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政府は、洋上風力発電や海洋エネルギーの産業振興計画を含む新たな海洋基本計画を閣議決定しました

 政府は26日に今後5年間の海洋政策の新たな指針となる海洋基本計画を閣議決定しました。今回の海洋基本計画には、領海における権益の確保に向けての考え方やメタンハイドレートや鉱物資源などの調査や研究の方向付けが明記されました。
 そして、再生可能エネルギーの分野においては、洋上風力発電や海洋エネルギーの開発地は開発拠点の確保が具体的に方向付けをされました。文言的には、「新たな海洋産業の創出として、海洋再生可能エネルギー開発の産業化として、洋上風力発電の早期の実用化・導入拡大や海洋エネルギー発電の要素技術の確立・実証を通じた実用化を推進」と書かれています。

 具体的に計画名が挙がったのは、

「 • 銚子沖及び北九州沖で着床式洋上風力発電システムの実証研究を実施
• 長崎県沖で浮体式洋上風力発電システムの実証研究を実施
• 福島県沖で浮体式洋上ウインドファームの実証研究を実施
• 浮体式洋上風力発電施設について、平成25年までに安全ガイドラインを策定するとともに国際標準化策定を主導」

海洋エネルギー(波力、潮流、海流、海洋温度差等)
• 40円/kWhの達成を目標とする実機を開発、更なる発電コストの低減を目指すための要素技術を開発
• 浮体式及び海中浮遊施設の安全性を担保する技術的検討
• 港湾の本来の目的や機能と共生し得る円滑な導入や高度な利用の方策を検討 」
 

海洋基本計画について

" 海洋基本計画(平成25年4月26日閣議決定)
(参考)
○海洋基本計画の概要
○海洋基本計画(平成20年3月18日閣議決定)
○用語集
○海洋基本計画における主な海洋施策
○海洋基本計画(原案)パブリックコメントの結果について
○海洋基本計画のご紹介
(※両面印刷で半分に折るとリーフレットとして使用できます)
○海洋基本計画(英語)
○海洋基本計画(日英併記)
○子ども海洋基本計画
.......... "

Japanocean1s
-----image(”上-海洋基本計画について、下-海洋基本計画における主要な取組”) : 政府発表「(参考)海洋基本計画の概要」より-----
Japanocean2

関連
首相官邸 : 総合海洋政策本部 / 開催状況(総合海洋政策本部会合、参与会議、審議チーム会合)


参考エントリー
鳩山首相を本部長とする、総合海洋政策本部、2020年までに洋上ウィンドファームを大規模に展開する”素案”を発表-----ソフトエネルギー、2010/05/10

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ホンダ Honda、ブラジルで3MW9基の風力発電で、4輪工場で必要なすべての電力を発電する計画を推進

 ホンダ Hondaのブラジルにおける四輪車の生産販売子会社であるホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダは、ブラジル南部の最南端に位置する州である、ブラジル リオグランデ・ド・スル州のシャングリラ市に、3MW機9基からなる風力発電所を建設することを発表しました。”ブラジル ホンダ”は、総投資金額が約1億レアル(約46億円)に達する再生可能エネルギー事業に参入するにあたり、ホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダを新規に設立しました。

 この3MW機9基からなる合計定格出力27MWになる風力発電事業により、そこから1000km離れたサンパウロ州スマレ市にあるHAB四輪車工場か消費する電力に相当する電力が得られることが期待されています。HABの四輪車生産活動に必要な年間電力量に相当する電力は、約8万5,000メガワットアワーとなるとのことです。工場で必要なすべての電力に相当する発電量を再生可能エネルギーから得る試みは、ホンダとしては初めてで、自動車産業全体でもまだ珍しい試みです。

 風力発電所は、2014年の9月からの稼動予定です。ホンダが独自の風力発電機をもっていれば、本当にすごい話なんですが、、、。残念ながらありません。どこのメーカーの風車を使うのでしょうか? 興味あります。


プレスリリース / Honda,2013年04月25日
ブラジル自動車業界で初めて風力発電に着手 ~四輪車生産に必要な年間電力量を再生可能エネルギーで創出~-----April 25, 2013 Honda to Become First Automaker in Brazil to Undertake Wind Power Generation -Generating Renewable Energy to Cover Entire Electricity Needs for Local Automobile Production-

"Hondaのブラジルにおける四輪車の生産販売子会社であるホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ(本社:サンパウロ州スマレ市 社長:略)は、現地時間2013年4月24日に以下を発表しましたので、その内容をご案内いたします。

<ご参考>
ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ(以下、HAB)は、自らの企業活動で発生する環境負荷の最小化を目指し、ブラジル自動車業界で初めて、風力発電に投資することを発表しました。これにより、ブラジルにおける再生可能エネルギーの使用を積極的に進めていきます。

Hondaがブラジルで進める風力発電拠点は、ブラジル南部のリオ・グランジ・ド・スル州シャングリラ市(サンパウロ州スマレ市にあるHAB四輪車工場から南方へ約1,000km)に位置し、2014年9月の稼働開始を予定しています。風力タービン9機が設置されるこの拠点での年間発電量はHABの四輪車生産活動に必要な年間電力量に相当する約8万5,000メガワットアワーとなる見込みです。工場で必要なすべての電力量を再生可能エネルギーで創出することによるCO2低減効果は年間約2,200トン以上に上る見込みです。なお、この風力発電事業への総投資金額は約1億レアル(約46億円※)を予定しています。

この風力発電事業の展開にあたり、Hondaは風力発電事業に特化したホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダを新規に設立しました。ホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダはHondaのブラジルにおける風力発電事業に関わる全領域の管理と運営をしていきます。

【ホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダ(Honda Energy do Brasil Ltda.) 概要】
会社名:Honda Energy do Brasil Ltda.
資本金:1,000レアル(約4万6,000円※)
出資比率:Honda Automoveis do Brasil Ltda. 99.99%、その他 0.01%
登記日:2013年3月21日
社長:カルロス・エイジ
設置タービン数:9機(1機の最大出力 3メガワット/時間)
発電容量:最大出力 27メガワット/時間(9機合計)

新会社ホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダ 社長 カルロス・エイジのコメント
.......... "

関連
Honda Automoveis do Brasil Ltda.
Honda_br_site
-----image : 上記サイト

追加情報
ブラジル自動車業界で初の風力発電拠点を着工 ~四輪車生産に必要な年間電力量を再生可能エネルギーで創出~-----Honda,2013年10月30日

環境経営における世界6地域の自立化を強化-----Honda,2013年06月18日

".....北米.....
・Honda Solar City Partnership開始(2013年2月)
HondaやAcuraのお客様、ディーラーが太陽光発電への切り替えを進めやすくなるように支援を開始。
..........
・米国トランスミッション工場への風力発電設置
オハイオ州のトランスミッション工場に設置し、2013年末までの稼働を目指す。工場で使用するエネルギーの10%をまかなう予定。
・Honda Smart Home US
家とクルマを合わせてZero Net Energyを達成するデモハウスをカリフォルニア大学デービス校のキャンパスに2013年度中に建設。
.....南米.....
・風力発電プロジェクト発表(2014年稼働開始予定)
ブラジル自動車業界で初めて、風力発電に投資することを発表。年間発電量は現在のブラジルでのHonda四輪車生産活動に必要な年間電力量に相当する約8万5,000メガワットアワーとなる見込み。
.....欧州.....
・北欧諸国における燃料電池電気自動車実証実験の普及について合意(2012年9月)
2014年~2017年に燃料電池電気自動車および水素供給インフラの普及を支援する北欧諸国グループとの間で覚書を締結。
.....中国.....
・東風ホンダ第二工場稼働開始(2012年7月)
塗装工程のショートプロセス化や廃熱再利用により、全体でCO2排出を既存工場比20%低減。
.....日本.....
・Hondaスマートホームシステムを導入したさいたま市の実証実験ハウスを初公開(2012年4月)
..........
・エネルギー多様化製品の拡大
災害時の非常用にも使用できる発電機の需要が高まる中、2012年8月よりプロパンガス仕様発電機「EU9iGP」を発売。
..........
・寄居工場(2013年7月稼働開始予定)
2.6メガワットの太陽光パネルやショートプロセス高機能塗装技術を採用。
・販売店へのソーラーパネル設置拡大
2013年度中に合計1メガワットを設置する予定だったが、1.3メガワットをすでに設置完了。
.......... "

参考
・Wikipedia : Rio Grande do Sul


コメント続き
 将来的にホンダが積極的に研究開発している燃料電池車が一般的になることがあれば、再生可能エネルギーと車という関係に革命的な意味が付与されます。太陽電池や風力発電で発電した電力で、水素を製造し、燃料電池車で利用する。技術的な課題やコストが克服されれば、エネルギー的な独立という大きなビジョンがそこにあります。

参考
Honda : Advantages of hydrogen
Honda_fuelcell_car
-----image : 上記サイトより

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”だれがクリーンエネルギーのトップランナーなのか?” 2012年版公開 - Pew Charitable Trusts

アメリカ合衆国フィラデルフィアに拠点を置く、独立した非営利、非政府組織(NGO)のThe Pew Charitable Trustsが2013年4月17日に公開した、「2012年版 だれがクリーンエネルギーのトップランナーなのか? - Who's Winning the Clean Energy Race? 2012 Edition 」は、2009年の初版以来今回の2012版で4回目となる、クリーンエネルギーの市場や各国の展開に関するリポートです。
 今回の「2012年版 だれがクリーンエネルギーのトップランナーなのか? 」によると、世界のクリーンエネルギー部門は、間違いなく発展しているものの、世界経済の影響などで停滞を経験しているとのことです。

 先日公開された、 IEAの最新リポート「Tracking Clean Energy Progress 2013」と、ほぼ同じ傾向を示すリポートとなっています。

世界は再生可能エネルギーへの取り組みを先延ばし - IEAの最新リポート-----ソフトエネルギー、2013/04/18


 Pew Charitable Trustsのこのリポートのデーターは、当ブログでも引用が増えているブルームバーグ NEFが収集したものが利用されているとのことです。

 具体的には、

「 新市場が誕生して再生可能エネルギー容量が成長した結果、地理的、技術的な変化が進んでいる。同部門は2012年に弾力性を示し、発電容量で記録的な88ギガワット(GW)が追加登録されたが、投資水準は2690億ドルで2011年から11%減少した。G20諸国の中で5位にある日本は、2011年に福島第一原子力発電所の被災後の原子力エネルギーに代わるエネルギーを開発する国家的努力が弾みを付けたことから再び台頭している。日本のクリーンエネルギーへの投資は、ほぼすべて太陽光発電部門で73%増の163億ドルとなり、発電容量にして2GW余りを付加した。

 日本は太陽光発電投資で4番目に高い水準(157億ドル)を実現し、1年および5年の投資の伸び、つまり投資密度と新しいクリーン発電容量でトップ10入りした。風力発電部門では、5億ドルが投資された。

 G20諸国の中では、中国が米国から首位を奪い返し、2011年より20%増の651億ドルを投資し、G20の総投資額の30%を占めた。中国は風力、太陽光、その他再生可能エネルギーへの投資誘致のリーダーとしての地位を確立し、ほかのどの国よりも多い総容量152GWとなった。

 米国はこの部門の投資額で2位に落ち、37%減の356億ドルとなった。ドイツはインセンティブを抑えたことで、投資額が27%減の228億ドルとなった。それでも太陽光発電容量で7.5GWが付加され、これはG20では最も大きな容量となった。

 南アフリカはG20では最速成長中の市場となり、投資額は2011年の3000万ドル以下から2012年には43億ドルに伸びた。南アフリカの太陽光部門は2012年に43億ドルの投資を誘致し、これは全体投資額の80%を占める。残る11億ドルは風力発電部門に向けられた。急速な投資の伸びによって南アフリカは、イタリア、英国、インドに次いでクリーンエネルギー投資先として9位に立場を占めた。」

 これまでの2009年から20012年までの過去の版と読み比べると興味深い結果がでてきそうです。ちょっと時間をかけて読んでみたいと思います。


プレスリリース / Pew Charitable Trusts,2013.4.17(共同通信PRワイヤー版)
再生可能エネルギーの発電容量増、投資減 NGOのPewリポート

