三菱重工、英国で海洋再エネ率の高い電力ネットワークで蓄電システムを実証試験
三菱重工は、スコットランドのオークニー諸島で進められている風力、そして波力および潮流発電などの再生可能エネルギーの比率が高い電力ネットワークで蓄電システムの実証試験に取り組むと発表しました。この実証試験は、英国の電力大手SSE(Scottish and Southern Energy)と共同で行うもので、三菱重工は整備されつつある本土とやりとりする海底送電ケーブルと変電所に対して、リチウムイオン二次電池を搭載した最大出力2MW、蓄電容量約800kWhのコンテナ型大容量蓄電システムを導入するというものです。具体的には、ケーブルの送電容量超過分を蓄電し、ケーブル容量に余裕のあるときに送電する計画です。
現状、オークニー諸島の電力は風力、そして波力および潮流発電などの再生可能エネルギーでほぼ自給できる体制で、過不足分は海底ケーブルを介して英国本土とやりとりしているとのことで、蓄電池を導入することで、電力網全体の安定性などの向上についてのデータを取ることができそうです。この実証事業は独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」による支援を受けて取り組むものだということです。
コンテナ型大容量蓄電システムの蓄電容量は約800kWh(通常使用範囲500kWh)で、同社のリチウムイオン二次電池を2,000個以上収めた40フィート(長さ約12m)のコンテナ2個と、電力の入出力を行うための直流/交流変換機能を果たすパワーコンディショナーを搭載した40フィートコンテナ1個で構成されているということです。
オークニー諸島および周辺では、EMECにより、さまざまな波力や潮流発電機の実証実験が行われてきました。そして、現在変電所や送電網の整備を進めているtころです。この地域の海洋エネルギーのポテンシャルは高く、将来的には本土側への電力供給を担う役割が期待されています。
プレスリリース / 三菱重工、2012年11月22日
・英国SSEと共同でオークニー諸島の電力網を安定化 リチウムイオン二次電池搭載のコンテナ型大容量蓄電システムを導入
" 三菱重工業は、英国の電力大手SSE(SSE plc)と共同で、再生可能エネルギーの比率が高い英国オークニー(Orkney)諸島の電力ネットワークで蓄電システムの実証試験に取り組む。リチウムイオン二次電池を搭載した最大出力2MW(メガワット)のコンテナ型大容量蓄電システムを導入し、同地域の電力安定化の検証を行うもの。稼働開始は2013年初めの予定。今回の実証事業は独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」による支援を受けて取り組むもの。当社の欧州における原動機事業統括会社であるMPSE(Mitsubishi Power Systems Europe, Ltd.)とSSEグループの発電部門であるSSE Generation Ltd.が共同で、スコットランドエリアの電力供給を担当しているSSEグループのScottish Hydro Electric Power Distribution plc(SHEPD)に、蓄電サービスを提供する方式をとる。
蓄電システムの蓄電容量は約800kWh(通常使用範囲500kWh)。当社のリチウムイオン二次電池を2,000個以上収めた40フィート(長さ約12m)のコンテナ2個と、電力の入出力を行うための直流/交流変換機能を果たすパワーコンディショナーを搭載した40フィートコンテナ1個で構成する。
本蓄電システムは、オークニー諸島のカークウォール(Kirkwall)にあるSHEPDの発電所に設置する。同島では電力を波力、潮力および風力による発電でほぼ賄っており、過不足分は海底ケーブルを介して英国本土とやりとりしている。ケーブルの送電容量超過分を蓄電し、ケーブル容量に余裕のあるときに送電する計画。
当社は2010年7月にSSE(当時はScottish and Southern Energy plc)と、低炭素エネルギーの開発に向けて協力していくことで合意。洋上風力発電設備や、CO2の回収・貯留(CCS)、高効率発電など幅広い協業について検討しており、今回のリチウムイオン二次電池による蓄電実証事業もその一環。両社はさらに関係を強化することにより、低炭素社会づくりという重要テーマに対して世界をリードしていく。
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関連
・SSE : Project Information(Scottish and Southern Energy : SSE)
-----image : 上記サイトより資料「07 Nov 2011 Orkney to Caithness six posters 2.7 MB」より
”Orkney to Caithness
We are planning to develop a new 132kV subsea electricity connection between Orkney and Caithness to support proposed wave and tidal renewable projects in the Pentland Firth and Orkney Waters.”
関連
・NEDO : 安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発
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事業・プロジェクト概要
平成23年度~平成27年度、平成26年度予算:20.0億円
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2014年3月10日
古河電気工業株式会社 次世代フライホイール向け高温超電導マグネットの開発に成功~メガソーラー等との連携により、効率的な電力エネルギーの貯蔵が可能に~公益財団法人鉄道総合技術研究所 次世代フライホイール向け高温超電導マグネットの開発に成功~メガソーラー等との連携により、効率的な電力エネルギーの貯蔵が可能に~
2012年11月22日
三菱重工業株式会社 英国SSEと共同でオークニー諸島の電力網を安定化
リチウムイオン二次電池搭載のコンテナ型大容量蓄電システムを導入
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参考
・EMEC : European Marine Energy Centre
参考エントリー
・海洋エネルギー資源利用推進機構、イギリス EMEC のアドバイスを受けながら海洋エネルギー開発のための実証実験場を整備-----ソフトエネルギー、2012/03/13
・欧州海洋エネルギーセンター European Marine Energy Centre(EMEC) / 情報のまとめ-----ソフトエネルギー、2012/03/14
[ カテゴリー : 潮汐力・海流など海洋エネルギー ]
・岩手県がヨーロッパ海洋エネルギーセンター(EMEC)を参考に、被災地沿岸に風力と海洋エネルギー実証地を構想-----自然エネルギー、2012/03/09
[ 自然エネルギー カテゴリー : 海洋エネルギー-国内情報 ]
[ 自然エネルギー カテゴリー : 海洋エネルギー-海外情報 ]
参考エントリー
・クボテック、次世代蓄電システム向け約100kWの大径CFRP製フライホイール蓄電ユニットを完成-----ソフトエネルギー、2015/02/09
おすすめエントリー
・週刊GreenPost 50号 - しなやかな技術研究会 2012/11/26-30日版
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