める「持続的なエネルギー供給を可能にする省エネ・新エネプロジェクト」と連携した実証試験を行うこととなりました。今年度は、スリーエム仙台市科学館においてシースルー性のある有機薄膜太陽電池をサンシェードとして使用した屋内実証実験を行います。

100531717
-----image(”三菱化学(株)が開発したシースルー性がある「発電するサンシェード」をスリーエム仙台市科学館エントランス付近の窓面に設置”) : 同リリースより
..........
【参考:用語解説】
※1 本プレスリリースにおける有機系太陽電池とは、色素増感太陽電池と有機薄膜太陽電池を指します。
※2 一般に、結晶シリコン太陽電池では、照度が低くなる(曇天や朝夕など)につれ、光電変換効率が大幅に低くなりますが、有機系太陽電池は、照度が低くなっても光電変換効率は下がりにくいという特徴があります。
※3 色素増感太陽電池とは、光エネルギーの吸収作用を有する色素と酸化チタン光電極などを組み合わせた太陽電池を指します。
※4 有機薄膜太陽電池とは、導電性ポリマーやフラーレンなどを組み合わせた有機薄膜半導体を用いる太陽電池を指します。
......... "

関連
日本写真印刷 : 色素増感太陽電池 EneLEAF(エネリーフ)

“5つの安心”を実現する取り組みを多数展示 「PVJapan 2013」シャープブースのご紹介-----シャープ、2013年7月17日

"シャープは、7月24日(水)~7月26日(金)まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される太陽光発電の総合イベント「PVJapan 2013」(主催:一般社団法人 太陽光発電協会)に出展..........2. 建材一体型太陽光発電システム

ビルの窓やマンションの手すりなど、様々な場所に設置が可能なシースルー太陽電池を展示します。また、カラフルな壁面建材や室内インテリアの素材として活用できる色素増感太陽電池を参考出展します。.........."

エネルギーハーベスティング用色素増感太陽電池の効率を18%に向上-----フジクラ、2012年1月 No.366

三菱化学 : 技術 - トピックス - 塗布型有機薄膜太陽電池 


関連エントリー
日本写真印刷、色素増感太陽電池とバッテリー内蔵の照明「AKARIE」を開発、販売開始-----ソフトエネルギー、2012/09/28


コメント続き

 色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池の技術開発は、発電効率を競う電力用というよりは、シースルーであったり、デザイン性だったりと、太陽電池の機能開発の色彩が強いようです。とはいえ、身近にあるものが発電するという発想はなかなか興味深いものがあります。コストと耐久性によっては、NEDOの目論む2010年代にこれらの”機能性太陽電池”が活躍する状況になるかもしれませんね。

 とはいえ、色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池のコストと発電効率の追求を世界中の研究機関が行っているわけで、もし大きなブレークスルーな商品が登場すれば、電力用太陽光発電としても、大きな存在になる可能性もあります。

続きを読む "NEDO、有機系太陽電池の実証試験を開始"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シャープ、奈良吉野町で2.7MWp、北海道苫小牧で2.6MWpのメガソーラーを稼動

 シャープは、奈良県の約2.7MWpのシャープ美吉野(みよしの)太陽光発電所と北海道の約2.6MWpのシャープ苫小牧第一太陽光発電所の商業運転を開始したと発表しました。いずれも、シャープと芙蓉総合リースが共同出資する合同会社クリスタル・クリア・ソーラーによるメガソーラープロジェクトです。

 さらに、北海道のプロジェクトに隣接する約2.5MWpのシャープ苫小牧第二太陽光発電所も、本年8月に商業運転を開始する予定だということです。

 リリースから基本的なデーターをひろっておきます。
・約2.7MWpのシャープ美吉野(みよしの)太陽光発電所 敷地面積 約42,000m2 年間予測発電量 約270万kWh(一般家庭の約750世帯分)
・約2.6MWpの「シャープ苫小牧第一太陽光発電所」 敷地面積 約59,000m2 年間予測発電量 約288万kWh(一般家庭の約800世帯分)

・約2.5MWpのシャープ苫小牧第二太陽光発電所(8月完成予定) 敷地面積 約53,000m2 年間予測発電量 約260万kWh(一般家庭の約750世帯分)

 1世帯当り3,600kWh/年で世帯分の計算が行われています。
 

プレスリリース / シャープ、2013年7月19日
奈良県・北海道で太陽光発電所の商業運転を開始

130719a130719a2
-----image(”左-シャープ美吉野太陽光発電所、右- シャープ苫小牧第一太陽光発電所”) : 同リリースより

"シャープと芙蓉総合リース株式会社が共同出資する合同会社クリスタル・クリア・ソーラーは、奈良県の「シャープ美吉野(みよしの)太陽光発電所」と北海道の「シャープ苫小牧第一太陽光発電所」の商業運転を開始しました。いずれも、当社が合同会社から委託を受けて建設し、発電事業の運営まで実施するものです。
「シャープ美吉野太陽光発電所」は、本日より商業運転を開始。設置容量は約2.7MW-dc※1、年間予測発電量は約270万kWhで、一般的な家庭の年間消費電力量に置き換えると約750世帯分※2に相当します。
「シャープ苫小牧第一太陽光発電所」は、本年6月29日に商業運転を開始。設置容量は約2.6MW-dc※1、年間予測発電量は約288万kWhで、一般的な家庭の年間消費電力量に置き換えると約800世帯分※2に相当します。
 本発電所に隣接する「シャープ苫小牧第二太陽光発電所」も、本年8月に商業運転を開始する予定です。
..........
130719a3
-----image(”シャープ苫小牧第二太陽光発電所”) : 同リリースより
.......... "


コメント続き

 結構大型のメガソーラーですが、それでも規模別のランキングでは、トップテン入りはしません。

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

 ある意味太陽光発電は、再生可能エネルギーの中では、国内では買い取り価格が高いこともあって、盛んになっているのです。とはいえ、世界ではこの日本の上回る勢いで太陽光発電に取り組む国があります。10MWpを上回る大型メガソーラーでの2012年の日本の実績では、なんと19位だということです。

 世界は広く、大きい。太陽光発電の分野でも、、、

China Becomes World's First Nation to Install 3 GW of Utility-Scale Solar Power!-----inhabitat、07/17/13


続きを読む "シャープ、奈良吉野町で2.7MWp、北海道苫小牧で2.6MWpのメガソーラーを稼動"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

三菱マテリアルテクノの地中熱利用システム、小田急電鉄複々線化鉄道トンネル事業に採用

 三菱マテリアルの連結子会社である三菱マテリアルテクノが開発したコイル型水平熱交換器による「地中熱利用システム技術」が、日本で初めて鉄道トンネル事業に採用されました。小田急電鉄複々線化事業に採用されたもので、夏期は冷たい地中に熱を放熱(冷房運転)し、冬期は温かい地中から採熱(暖房運転)することで、ヒートポンプの仕事量を減らし、省エネルギー効果を発揮します。
 具体的には、小田急線の東北沢駅と世田谷代田駅に、開削工法で掘り抜いた箱形トンネル下床版にコイル型水平熱交換器を敷設、ホーム空調の一部に利用。この地中熱利用システムの導入により、空気熱源ヒートポンプと比べ、CO2排出量とランニングコストを年間約30%削減できる予定とのことです。

 同社は、過去にはあの、東京スカイツリーへの地中熱交換井設置工事も受注し、120mの地中熱交換井21本による地中熱交換井による冷暖房システムを実現しています。様々な方式の地中熱利用システムに対応できるということです。


プレスリリース / 三菱マテリアル、2013年7月17日
地中熱利用システム技術が日本で初めて鉄道トンネル事業(小田急電鉄複々線化事業)に採用

130717a
-----image(”地中熱利用システムの概念図と主な地中熱交換方式”) : 同リリースより

" 三菱マテリアル株式会社(略)の連結子会社である三菱マテリアルテクノ株式会社が開発したコイル型水平熱交換器による「地中熱利用システム技術」が、日本で初めて鉄道トンネル事業(小田急電鉄複々線化事業)に採用されましたので、お知らせいたします。
 「地中熱利用システム技術」は、土壌の断熱機能により大気中の温度変化の影響を受けにくく、一年を通してほぼ一定である地中の温度(地中熱)をヒートポンプの熱源として活用することで、冷暖房や融雪・給湯などに利用するものです。
 夏期は冷たい地中に熱を放熱(冷房運転)し、冬期は温かい地中から採熱(暖房運転)することで、ヒートポンプの仕事量を減らし、省エネルギー効果によりランニングコストやCO2排出量の低減に貢献します。
 この地中熱を利用するために必要な熱交換方式には、①ボーリングマシンを用いて孔井を掘削し、熱交換器を挿入するボアホール方式、②建物基礎杭内に熱交換器を設置し熱交換杭として活用する基礎杭方式、③土壌や耐圧版・トンネル下床版等に熱交換器を広く敷設する水平方式の3種類があります。
三菱マテリアルテクノ株式会社は、上記3種類の地中熱交換方式すべてについて調査・設計・施工技術を保有し、かつ多くの施工実績を持つ熱交換方式のフロントランナー企業であります。特に水平方式については同社が開発し、平成22-23年度の「※環境省地球温暖化対策等技術開発事業」を通じて実用化に至っているものです。

