世界は再生可能エネルギーへの取り組みを先延ばし - IEAの最新リポート
インドのデリーで開催されたClean Energy Ministerial Meeting 2013で、開催国としてインドのマンモハン・シン首相は、2017年に同国の再生可能エネルギーへの取り組みを倍にする声明を発表しました。Clean Energy Ministerial Meetingは、4月17-18日にデリーで開催され、日本政府からも代表が参加しています。(誰だろう?調べてもわからなかった、、、。昨年のロンドンでの参加者の写真。 続報菅原経済産業副大臣が出席されたとのことです。)
今回このイベントで、IEAの「Tracking Clean Energy Progress 2013」が公開されました。今回のリポートでは、世界のクリーンエネルギーへの取り組みは、十分ではなく、各国の取り組みの停滞が指摘されています。ざっと読んだ感じをまとめると、新興国で再生可能エネルギーや省エネへの取り組みが増加したことは評価できる。また、太陽光発電と風力発電の増加、各国の取り組みも評価できるが、全体としては、温暖化効果ガスの具体的な減少という成果にはつながっていないということです。
今後の技術的な課題としては、旧来の石炭火力への依存の低減と、温暖化効果ガス削減への直接的な取り組みへ期待がつながれています。
プレスリリース / IEA,17 April 2013
・Progress towards clean energy has stalled, IEA says
-----image : 「Tracking Clean Energy Progress 2013」(p152)カバー
"Renewable technologies and greater efforts by emerging economies are among few bright spots cited in report for Clean Energy MinisterialThe rapid expansion of renewable technologies is one of the few bright spots in an otherwise bleak assessment of global progress towards low-carbon energy, the International Energy Agency (IEA) said in an annual report to the Clean Energy Ministerial (CEM) here today.
“The drive to clean up the world’s energy system has stalled,” IEA Executive Director Maria van der Hoeven told the CEM, which brings together ministers representing countries responsible for four-fifths of global greenhouse-gas emissions. “Despite much talk by world leaders, and despite a boom in renewable energy over the last decade, the average unit of energy produced today is basically as dirty as it was 20 years ago.”
To illustrate this inertia, the report, Tracking Clean Energy Progress, introduces the Energy Sector Carbon Intensity Index (ESCII), which shows how much carbon dioxide is emitted, on average, to provide a given unit of energy. The ESCII stood at 2.39 tonnes of CO2 per tonne of oil equivalent (tCO2/toe) in 1990, and had barely moved by 2010, holding at 2.37 tCO2/toe.
.......... "
-----image : 「Tracking Clean Energy Progress 2013」(p22 Renewable Power)
関連
・Clean Energy Ministerial 4 (CEM4) 17–18 April 2013, New Delhi, India - 17 Apr 2013, International Energy Agency Releases 2013 Tracking Clean Energy Progress Report
・菅原経済産業副大臣がムンバイを訪問するとともに第4 回クリーンエネルギー大臣会合に出席しました-----経済産業省、平成25年4月19日(追加情報)
・PM: India to double renewable energy capacity by 2017-----The Hindu,April 17, 2013
・IEA report reveals the world is stalling on clean energy targets-----Renewable Energy Magazine, 17 April 2013
・IEA : Tracking Clean Energy Progress (2012)
・IEA : Tracking Clean Energy Progress 2013
・クリーンエネルギーの開発ペース、温暖化抑制には遅すぎる=IEA-----ロイター、2013年 04月 17日
"IEAによると、2000─2010年の石炭火力発電の増加率は45%だったのに対し、非化石燃料による発電増加率は25%にとどまった。"
・世界のクリーンエネルギーへの取り組みは停滞=IEA-----ウォールストリートジャーナル、2013年 4月 17日
"IEAの報告書に先立ち、前日には地球温暖化の対策として世界を代表する計画である欧州連合(EU)のCO2の排出権取引制度(ETS)が暗礁に乗り上げた。欧州議会はカーボン市場を支援する提案を却下した。"
コメント続き
第四回Clean Energy Ministerial Meetingにおける日本の存在感は予想通りゼロなんだが、、、。それにしても、世界としてみるとエネルギー問題は、結局依然化石燃料であることを痛感する状況ですね。その中で、苦闘しつつも、日本よりも大事に再生可能エネルギーの芽を育てようとしている国々があることも事実です。再生可能エネルギーに一定の割合で支えられる国、再生可能エネルギーによりエネルギー的な自立を実現する”地域”の連帯と拡大という地道な取り組みを日本でも進めなければいけません。2020年(台)に20%再生可能エネルギーを積み上げた努力の上に得るような進み方を大切にしたいものです。
参考エントリー
・EU、欧州委員会は、2020年再生可能エネルギー20%目標を検証-----ソフトエネルギー、2013/03/28
・クリーンエネルギーの潜在力の大きさは、あなたの予想を超えている - ブルームバーグ NEF-----ソフトエネルギー、2013/04/10
・エイモリー・B・ロビンスさんが「新しい火の創造」について語る - 2/26自然エネルギー財団シンポジゥムより-----ソフトエネルギー、2013/02/27
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