2012年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本1.6%
2012年度の総発電電力量に占める、再生可能エネルギーの割合は1.6%だったということです。
このデーターは、総合資源エネルギー調査会の総合部会、第4回会合が6月27日に開催され、エネルギー政策を議論する上での論点整理のための資源エネルギー庁が作成した事務局資料「【生産・調達段階における論点】 再生可能エネルギーの拡大」が提示されたものです。
2009年11月の太陽光の余剰電力買取制度の開始、2012年7月の固定価格買取制度の施行により、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーは拡大し、2012年度の大型既存水力を除いた発電量は、おおよそ150億kWh/年レベルに達しました。
-----image(”1.我が国の再生可能エネルギーの導入状況”) : 総合資源エネルギー調査会総合部会 (第4回会合 平成25年6月27日(木))資料、[ 資料1 「エネルギー基本計画の検討に当たっての背景と論点」(事務局-資源エネルギー庁-提出資料)]より
2012年度は、各報道でも伝えられているように、太陽光発電以外は増えていません。用地の確保さえ行えれば、発電まですばやく発電までの行程を詰めることができる太陽光発電、太陽電池の特色が際立っています。また、この間大型案件の太陽光発電の買い取り価格が高すぎるとの指摘がなされています。手順が簡単で、買い取り価格が十分に高く、メリットを出しやすい太陽電池に続いて、他の再生可能エネルギーも順調に続けるような制度設計と適用が行われるのか? 非常に大切な初動です。
また、この資料では各国の再生可能エネルギーの導入状況を比較する資料も提示されました。大型既存水力を除いた、再生可能エネルギーの電源構成に占める割合は、2010年時点で、ドイツが14.7%、スペイン 18.5%、イギリス 6.2%、アメリカ 4.4%。そして、日本が、2012年度時点で1.6%低い水準にとどまっていることがわかります。
-----image(”6.各国の再生可能エネルギーの導入状況”) : 総合資源エネルギー調査会総合部会 (第4回会合 平成25年6月27日(木))資料、[ 資料1 「エネルギー基本計画の検討に当たっての背景と論点」(事務局-資源エネルギー庁-提出資料)]より
さらに、このグラフには大型既存水力を入れた”再生可能エネルギー”の割合もなにげなく挿入されています。水力を入れるとわが国の”再生可能エネルギー”は世界水準という言い方をする報道や資料が見受けられたこともあります。参考までに数字を拾っておくと、大型既存水力を含めた、再生可能エネルギーの電源構成に占める割合は、2010年時点で、ドイツが19.0%、スペイン 33.5%、イギリス 8.0%、アメリカ 10.9%。そして、日本が、2012年度時点で10.0%。
これからは、日本の再生可能エネルギーの電力に占める割合は2012年に1.6%という数字をはっきりと刻んでおきましょう。
ここ数年の日本の再生可能エネルギーへの投資は、IEAの2010年のデーター(”G20各国の再生可能エネルギーへの投資 2010年 IEA”で検索のこと)で35億ドルでインドに続いて11番目でした。再生可能エネルギーには、消極的ということでした。2番目のドイツにいたっては、412億ドル、3番目の米国が340億ドルということを考えると事実として認識できるはずです。興味深いのは、失速したスペインがその時日本と同じレベルだったことです。失速したスペインの再生可能エネルギーがそれなりに貢献しているこをは、最近の数字をみても明らかですから。
こうやってみるとやはりドイツとスペインの再生可能エネルギーへの取り組みが、はっきりとした数字にでていることがわかり、彼らの選択と今後に留意していく必要があります。特に、経済状況が厳しく、複雑に政治的にも変化する状況下で、どんな選択と施策がなされていくのか? 興味があります。参考にできるところは、参考にしたいです。
関連
・資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会 : 総合部会について / 総合資源エネルギー調査会総合部会 (第4回会合 平成25年6月27日 木 )
"■配付資料
配付資料一覧・議事次第
委員名簿
座席表
資料1 「エネルギー基本計画の検討に当たっての背景と論点」(事務局提出資料)
資料2 「再生可能エネルギーの拡大」(事務局提出資料)
資料3 「消費段階における論点」(事務局提出資料)
1.省エネルギー・節電の推進(産業・民生・運輸)
2.ディマンドリスポンスを含めた需要者のエネルギー管理への参加 及びスマートコミュニティ
3.燃料電池の利用拡大等による水素エネルギーの可能性
4.コージェネレーションの導入による分散型エネルギーの推進
資料4 「第四回 総合部会での意見」(事務局提出資料)
参考資料1 「経済財政運営と改革の基本方針~脱デフレ・経済再生~」
参考資料2 「日本再興戦略 -JAPAN is BACK-」
参考資料3 「平成24年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2013)概要」
参考資料4 「審議会の組織見直しについて」
参考資料5 「新しいエネルギー基本計画の策定に向けた国民からの御意見」
参考資料6 「総合部会(第2、3回会合)の議事録」(机上のみ)
.......... "
・Ustream : 総合資源エネルギー調査会第4回総合部会 (153:04) 録画 2013/06/27 18:27
追加情報
・「自然エネルギー白書2013」に見る最新動向と課題-----ジャパン・フォー・サステナビリティ、2013.05.22
"環境エネルギー政策研究所(ISEP)は2013年5月、「自然エネルギー白書2013」を発刊した。
..........