※課 題 名:地中熱利用ヒートポンプのイニシャルコスト低減と効率化
共同実施者:九州大学、九州電力、青森県立柏木農業高校
..........
 今回の小田急電鉄複々線化事業(上下線を各2本ずつ計4本の線路にする事業)に、日本で初めて採用されたコイル型水平熱交換器による地中熱利用システムは、上記技術開発事業の成果を実用化したものです。
具体的には、東北沢駅と世田谷代田駅を対象に、開削工法で掘り抜いた箱形トンネル下床版にコイル型水平熱交換器を敷設、ホーム空調の一部に利用しています。この地中熱利用システムの導入により、空気熱源ヒートポンプと比べ、CO2排出量とランニングコストを年間約30%削減できる予定です。

130717b

-----image[”小田急電鉄複々線化事業へのコイル型水平熱交換器敷設位置および敷設参考写真
出典:宮田・石上(2013)小田急電鉄複々線化事業における地中熱利用システム
平成24年度第2回地中熱利用シンポジウム(平成25年2月25日)資料抜粋”] : 同リリースより

 地中熱利用システムは、三菱マテリアルテクノ株式会社が施工した「東京スカイツリー地区」地域冷暖房にも採用されており、再生可能エネルギーの利用促進が求められている現在、地中熱利用システムに対する注目度はますます高くなっています。

130717c
-----image[”東京スカイツリー地区地域冷暖房におけるボアホール方式施工状況
ボアホール方式施工:大林組(三菱マテリアルテクノ株式会社)”] : 同リリースより
.......... "


関連
・三菱マテリアルテクノ : 地中熱利用システム
- 関連実績 三菱マテリアルテクノの地中熱利用システムに関連した実績をご紹介します。
/ 導入実績1(冷暖房システム)

"7 東京スカイツリーへの地中熱交換井設置工事

(5) 東京スカイツリーへの地中熱利用システム導入
「東京スカイツリー」地域熱供給(地域冷暖房:DHC)に使用される熱源として、国内DHCで初の地中熱利用システムが導入されています。当社では、地中熱交換井(120m×21本)の施工および配管工事を行いました。"

続きを読む "三菱マテリアルテクノの地中熱利用システム、小田急電鉄複々線化鉄道トンネル事業に採用"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

三井住友海上火災保険、中小水力発電総合補償プランの販売を開始

 三井住友海上火災保険は、中小水力発電事業者向けに、7月から保険とデリバティブを組み合わせた「中小水力発電総合補償プラン」の販売を開始しました。再生可能エネルギーの固定価格買取制度で普及することが期待される中小水力発電のリスクを総合的に補償することで、安全で安定的な事業の運営が可能になる補償プランです。具体的には、財物損害リスク、利益損失リスク、賠償責任リスク、天候不順リスクなどを、ニーズに応じ個別設計が可能ということです。


プレスリリース / 三井住友海上火災保険、2013年7月17日
「中小水力発電総合補償プラン」の販売開始について

" MS&ADインシュアランス グループの三井住友海上火災保険株式会社(略)は、7月から、中小水力発電事業者向けに、保険とデリバティブを組み合わせた「中小水力発電総合補償プラン」の販売を開始しました。
本プランは、中小水力発電事業者を取り巻くリスクを総合的に分析し、お客さまが必要な補償を合理的に手配できるよう、火災保険(財物・利益)、土木構造物保険、賠償責任保険、天候デリバティブをパッケージ化したものです。円滑な事業運営を妨げる可能性のある主要なリスクを補償することで、安全で安定的な事業の運営に寄与します。
中小水力発電は環境負荷が低く、農業用水等の活用を通じてエネルギーの地産地消に役立つことから、クリーンなエネルギーとして注目を集めています。当社では、今後も再生可能エネルギーの普及や農業分野の振興を後押しする商品開発を積極的に行っていきます。

1.本プランの特長
(1)さまざまなリスクを総合的に補償
中小水力発電事業者を取り巻くさまざまなリスク(財物損害リスク、利益損失リスク、賠償責任リスク、天候不順リスクなど)について総合的に補償します。
(2)ニーズに応じた個別設計が可能
契約いただく発電事業者ごとに、補償する条件や保険金額等を個別に設計することが可能です。
事業者のニーズにマッチした補償を提供します。
(3)リーズナブルな保険料水準
所定の項目に応じたリスク診断を行い、診断結果に応じた割引を適用して保険料を算出します。

<年間保険料例>
【保険料等の設計例】
■発電施設価格:5億円の場合(建物・機械設備2億円、建物・機械設備以外の構造物等3億円)
火災保険(普通火災保険)※建物・機械設備
年間保険料 約80万円
土木構造物保険 ※建物・機械設備以外の構造物等
(支払限度額1事故2,000万円、保険期間中4,000万円)
年間保険料 約110万円
施設賠償責任保険(支払限度額5億円、免責金額なし)
年間保険料 約10万円

■その他
天候デリバティブ
年間プレミアム 約100万円
※天候デリバティブ(指標は降水量・積雪量など)は金融商品に該当するため、保険料ではなくプレミアムと表記します。

2.販売目標
中小水力発電の本格的な事業化を見込み、今後2年間で3億円(保険・デリバティブ合計)を目標としています。

”1.中小水力発電総合補償プランの概要

本プランでは、中小水力発電施設に関する財物損害リスク、利益損失リスク、賠償責任リスク、天候不順リスク等を総合的に補償します。

リスク
 補償する損害
  保険・デリバティブ商品

[1] 財物損害(火災等)※建物・機械設備等
 火災、落雷、破裂・爆発、風災・雹災・雪災等のほか、その他偶然な事故により中小発電設備(建物・機械設備等)に生じた物的損害
  普通火災保険 オールリスク補償特約

[2] 財物損害(地震等)※建物・機械設備等
 地震または噴火による火災、損壊・埋没等、破裂・爆発、水災(津波等)の損害
  普通火災保険 地震危険補償特約

[3] 財物損壊等による利益損失※建物・機械設備等
 火災等の事故により中小水力発電設備に物的損壊が生じた際の喪失利益や収益減少防止費用
  企業費用・利益総合保険

[4] 財物損害※建物・機械設備以外の構造物等
 不測かつ突発的な事故により中小水力発電施設(建物・機械設備以外の構造物等)に生じた物的損害
  土木構造物保険

[5] 第三者への損害賠償
 中小水力発電施設の所有、使用、管理に起因して他人に身体障害や財物損壊を与えた場合に、法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害
  施設所有(管理)者賠償責任保険

[6] 天候不順リスク
 予め契約に定めた期間内に、予め契約で定めた地点において、予め取決めた降水量や積雪量を下回った場合
  天候デリバティブ

※上記リスクごとに選択して契約することが可能です。(ただし、[2]は[1]とのセットになります。)
2.契約対象

日本国内に所在する中小水力発電施設を対象とします。
3.保険条件(保険金額・支払限度額・特約など)

「中小水力発電総合補償プラン調査票」をご提出いただき、お客さまのご要望や物件のリスク状況等に応じて当社にて個別に引受条件を設定します。

<ご参考>
中小水力発電に関連する業種は多く、業種によって取り巻くリスクが異なります。当社では各業種の特性に応じた合理的な提案も行います。下図はリース会社、地方自治体が関連した場合の一例です。

0717_1a

-----image : 同リリースより
..........”-----補償内容と契約条件より
.......... "

続きを読む "三井住友海上火災保険、中小水力発電総合補償プランの販売を開始"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

The World Nuclear Industry Status Report 2013 が公開されました。2012の原発、前年比7%の減少

 福島第一原子力発電所の苛酷事故から2年。この事故が原子力発電という産業、各国の政策に与えた大きなインパクトが明らかになりました。

 2012年に原子力発電所が発電した電力は、2,346 TWh(2兆3460億kWh)でした。これは前年から7%もの歴史的な減少となりました。しかし、重要な点は原子力発電所による発電電力が最大を示したのは、2011年3月11日よりもはるか前の2006年であったという事実です。2006年よりすでに、原子力発電への依存度は下がり始めていたのです。そこに起きた、あってはならない第二の苛酷事故が福島第一だったということです。これにより、ピークの2006年の2,660 TWh(2兆6600億kWh)から考えると、12%もの減少となります。

 このリポートを発行したのは、これまで原子力発電とその産業に係わるリサーチなどを行ってきたMycle Schneider Consultingで、分析にはフランスや英国、日本の国際調査チームが参加し、日本からは京都精華大の細川弘明教授が参加しています。リポートのタイトルは、「The World Nuclear Industry Status Report 2013 世界原子力産業年刊 2013 」です。

