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大京、日本初の太陽熱利用戸別給湯システム搭載の「ライオンズ練馬レジデンス」を発表

 大京は、日本初の太陽熱利用戸別給湯システムを設備した「ライオンズ練馬レジデンス」を3月中旬より販売すると発表しました。地上 4 階建て、総戸数 61戸のライオンズ練馬レジデンスの太陽熱温水システムは、屋上で集熱し、各戸の貯湯タンクのお湯を温め、高効率熱源機エコジョーズと組み合わせ、バスルームやキッチンなどに効率よく給湯することができるものです。

 また、ガスの消費量はリモコンで、電気の消費量はパソコンで確認できる、「見える化」なども備え、環境やエネルギーを意識した生活を支援するしくみが取り入れられているということです。

 ひさしぶりに、太陽熱温水器の話題をアップしました。もっと利用したい太陽熱温水器です。情報を意識して集めていきたいと思います。


プレスリリース /大京、 2013年2月20日
ニュースリリース / 日本初※1「太陽熱利用戸別給湯システム」マンション「ライオンズ練馬レジデンス」プロジェクト始動

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-----image : 同リリースより

"株式会社大京(略)では、成熟した住宅地の練馬区豊玉中四丁目で、現在建設中の「ライオンズ練馬レジデンス」(地上 4 階建て、総戸数 61 戸)の事前案内会を 2 月 9日(土)から開始しており、販売を 3 月中旬より行うことといたしましたので、お知らせいたします。
 当マンションは、西武池袋線「練馬」駅より、徒歩 11 分の良好な環境が広がる第一種低層住居専用地域に建設され、日本で初めてとなる太陽熱を利用した「太陽熱利用戸別給湯システム」を導入しました。このシステムは、屋上で集熱された太陽熱を利用して各戸の貯湯タンクのお湯を温め、高効率熱源機エコジョーズと組み合わせることで、バスルームやキッチンなどに効率よく給湯するシステムです。更に、「ライオンズ練馬レジデンス」では、ガスの消費量はリモコンで、電気の消費量はパソコンで CO2 削減量はリモコンとパソコンでエネルギーの「見える化」を実現し、また自然の力で心地良い室内環境をつくるパッシブデザインなど、エコロジー志向の先進設備や仕様を数々採用し、環境に優しく、そして住む人にも優しい居住性・機能性に優れた住まいを提供します。

※1:屋上に戸別の集熱器(太陽熱パネル)を設置し、各住戸の貯湯タンクにお湯をためるシステムを、集合住宅の全住戸に導入した
のが、日本で初めてとなります。(東京ガス株式会社調べ/2012 年 8 月現在)

■「ライオンズ練馬レジデンス」の 4 つの特徴
1.日本初「太陽熱利用戸別給湯システム」を導入
2.閑静な第一種低層住居専用地域に建つ
3.自然の力を利用したパッシブデザイン
4.周辺に美しく調和する低層フォルムと品位や誇りを映し出すエントランスデザイン

1.日本初※1「太陽熱利用戸別給湯システム」を導入
「ライオンズ練馬レジデンス」では住まい自らエネルギーをつくりだす創エネルギーシステムとして集合住宅では日本初の「太陽熱利用戸別給湯システム」を導入しました。

Daikyosolarwaterheater2
-----imag(”太陽熱利用戸別給湯システム概要”) : 同リリースより

 同システムの提案により、当社は 2012 年 8 月 1 日に、経済産業省資源エネルギー庁が一般社団法人新エネルギー導入促進協議会に委託している事業である「再生可能エネルギー熱事業者支援対策事業」の補助事業対象者に決定し、補助対象経費のうち、補助率 3 分の 1 を限度に補助金が受けられることとなっております。同事業は、再生可能エネルギーの熱利用導入事業者を補助事業対象者として支援するものです。
 また、東京都(補助金交付団体:公益財団法人東京都環境公社)が都内への太陽熱利用システムの導入拡大を進めることを目的で、都内における新築の集合住宅等に太陽熱利用システムを設置する事業者に対して補助を行う「東京都集合住宅等太陽熱導入促進事業」に、現在補助金の交付申請中です。
 同申請が承認されることで、補助対象経費の 2 分の 1(国等が交付する補助金その他の給付金を受ける場合は、当該給付金を控除)を限度に補助金が受けられることとなっております。

・参考資料
「再生可能エネルギー熱事業者支援対策事業」の補助対象事業者に決定
http://www.daikyo.co.jp/dev/files
/20120823_2.pdf
.......... "

初出
週刊GreenPost 61号 2013/2/18-22 日版 しなやかな技術研究会 P.2

おすすめエントリー
週刊GreenPost 62号 2013/2/25-3/1日版 しなやかな技術研究会

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エイモリー・B・ロビンスさんが「新しい火の創造」について語る - 2/26自然エネルギー財団シンポジゥムより

 ロッキーマウンテン研究所のエイモリー・B・ロビンスさんが、自然エネルギー財団シンポジゥムに昨日参加し、その模様の動画、そして資料が公開されました。氏の本の翻訳本は、ダイヤモンド社から新しい火の創造
エネルギーの不安から世界を解放するビジネスの力
を昨年10月に出版されています。今回の講演もこの本の主旨にそったものです。

 車の軽量化による省エネの可能性、建物の省エネの可能性、再生可能エネルギーの可能性について熱く語っておられます。日本の可能性についても言及されています。

「 リーダーとしての日本が復活することを! 」

国際シンポジウム REvision2013 - 新しい自然エネルギーの未来を創造する

Reinventing_fire1
-----image(”Reinventing Fire: U.S. Economy Free From Oil and Coal”) : 講演資料より

"..........
エイモリー・B・ロビンス資料DL
(ロッキーマウンテン研究所 共同創設者・会長・チーフサイエンティスト)
.........."

Reinventing_fire2
-----image(”Renewable Energy’s Costs Continue to Plummet, Wind and photovoltaics: U.S. real capital cost trends”) : 講演資料より

Reinventing_fire3
-----image(”Choreographing Variable Renewable Generation, Texas summer week, 2050”) : 講演資料より

関連
Ustream録画 : 開会の辞&基調講演(エイモリー・B・ロビンスさん講演を含む)

016978thumb208xauto22535-----image : 「ダイヤモンド社 : 新しい火の創造 エネルギーの不安から世界を解放するビジネスの力」カバー

自然エネルギー財団イベント「国際シンポジウム REvision2013 - 新しい自然エネルギーの未来を創造する」-----自然エネルギー、2013/02/26

Rocky Mountain Institute : Amory B. Lovins


参考エントリー
エイモリー・ロビンス、第四の道を語る-----ソフトエネルギー、2010/04/30

ボストン6/24-AM9(JPN 6/24-PM22)エイモリー・ロビンズ氏バーチャルカンファレンスに登壇-----自然エネルギー、2009/06/23

一人あたり2000Wで暮らす生活 エイモリー・ロビンスさんのインタビュー”2000-watt society”-----ソフトエネルギー、2009/03/26

INTERVIEW : Lovins on Nuclear(A・ロビンス、原子力を語る) / クリッピング Corporate Knights-----ソフトエネルギー、2006/07/20

イベント 5/21 エイモリー・B・ロビンス講演会 化石燃料から分散型自然エネルギー時代へ-----ソフトエネルギー、2005/05/10


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オーストラリアにおける再生可能エネルギーは新規の化石燃料発電よりも安い - ブルームバーグ NEF

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス Bloomberg New Energy Finance の最新の報告によると、世界第2位の石炭輸出国であるオーストラリアでは、包括的なコストの比較では、新規の石炭発電よりも風力発電に軍配あがるとのことです。

 資源別の発電コストの包括的モデル
 新規の風力発電所建設----- 1MWあたり 80 A$(83 $)のコストで電力供給が可能
新規の石炭発電所----- 1MWあたり 143 A$
 新規のベースロードガス火力発電所----- 1MWあたり 116A$

 上の計算には、ギラード政権の二酸化炭素排出権価格スキームに基づいた二酸化炭素排出権価格が含まれる。しかし、二酸化炭素排出権価格(経済全体の排出を削減する最も効率的な手法)を除いても、風力エネルギーは新規石炭火力発電よりも 14%、新しいガス火力発電よりも 18%安価である。

 さらに、BNEF のアナリストは、二酸化炭素排出権価格を織り込んだとしても、2020 年までに大規模太陽光発電も石炭やガス火力発電より安くなり、2030 年までにはバイオマスや太陽熱などの実現可能な再生可能エネルギー発電技術もコスト競争力を備えるようになると結論付けている。
 これらの分析から、オーストラリア経済は将来、再生可能エネルギーにより一層強化されるものと予想される。新規化石燃料発電所への投資は、アジア太平洋地域の天然ガス価格が急激かつ持続的に下落しない限り、限定的となる可能性が高いことを示している。

 資源国オーストラリアでは、再生可能エネルギーへの投資が短期、中長期的にも有効だとされ、さらなる政策の強化が期待されている。


 シェールガス革命に沸くアメリカ合衆国でも、日本での評判とはことなり、再生可能エネルギーの政策が強化されることが決まっています。日本のエネルギー政策は、世界の状況分析とはかけ離れた、今の状況に強くしばられています。3.11の国富の数割を失うに等しい被害を現実のものとして受け入れ、原子力発電&核燃料サイクルの地殻的な変動リスクを正しく評価し、世界の化石燃料の可能性と限界を冷静に評価し、再生可能エネルギーを2020年代に数割という規模に拡大させる”現実的”な政策がいまこそ必要とされていると、当しなやかな技術研究会は考えています。


プレスリリース / ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス、2013年2月14日
発表資料  / オーストラリアにおける再生可能エネルギーは新規の化石燃料発電よりも安価  - 7 February 2013 , RENEWABLE ENERGY NOW CHEAPER THAN NEW FOSSIL FUELS IN AUSTRALIA

"世界第 2 位の石炭輸出国であるオーストラリアで新規の石炭発電よりも風力発電に軍配

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス
(BNEF)の最新の調査結果によると、オーストラリアでは今、新規に建設される石炭およびガス火力発電所からの電力に比べ、補助金を受けていない再生可能エネルギーが割安になっている。

BNEF のシドニー分析チームが作成したオーストラリアのエネルギー資源に関する新たなランキングでは、同国における資源別の発電コストが包括的にモデル化されている。この調査結果では、新しい風力発電所では 1 メガワットあたり 80 オーストラリアドル(83 米ドル)のコストで電力供給が可能である。比べて、新規建設した石炭発電所では 1 メガワットあたり 143 オーストラリアドル、新規建設したベースロードガス火力発電所では1 メガワットあたり 116オーストラリアドルのコストがかかる。これらのコストには、ギラード政権の二酸化炭素排出権価格スキームに基づいた二酸化炭素排出権価格が含まれるが、二酸化炭素排出権価格(経済全体の排出を削減する最も効率的な手法)を除いても、風力エネルギーは新規石炭火力発電よりも 14%、新しいガス火力発電よりも 18%安価である。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの最高責任者 Michael Liebreich は、次のように語る。
「化石燃料は安く、再生可能エネルギーは高いという認識は、今や過去のもの。世界で最も化石燃料資源の豊富な国の 1 つで、風力発電が石炭発電やガス火力発電よりも安価であるという事実は、クリーンエネルギーが発電システムの経済性を覆す可能性があることを示している」

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのオーストラリアに関する調査によると、2011年以降、風力発電コストは 10%、太陽電池発電コストは 29%下落している。対照的に、新しい化石燃料発電所のエネルギーコストは高く、そして上昇している。新規建設される石炭火力発電は、資金調達コストが高いため、より高価だ。オーストラリアの 4 大銀行が実施した調査によれば、貸付業者は、排出量の多い事業への投資で被る風評被害に対する十分なリスクプレミアムが確保されなければ、新しい石炭発電には出資しない傾向が示されている。
 新規のガス火力発電は、オーストラリアの液化天然ガス(LNG)輸出市場の大幅な拡大による現地価格の上昇に伴いコストが高くなっている。二酸化炭素排出権価格が、新規の石炭火力発電所やガス火力発電所のコストを押し上げている。この価格は新規施設の稼働期間中にも大幅な増加が予想される。