Pewreportwho
-----image : 「Who's Winning the Clean Energy Race? 2012 Edition」カバー

"非営利NGO組織The Pew Charitable Trustsが17日公表した調査研究によると、世界のクリーンエネルギー部門は、新市場が誕生して再生可能エネルギー容量が成長した結果、地理的、技術的な変化が進んでいる。同部門は2012年に弾力性を示し、発電容量で記録的な88ギガワット(GW)が追加登録されたが、投資水準は2690億ドルで2011年から11%減少した。G20諸国の中で5位にある日本は、2011年に福島第一原子力発電所の被災後の原子力エネルギーに代わるエネルギーを開発する国家的努力が弾みを付けたことから再び台頭している。日本のクリーンエネルギーへの投資は、ほぼすべて太陽光発電部門で73%増の163億ドルとなり、発電容量にして2GW余りを付加した。

2011年水準と比較してクリーンエネルギー投資が11%減となったことは、とりわけスペイン、イタリア、ドイツなど多くの国でインセンティブプログラムが抑えられたことも一部起因している。他の国では中国、南アフリカなど多くに国で、クリーンエネルギーに対する支援継続が記録的な投資水準につながった。再生可能エネルギーの施設設置は、11%余り増の88GW伸び、それによって風力、太陽光、その他技術の価格削減に反映した。

Pewのクリーンエネルギー・プログラム担当ディレクターのフィリス・カッティノ氏は「クリーンエネルギーの動向は、世界経済の中でこの台頭部門の現行の弾力性を示している。日本の再台頭はまたクリーンエネルギー技術に対する民間投資先として、世界的な投資水準の強化に貢献した。昨年から日本で際立って伸びたことで、われわれは日本の国民が原子力発電に代わるものとして特に太陽光発電でなど、クリーンエネルギーを推進したいと望むことで投資の伸びが続くことを期待している。日本はまた、電気自動車技術のリーダーになる努力を続けており、そのことでクリーンエネルギーの今後の投資にとって良い前兆となる」と語った。

▽クリーンエネルギー開発レース
日本は太陽光発電投資で4番目に高い水準(157億ドル)を実現し、1年および5年の投資の伸び、つまり投資密度と新しいクリーン発電容量でトップ10入りした。風力発電部門では、5億ドルが投資された。

G20諸国の中では、中国が米国から首位を奪い返し、2011年より20%増の651億ドルを投資し、G20の総投資額の30%を占めた。中国は風力、太陽光、その他再生可能エネルギーへの投資誘致のリーダーとしての地位を確立し、ほかのどの国よりも多い総容量152GWとなった。

米国はこの部門の投資額で2位に落ち、37%減の356億ドルとなった。ドイツはインセンティブを抑えたことで、投資額が27%減の228億ドルとなった。それでも太陽光発電容量で7.5GWが付加され、これはG20では最も大きな容量となった。

南アフリカはG20では最速成長中の市場となり、投資額は2011年の3000万ドル以下から2012年には43億ドルに伸びた。南アフリカの太陽光部門は2012年に43億ドルの投資を誘致し、これは全体投資額の80%を占める。残る11億ドルは風力発電部門に向けられた。急速な投資の伸びによって南アフリカは、イタリア、英国、インドに次いでクリーンエネルギー投資先として9位に立場を占めた。

▽市場およびテクノロジーの変化
新興市場に向かう動向を反映して、クリーンエネルギー投資は西欧から東洋に移り始めている。アジアおよびオセアニア地域は9年連続成長を続け、2012年にはクリーンエネルギーの有力な地域投資先となり、16%増の1010億ドル、世界的投資額の42%を占めた。対照的に、欧州と米国では政策の不確実さから、投資は欧州、中東、アフリカで22%減、米州では31%減となった。

クリーンエネルギー投資はまた、テクノロジー面での変化が進んでいる。2年連続して、太陽光技術は大きな利ざやからほかのどんな技術より大きな投資を呼び込み、2012年にはこの部門で1260億ドルが投資されたが、これはG20全体で58%を占め、中国、欧州、米国が太陽光発電投資向けのトップ市場だった。

風力発電は過去10年のほとんどすべての期間クリーンエネルギー投資の大半を占めてきたが、G20全体では投資額が14%減少となったものの、なお727億ドルを誘致した。G20の中では、風力発電投資額は14%減となり、中国、ドイツ、インド、ブラジルなど歴史的に大きな市場で減少が目立った。しかし、英国、米国では風力エネルギー投資が勢いを見せ、米国では風力発電容量にして記録的な13.6GWという大きな増加を見せた。これは関連する生産税控除に期限切れが不明瞭になったことで拍車がかかった。米議会は年度末の時点で、米国における風力発電産業に対してこの重要な税法上の優遇策を2013年まで延長するよう更新した。

風力、太陽光発電の価格減少が続いたことは、世界で設置されているクリーンエネルギー容量を648GWまで高めることを促した。記録的な風力発電容量48.6GW、太陽光発電容量31GWが2012年に展開された。設置済み104GWの太陽光発電容量は、2009年の水準の4倍となる。米国では、再生可能エネルギー源は、2102年に新たな発電容量の49%を占め、一方欧州ではその70%が再生可能エネルギーである。
.......... "

関連
Who's Winning the Clean Energy Race? 2012 Edition-----Pew Charitable Trusts,Apr 16, 2013

"Resources

Overview (PDF)
Report (PDF)
Country Profiles (PDF)
China Country Profile: Chinese Version (PDF)
News Release
Video

Pewreportmap
-----image : Interactive map
.......... "


Who's Winning the Clean Energy Race? 2012 Edition
"Review our previous research on private clean energy investment:

2011 edition
2010 edition
2009 edition " )

WHO’S WINNING THE CLEAN ENERGY RACE? 2012 EDITION-----Bloomberg New Energy Finance,18 April 2013

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静岡県、御前崎港で洋上風力や海洋エネルギーを利用する再生可能エネルギー活用民間プロジェクトの提案を募集

 静岡県は、御前崎港の第一線防波堤の外洋において、民間と港湾管理者との連携による「再生可能エネルギー活用民間プロジェクト」に関する企画提案を、民間企業や研究機関による多様な発想から生み出されるプロジェクトを期待し、平成25年4月23日から5月31日までの期間に提案を募集すると発表しました。
 具体的には、御前崎港の第一線防波堤の外洋に、洋上風力発電や波力発電等を導入する「再生可能エネルギーゾーン」を設定し、その活用提案を募集するものです。
 御前崎港には、既に陸域に3基の風力発電施設が設置されており、風況は良好とのことです。波力発電については、今回の発表では条件などは特に記載されていません。


プレスリリース / 静岡県、平成25年4月22日
重要港湾「御前崎港」再生可能エネルギー活用民間プロジェクト提案募集について

Omaezaki1
-----image(”上-【参考図1】御前崎港 長期空間利用のイメージ(ゾーニングプラン)、下-【参考図2】御前崎港 再生可能エネルギーゾーン”) : 同リリース[重要港湾「御前崎港」再生可能エネルギー活用民間プロジェクト募集要綱(ZIP:955KB)]より-----
Omaezaki2

" 1.目的 本企画提案募集要領は、御前崎港の第一線防波堤の外洋に位置付けを検討している「再生可能エネルギー源を利活用する区域」の効果的な活用方策について、民間企業や研究機関による多様な発想から生み出されるプロジェクトを広く募集するものです。

エネルギーの地産地消や、新しい時代にふさわしい日本の玄関『スマート・ポート駿河湾』を将来像とする県の港湾の施策を推進するため、行政には無い視点で民間から提案をいただき、民間と港湾管理者との連携による「再生可能エネルギー活用民間プロジェクト」を港湾管理者である静岡県が成案化、事業化することを目的とするものです。

2.企画提案を求める課題

静岡県は、安全・安心で持続可能なエネルギー体系の構築を目指し、豊かな自然資源を活かしたエネルギーの地産地消を推進しています。

その一環として、港湾における再生可能エネルギーの導入を促進することとし、平成25年3月27日に開催された、第3回「駿河湾港アクションプラン」推進計画検討委員会において、“港湾における再生可能エネルギー利用の促進”を駿河湾港の取組み施策の一つとし、御前崎港の第一線防波堤の外洋に、洋上風力発電や波力発電等を導入する「再生可能エネルギーゾーン」を位置付けました。(募集要綱参考図1,2を参照)

今後、御前崎港に「再生可能エネルギー源を利活用する区域」を位置付ける港湾計画の変更や、事業予定者の公募について検討を進める基礎資料とするためプロジェクトの提案を募集します。

御前崎港「再生可能エネルギーゾーン」の概況

御前崎港には、既に陸域に3基の風力発電施設が設置されており風況は良好です。
駿河湾と遠州灘を分つ岬に位置することから、防波堤の外となる「再生可能エネルギーゾーン」の海象条件は厳しく、発電施設の強度等安全性に留意する必要があります。
海底は、堅固な土炭岩が露呈していることが推察され、再生可能エネルギー施設等の固定方法に留意する必要があります。
当該「再生可能エネルギーゾーン」は、シラス・イワシ船曳網や刺網漁業等の許可漁業が営まれており、風力発電施設の低周波等、再生可能エネルギー施設による水産活動への影響に留意する必要があります。

3.企画提案に記載する内容

(1)再生可能エネルギー施設等の提案の概要
再生可能エネルギー施設の概要(発電方法、定格出力と基数(総出力の規模))
公有水面の占用位置(設定根拠)
再生可能エネルギーゾーンに限定するものではありません。

(2)再生可能エネルギー施設等の設置方法
再生可能エネルギー施設の設置(固定工法(複数可))と公有水面の占用のあり方

(3)再生可能エネルギー施設等による水産活動・環境等への影響
事業化における検討課題があれば、そのことについて記載して下さい。

(4)事業実施期間
公有水面の占有期間、発電実施までのスケジュール。

(5)発電電力の活用方法
電力系統連系等。(特定電気事業を営む企業の場合、記載の必要はありません。)

4.応募者の資格

電気事業者に限らず、様々な分野の民間企業の他、研究機関等を対象とします。

5.「再生可能エネルギーゾーン」の提供資料

「再生可能エネルギーゾーン」の海象条件等については、要請があれば、防波堤の設計波や土質調査等の資料を提供いたします。

6.応募方法等

(1)募集期間平成25年4月23日(火曜日)~平成25年5月31日(金曜日)

(2)応募用紙別紙様式1『重要港湾「御前崎港」再生可能エネルギー活用民間プロジェクト提案書』、適宜添付書類

(3)応募先
.......... "

関連
Omaezaki_map
-----image : Googleマップで、御前崎港 を表示

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オーマット Ormat 、米初となる本格的な新型地熱 EGS 発電所で1.7MWの商用発電を開始

 アメリカ合衆国の地熱などに取り組むオーマット Ormat 社は、ネバダ州のDesert Peak 2 地熱発電所において、高温岩体発電 - 海外では Enhanced geothermal system(EGS : 強化あるいは増強地熱発電システム。または地熱井涵養システム。以下 EGS) - を稼動させることに成功しました。このEGSによる発電分1.7MWを系統に接続し商用利用を実現したということです。既存の蒸気フラッシュ発電(ダブルフラッシュ11MW)は、1985年から運用されていました。
 オーマット Ormat社は、2002年よりアメリカエネルギー省や関連の研究機関などからの支援を得て、この新型地熱 EGS 発電所の商用運転に向けての技術開発を続けてきていました。今回の系統連系は、この新型地熱 EGS 発電所の商用運転という、米初となる快挙を成し遂げたことになります。

 場所は、ネバダ州のその名の通りの砂漠の只中の地熱発電所です。

Ormat_desert_peak_2
-----image : Google マップで、「Desert Peak Geothermal Power Plant」を見る

EGS技術は地下数キロメートルの深さまで掘削した地熱井戸により、高温岩体に水を注入し、高温の水蒸気を発生させ、循環させることでタービンを回転させて発電するものです。

 アメリカのエネルギー省では、全米で新たに100GWの発電を行えるポテンシャルをもっていると予測しています。


プレスリリース / Ormat,April 10, 2013
Success with Enhanced Geothermal Systems Changing the Future of Geothermal Power in the U.S.