 原子力発電の衰退の大きな理由は、”コストと安全性”という切り離しがたいテーマだと考えると、このリポートの140ページにおよぶ検証の貴重さが理解できます。原子力発電のシェアは、世界では1993年に17%だったものが、2012年には10%になっという世界の現状を知ることが重要です。
 そして、リポートの内容を紹介するサイトにかかげられた一枚の写真とそのコメントを是非読んでください。参議院選挙に投票する前にお読みください。

The World Nuclear Industry Status Report 2013 - Executive summary & conclusions(Mycle Schneider Consulting,11 July 2013)-----The World Nuclear Industry Status Report 2013 low resolution (3.6Mb),High Resolution (10.6Mb)

Wnsr2013_nuclear_report_cover
-----image(”上-The World Nuclear Industry Status Report 2013カバー - by:Mycle Schneider,Antony Froggatt,with:Komei Hosokawa,Steve Thomas,Yukio Yamaguchi,Julie Hazemann, foreword:Peter Bradford ,A Mycle Schneider Consulting Project,p.140,Paris, London, Kyoto, July 2013,Artwork: Anna Jeretic 、下-Figure 1: Nuclear Electricity Generation in the World Source : IAEA-PRIS, BP, MSC, 2013”) : 上記サイトより-----
Figure1bcd1a

"Two years after the Fukushima disaster started unfolding on 11 March 2011, its impact on the global nuclear industry has become increasingly visible. Global electricity generation from nuclear plants dropped by a historic 7 percent in 2012, adding to the record drop of 4 percent in 2011. This World Nuclear Industry Status Report 2013 (WNISR) provides a global overview of the history, the current status and the trends of nuclear power programs worldwide.

This report looks at nuclear reactor units in operation and under construction. Annex 1 provides 40 pages of detailed country-by-country information. A specific chapter assesses the situation in potential newcomer countries. For the second time, the report looks at the credit-rating performance of some of the major nuclear companies and utilities. A more detailed chapter on the development patterns of renewable energies versus nuclear power is also included. Annex 6 provides an overview table with key data on the world nuclear industry by country.

The 2013 edition of the World Nuclear Industry Status Report also includes an update on nuclear economics as well as an overview of the status, on-site and off-site, of the challenges triggered by the Fukushima disaster. However, this report’s emphasis on recent post-Fukushima developments should not obscure an important fact: as previous editions (see www.WorldNuclearReport.org) detail, the world nuclear industry already faced daunting challenges long before Fukushima, just as the U.S. nuclear power industry had largely collapsed before the 1979 Three Mile Island accident. The nuclear promoters’ invention that a global nuclear renaissance was flourishing until 3/11 is equally false: Fukushima only added to already grave problems, starting with poor economics.
The performance of the nuclear industry over the year from July 2012 to July 2013 can be summed up as follows:
Operation and Construction Data
(1 July 2013)
.......... "

関連
プレスリリース / prnewswire版、July 10, 2013
"The World Nuclear Industry Status Report 2013" to be Released
"..........
What:

"The Report sets forth in painstaking detail the actual experience and achievements of nuclear energy around the world," writes Peter Bradford, former commissioner of the US Nuclear Regulatory Commission (NRC) in his foreword to the 140-page reference document. In addition to the careful assessment of the global industry, this year's report also contains chapters on nuclear economics and an overview of the status of the ongoing Fukushima crisis. Key findings of the 2013 edition include:
A record drop of nuclear electricity generation in the world in 2012.
Rapid aging of nuclear power plants: almost half of the world fleet has operated for at least 30 years.
In 2012, for the first time, China, Germany, India and Japan generated more power from renewables than from nuclear plants.
Water management at the Fukushima site is critical, with an estimated 400,000 tons in precarious storage, containing many times more radioactivity than was released to the air in the weeks after 11 March 2011.
.......... "

世界の原発発電量、12年6.8%減-----Sankei Biz,2013.7.12

"2012年に世界の原発が発電した電力量は2兆3460億キロワット時で前年比6.8%の減少だったとフランスや英国、日本の国際調査チームが11日、発表した。
..........
発電量の減少は3年連続で、ピークの06年比では11.8%減少。総発電量に占める比率も過去最低の10%にとどまった。
.......... "

コメ- 日本の報道は、7%ではなく、すべて6.8%になっている。ソースが共通のようですね、、、???

Global nuclear power output drops 7% in 2012: status report-----platts,11Jul2013

・Wikipedia : マイケル・シュナイダー


コメント続き
 まだサマリーとニュースぐらいしか詳しく読んでいませんが、眺めただけで、コンテンツの以下の部分は、必読だと思いました。

”Fukushima – A Status Report 61
 Characteristics of the Fukushima Disaster 61
 Off-site Challenges: Evacuation, Decontamination 62
 Current Status of Fukushima Daiichi 1–4 64
 Wave or Shake? 66
 On-site Challenges: Water, Waste, Radiation 68
 Summary and Prospects 71

Nuclear Power vs. Renewable Energy 73
 Investment 73
 Installed Capacity 75
 Electricity Generation 76”

 原子力発電の発電量減少分のほぼ4分の3が日本の東京電力福島第1原発事故後に国内の原発が次々と停止した影響だということになります。2013年7月の段階での原発発電所の数は、日本の50基を含めて427基、容量は3億6400万キロワット。今後の世界の原子力発電の動向において、日本の今後の選択は、非常に大きなものです。

続きを読む "The World Nuclear Industry Status Report 2013 が公開されました。2012の原発、前年比7%の減少"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

世界最大の洋上風力発電所 London Arrayの姿。3.6MW風力発電機175本!

Inauguration Event

(londonarray,2013/07/05)

"Marking the official inauguration of London Array, the world's largest operational offshore wind power plant to date at an official event in Margate, Kent. Rated at 630 MW, Phase One of London Array generates enough energy to power around 500,000 British homes and displaces over 900,000 tonnes of CO2 a year -- equivalent to taking nearly 300,000 cars off the road each year. "

London_array_201307
-----image : 上記ビデオクリップより

 暑い、熱い日が続いています。なんともまぁ。家庭菜園の野菜も干上がりそうです。

 ということで、本日は世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイの最新のビデオクリップをご紹介しておきます。水しぶきからスタート!

 ロンドンアレイは、この4月に本格稼動したシーメンスの3.6MW風力発電機を175基、合計630MWの巨大な洋上風力発電所です。完成時の下の記事も含めて、これまでなんどか紹介してきましたので、この洋上風力発電所の建設の工程全体を紹介してくれる上のビデオクリップを見るのは楽しい体験でした。

関連エントリー
世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイ洋上風力発電所、本格稼動開始!-----ソフトエネルギー、2013/04/16

630MWの世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイ洋上風力発電所、第一期完成-----自然エネルギー、2013/04/16

630MWの世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイ洋上風力発電所 London Array Offshore Wind Farm が発電を開始-----ソフトエネルギー、2012/11/06

1000MW洋上風力発電所の作り方-ロンドンアレイ / YouTubeから-----自然エネルギー、2011/02/09

マスダール Masdar、DONG EnergyおよびE.ON、世界最大の洋上風力発電所 London Array ロンドンアレイは2012年中に完成と発表-----ソフトエネルギー、2011/07/27


参考
イギリスの自然エネルギー-----自然エネルギー、2010/05/12

・Twilog - greenpost: londonarray


コメント続き
 これまでも世界最大の洋上風力発電所の称号は、巨大な風力発電所から、さらに巨大なものへと引き継がれてきました。そして、今回のロンドンアレイもこれから行われる予定の第二フェーズの工事が進み、1000MWに到達したとしても、及ばない規模の洋上風力発電所の建設計画があります。
 ロンドンアレイも主導するDONG Energyとシーメンスの6MW機300基による、合計1800MWの巨大なプロジェクトの計画が進められているのです。

Siemens to supply 300 offshore wind turbines to DONG Energy-----Siemens, 2012-Jul-19

"Siemens and DONG Energy continue their successful cooperation in offshore wind. On July 19, 2012, the companies signed a framework agreement for the supply of a total of 300 wind turbines with a capacity of 1,800 megawatts (MW). The agreement is based on the new SWT-6.0-154 direct drive wind turbine that will be installed in wind power plants off the British coast between 2014 and 2017. The world's largest rotor blade measuring 75 meters in length equaling a total rotor diameter of 154 meter will be deployed.
........... "

 とはいえ、予算などの確保が難しいという話もあります。これから計画が煮詰められる段階でこの1800MWの話は、消えるかもしれません。しかし、欧州の他地域でロンドンアレイを越える規模のいくつかの規模の洋上風力発電所の建設計画の案が練られています。世界最大の称号は、いつか越えられるに違いありません。

続きを読む "世界最大の洋上風力発電所 London Arrayの姿。3.6MW風力発電機175本!"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