BNEF のアナリストは、二酸化炭素排出権価格を織り込んだとしても、2020 年までに大規模太陽光発電も石炭やガス火力発電より安くなり、2030 年までにはバイオマスや太陽熱などの実現可能な再生可能エネルギー発電技術もコスト競争力を備えるようになると結論付けている。
これらの分析から、オーストラリア経済は将来、再生可能エネルギーにより一層強化されるものと予想される。新規化石燃料発電所への投資は、アジア太平洋地域の天然ガス価格が急激かつ持続的に下落しない限り、限定的となる可能性が高いことを示している。
「新しい石炭火力発電所がオーストラリアに建設される可能性は非常に低いだろう。今や、化石燃料発電は再生可能エネルギーに比べて高すぎる」と、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのオーストラリアクリーンエネルギー調査代表の Kobad Bhavnagri は述べている。さらに、「ベースロードガスが再生可能エネルギーとかろうじて競争できたとしても、オーストラリアでは、2020 年までは新しいベースロード電源が必要となる可能性が低く、この時期までには、風力発電や大規模 PV が燃焼コストの高い輸出価格のガスよりも大幅に安くなっているはずである。
2020 年から 2030 年までには、風力や太陽の間欠性に対応する新しく革新的な方法が見つかっているだろう。従って、我々は一足飛びに石炭発電から再生可能エネルギーに移行し、二酸化炭素排出権価格の上昇に応じて排出を抑えることができるようになることも考えられる」とも語る。

オーストラリアの大規模な再生可能エネルギー目標による後押しさえあれば、その時までにはクリーンエネルギー投資は増加し、発電部門の二酸化炭素排出量は低下する。今日の経済の新規導入再生可能エネルギーへの強制的な移行にも関わらず、オーストラリアの州政府により1970 年代から 1980 年代にかけて建設された一連の石炭火力発電所は、依然として再生可能エネルギーよりも低いコストで電力を生み出している。これは、元々の建設コストが既に減価償却済みであるためだ。

最後に、Bhavnagri は、次のように述べている。
「現在、風力発電は石炭火力発電所やガス火力発電所を新規建設するよりも安価だが、既に支払いが済んだ古い資産には勝てない。そのため、今何メガワットもの発電量を地中に葬り、エネルギーシステムにおける二酸化炭素排出を無くす技術や経験を積むためには、依然として政策によるサポートが必要である。」
.......... "


コメント続き
 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス Bloomberg New Energy Finance の日本語での情報提供は限られていますが、英語では豊富な情報が提供されています。注目しています。

関連
Bloomberg New Energy Finance

・Twitter : BloombergNEF


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JEFエンジニアリング、鹿児島県指宿で1.5MWクラスのバイナリー地熱発電所を受注

 JEFエンジニアリングは、鹿児島県指宿市で1.5MWクラスのバイナリー地熱発電所の発電プラントの設計および建設を受注しました。これは、新日本科学が所有する温泉を利用した宿泊施設「メディポリス指宿」において、その敷地内に定格1500kW級、つまり1.5MWクラス(年間発電量:約900万kWh)のバイナリー発電施設を建設するものです。
 バイナリー発電方式は、地下から噴出する地熱流体(蒸気・熱水)の熱で低沸点媒体を蒸発させタービンを駆動する発電方式です。この方式は蒸気に加え、熱水も利用できるため、地熱流体の熱エネルギーを無駄なく高効率に発電することができます。
 また、発電に利用した蒸気・熱水は、熱交換を終えた後、すべて坑井を通じて地下に還元することができます。空気中に蒸気や水滴等の排出がなく地熱貯留層を保全します。また空冷式のため白煙や着氷が発生することがなく環境への影響が少ないシステムです。

 採用されたバイナリー発電システムは、米国のオーマット社のもので、同社は世界各地で300ユニット以上の実績があります。オーマット社のサイトをみると、1.5MWは最小のシステムとなっています。100MWを越えるシステムもあり、世界の地熱発電の取り組みの大きさを知ることができました。
 JEFエンジニアリングのプレスリリースでも紹介されているハワイ島のプナ地熱発電所は、1992年に建設された38MWの地熱発電所です。Googleマップで場所をご覧になってください。


 今回建設される指宿のシステムは、1.5MW級で、生産井と還元井が各 1 本掘削され、年間発電量は、約 900 万 kWh/年、一般家庭 約 2,500 世帯分に相当する内容が期待されています。稼動開始は、 2014年9月の予定です。


プレスリリース / JEFエンジニアリング、2013年02月20日
地熱バイナリー発電設備の受注~新規地熱発電所建設で初となる高性能バイナリー発電システムを採用

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-----image(”発電の仕組み ”) : 同リリースより

"JFEエンジニアリング株式会社(略)は、株式会社九電工(略)より、鹿児島県指宿市で株式会社新日本科学(略)グループが計画する地熱発電事業における発電プラントの設計および建設を受注しましたのでお知らせします。

 この地熱発電所は、新日本科学が所有する『メディポリス指宿』の敷地内に定格1500kW級(年間発電量:約900万kWh)の施設規模で計画されており、蒸気と熱水の両方を利用して最大の発電量を得るためにバイナリー発電※1を採用しています。

バイナリー発電方式は、地下から噴出する地熱流体(蒸気・熱水)の熱で低沸点媒体を蒸発させタービンを駆動する発電方式です。この方式は蒸気に加え、熱水も利用できるため、地熱流体の熱エネルギーを無駄なく高効率に発電することができます。
 また、発電に利用した蒸気・熱水は、熱交換を終えた後、すべて坑井を通じて地下に還元することができます。空気中に蒸気や水滴等の排出がなく地熱貯留層を保全します。また空冷式のため白煙や着氷が発生することがなく環境への影響が少ないシステムです。

 今回当社が建設するバイナリー発電設備は、2010年6月に業務提携をした米国のオーマット・テクノロジーズ社(オーマット社)※2製の設備です。オーマット社のバイナリー発電設備は世界各地で300ユニット以上の実績があり、今回、国内で新規に開発される地熱発電所で採用されることになりました。

 今回の計画は、わが国において1999年の八丈島地熱発電所以来のメガワット級新規地熱発電所です。今後各地で地熱発電所の計画が活性化すると見られており、当社は今後も地熱発電の推進に高い技術力をもって貢献してまいります。

【受注概要】
事 業 者 株式会社メディポリスエナジー (新日本科学子会社)
..........
注 文 主 株式会社九電工
工 事 名 メディポリス指宿発電所 建設工事(仮称)
工事場所 メディポリス指宿敷地内
(鹿児島県指宿市東方唐船ヶ迫4644番地)
工事概要 地熱バイナリー発電設備建設工事 一式

※1 地熱バイナリー発電システム
地熱流体の熱を用いて低沸点媒体を沸騰させタービンを回し発電する設備。地熱流体のサイクルと低沸点媒体の2つの(バイナリー)サイクルを持つことから地熱バイナリー発電という。投入した地熱流体の成分や流量を変動させることなく回収できるため、地下の地熱資源に与える影響がすくない。
..........
E12025_02
-----image(”オーマット社製バイナリー発電設備
(ハワイ・プナ地熱発電所)”) : 同リリースより
..........
※2 オーマット・テクノロジーズ社(オーマット社)
○ニューヨーク証券取引所に上場
○本社 : 米国ネバダ州
○業務内容 : 地熱および廃熱回収発電設備の設計・製造・販売・現地施工および関連サービス
地熱および廃熱回収発電設備の所有、運転
○日本総代理店 : 伊藤忠商事株式会社
.......... "

関連
新日本科学 プレスリリース / 成24年11月30日 地熱発電事業に関するお知らせ

"..........当社が保有する『メディポリス指宿』(鹿児島県指宿市)の敷地内で地熱発電の事業化に向けた調査・検討を行う旨のお知らせをいたしました。その後、調査の結果、十分な熱量を有する地熱貯留層が存在することが確認されたため、発電事業を目的とした子会社(株式会社メディポリスエナジー)を設立、当該子会社によって、地熱発電の事業性について検討してまいりました。
今回、鹿児島県環境審議会温泉部会による地熱発電事業の操業に向けた生産井および還元井の掘削許可(「事業用井戸」に転用、以下同じ)を申請していましたところ、本日、審議会を経て、発電事業を推進することになりましたので、お知らせいたします。
..........
2.事業概要
(1)主な事業内容 地熱発電事業(発電した電力は全量売電)
(2) ①発電方式 バイナリー発電方式
規格
②定格 1,500kW 級
③井戸 2 本(生産井、還元井 各 1 本)
(3)年間発電量 約 900 万 kWh/年;一般家庭 約 2,500 世帯分に相当
(4)稼動開始時期 2014 年 9 月予定
(5)CO₂削減量
約 3,000t/年;普通乗用車 約 1,300 台分、森林吸収 約 1,400ha、一般家庭 約 450 世帯分にそれぞれ相当
.......... ."

メディポリス指宿

ORMAT / ORMAT® ENERGY CONVERTER (OEC)
- Picture Gallery
- Puna Geothermal Venture (PGV), Hawaii, USA

"Project Higlights
Location: United States of America
Year: 1992
Capacity: 38 MW
Ownership: ORMAT"

Hawaiiormat_geothermalplant
-----image : Googleマップで、Hawaii,Puna Geothermal Venture を表示

初出
週刊GreenPost 61号 2013/2/18-22 日版 しなやかな技術研究会 P.3

追加情報


買取制度で初めて1MW超の地熱発電、鹿児島の指宿温泉で運転開始-----スマートジャパン、2015年02月20日

"..........メディポリス指宿」の340万平方メートルに及ぶ敷地の中に、米国製の地熱発電設備を導入して2月18日から運転を開始.......... "


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九州工業大学工学研究院の研究グループ、水力発電ユニットの開発について国際コンテストで最高賞を受賞

 九州工業大学工学研究院の研究グループは、小型水力発電ユニットの開発について韓国で開催された国際コンテストで最高賞を受賞しました。リリースでは、韓国で開催された「再生可能エネルギー技術に関する国際デザインコンテスト」としか書かれていませんでしたが、タイミング的には、The 2013 International Capstone Design Contest on Renewable Energy Technologyのようです。

 さて、この記事をクリップした理由は、相反転方式の小型水力発電機に興味があったからです。九州工業大学 ターボ機械研究室のホームページには、相反転式水力発電ユニットとして紹介されています。通常の発電機は、側に固定子の磁界があり、その中を回転子が回転します。固定子と回転子双方の磁界の相互作用により発電するわけです。
 九州工業大学の相反転式は、まず二重のプロペラがあり、一つは回転子を回し、二番目のプロペラが固定子に直結していて、これも回転させることができる仕組みになっています。そして、両者は反対に回転します。すごい発想ですね。これによりどれくらい発電量が増えるのかは、回転が早すぎると反対にプロペラが回転することによる損失が多くなるので、より低い回転で発電量を増やすという条件に適合すると、従来の発電機の最大で倍近くの発電量になります。(日本流体力学会 http://www.nagare.or.jp/
-刊行物 ながれ 第31巻 (2012) 第1号 2012年2月 発行
http://www.nagare.or.jp/publication/nagare/
archive/2012/1.html  [ハイドロファームを夢見て (735KB)39 金元敏明]より)

 この二重プロペラで回転子と固定子が反対に回転する装置は海外でもありますが、性能については、よくわかっていなかったのですが、今回の資料を見て、難しさと可能性の両方を少し知ることができました。


