日本製紙、既存石炭火力ボイラーへのバイオマス混焼を従来の約10倍にできる、バイオマス固形燃料を開発
日本製紙は、既存石炭火力ボイラーへのバイオマス混焼を従来の約10倍にできる、バイオマス固形燃料を開発しました。
この新規に開発されたバイオマス固形燃料は、トレファクション技術を用いて作られています。トレファクション技術とは半炭化と呼ばれる、比較的低温で木質バイオマスを炭化させ、通常の炭化より熱量を大幅に残すことができるコーヒーの焙煎に類似する技術だということです。トレファクション技術を用いて作られたバイオマス燃料は、石炭火力微粉炭ボイラーに用いることができ、混焼率を従来よりも大幅に増やすことができるということです。
具体的には、日本製紙の八代工場(熊本県八代市)の微粉炭ボイラーで混焼試験が実施され、同ボイラー最大負荷で25%(重量比)の新規バイオマス固形燃料を混合し、石炭微粉砕設備(ミル)の操業性、ボイラーの燃焼性に問題がないことが確認されたといことです。
なお、この実証実験は、NEDOの戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業において、平成23年度の石炭火力微粉炭ボイラーに混焼可能な新規バイオマス固形燃料の開発に採択され実施されています。
プレスリリース / 日本製紙、 2013年4月3日
・既存石炭火力ボイラーへのバイオマス混焼を従来の約10倍に CO2発生量の低減に有効な新規バイオマス固形燃料を開発
" 平成23年度採択NEDO事業で微粉炭ボイラーでの25%混焼を確認日本製紙株式会社(略)は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)の平成23年度採択「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業(実用化開発)」として、トレファクション技術(注1)を用いた新規バイオマス固形燃料を開発しました。当社八代工場(熊本県八代市)の微粉炭ボイラー(注2)で混焼試験を実施し、その結果、同ボイラー最大負荷で25%(重量比)の新規バイオマス固形燃料を混合し、石炭微粉砕設備(ミル)の操業性、ボイラーの燃焼性に問題がないことを確認しています。
日本国内では、東日本大震災の影響により石炭火力発電への依存率が高まっており、それに伴い増加している温室効果ガス(CO2)発生量の削減が課題となっています。近年の石炭火力ボイラーは燃焼効率を高めた微粉炭ボイラーが主流であり、当社を含め各社はCO2発生量低減のため、木質チップや木質ペレット等の木質バイオマス燃料の混焼を進めています。しかし、これらの燃料は効率的に粉砕できないことや、屋外保管時の耐水性などが課題となり、微粉炭ボイラーでの混焼率は2~3%程度にとどまっていました。
今回、当社がNEDO事業として開発した新規バイオマス固形燃料は、木質バイオマスを半炭化(トレファクション)する技術により、通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残すことができ、加えて粉砕性、耐水性が向上し、微粉炭ボイラーでのバイオマス混焼率を大幅に向上できる可能性があります。今後も「木」の総合利用を進める総合バイオマス企業として、新規バイオマス固形燃料の製造プロセスの改良と実証を進め、さらに高効率な次世代バイオマス燃料へと開発を続けてまいります。(注1)トレファクションとは
半炭化と呼ばれ、コーヒーの焙煎に類似する技術。比較的低温で木質バイオマスを炭化させることで、通常の炭化より熱量を大幅に残すことができる。さらに、ペレット化することで木質チップ燃料に比べて容積が減少し、輸送効率等が向上する。
ただし、トレファクションによる燃料製造においては、処理温度の管理を厳格に行う必要があるなど、実用化の技術確立が課題とされてきた。
(注2)微粉炭ボイラー
近年の石炭火力ボイラーは燃焼効率を高めるため石炭を粉状にしてボイラー内に噴出させ、燃焼させる微粉炭ボイラーが主流である。木質バイオマス燃料を混焼するためには石炭同様粉状にする必要がある。
.......... "
関連
・NEDO : 戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業
"【平成23年度採択分】石炭火力微粉炭ボイラーに混焼可能な新規バイオマス固形燃料の開発 日本製紙(株) "
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