三菱樹脂、同社のゼオライト AQSOA(R)を利用した独インベンゾー社の小型吸着式冷凍機の輸入販売を開始

 三菱樹脂は、同社のゼオライト AQSOA(R)を利用した独インベンゾー社の小型吸着式冷凍機の輸入販売を7月1日より開始しました。
 今回販売される、独インベンゾー社 Invensor GmbHの吸着式冷凍機「Invensor LTC」のサイズは、長さ110cm・高さ137cm・幅75cmと小型で、重量390kgと軽量ながら、7〜10Kwの冷却能力を有しています。熱交換器には、三菱樹脂の高機能ゼオライト「AQSOA(R)」を塗布、これにより60〜70℃付近の熱源で冷凍機が駆動します。かつて商船などで利用された、ろうそく一本で駆動するアンモニアを冷媒とする吸熱式の冷蔵庫を知っている人は、その性能と頑丈さをイメージすることができるかもしれませんね。
 これらの特長から、コージェネレーション設備で発生する低温の排熱を利用することなどで利用できるということです。高い省エネ効果が期待できる小型吸着式冷凍機です。

 三菱樹脂のAQSOA(R)は、低温領域でも非常に効率よく水分を吸湿、再生する新しい吸着材で、従来のゼオライトやシリカゲルなどの吸湿剤と比べて水蒸気を吸いやすく、吐きやすい特性があるということです。より低温で水蒸気を吸着・脱着することができるという特長を生かし、すでに工場の低温排熱や太陽熱温水パネルを有効活用する事業が行われています。同社は、大きな省エネ効果を得ることができる吸着式冷凍機とその熱交換器を事業の1つの柱として、工場や大規模商業施設向けの大型吸着式冷凍機を中心にその事業拡大を行ってきたということです。そして今回、コージェネレーション設備導入に対する政府からの補助金などもあり、今後は、電気と空調を24時間使用する小規模の施設(データセンターや老人介護施設、コンビニなど)においてもコージェネレーション設備の導入が進むことが予測されるということで、その排熱を利用した屋内設置タイプの小型吸着式冷凍機の市場も期待できるということです。


プレスリリース / 三菱樹脂、2013年07月01日
インベンゾー社の小型吸着式冷凍機の輸入販売を開始

Invensor_picAqsoa_hex
-----image(”左-吸着式冷凍機「Invensor LTC」、右-「AQSOA®」を塗布した熱交換器”) : 同リリースより

"三菱樹脂株式会社(略)は、当社の高機能ゼオライト「AQSOA®」を使用した吸着式冷凍機メーカーであるドイツの Invensor GmbH(以降、インベンゾー社)から小型吸着式冷凍機「Invensor LTC」を輸入し、7月1日より販売を開始します。

 当社は、低温で水蒸気を吸着・脱着することができるという特長をもつ独自の高機能ゼオライト「AQSOA®」を新規事業と位置づけ、その事業の拡大に取り組んでいます。「AQSOA®」にはいくつか用途がありますが、工場の低温排熱や太陽熱温水パネルを有効活用することで大きな省エネ効果を得ることができる吸着式冷凍機とその熱交換器を事業の1つの柱として、従来から工場や大規模商業施設向けの大型吸着式冷凍機を中心にその事業拡大に取り組んでまいりました。一方で、コージェネレーション設備導入に対する政府からの補助金などもあり、今後は、電気と空調を24時間使用する小規模の施設(データセンターや老人介護施設、コンビニなど)においてもコージェネレーション設備の導入が進むことが予測され、その排熱を利用した屋内設置タイプの小型吸着式冷凍機の市場も急拡大すると期待されます。そこで、当社は、「AQSOA®」を塗布した熱交換器の販売先で、ドイツの吸着式冷凍機メーカーであるインベンゾー社の小型の吸着式冷凍機「Invensor LTC」を輸入し、本年7月1日より国内での販売を開始することといたしました。

 販売を開始する吸着式冷凍機「Invensor LTC」は、小型(長さ110cm・高さ137cm・幅75cm)かつ軽量(重量390kg)でありながら、7〜10Kwの冷却能力を有します。熱交換器には高機能ゼオライト「AQSOA®」を塗布しており、60〜70℃付近の熱源で冷凍機が駆動することから、コージェネレーション設備で発生する低温の排熱を利用することで高い省エネ効果を得ることができます。また、メンテナンスがほぼ不要のためメンテナンスに伴う手間や費用も削減できます。その優れた性能が認められ、ドイツを中心に欧州で高いシェアを有するとともに、環境に配慮した高効率な冷凍機として複数の賞も受賞しています。

 当社は、「AQSOA®」を用いた吸着式冷凍機の事業を拡大するべく、インベンゾー社の小型吸着式冷凍機を当社の販売ラインナップに加え、省エネルギー化という社会の要請に応えるとともに、三菱ケミカルホールディングスの提唱するKAITEKIの実現に向けて取り組んでまいります。

【特長】
 1.優れた省エネ性能
 2.小型かつ軽量  
 3.豊富な実績   
 4.メンテナンスが容易
 5.施工が容易(ポンプを内蔵)
 6.タッチパネルによる操作が可能
.......... "


関連
・三菱樹脂 : 吸着式冷凍機 AQSOA (R) 吸着式冷凍機
- 適用事例
- 2010年09月06日 「AQSOA」を利用した冷暖房の実証試験システムを導入

" 三菱樹脂株式会社長浜工場(所在地:長浜市三ツ矢町 工場長:略)は、省電力化、CO2排出量の削減及び独自のゼオライト系水蒸気吸着材「AQSOA®」の開発促進等を目的とし、太陽光熱温水を利用できる「AQSOA®」を利用した冷暖房の実証試験システムを、長浜工場内の事務棟(第2本館)に導入致しました。

 「AQSOA®」は、当社が生産・販売しているゼオライト系の水蒸気吸着材で、60℃〜80℃という、比較的低い温度領域でも水蒸気を効率的に放出(吸着材の再生)できるという他の吸着材には無い特長を有します。
当社は、その特長を活かし、吸着式冷凍機向けの「AQSOA®」関連部材を生産・販売しております。吸着式冷凍機とは、水を冷媒に気化熱を利用するノンフロンの産業用機器で、真空下で水を強制的に蒸発させ、熱交換機に塗布した専用の吸着材に吸着させることによって、動力をほとんど使わず7〜25℃の冷熱(冷水)を連続的に作ることできます。

 今般、当工場内の第2本館に導入した太陽光熱温水を利用する冷暖房の実証試験システムは、「AQSOA®」を搭載した吸着式冷凍機に太陽光熱温水パネルを組み合わせたもので、従来、吸着式冷凍機で効果的な活用ができなかった太陽光熱温水(約65℃)を吸着材の再生に使用致します。また使用する吸着式冷凍機の冷凍能力は太陽光熱温水を利用するシステムとしては、初めて商業用として流通している175kWを導入致しました。

 今回のシステムは、フロンガスを用いる一般的な空冷式冷凍機と比較した場合、CO2排出量を約1/3に削減でき、冬場には太陽熱温水を暖房の熱源として利用することで、第2本館の空調に使用する消費電力量を年間で約40%削減可能と見込んでおります。
.......... "

invensor : ÜBERSICHT KÄLTESYSTEME
Invensor_site
-----image : 上記サイトより


参考
・wikipedia : 沸石

続きを読む "三菱樹脂、同社のゼオライト AQSOA(R)を利用した独インベンゾー社の小型吸着式冷凍機の輸入販売を開始"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

参院選の争点は、エネルギー、原発政策? その2

 参議院選挙で原発とエネルギー政策は、それなりにメディアにもとりあげられているが、大きな争点ではない。これを理解するためには、自民党圧勝がささやかれる中で、いったい何が選択され、争点なのかと問うことが重要でしょう。
 私たちは、自民の55年体制を経て、劣化した政治を変えるべく、日本を民主にまかせてはみたのもの、民主には実りはなく、ただただ皮相な混乱を招いたという損失の数年を経験してきました。民主党には、ただただ事実としての自民党政権の劣化の問題点を洗い出すことに半分以上の勢力を費やしてほしかったとさえ思います。だが、結局は自民と民主はできの違いはあるものの、同じ穴のむじなだったということです。国民目線の政治を語るものの、それがなにかすら理解できない政治家に対しての嫌気は相当なものがあります。

 さりとて、またしても懲りない自民党。野党の数年間に見につけた、”与党としての処世術”の有効期間は、あと何年あるでしょうか? そう考えると、安易な再稼動と原発推進に舵を取ろうとする、自民党回帰はもってのほかに思えます。
 わが国のかかえる問題は、いずれも一筋縄ではいかない。土木、建設、大企業に有利な政策により、若干潤っている人もおられるようですが、国民全体の利益から考えれば、アベノミクスは、政治ではなく世渡りにすぎません。これから、消費税(の議論)を経て財政の健全化をどう実現し、国民の生活の劣化をどうふせぐか? その答えは、自民党政権の手で可能とはわかりません。

 ということで、選挙。投票に参考になりそうなサイトなり情報を下に集めることにします。


●投票について
 投票日は、7月21日(日)です。
 都合が悪い場合、7月5日(金)から7月20日(土)までの間、期日前投票ができます。
 総務省の公式サイト、第23回参議院議員通常選挙によれば、実施される選挙区選挙と比例代表選挙についての解説が掲載されています。