プレスリリース / 九州工業大学、2013.02.08
本学の研究グループが、水力発電ユニットの開発について国際コンテストで最高賞を受賞!
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-----image(”発電ユニットを設置した用水路(三重県立梅町)”) : 同リリースより

"平成25年1月24日(木)、本学工学研究院 金元敏明教授の研究グループが、韓国で開催された「再生可能エネルギー技術に関する国際デザインコンテスト」において最高賞を受賞いたしました。
 今回受賞したのは、同グループが開発した高性能で小型の水力発電ユニット。これまでにない「相反転方式」を採用し、簡易的に設置が可能な発電装置として高い評価を得ました。
 平成24年1月から、プロジェクトが発足。学生5人で設計・組立て等を分担し、約3ヶ月かけて実証機を製作しました。
 このプロジェクトは、三重県立梅(たちばい)町で江戸時代から利用されている用水路を、歴史的な遺産として活用したいという地域の思いと、本学の「相反転方式の水力発電」の研究がタッグを組んで実現したもの。
 チームリーダーの工学府博士前期課程2年、高野剛気さんは、「今回実証機を製作する過程で、実際にやってみたからこそ分かるトラブルを経験したり、地域や業者の皆さんなど、様々な方と一緒に一つの物を作り上げていく事を体験できました。私はまもなく卒業しますが、引き継いでくれる後輩達がさらに研究をすすめ、多くの方に本ユニットを利用していただけるようになればと思っています。」と話していました。
.......... "

関連
九州工業大学 ターボ機械研究室
- 相反転式水力発電ユニット

日本流体力学会
 - 刊行物 ながれ 第31巻 (2012) 第1号 2012年2月 発行
[ハイドロファームを夢見て (735KB)39 金元敏明]

風力発電ユニットと連動する相反転方式軸流ポンプ水車の提案----- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター ID:201102236294647302 整理番号:11A1670925

"著者:村上天元 (九州工大)、高野剛気 (九州工大 大学院)、笠原梨沙 (九州工大 工)・・・
資料名:ターボ機械協会講演会 巻:66th ページ:102-107
発行年:2011年"

初出
週刊GreenPost 59号 2013/2/4-8日版 しなやかな技術研究会 P.3

”九州工業大の金元敏明教授(流体機械)らの研究グループが、新機軸の小型水力発電機を開発中とか。”相反転式水力発電ユニット”、資料結構ありました。日本流体学会の学会誌にはデーターも掲載されていました。”

参考
九州工業大学フォーミュラチーム


おすすめエントリー
週刊GreenPost 61号 2013/2/18-22 日版 しなやかな技術研究会

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富山県、二上浄化センターに放流水利用の10kW小水力発電設備が完成

 富山県は、二上浄化センターに未利用エネルギーとしても注目される下水処理水の放流水を利用した小水力施設を完成させました。
 この二上浄化センター小水力発電施設は、下水処理後の放流水を小矢部川に流す前に利用するもので、その落差は約2.0m、最大使用水量はおおよそ0.85立方メートル/sです。設置された投げ込み式水車型マイクロ水力発電機の最大出力は、10kW。
 総事業費は、約3,200万円(負担割合:国50%、県25%、関係市25%)で、所内電力として活用。二上浄化センターで利用される年間使用電力量の約0.6%をまかなう計算だということです。電気代としては、年間約74万円の節約が可能であるということです。
 下水施設における放流水を利用するメリットとしては、未利用なエネルギーの活用であること、そして水利権の取得が不要である点があり、同様の施設であれば、簡単に設置できることから、今後の他所での展開が期待できそうです。


プレスリリース / 富山県 都市計画課、2013/2/5
富山県 報道発表一覧 / 二上浄化センター小水力発電施設の竣工式について

20130205toyamasewerage10kwmicrohydr
-----image : 同リリースより

"小矢部川流域下水道二上浄化センターにおいて、県が整備を進めていた小水力発電施設がこのたび完成しました。つきまして、下記のとおり竣工式を開催しますのでお知らせします。
..........
2.二上浄化センター小水力発電施設の概要
(1)形 式 投げ込み式水車型マイクロ水力発電機
(最大使用水量:約0.85m3/S 有効落差:約2.0m)
(2)最 大 出 力 10kw(年間発電量:約8万kwh、一般家庭約21軒分)
(3)総 事 業 費 約3,200万円(負担割合:国50%、県25%、関係市25%)
(4)用 途 二上浄化センター所内電力として活用(年間使用電力量の約0.6%)
(5)特 徴
・未利用エネルギーである下水処理水の放流落差を利用し、水利権取得が不要。
・県内企業製造のマイクロ水力発電機を県内で初採用。
・下水処理水を利用するため、ゴミの撤去が不要。
(6)事 業 効 果
・維持管理費用が低減できる。(年間電気料金の低減額 約74万円)
・温室効果ガス削減効果がある。(年間温室効果ガス削減量 約33t-CO2)
・再生可能エネルギーを積極的に活用することにより、広く県民に「環境に配慮し
た下水道事業」をPRできる。
.......... "

関連
富山県 : 下水道の役割と種類・下水道資源の有効活用等について - 流域下水道とは

"小矢部川流域下水道(二上浄化センター)の処理フロー図"

水利権取得の必要がない下水処理水を利用して小水力発電---スマートジャパン、 2013年02月07日

初出
週刊GreenPost 60号 2013/2/12-15日版 しなやかな技術研究会 P.4


おすすめエントリー
週刊GreenPost 61号 2013/2/18-22 日版 しなやかな技術研究会

民主党、エネルギー政策の見直しの見直し、議論の場「総合部会」が具体的に-----自然エネルギー、2013/02/21

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国書刊行会グループのセイユウ、北海道初のFIT地熱適用案件となる100kWバイナリー、温泉発電事業を実施へ

 出版社の国書刊行会グループのセイユウは、北海道川上郡弟子屈町にて、温泉発電事業を実施すると発表しました。この案件は、国の固定価格買取制度の適用案件と平成25年2月19日付けで認定されました。地熱利用で北海道初の再生可能エネルギー固定価格買取制度活用事例となります。

 北海道経済産業局の発表によると、発電設備区分は、地熱発電設備(15,000kW未満)。調達価格は、42円/kWhで調達期間は15年となります。発電設備名称は、摩周湖温泉熱利用温度差発電施設。発電機は、ゼネシス社のマイクロバイナリーMini-DTEC、出力100kWです。運転開始予定は、平成25年9月1日とのことです。

 具体的には、毎分500リットル、97℃の温泉水で60~80kWの発電が目標で、発電後の温排水を2万~3万立方メートルのビニールハウスの温室用に使用、野菜栽培等の2次利用も計画されているということです。


プレスリリース / 国書刊行会、2013/02/19
北海道弟子屈町における温泉発電事業の実施について
Hokkaidobainarygeothermal
-----image : 同リリースより

"(株)国書刊行会グループの(株)セイユウ(以下、弊社)は、北海道川上郡弟子屈町にて、温泉発電事業を行うべく、再生可能エネルギー発電設備認定を経済産業省に申請しておりましたが、本日付にて許可の連絡を受けましたので、温泉地熱発電の実施をこれより開始いたしますので、お知らせいたします。
 本事業は、本年9月より実証調査も兼ねた本格操業を開始する予定です。発電機は(株)ゼネシスが開発した小型排熱温度差発電装置(Mini-DTEC)を用い、毎分500リットル、97℃の温泉水で60~80kWの発電を目標とします。
 また、発電後の温排水を2万~3万㎥のビニールハウスの温室用に使用、野菜栽培等の2次利用の計画をしており、雇用拡大等の地域との共生と自然エネルギー資源の最大活用をめざします。
 火山国日本国内には、温泉熱資源が至る所に存在しております。純国産のエネルギーであり、環境にやさしく、再生可能エネルギーのフロントラインであります。太陽光や風力発電と異なり昼夜・天候にかかわらず連続して発電できる安定電源でもあります。また弊社の様な中小企業でも、有効な温泉井戸さえあれば容易に参入可能です。弊社の発電事業化により、国内でさらなる利用拡大が望まれることを期待します。
 今後、地域との連携協力のもと環境に十分な配慮を行い、多くの温泉関係者が参入を目指す先導役として、本事業を推進する所存です。
.......... "

関連
温泉を活用した地熱発電設備(バイナリー発電)の法認定について-----経済産業省北海道経済産業局、平成25年2月19日
Fitjapan2013tyoutatsukakaku
-----image : 上記リリース「調達価格・調達期間について(PDF形式/457KB)」より

" 地熱利用で北海道初の再生可能エネルギー固定価格買取制度活用
経済産業省では、エネルギーの安定的な確保及び環境への負荷低減を図るため、平成24年7月から「再生可能エネルギー固定価格買取制度」の運用を開始しました。
 この度、北海道内で初めての地熱発電設備(バイナリー発電)の認定申請があり、本日認定を行いましたので、その概要を公表します。

認定概要

【事業者】
(株)セイユウ(東京都)
((株)国書刊行会(東京都)グループ企業)
【発電設備区分】
地熱発電設備(15,000kW未満)
【発電設備名称】
摩周湖温泉熱利用温度差発電施設(Mini-DTEC)
【所在地】
弟子屈町
【出力】
100.0kW
【運転開始予定】
平成25年9月1日
※発電設備区分による調達価格・調達期間についてはこちらをご参照ください。
調達価格・調達期間について(PDF形式/457KB)
注1.再生可能エネルギー固定価格買取制度:
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づき、法律の認定を受けた再生可能エネルギー発電による電気を一定期間固定価格で買い取る制度。
注2.バイナリー発電:
温泉の熱水など比較的低温(70~150℃)の地熱エネルギーを利用する発電システムで、水より沸点の低い代替フロンやアンモニアなどの媒体を沸騰させタービンを回す発電方式。
.......... "


ゼネシス / 排熱温度差発電(DTEC:Discharged Thermal Energy Conversion)
Dtec_s01
-----image : 上記サイトより

"..........
小型排熱温度差発電(Mini-DTEC)の特徴

小規模な排熱に対応、システムを規格化した装置

安価な設置・発電コストを実現
出荷前に装置をほぼ完成させ、現地設置工事を極力低減する事により実現しました。

シンプルな機器構成と小型化
高性能な機器の開発及び各機器を一体化させることによって、実現しました。

コンテナサイズで、輸送・設置が簡便です
.......... "


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週刊GreenPost 61号 2013/2/18-22 日版 しなやかな技術研究会

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パナソニック HIT太陽電池の変換効率、世界最高の24.7%を達成

 パナソニックは、発電層である単結晶シリコン基板表面に高品質のアモルファスシリコン層を積層することにより作られているHIT(R)太陽電池で、実用サイズ(100cm²以上)の結晶シリコン系太陽電池の変換効率としては世界最高となる24.7%を、研究レベルにおいて達成したと発表しました。この変換効率は、HIT(R)太陽電池の過去最高値(23.9%)を0.8ポイント、これまで実用サイズ(100cm²以上)で報告されている単結晶シリコン太陽電池の最高値を0.5ポイント上回る値です。
 報道などによると、この”他社”のこれまで最高の変換効率、24.2%とされていたのは、サンパワー社のものであるということです。

 今回のリリースを読むと、今回の高効率化は、多層型セルにおけるアモルファス層形成技術に改善による再結合損失の低減、高アスペクト比電極の開発による抵抗損失の低減、低吸収透明電極材料の開発による光学的損失の低減の三つの積み上げによる達成であることがわかります。セル開発の一端を知ることができます。
 今回のセルの厚みは、98µm。つまり、0.098mmですからいかに薄いかわかります。薄さは、低コスト化、省資源化の鍵でもあり、今のセル形成技術のすごさを再認識しました。


プレスリリース / パナソニック、2013年2月12日
実用サイズの結晶シリコン系太陽電池セルで実証 HIT(R)太陽電池が世界最高変換効率※1 24.7%※2を研究レベルで達成

