COP18開催中のカタールで、太陽エネルギーテストサイトがオープン。2030年、20%を再エネ計画も始動
先週からCOP18(第18回 気候変動枠組条約締約国会議)が開催されている、中東カタールで、太陽エネルギーに関する実証実験サイトの開所式が行われました。これは、2022年に開催されるFIFA ワールドカップまでに、カタールの科学と技術の発展に、とりわけ再生可能エネルギーの分野で世界にアピールする体制作りを目指すという目標のもとに進められている国家プロジェクトの一環です。今回オープンしたのは、シェブロン・エネルギー Chevron Energy の協力のもとに進められている、カタール・ソーラー実証実験所 Qatar’s Solar Test Facilityです。結晶系太陽電池、薄膜化合物系の太陽電池アレイが20種銘柄集められ、さらには集光式太陽電池も設備されています。合計で、200kWpの太陽電池の実証試験場です。
・Sheikha Moza pushes ‘start’ button on Qatar’s solar future-----COP18/CMP8 Doha,01 Dec, 2012
"The sun glinted brilliantly off an array of deep blue solar panels today as Qatar took its first step into a solar-powered future.Before a gathering of foreign dignitaries, industry experts, and journalists, Her Highness Sheikha Moza bint Nasser pressed the ‘start’ button on a futuristic transparent touch screen, officially launching Qatar’s Solar Test Facility.
A joint venture of Chevron Energy Solutions, the Qatari firm GreenGulf, and the Qatar Science and Technology Park (QSTP), the facility is designed to test the performance of solar technologies under Qatar’s harsh climatic conditions.
While the many days of sunshine experienced in desert ecosystems can be a boon to solar power, the dust and heat in such areas are not. Dust alone can decrease the efficiency of photovoltaic panels by as much as 40 per cent.
.......... "
シェブロン・エネルギー Chevron Energyのサイトの情報(Fact Sheet : Solar Test Facility)によればさらに、太陽熱関連の200kW相当のシステムが設備されるということです。
さらに、カタールではこの Qatar’s Solar Test Facilityを皮切りに、今後、カタールの先端科学技術を集積した特区の建設を開始するとのことです。カタールでは、Qatar Science & Technology Park (QSTP).と名づけられた先端技術集積地域開発が進められており、それは巨大な町を一から創造する巨大プロジェクトだということです。その中で、今回のソーラーエネルギーへの取り組みはカタールの”豊富な太陽”を生かして研究資源を投入する大きなテーマの一つといえそうです。
関連
・GreenGulf : QSTP Solar Testing Facility
- Chevron Center for Sustainable Energy Efficiency(CCSEE)
・Chevron Energy : Studying Solar in Qatar
・Qatar Science & Technology Park
・Solar Testing Facility Inaugurated At QSTP-----The Edge,2 December
Testing Alternative Energy to Reduce the Carbon Footprint of the World Cup 2022 in Qatar
(Chevron, 2012/08/23)
QSTP B-roll Dec08
(QSTPdoha, 2008/12/1)
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そして、12月3日のブルームバーグなどによれば、カタールは来年から2020年までに200MWpの太陽エネルギーの開発プロジェクトに着手することを発表したとのことです。これにより電力消費の2%をまかなうことができるということです。
・Qatar to Tender 200 Megawatt of Solar-Power Projects in 2013-----Bloomberg,Dec 3, 2012
さらに、これは第一ステップで、2020年までには1800MWpの規模のソーラーエネルギーの開発も視野に開発を進め、2030年には再生可能エネルギーにより、全エネルギーの20%をまかなう計画を、他の中東のサウジアラビア Saudi Arabia、ドバイ Dubai、そしてアブダビ Abu Dhabi とも協力しながら実施していくということです。
産油国、産油地域で始まる脱化石燃料の歩みの計画と速度には、わが国もあわせていく必要があります。これは、大きな指標になります。
参考
・Qatar Solar Technologies to meet Qatar’s 2014 Solar Energy Target----Qatar Solar Technologies (QSTec),21/10/2012
・[FT]ペルシャ湾岸の産油国でも進むグリーン革命-----日本経済新聞、2012/12/4
"..カタールはグリーン電力を助成する「固定価格買い取り制度」の導入を検討しているという。2018年までに、太陽光発電で約1800メガワット(国の電力需要全体の16~18%に相当)の電力供給を始める計画.."
参考エントリー
・COP18 第18回 気候変動枠組条約締約国会議 再生可能エネルギー関連まとめ *COP18が始まってみれば、世界の人々がエネルギーと気候変動について、議論する貴重な場であることw再認識。急遽、情報のクリッピングを行っています。
おすすめエントリー
・週刊GreenPost 51号 しなやかな技術研究会 2012/12/3-7日版
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