・”比例代表選挙では「候補者名」または「政党名」を、選挙区選挙では「候補者名」を記載して投票してください。

 支持する政党がなかったり、みつからなかった場合には候補者名を書きましょう。


●投票の参考にしようかと考えているサイト

気候ネットワーク / 第23回参議院議員選挙 各党マニフェストの地球温暖化政策に関する分析 2013年7月8日


緑茶会の推薦・支持・支援候補予定者(テキスト版)-----ネット選挙本番!緑茶会公式ブログ、2013年07月04日

- 緑茶会(脱原発政治連盟) / 【緑茶会】緑茶会推薦・支持・支援候補者確定リスト


 とりあえず、今後も目に付いた情報をアップしていきます。

 ツイッターでは、#election2013jp(twilog)で関連情報をクリッピングしています。地殻変動リスクについては、#crustalchange(twilog)をご覧ください。


関連エントリー
参院選の争点は、エネルギー、原発政策? 各党の主張を昨日の毎日新聞から-----ソフトエネルギー、2013/07/09

続きを読む "参院選の争点は、エネルギー、原発政策? その2"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

参院選の争点は、エネルギー、原発政策? 各党の主張を昨日の毎日新聞から

 昨日アップ予定だった記事の公開を待って、今のいままで今日の記事を迷っていました。結局、昨日の記事をキャンセルしてしまいました。

 いろいろ、わが国のエネルギー政策を今回の参議院選挙の争点にするむずかしさを痛感してしまいました。

 というのも、今回の参議院選挙の争点は、自分にとって、そして、他の大方の人にとってなんであるのか? を考え始めると、それこそ記事どころではない混沌にはまってしまったからです。

 今回の参院選の争点は、なんですか? 何を重視しますか?

 原発を含めたエネルギー政策は、テーマとしては大きくても実際の投票行動には、それほど大きな比重をもたれていないとの分析もあるようです。3.11を経て、理解に苦しむこともありますが。自民党が高い支持率を集めている現状においては、別の選択が大きな比重を占めているということです。

 それでも、エネルギー政策をもって、あなたの清き一票を日本の未来に投じられることをお願いいたします!

 さて、いろいろ考える契機になった、今朝の毎日新聞から、各党のエネルギー政策についてひろっておきます。

130708mainichi_1


130708mainichi_2
-----image : 毎日新聞、2013/7/8朝刊より

民主

"<経済>2030年代に原発稼動ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入 発送電分離などの電力システム改革推進"

自民

"<原発・エネルギー>今後3年間、再生可能エネルギーの最大限の導入促進 安全と判断された原発の再稼動について地元自治体の理解が得られるよう最大限努力"

公明

"<復興>.....原発事故を巡り、外相を国の責任で実行し、継続的な健康調査を実施 廃炉に向け福島第一原発の安全管理の徹底 巨大地震対策の推進..... <原発>新規着工を認めず40年の運転制限を厳格に適用 国の規制基準を満たすことを前提に地元の理解を得て再稼動を判断 高速増速炉もんじゅの廃止"

みんな

"<原発・エネルギー>発電・小売りを完全自由化 新規の原発設置を禁止 40年廃炉を徹底 20年代原発ゼロを実現"

生活

"<原発・エネルギー>原発の再稼動、新増設は一切認めず、遅くとも2022年までに廃止を確定 廃炉の実行に関する廃炉促進法などの脱原発3法の制定 最新型火力発電などの推進で原発ゼロを早期実現 発送電分離など電力供給体制の改革 政府主導の放射能汚染対策"

共産

"<原発・エネルギー>原発の再稼動と輸出を中止し「即時ゼロ」の決断を 省エネ・節電の徹底と再生可能エネルギーの大幅導入への抜本的転換"

社民

"<原発・エネルギー>原発再稼動を一切認めない 大飯原発3、4号炉は即時停止。新増設はすべて白紙撤回し、建設を中止 脱原発基本法を制定し、老朽炉などリスクの高い原子炉から順次計画的に廃止 「もんじゅ」や再処理の等の核燃料サイクル計画からは撤退"

みどり

"<原発・エネルギー>原発は再稼動せず、2023年までに全原発の廃炉に着手 再生可能エネルギーなどの開発・利用、電力システム改革などを進めて原発ゼロ社会を目指す"

維新

"<原発・エネルギー>発送電分離を早期実現し電力自由度をスピードアップ 再生可能エネルギーの開発推進により地方での雇用を創出 脱原発依存体制の構築 原子力外相関連法案を改正し国と電力会社の責任関係の明確化 核燃料サイクル政策や使用済み核燃料の最終処分場の選定問題に早期に結論を出す"

 ざっと読んでも、記事全体をよく読んでも結局、各党のエネルギー政策に関しては、まったく危機感も展望も見出すことができませんでした。現状の体制で原発再稼動を容認する政党は、エネルギーの経済的なリスクを重要視しているようですが、3.11を経験してしまった日本人にとって、地殻変動リスク全体の中で語られるべき、原発リスク、という他国にはない巨大なリスクに十分に言及している政党はありません。万が一の損失を計算して再稼動、あるいは原発政策を進めるという”最低限度”の評価と慎重さが必要だと考えています。
 現状の安全評価が国の地震リスク対応の総合的な評価の中で、すべて一から考え直すという、ゼロベースでの議論なくして、わが国での原子力利用は、進めることなどできないと思います。

 この最悪文明崩壊をきたしかねない地殻変動リスクを、わが国の防災計画の中でしっかりと、原発も含めて組み入れることは、常に地震に備えなければならない現状において、一義的に対応すべき問題です。原発に関しては、国会事故調の報告書などを読めば、福島第一原子力発電所の苛酷事故は、原発震災に対応するための、ヒントをもたらしてくれます。これは、きたるべき震災対応における、総合防災上の一大事です。

 そして、その上でのエネルギー政策での、エネルギーについてのベストミックスの議論。これも国際的な観点からも必要でしょう。しかし、自民党政権は前政権の不十分ながらもゼロを目指した議論を反故にし、かってに原発回帰を決めました。そして、そのことの信任をも参議院での議員数の絶対的な優位により得ることで、手前に勝手なエネルギー政策を推し進める可能性があります。

 エネルギー政策が大きな争点になりにくい現状において、地震とエネルギーという問題は、あまりにもテーマが巨大すぎるのかもしれません。食料も暮らしもすべてがエネルギーとは無縁ではありません。このことを考えるきっかけに参議院選挙をしたいと思います。

 ガラガラポン状態がずっと続いているわが国のエネルギー政策。国民の選択。

 より多くの国民の生活を支える、より安全な電力、そしてエネルギー源の選択。ヒントを探します。

 なお、ツイッターでは、#election2013jp(twilog)で関連情報をクリッピングしています。地殻変動リスクについては、#crustalchange(twilog)をご覧ください。

関連エントリー
参院選の争点は、エネルギー、原発政策? その2-----ソフトエネルギー、2013/07/09

参考
改憲を争点にした安倍自民に小泉氏の危惧-----日本経済新聞、2013/7/9

首相、参院選目標は「安定多数」 自公で70議席獲得に引き上げ-----47News,2013/07/08

コメ-安倍首相と自民党が、あの野党時代に学習したこと、、、。そんなことを考えることがあります。不用意な発言は減り、言質をとられてもごまかすことができる、そうした能力は高まっています。表現やプレゼンにアドバイザーとして、だれが、どの企業が係わっているのか? そんなことも考えながら動向をみています。ネット選挙にもうまく対応していこうとしているようです。

ネットの選挙運動「見た」、序盤は低調 本社調査 -----日本経済新聞、2013/7/8

".....閲覧した情報は自民党が首位で、日本維新の会や民主党が続いている。交流サイト(SNS)の活用は出足が鈍い。....."

原発が参院選の争点にならないのは、賛成派が多いから?-----ハフィントンポスト、2013年07月07日

原発が参院選の争点になっていない理由-----ハフィントンポスト、2013年07月03日

・朝日新聞 : 参院選ツイッター分析

コメ-ツィッターでは、原発・エネルギー政策への関心は高い。しかし、その影響力は数パーセントという話もある。

●ブックマーク集
NHK : 参議院選挙サイト

ザ選挙 : 参議院選挙第23回参議院議員選挙

選挙情報専門サイト「ELECTION」

続きを読む "参院選の争点は、エネルギー、原発政策? 各党の主張を昨日の毎日新聞から"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ウェールズのスウォンジー湾 Swansea Bayで、240MWの潮汐発電 Tidal Lagoon計画の事前協議開始

 ウェールズのスウォンジー湾 Swansea Bayに流れ込む河口部分は、世界でも2番目に高潮位差であることで知られています。このスウォンジー湾 Swansea Bayでは、春に潮位差が12mに達します。この潮位差を生かして、人工的なラグーンを作り潮汐力を利用し電力を作るという試みが計画されています。その名は、Swansea Bay Tidal Lagoon スウォンジー湾タイダル・ラグーンプロジェクトです。今回、予算やタイムテーブルを煮詰めていくことが正式に決まりました。協議のための情報の公開が、7月4日から開始されるということです。
 予算は、6億5000万ポンドということですから、日本円にして約975億円。発電規模は、240MWで、一般家庭120,000軒分が消費する電力を、120年間にわたって供給できる設備となる予定だということです。ちなみに、この年間の発電電力は、400GWhで、同ベイエリアの70%の電力を供給できる予定だということです。