Jn13021211
-----image(”上-要素技術概要図、下-外観”) : 同リリースより-----
Jn13021212

"パナソニックは、HIT(R)太陽電池で、実用サイズ(100cm²以上)の結晶シリコン系太陽電池の変換効率としては世界最高となる24.7%を、セル厚み98µmにて、研究レベルにおいて達成しました。

今回達成した変換効率は、HIT(R)太陽電池の過去最高値(23.9%)を0.8ポイント、これまで実用サイズ(100cm²以上)で報告されている単結晶シリコン太陽電池の最高値※3を0.5ポイント上回る値であり、HIT(R)太陽電池が極めて高い変換効率を有していることが実証できました。

また、セル厚み98µmで世界最高効率を更新できたことは低コスト化の観点でも意義は大きく、今後とも他社に対する差別化戦略として高効率化と低コスト化の両立を推進していきます。

◆高効率化を可能にした要素技術の概要

(1)再結合損失の低減
 HIT(R)太陽電池の特長は、発電層である単結晶シリコン基板表面に高品質のアモルファスシリコン層を積層することにより、電気の素であるキャリア(電荷)※4の再結合損失※5を低減できることにあります。今回、単結晶基板上に、より高品質なアモルファスシリコン膜を基板表面へのダメージを抑制しながら形成する技術を確立しました。その結果、キャリアの再結合損失を低減し、開放電圧(Voc)※6を従来の0.748Vから、0.750Vへと改善しました。

(2)光学的損失の低減
 太陽電池セルの高電流化には、セル表面に到達した太陽光を、より損失少なく発電層である単結晶シリコン基板に導く必要があります。今回、HIT(R)太陽電池において、単結晶シリコン基板を覆うアモルファスシリコン層および透明導電膜層の光吸収損失を低減するとともに、セル表面のグリッド電極の面積を減少させることで遮光損失も低減しました。その結果、短絡電流密度(Jsc)※7を38.9mA/cm²から39.5mA/cm²へと改善しました。

(3)抵抗損失の低減
 太陽電池セルでは、発電した電流を表面のグリッド電極に集め、外部に取り出します。今回、高アスペクト化※8など、グリッド電極の改良を行うことで、電流がグリッド電極中を流れる際の抵抗損失の低減に成功し、その結果、曲線因子(FF)※9を0.822から0.832へと改善しました。

今後、今回開発に成功した高効率化技術の量産品への適用を進めるとともに、さらなる高効率化、低コスト化、省資源化を目指した技術開発に取り組みます。

◆HIT(R)太陽電池セル特性

開放電圧(Voc) 0.750V
短絡電流(Isc)※7、短絡電流密度(Jsc) 4.02A、39.5mA/cm²
曲線因子(FF) 0.832
セル変換効率 24.7%
セル面積 101.8cm²
..........
※12013年2月12日現在、当社調べ
※2産業技術総合研究所における評価結果
※3“Solar cell efficiency tables (version 41)” [Prog. Photovolt: Res. Appl. 2013; 21:1-11]より判断
※4キャリア(電荷)とは、電子(マイナス)と正孔(プラス)の電気の粒のこと。電子がマイナスの電荷を持っているのに対し、正孔は、電子の抜けた抜け殻で、プラスの電荷を持つ
※5再結合損失とは、太陽電池内部で作り出したプラスとマイナスの電気(=キャリア)が太陽電池内部で結合して消滅することにより、取り出せる電流や電圧が減少して、結果として太陽電池の出力が低下すること
※6開放電圧(Voc)とは太陽電池が作り出す最大の電圧
※7短絡電流(Isc)とは太陽電池から取り出せる最大の電流。短絡電流密度(Jsc)はIscをセル面積で割った値。
※8高アスペクト化とは、グリッド電極の線幅に対する高さの割合を高めること。セル表面のグリッド電極は遮光損失となるため、高アスペクト化により遮光損失の低減とグリッド電極の低抵抗化の両立が可能となる
※9曲線因子(FF)とは、太陽電池の最大出力を(開放電圧×短絡電流)で割った値
.......... "

初出
週刊GreenPost 60号 2013/2/12-15日版 しなやかな技術研究会 P.4


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世界風力エネルギー会議 GWEC、リポート Global Wind Statistics 2012 を公開。全世界では、+19%

 世界風力エネルギー会議 Global Wind Energy Council(GWEC)は、2012年の各国の風力発電の設置状況などをまとめたリポート、Global Wind Statistics 2012を公開しました。
  リポートによると、全世界で設置された風力発電の設備容量は、 44,711 MW (昨年2011が41,000 MW) で、19% (昨年2011が21%) 増加に相当。これにより、2012年度末の風力発電の全世界での合計設備容量は、 282,482MW (昨年2011末、238,000 MW) に達しました。

 昨年の大きな話題としては、アメリカ合衆国のの大統領選挙と年末の連邦生産税控除が期限切れを迎える危機がどうなるかということでした。オバマ大統領が再選し、1月1日にはホワイトハウスがきっちりと延長を確約。1月初旬には、延長問題が決着したことで、これまでの勢いを維持できそうです。そのあたりは、AWEAのリポートをご覧ください。

 そのアメリカを抜いて世界一の風力発電大国になった中国。アメリカ合衆国との比較をみると、、、

中国        2012年度実績 13,200 MW 累積 75,564 MW
アメリカ合衆国 2012年度実績 13,124 MW 累積 60,007 MW

 と両国とも13,000MWを新たに積み上げています。日本が、以下のような数字ですから、いかに中国とアメリカ合衆国がともに広い大地を生かして風力発電に熱心に取り組んでいるのかがわかります。
 逆に面積からすると日本もがんばっているが、人口と消費電力を考えるとあまりに少ないということがわかります。

日本 2012年度実績 88 MW 累積 2,614 MW


プレスリリース / Global Wind Energy Council(GWEC),2012/2
Global Wind Energy: Solid Growth in 2012

Gwec_global_2012_statistics
-----image : GWEC -Global Wind Statistics 2012(PDF)より TOP 10 NEW INSTALLED CAPAC ITY JAN- DEC 2012,TOP 10 CUMULATIVE CAPACITY DEC 2012

"China, US vie for market leader position at just over 13 GW of new capacity each

The Global Wind Energy Council released its 2012 market statistics today, showing continued expansion of the market, with annual market growth of almost 10%, and cumulative capacity growth of about 19%. A record year for US installations and a slower market in China mean that the two countries all but tied for the top spot in 2012.

“While China paused for breath, both the US and European markets had exceptionally strong years”, said Steve Sawyer, Secretary General of the Global Wind Energy Council. “Asia still led global markets, but with North America a close second, and Europe not far behind”.

Both the Chinese and Indian markets slowed somewhat in 2012, with their annual installations coming in at 13.2 and 2.3 GW respectively. Market consolidation and rationalisation in China, and a lapse in policy in India were the main reasons, but these conditions are expected to be short-lived, and Asian dominance of global wind markets is expected to continue.

In a last minute rush due to the anticipated expiration of the US’ Production Tax Credit at the end of December, the US industry installed more than 8,000 MW in the fourth quarter of 2012, ending up at 13,124 MW for the year, for all practical purposes tied with China. The “13th hour” extension of the tax credit means that although the US market will slow substantially in 2013, it is unlikely to be as much of a slowdown as was expected, and the nature of the extension bodes well for the 2013 market. Canada had a solid year, and Mexico more than doubled its installed capacity, installing 801 MW for a total of 1370 MW, joining the list of countries (now 24) with more than 1,000 MW of wind power capacity.

European markets, led by Germany and the UK, with surprising contributions from ‘emerging markets’ in Sweden, Romania, Italy and Poland, accounted for 12.4 GW last year, a new record . However, on-going sovereign debt crises mean that the outlook for the 2013 market is uncertain, although Europe’s framework legislation and its 2020 targets ensure a degree of stability. Europe also continued to lead offshore markets, with a 1,166 MW installed, more than 90% of total offshore installations of 1,293 MW in 2012.
.......... "

関連
2012年の風力発電設備容量、世界全体で前年比19%増-----AFP BB News,2013年02月14日

初出
週刊GreenPost 60号 2013/2/12-15日版 しなやかな技術研究会 P.2

参考エントリー
世界風力エネルギー会議 GWEC、リポート Global Wind Statistics 2011 を公開。全世界では、+21%-----ソフトエネルギー、2012/02/13

AWEAのリポート、アメリカの2012年度の風力の実績は、単年度13,124 MW、累積では60GWに-----ソフトエネルギー、2013/02/04


おすすめエントリー
週刊GreenPost 61号 2013/2/18-22 日版 しなやかな技術研究会

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長野県環境エネルギー戦略 ~第三次長野県地球温暖化防止県民計画。小水力に注目中!

 長野県環境エネルギー戦略 (第三次長野県地球温暖化防止県民計画)が公開されています。2013年から2020年までの8年間に取り組む施策や目標を盛り込んだ内容だということです。

 内容は、後日ゆっくり拝見するとして、資料の自然エネルギーのポテンシャル(資料7 )は貴重な資料です。

 
「長野県環境エネルギー戦略 ~第三次長野県地球温暖化防止県民計画~」を策定しました(最終更新日:2013年02月13日)

" 長野県では、より実効性の高い地球温暖化対策を展開するとともに、省エネルギーと自然エネルギーの推進に加え、環境エネルギー政策(エネルギーの適正利用を図る施策・過度な集中的利用の抑制を図る施策・地域主導のエネルギー事業による地域の自立を図る施策)を統合的に推進するため、2013(平成25)年度から2020(平成32)年度までの8年間に取り組む施策や目標を盛り込んだ「長野県環境エネルギー戦略~第三次長野県地球温暖化防止県民計画~」を策定しました。
今後は、県民、事業者、市町村、関係団体等の役割による取組や連携により、持続可能で低炭素な環境エネルギー地域社会(経済は成長しつつ、温室効果ガス総排出量とエネルギー消費量の削減が進む経済・社会構造)の構築を目指します。

 計画全文 (PDF形式:18,855KB/160ページ)
.......... "

Nagano_renewpotential1
-----image(”上-図表 17 長野県における自然エネルギーポテンシャル(熱量換算)、下-図表 18 長野県における自然エネルギーポテンシャルの割合 ”) : 「長野県環境エネルギー戦略 ~第三次長野県地球温暖化防止県民計画~ 資料」より-----
Nagano_renewpotential2

関連
「長野県環境エネルギー戦略~第三次長野県地球温暖化防止県民計画~」及び「長野県地球温暖化対策条例 改正案の主要事項骨子」の中間報告に対する意見の募集結果-----長野県、平成24年12月12日

「長野県環境エネルギー戦略~第三次長野県地球温暖化防止県民計画~」及び「長野県地球温暖化対策条例 改正案の主要事項骨子」の中間報告に対するご意見を募集します-----長野県、平成24年 9月19日


コメント続き
 年末こんなニュースが流れました。長野県は、中部電力への売却方針を撤回した13カ所の県営水力発電所について、県は公営企業として事業継続することを決めたというのです。昨年から始まった固定価格買取制度により水力発電所の安定的な経営が可能と判断されたためです。
 以下の毎日新聞の報道によれば、12年度現在で67億3600万円あった企業債残高は、29年度までに0円になる計算だということです。さらに既存の小水力発電所に加え2箇所(長野市奥裾花と伊那市高遠)の水力発電所の新設も予定されています。

県営水力発電所:県、13カ所を継続 自然エネ普及拡大へ /長野-----毎日新聞、2012年12月16日

 長野県は、よく訪れる県だけに、今後の動向が、特に小水力への取り組みが気になります。ちょっとブックマークを整備しておきます。

参考
長野県 :
長野県内の農業用水を利用した小水力発電施設

Naganohydromap
-----image : 上記サイトより
- 長野県の小水力発電施設

長野県 : 地域密着型小水力発電事業の進め方


初出
週刊GreenPost53号 2012/12/17-21日版 しなやかな技術研究会 P.3


おすすめエントリー
週刊GreenPost 60号 2013/2/12-15日版 しなやかな技術研究会

2030年には、再生可能エネルギーは現在の3倍の規模。エネルギーの6%を担う規模になる - BP Energy Outlook 2030-----自然エネルギー、2013/02/15

