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NEDO、海洋エネルギー技術研究開発の追加分、波力および潮流発電4件の実施体制を発表

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2011年の10月19日に発表した分に加えての海洋エネルギー技術研究開発における追加の実施体制を発表しました。前回のものは、結構それ以前の情報がたくさんありましたが、今回の4件は、これまで当ブログでも記事として扱ったことのないもので、調べてみることにしました。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、潮流・海流、波力、海洋温度差などの海洋エネルギー発電システムなどの海洋エネルギー開発の実証研究実施体制を発表-----自然エネルギー、2011/10/21


 今回発表になったのは、海洋エネルギー発電システム実証研究-発電方式の共同研究予定先として、

・潮流発電-----三井海洋開発

・波力発電-----市川土木、協立電機、いであのグループ

 そして、海洋エネルギー発電システム実証研究-次世代海洋エネルギー発電技術研究開発の委託予定先として、

・潮流発電-----佐世保重工業、東京大学、九州大学

・潮流発電-----ナカシマプロペラ、五洋建設、広島工業大学

 以上の4件です。”続き”に情報を若干集めてみました。


プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、平成24年9月28日
「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」追加公募に係る実施体制の決定について

"概要
技術・事業分野 風力 プロジェクトコード P07015
事業名 風力等自然エネルギー技術研究開発 (海洋エネルギー技術研究開発)
事業分類 研究(委託、共同研究、助成)
対象者 企業(団体等を含む)

詳細

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)は、平成24年7月9日~8月9日の間に追加公募しました「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に対する応募について、外部有識者からなる採択審査委員会(別添1)及びNEDOの審査を経て、採択予定先(別添2)を決定しました。

1.件名

風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発

2.事業内容

(1)事業概要
本事業では、実海域における実証研究として海洋エネルギー発電システム実証研究を実施し、発電性能や信頼性の向上等に関する要素技術の研究開発として次世代海洋エネルギー発電技術研究開発を実施します。

(2)事業期間
平成24年度から27年度迄(平成28年2月末迄)の4年以内とします。原則として最初の2年間は複数年度契約で行うものとし、平成26年度以降の契約については、外部有識者等による目標達成度の審査を踏まえ、中間目標の達成が認められたものについて締結するものとします。

資料
別添1:採択審査委員会(51KB)
別添2:採択予定先(44KB)
”海洋エネルギー技術研究開発 採択予定先一覧

海洋エネルギー発電システム実証研究
発電方式 共同研究予定先

潮流発電 三井海洋開発株式会社

波力発電 市川土木株式会社  協立電機株式会社  いであ株式会社


次世代海洋エネルギー発電技術研究開発
発電方式 委託予定先

潮流発電 佐世保重工業株式会社  国立大学法人東京大学  国立大学法人九州大学

潮流発電  ナカシマプロペラ株式会社  五洋建設株式会社  広島工業大学
..........”
.........."

関連
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、潮流・海流、波力、海洋温度差などの海洋エネルギー発電システムなどの海洋エネルギー開発の実証研究実施体制を発表-----自然エネルギー、2011/10/21

コメント続き
●潮流発電-----三井海洋開発

 まずは、三井海洋開発の潮流発電ですが、今年の3月にこんな記事が日刊工業新聞に掲載されました。これ以外にはホームページにも情報がありません。

三井海洋開発、浮体式の洋上風力・潮力同時発電システムを開発-----日刊工業新聞、2012年03月13日

"三井海洋開発は風車と水車を組み合わせて発電コストを半減する世界初の浮体式洋上風力・潮力同時発電システムを開発した。風車と水車の最適な回転・トルクを組み合わせることで発電効率や設備利用率を向上できる。システムの出力は1メガワット(メガは100万)を想定。2014年をめどに商用化を目指し、離島などの小規模分散型電源として採用を働きかける。
 三井海洋開発の風力・潮力発電システムは海上に風車、水面下に水車を配置し、風力と潮力で同時に発電する。風力には羽根が直立する直軸式を採用。
.......... "

 同社は、海洋での石油・ガス生産設備、リグなどの技術を要しているので、構造物は得意としているところでしょう。報道のように風車と水車を組み合わせてと具体的な内容があります。ホームページでは、 緊張係留式プラットフォーム(TLP)という水深1,000mを超える大水深海域のプラットフォームが紹介されていました。潮流発電とは直接関係ありませんが、海を知っている企業なだけに、どんなものになるのか、早く姿を知りたいところです。