 しくみは、同湾に全長9.5kmで5-20mの高さの堤防を建設し、この堤防をダムとして水力発電のしくみと同じように発電タービンで発電するというものです。この壁に囲まれる面積は、11.5平方キロメートル。円にするとだいたい直径4kmぐらいのプールという感じです。関連のビデオクリップを見ると、タービンは、550mあまりの発電部に29基収められているようです。1基のタービンのサイズは、直径6mで、長さ18mに達する巨大なものです。全体で240MWですから、一基あたり8MW強の発電出力をもつ計算です。

 今後2013年中に計画の周知が図られたのちに、来年に協議が開始されます。決まれば、2015年の4月から建設が開始されます。

Tidal Lagoon (Swansea Bay) plc / Press Releases
- 2nd July 2013 Launch of 3D virtual programme of proposal
- 1st July 2013 Tidal Lagoon Power announces global partners of the world's first Tidal Lagoon in Swansea Bay

3730_tlp_swansea_animation_still010
-----image : 上下とも、Image Galleryより-----
3730_tlp_swansea_animation_still014

Plan_of_tidal_lagoon
-----image : Tidal Lagoon (Swansea Bay) plc  introduction to the project in English」より


関連
SgurrEnergy elected strategic advisor for world’s first, purpose built tidal lagoon power plant-----SgurrEnergy,May 14, 2013
520x368tidallagoonproject
-----image : 上記リリースより

Formal consultation to begin on Swansea Bay Tidal Lagoon-----Renewable Energy Focus.com,02 July 2013

VIDEO: Project Film for Tidal Lagoon Swansea Bay-----OffshoreWind.biz,Mar 11th, 2013

Proposed tidal lagoon for Swansea Bay

(This is South Wales,2013/03/12)

"A new video of the proposed tidal lagoon for Swansea Bay has been unveiled.
It is part of a £650 million investment in the area which could provide energy for around 107,000 homes.
.......... "

参考
Swansea_bay
-----GoogleマップでSwansea Bayを見る

・Wikipedia : Swansea Bay


MEMO
Tidal Electric(United States)
/ Technology - Tidal Illustrations - Bulb Turbine
/ Projects - United Kingdom - Swansea Bay

"Swansea Bay
A 60 MW project has been proposed for Swansea Bay measuring 5 square kilometers in area and about a mile offshore. WS Atkins has conducted a Feasibility Study on the proposed project and finds that the project is technically feasible, environmentally plausible, and economically viable."

/ Full Deployment of Tidal Lagoons in the Severn Estuary


参考エントリー
ロシアのRusHydro、ノルウェー国境近く、ムルマンスク Murmanskに12MW潮汐力発電所を建設中-----ソフトエネルギー、2011/12/20

潮位差を利用したラグーン"lagoons"発電ってシンプルでいいかも-----ソフトエネルギー、2008/06/04

波力・潮流・潮汐・海洋温度差発電のカタログを作りはじめます!-----ソフトエネルギー、2012/12/19
- 波力・潮流・潮汐・海洋温度差発電のカタログ 海洋エネルギーは次代を担う!

続きを読む "ウェールズのスウォンジー湾 Swansea Bayで、240MWの潮汐発電 Tidal Lagoon計画の事前協議開始"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

米風力事業会社 インべナジ― Invenergy、日本進出に向け事業会社を設立

 アメリカの風力事業会社 インべナジ― Invenergyが、イーストエッジ・エナジーと合弁で日本進出に向け事業会社、インべナジ―・イーストエッジ合同会社を設立しました。
 インべナジ― Invenergyは、アメリカの独立系風力発電企業の中では、最大手ということです。独立系最大手という言葉の意味がピントきませんが、どの程度の事業を手がけてきているのでしょうか。
 ということで、リリースにある「世界中に7,100メガワット以上のクリーンエネルギー発電施設を開発してきた実績」を同社のサイトでより詳しくみてみました。

”風力発電 49プロジェクト 4,239MW
太陽光発電 3プロジェクト 40MW
天然ガス火力 6プロジェクト 2,859MW
以上合計 7,138MW”

 以上の内容を北米と欧州で展開してきたエネルギー企業という姿のようです。風力発電での実績を次に調べてみると、CALIFORNIA RIDGEという風力意発電所が最大のプロジェクトのようです。風車はGEの1.6MW機で、217.1MW。2012年に運転を開始しています。アメリカには、巨大な風力発電所がたくさんありますが、インべナジ― Invenergyは100MW前後から、最大で200MW程度の風力発電所の建設、運営で実績を積んできた企業という姿が見えてきました。日本での展開、どんな風力発電所を建設するのか、その手順も含めて興味深いです。


プレスリリース / イーストエッジ・パートナーズ、2013年7月3日
米独立系最大手風力事業会社インべナジ―が合弁で日本進出

"インべナジーとイーストエッジ・エナジーが日本に再生エネルギー発電施設の開発合弁を発表

米シカゴが本拠の先端クリーン電力大手、インべナジーLLCと、日本の太陽光及び風力発電施設開発会社、イーストエッジ・エナジーが本日、日本においての再生電力発電の戦略的合弁会社、インべナジー・イーストエッジ合同会社の設立を発表した。

日本が電力の独立を進めるよう再生可能な電力を増設する中での発表です。日本という国は太陽光及び風力のよい資源、良好な投資環境、及び世論の再生可能エネルギー支持というが提供されている。

「インべナジーと一緒に日本中にサステナブル、クリーンエネルギー施設の開発を楽しみにしています。」とイーストエッジ・エナジーの設立パートナー、ジェーソン・ホルトが言う。「世界中に7,100メガワット以上のクリーンエネルギー発電施設を開発してきた実績の証として、インべナジーのクリーンエネルギー専門知識に、イーストエッジの国内ネットワークを活用して大規模な再生エネルギープロジェクトのポートフォリオを築き上げたいと思います。」

当該合弁は、日本で基盤を作るのに土地の全部または一部を太陽光か風力の発電利用として土地を提供する意思のある大規模土地所有者及び市町村と組んでいく。参入すれば地主及び地域コミュニティーに新収入源及び雇用を生み出す。さらに、既存にある再生エネルギー開発企画で、大規模なためエネルギー専門家の事業主が希望されるプロジェクト開発も検討する。
.......... "


関連
Invenergy LLC : PressReleases / July 2, 2013 Invenergy and EastEdge EnergyAnnounce Venture to Develop Renewable Energy Generation Projects in Japan(PDF)

"Invenergy LLC, a Chicago-based leading clean energy generation company, and EastEdge Energy G.K., a solar and wind power development company in Japan, announced today the formation of Invenergy EastEdge GK, a strategic joint venture focused on renewable energy generation in Japan.
The announcement comes as Japan seeks additional renewable energy resources directed at greater energy independence. The country offers good solar and wind resources, a favorable investment climate, and public support for renewables.

“EastEdge Energy is excited to join with Invenergy to develop sustainable, clean energy
resources throughout Japan,” said Jason Holt, a founding partner at EastEdge Energy. “With
Invenergy’s expertise – evidenced by the more than 7,100 MW of clean energy generation the
company has developed worldwide - and EastEdge’s strong network of local partners, we look
forward to building a large portfolio of renewable energy projects in Japan.”
.......... "

イーストエッジ・パートナーズ

参考
・The Windpower : California Ridge windfarm (USA)


コメント続き
 YouTubeでInvenergyの風力発電ということでヒットしたのは、イリノイ州のGrand Ridge Windプロジェクトでした。こちらもGEの風車を採用。134機で201MWということです。23MWpのGrand Ridge Solarプロジェクトも同時に行われた、風力&太陽光の併設プロジェクトです。GEの1.5MW-1.6MWクラスを採用することが多いのでしょうか。

Invenergy's Grand Ridge Solar and Grand Ridge Wind in Lasalle County, Illinois

(GE Renewables, 2012/10/04)

参考
GE Solar Technology to Bring Power of the Sun to Invenergy’s Grand Ridge Solar Project-----GE,January 18, 2012

GE Wind Turbines
- 1.5 - 77 Wind Turbine

Inside a running Wind Turbine

(Nick Bronson,2013/03/07)

"Starting up a GE 1.5 wind turbine."