BP Energy Outlook 2030 を読む - Naverまとめ

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昭和電線、東京理科大と広い温度領域の熱電変換モジュールを共同開発

 昭和電線と東京理科大は、広い温度領域の熱電変換モジュールの共同開発を推し進めることを発表しました。
 これまでに、昭和電線ケーブルシステムと東京理科大学は、シリサイド系素子のモジュール化に関する基礎検討を実施してきました。昭和電線ケーブルシステムでは、2006 年より 600℃以上で利用可能な酸化物系の熱電変換素子を開発してきました。そして、東京理科大学基礎工学部材料工学科西尾圭史准教授は、量産が可能な放電プラズマ焼結技術を利用した高性能なシリサイド系熱電変換素子の研究開発で多くの成果をあげています。 これまで開発してきた高温度領域(600~800℃)の熱電変換素子と新たなシリサイド系素子を組み合わせることで、より広い温度範囲で効率の良い熱電発電システムが可能になります。
 
 今回の共同研究の課題は、「300℃~600℃の排熱に適用可能な熱電発電システムの開発」で

① 大気中での耐熱性の向上
② 素子/電極接合部の信頼性向上

 が追求されます。

 この熱電変換デバイスにより、工場内の様々なプロセスで生じる排熱や自動車などから発生する排熱の多くで発生する、この中温域と呼ばれる300℃~600℃の温度域の熱エネルギーを利用して発電することが期待されます。


プレスリリース / 昭和電線ホールディングス、2013 年 2 月 6 日
広い温度領域の熱電変換モジュールを東京理科大学と共同開発

Showa_cablenetudentsui
-----image : 同リリースより

" (独)科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の課題に採択

 昭和電線ケーブルシステム株式会社(略)は、学校法人東京理科大学と共同で新しい高効率熱電変換素子を利用した発電システムを共同で開発することになりました。この材料は、シリサイド系材料と呼ばれ、300℃から 600℃の温度領域で優れた特性を持つことが特長です。この新材料とこれまで開発してきた高温度領域(600~800℃)の熱電変換素子を組み合わせることで、広い温度範囲で効率の良い熱電発電システムが可能になります。なお、本共同開発では独立行政法人科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の課題としても採択され、委託研究開発契約を 2012 年 10 月 1 日付けで締結いたしました。

 昭和電線ケーブルシステムでは、2006 年より 600℃以上で利用可能な酸化物系の熱電変換素子を開発してきました。金属系材料では利用が難しかった高温域の排熱が発生する製鉄プロセスやごみ焼却プロセスなどへの応用が期待でき、現在も三重事業所の銅荒引線製造炉を利用して発電試験を行なっています。
 一方、工場内の様々なプロセスで生じる排熱や自動車などから発生する排熱の多くは中温域と呼ばれる300℃~600℃の温度域に広く分布しています。その量は鉄鋼産業、化学工業、窯業などで年間約 4 万テラカロリー(約 17 万テラジュール)と言われています。この排熱の有効利用のひとつとして、この温度域に優れた性能を有し、環境にもやさしいシリサイド系の熱電変換素子が近年注目されています。

 昭和電線ケーブルシステムは、昨年より東京理科大学とシリサイド系素子のモジュール化に関する基礎検討を実施してきました。今回、共同開発を実施する東京理科大学基礎工学部材料工学科西尾圭史准教授は、量産が可能な放電プラズマ焼結技術を利用した高性能なシリサイド系熱電変換素子の研究開発で既に多くの成果をあげています。
 なお、この共同研究は、独立行政法人科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)にも採択され、課題「300℃~600℃の排熱に適用可能な熱電発電システムの開発」で
① 大気中での耐熱性の向上
② 素子/電極接合部の信頼性向上
について研究開発していきます。

 今後、この新しい素子とこれまで培ってきた素子・技術と組み合わせ、300℃から 800℃までの広い温度範囲の排熱をターゲットに中温度領域対応の熱電変換モジュールや高性能な熱電発電モジュールを開発し、省エネルギーや CO2 削減に貢献していきます。

用語説明
熱電変換素子 特定の物質ではその両端に温度差が与えられると、温度差に応じた起電力が発生する(ゼーベック効果)。この現象を利用し熱を直接電気に変換できる様に加工された角柱状や円柱状の材料。

シリサイド シリコンと金属元素から成る化合物。熱電変換材料としてはマグネシウム元素との化合物であるマグネシウムシリサイド、マンガン元素との化合物であるマンガンシリサイド、鉄元素との化合物である鉄シリサイドなどが知られている。

排熱 利用されずに捨てられてしまっている熱エネルギー。動力以外に摩擦熱として消費している熱や工場の製造プロセスにおいてダクトから捨てられている熱、自動車エンジンから排気ガスとして捨てられる熱など排熱は様々な場所で発生している。

放電プラズマ焼結技術 DC パルス電流を試料に通電しながら行う加圧焼結技術。自己発熱により急速昇温が可能であり、焼結サイクルを通常の加圧焼結よりも大幅に短縮できる。また、組織制御や反応焼結が可能である。

モジュール 熱電変換素子を基板上に複数配列し、電極材料で接合したデバイス。モジュールの片面を排熱源に接触させて基板上の素子に温度差が生じると起電力が発生する。これにより熱エネルギーを直接電気エネルギーとして取り出すことが出来る。

研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)  A-STEP は、独立行政法人科学技術振興機構が行なっている国民経済上重要な科学技術に関する大学・公的研究機関等で生まれた研究成果を基にした実用化を目指すための研究開発フェーズを対象とした技術移転支援プログラム。

テラカロリー カロリーやジュールはエネルギーを表す単位で、テラカロリーは10の12乗カロリーに相当する。1 カロリーは 4.18 ジュールに等しい。
..........  "

関連
東京理科大学 : 基礎工学部 材料工学科 西尾研究室
- 2011/10/18 本学教員の「熱電発電装置」に関する研究成果を日経産業新聞が紹介

"基礎工学部 材料工学科 西尾圭史准教授と飯田努准教授の「熱電発電装置」に関する研究成果が日経産業新聞で紹介されました。

熱電発電は金属や半導体の片端を加熱し、もう一端との間に温度差を与えることで電力を生み出すことができるシステムです。今回開発された熱電発電装置は、500から700℃程度の中・高温域の排熱を利用でき、自動車エンジンや工場から出る排熱などを電気に変換することができるものです。

研究グループが試作したp形セラミックス半導体素子とn型Mg2Si半導体素子の二種類の半導体を組み合わせた13×13×10mm3の一対のπ型モジュールは、温度差を500度とすることで約120ミリワットの出力が得られたことから、1平米当たり500W以上の出力が期待でき、実用化に向けてさらに研究を進めています。

■掲載紙
『日経産業新聞』 2011年10月18日付 "

参考
・Wikipedia : ゼーベック効果

・Wikipedia : 熱電対

昭和電線ホールディングス / 2012.11.09 熱電変換効率を10倍に高めた熱電発電デバイスの開発に成功
Showa_cablenetudentsui2
-----image : 上記リリースより

"昭和電線ケーブルシステム株式会社(略)は、高温域 (600~800℃) 対応の酸化物熱電変換素子に低温域(300℃以下)対応の熱電変換素子を組み合わせることで、熱電変換効率を 10 倍(注)に高めた熱電発電デバイスの開発に成功いたしました。このデバイスを使用した実証試験を年内に三重事業所の工業炉にて行ないます。
(注)2011 年昭和電線ケーブルシステム㈱三重事業所での実証試験との比較値

① 高効率熱電発電デバイスの開発
.......... "


コメント続き
 久しぶりに熱を利用して発電する素子(熱電対)の話題をアップした気がします。これまでに記事にした過去の記事をいくつか参考までにあげておきます。

参考エントリー
NECと東北大、身近な熱源から発電できる新原理の熱電変換素子コーティングを開発-----ソフトエネルギー、2012/06/21

パナソニック、温泉の送湯管自体が発電する、傾斜積層構造を用いた熱発電チューブを開発-----ソフトエネルギー、2011/06/24

コマツ(KOMATSU)は、世界最高効率の熱電発電モジュールを開発、販売-----しなやかな技術研究会、2009/02/12


おすすめエントリー
週刊GreenPost 60号 2013/2/12-15日版 しなやかな技術研究会

三菱商事、オランダの洋上風力発電に現地企業と提携し参入-----自然エネルギー、2013/02/14

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Solar Island ソーラーアイランド、3っつの直径25mの発電する島、スイスで建設へ

 以前、UAEで直径5kmの洋上の人工の太陽発電島 Solar Island計画が進行中という記事をアップしました。その後どんな形で実現したのかについては、情報に接する機会もなかったので、忘れていました。今回、スイスで直径25mというサイズで、新たなプロジェクトが動きだしたというニュースを見て、まず過去の様子を調べてみました。

直径5kmの洋上の人工の太陽熱発電島 Solar Island計画が進行中。UAEで実現か-----ソフトエネルギー、2009/02/25

 スイスのNolaris社のサイトによると、Solar Islandは直径20mから200mまでの円形の人工の島の上に、集光式太陽光発電(CPV)または集光型太陽熱発電(CSP)という太陽エネルギー発電装置を搭載し、太陽を追尾する装置により得られるエネルギーの最大化を計るという装置であるということです。計画が発表された当時の直径5kmの人工の島からさサイズ的には小さくなりましたが、苛酷な海洋での利用を考えれば現実的なプランに落ち着いたというところでしょうか。

 2009年にUAEで実施されたプロジェクトでは、砂漠の中に巨大な円形プールを建設し直径80mの人工の太陽熱発電島 Solar Islandが建設され、さまざまなデーターが集められ、良好なトラッキング効果が確認されたということです。具体的に、どのぐらいの発電量の増加が見込めるかなどのデーターは公開されていますが、塩害や波、気象といった苛酷な海上でのテストが次ぎのステップでは必要になります。

Solar Islands - Rotation Test of Prototype in RAK

(SolarIslands,2009/10/27)

 そして、今回発表になった短いリリースによると、今回はスイスのNeuchâtel(ヌーシャテル ; 正しい発音不明)湖に直径25mの太陽電池を取り付けた3つの Solar Islandが建設されるということです。一つのSolar Islandには、33kWpの太陽電池が取り付けられていますので、三つで約100kWpのフローティングソーラーアイランドが建設されることになります。1つの”島”から期待される年間の発電量は、37.100 kWh/年ということです。該当地域の日射量は水平面で年間1200kWh/平方メートルというところですから、日本でも日本海側などにありそうなレベルです。33kWpの太陽光発電で37.100 kWh/年ということから、稼働率を計算してみると、12.8%ぐらいになります。これも常識的な数字です。これだけでは、ソーラーアイランドの効果が計りかねますが、通常のトラッキングシステムでは、15-25%程度の発電量の向上が望めますので、あるていどの皮算用はあるんでしょうね。

 ということで、今回もあまり具体的な情報はありませんでしたが、湖ながら水上での発電プロジェクトに挑むSolar Island計画をこれからも見ていきたいと思います。


News / Solar Island, 30.01.2013
Viteos
-----image : 上記リリースより

"Solar Islands on Swiss Lake
Together with the energy supplier Viteos, Nolaris will build 3 Solar Islands on the Lake Neuchâtel in Switzerland. The islands will have a diameter of 25 meters and will be covered with PV modules. Each island will produce 33 kW electricity, 37.100 kWh per year."

