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神戸製鋼所、久米島の海洋温度差発電実証事業に高伝熱チタン板を供給

 沖縄県の久米島の海洋温度差発電実証事業については、その詳細、そして今後について関心をもっている人は多いのですが、あまり情報がありません。是非、関係者のみなさんには、正式なリリースを出していただけると、ありがたいと思います。以下は、ソフトエネルギーの直近の記事です。

久米島の沖縄県海洋深層水研究所で、50kW海洋温度差発電プラントが稼動-----ソフトエネルギー、2013/05/01

 さて、今回神戸製鋼所が、久米島の海洋温度差発電実証事業に高伝熱チタン板を供給したと発表しました。“純チタン薄板としては世界初”のプレート式熱交換器用チタン板(PHE : Plate Heat Exchanger)で、熱伝達性能を20%以上向上させることが可能だということです。海洋温度差発電は、海洋深層水と表層水の温度差を利用してアンモニアなど低沸点の媒体を気化させ、その蒸気でタービンを回転させる仕組みです。現在、熱サイクルの安定性・制御性の検証や熱交換器の性能試験が行われています。
 久米島の海洋温度差発電システムの発電出力は、50kWで、今回の実証試験を経て、将来の海洋温度差発電の実用化に向けた、発電コストの低減や沖縄県海域での洋上型システム設置に関する検討が実施されるということです。


プレスリリース / 神戸製鋼所、2013年6月12日
“世界初”プレート式熱交換器用チタン板新製品の開発・販売

Equipment_1
-----image(”上-沖縄県久米島の実証実験設備、下-高伝熱チタン板HEET[TM]の構造”) : 同リリースより-----
Structure_5

" 海洋温度差発電の実証事業に高伝熱チタン板を供給

..........純チタン薄板分野の主要用途であるプレート式熱交換器(PHE)向けの高伝熱チタン板(HEET™)を開発し、このほど、沖縄県久米島で行われている発電利用実証事業で使用される海洋温度差発電設備の熱交換器用として供給しました。
この高伝熱チタン板は、PHEの熱伝達性能を20%以上向上させると共に、環境・省資源に配慮した製品で、海洋温度差発電設備への採用は純チタン薄板においては世界初となります。これにより、再生可能エネルギーとして注目される海洋温度差発電の実用化へ向けた発電コストの低減の取組みが大きく前進するものと期待されています。

海洋温度差発電は、海洋深層水と表層水の温度差を利用してアンモニアなど低沸点の媒体を気化させ、その蒸気でタービンを回転させる仕組みで、海洋の熱エネルギーを有効活用する再生可能エネルギーとして注目されています。小規模ながら世界で初めて海洋温度差発電による電力を電力会社に供給する本実証事業では、本年の3月30日に発電に成功、4月より実証試験が開始され、熱サイクルの安定性・制御性の検証や熱交換器の性能試験が行われています。今後は、将来の海洋温度差発電の実用化に向けた、発電コストの低減や沖縄県海域での洋上型システム設置に関する検討が実施されます。

実証事業の概要
事業名:平成24年度海洋深層水の利用高度化に向けた発電利用実証事業
事業主:沖縄県
事業受託:
IHIプラント建設株式会社(設備全体)
株式会社ゼネシス(発電ユニット、熱交換ユニット)
横河電機株式会社(発電ユニット監視制御システム、電気関係)
実施場所:
沖縄県海洋深層水研究所(沖縄県久米島町)
発電出力:50kW
..........
高伝熱チタン板(HEET[TM])
チタン薄板の表面に微細な突起を付与することで熱伝達を向上させることができる製品です。この高伝熱チタン板を、海洋温度差発電の熱交換器に使用することにより、熱交換器の設計を変更することなく沸騰熱伝達が20%以上向上することが確認されています。熱伝達効率が向上することで、より小さな温度差でも発電が可能となることから、発電が可能な地域が増えると考えられます。また、汲み上げる海水の量を減らしてプラント内で自己消費する電力を減らして実質発電出力を向上させると共に、熱交換器をコンパクトにすることで設備のコストを圧縮するなど発電コストの低減が可能となります。今後の実証事業のなかで、高伝熱チタン板による発電事業での経済的な効果が、海洋温度差発電システムの実用化検討に併せて具体的に評価されてゆく予定です。

当社は、海洋温度差発電の熱交換器を対象としたチタン板の研究を2000年に開始し、佐賀大学海洋エネルギー研究センターとも連携して、チタン材料の高度化を図ってきました。今後も、再生可能エネルギーの有効利用を通して持続可能な社会の実現に取り組むと共に、エネルギー・プラント・造船向けなど、あらゆる産業分野で利用される熱交換器の国内外の需要家向けに高伝熱チタン板を積極的に拡販して参ります。
.......... "

関連
神戸チタン トピックス

海洋温度差の試験発電 沖縄・久米島-----47News、2013/6/16

"沖縄県は16日、海水の温度差を利用して電力を生み出す「海洋温度差発電」のプラント(最大出力50キロワット)の試験発電を同県久米島町で始めた。県は試験を積み重ね、実用化への課題を探る。"

久米島の沖縄県海洋深層水研究所で、50kW海洋温度差発電プラントが稼動-----ソフトエネルギー、2013/05/01

ゼネシス、IHIプラント、横河電機、沖縄県で海洋温度差発電の実証事業を開始-----ソフトエネルギー、2012/07/11


参考エントリー
ロッキード・マーティン Lockheed Martin、中国で10MW海洋温度差発電プラント建設へ-----ソフトエネルギー、2013/05/07

世界の海洋エネルギー 波力・潮流・潮汐・海洋温度差発電プロジェクト一覧-----ソフトエネルギー、2013/03/26

[ カテゴリー : 海洋エネルギー-OTEC ]



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コメント

今日、7月7日、夢の扉+(プラス)というテレビ番組を見てました。副産物として淡水化ができるそうです。希望が見えてきたような気がしますね。

投稿: ミキコ | 2013/07/07 23:57

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