"DOE, Ormat and GeothermEx Collaboration Produces Electricity Using In-field EGS

Ormat Technologies, Inc. (NYSE: ORA), the U.S. Department of Energy and GeothermEx successfully produced 1.7 additional megawatts from an Enhanced Geothermal System (EGS) project inside an existing wellfield in the U.S. This is the first EGS project to be connected to the electricity grid. Using innovative subsurface technologies, research and development teams stimulated an existing sub-commercial injection well resulting in a 38 percent increase in power output from brine at Ormat’s Desert Peak 2 geothermal power plant in the Brady complex, Churchill County, Nev.
Support for the project included $5.4 million in direct DOE funding, $2.6 in million investment from Ormat, and more than four years of collaborative work with partners including Lawrence Berkeley National Laboratory, U.S. Geological Survey, Sandia National Laboratory, University of Utah EGI, Temple University and TerraTek.
By expanding existing hydrothermal fractures deep within the Earth’s crust, EGS technology enhances the permeability of underperforming wells, making it possible to extract additional heat from a reservoir’s rocks and inject geothermal fluid at higher flow rates. Ormat’s air-cooled power plants are the technology of choice for EGS developments, as they don’t consume water in the conversion of energy into electricity; all the geothermal fluid is re-injected, to be produced again after heating in the reservoir.
“This research and development project was conducted under a stringent induced seismicity protocol developed by LBNL and the Department of Energy. We achieved an increased injection rate up to 1,600 gallons per minute without consuming or discharging water at the surface and using only existing geothermal brine returned to the original aquifer,” explained Lucien Bronicki, founder and chief technology officer for Ormat. “Our objective in the Desert Peak EGS project was to demonstrate that this technology can have a significant impact on sub-commercial wells. This could enable us to use unproductive wells to generate more power and new revenue.”
“DOE’s Geothermal Technologies Office is changing geothermal development in the U.S.,” Bronicki added.
.......... "

関連
Nevada Deploys First U.S. Commercial, Grid-Connected Enhanced Geothermal System-----Energy.gov(US DOE),April 12, 2013

"As part of the Obama Administration’s all-of-the-above energy strategy, the Energy Department today recognized the nation’s first commercial enhanced geothermal system (EGS) project to supply electricity to the grid. Based in Churchill County, Nevada, Ormat Technologies’ Desert Peak 2 EGS project has increased power output of its nearby operating geothermal field by nearly 38 percent – providing an additional 1.7 megawatts of power to the grid and validating this emerging clean energy technology.
.......... "

- Enhanced Geothermal in Nevada: Extracting Heat From the Earth to Generate Sustainable Power

Egs_image
-----image : EERE : How an Enhanced Geothermal System Worksより動作原理の説明

DOE & National Laboratories Project Targets Commercial Viability for Enhanced Geothermal Systems-----Ormat,February 14, 2008

Geothermal Technologies Office (GTO)[ U.S. Department of Energy Energy Efficiency and Renewable Energy(EERE) ]
/ Enhanced Geothermal Systems
"A Technology Roadmap for Strategic Development of Enhanced Geothermal Systems(PDF,2013)"
- Nevada Deploys First U.S. Commercial, Grid-Connected Enhanced Geothermal System----EERE News,April 12, 2013

GeothermEx

"PROGRESS ON THE DESERT PEAK EAST EGS PROJECT
 EGS Stimulation of Well 27-15, Desert Peak Geothermal Field, Nevada"

Breathing Life Into US Geothermal: First EGS Project Feeding Power to Grid-----Renewable Energy World,2013/04/15

・Wikipedia : Enhanced geothermal system - 高温岩体地熱発電

Cracking Rock to Get More from Geothermal Fields-----MIT Technology Review,April 17, 2013

参考
・sciencedirect.com : Geothermal exploration with Hymap hyperspectral data at Brady–Desert Peak, Nevada(2006.05)
Nevada_ormat_geothrmal_map
-----image : Ormat : Global Project Map(ネバダ州あたり)より


コメント続き

 新しいとなる、このEGS、高い圧力を加えて地下層に水を注入し、地下層の透水性を強化することで、ダブルフラッシュなどの地熱発電よりも低い温度の温熱鉱床を利用することができるという技術です。これにより、より適地の確保が広がる可能性があるとされています。
2008年には、グーグルが投資したことでも注目を集めました。その技術が、商用というテーブルに載ったことになります。


参考エントリー
アメリカ Newberry EGS Demonstration。オレゴン州で、夏にも地下に水を注入してのEGS地熱発電システムのテストを実施-----ソフトエネルギー、2012/01/20

Googleが次世代地熱発電に1000万ドル超を投資-----ソフトエネルギー、2008/08/25

続きを読む "オーマット Ormat 、米初となる本格的な新型地熱 EGS 発電所で1.7MWの商用発電を開始"

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パナソニック、世界の未電化地域へのソーラーランタン10万台寄贈プロジェクトを開始

 太陽電池とバッテリーと小さな照明を組み合わせたソーラーランタン。世界の未電化地域で活躍しています。

 パナソニックは、創業100周年を迎える2018年までに、ソーラーランタンを世界の無電化地域に合計で10万台寄贈する「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を開始しました。パナソニックは、これまで2011年4月にタンザニアへ1,000台、2012年3月にカンボジアへ2,000台、それぞれ国連機関・NGOを通じてソーラーランタンを寄贈してきたとのことです。ソーラーランタンの働きで、未電化地域で利用されている灯油ランプによる健康被害を減らすことができます。火事の危険も減らすことができます。
 ソーラーランタンの明るい光によって、医療、教育、経済などの活動が夜間でも安全に健康被害を招くことなく行えるメリットは、はかりしれません。

 世界には現在もなお、アジアやアフリカなどの開発途上国を中心に、約13.2億人もの人たちが電気のない生活を送っているということです。この数字は、何度聞いても驚いてしまいます。世界には、基本的な生活や学習、医療のために太陽電池の活躍する場所がまだまだあります。

 パナソニックは、この第一弾として、ミャンマーで社会課題の解決に取り組むNPO/NGOに対して3,000台のコンパクトソーラーライトを寄贈するほか、インドのNGOに5,000台、アフリカの難民キャンプに2,000台のコンパクトソーラーライトの寄贈を行う予定です。

プレスリリース / パナソニック、2013年2月22日
太陽光による電気照明を世界の無電化地域に届ける「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を始動 第一弾はミャンマーで実施

ソーラーランタン10万台プロジェクト【Panasonic】

(ChannelPanasonic,2013/02/21)
Solar_lanternpanasonic_youtube-----image : 上記ビデオクリップより

"パナソニック株式会社は、創業100周年を迎える2018年までに、ソーラーランタンを世界の無電化地域に合計で10万台寄贈する「ソーラーランタン10万台プロジェクト」を開始します。本プロジェクトの第一弾として、ミャンマーで社会課題の解決に取り組むNPO/NGOに対して3,000台のコンパクトソーラーライトを寄贈します。本日、その記念式典がヤンゴンのセドナホテルにて実施されました。なおミャンマーに続き2013年3月には、インドのNGOに5,000台、アフリカの難民キャンプに2,000台のコンパクトソーラーライト※1の寄贈を行う予定です。

世界には現在もなお、アジアやアフリカなどの開発途上国を中心に、約13.2億人もの人たちが電気のない生活を送っています※2。無電化地域の家庭の多くでは、照明のために灯油ランプが使われていますが、その煙によって人々は健康被害や火事の危険にさらされています。また、灯油ランプでは明るさが十分でないため、人々が夜間活動する際には大きな制約や危険が伴います。電気照明を利用できないために、医療、教育、経済などさまざまな領域で課題が生じています。

このような無電化地域のさまざまな課題の解決に貢献すべく、当社は本業の技術・製品を積極的に活用した企業市民活動を推進してまいりました。その一つがソーラーランタン寄贈の取り組みです。ソーラーランタンは、昼間太陽の光で発電した電気を電池に蓄え、夜間照明に使う小型の照明器具であり、健康被害や火事の危険性もなく、また使用に伴ってCO2を発生することがありません。
.......... "

関連
Panasonic : ソーラーランタン10万台プロジェクト
Img_03
-----image : 上記サイトより
- 特集:ソーラーランタンプロジェクト~世界の無電化地域へあかりを届ける!~
2012年10月 5日

カンボジアに灯る希望のあかり~ソーラーランタン【Panasonic】

(ChannelPanasonic,2013/04/01)

東北地方太平洋沖地震の被災地・被災者への追加支援等について 「ソーラーランタン」-----パナソニック、2011年3月15日

Panasonic To Donate 100,000 Solar Lanterns To Mark Its 100th Anniversary-----Clean Technica,April 16, 2013

追加情報
パナソニック、無電化地域向けLEDソーラーランタンを開発-----ソフトエネルギー、2013/05/14

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日立造船、サウジアラビアでフレネル式太陽光集光式太陽熱発電用実証プラントの運用開始

 日立造船は、サウジアラビアでフレネル式太陽光集光式太陽熱発電用実証プラントの運用を開始しました。
 日立造船はサウジアラビアにおいて、2012年11月~2013年10月の間、太陽光を集光して得たエネルギーを熱源にして、海水を蒸発させる太陽熱発電・造水の実証試験を行ってきました。その技術を応用し、複数の太陽を追尾する反射鏡を使って太陽光を集熱管に集めて熱し、高温蒸気を作って発電するフレネル式太陽光集光・集熱式太陽熱発電の実証実験を開始したということです。

 同社は、この装置を超低設置フレネル式太陽光集光装置(Hitz Super Low Profile Fresnel CSP、以下HSLPF)と呼んでいます。世界には、鏡面を使ったさまざまな集光・集熱装置があります。 これらは、集光型太陽熱発電 Concentrating Solar Power(CSP) という分類の太陽エネルギーを利用した発電装置です。今回利用された装置は、太陽の位置に応じて適切に集光できるように、鏡面そのものの角度と曲面が制御可能な反射鏡が用いられ、集光倍率を大幅に向上させることに成功したということです。
 この超低設置フレネル式太陽光集光集熱装置の仕様は、集光装置設置エリアの大きさが、東西幅12.7m×南北長さ103m。反射鏡の総面積が662平方メートル(1フレーム W1.2m×L4.0m×H1.2mを6列×23段設置)。集熱管の高さは、3.8mで、集光倍率は、80倍。計画熱回収量、定格出力の見当となる値は、390kWthとなっています。実証実験は、平成25年3月から平成26年3月までの1年が予定されています。
 
 あまり情報がないのですが、同社のサイトにヒントになる情報がありました。

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-----image : 日立造船: 太陽熱発電より

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-----image : 日立造船「第115期経営のあゆみ」より

 日立造船は、今回の実証実験の結果を生かし、今後、太陽熱発電プラントの建設だけでなく、ガスタービンコンバインドサイクルを併用した太陽熱複合発電プラントや太陽熱海水淡水化プラントの建設を目指すとのことです。

 実験場所は、このあたりのようです。
 

プレスリリース / 日立造船、2013年04月17日
サウジアラビアでの太陽熱発電用実証プラントの試験開始

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-----image(”太陽熱発電用実証プラント”) : 同リリースより

"Hitz日立造船株式会社は、Saline Water Conversion Corporation(SWCC:サウジアラビア海水淡水化公団)の協力のもと、当社が開発した超低設置フレネル式太陽光集光装置(Hitz Super Low Profile Fresnel CSP、以下HSLPF)を用いた太陽熱発電用実証プラントの建設を進めていましたが、このほど完成し、実証試験を開始しました。本実証試験では、HSLPFの基本性能、日射変動による運転ノウハウ、設備の耐久性などを確認していき、太陽熱発電プラントの建設に向けて基礎データの収集を行います。
 太陽熱発電は、再生可能エネルギーの一つとして注目されており、太陽光を反射鏡により集熱管に集めて熱源とし、高温蒸気を生成して発電します。太陽熱発電の集光方式には、当社が採用しているフレネル式の他にトラフ式、タワー式等があります。
 なお、当社が世界に先駆けて開発したHSLPFには以下の特長があります。
①従来のフレネル式は平面または固定曲面形状の反射鏡を用いていますが、HSLPFは太陽の位置に応じて適切に集光できるように角度と曲面が制御可能な反射鏡を用いており、フレネル式の課題である集光倍率が50倍以下であるのをトラフ式と同等の70倍以上に向上させました。
  ※集光倍率:受光面に集光された反射鏡面積/集熱管の受光面積
②集熱管を設置するのに必要な高さを大幅に低く抑えたことにより、フレネル式の利点である耐風強度や メンテナンス性をさらに向上させました。
 また、当社は、今後、太陽熱発電プラントの建設だけでなく、ガスタービンコンバインドサイクルを併用した太陽熱複合発電プラントや太陽熱海水淡水化プラントの建設を目指していきます。
 なお、今回完成した実証プラントの概要は以下のとおりです。

1.所 在 地:Al-Jubail 31951, Kingdom of Saudi Arabia
2.実証期間:平成25年3月~平成26年3月
3.主な仕様:超低設置フレネル式太陽光集光集熱装置
・集光装置設置エリア:東西幅12.7m×南北長さ103m
・反射鏡総面積:662m2(1フレーム W1.2m×L4.0m×H1.2mを6列×23段設置)
・集熱管高さ:3.8m
・計画集光倍率:80倍
・計画熱回収量:390kWth

.......... "

関連
日立造船:サウジで太陽熱発電の試験運転-----毎日新聞、2013年04月17日

".....鏡自体の曲面の形状も調整可能なため、集光能力が高いのが特徴。従来型と比べ、集光能力は1.4倍以上になるという。同社は大阪市大正区の築港工場で集光装置の研究を進めていた。....."