関連
Nolaris : Solar Islands

CSEM : Search results for "solar"

” Nolaris, the CSEM Solar Islands start-up ”
CSEM develops a concept for “Solar Islands” for Production of Electricity and Hydrogen
[http://www.nolaris.ch/files/cp-solarislands-en.pdf]

Swiss_neuchatel_lake
-----image : Googleマップでヌーシャテル湖 を表示

CSP floating labs under construction in Switzerland-----PV Tech, 29 January 2013

参考
Solar Feed in Tariffs / Solar Radiation Map - switzerlandmap


初出
週刊GreenPost 58号 2013/1/28-2/1日版 しなやかな技術研究会 P.3


おすすめエントリー
週刊GreenPost 60号 2013/2/12-15日版 しなやかな技術研究会

人口1400人の小さな島のエネルギー自立。トケラウ Tokelauの英断-----再生可能エネルギー GreenPost、2013-02-13

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三菱商事とシーテック、愛知県田原市で77MWpのメガソーラーを計画

 太陽光発電に関しては次々と大型案件が目白押しの状態が続いています。その中でも大型のプロジェクトが動きだしています。
 三菱商事とシーテックは、愛知県田原市で77MWpのメガソーラーを計画を推進すると発表しました。両社は、具体的には、愛知県企業庁と田原市との間で、田原市に国内最大規模のメガソーラープロジェクトを推進する事について、基本合意。共同で「たはらソーラー合同会社」を2月に設立するということです。施設面積は、田原市緑が浜二号(田原1区)および愛知県田原市白浜二号(田原4区)の2箇所合計で約98ha。総事業費は200億円を超え、2014年度中に中部電力へ売電を開始する予定だということです。
 

プレスリリース / 三菱商事、2013年1月28日
愛知県田原市で国内最大規模のメガソーラープロジェクト

0000018354
-----image(”メガソーラープロジェクト完成予想図”) : 同リリースより

"三菱商事とシーテックで合弁会社設立、2年後に7.7万キロワット発電

 三菱商事株式会社(以下、三菱商事)および株式会社シーテック(以下、シーテック)は、愛知県田原市に国内最大規模のメガソーラープロジェクトを推進する事について、愛知県企業庁(以下、企業庁)および愛知県田原市(以下、田原市)と基本合意いたしました。

 今回の合意を通じ、三菱商事とシーテックは共同で「たはらソーラー合同会社」を2月に設立し、田原市の企業庁所有地で、国内最大規模となる7.7万キロワット(注)のメガソーラープロジェクトを運営してまいります。本件は、本年夏に建設工事に着手、2014年度中に中部電力へ売電を開始する予定です。また、総事業費は200億円超で、約8割をプロジェクト・ファイナンスで調達する予定です。
..........
[ 参考情報 ]

1.今回の発電事業の概要
(1) 事業主体:たはらソーラー合同会社(仮称)
(2) 設置場所:愛知県田原市緑が浜二号(田原1区)および愛知県田原市白浜二号(田原4区)
(3) 発電出力:7.7万kW(太陽光電池モジュール(直流)出力。交流出力は5.5万kW)
(4) 年間想定発電量:約88,000MWh(一般家庭約2万4千世帯に相当)
(5) 総事業費:200億円超 (総事業費の約8割はプロジェクト・ファイナンスによる資金調達を行う予定。)
(6) 売電先 :中部電力株式会社
(7) 施設面積:約98ha
(8) 発電開始時期:2014年度中

2.合同会社の概要
(1) 名称 :たはらソーラー合同会社(仮称)
(2) 設立時期:平成25年2月予定
(3) 事業内容:太陽光発電事業
.......... "

関連
シーテック : 太陽光発電事業

"田原市でのメガソーラープロジェクト(田原1区・4区、三菱商事株式会社との共同事業)"

初出
週刊GreenPost 58号 2013/1/28-2/1日版 しなやかな技術研究会 P.3


コメント続き

国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識では、ランキングだけでなく、これからのメガソーラーのアバウトなリストをできる限りピックアップしています。

 50MWpを超える案件は、下の3件ぐらいですか。となれば、今回の愛知県田原市の77MWpは、少なくとも完成時点でも日本最大になりそうです。

-鹿児島七ツ島メガソーラー発電所 70MW。2013年秋稼働予定
-大分ソーラーパワー 大分県 (丸紅) 81.5MWp 。稼働開始 2014年3月予定
-たはらソーラー・ウインド共同事業(三井化学) 50MWpメガソーラー+6MW 風力(2MW*3基) 2014年 10月運転開始予定

参考
京セラの太陽光発電、タジキスタン共和国の病院に160kWp設置。鹿児島七ツ島メガソーラー発電所 70MWpの工事を開始-----ソフトエネルギー、2012/10/15


おすすめエントリー
週刊GreenPost 60号 2013/2/12-15日版 しなやかな技術研究会

シャープ、高天井照明や街路灯用100Wクラス 照明用LEDデバイスを開発。発光効率143 lm/W !-----しなやかな技術研究会、2013/2/12

日本地熱協会が設立されました - 地熱発電所の建設促進を目指した業界団体-----自然エネルギー、2013/02/10

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アネスト岩田、温泉水や工場排水で利用できる 5.5kW小型バイナリ―発電装置を開発

 横浜市のコンプレッサーや塗装機器の専門メーカー、アネスト岩田は、温泉水や工場排水で利用できる 5.5kW「超」小型バイナリ―発電装置を開発したと発表しました。バイナリ―発電とは、温泉などの熱源から得た熱で直接蒸気を作るのではなく、沸点の低い媒体(今回は作動媒体 HFC245fa)に熱を移し、それを熱循環させることで発電するシステムです。温泉水を加熱源と媒体系統の2つの熱循環を利用することから、バイナリー(二元)といわれます。

 現在、再生可能エネルギーの固定価格買取制度のもとで普及が期待される地熱・温泉利用の現場では、より簡単に小規模に比較的低温な熱源を利用して発電できるバイナリー発電は高い注目と期待を集めています。
 今回アネスト岩田が開発した小型バイナリ―発電装置は、100℃未満の低温温水から発電可能で、少ない温水量に対応(送電端最大出力 5.5kW モデルの場合 190L/min)でき、非常に小型で軽量(おおよそ1.3*1.3*H 1.64m,850kg)です。これまでは、100kW以下のバイナリー発電機であれば、十分に小型と表現できましたが、同社の今回のシステムは、まさに超小型、お湯の量にして、毎分風呂桶一杯ほどの湯量に対応できるということです。温水量が少ない温泉地や中小の工場での普及型発電装置としての活躍が期待されます。
 さらに低出力でも高効率を維持しつつ、低速、低振動、低騒音を実現したとのことで、まさに小規模な事業や施設に最適な仕様になっています。

 今後、同社では、さまざまな熱源への利用拡大を検証しながら、送電端最大出力 5.5kW モデルを2013年度からの販売開始を目指し、報道によれば、今年1月から大分県別府市での実証実験を行っているとのことです。経過をみて、さらに送電端最大出力11kWモデルも開発予定だということです。5.5kWモデルの価格は、設置込みで1千万円以下を目指しているとのことです。ソロバンは、関連に挙げた報道内容を参照してください。なかなかいいソロバン勘定です。

 温泉地では、バイナリー発電で温泉の温度がさがり、ちょうど入浴に最適な温度に下げることができれば、無駄がなく、日本中の温泉地の新たな収益となれば、ちょっとしたブレークスルーになります。


プレスリリース / アネスト岩田、2013.01.21
ホームページ /  小型バイナリ―発電装置の開発

Iwatabinary5_5kw
-----image : 同リリースより

"アネスト岩田株式会社(略)は、温泉水や工場排水を熱源とし、沸点の低い媒体を蒸発させて膨張機を作動させることで発電するバイナリー発電装置を開発しました。

 本年1月には大分県別府市で同装置の実証試験を計画しています。

 バイナリー発電装置の心臓部である膨張機には、当社が空気圧縮機市場や真空ポンプ市場でリードし培ってきたスクロール技術を応用した専用機を採用し、低出力でも高効率を維持しつつ、低速、低振動、低騒音を実現しました。
 今後、当社では、さまざまな熱源への利用拡大を検証しながら、送電端最大出力 5.5kW モデルを2013年度からの販売開始を目指すとともに、送電端最大出力11kWモデルも開発します。
..........
■概要
 電気事業法で定めるボイラ・タービン主任技術者の選任などを不要とする電気事業法小型バイナリー発電設備の規制が平成 24 年 4 月より緩和されたことにより、バイナリー発電技術は、エネルギー自給率を高め、地球温暖化対策としても役立つと期待されています。 また、温泉水など再生可能エネルギーの普及・拡大は、地球環境に対して負荷が少ないばかりではなく、日本の未来の産業を育てることになると期待されていることから、平成 24 年 7 月 1 日から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が始まりました。
 アネスト岩田株式会社は、世界初のオイルフリースクロール圧縮機やオイルフリースクロール真空ポンプを開発した経験に加え、培ってきた同技術をバイナリー発電装置の心臓部である膨張機を採用し、独自の小型バイナリー発電装置を開発しました。
 従来のバイナリー発電装置は小型と言っても発電端出力が数十キロワットが主流であり、導入費用が高く、大量の熱源を必要とするために用途は限定的と見られていました。 当社は、スクロール機構が持つ小型で高効率という特長を活かして専用のスクロール膨張機を開発し、バイナリー発電装置の小型化に成功しました。本装置は送電端最大出力が 5.5kW であり、1 分間あたり 190 リッター(一般的なバスタブ程度)の温水で発電できることから、温水量が少ない温泉地や中小の工場での普及型発電装置として期待されます。

■特長
100℃未満の低温温水から発電可能
少ない温水量で発電可能(送電端最大出力 5.5kW モデルの場合 190L/min)
自社開発の国産スクロール膨張機により低速化を実現(約 3,000rpm)
汎用フォークリフトで運べる重量 850kg(送電端最大出力 5.5kW モデル)
系統連系機能を標準搭載
電気事業法・小型バイナリー発電の規制緩和の対象仕様に合致
温泉スケールが多い場所にはメンテナンスが容易な間接式熱交換器を用意(オプション)

■仕様(5.5kW 試作機)
送電端最大出力 5.5kW
方式 オーガニックランキンサイクル *1
作動媒体 HFC245fa *2
発電機型式 永久磁石式 三相交流
概略寸法 幅 1.3m 奥行 1.3m 高さ 1.64m
概略重量 850kg

*1 スチームタービンの動作を表すサイクルに作動媒体として有機媒体を用いた方式。
*2 オゾン係数(ODP)がゼロで環境負荷が少ない不燃性不活性ガス。小型バイナリー発電の規制緩和の対象媒体。
.......... "

関連
アネスト岩田、温泉利用の小型発電機を開発-----日本経済新聞、2013/1/22

"コンプレッサー大手のアネスト岩田は、セ氏90度以上の温水で発電できる温泉施設向けの小型発電機を開発した。装置の出力を5キロワットに抑えることで価格を1000万円(工事費込み)に引き下げた。再生可能エネルギーの全量買い取り制度を利用すれば、6年間程度で初期投資を回収できる見込み。2016年3月期に200台の販売を計画している。
.........."

少量の温水利用で発電、横浜のメーカーが装置開発/神奈川-----カナコロ、2013年1月22日

".........今回開発した装置は、送電端最大出力5・5キロワットで、1分当たり190リットルと一般的なバスタブ程度の量の温水(90度)で発電できるため、温水量が少ない温泉地や中小工場での導入が期待できるという。..........今秋からトライアル販売を開始。2014年秋には送電端最大出力11キロワットモデルも販売するといい、小型バイナリー発電の年間売上額は約20億円が見込まれる。今年1月から大分県別府市での実証実験を行っており、開発担当者は「箱根の温泉でも利用は可能」と話している。"


初出
週刊GreenPost 57号 2013/1/21-25日版 しなやかな技術研究会 P.3


参考エントリー
神戸製鋼所の小型バイナリー発電システム、別府と湯布院の温泉に導入へ-----ソフトエネルギー、2012/07/13

コメント-別府の案件は、神戸製鋼所からアネスト岩田に”移った”ということなのでしょうか?


