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人に愛される風力発電は、この日本で可能か? 環境アセス改訂に際して

 政府は経済産業省と環境省の共同案件として、昨年から検討してきた発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議の議論を経て、風力発電所建設に伴う、環境影響評価を短縮する方針を固めたということです。

風力発電所:環境影響評価を短縮へ 政府方針-----毎日新聞、2013年05月15日

"政府は風力発電所建設に必要な環境影響評価(アセスメント)の実施期間を年内にも現行の3〜4年から半分程度に短縮する方針を固めた。太陽光発電に比べてコストがかからない風力発電を促進し、再生可能エネルギーの普及につなげる。今月下旬にもとりまとめる規制改革会議の答申に盛り込む。
........ "

 経済産業省・環境省の異なる立場から関係する両省が設置した「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議」では、平成24年10月15日の第4回と平成24年10月22日の第5回に風力・地熱発電所に関する関係事業者からのヒアリングが実施されました。自然環境と周辺住民に関する内容について、より具体的な情報の整理が事前に必要だと思います。整理した形での提示と理解の浸透への努力に期待します。

 もちろん、その上での国民の意見の反映にも期待しています。

 風力も地熱も不必要な規制は整理、撤廃すべきでしょう。しかし、国民に愛される発電所という文脈では、ことなる内容への配慮が必要です。特に現状の風力発電所では、住民の反対運動や、環境団体からの環境破壊の指摘もあります。それらを広く吟味し、人に愛される風力発電所の建設が必要だと思います。それには、環境アセスだけでなく、風力発電建設のありかたそのものの改革も必要でしょう。日本が風力(地熱も)発電の分野で大きな進化をとげるには、細かな点でのフォローが必要です。
 今回のタイトルは、かつてのホームタウンだった南伊豆で計画され、実際に建設された風力発電をめぐって、環境問題に関心が高い知り合いを含む住民の多くが、それに反対していることを考えてつけました。
 再生可能エネルギーの普及には、人に愛される、支持される発電所を建設していくことが是非とも必要です。

 ただ、狭い国土です。利害の対立やさまざまな軋轢は生じます。それを、自前のエネルギー源の確保としての再生可能エネルギーの利用拡大という文脈を通しながら、いかに最小にしていくかの努力が必要なのではないでしょうか。


関連
・経済産業省 : 発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議
/ 平成24年11月27日 発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等を検討するための連絡会議」における中間報告を公表します

"本件の概要
 経済産業省及び環境省は、火力発電所リプレース及び風力・地熱発電所における環境アセスメントの迅速化・簡素化等を検討するため、「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議」を開催してきました。
 これまで8回開催し、関係事業者や関係自治体などからのヒアリングや両省での意見交換を行ってきたところ、今般、以下のとおり検討事項のうちの一部について両省で取りまとめましたので、本日公表します。
..........
発表資料名
「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等を検討するための連絡会議」における中間報告を公表します(PDF形式:174KB)
<添付資料>発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化当に関する連絡会議 中間報告(PDF形式:342KB)
.......... "

/ 2012年12月24日 発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議(第4回)‐配付資料
"資料1 電源開発株式会社からの提出資料(PDF形式:518KB)
資料2 九州電力株式会社からの提出資料(PDF形式:235KB)
資料3 出光興産株式会社からの提出資料(PDF形式:1,514KB)
資料4 一般社団法人日本風力発電協会からの提出資料(PDF形式:347KB)
資料5 日本風力開発株式会社からの提出資料(PDF形式:2,297KB)
.......... "

発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議 中間報告より 平成 24 年 11 月 27 日 より 風力・地熱関連情報-----自然エネルギー、2013/05/18

参考エントリー
環境省、平成24年度風力発電等アセス先行実施モデル事業と風力発電等環境アセスメント基礎情報整備モデル事業案件を発表-----ソフトエネルギー、2012/04/16


コメント続き
 平成24年10月1日より施行されている現状の環境アセスメント情報に関する情報をいくつか挙げておきます。

参考
・経済産業省 : 産業保安規制の業務内容 - 発電所環境アセスメント情報

・環境省 : 風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会(平成22年10月29日~平成23年6月17日)
  - 平成23年6月21日 「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」報告書の取りまとめ及び報告書(案)対する意見募集(パブリックコメント)の結果について

" .......... 2.報告書の内容
報告書の構成は以下のとおりです。
1.はじめに
2.風力発電を取り巻く状況
2-1.我が国の自然環境の状況
2-2.地球温暖化対策・エネルギー政策との関係
2-3.風力発電の導入状況
3.風力発電事業による環境影響の状況
4.風力発電事業についての環境影響評価の実施状況等
5.風力発電事業に関する規模要件等について
5-1.規模要件の指標について
5-2.規模要件の水準について
5-3.規模要件等に関する他の事項について
5-4.軽微な修正・変更等について
6.環境影響評価の対象範囲及び項目の選定等の基本的考え方について
6-1.環境影響評価の対象範囲
6-2.評価項目の選定
7.調査、予測及び評価手法等の基本的考え方について
7-1.騒音・低周波音
7-2.動物、植物及び生態系
7-3.景観
7-4.シャドーフリッカー
8.今後の課題
8-1.工事時期が重ならない隣接する風力発電事業について
8-2.風力発電設備の撤去について
8-3.洋上風力発電の取扱いについて
8-4.送電線の取扱いについて
8-5.環境影響評価に関する情報の収集と活用等について
8-6.環境保全措置に関する技術開発について
9.おわりに
.......... "

 また、構造的(建築基準的な内容)については、風力発電設備構造強度WG(産業構造審議会保安分科会電力安全小委員会風力発電設備構造強度ワーキンググループ)が開催され、制度の簡略化、整理が検討されています。

参考
・経済産業省 : 産業構造審議会 保安分科会 電力安全小委員会 風力発電設備構造強度ワーキンググループ 風力発電設備構造強度ワーキンググループ
/ 平成25年年3月28日 産業構造審議会 保安分科会 電力安全小委員会 風力発電設備構造強度ワーキンググループ‐報告書

"産業構造審議会保安分科会電力安全小委員会風力発電設備構造強度ワーキンググループでは、「エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針」(平成24年4月3日閣議決定)において、風力発電設備に関する審査を電気事業法に一本化することについて検討し、平成24年度中に結論を得ることとされていることから、風力発電設備の安全性に関する審査等の一本化について検討・審議を行ってまいりました。
その検討結果として、報告書を取りまとめましたので公表いたします。

報告書(PDF形式:633KB)
報告書概要版 (PDF形式:625KB)
.......... "





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