追加情報
太陽熱発電プラント用太陽光集光・集熱装置を初受注-----日立造船、2014年10月16日

" Hitz日立造船株式会社は、サウジアラビアにおいてHitz超低設置フレネル式太陽光集光装置(Hitz Super Low Profile Fresnel CSP、以下HSLPF)の実証実験を行っていましたが、このたび、三菱日立パワーシステムズ株式会社(神奈川県横浜市、西澤 隆人社長、以下MHPS)より太陽熱発電プラント用HSLPFを初めて受注しました。

 MHPSは、環境省より「平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」を受託し、同社横浜工場(神奈川県横浜市)内にて低温型フレネル蒸発器と小型タワー過熱器を組合せた集光・集熱システム全体を検証します。当社は同システムの蒸発器部分におけるHSLPFと集熱装置の製造を請負ったものであり、2015年3月に納入します。
 従来のフレネル式は平面または固定曲面形状の反射鏡を用いていますが、HSLPFは太陽の位置に応じて適切に集光できるように角度と曲面が制御可能な反射鏡を用いており、集光倍率を大幅に向上させました。さらに集熱管を設置するのに必要な高さを大幅に低く抑え、フレネル式の利点である耐風強度やメンテナンス性をさらに向上させました。
..........
[超低設置フレネル式太陽光集光装置 HSLPF ] "


参考エントリー
集光型太陽熱発電 Concentrating Solar Power(CSP) / 自然エネルギーの世界-----自然エネルギー、2011/01/29

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世界は再生可能エネルギーへの取り組みを先延ばし - IEAの最新リポート

 インドのデリーで開催されたClean Energy Ministerial Meeting 2013で、開催国としてインドのマンモハン・シン首相は、2017年に同国の再生可能エネルギーへの取り組みを倍にする声明を発表しました。Clean Energy Ministerial Meetingは、4月17-18日にデリーで開催され、日本政府からも代表が参加しています。(誰だろう?調べてもわからなかった、、、。昨年のロンドンでの参加者の写真。 続報菅原経済産業副大臣が出席されたとのことです。)

 今回このイベントで、IEAの「Tracking Clean Energy Progress 2013」が公開されました。今回のリポートでは、世界のクリーンエネルギーへの取り組みは、十分ではなく、各国の取り組みの停滞が指摘されています。ざっと読んだ感じをまとめると、新興国で再生可能エネルギーや省エネへの取り組みが増加したことは評価できる。また、太陽光発電と風力発電の増加、各国の取り組みも評価できるが、全体としては、温暖化効果ガスの具体的な減少という成果にはつながっていないということです。

 今後の技術的な課題としては、旧来の石炭火力への依存の低減と、温暖化効果ガス削減への直接的な取り組みへ期待がつながれています。


プレスリリース / IEA,17 April 2013
Progress towards clean energy has stalled, IEA says

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-----image : 「Tracking Clean Energy Progress 2013」(p152)カバー

"Renewable technologies and greater efforts by emerging economies are among few bright spots cited in report for Clean Energy Ministerial

The rapid expansion of renewable technologies is one of the few bright spots in an otherwise bleak assessment of global progress towards low-carbon energy, the International Energy Agency (IEA) said in an annual report to the Clean Energy Ministerial (CEM) here today.

“The drive to clean up the world’s energy system has stalled,” IEA Executive Director Maria van der Hoeven told the CEM, which brings together ministers representing countries responsible for four-fifths of global greenhouse-gas emissions. “Despite much talk by world leaders, and despite a boom in renewable energy over the last decade, the average unit of energy produced today is basically as dirty as it was 20 years ago.”

To illustrate this inertia, the report, Tracking Clean Energy Progress, introduces the Energy Sector Carbon Intensity Index (ESCII), which shows how much carbon dioxide is emitted, on average, to provide a given unit of energy. The ESCII stood at 2.39 tonnes of CO2 per tonne of oil equivalent (tCO2/toe) in 1990, and had barely moved by 2010, holding at 2.37 tCO2/toe.
.......... "

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-----image : 「Tracking Clean Energy Progress 2013」(p22 Renewable Power)

関連
Clean Energy Ministerial 4 (CEM4) 17–18 April 2013, New Delhi, India - 17 Apr 2013, International Energy Agency Releases 2013 Tracking Clean Energy Progress Report

菅原経済産業副大臣がムンバイを訪問するとともに第4 回クリーンエネルギー大臣会合に出席しました-----経済産業省、平成25年4月19日(追加情報)

PM: India to double renewable energy capacity by 2017-----The Hindu,April 17, 2013

IEA report reveals the world is stalling on clean energy targets-----Renewable Energy Magazine, 17 April 2013

IEA : Tracking Clean Energy Progress (2012)

IEA : Tracking Clean Energy Progress 2013

クリーンエネルギーの開発ペース、温暖化抑制には遅すぎる=IEA-----ロイター、2013年 04月 17日

"IEAによると、2000─2010年の石炭火力発電の増加率は45%だったのに対し、非化石燃料による発電増加率は25%にとどまった。"

世界のクリーンエネルギーへの取り組みは停滞=IEA-----ウォールストリートジャーナル、2013年 4月 17日

"IEAの報告書に先立ち、前日には地球温暖化の対策として世界を代表する計画である欧州連合(EU)のCO2の排出権取引制度(ETS)が暗礁に乗り上げた。欧州議会はカーボン市場を支援する提案を却下した。"


コメント続き
 第四回Clean Energy Ministerial Meetingにおける日本の存在感は予想通りゼロなんだが、、、。それにしても、世界としてみるとエネルギー問題は、結局依然化石燃料であることを痛感する状況ですね。その中で、苦闘しつつも、日本よりも大事に再生可能エネルギーの芽を育てようとしている国々があることも事実です。再生可能エネルギーに一定の割合で支えられる国、再生可能エネルギーによりエネルギー的な自立を実現する”地域”の連帯と拡大という地道な取り組みを日本でも進めなければいけません。2020年(台)に20%再生可能エネルギーを積み上げた努力の上に得るような進み方を大切にしたいものです。


参考エントリー
EU、欧州委員会は、2020年再生可能エネルギー20%目標を検証-----ソフトエネルギー、2013/03/28

クリーンエネルギーの潜在力の大きさは、あなたの予想を超えている - ブルームバーグ NEF-----ソフトエネルギー、2013/04/10

エイモリー・B・ロビンスさんが「新しい火の創造」について語る - 2/26自然エネルギー財団シンポジゥムより-----ソフトエネルギー、2013/02/27

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日本製紙、熊本県八代工場において未利用材100%による5MWバイオマス発電事業を計画

 総合バイオマス企業を目指すことを表明している日本製紙は、熊本県八代市の八代工場に5千kW(発電量 送電端)の木質バイオマス発電設備を新設し、2015年の春から発電事業を開始する計画を発表。バイオマス資源として利用するのは、森林バイオマスで未利用材を100%利用したものだということです。発表によれば、未利用材100%によるバイオマス発電事業は、全国初となる。この発電事業は、固定価格買取制度を利用し、間伐等由来の木質バイオマス枠のチップ100%利用により、32円/kWhによる九州電力への売電となります。

プレスリリース / 日本製紙、2013年4月8日
国内初の「未利用材100%によるバイオマス発電事業」を八代工場(熊本県八代市)で実施

" ~総合バイオマス企業として、九州地区の豊富な国内材資源を最大限活用~

 日本製紙株式会社(略)は、全国で初めてとなる「未利用材100%によるバイオマス発電事業」を実施することを決定しました。八代工場(熊本県八代市)に木質バイオマス発電設備を新設し、2015年の春から新しいエネルギー事業を開始します。

 今回八代工場に新設する木質バイオマス発電設備では、燃料に九州地区の間伐材等の未利用材を100%使用します。当社グループの株式会社南栄(略)、および日本製紙木材株式会社(略)の集荷網を活用し、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」を利用したバイオマス発電を優位に行うことができます。

 また、今回の発電事業は、我が国の森林・林業を早急に再生していくための指針となる「森林・林業再生プラン」で示された、木材自給率50%達成のための国産材利用拡大に大きく貢献することができます。

日本製紙は、今後も持続的に成長していくために、製紙事業以外の事業育成を進めることにより、総合バイオマス企業として事業構造の転換に取り組んでいます。今回の「未利用材100%によるバイオマス発電事業」では、長年培ってきた発電設備の運営技術や社有林経営を始めとする山林事業のノウハウ、安定した品質のチップを生産する技術など、当社の強みを発揮していきます。


八代工場に新設するバイオマス発電設備の概要
(1)所在地      :  熊本県八代市
(2)燃料       :  間伐等由来の木質バイオマス(FIT32円対応)チップ100%
(3)発電出力    :  5千キロワット(発電量 送電端)
(4)発電開始時期 :  2015年3月(予定)
(5)売電先     :  九州電力株式会社
.......... "

関連
溶解パルプ製造時に発生する酸加水分解液の高度利用について ~釧路工場にてバイオガス製造による重油代替を検討~-----日本製紙、2013年3月26日

" 日本製紙株式会社(略)は、昨年10月に釧路工場(北海道釧路市)において溶解パルプの生産体制を確立しましたが、本年3月、その製造工程で発生する酸加水分解液の高度利用検討の一環として、バイオガス製造テストプラント(メタン発酵法を採用)を設置しました。

 メタン発酵では、嫌気菌の働きにより有機分をメタンガスに変換し、得られたメタンガスを重油代替として利用できます。発生するメタンガスは二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルの燃料として定義されるため、重油の代替として使用すれば、二酸化炭素排出量を低減させることができます。当社では、既にクラフトパルプ製造工程から発生する廃液についてメタン発酵処理を行っており、その技術を応用し、実現すれば世界でも初めてとなる溶解パルプ酸加水分解液の利用に向けて検討を行ってまいります。
なお、この酸加水分解液は様々な用途で活用できる可能性があります。まずは、環境対策としてメタン発酵処理による省資源化を推進していきますが、今後は、さらなる高度利用についても検討を進めていきます。
........... "

参考エントリー
日本製紙、既存石炭火力ボイラーへのバイオマス混焼を従来の約10倍にできる、バイオマス固形燃料を開発-----ソフトエネルギー、2013/04/08

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世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイ洋上風力発電所、本格稼動開始!

