エア・ウォーター、日本海水の赤穂の製塩工場に木質バイオマス発電設備を導入。電力事業に参入
エア・ウォーターは、同グループ企業の、年間40万トンの製塩を行う兵庫県赤穂市の日本海水の赤穂工場に木質バイオマス発電設備を導入すると発表しました。発電設備の更新にあたり、燃料を従来の石化燃料(PC炭)から木質バイオマス、天然ガスへ転換することにしたとのことです。設備仕様は、バイオ発電・天然ガス発電融合型電力蒸気供給システムでバイオマス発電が、最大発電出力約16.5MW、同時に設置する天然ガスの発電設備は、出力7.7MWです。2012年12月に着工し、2015年1月に運転を開始予定。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を利用し、発電能力を増強することにより、自社工場で消費する電力に加え、新たに外販を開始、これにより本格的な電力事業参入の第一歩とするということです。
プレスリリース / エア・ウォーター、2012年10月3日
・木質バイオマスによる発電事業開始の件
"エア・ウォーターグループの株式会社日本海水はこの程、赤穂工場(兵庫県赤穂市)の発電設備新設に伴い、電力事業に参入することといたしました。
日本海水は、製塩業界におけるリーディングカンパニーであり、年間40万トンを生産しております。塩事業の他、環境事業をはじめとし、水事業や肥料を中心とした農業事業など、製塩事業で培った技術をベースに新規事業開発に取り組んでいます。塩事業においては、製塩工程で大量の電力を使用するため、従来から発電設備を保有しております。今回の発電設備新設は、既存の設備が老朽化したために設備更新を行うものです。更新に当たりましては、発電能力を増強することにより、自社工場で消費する電力に加え、新たに外販を開始することから、本格的な電力事業参入の第一歩となります。
設備更新にあたりましては、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の適用最大化と環境面での社会貢献を最優先に考え、燃料を従来の石化燃料(PC炭)から木質バイオマス、天然ガスへ転換することといたしました。この結果、地球温暖化対策推進法上のCO2 の発生がほとんどなくなり、赤穂市全体の発生量は約4%削減されます。さらに、NOx、SOxの排出量削減や重油レスによる一般危険物取扱の指定解除、再生可能エネルギーによる電力供給が可能となるなど環境改善に大きく寄与することになります。また、兵庫県、岡山県の林業・木材産業振興、赤穂市への天然ガス本管延伸、さらには、関西地区の電力不足にも貢献することになります。2015年1月の営業運転開始をめざし、2012年12月に着工する計画です。
本件の案画にあたりましては、日頃より赤穂市から地域の活性化をはじめとした協力要請があり、その要請に最大限応えるべく検討を進めてまいりました。これからも赤穂市発展のために雇用の拡大、地域活性化、環境保全など幅広く貢献してまいります。
日本海水は、今後、讃岐・小名浜両工場においても電力事業を展開することといたしており、製塩を通じた電力事業を同社のコア事業として拡大していくことになります。<設備概要>
設備仕様:バイオ発電・天然ガス発電融合型電力蒸気供給システム
設備能力:バイオマス発電設備(循環流動層ボイラ、蒸気タービン)
・最大発電出力:16,530kW
・最大蒸発量 :77t/h(燃料:木質バイオマス 100%)
天然ガス発電設備(ガスタービン、排熱ボイラ)
・最大発電出力: 7,700kW
・最大蒸発量 :14t/h
.......... "
関連
・日本製塩
・木質バイオマスで、発電時の熱を塩の製造に利用-----スマートジャパン、2012年10月04日
".....木質バイオマス発電設備で発電した電力は全量電力会社に売電するが、日本海水の狙いは売電収入だけではない。発電のために木質バイオマスを燃焼させたときに発生する熱を利用して蒸気を作り、本業である塩の製造に活用する計画だ。木質バイオマス発電設備をコージェネレーションシステムのように利用しようというわけだ。....."
・解説/再生可能エネルギーの固定価格買取制度(8):バイオマスは電力源の宝庫、木材からゴミまで多種多様-----スマートジャパン、2012年09月26日
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