続きを読む "米風力事業会社 インべナジ― Invenergy、日本進出に向け事業会社を設立"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アメリカエネルギー省とNRELは、再エネと送電網の統合をめざし、新たな研究センター ESIF を開設

 アメリカエネルギー省(DOE)と国立再生可能エネルギー研究所(NREL)は、コロラドのゴールデンのNRELの施設に隣接した敷地に、新たにエネルギーシステム統合研究センター(ESIF : Energy Systems Integration Facility)を建設したと発表しました。
 エネルギーシステム統合研究センター(ESIF)は、再生可能エネルギーの導入をさらに拡大するために、商用連系網について、いわゆるスマートグリッドにおける統合環境を研究するための、民間企業も利用できる、アメリカ初の大規模な研究施設となります。
 すでに太陽光発電用のローコストなパワコンをこのESIF施設で研究開発することも決まっているとのことです。

 エネルギーシステム統合研究センター(ESIF)には、太陽光発電、風力発電、ストレージシステムなどを接続し解析できる、スーパーコンピューターや接続および解析のためのさまざまなシステムが整備され、商用電源網、グリッドにおける統合、つまり合理的で整合性のある運用などが研究されることになります。企業は研究費を自社で賄えば、知的財産権やデータ権利も保持できる一方、研究結果の公表に同意すれば利用料が割引されるなど、先進の施設を利用しつつ、個別に開発する手間とコストを削減することができます。日本でも、再生可能エネルギー専門の研究機関や需要応答の研究がタイムテーブルに上がっていますが、アメリカの本気度には、タイミング、速度、そして研究開発費がおよびません。
 この彼我の差が、将来の技術、エネルギーミックスの質の差につながらないようなスマートな方策を見つける必要があります。

プレスリリース / Energy Department and the National Renewable Energy Laboratory (NREL) ,June 20, 2013
Energy Department, NREL Announce New Research Center to Boost Clean Energy Technologies on a Smarter Grid

"The Energy Department and the National Renewable Energy Laboratory (NREL) today announced the Energy Systems Integration Facility (ESIF) in Golden, Colorado, as the latest Energy Department user facility and the only one in the nation focused on utility-scale clean energy grid integration. The facility’s first industry partner – Colorado-based Advanced Energy Industries – has already signed on to start work at ESIF, developing lower cost, better performing solar power inverters.
..........

Energy Systems Integration Facility – DOE’s Newest User Facility

Located at the National Renewable Energy Laboratory’s campus in Golden, Colorado, the 182,500-square-foot Energy Systems Integration Facility (ESIF) is the nation’s first facility to help both public and private sector researchers scale-up promising clean energy technologies – from solar modules and wind turbines to electric vehicles and efficient, interactive home appliances – and test how they interact with each other and the grid at utility-scale.

ESIF will house more than 15 experimental laboratories and several outdoor test beds, including an interactive hardware-in-the-loop system that lets researchers and manufacturers test their products at full power and real grid load levels. The facility will also feature a petascale supercomputer that can support large-scale modeling and simulation at one quadrillion operations per second.

The Energy Systems Integration Facility is aimed at overcoming generation, transmission, distribution and end-use challenges to support a cleaner, affordable and more secure U.S. energy mix, including research into next generation building technologies, microgrids, energy storage batteries and utility-scale renewable energy. As the cost of clean energy technologies continues to come down, seamless and efficient grid integration will help make these resources and products even more affordable, while giving Americans more control over how they use energy in their homes and businesses.
.......... "

関連
・NREL : Energy Systems Integration Facility (ESIF)
Photo_esif_map
-----image : 上記サイトより

"Unique Capabilities
Hardware-in-the-Loop at Megawatt-Scale Power: Megawatt-scale power-in-the-loop allows researchers and manufacturers to conduct integration tests at full power and actual load levels in real-time simulations and evaluate component and system performance before going to market.

High Performance Computing Data Center: Petascale computing at the High Performance Computing Data Center enables unprecedented large-scale modeling and simulation of material properties, processes, and fully integrated systems that would otherwise be too expensive, too dangerous, or even impossible to study by direct experimentation.

Uniquely Connected: Each lab in the ESIF has its own niche with different kinds of equipment and functionality fostering research on all aspects of energy integration. The Research Electrical Distribution Bus, the ultimate power integration circuit, is made up of two AC and two DC ring buses that connect multiple sources of energy and interconnect "plug-and-play" testing components in all the labs.

Supervisory Control and Data Acquisition System: Integrated throughout the ESIF, a SCADA system monitors and controls the Research Electrical Distribution Bus operations and safety and gathers real-time, high-resolution data for collaboration and visualization.

Data Analysis and Visualization: Analysis and visualization capabilities at the ESIF go beyond what is found in a typical utility operations center. Fully integrated with hardware-in-the-loop at power capabilities, an electrical distribution bus, a SCADA system, and petascale computing, the ESIF allows researchers and NREL partners to visualize complex systems and operations in a completely virtual environment."

Doe_nrel_esif
-----image : Google マップで、Energy Systems Integration Facility (ESIF, Golden,CO.) を見る

アメリカエネルギー省、再生可能エネルギーと送電網をつなぐ新研究センターを設立-----環境展望台、2013.06.20

Energy Systems Integration Facility (ESIF)

(JEDunnConstructionCo,2013/06/27)


関連
 商用電力と再生可能エネルギーについての最新の研究は、以下にあります。

National Renewable Energy Laboratory : Western Wind and Solar Integration Study

"..........
Key Findings
The integration of 35% wind and solar energy into the electric power system will not require extensive infrastructure if changes are made to operational practices.

Wind and solar energy displace fossil fuels. A 35% penetration of solar and wind power would reduce fuel costs by 40% and carbon emissions by 25%–45%—the rough equivalent of taking 22–36 million cars off the road—compared to today's system.

Increasing the size of the geographic area over which the wind and solar resources are drawn substantially reduces variability.

Scheduling generation and interchanges subhourly reduces the need for fast reserves.

Using wind and solar forecasts in utility operations reduces operating costs by up to 14%.

Existing transmission capacity can be better used. This will reduce new transmission needs.

Demand response programs can provide flexibility that enables the electric power system to more easily integrate wind and solar—and may be cheaper than alternatives.
.......... "

米国立再生可能エネルギー研究所 National Renewable Energy Laboratory、電力網は従来の研究よりも不安定化の恐れなく大量の再生可能エネルギーを受け入れることができるという研究成果を発表-----ソフトエネルギー、2010/07/09

追加情報
NREL Offers up to $6.5 Million for INTEGRATE Projects at the ESIF-----NREL,May 22, 2014

".....draft EERE Grid Integration Multi-Year PlanPDF
..........
Through this RFP, NREL intends to support development and validation of technologies under three topics:

Topic 1 – Connected Devices
Topic 2 – Communication and Control Systems
Topic 3 – Integrated Systems
.......... "


参考エントリー
米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が複数のレイヤーを重ねることでポテンシャルがわかる RE Atlas を発表-----ソフトエネルギー、2012/03/01

米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)、CPV 集光型太陽光発電システム AMONIX 7700の劇的な進化をアピール-----ソフトエネルギー、2011/03/09

産業技術総合研究所、米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)と共同で、集光型太陽光発電システムの発電性能の検証実験へ-----ソフトエネルギー、2010/07/01

NREL Solar Cell Sets World Efficiency Record at 40.8 Percent / プレスリリース NREL- U.S.DOE -(宇宙空間用太陽電池セル変換効率40.8%を達成)-----ソフトエネルギー、2008/08/21

続きを読む "アメリカエネルギー省とNRELは、再エネと送電網の統合をめざし、新たな研究センター ESIF を開設"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

兵庫県は、下水処理場2ヶ所に各500kWpの自家消費用太陽光発電を設備

 兵庫県は、武庫川下流浄化センター(尼崎市)及び揖保川浄化センター(姫路市)の下水処理場2ヶ所に各500kWpの自家消費用太陽光発電を設備しました。リリースによると下水処理場の自家消費用太陽光発電設備としては国内最大級とのことです。

 それぞれ、電力需要が最も逼迫する夏季晴天時には、2処理場で8~10%のピークカットが可能となるとのことです。売電収入を意図しない自家消費用太陽光発電設備も徐々に普及し始めています。兵庫県以外でも、下水道や上水道関連施設に太陽光発電を導入する例もみられます。自治体の未利用なスペースの有効活用という面からも、発電事業、そして今回のような自家発電事業。両方のメリット、デメリットの洗い出しが重要になります。成果に期待しております。


プレスリリース / 兵庫県、2013年6月21日
流域下水道処理場における太陽光発電設備の運転開始について~下水処理場の自家消費用太陽光発電設備としては国内最大級~

Hyougogesui_pv_1Hyougogesui_pv_2
-----image : 同プレスリリース、関連資料より

"武庫川下流浄化センター及び揖保川浄化センターの太陽光発電設備が完成し、平成25年7月1日から運転開始します。

”このたび、武庫川下流浄化センター及び揖保川浄化センターの太陽光発電設備が完成し、平成25年7月1日から運転開始します。同設備で発電した電力は全て処理場で自家消費します。また、同設備は下水処理場の自家消費用太陽光発電設備としては国内最大級の規模になります。
 今回の運転開始により、2処理場での温室効果ガス(CO2等)排出量が削減される他、夏季晴天時には消費電力量の8~10%のピークカットが可能となります。
..........設置場所、発電規模及び事業費
設置場所 発電規模 工事費(土木工事費を含む)
武庫川下流浄化センター(尼崎市平左衛門町) 500kW※ 約2億9千万円(税込み)
揖保川浄化センター(姫路市網干区興浜) 500kW※ 約2億8千万円(税込み)
※下水道処理場に設置された自家消費用太陽光発電設備としては、国内最大級(H24年12月調べ)
...........夏季晴天時の消費電力量ピークカット

電力需要が最も逼迫する夏季晴天時には、2処理場で8~10%のピークカットが可能となります。
処理場名 ①ピーク時消費電力量(kWh/時) ②ピーク時発電量 (kWh/時) ②/①
武庫川下流浄化センター 3,000 300 10%
揖保川浄化センター 4,000 300 8%
※ピーク時:夏季12時~15時
.......... ”-----関連資料(PDF:1,948KB)より
.......... "


参考エントリー
大阪市水道局、パナソニック電工と共同で太陽光発電パネルの発電効率向上を目的とした散水冷却システムを開発-----ソフトエネルギー、2011/08/03

東京都下水道局、江戸川区の葛西水再生センターに独自開発の自動追尾装置付きの490kWpの太陽光発電所を完成-----ソフトエネルギー、2010/04/16

県水道局に大臣表彰-御所浄水場に太陽光発電導入 / クリッピング 奈良新聞-----ソフトエネルギー、2007/12/19


街のあちこちに生まれる太陽光発電所 再生可能エネルギーまめ知識
/ p5 ■上下水道施設が太陽光発電所になる!