 世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイが、本格稼動しました。今回完成し、陸への送電を開始した第一フェーズの風力発電機は、シーメンスの3.6MW風力発電機を175基、合計630MWです。
 昨年末に部分的に発電を開始し、現地4月6日に本格稼動となりました。

 今年の2月に公開されたビデオクリップには、175基の設置パターンが映っています。

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-----image : 630MWの世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイ洋上風力発電所、第一期完成-----自然エネルギー、2013/04/16より

 日本でも実証実験が進められ洋上風力発電所が計画される中、3MW機175基のロンドンアレイの姿は、前とはまた違ってみえるような気がします。

 
プレスリリース / DONG Energy, 08.04.2013
London Array fully powered and producing green electricity

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-----image(”A view from the last turbine. Photo: London Array”) : 同リリースより

"Full capacity has now been reached at the 630MW first phase of the world’s largest offshore wind farm, the London Array. The commissioning of the 175th and final turbine happened at 16.09 on Saturday, 6 April.

With all turbines now exporting power to the national grid, London Array is expected to produce enough green electricity to power nearly half a million homes a year.

Turbine installation was completed in December 2012; since then the project has focused on fully commissioning and putting into operation all 175 of the 3.6MW Siemens turbines by this spring.
.......... "

関連
London Array fully powered and producing green electricity-----LONDON ARRAY,Saturday, 6 April

London Array fully powered and producing green electricity-----E.ON UK,08 April 2013

参考エントリー
630MWの世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイ洋上風力発電所、第一期完成-----自然エネルギー、2013/04/16

630MWの世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイ洋上風力発電所 London Array Offshore Wind Farm が発電を開始-----ソフトエネルギー、2012/11/06

1000MW洋上風力発電所の作り方-ロンドンアレイ / YouTubeから-----自然エネルギー、2011/02/09

マスダール Masdar、DONG EnergyおよびE.ON、世界最大の洋上風力発電所 London Array ロンドンアレイは2012年中に完成と発表-----ソフトエネルギー、2011/07/27

イギリスの自然エネルギー-----自然エネルギー、2010/05/12


コメント続き
 洋上風力発電所の建設に積極的に動いてきたイギリスですが、再生可能エネルギーの導入状況は、それほど進んでいません。実際、2010年に3.30%だった再生可能エネルギーの導入割合を、2020年にEU27カ国が進める目標の中で掲げる15%をにすることはなかなか大変です。

EU、欧州委員会は、2020年再生可能エネルギー20%目標を検証-----ソフトエネルギー、2013/03/28

 数字的には、日本と似た状況にある島国イギリスの今後に注目する理由がそこにあります。

welcome to london array offshore windfarm

(参考動画 : handsomemackem,2013/02/13)

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中国電力、広島県で維持流量を利用した140kWポンプ逆転水車、高野発電所を稼動

 中国電力は、広島県庄原市高野町の神野瀬川の高暮ダムの維持流量を利用した140kWの高野発電所を稼動しました。最大使用水量は0.53m3/s、有効落差49.1mで、最大出力 140kW、期待される発電量は約100万kWhで、一般家庭300世帯分の年間使用電力量に相当するとのことです。
 神野瀬川の高暮ダムには、昭和20年に建設された既存の神野瀬(かんのせ)発電所があります。神野瀬発電所は、水路式で出力は20,000kWです。

 既存水力が存在するダムにおいて、まるで落穂ひろいのように設置される放水を利用した小さな発電所の建設のポイントは、いかにコストを下げるかです。今回の140kWの高野発電所では、建設コストの低減を図るため、汎用品のポンプの水車を逆方向に回転させることで発電を行う「ポンプ逆転水車」を中国電力では初めて採用したとのことです。

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-----image : Googleマップで、中国電力 高野(たかの)発電所 を表示


プレスリリース / 中国電力、平成25年4月10日
高野たかの発電所の営業運転開始について

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-----image : 同リリースより

"..........平成24年4月から広島県庄原市高野町において,高野発電所の建設工事を進めてまいりましたが,本日,営業運転を開始しましたのでお知らせします。
 今後は,本発電所の安定運転に努めるとともに,引き続き,既設水力発電所の出力増強や維持流量発電所の開発など,再生可能エネルギーである水力発電の利用に積極的に取り組んでまいります。

1.発電所概要
発電型式 ダム式(維持流量発電)
最大出力 140kW
最大使用水量 0.53m3/s
有効落差 49.1m
発電所所在地 広島県庄原市高野町
水系・河川名 江の川水系 神野瀬川
年間発電電力量
(見込み) 約100万kWh
(一般家庭300世帯分の年間使用電力量に相当)
CO2削減量 約700t-CO2/年
総工事費 約2億円

.発電所の特徴
(1) 当発電所は,既設の神野瀬かんのせ発電所高暮こうぼダムから常時放流している水流を利用する維持流量発電所※です。本発電所により,これまで未利用だった水力エネルギーの有効活用が図られます。
(2) 発電電力量は,一般家庭約300世帯の年間使用電力量に相当する約100万kWh,二酸化炭素削減効果は,約700t-CO2/年を見込んでいます。
(3) 建設コストの低減を図るため,従来の水車に代えて,汎用品のポンプに水を流し,ポンプ内の水車を逆方向に回転させることで発電を行う「ポンプ逆転水車」を当社で初めて採用しました。

3.主要経緯
平成23年3月22日 地元へ建設申入れ
平成24年4月16日 建設工事開始
平成25年4月10日 営業運転開始

※ 水力発電に際しては,下流河川の自然環境,水利使用および漁業等に支障を与えないよう必要な流量を優先して放流し,残りの河川流量の中から許可された最大取水量以下で取水しています。この優先放流量を利用する水力発電所を「維持流量発電所」といいます。

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-----image : 添付資料高野たかの発電所の概要[PDF:341KB]より
.......... "

関連
メナモミネット : 神野瀬発電所 - 中国電力

" 発電開始 昭和20年2月(1945年)。 形式 ダム水路式。 出力 20,000kW 。使用水量 20.00m3/s。 落差 121.08m。 高暮ダムから地下送水道は約3.7kmで神之瀬峡の西側の山中を通っています。"

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長崎県の小浜温泉で神戸製鋼所の地熱発電、マイクロバイナリー60kW 3台が稼動開始

 4月7日に、長崎県雲仙市の小浜温泉、温泉を利用したバイナリー発電所の開所式が行われました。

温泉バイナリー発電所開所式を開催しました-----小浜温泉エネルギー活用推進プロジェクト、平成25年4月7日
Obamabainarykaisyo
-----image : 上記サイト

 昨年末に納品されたこの温泉発電システムは、神戸製鋼所のマイクロバイナリー MB-70Hです。その最大出力は72kWで、数は3台です。今回の報道では、出力150キロワット(50キロワット3台?)と伝えられていますが、リリースでは、1台あたり60kWと記載されています。
 この小型バイナリー発電機は、沸点が水より低いフッ素化合物(作動媒体:有機媒体HFC245fa)を利用しています。この熱媒体を、温泉の熱でガス化し、発電タービンを回すしくみです。今回の事業は、環境省委託事業による温泉バイナリー発電実証事業として、今後3年間の実証実験が行われます。


関連
長崎県雲仙市小浜温泉へのバイナリー発電システム納入について-----神戸製鋼所、2012年10月10日
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-----image(”小型・高効率バイナリー発電機 マイクロバイナリー MB-70H”) : 上記リリースより

"~環境省委託事業「チャレンジ25地域づくり事業、小浜温泉未利用温排水による温泉発電事業化実証事業」の温泉発電用に採用~

当社は、このほど、一般社団法人小浜温泉エネルギー(長崎県雲仙市、本多宣章代表理事)と株式会社エディット(福岡市、藤野敏雄代表取締役)から、当社が独自開発・販売している小型バイナリー発電機「マイクロバイナリー MB70H」を3台受注しました。本日午前10時から長崎県雲仙市小浜町で起工式を行い、工事に着手し、来年2月に運転開始の予定です。

「小浜温泉未利用温排水による温泉発電事業化実証事業(平成23~25年度の3年間)」とは、小浜の温泉事業者が、長崎大学のバックアップのもと、未利用温排水による発電事業及び、それに基づく地域の活性化を自らが協議会、社団法人を作り推進しているもので、全国に先例がなく、また全国に多数存在する温泉地でのエコ・エネルギー有効活用事業としてのモデル性も有しています。
小浜温泉では、約105℃の高温水が日量15,000トン湧き出し、この内、約70%が有効に利用されずに海に排出されています。この未利用温排水を利用した発電システムの実証試験を行い、事業性や二酸化炭素削減効果などを検証します。

 この温排水による発電実証試験向けに、沸点が低い作動媒体を加熱・蒸発させ、その蒸気でスクリュタービンを回して発電する当社の小型バイナリー発電システム3台をご採用頂きました。ユニット送電端最大出力は、約60kW/台です。
 温泉源に全く影響を与えないこと、小型で高効率、量産用にパッケージングされた発電機であることから低価格で、また小型バイナリー発電機の規制緩和条件に合致している普及型であることを高く評価頂きました。
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- バイナリー発電システム マイクロバイナリー
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-----image : カタログ - マイクロバイナリー カタログ (PDF:2MB)より

未利用の温泉水で発電、地元の反対を乗り越えて開始へ-----スマートジャパン、2012年10月15日

小浜温泉エネルギー活用推進プロジェクト / H23講演資料 地熱エネルギー利用の最先端と小浜温泉 江原 幸雄 氏(九州大学大学院工学研究院 教授)


 マイクロバイナリー、熱利用発電に関する神戸製鋼所の説明によると、70℃~95℃のお湯で最大60kWの発電ができる。温泉発電に使える小型発電機として、2011年10月に発売した国産初の商品。
 スクリュタービンにより、小型かつ高効率で熱変動にも強いことが特徴で、工場の廃熱でも発電できる。温泉での採用が決まっているほか、温泉や工場からの引き合いも多数ある。
 そして、2012年7月から実施されている「再生可能エネルギー固定価格買取制度」にも該当し、買い取り価格は1kW当り42円。さらに、100℃~130℃の蒸気で120 kW級の発電が可能な「蒸気熱源バイナリー」も開発中だということです。


追加情報
小浜温泉バイナリー発電所の引き受け事業者に決定しました-----洸陽電機、2014年6月25日


参考
神戸製鋼所-高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー」の開発・販売について-----自然エネルギー、2012/01/17

神戸製鋼所の小型バイナリー発電システム、別府と湯布院の温泉に導入へ-----ソフトエネルギー、2012/07/13

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ファースト・ソーラー、テトラサン買収で太陽光発電新規事業展開へ。JX日鉱日石エネルギーとの提携も、、

 ファーストソーラーは、昨年春に大きな人員削減を発表。そして、今年になってその業績の回復を印象付けることに成功し、順調な評価を得てきている。つい先日には研究レベルのCdTeセルで変換効率18.7%をマーク、世界記録をGEから奪還することに成功している。企業としての評価も上向きだ。特に、2012年の太陽電池モジュールのサプライヤーとEPC(設計·調達·建設)業者ランキングではいずれも2位となり、そのCdTe(テルル化カドミウム)モジュールへの評価を高めています。

 そして今回、
シリコンバレーの太陽光発電技術新興企業テトラサンをJX日鉱日石エネルギーなどから買収すると発表。買収額は未公表。2014年半ばから高効率の結晶シリコン技術を活用した商業生産を開始する。」ことや好調な業績が評価され株価も高騰しました。
 JX日鉱日石エネルギーのリリースによるとテトラサンは、結晶シリコン系高効率太陽電池セルを安価なコストで製造する独自技術の開発を行う米国ベンチャー企業で、同社は、2009年に同社へ出資し、筆頭株主としてその研究開発活動を支援してきたということです。ファースト・ソーラーは、テトラサンの技術を導入し、 2014年の第二四半期にも製造を開始し、一般商業施設の屋根などに設置される、同社としては比較的小規模なスケールでの太陽光発電ビジネスに参入する意向です。


プレスリリース / FIRST SOLAR,April 9, 2013
FIRST SOLAR TO ACQUIRE TETRASUN TO EXPAND ADDRESSABLE MARKET OPPORTUNITY
Tetra_sun_b8j3930_m
-----image[”First Solar today announced it is acquiring TetraSun, which has developed a break-through cell architecture capable of conversion efficiencies exceeding 21 percent with commercial-scale manufacturing costs comparable to conventional multicrystalline silicon solar cells. (Photo: Business Wire)”] : 同リリースより