おすすめエントリー
週刊GreenPost 59号 2013/2/4-8日版 しなやかな技術研究会

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帝人 TEIJIN、世界初!金属ワイヤー以上の熱・電気伝導性を持つカーボン・ナノチューブ100%の高強度繊維を開発

 帝人グループでアラミド繊維の生産・販売を展開しているオランダに本社を置くテイジン・アラミドB.Vは、テキサス州ヒューストン市のライス大学 Rice Universityとの共同研究により、金属ワイヤーと同等の電気伝導性、および金属ワイヤーを凌駕し、グラファイト繊維に匹敵する熱伝導性(いずれも同重量比)を実現する、カーボン・ナノチューブ(CNT) 100%の高強度繊維を開発しました。

 カーボン・ナノチューブ(CNT)は、炭素原子が網目のように結びついて筒状になった物質で、直径は数ナノメートル(=10億分の1メートル)。高い強度、弾性率、柔軟性を持ち、優れた電気伝導性や熱伝導性を有することから、幅広い用途への応用が見込まれている高強度繊維です。今回得られた性能、電気伝導、熱伝導性、そして強度、これらの性能はいずれも世界初のものということです。
 このカーボン・ナノチューブ(CNT) 高強度繊維は、高い強度と数々のすぐれた特長をそなえ、なおかつしなやかな糸、織物としての特長を有していることから、衣料、医療、自動車、航空・宇宙、通信のあらゆる現場に新しい可能性を開くものです。
 すでにテイジン・アラミドが1970年代から展開しているパラ系アラミド繊維「トワロン」の紡糸法である湿式液晶紡糸法により量産することが可能な段階に到達しているとのことです。まさにあらゆる場面に応用され、素材から世界を変えていく力がある発明かもしれませんよ。

 小説・楽園の泉軌道エレベータ (wikipedia) を書いた、アーサー・C・クラークが生きていたらきっと、すごいねと言ってくれるかもしれませんね。 


プレスリリース / 帝人、2013年1月31日
世界初!金属ワイヤー以上の熱・電気伝導性を持つ高強度繊維 カーボン・ナノチューブ繊維の開発について

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-----image : 同リリースより

"帝人グループでアラミド繊維の生産・販売を展開しているテイジン・アラミドB.V.(本社:オランダ・アーネム市、社長:ゲーテ・W.フレデリクス)は、このたび、ライス大学(Rice University、米国テキサス州ヒューストン市)などとの共同により、金属ワイヤーと同等の電気伝導性、および金属ワイヤーを凌駕し、グラファイト繊維に匹敵する熱伝導性(いずれも同重量比)を実現する、カーボン・ナノチューブ(CNT)*1 100%による繊維を開発しました。これらの性能はいずれも世界初のものです。
..........
このたび開発したCNT繊維は、優れた電気伝導性および熱伝導性に加え、高い強度としなやかさを有しており、紡織用の繊維のように取り扱いが容易です。構造は、繊維軸に沿ってCNTが規則正しく配列されており、テイジン・アラミドが1970年代から展開しているパラ系アラミド繊維「トワロン」の紡糸法である湿式液晶紡糸法*2により量産することが可能です。

*1 カーボン・ナノチューブ(CNT):炭素原子が網目のように結びついて筒状になった物質で、直径は数ナノメートル(=10億分の1メートル)単位。高い強度、弾性率、柔軟性を持ち、優れた電気伝導性や熱伝導性を有することから、幅広い用途への応用が見込まれている。
*2 湿式液晶紡糸法:原料を強酸に溶かし、高分子材料が液晶状態(液体のような流動性を持ちながら、分子がある規則性を持って配列している状態)にあることを利用して紡糸する方法。これにより、繊維の分子を規則正しく配列させることができる。

今後は、このような特性を活かし、航空機や自動車のデータケーブルや電気通信ケーブルの軽量化に向けた銅線代替として用途開発を進めるほか、電子機器のアンテナや、放熱・冷却用途にも、CNT繊維の熱伝導性の寄与が期待されます。また、医療分野への応用についても、現在、研究機関とともに評価を進めており、さらには、エレクトロニクス機能を衣料と一体化させた「ウェアラブル・エレクトロニクス」分野への応用にも期待を寄せています。
.......... "

- Teijin Aramid, 11 January 2013 : Twaron spinning process is key to carbon nanotube fiber breakthrough

関連
New nanotech fiber: Robust handling, shocking performance-----Rice University,JANUARY 10, 2013
0110fibergroupmed
-----image(”0110-FIBER-Group-med [New nanotech fiber: Robust handling, shocking performance]
JADE BOYD – JANUARY 10, 2013”) : 上記リリースより

"Nanotube fibers have unmatched combination of strength, conductivity, flexibility

Rice University’s latest nanotechnology breakthrough was more than 10 years in the making, but it still came with a shock. Scientists from Rice, the Dutch firm Teijin Aramid, the U.S. Air Force and Israel’s Technion Institute this week unveiled a new carbon nanotube (CNT) fiber that looks and acts like textile thread and conducts electricity and heat like a metal wire. In this week’s issue of Science, the researchers describe an industrially scalable process for making the threadlike fibers, which outperform commercially available high-performance materials in a number of ways.
.........."

Spinning nanotube fibers at Rice University

(RiceUniversity,: 2013/01/10)

"Scientists have created the first pure carbon nanotube fibers that combine many of the best features of highly conductive metal wires, strong carbon fibers and pliable textile thread. In a Jan. 11 paper in the journal Science, researchers from Rice University, the Dutch firm Teijin Aramid, the U.S. Air Force and Israel's Technion Institute describe an industrially scalable process for making the threadlike fibers, which outperform commercially available products in a number of ways."

・Wikipedia : ポリアミド


参考エントリー
福井県工業技術センターなど、太陽電池を織物に組み込んだ「発電するブラインド」を開発。京セミが開発したスフェラー(R)球状太陽電池を利用-----ソフトエネルギー、2010/11/25


おすすめエントリー
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出光興産、土佐電気鉄道、高知県森林組合連合会は、新会社となる土佐グリーンパワーを設立し木質バイオマス発電事業を開始

 出光興産、土佐電気鉄道、高知県森林組合連合会は、新会社となる土佐グリーンパワーを設立し木質バイオマス発電事業を開始すると発表しました。
 具体的には、高知市仁井田新築の木材団地内に発電出力5,000kWの未利用材の破砕・乾燥工程を含んだ、日本初の一体型発電所を建設するもので、燃料としては未利用材を100%使用し、騒音・臭気の抑制、緑地の設置等で環境配慮型の発電所とする予定だとのことです。燃料量は、7~8 万トン/年程度で、年間予想発電量は、約10,000 世帯分相当する約3,600万kWh/年を予定。

 発電所の運転開始は2015年4月を目指しています。
 

プレスリリース / 出光興産、2013年1月23日
ニュースリリース / 木質バイオマス発電事業の合弁会社設立について(PDF:414 KB)より

Kouchimokuzaidanchi
-----image : Googleマップで高知県木材工業団地を開く

" 土佐電気鉄道株式会社(略)、高知県森林組合連合会(略)、出光興産株式会社(略)は、木質バイオマス発電事業への参入に向けて、本日、土佐グリーンパワー株式会社を設立致しました。高知市において、2015 年 4 月に発電所の運転開始を目指します。 .......... 計画している木質バイオマス発電所は、未利用材の破砕・乾燥工程を含んだ日本初の一体型発電所であり、燃料としては未利用材を 100%使用し、騒音・臭気の抑制、緑地の設置等で環境配慮型の発電所とする予定です。発電したグリーン電力は、路面電車の走行などに用い、地元へ貢献してまいります。  本事業は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」および「森林整備加速化・林業再生事業」等を活用した事業とする予定であり、本事業を通じ、森林再生、再生可能エネルギーの活用による CO2削減、地域産業の振興等に貢献してまいります。

【会社概要】
1.商 号 :土佐グリーンパワー株式会社
2.所 在 地 :高知県高知市仁井田
3.代 表 者 名 :竹本 昭和 (土佐電気鉄道株式会社 代表取締役社長)
4.設 立 日 :2013 年1 月 23 日
5.資 本 金 等 :2.5 億円
6.出 資 比 率 :土佐電気鉄道株式会社 25%
高知県森林組合連合会 25%
出光興産株式会社 50%
7.事 業 内 容 :木質バイオマス発電事業
【発電所概要】(計画)
1.場 所 :高知市仁井田新築(木材団地内)
2.発 電 出 力 :5,000 キロワット
3.年間予想発電量 :約 3,600 万キロワット時(kWh)
(約10,000 世帯分相当の電力を賄います。)
4.燃 料 量 :7~8 万トン/年
5.C O 2 削 減 量 :2 万トン/年
6.従 業 員 数 :20 名 (関連事業を含め雇用創出見込 140 名)
.......... "

関連
高知県森林組合連合会

土佐電鉄

日本初、未利用材のチップ化から発電まで自動処理する設備-----スマートジャパン、2013年01月25日


初出
週刊GreenPost 57号 2013/1/21-25日版 しなやかな技術研究会 P.3


おすすめエントリー
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東京都が投資するファンドが、熊本県の芦北メガソーラー8MWpを選定。着工し12月完成へ

 東京都が進めてきた官民連携インフラファンド事業の太陽光発電に関する第1号案件として、熊本県の8MWpの芦北メガソーラープロジェクトが決まったと発表がありました。
 具体的には、東京都は、ファンドに有限責任組合員として出資し、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が運営するファンド(投資事業有限責任組合)が実施します。

 芦北メガソーラーは、熊本県葦北郡芦北町の野栄の浦に面した、女島(めしま)の面積約90,000平方メート(約29,000坪)の敷地において実施されるメガソーラー計画です。総事業費約30億円のうち、10億円を東京都が参加するスパークス・官民連携グリーンエナジー投資事業有限責任組合が負担することになります。残りの20億円は、金融機関からの融資で調達しています。
 東京都の同ファンドへの出資金額は15億円で、予定するファンド規模から想定した都の出資持分額は、約1億円に相当すると見込まれるとのことです。自治体が他の自治体で実施されるメガソーラープロジェクトに、投資という形で参加する極めて特長のある試みです。

 起工式は、2月4日に行われ、運転開始は、本年(平成25年)12月が予定されています。

 なお、東京都の参加する官民連携インフラファンド事業は、千葉県袖ヶ浦市に新設される出力約10万kWのガスタービンコンバインドサイクル発電への融資を実施しています。東京都は、こうした官民連携インフラファンドにより、これからも発電事業への投資を実施していく予定です。


プレスリリース / 東京都 知事本局、平成25年2月1日
官民連携インフラファンド(スパークス・グリーンインフラ・ファンド)から第1号案件に投資しました

Kumamoto8mwpmegasolar_2
-----image : Googleマップ「芦北メガソーラー 8MWp(建設予定地)」 より

"東京都が、かねてより進めてまいりました官民連携インフラファンド事業において、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が運営するファンド(投資事業有限責任組合)が、第1号となる案件に投資いたしましたので、お知らせいたします。 なお、東京都は、本ファンドに有限責任組合員として出資しています。

1 ファンド名称
 スパークス・官民連携グリーンエナジー投資事業有限責任組合

2 投資対象
 SGET芦北メガソーラー合同会社に対する出資

3 投資案件の資金使途
 太陽光発電所の建設資金等

4 投資実行日
 平成25年1月30日

※当該発電所が立地する熊本県芦北町も、本ファンドに有限責任組合員として出資しています。
※ファンド概要、都の出資概要及び発電施設概要は別添資料をご覧ください。
※本件は、スパークス・グループ株式会社と同時発表しています。
..........
都の出資概要
都の出資金額 15億円
都の出資日 平成25年1月24日