続きを読む "兵庫県は、下水処理場2ヶ所に各500kWpの自家消費用太陽光発電を設備"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本1.6%

 2012年度の総発電電力量に占める、再生可能エネルギーの割合は1.6%だったということです。

 このデーターは、総合資源エネルギー調査会の総合部会、第4回会合が6月27日に開催され、エネルギー政策を議論する上での論点整理のための資源エネルギー庁が作成した事務局資料「【生産・調達段階における論点】 再生可能エネルギーの拡大」が提示されたものです。
 2009年11月の太陽光の余剰電力買取制度の開始、2012年7月の固定価格買取制度の施行により、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーは拡大し、2012年度の大型既存水力を除いた発電量は、おおよそ150億kWh/年レベルに達しました。

Renew2012_meti_1
-----image(”1.我が国の再生可能エネルギーの導入状況”) : 総合資源エネルギー調査会総合部会 (第4回会合 平成25年6月27日(木))資料、[ 資料1 「エネルギー基本計画の検討に当たっての背景と論点」(事務局-資源エネルギー庁-提出資料)]より

2012年度は、各報道でも伝えられているように、太陽光発電以外は増えていません。用地の確保さえ行えれば、発電まですばやく発電までの行程を詰めることができる太陽光発電、太陽電池の特色が際立っています。また、この間大型案件の太陽光発電の買い取り価格が高すぎるとの指摘がなされています。手順が簡単で、買い取り価格が十分に高く、メリットを出しやすい太陽電池に続いて、他の再生可能エネルギーも順調に続けるような制度設計と適用が行われるのか? 非常に大切な初動です。

 
 また、この資料では各国の再生可能エネルギーの導入状況を比較する資料も提示されました。大型既存水力を除いた、再生可能エネルギーの電源構成に占める割合は、2010年時点で、ドイツが14.7%、スペイン 18.5%、イギリス 6.2%、アメリカ 4.4%。そして、日本が、2012年度時点で1.6%低い水準にとどまっていることがわかります。

Renew2012_meti_2
-----image(”6.各国の再生可能エネルギーの導入状況”) : 総合資源エネルギー調査会総合部会 (第4回会合 平成25年6月27日(木))資料、[ 資料1 「エネルギー基本計画の検討に当たっての背景と論点」(事務局-資源エネルギー庁-提出資料)]より

 さらに、このグラフには大型既存水力を入れた”再生可能エネルギー”の割合もなにげなく挿入されています。水力を入れるとわが国の”再生可能エネルギー”は世界水準という言い方をする報道や資料が見受けられたこともあります。参考までに数字を拾っておくと、大型既存水力を含めた、再生可能エネルギーの電源構成に占める割合は、2010年時点で、ドイツが19.0%、スペイン 33.5%、イギリス 8.0%、アメリカ 10.9%。そして、日本が、2012年度時点で10.0%。

 これからは、日本の再生可能エネルギーの電力に占める割合は2012年に1.6%という数字をはっきりと刻んでおきましょう。

 ここ数年の日本の再生可能エネルギーへの投資は、IEAの2010年のデーター(”G20各国の再生可能エネルギーへの投資 2010年 IEA”で検索のこと)で35億ドルでインドに続いて11番目でした。再生可能エネルギーには、消極的ということでした。2番目のドイツにいたっては、412億ドル、3番目の米国が340億ドルということを考えると事実として認識できるはずです。興味深いのは、失速したスペインがその時日本と同じレベルだったことです。失速したスペインの再生可能エネルギーがそれなりに貢献しているこをは、最近の数字をみても明らかですから。

 こうやってみるとやはりドイツとスペインの再生可能エネルギーへの取り組みが、はっきりとした数字にでていることがわかり、彼らの選択と今後に留意していく必要があります。特に、経済状況が厳しく、複雑に政治的にも変化する状況下で、どんな選択と施策がなされていくのか? 興味があります。参考にできるところは、参考にしたいです。

関連
・資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会 : 総合部会について / 総合資源エネルギー調査会総合部会 (第4回会合 平成25年6月27日 木 )

"■配付資料
配付資料一覧・議事次第
委員名簿
座席表
資料1 「エネルギー基本計画の検討に当たっての背景と論点」(事務局提出資料)
資料2 「再生可能エネルギーの拡大」(事務局提出資料)
資料3 「消費段階における論点」(事務局提出資料)
1.省エネルギー・節電の推進(産業・民生・運輸)
2.ディマンドリスポンスを含めた需要者のエネルギー管理への参加 及びスマートコミュニティ
3.燃料電池の利用拡大等による水素エネルギーの可能性
4.コージェネレーションの導入による分散型エネルギーの推進
資料4 「第四回 総合部会での意見」(事務局提出資料)
参考資料1 「経済財政運営と改革の基本方針~脱デフレ・経済再生~」
参考資料2 「日本再興戦略 -JAPAN is BACK-」
参考資料3 「平成24年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2013)概要」
参考資料4 「審議会の組織見直しについて」
参考資料5 「新しいエネルギー基本計画の策定に向けた国民からの御意見」
参考資料6 「総合部会(第2、3回会合)の議事録」(机上のみ)
.......... "

・Ustream : 総合資源エネルギー調査会第4回総合部会 (153:04) 録画 2013/06/27 18:27


追加情報
「自然エネルギー白書2013」に見る最新動向と課題-----ジャパン・フォー・サステナビリティ、2013.05.22

"環境エネルギー政策研究所(ISEP)は2013年5月、「自然エネルギー白書2013」を発刊した。
..........
日本国内の全発電量に占める自然エネルギーの割合は、大規模な水力を除いて3.8%程度にとどまっている。
......... "

補足コメ-

"2012年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本1.6%"と、上の環境政策エネルギー研究所の情報の違いは、”コメント欄でご指摘いただいた”ように、出力1万kW以下の小水力発電、およびバイオマス発電の自家消費分を加えて推計している差だということです。
 いずれにしろ、正確な”実測”データーを把握できるしきみがないことが、最大の問題のようです。


参考エントリー
自然資源防衛協議会 Natural Resources Defense Council(NRDC)、G20の再生可能エネルギーランキングを公開-----ソフトエネルギー、2012/06/13


追加情報
2013年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本2.2%-----ソフトエネルギー、2014/06/30

経産省、新エネルギー小委員会第一回会合を開催。再エネ導入制度の抜本的見直しとは?-----ソフトエネルギー、2014/06/17


コメント続き

 ところで、今後のエネルギー政策の議論ですが、民主党政権で行われた経過は、霧散という状況です。
総合資源エネルギー調査会の下部組織で、民主党政権下で「原発ゼロ」の是非を議論した基本問題委員会は廃止されてしまします。

審議会の組織見直しを行います-----経済産業省、平成25年6月25日


 自民党政権は、原発ゼロを白紙扱いとし、再稼動への手順を進めています。強引に進めるのではなく、国民も意識しないうちに他の論点に紛らわすように、ひっそりとという進め方に見えます。参議院選挙の論点には上がっていても、民主党への嫌悪感、不信があまりにも大きかったので、選択野党がない状況で選挙が進もうとしています。原発の輸出も熱心に進め、原発産業の最高をエネルギー・産業政策の主軸にすでに戻した自民党は、3.11後に顕在化し未処理、未解決は地殻変動リスクを、既存の安全概念を支えてきたに過ぎない、活断層の有無と評価という、瑣末な問題で処理しようとしています。総合防災上の人、組織、モノの見直しは、緒に就いたばかりです。現在の棚上げ路線は、非常に危険だと思います。総合防災上の課題については、国会事故調などの検証と議論を下地に再度見直すべきです。

 この審議会の組織見直しについては、別の機会にまとめることができれば、リストぐらいはアップしたいと考えています。

続きを読む "2012年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本1.6%"

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2013年6月 | トップページ | 2013年8月 »