 JX日鉱日石エネルギーは、ファーストソーラーがテトラサンの技術を導入して製造する太陽電池モジュールの日本市場での販売事業に関するパートナーシップ契約について協議を開始したということです。日本未上陸の世界第二位の太陽電池メーカーであるファーストソーラーの国内展開の行方も気になるところです。
 

関連
Tetrasun

ファーストソーラー社とのパートナーシップ契約の協議開始について-----JX日鉱日石エネルギー、2013年4月10日

" 記者各位

 当社(略)と米国太陽光発電メーカー・ファーストソーラー社(略)は、FS社が製造を予定している米国テトラサン社の技術を用いた結晶シリコン系高効率太陽電池モジュールの日本市場での販売事業に関するパートナーシップ契約について協議を開始しましたので、お知らせいたします。

 テトラサン社は、結晶シリコン系高効率太陽電池セルを安価なコストで製造する独自技術の開発を行う米国ベンチャー企業であり、当社は、2009年に同社へ出資し、筆頭株主としてその研究開発活動を支援してまいりました。
 今般、テトラサン社と当社を含む株主は、テトラサン社が有する技術による結晶シリコン系太陽電池セル生産プロセスの確立に一定の目途がついたことから、世界有数の量産技術を持つFS社の主導により、確実かつ早期に量産化を図ることとし、FS社がテトラサン社の全株式を取得することに同意いたしました。
 今後、当社は、FS社が生産する高効率太陽電池モジュールについて、日本市場における独占販売権の取得を目指して協議を進めてまいります。

 当社は、今後とも太陽光発電の販売・発電事業を新エネルギー事業の重点分野と位置付け、当社独自のマンション向け戸別太陽光発電システムを含む住宅向けのシステム販売や、メガソーラー事業を含む公共・産業用システムの提供などに積極的に取り組んでまいります。
.......... "

米ファースト・ソーラー、テトラサン買収で屋上ソーラー市場参入-----ウォールストリートジャーナル、2013年 4月 10日

TetraSun and RENA highlight 20% cell efficiency path using IPA-free ‘monoTEX’ texturing-----PV Tech,26 September 2011

"RENA has launched its ‘monoTEX,’ IPA-free alkaline texturing process for solar cells. has established that this process is key for their breakthrough mono-crystalline cell concept.
..... "

(RENA : BatchTex and BatchTex HT "IPA free mono texturing with monoTEX(R)")

・cn.rena.com/uploads/media/
PM_RENA_TetraSun_11_09_13.pdf
/ 13/09/2011 TetraSun and RENA establish a manufacturing route for solar cells beyond 20% efficiency

"・cell efficiency well beyond the 20% mark
・monoTEX(R), RENA’s IPA-free alkaline texturing process
・focus on environmental and manufacturing cost

 Gütenbach, September 13th, 2011. In 2010 RENA industrialized monoTEX(R), an IPAfree alkaline texturing process for solar cells. TetraSun has established that this process is key for their breakthrough mono-crystalline cell concept. RENA’s combination of pre-cleaning and monoTEX® texturing delivers a homogeneous surface with a distribution of pyramid sizes that enables TetraSun technology to achieve cell efficiency that is well beyond the 20% mark. Texturing times under 15 minutes, bath lifetimes over 40 runs and >95% tool uptime enable a very competitive footprint. The elimination of IPA from both the exhaust and fluid waste streams further supports TetraSun’s focus on environmental and manufacturing cost control. "


参考
ファーストソーラー First Solar のリサイクルシステムと同社のCdTe太陽電池の展開。2009年度1GWp越えNo.1の実績-----ソフトエネルギー、2010/06/08

ファーストソーラー First Solar、カリフォルニアで 550MWpの大規模太陽光発電所 Topaz Solar Farmの建設中-----ソフトエネルギー、2012/05/10

2012年の太陽光発電のNo.1 EPC(設計·調達·建設)業者は、ファーストソーラー - IMS Research-----ソフトエネルギー、2013/03/29

2012 太陽電池メーカーシェア / 自然エネルギーの世界-----自然エネルギー、2013/02/01

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クリーンエネルギーの潜在力の大きさは、あなたの予想を超えている - ブルームバーグ NEF

 石油や天然ガスといった化石燃料と再生可能エネルギーの”力”を比較する際に、再生可能エネルギーのさまざまなメリットが正当に評価されていないということは、以前から認識されてきました。今回、ブルームバーグ NEF(ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス)の新たな分析により、クリーンエネルギーの潜在力が石油・ガスに匹敵することが判明したとのことです。
 このリポートのタイトルは、「RENEWABLE RESERVES: TESTING THE CONCEPT FOR THE US AND BRAZIL」(再生可能エネルギーの潜在力:米国とブラジルのエネルギーコンセプトを再考)で、米国およびブラジルの風力発電およびバイオエネルギープロジェクトを長期的価値を考慮し、エネルギー的な価値を再評価した結果、ブラジルの既存の再生可能エネルギープロジェクトのエネルギー資源量が、同国の確認石油・ガス埋蔵量の 5 分の 2 を上回る量に達することが明らかになった。
 さらに、ブラジルよりも多くの石油・ガス資源を保有している米国においても、既存の風力発電およびバイオエネルギープロジェクトのエネルギーが、化石燃料の潜在力の約 7 分の 1 の規模に相当すると分析したとのことです。
 これらの計算は、太陽光発電、地熱発電、水力発電が入っていない。これらの分野を含めると、米国とブラジルの再生可能エネルギーの推定潜在力はさらに増加するとのことです。

 世界的に再生可能エネルギー、クリーンエネルギーの分野への期待が高まる中で、本当のところどこまで期待できるのかといった懐疑論も根強い。したがって、化石燃料、再生可能エネルギー、そして、地殻変動リスクが無視できるレベルの国においては原子力がエネルギーの選択肢として、応分の期待をこめて投資と開発が行われ続けるだろう。
 3.11を契機にして顕在化した地殻変動リスクは、実際政治的なリスク判断の手に負える範囲にはない。科学的には、リスクを評価する歩みは以降開始したばかりで、心もとないのはみなさんもご存知の通りです。
 となれば、、、。この状況下で、再生可能エネルギーについて、より長期的な基準で考えるというこのリポートは丁寧に読みたい。23ページあり、無料でダウンロードできます。

 
プレスリリース / ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス、2013年3月26日
発表資料  / 予想を上回るクリーンエネルギープロジェクトの潜在力  - 19 March 2013 , Bigger than you think – The hidden reserves of clean energy projects

" ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの分析により、米国およびブラジルの風力発電およびバイオエネルギープロジェクトがもたらすエネルギー潜在力が石油・ガスに匹敵することが判明

 これまでのエネルギー分野の分析では、化石燃料の地下埋蔵量の長期的価値を計算してきた。しかし、再生可能エネルギー資産の場合は、年間供給能力と生産量を評価しており、潜在的な長期的生産量は考慮されていない。本日公開されたブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの最新のリポートでは、米国とブラジルの「風力発電プロジェクト」と「バイオエネルギープロジェクト」を化石燃料の埋蔵量(潜在力)と同様の基準で評価し、その量が膨大であることが明らかになった。
『Renewable Reserves: Testing the Concept for the US and Brazil(再生可能エネルギーの潜在力:米国とブラジルのエネルギーコンセプトを再考)』と題するこのリポートでは、長期的な見込みエネルギー生産量において、ブラジルの既存の再生可能エネルギープロジェクトのエネルギー資源量が、同国の確認石油・ガス埋蔵量の 5 分の 2 を上回る量に達することが明らかになった。米国はさらに多くの石油・ガス資源を保有している。同リポートでは、米国でも既存の風力発電およびバイオエネルギープロジェクトのエネルギー資源が、化石燃料プロジェクト潜在力の約 7 分の 1 の規模に相当すると分析している 1。
..........
 これまで、産業界、投資家、政策立案者には、再生可能エネルギープロジェクト同士の比較や、再生可能エネルギープロジェクトと化石燃料プロジェクトとの比較を行うための共通の方法がなかった。石炭・石油・ガス業界では、特定の確実性レベルに基づいて分類された量を基に、容積単位で資源や潜在力を評価している。これに対し、再生可能エネルギープロジェクトは、年間生産能力を用いて表されるのが一般的である。この方法では、これらのプロジェクトで長期的に見込まれるエネルギーの寄与度はわからない。さらに、再生可能エネルギープロジェクトの技術的および経済的な成熟度やエネルギー生産量に関する確実性レベルを表す一貫した方法もない。例えば、未確認の化石燃料資源に適用される割引方法に相当する、未開発の再生可能エネルギー資源の標準的評価方法がない。
 この調査では、それぞれの開発段階に基づいて再生可能エネルギーを「商業プロジェクト」や「潜在的商業プロジェクト」とみなして数値化・分類するシンプルな方法を採用した。プロジェクトレベルでデータを分析し、このコンセプトを米国およびブラジルの風力発電およびバイオエネルギーセクターに適用した。さらに化石燃料の推定埋蔵量と比較するため、結果をメガワット時から 100 万石油等価バレル(BOE)単位に変換した。
..........
リポートの全文は、次の URL からダウンロード可能。
http://about.bnef.com/white-papers
/renewable-reserves-testing-the-concept-for-the-us-and-brazil/

1 この調査では、太陽光発電、地熱発電、水力発電分野のプロジェクトの潜在力はカバーしていない。これらの分野を含めると、米国とブラジルの再生可能エネルギーの推定潜在力はさらに増加する。
.......... "

関連
RENEWABLE RESERVES: TESTING THE CONCEPT FOR THE US AND BRAZIL-----19 March 2013
Renewable_reserves_testing_the_conc-----image : 上記サイトから入手できるリポート「RENEWABLE RESERVES: TESTING THE CONCEPT FOR THE US AND BRAZIL」のカバー

" A report by Bloomberg New Energy Finance, commissioned by BP
A report by Bloomberg New Energy Finance, commissioned by BP

Please click here to download the full report.

Executive Summary

With the growing importance of renewable energy in the global energy mix, it is increasingly common to compare renewable and fossil fuel energy sources. Yet many comparisons only consider the capacity and output of renewables today, rather than their potential contribution over future decades. It is also often difficult to compare renewables projects with each other on a clear and transparent basis. As a basis for comparison across energy systems, this report describes the concept of renewable reserves and the result of a simple renewable reserves classification methodology as applied to the wind and bioenergy sectors in the US and Brazil.
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新日本空調、帝国ホテル東京に空調用循環水利用の3kW小水力発電設備を設置

 新日本空調は、帝国ホテル東京に空調用循環水を利用する小水力発電設備を納入しました。帝国ホテルの水力の落差は、地下4階の開放蓄熱槽と地上5階に設置されている空調機の高低差が約35mで、納入された発電機の定格出力は3kWだということです。
 この”水力発電機”は、空調設備が24時間365日稼働しているため、年間を通して安定した発電が可能。発電量は、年間で約15,000kWhが見込まれています。これにより、電気料金換算で年間約24万円の削減が可能ということです。
 
 このシステムで発電した電気は、帝国ホテルが消費する電力に占める割合からすると微々たるものですが、固定負荷の消費を抑える効果により、結果帝国ホテルの電力消費量を抑えることができます。ちょっと検索した限りでは、ビルの空調用循環水での利用を行っている前例はいくつかあるようです。しかし、リリースがきちっと発表されたのは珍しく、その意味でも注目しています。ということで、今回の帝国ホテルの小水力発電は、きちっとプレス発表されたということもあり、今後導入例が増えるかということにも注目していきたいと思います。


プレスリリース / 新日本空調、2013.3.26
帝国ホテル東京に小水力発電設備を納入- 空調用循環水を利用した小水力発電による未利用エネルギーの活用 -

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-----image(”システム概念図”) : 同リリースより

"新日本空調株式会社は、空調用循環水の高低落差を利用した「小水力発電設備」を帝国ホテル東京に納入し、試験運用として3月25日から発電を開始しました。
 この「小水力発電設備」は蓄熱式空調システムの「落水」という未利用エネルギーを利用し、年間約15,000kWhの発電量をホテル内の照明などに供給します。
 当社は引き続き、様々なお客様に対して地球温暖化防止対策を推進する未利用エネルギーの有効活用やCO2排出量削減等のワンストップソリューションを提供して参ります。