発電施設概要
運営会社 SGET芦北メガソーラー合同会社
所在 熊本県葦北郡芦北町大字女島770-6(芦北町有地)
発電方式 太陽光発電
敷地面積 約90,000平方メートル
出力 約8,000キロワット
運転開始 平成25年12月(予定)
総事業費 約30億円
ファンド投資額 約10億円
(予定するファンド規模から想定した都の出資持分額は、約1億円に相当すると見込まれます。)
※SGET芦北メガソーラー合同会社は、スパークス・グループ(株)の100%子会社であるSGET(スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(株)事業内容:再生可能エネルギーによる電気の供給業務を行う事業者に対するコンサルティング業務等)が、熊本県葦北郡芦北町で太陽光発電事業を行うため設立しました。
.......... "

関連
スパークス・グループ 発表 / 2013.02.01
東京都の官民連携インフラファンド 第1号投資案件決定のお知らせ(157.0 KB)


参考
官民連携インフラファンド石原知事定例記者会見-----東京都、平成24年10月19日 

官民連携インフラファンドの第1号投融資案件が決まりました-----東京都、平成24年10月19日


コメント続き
 この芦北メガソーラー以外にも熊本県では、積極的にメガソーラーを建設する予定です。県がリストしているプロジェクトは、22件ありその合計容量は、78.919MWに達します。
 うち稼働中のメガソーラーはすでに下の6箇所あります。

・リクシル有明ソーラーパワー(長洲町、3.75MWp、平成23年1月完成)
・再春館製薬所(益城町、1.775MWp、平成12年3月から段階的に整備)
・九州ソーラーファーム2南関セキア発電所(南関町、3.3MWp、平成24年2月立地協定7月31日発電開始)
・合志市・熊本製粉(株)太陽光発電所(合志市、1MWp、平成24年7月25日立地協定12月14日発電開始)
・佐藤長八商事(天草市、1.999MWp、平成24年12月10日立地協定12月17日発電開始)
・東京エレクトロン九州合志事業所(合志市、1.25MWp、平成24年7月6日立地協定12月21日発電開始)

 リクシル有明ソーラーパワーは、しな研が作っているリストに茨城県 坂東市 LIXIL つくば SOLAR POWERとともに漏れていました。いずれも3.3.75MWpでトップ10にリストしました。

 これからできる予定の中で規模ランキング10入りしそうなのは、今回の芦北町女島のプラン以外にも2件ありました。リストアップにいれておきます。

・芦北町女島(女島埋立地) 芦北町 コアテック(株)・スパークスグループ(株)の2社連合 8MWp 平成24年7月24日立地協定
・芦北町矢城(矢城牧場跡地) 芦北町 (株)大林クリーンエナジー 21.5MWp 平成24年7月24日立地協定
・荒尾市大島(貯炭場跡地) 荒尾市 SBエナジー(株) 14MWp 協定締結に向け調整中

参考エントリー
国内メガソーラーランキング 大規模太陽光発電所リスト 再生可能エネルギーまめ知識

関連
(報道資料)芦北町女島におけるメガソーラー建設着工について-----熊本県、2013年1月31日
- エネルギー政策課 / 熊本県内のメガソーラー(大規模太陽光発電)導入状況について
2012kumamotomegasolar
-----image : 上記サイトより


参考 - 東京都の再生可能エネルギー戦略は、

東京都 : 再生可能エネルギー戦略(2006年3月策定)

"東京における再生可能エネルギーの利用状況調査(2012年3月)
「東京における再生可能エネルギーの利用状況調査(2012年3月)」をPDFでダウンロードできます。
本文(228 KB) "

追加情報
東京都、官民連携インフラファンド活用メガソーラーを新たに6案件実施へ-----ソフトエネルギー、2013/08/30


おすすめエントリー
週刊GreenPost 59号 2013/2/4-8日版 しなやかな技術研究会

続きを読む "東京都が投資するファンドが、熊本県の芦北メガソーラー8MWpを選定。着工し12月完成へ"

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AWEAのリポート、アメリカの2012年度の風力の実績は、単年度13,124 MW、累積では60GWに

 米国風力協会(AMERICAN WIND ENERGY ASSOCIATION, AWEA)は、2012年度の全体の実績を含む、報告書、Wind Industry Fourth Quarter 2012 Market Reportを公開しました。

 2012年度のアメリカ合衆国の風力発電の導入実績は、13,124 MWで、単年度としては最大の実績となったとのことです。大統領選挙とエネルギー政策の行方をにらんでの年度内のかけこみ設置ということがあったようなので、今年度以降の数字も気になるところです。4期目が8,380 MWですから、どんな勢いであったのかが数字でもわかります。

 そして、驚くべきことに累積では60GW(60,000MW)に達したそうです。ちょっと前の記録で、2009年度の単年度が10,000 MW(10GW)、累積が35GW(35,000MW)だったことを考えると、3年でこれだけ積み上げることができたことに感心しました。
 この間、政治的にもさまざまなことがありましたが、ペースをまもり積み上げてきたこの取り組みが、評価されはじめています。
 これでアメリカ合衆国の風力発電機の数は45,100機となり、1470万世帯分の電力を供給することができます。この電力は、14基の原子力発電所か、53基の石炭火力発電所に相当する電力の供給力を意味するとのことです。


AWEA Releases 4Q 2012 Results----AMERICAN WIND ENERGY ASSOCIATION(AWEA),January 30, 2013

Awea2012q4reportcover
-----image : AWEA U.S. Wind Industry Market Reports / Fourth Quarter(Executive Summary of the AWEA U.S Wind Industry Fourth Quarter 2012 Market Report,PDF)カバー

"AWEA releases the AWEA U.S. Wind Industry Fourth Quarter 2012 Market Report, including fourth quarter and year end results on January 30, 2013. .......... The complete AWEA U.S. Wind Industry Fourth Quarter 2012 Market Report will include: Installed U.S. wind capacity through 2012, by state New U.S. wind capacity installed during 2012, by state A list of all wind projects completed during 2012 Wind projects under construction Project details of turbine manufacturer, power offtaker, project developer and owner Map of all U.S. wind projects All PPAs and requests for proposals (RFPs) signed or released during the year Analysis and breakdown of power off-take agreements .......... "

関連
AWEA U.S. Wind Industry Market Reports / Fourth Quarter(Executive Summary of the AWEA U.S Wind Industry Fourth Quarter 2012 Market Report,PDF)

"Contents
Summary 3
Reaching 60 GW 4
U.S. Annual and Cumulative Wind Power Growth 5
U.S. Wind Power Capacity Installations by Quarter 6
U.S. Wind Power Capacity Installations, Top States 7
U.S. Wind Power Capacity Installations by State 8
Wind Project Locations 9
Wind Power Capacity Under Construction"

Awea2012q4reportus_wind_power_capac
-----image :「Executive Summary of the AWEA U.S Wind Industry Fourth Quarter 2012 Market Report」からU.S. Wind Power Capacity Growth

Awea2012q4reportus_wind_power_cap_2
-----image :「Executive Summary of the AWEA U.S Wind Industry Fourth Quarter 2012 Market Report」からU.S. Wind Power Capacity Installations, Top 20 States


A Record Year for the American Wind Industry-----Energy.Gov,January 31, 2013

Wind energy top source for new generation in 2012; American wind power installed new record of 13,124 MW-----GWEC, January 30, 2013

AWEA、2009年風力発電産業に関するリポートを公開。それでも加速するアメリカの風力発電-----ソフトエネルギー、2010/04/27


初出
週刊GreenPost 58号 2013/1/28-2/1日版 しなやかな技術研究会 p.2


コメント続き
 オバマ政権で再生可能エネルギーを含むエネルギーの可能性を追求していたスティーブン・チューエネルギー省長官が政治的な責任を取る形で辞任することが発表されました。わかりやすい政策を発表する人だったので、残念な気がします。オバマ政権で次のエネルギー長官がだれになるのか? 他人の国ながら、そんなことが気になります。日本もそんな政治家、人に興味がわくような方が大臣に座ってくれる日は、いつくるのかな、、、

Letter from Secretary Steven Chu to Energy Department Employees Announcing His Decision Not to Serve a Second Term -----Energy.Gov、February 1, 2013

 アメリカの風力エネルギー業界については、昨年末には連邦生産税控除が期限切れを迎える危機が報じられたが、1月1日にはホワイトハウスがきっちりと延長を確約。1月初旬には、延長問題が決着した。

What You Need to Know About the Bipartisan Tax Agreement-----The White House,January 1, 2013.

 この補助制度が延長されたことで、アメリカの風力発電の終焉とまで言われた問題に決着がつき、いまではこれまで同様、それ以上の発展を期待する状況になっています。

 日本と比べてとなると、人口比、面積、ポテンシャル比と並べるのが正当な比較に思えますが、、、。とりあえずの数字としては、累積導入量では、1,887基 431発電所で設備容量は、2,614MW。つまり2.6GW強。単年度実績としては、2012年1月-12月の単年導入量は、32基12発電所で78MW(7.8万kW)という数字があがっています。累積もですが、2012年の単年度の比較なんかみると圧倒的な差ですね。

2012年単年度風力発電機導入実績比では、実に168倍。%では、0.59%となります。

 アメリカ合衆国 : 日本 = 13,124 MW : 78MW

 条件が違うので単純な比較では話にはなりませんが、資源国アメリカが再生可能エネルギーにかける力が、圧倒的に日本とは違っている、という認識はもつ必要があるのではないでしょうか。


参考
・Wikipedia : スティーブン・チュー

Renewable Energy Tax Credits Extended-----EERE News,January 09, 2013

Facing expiring tax credit, wind industry posts record year-----The HIll, 01/30/13

日本風力発電協会は、2012年末風力発電導入実績(3月末年度末推定値)などを発表しました-----ソフトエネルギー、2013/01/09

"..2012年12月末の導入実績は、累積導入量では、1,887基 431発電所で設備容量は、2,614MW..2012年1月-12月の単年導入量は、 32基 12発電所で78MW(7.8万kW)となりました。例年の新設比で約30%と低調となったとのことです。.."


おすすめエントリー
週刊GreenPost 59号 2013/2/4-8日版 しなやかな技術研究会

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イベント 2/27-3/1 於 : 東京ビッグサイト 風力、太陽光、燃料電池、蓄電池、エコハウスにスマートグリッドの一大イベント開催

-----第1回[国際] 風力発電展 ~WIND EXPO 2013~-----招待券無料請求

Windjp_2013_headerlogo_03

"開催展名: WIND EXPO 2013 ~第1回 [国際] 風力発電展~

会期: 2013年2月27日(水)~3月1日(金)

開場時間: 10:00~18:00(最終日は17:00終了)    

会場: 東京ビッグサイト

主催: リード エグジビション ジャパン 株式会社

後援: 一般社団法人 日本風力発電協会
.......... :"

 
2/27-3/1の期間、東京ビッグサイトに於いて、同時に開催されるイベント


-----第6回[国際] 太陽電池展~PV EXPO 2013~-----招待券無料請求


-----第4回太陽光発電システム 施工展-----招待券無料請求


-----第4回[国際] 二次電池展~バッテリー ジャパン~-----招待券無料請求


-----第3回エコハウス&エコビルディング EXPO-----招待券無料請求


-----第9回[国際] 水素・燃料電池展~FC EXPO 2013~-----招待券無料請求


-----第3回[国際] スマートグリッドEXPO-----招待券無料請求


-----第4回[量産][試作] 加工技術展 ~エネテック ジャパン~-----招待券無料請求


 詳細、お問い合わせはそれぞれの上記イベント案内サイトの関連情報をご覧の上、直接お願いいたします。

おすすめエントリー
週刊GreenPost 58号 2013/1/28-2/1日版 しなやかな技術研究会

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