日本国内の全発電量に占める自然エネルギーの割合は、大規模な水力を除いて3.8%程度にとどまっている。
......... "
補足コメ-
"2012年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本1.6%"と、上の環境政策エネルギー研究所の情報の違いは、”コメント欄でご指摘いただいた”ように、出力1万kW以下の小水力発電、およびバイオマス発電の自家消費分を加えて推計している差だということです。
いずれにしろ、正確な”実測”データーを把握できるしきみがないことが、最大の問題のようです。
参考エントリー
・自然資源防衛協議会 Natural Resources Defense Council(NRDC)、G20の再生可能エネルギーランキングを公開-----ソフトエネルギー、2012/06/13
追加情報
・2013年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、日本2.2%-----ソフトエネルギー、2014/06/30
・経産省、新エネルギー小委員会第一回会合を開催。再エネ導入制度の抜本的見直しとは?-----ソフトエネルギー、2014/06/17
コメント続き
ところで、今後のエネルギー政策の議論ですが、民主党政権で行われた経過は、霧散という状況です。
総合資源エネルギー調査会の下部組織で、民主党政権下で「原発ゼロ」の是非を議論した基本問題委員会は廃止されてしまします。
・審議会の組織見直しを行います-----経済産業省、平成25年6月25日
自民党政権は、原発ゼロを白紙扱いとし、再稼動への手順を進めています。強引に進めるのではなく、国民も意識しないうちに他の論点に紛らわすように、ひっそりとという進め方に見えます。参議院選挙の論点には上がっていても、民主党への嫌悪感、不信があまりにも大きかったので、選択野党がない状況で選挙が進もうとしています。原発の輸出も熱心に進め、原発産業の最高をエネルギー・産業政策の主軸にすでに戻した自民党は、3.11後に顕在化し未処理、未解決は地殻変動リスクを、既存の安全概念を支えてきたに過ぎない、活断層の有無と評価という、瑣末な問題で処理しようとしています。総合防災上の人、組織、モノの見直しは、緒に就いたばかりです。現在の棚上げ路線は、非常に危険だと思います。総合防災上の課題については、国会事故調などの検証と議論を下地に再度見直すべきです。
この審議会の組織見直しについては、別の機会にまとめることができれば、リストぐらいはアップしたいと考えています。
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投稿: Holder | 2021/08/11 22:06
松原弘直さん
コメントありがとうございます。
来週以降、「REN21、自然エネルギー世界白書 2013 年版 Renewables 2013 Global Status Reportを発行」という記事をアップするつもりです。これから情報なり、内容を読むという段階でした。ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。
「3.8%と推計しています。この資源エネルギー庁の統計との主な違いは、出力1万kW以下の小水力発電、およびバイオマス発電の自家消費分を加えて推計しています。この資源エネルギー庁のデータは、バイオマス発電にRPSのデータ(余剰電力のみ)を用いるなど、発電量として自家発電の分をきちんと評価しておらず、とても不十分なものです。」
というご指摘は、興味深いものです。ところで、家庭用太陽光の自家消費分のカウントは、どうなっていますか? 具体的な数字を調べるつもりで、そのままになっているのを今思い出しました。ご存知でしたら、データーの”ありか”を是非教えてください。
今後ともよろしくお願いいたします。
グリーン・ポスト
しなやかな技術研究会 恒任とうじ
投稿: 2t | 2013/07/05 03:33
ちなみに、ISEP編「自然エネルギー白書2013」では、2011年度の日本国内での自然エネルギーによる発電量の割合を3.8%と推計しています。この資源エネルギー庁の統計との主な違いは、出力1万kW以下の小水力発電、およびバイオマス発電の自家消費分を加えて推計しています。この資源エネルギー庁のデータは、バイオマス発電にRPSのデータ(余剰電力のみ)を用いるなど、発電量として自家発電の分をきちんと評価しておらず、とても不十分なものです。この様な数字が独り歩きすることは非常に残念です。海外のデータもせめて、2011年のデータを参照すべきです。このあたりの自然エネルギーの統計の問題点については、以下のJFSの記事にも書いていますのでご参照ください。 http://www.japanfs.org/ja/pages/032816.html
投稿: 松原弘直 | 2013/07/04 14:55