1.小水力発電設備の経緯
 当社は、社会的ニーズである未利用エネルギーの活用やCO2削減に応えるソリューションサービスに取り組んでおります。一方、株式会社帝国ホテルでは、ホテル内の未利用エネルギーの有効利用を進め、地球温暖化防止対策を強化する取組みを推進しています。
 今回、株式会社帝国ホテルのニーズに対して、空調用循環水の高低落差を利用した「小水力発電設備」の配管設備と電気・計装設備を一貫して設計・施工しました。

2.小水力発電設備の概要
 帝国ホテル東京に設置した小水力発電設備の概要は、下記の通りです。
1)納入した発電機の定格出力は3kWです。地下4階の開放蓄熱槽と地上5階に設置されている空調機の高低差が約35mであり、この空調用冷水が落水する際の圧力で発電を行います。
2)設備構成は、発電機本体(1台)、制御盤(1面)および制御装置(1式)です。制御盤には、コントローラ、系統連系装置、データ収集装置が内蔵されています。(システム図参照)
3)空調設備が24時間365日稼働しているため、発電機からも連続して発電されます。年間を通して安定した電力供給を行います。
4)発電量は、年間で約15,000kWhを見込んでおります。これにより、電気料金換算で年間約24万円の削減、年間の二酸化炭素(CO2)排出量は約5.6トンの削減となります。
5)本設備は、蓄熱式空調システムの「落水」という未利用エネルギーを利用しており、汎用性の高い設備です。

3.今後の展開
 今後当社は、この実機による運転データを収集、分析し、設計、施工および運転のノウハウを蓄積して参ります。そして、株式会社帝国ホテルをはじめとする様々なお客様に対して、地球温暖化防止対策を推進する未利用エネルギーの有効活用やCO2削減等のワンストップソリューションを提供して参ります。
.......... "

関連
帝国ホテル : 会社情報(4/9現在、関連情報の掲載は見当たりません)


参考
日立 : エネルギー回収システム(マイクロ水力発電)
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-----image : 上記サイトより

"実際にこのエネルギー回収システムを取り入れている富士ゼロックス岩槻事業所(埼玉県)"

明電プラントシステムズ : 小水力発電設備
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-----image : 上記サイトより

"マイクロ水力発電設備の導入例
工場や事業所の排水や処理水での導入例
工業用水の貯留槽や、排水処理設備の沈殿槽・処理槽がある場合、放流時の水量と落差を利用して
マイクロ水力発電設備を設置することが可能です。 (導入例-1 参照)
工場や事業所・オフィスビルの循環水での導入例
工場や事業所の冷却水用循環水やオフィスビルの蓄熱空調用循環水がある場合、循環水の水量と
落差を利用してマイクロ水力発電設備を設置することが可能です。 (導入例-2 参照)
その他の導入例
鉱山や炭鉱の地下水や湧水を利用したマイクロ水力発電設備、農業用水や水路を利用した
マイクロ水力発電設備の設置も可能です。"

NHK、空調用の水流で発電するマイクロ水力発電システムを開発-----ソフトエネルギー、2008/12/24

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日本製紙、既存石炭火力ボイラーへのバイオマス混焼を従来の約10倍にできる、バイオマス固形燃料を開発

 日本製紙は、既存石炭火力ボイラーへのバイオマス混焼を従来の約10倍にできる、バイオマス固形燃料を開発しました。
 この新規に開発されたバイオマス固形燃料は、トレファクション技術を用いて作られています。トレファクション技術とは半炭化と呼ばれる、比較的低温で木質バイオマスを炭化させ、通常の炭化より熱量を大幅に残すことができるコーヒーの焙煎に類似する技術だということです。トレファクション技術を用いて作られたバイオマス燃料は、石炭火力微粉炭ボイラーに用いることができ、混焼率を従来よりも大幅に増やすことができるということです。
 具体的には、日本製紙の八代工場(熊本県八代市)の微粉炭ボイラーで混焼試験が実施され、同ボイラー最大負荷で25%(重量比)の新規バイオマス固形燃料を混合し、石炭微粉砕設備(ミル)の操業性、ボイラーの燃焼性に問題がないことが確認されたといことです。

 なお、この実証実験は、NEDOの戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業において、平成23年度の石炭火力微粉炭ボイラーに混焼可能な新規バイオマス固形燃料の開発に採択され実施されています。


プレスリリース / 日本製紙、 2013年4月3日
既存石炭火力ボイラーへのバイオマス混焼を従来の約10倍に CO2発生量の低減に有効な新規バイオマス固形燃料を開発

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-----image : 同リリースより

" 平成23年度採択NEDO事業で微粉炭ボイラーでの25%混焼を確認

 日本製紙株式会社(略)は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)の平成23年度採択「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業(実用化開発)」として、トレファクション技術(注1)を用いた新規バイオマス固形燃料を開発しました。当社八代工場(熊本県八代市)の微粉炭ボイラー(注2)で混焼試験を実施し、その結果、同ボイラー最大負荷で25%(重量比)の新規バイオマス固形燃料を混合し、石炭微粉砕設備(ミル)の操業性、ボイラーの燃焼性に問題がないことを確認しています。

日本国内では、東日本大震災の影響により石炭火力発電への依存率が高まっており、それに伴い増加している温室効果ガス(CO2)発生量の削減が課題となっています。近年の石炭火力ボイラーは燃焼効率を高めた微粉炭ボイラーが主流であり、当社を含め各社はCO2発生量低減のため、木質チップや木質ペレット等の木質バイオマス燃料の混焼を進めています。しかし、これらの燃料は効率的に粉砕できないことや、屋外保管時の耐水性などが課題となり、微粉炭ボイラーでの混焼率は2~3%程度にとどまっていました。

今回、当社がNEDO事業として開発した新規バイオマス固形燃料は、木質バイオマスを半炭化(トレファクション)する技術により、通常の炭化では半分以下しか残らない熱量を約9割残すことができ、加えて粉砕性、耐水性が向上し、微粉炭ボイラーでのバイオマス混焼率を大幅に向上できる可能性があります。今後も「木」の総合利用を進める総合バイオマス企業として、新規バイオマス固形燃料の製造プロセスの改良と実証を進め、さらに高効率な次世代バイオマス燃料へと開発を続けてまいります。

(注1)トレファクションとは
半炭化と呼ばれ、コーヒーの焙煎に類似する技術。比較的低温で木質バイオマスを炭化させることで、通常の炭化より熱量を大幅に残すことができる。さらに、ペレット化することで木質チップ燃料に比べて容積が減少し、輸送効率等が向上する。
ただし、トレファクションによる燃料製造においては、処理温度の管理を厳格に行う必要があるなど、実用化の技術確立が課題とされてきた。

(注2)微粉炭ボイラー
近年の石炭火力ボイラーは燃焼効率を高めるため石炭を粉状にしてボイラー内に噴出させ、燃焼させる微粉炭ボイラーが主流である。木質バイオマス燃料を混焼するためには石炭同様粉状にする必要がある。
.......... "

関連
NEDO : 戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業

"【平成23年度採択分】石炭火力微粉炭ボイラーに混焼可能な新規バイオマス固形燃料の開発 日本製紙(株) "

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NEDO、銚子沖に続き北九州沖でも着床式洋上風力発電を設置

 NEDO、新エネルギー・産業技術総合開発機構は3月に千葉県銚子沖で稼動した着床式洋上風力発電に引き続き、北九州沖でも予定通り設置を完了しました。

NEDOと東京電力、千葉銚子沖の着床式洋上風力発電を稼動。実証実験を開始-----ソフトエネルギー、2013/03/05

 北九州沖に設置された風車は、日本製鋼所室蘭製作所の2千kW級「J82」改です。ちなみに、銚子沖は三菱重工製です。これにより、太平洋と日本海の異なる海域での着床式洋上風力発電機の実証実験が本格的に行われることになります。

NEDOの設置時のフォトギャラリーが公開されています。ちょっとわくわくする写真でした。動画ももっとみたいです。


プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2013年4月3日
洋上風力発電、日本海側でも本格実証へ 北九州市沖合い、風車設置を完了

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-----image[”左-設置場所(福岡県北九州市沖)、右-今回設置された洋上風車(左は既に観測中の洋上風況観測塔)”] : 同リリースより

"..NEDOは、沖合いにおける洋上風力発電の実証研究に取り組んでいますが、太平洋側(千葉県銚子沖)に続き、日本海側も福岡県北九州市沖約1.4kmの海域に定格2,000kWの洋上風車(着床式)※1の設置を完了しました。今後は各種試験を行い、6月中に発電を開始する予定です。
 既に実施中の洋上風況観測システムによる洋上風況特性の研究(平成24年10月観測開始)と並行して、実際に洋上風車で発電した電力を陸上に送電することで、風車の信頼性や継続的に発電を行うために不可欠なメンテナンス技術など、沖合い洋上風力発電の導入普及に必要な技術の確立を目指します。
 NEDOは、これら成果を広く普及し、我が国における洋上風力発電の発展に貢献してまいります。

100521326
-----image(”北九州沖設置工事のスケジュール”) : 同リリースより
.......... "

関連
NEDO : 国内初!沖合における洋上風力発電への挑戦―プロジェクト現場レポート / 福岡県北九州市沖 現場レポート
Kitakyusyu_up
-----image : 上記サイトより

- 銚子沖現場リポート

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産総研、ハニカムテクスチャで薄膜シリコン系太陽電池の光吸収を促進する構造を開発

 コストが安く製造工程も比較的簡単な薄膜太陽電池セルの開発に、世界中の研究機関や企業が取り組んでいます。寿命や堅牢度、そして変換効率の向上が一定のレベルに達するならば、太陽光発電のエネルギー源としての可能性を新たにすることができます。

 産業技術総合研究所(AIST)は、シリコンと水素原子から構成される微結晶シリコンという薄膜太陽電池に蜂の巣状の規則構造を形成することで内部の光吸収力を増強する新しい光閉じ込め構造を開発しました。この直径数µmの穴が蜂の巣状に並んだ周期構造(ハニカムテクスチャ)を最適化し、改良することで薄膜微結晶シリコン太陽電池でこれまでで最高となる発電効率10.5%を達成しました。
 さらに研究を重ねることで、多接合型を含む薄膜シリコン系太陽電池のさらなる高効率化・低コスト化に寄与することが期待されます。

 太陽電池の表面に、直径数µmの穴が蜂の巣状に並んだ周期構造(ハニカムテクスチャ)の写真が公開されています。その規則的な模様がなんとも美しく、太陽電池だけでなく、他の機能素材への応用も期待できそうな研究だと感じました。


プレスリリース / 産業技術総合研究所(AIST)、2013年3月28日
薄膜微結晶シリコン太陽電池で発電効率10.5%を達成

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-----image[”ハニカムテクスチャ構造の基板上に形成した微結晶シリコン太陽電池(直径5 cm)”] : 同リリースより

"蜂の巣状の規則構造によって効率良く太陽光を利用

ポイント
周期構造を利用して光を閉じ込め、薄膜太陽電池内部の光吸収を促進
開発した光閉じ込め構造により、薄膜微結晶シリコン太陽電池でこれまでで最高の発電効率10.5%を達成
多接合型を含む薄膜シリコン系太陽電池のさらなる高効率化・低コスト化に期待

概要
 独立行政法人 産業技術総合研究所【略】(以下「産総研」という)太陽光発電工学研究センター【略】先端産業プロセス・低コスト化チーム 齋 均 主任研究員は、太陽光発電技術研究組合【略】(以下「PVTEC」という)と共同で、薄膜シリコン太陽電池内部の光吸収力を増強する新しい光閉じ込め構造を開発した。この構造を用いた薄膜微結晶シリコン太陽電池でこれまでで最高となる発電効率10.5%を達成した。

 今回開発した光閉じ込め構造は、従来用いられてきた不規則性をもつ光散乱構造と異なり、直径数µmの穴が蜂の巣状に並んだ周期構造(ハニカムテクスチャ)をもつ。この周期構造では、光閉じ込め構造の形状やサイズと太陽電池特性の相関を明確に把握できた。これを元に、ハニカムテクスチャを最適化し、さらにドーピング層と透明導電膜を高度化したことで、高い短絡電流密度が得られた。

