九州電力、鹿児島で250KW小規模地熱バイナリー発電設備実証試験を、さらに大分の大岳地熱発電所の更新手続きを開始
九州電力の地熱発電への取り組みの話題が2題ありました。
まずは、鹿児島で250KW小規模地熱バイナリー発電設備実証試験を開始しました。鹿児島県指宿市の九州電力株式会社山川発電所(定格出力:3万kW)構内において、小規模地熱バイナリー発電設備(定格出力:250kW)を設置し、実証試験を開始しました。約2年間の実証試験が行われます。システムは川崎重工のグリーンバイナリータービンです。
プレスリリース / 九州電力、平成25年2月28日
・小規模地熱バイナリー発電設備実証試験の開始について
-----image(”設備外観”) : 同プレスリリースより
"鹿児島県指宿市の九州電力株式会社山川発電所(定格出力:3万kW)構内において、九州電力株式会社と川崎重工業株式会社は、小規模地熱バイナリー発電設備(定格出力:250kW)を設置し、2月26日に実証試験を開始いたしました。今後、約2年間の実証試験を行い地熱への適用可能性について検証を行います。
なお、本設備は、川崎重工業株式会社が工場の排熱等の有効活用を目的に開発したグリーンバイナリータービンを採用しており、地熱への適用が可能になれば、地熱資源が賦存する離島等への導入が期待できます。
..........
以下 添付資料より定 格 出 力 250kW
媒 体 代替フロン
熱 源 地熱熱水
幅×奥行き×高さ 約13m×約9m×約7m
..........
「地熱バイナリー発電方式」の概要
バイナリー発電とは、加熱源により沸点の低い媒体を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回す方式である。加熱源系統と媒体系統の二つの熱サイクルを利用して発電することから、バイナリーサイクル(Binary※ -Cycle)発電と呼ばれている。
地熱発電にバイナリーサイクルを導入すると、従来方式では利用できない低温の蒸気・熱水を有効に利用することができる。
今回の山川発電所の実証試験においては、地下に還元する熱水を気水分離して加熱源とし、媒体サイクルには代替フロンを使用している。※Binaryとは「2つの」という意味であり、Binary-Cycleは熱サイクルを二つ利用しているということ。
関連
・川崎重工 : プレスリリース / 2013年02月28日 川崎重工 小規模地熱バイナリー発電設備実証試験の開始について(PDF:229.8KB)
- グリーンバイナリータービン
-----image : 上記サイトより
"【イラストぎじゅつ入門】未利用の低温排熱を回収して有効活用する、「グリーンバイナリータービン」のしくみ(PDF)"
・川崎重工と九州電力、250KW小規模地熱バイナリー発電設備実証試験を開始-----ソフトエネルギー、2011/09/01
初出
・週刊GreenPost 62号 2013/2/25-3/1日版 しなやかな技術研究会 P.2(川崎重工と九州電力、250KW小規模地熱バイナリー発電)
さらに九州電力は、昭和42年8月に運転を開始した大分県玖珠郡九重町の大岳発電所(地熱)1万2,500kWが老朽化したたため、地熱発電施設の更新の手続きに入りました。新しいシステムは、1万5,000kW級で、運転開始 は、平成31年を予定しています。今回、環境影響評価方法書の届出・送付などの手続きを開始しました。
プレスリリース / 九州電力、平成25年2月25日
・大岳発電所の更新並びにそれに伴う環境影響評価方法書の届出・送付等について
-----image : 上記リリースより
"大分県玖珠郡九重町の大岳発電所(定格出力1万2,500kW)は、昭和42年に国内初の事業用地熱発電所として営業運転を開始し、安定的に運転を継続しながら45年を経過しております。
今回、発電設備の老朽化の状況を踏まえ、今後も継続して国産エネルギーとしての地熱資源の有効活用を行うため、発電設備の更新を実施いたします。
更新に当たり、生産井及び還元井は現状の設備を継続的に使用することとし、地元の皆さまのご協力のもと、引続き貴重な地熱資源を活用してまいります。それに伴い、本日、環境影響評価法及び電気事業法に基づき、「大岳発電所更新計画 環境影響評価方法書」(以下、方法書)及びこれを要約した書類(以下、要約書)を経済産業大臣に届け出るとともに、大分県知事、九重町長に送付いたしました。
届出・送付した方法書及び要約書につきましては、環境影響評価法に基づき、縦覧するとともに、方法書説明会を開催することとしています。
.......... "
九州電力には、現在以下のような地熱発電所があります。年月日は、発電開始のデーターです。
”大岳発電所 昭和42年8月 12,500kW 八丁原1号機 昭和52年6月 55,000kW 八丁原2号機 平成2年6月 55,000kW滝上発電所 平成8年11月 27,500kW
大霧発電所 平成8年3月 30,000kW ”-----九州電力 : 地熱発電所の紹介より
九州の地熱発電のポテンシャルは、関東以北には比べるほどではないが、関東以西では、もっとも可能性があります。今後、温泉発電としてのバイナリー発電やより本格的な地熱発電所が展開する余地は、まだまだあります。
参考
・環境省 : 平成22年度 再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書 / 第6章 地熱発電の賦存量および導入ポテンシャル
初出
・週刊GreenPost 62号 2013/2/25-3/1日版 しなやかな技術研究会 P.3(大岳発電所の更新)
おすすめエントリー
・週刊GreenPost 63号 しなやかな技術研究会 2013-No.9
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