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JEFエンジニアリング、鹿児島県指宿で1.5MWクラスのバイナリー地熱発電所を受注

 JEFエンジニアリングは、鹿児島県指宿市で1.5MWクラスのバイナリー地熱発電所の発電プラントの設計および建設を受注しました。これは、新日本科学が所有する温泉を利用した宿泊施設「メディポリス指宿」において、その敷地内に定格1500kW級、つまり1.5MWクラス(年間発電量:約900万kWh)のバイナリー発電施設を建設するものです。
 バイナリー発電方式は、地下から噴出する地熱流体(蒸気・熱水)の熱で低沸点媒体を蒸発させタービンを駆動する発電方式です。この方式は蒸気に加え、熱水も利用できるため、地熱流体の熱エネルギーを無駄なく高効率に発電することができます。
 また、発電に利用した蒸気・熱水は、熱交換を終えた後、すべて坑井を通じて地下に還元することができます。空気中に蒸気や水滴等の排出がなく地熱貯留層を保全します。また空冷式のため白煙や着氷が発生することがなく環境への影響が少ないシステムです。

 採用されたバイナリー発電システムは、米国のオーマット社のもので、同社は世界各地で300ユニット以上の実績があります。オーマット社のサイトをみると、1.5MWは最小のシステムとなっています。100MWを越えるシステムもあり、世界の地熱発電の取り組みの大きさを知ることができました。
 JEFエンジニアリングのプレスリリースでも紹介されているハワイ島のプナ地熱発電所は、1992年に建設された38MWの地熱発電所です。Googleマップで場所をご覧になってください。


 今回建設される指宿のシステムは、1.5MW級で、生産井と還元井が各 1 本掘削され、年間発電量は、約 900 万 kWh/年、一般家庭 約 2,500 世帯分に相当する内容が期待されています。稼動開始は、 2014年9月の予定です。


プレスリリース / JEFエンジニアリング、2013年02月20日
地熱バイナリー発電設備の受注~新規地熱発電所建設で初となる高性能バイナリー発電システムを採用

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-----image(”発電の仕組み ”) : 同リリースより

"JFEエンジニアリング株式会社(略)は、株式会社九電工(略)より、鹿児島県指宿市で株式会社新日本科学(略)グループが計画する地熱発電事業における発電プラントの設計および建設を受注しましたのでお知らせします。

 この地熱発電所は、新日本科学が所有する『メディポリス指宿』の敷地内に定格1500kW級(年間発電量:約900万kWh)の施設規模で計画されており、蒸気と熱水の両方を利用して最大の発電量を得るためにバイナリー発電※1を採用しています。

バイナリー発電方式は、地下から噴出する地熱流体(蒸気・熱水)の熱で低沸点媒体を蒸発させタービンを駆動する発電方式です。この方式は蒸気に加え、熱水も利用できるため、地熱流体の熱エネルギーを無駄なく高効率に発電することができます。
 また、発電に利用した蒸気・熱水は、熱交換を終えた後、すべて坑井を通じて地下に還元することができます。空気中に蒸気や水滴等の排出がなく地熱貯留層を保全します。また空冷式のため白煙や着氷が発生することがなく環境への影響が少ないシステムです。

 今回当社が建設するバイナリー発電設備は、2010年6月に業務提携をした米国のオーマット・テクノロジーズ社(オーマット社)※2製の設備です。オーマット社のバイナリー発電設備は世界各地で300ユニット以上の実績があり、今回、国内で新規に開発される地熱発電所で採用されることになりました。

 今回の計画は、わが国において1999年の八丈島地熱発電所以来のメガワット級新規地熱発電所です。今後各地で地熱発電所の計画が活性化すると見られており、当社は今後も地熱発電の推進に高い技術力をもって貢献してまいります。

【受注概要】
事 業 者 株式会社メディポリスエナジー (新日本科学子会社)
..........
注 文 主 株式会社九電工
工 事 名 メディポリス指宿発電所 建設工事(仮称)
工事場所 メディポリス指宿敷地内
(鹿児島県指宿市東方唐船ヶ迫4644番地)
工事概要 地熱バイナリー発電設備建設工事 一式

※1 地熱バイナリー発電システム
地熱流体の熱を用いて低沸点媒体を沸騰させタービンを回し発電する設備。地熱流体のサイクルと低沸点媒体の2つの(バイナリー)サイクルを持つことから地熱バイナリー発電という。投入した地熱流体の成分や流量を変動させることなく回収できるため、地下の地熱資源に与える影響がすくない。
..........
E12025_02
-----image(”オーマット社製バイナリー発電設備
(ハワイ・プナ地熱発電所)”) : 同リリースより
..........
※2 オーマット・テクノロジーズ社(オーマット社)
○ニューヨーク証券取引所に上場
○本社 : 米国ネバダ州
○業務内容 : 地熱および廃熱回収発電設備の設計・製造・販売・現地施工および関連サービス
地熱および廃熱回収発電設備の所有、運転
○日本総代理店 : 伊藤忠商事株式会社
.......... "

関連
新日本科学 プレスリリース / 成24年11月30日 地熱発電事業に関するお知らせ

"..........当社が保有する『メディポリス指宿』(鹿児島県指宿市)の敷地内で地熱発電の事業化に向けた調査・検討を行う旨のお知らせをいたしました。その後、調査の結果、十分な熱量を有する地熱貯留層が存在することが確認されたため、発電事業を目的とした子会社(株式会社メディポリスエナジー)を設立、当該子会社によって、地熱発電の事業性について検討してまいりました。
今回、鹿児島県環境審議会温泉部会による地熱発電事業の操業に向けた生産井および還元井の掘削許可(「事業用井戸」に転用、以下同じ)を申請していましたところ、本日、審議会を経て、発電事業を推進することになりましたので、お知らせいたします。
..........
2.事業概要
(1)主な事業内容 地熱発電事業(発電した電力は全量売電)
(2) ①発電方式 バイナリー発電方式
規格
②定格 1,500kW 級
③井戸 2 本(生産井、還元井 各 1 本)
(3)年間発電量 約 900 万 kWh/年;一般家庭 約 2,500 世帯分に相当
(4)稼動開始時期 2014 年 9 月予定
(5)CO₂削減量
約 3,000t/年;普通乗用車 約 1,300 台分、森林吸収 約 1,400ha、一般家庭 約 450 世帯分にそれぞれ相当
.......... ."

メディポリス指宿

ORMAT / ORMAT® ENERGY CONVERTER (OEC)
- Picture Gallery
- Puna Geothermal Venture (PGV), Hawaii, USA

"Project Higlights
Location: United States of America
Year: 1992
Capacity: 38 MW
Ownership: ORMAT"

Hawaiiormat_geothermalplant
-----image : Googleマップで、Hawaii,Puna Geothermal Venture を表示

初出
週刊GreenPost 61号 2013/2/18-22 日版 しなやかな技術研究会 P.3

追加情報


買取制度で初めて1MW超の地熱発電、鹿児島の指宿温泉で運転開始-----スマートジャパン、2015年02月20日

"..........メディポリス指宿」の340万平方メートルに及ぶ敷地の中に、米国製の地熱発電設備を導入して2月18日から運転を開始.......... "


おすすめエントリー
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安倍晋三首相 ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で演説





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