 この結果は、高度に制御した光閉じ込め構造によって太陽電池内部の光吸収力を効果的に増強できることを示し、設計の最適化や多接合太陽電池への応用によって、一層の高性能化・高効率化が期待される。

 なお、この技術の詳細は、2013年3月27~30日に神奈川県厚木市の神奈川工科大学で開催される第60回応用物理学会春季学術講演会と4月1~5日(米国時間)に米国サンフランシスコ市で開催される米国材料学会で発表される。
..........
研究の経緯
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 微結晶シリコン太陽電池の発電効率の向上における技術的課題の一つに、光吸収力の増強がある。今回、発電層内部で十分に光を吸収させるために、光を閉じ込める技術の開発に、共同して取り組んだ。
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研究の内容
 微結晶シリコン太陽電池では、光吸収係数が小さい結晶質シリコン材料を薄膜にして用いるため、高効率化には発電層内部に光を閉じ込めて十分に光を吸収させる技術が不可欠である。これまでは、基板上に大きさ0.1~10 µm程度の微細な凹凸をもつテクスチャ構造を形成し、この構造の光散乱効果によって発電層内部の実効的な光路長を伸ばして光吸収力を増強する技術が用いられてきた。しかし、シリコン薄膜を険しい形状のテクスチャ構造上で形成すると内部に欠陥が発生し、発電特性が劣化する。このため、過度なテクスチャ構造を用いると光吸収力が増強できても発電効率は向上しない。また、薄膜シリコン太陽電池において用いられる光閉じ込めのためのテクスチャ構造には、多くの場合、透明導電膜や金属電極薄膜を製膜する過程において自然に形成される凹凸構造が利用されてきた。しかし、これらは製膜条件によって形状やサイズが制限される上に不規則性をもつために、テクスチャ構造の形状やサイズと太陽電池特性との相関を十分把握できず、高性能化への指針が不明確なままであった。

 こうした課題を解決するため、今回の研究開発では、光リソグラフィー工程によって制御性良く種々の光閉じ込め構造を作製し、それを用いた微結晶シリコン太陽電池を作製・評価して、構造パラメーターと太陽電池特性の相関を調べた。今回新しく開発した光閉じ込め構造は、図1に示すように直径数µmの穴が蜂の巣状に並んだハニカムテクスチャ構造をもち、個々の穴の直径や深さを独立に制御できる。そのため、広範囲での構造の形状やサイズと太陽電池特性の相関を調べることができた。また、規則的な構造であるため、不規則性によるバラつきをなくして、構造の形状やサイズが太陽電池特性に及ぼす影響をより明確化できる。

Fig1_1
-----image(”図1 (a)ハニカムテクスチャ構造表面形状 (b)ハニカムテクスチャ構造を用いた薄膜微結晶シリコン太陽電池の断面図”) : 同リリースより
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環境省、「国立・国定公園内における風力発電施設の審査に関する技術的ガイドライン」を改定

 環境省は、「国立・国定公園内における風力発電施設の審査に関する技術的ガイドライン」を改定し、新旧の扱いなどについても比較的わかりやすくまとめた平成 25年3月版を公開しました。今回の改訂は、国立・国定公園内に風力発電所を建設する際の自然景観への影響を小さくするために、まず眺望の対象となる優れた自然の風景地が風力発電施設によって直接的に改変されることを防ぐ必要を強調したものとなっています。
 
 解説は、それなりにされていますが、実際には環境省がゾーニングを行い”適地”の洗い出し、地図の制作を急ぐべきだと考えます。そもそも、国民に対して国立・国定公園内にどれほどの風力発電所が適切に建設しうるかを早く示すべきだと考えます。すでにあるポテンシャルやゾーニングマップなどの情報資源の統合とわかりやすさを、次の段階では期待したいです。

参考(規制緩和の流れは風車では具体的にどうなるのか?) ・環境省、国立・国定公園内における地熱開発の取扱い、および温泉資源の保護に関するガイドラインを発表-----自然エネルギー、2012/03/28

(景観、眺望だけでなく動植物への影響も考える必要がある)
環境省、東北を中心に自然エネルギーの候補地の野生生物の生息状況などを調べたデータベースを5年で整備----自然エネルギー-----2012/02/27


プレスリリース / 環境省、平成25年3月29日
「国立・国定公園内における風力発電施設の審査に関する技術的ガイドライン」について

"環境省では、平成23年3月31日付け環自国発第110331001号で作成・公表した標記ガイドラインについて、平成24年10月に施行された改正環境影響評価法施行令との整合性を図ることなどから、風力発電施設に係る自然公園法施行規則第11条第11項の風致景観に関する事項、「展望する場合の著しい妨げ」「眺望の対象に著しい支障」についての技術的ガイドラインを改定しましたのでお知らせします。

 地球温暖化対策の推進に向けた再生可能エネルギーの導入促進に資するものとして、規制・制度改革に関する分科会において、環境分野についての規制・制度の見直しが検討され、平成22年6月、「規制・制度改革に係る対処方針」が閣議決定されました。これを受けて、環境省では、風力発電施設の設置に関する自然公園法上の許可基準である自然公園法施行規則第11条第11項における、「展望する場合の著しい妨げ」「眺望の対象に著しい支障」について、平成23年3月に技術的ガイドラインとしてとりまとめました。
 平成24年10月から改正環境影響評価法施行令が施行されたことを受け、それとの関係をわかりやすく解説するとともに、環境影響評価法で行う調査内容であって自然公園法に基づく風力発電施設の設置に係る審査の内容と重複する事項については活用したり、不足する分を補ったりするなどの見直しを行いました。さらに、実施例として示していた内容について、現在は生産されていない風力発電施設の事例等を削除する見直しを行い、この度改訂版をとりまとめました。
 今後、本ガイドラインは、自然公園法施行規則第11条に規定する自然公園法の許可基準の細部解釈及び運用方法を定めた「自然公園法の行為の許可基準の細部解釈及び運用方法」(平成22年4月1日付け環自国発第100401008号 環境省自然環境局長通知)6「主要な展望地から展望する場合の著しい妨げにならない」(第1項第3号)及び「山稜線を分断する等眺望の対象に著しい支障を及ぼすものでない」(第1項第4号)を補足する具体的な考え方として取り扱うこととします。
添付資料
国立・国定公園内における風力発電施設の審査に関する技術的ガイドライン [PDF 8,103KB]
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コメント続き
 国立・国定公園内における風力発電施設の審査に関する、ポテンシャルマップとか、ゾーニングマップとかが整備されることをずっと期待しています。

 まだそうした状況になるには時間が必要? 国民にたいして、政権交代があってもなくても、わかりやすいエネルギー政策の説明への努力がもっと必要だと感じています。

 このままでは、どれくらいの可能性があるのか? がわからない。


参考エントリー
環境省、東北地方の風力発電導入促進のための風況マップ特別版を公開-----ソフトエネルギー、2012/05/14

再生可能エネルギーに関する内閣府行政刷新会議の規制緩和内容、まもなく閣議決定か?-----ソフトエネルギー、2012/03/28

風力発電の規制緩和検討へ 経産省と環境省 / クリッピング asahi.com-----ソフトエネルギー、2007/02/08

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環境省、平成24年度再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業6件を採択

 環境省は、平成24年度再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業を採択しました。この事業の公募に応募があった15件について審査を行い、6件を採択したと発表しました。
 青森県六ヶ所村でのNAS電池(10MW/60MWh)を利用しての風力発電所蓄電池併設による出力制御事業をはじめ、秋田県男鹿市の風力・太陽光発電事業(鉛蓄電池 2.7MW/6.9MWh)、大阪市夢洲におけるリユースEV電池(0.5MW/0.4MWh)を利用しての経済性の高い蓄電池システムの実証。そして、奄美大島、徳之島、与論島での離島における再生可能エネルギーと蓄電池の3っつの実証実験などです。


プレスリリース / 環境省、平成25年3月29日
平成24年度再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業の採択案件について
" 環境省では、大規模再生可能エネルギー発電施設に大型蓄電池を設置することによる出力安定化及び変動緩和効果等の検証を行い、制御方法等を確立するため、「平成24年度再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」を行うこととしており、公募を行ったところです。
 この度、本事業の公募に応募があった15件について審査を行った結果、6件を採択することとしましたのでお知らせします。

1.事業の目的
 本事業は、大規模再生可能エネルギー発電施設に大型蓄電池を設置し、出力安定化及び変動緩和効果等の検証を行い、蓄電池容量を含めた効果的な設置方法及び制御方法等を確立する事業に要する経費の一部を補助(補助率:定額)することにより、電力供給の安定化を通じた再生可能エネルギーの導入促進及び温室効果ガス排出削減を図ることを目的とするものです。

2.審査対象
 平成25年2月12日(火)から平成25年3月4日(月)までの公募期間に応募のあった15件のうち、定格出力1MW以上である大規模再生可能エネルギー発電施設に対し大型蓄電池を整備する実証事業について、以下の項目を総合的に評価し、優れた提案がなされた6件について採択しました。
[1]
 事業に必要な能力及び実施体制を有していること。
[2]
 事業を確実に実施できる経理的基礎を有すること、又は事業実施のために必要な資金調達に係る確実な計画を有していること。
[3]
 経済性・効率性(費用対効果等)が高く、事業性があること。
[4]
 他の地域への波及効果が高いなどモデル事業として相応しいものと認められること。
3.採択事業者一覧
 別紙「平成24年度再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業の採択案件一覧」のとおり。

”平成24年度再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業の採択案件一覧 .......... 1 六ヶ所村風力開発株式会社 六ヶ所村風力発電所蓄電池併設による出力制御事業(青森県上北郡六ヶ所村) NAS電池 10MW/60MWh - 風力発電+太陽光発電 .......... 2 株式会社風の王国・男鹿 風の王国風力・太陽光発電事業(秋田県男鹿市船越) 鉛蓄電池 2.7MW/6.9MWh - 風力発電+太陽光発電 .......... 3 住友商事株式会社 再生可能エネルギー導入促進のための、夢洲における経済性の高い蓄電池システムの 実証(大阪市此花区) リユースEV電池 0.5MW/0.4MWh - 太陽光発電 .......... 4 九州電力株式会社 離島における再生可能エネルギー導入拡大に向けた蓄電池制御実証事業(対馬市 長崎県、種子島 鹿 児島県、奄美大島 鹿児島県) リチウム電池 8.5MW/8.5MWh - 風力発電+太陽光発電 .......... 5 株式会社 JCサービス 離島での大型蓄電池導入による太陽光発電の導入量拡大及び防災型電源設備ネットワークシステム構築実証モデル事業(徳之島 鹿児島県) 鉛蓄電池 0.6MW/0.6MWh - 太陽光発電 .......... 6 医療法人 龍美会 与論島風力発電と太陽光発電の変動抑制用蓄電池制御実証事業(与論島 鹿児島県) リチウム電池1.0MW/0.89MWh 風力発電+太陽光発電 .......... ” .......... "

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フジプレミアム、自社工場に追尾型太陽光発電システム51基、242kWpを含むメガソーラーを設置

 フジプレミアムは、兵庫県たつの市の光都工場に尾型太陽光発電システム51基、242kWpを含むおおよそ1.5GWpのメガソーラーを設置したとのことです。
 この242kWpの追尾型太陽光発電(トラッキング)システムにより期待される発電量は、年間363,000kwhで、通常の固定式架台の1.5倍程度の発電量の増加が期待できるとのことです。

 光都工場にはこの尾型太陽光発電システム以外にも、工場の屋上の1041kWpと地上に194kWpの通常の太陽光発電システムが導入されました。


プレスリリース / フジプレミアム、2013年03月06日
ニュースリリース / 新型メガソーラー発電設備の設置について(PDF

Fujipream2013pv
-----image : 同リリースより

"追尾型太陽光発電システムを利用したメガソーラー発電設備を自社内に約1.5メガワット設置

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追尾型太陽光発電(トラッキング)システム
・発電容量242kw(51基) ・年間予想発電量 363,000kwh
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関連
フジプレミアム : 太陽電池
- 日本列島メガソーラーベルト構想

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