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川崎重工、非食用バイオマスの稲わらから低コストなバイオエタノール製造技術を確立

川崎重工は、稲わらを原料とするバイオエタノール製造実証試験を完了し、非食用バイオマスである稲わらから低コストなバイオエタノールを製造する技術を確立たと発表しました。
 今回の秋田県潟上市昭和工業団地内で実施された実証試験では、稲わらの糖化工程において同社新技術である「熱水式バイオエタノール製造技術」を採用し、熱水のみで糖化処理を行うことができるため、環境性・経済性に優れています。また、熱水の条件を変更することによって、稲わら以外のソフトセルロースの糖化処理も可能とのことです。
 この実証試験での生産能力は最大 200リットル/日(製造エタノール濃度 99.5vol%)。同社は、すでに稲わらの前処理、糖化、発酵、蒸留および無水化まで一貫した実証プラントを連続稼動させ、JISに適合したバイオエタノールを安定して製造し、利用可能であることを確認しており、商業規模で1リットルあたり40円の製造コストを実現するバイオエタノールの製造技術を確立しています。さらに、今回の実証試験により、食料の確保と競合しない、稲わらなどの非食用バイオマスからバイオエタノールを製造する技術の確立にむけて、さらなる実用化を急ぐ予定です。
 なお、今回の取り組みは農林水産省の「ソフトセルロース利活用プロジェクト」によるものです。

プレスリリース / 川崎重工、2013年05月30日
非食用バイオマスの稲わらから低コストなバイオエタノール製造技術を確立

C31305301
-----image : 同リリースより

" 川崎重工は、農林水産省の「ソフトセルロース利活用プロジェクト」において取り組んできた、稲わらを原料とするバイオエタノール製造実証試験を完了し、非食用バイオマスである稲わらから低コストなバイオエタノールを製造する技術を確立しました。
本プロジェクトは、農林水産省の公募事業で、非食用の未利用資源である稲わら等のソフトセルロースからバイオ燃料を製造する技術の確立を目的としたものです。当社は、2008年度から2012年度の5年間にわたり、秋田県の全面的な支援のもとで、(社)秋田県農業公社とともに本プロジェクトに取り組んできました。
今回の実証試験では、稲わらの糖化工程において当社新技術である「熱水式バイオエタノール製造技術」を採用しています。従来の技術では、糖化工程に硫酸や酵素を使用する必要があり高コストとなる問題がありましたが、当社の技術は熱水のみで糖化処理を行うことができるため、環境性・経済性に優れています。また、熱水の条件を変更することによって、稲わら以外のソフトセルロースの糖化処理も可能です。
当社は、2009年11月、秋田県潟上市に日産200リットルの生産能力を持つ製造実証プラントを設計・建設し、2010年10月には秋田県の大潟村ソーラースポーツラインで、本プラントで製造したバイオエタノールを使用した自動車の走行実証試験に成功しました。その後も、稲わらの前処理、糖化、発酵、蒸留および無水化まで一貫した実証プラントを連続稼動させ、JIS(※)に適合したバイオエタノールを安定して製造可能であることを確認し、商業規模で1リットルあたり40円の製造コストを実現するバイオエタノールの製造技術を確立しました。
化石燃料を代替するクリーンエネルギーとして注目されるバイオエタノールは、穀物やでんぷんなど食用バイオマスから製造する技術が先行して普及していますが、世界的な食糧不足が懸念される現在、稲わらなどの非食用バイオマスからバイオエタノールを製造する技術の確立が喫緊の課題となっています。
当社は、今後もバイオマスや風力、太陽光などの再生可能エネルギーの有効利用を促進する最新技術の開発や拡販を通じて、温室効果ガス排出量削減や資源の有効利用による循環型社会構築に貢献していきます。

※JIS : 自動車ガソリン用として使用される燃料用エタノールについて、品質項目と試験方法を規定したもの。

□ 「ソフトセルロース利活用プロジェクト」プロジェクト体制

川崎重工業株式会社 : エタノール製造、エタノール車(100%)走行実証を担当
秋田県農業公社 : 稲わら収集運搬実証を担当

□ バイオエタノール製造実証設備の概要
(1) 設置場所 : 秋田県潟上市昭和工業団地内
(2) 生産能力(最大) : 200リットル/日
(3) 敷地面積 : 4,800m2 (80m × 60m)
(4) 製造エタノール濃度 : 99.5vol%
.......... "

関連
農林漁業バイオ燃料法に基づく生産製造連携事業計画の認定について(第6回認定)-----農林水産省、平成22年4月15日

"
..........
2.今回認定された生産製造連携事業計画

事業計画名:秋田県ソフトセルロース利活用プロジェクト(秋田県)
事業概要:稲わらを供給する社団法人秋田県農業公社とバイオ燃料製造業者であるカワサキプラントシステムズ株式会社が連携してソフトセルロース系原料を活用したバイオエタノールを製造。
(別紙参照)
..........
秋田県ソフトセルロース利活用プロジェクト
○実施期間:平成22年4月15日~平成25年3月31日
.........."

川崎重工、稲わらから熱水式バイオエタノール製造技術によりバイオエタノールを製造。秋田県潟上市-----ソフトエネルギー、2010/10/21


参考エントリー
稲わらから燃料! - セルロース系のバイオエタノールがまもなく実用化 ------しなやかな技術研究会β、2006-09-15

RITEとHonda、セルロース系バイオマスからのエタノール製造新技術を共同開発 / プレスリリース HONDA-----ソフトエネルギー、2006/09/19

[ カテゴリー : バイオ燃料 ]





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投稿: Maria | 2021/07/14 10:36

技術の進歩は頼もしいですね。

投稿: 吉野@コーチングスキル | 2013/05/31 08:54

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