参考
三井海洋開発 / TLPとは

"大水深海域(水深1,000m超)の開発に適したTLP(Tension Leg Platform: 緊張係留式プラットフォーム)についてご紹介します。"


●波力発電-----市川土木、協立電機、いであのグループ

 ネットでは、情報が検索にヒットしませんでした。どんな波力発電なのでしょうか?
-----Google検索 : 市川土木 波力発電|協立電機 波力発電|いであ 波力発電-----


●潮流発電-----佐世保重工業、東京大学、九州大学

 佐世保重工業は、浮体式の風力発電などに積極的に関わっています。ホームページには、潮流発電に関しては情報がありませんでした。
 東大に関しては、複数の潮流発電に関する論文がありますが、検索にヒットしたのは、東京大学大学院 : 海洋技術環境学専攻 海洋情報基盤学分野 山口  一  教授の論文でした。該当かどうかは、現段階ではわかりません。
 九大に関しては、大気海洋環境システム学専攻 経塚 雄策教授の橋脚を利用した潮流発電の実用化という研究のサイトがヒットしました。こちらも該当かどうかわかりませんが、可能性は高そうです。

参考
東京大学大学院 : 海洋技術環境学専攻

- 鉄道・運輸機構 : 平成20年度 課題の概要・報告書

"海洋開発・利用 日本沿岸域に適した低コスト潮流発電システムの開発 
山口 一(東京大学)佐々木 紀幸((独)海上技術安全研究所)(PDF)"

九州大学大学院 総合理工学府 大気海洋環境システム学専攻 沿岸海洋環境学研究室
/ 橋脚を利用した潮流発電の実用化

- 九州大学 総合理工学研究院 流体環境理工学部門 流体環境学 : 沿岸の小道


●潮流発電-----ナカシマプロペラ、五洋建設、広島工業大学

 そして、一番楽しみなのがナカシマプロペラが参加するこの五洋建設、広島工業大学とのグループ。ナカシマプロペラといえば、舶用プロペラの世界トップメーカーと知られる岡山の企業です。日本が鉄鋼と造船などのすべての力を注いで海洋エネルギーを開発状況が生まれるならば、こうしたパーツの製造もまた重要な産業になります。世界を凌駕する効率を追及する日が1日も早く来ることを望んでいます。
 広島工業大学では、潮流発電関連の検索ではヒットしませんでした。研究は、プロペラとか、流体のほうかもしれませんね。
 ナカシマプロペラが製造する、潮流発電用のタービン! ちょっと楽しみな研究です。期待しております。

参考
ナカシマプロペラ / 概要・沿革

Tomy's HP : 中島プロペラ(株)

".....今後の開発
今後は、プロペラを利用して、潮流発電をやっていきたいと中島基善社長は言っていました。

新しいエネルギーの開発に期待しています。周りを海に囲まれた日本は、潮流発電でエネルギーを生み出したいものです。"

J Global : 低コスト潮流発電システム用弾性ブレードの基礎検討 資料名:複合材料シンポジウム講演要旨集 2008

"..........鵜沢潔 (東大)、川村隆文 (東大)、影山和郎 (東大).........山磨敏夫(ナカシマプロペラ)....."

五洋建設 / エネルギー関連施設


参考エントリー
海洋エネルギー資源利用推進機構、イギリス EMEC のアドバイスを受けながら海洋エネルギー開発のための実証実験場を整備-----ソフトエネルギー、2012/03/13

欧州海洋エネルギーセンター European Marine Energy Centre(EMEC) / 情報のまとめ-----ソフトエネルギー、2012/03/14

[ カテゴリー : 潮汐力・海流など海洋エネルギー ]

岩手県がヨーロッパ海洋エネルギーセンター(EMEC)を参考に、被災地沿岸に風力と海洋エネルギー実証地を構想-----自然エネルギー、2012/03/09

[ 自然エネルギー カテゴリー : 海洋エネルギー-国内情報 ]
[ 自然エネルギー カテゴリー : 海洋エネルギー-海外情報 ]


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